2025年1月4日10時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月31日に熊本市中央区花畑町で起きた市電の脱線事故について、市交通局は3日、レールと枕木をとめる釘が緩んでレール幅が広がっていたと発表した。
事故の影響で運転見合わせが続いていた一部区間(水道町―辛島町)も含め、3日朝から全線で運行を再開した。
会見した市交通局によると、事故が起きた区間(約20メートル)を挟んだ前後の場所では、昨年秋の定期検査で、基準を最大十数ミリ超えるレール幅が確認され、昨年12月に幅を調整する工事をした。
その後、今回脱線した区間のレールに両側から力が加わってひずみが生じ、さらに普段の電車の振動もあって、レールと枕木をとめる釘が緩み、レール幅が基準より数センチも超え、脱線につながったとみられるという。
脱線区間のレール幅を調整した上で3日始発から運転を再開。当面は同区間は時速15キロに制限する。
また、定期検査で数ミリ超えている場所が7カ所あり、来年度予定だった補正工事を今年度内に前倒しして対応するとしている。
会見した井芹・交通事業管理者は、「年末年始に大変ご不便をおかけしました。現在実施している安全対策がこのままでよいのかと感じた。信頼回復に努めたい」と謝罪した。
https://www.asahi.com/articles/AST1344JHT13TLVB001M.html
1月3日12時2分にNHK熊本からは、熊本市電では1年間の事故トラブルが今回で16件目など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本市交通局によりますと、線路の幅が基準よりも広がっている場所は、脱線事故が起きた現場以外にもこれまでに7か所で確認されているということです。
市交通局は、いずれも広がりの幅はわずかで、ただちに車両が脱線する危険性はないとしていますが、今回の事故を受けて、この7か所の点検を強化するとともに、来年度に予定していた線路の幅を直す工事を今年度中に前倒して始めることにしています。
熊本市電は、去年1年間に起きた事故やトラブルが今回で16件目となり、熊本市交通局の井芹和哉交通事業管理者は「トラブルが度重なり、安全対策が不十分だったと反省している。現在実施している安全対策を精査し、1日も早い信頼回復に努めたい」と陳謝しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20250103/5000024176.html
※熊本市電で事故が多発しているという件、約3ケ月前の2024年9月21日10時0分に朝日新聞からは、トラブルが10件になった時点で交通局は九州運輸局から教育や管理体制見直しなどの改善指示を受けたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
脱線やドアが開いた状態での走行など、今年に入ってからトラブルが相次いでいる熊本市電。
運行する市交通局が、九州運輸局から運転士への教育や管理体制の見直しなどの改善指示を受ける事態となった。
20日、福岡市博多区の九州運輸局で改善指示文書を受け取った市交通局の井芹・交通事業管理者は「その都度改善してきたが、それでも同じ事象が重なり、食い止めることができなかったのは申し訳なく思っている。熊本市電の信頼回復に努めたい」と話した。
その上で、度重なるトラブルの要因について、退職者が多く出たことによる運転士不足と車両の老朽化を挙げ、「車両と人が疲弊したものと思っている。それがすべての要因ではないが、皆さんの声を聞きながら改善していきたい」と語った。
市交通局は10月21日までに改善措置の内容について九州運輸局に報告が求められている。
市交通局によると、今年になってトラブルは計10件。
車両をつなぐ連結棒が走行中に外れたり、運転士が赤信号を見落としたりするなどインシデントは7件で、そのうちドアを開けたまま走行した3件は重大インシデントに認定された。
他にも脱線事故が1件あり、人身事故も2件あったという。
相次ぐトラブルを受け、九州運輸局は7、8月に保安監査を実施した。
その結果、運転士に必要な教育が行われず、技能が基準に達していないケースのほか、視力が片目0.7以上、両目1.0以上の基準に達していないのに運転業務に就いていたケースなどが明らかになったという。
また、就業前後の点呼を実施していないのに完了した記録が記入されていたほか、軌道(線路)の間隔が基準値よりも広かったり狭かったりした箇所が複数見つかった。
https://www.asahi.com/articles/ASS9N53THS9NTIPE00PM.html
2024年12月15日7時37分に静岡新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
静岡鉄道(静岡市葵区)は、鉄道の線路保守作業員と列車の接触事故発生リスクを軽減するアプリケーション「トレりん」を全国で初めて導入した。
静岡県内では10日に、JR高塚駅(浜松市中央区)付近の線路上でレールの保守点検をしていた作業員が貨物列車と接触し死亡する事故が発生したばかり。
テクノロジーを駆使した新たな保安支援システムで、円滑な列車運行と作業員の安全確保の強化を図る。
アプリは、列車先頭車両に設置したスマートフォンの位置情報をGPS(衛星利用測位システム)で把握し、作業地点から一定の距離に列車が接近すると、安全を監視する列車見張り員のスマートウオッチが振動する仕組み。
2021年に東京都のIT企業「リアルグローブ」に開発を依頼した。
23年4月からテスト運用し、今月に本稼働を始めた。
リアル社は今後、静岡鉄道の導入実績を基に全国の鉄道会社へ利活用を呼びかける。
静岡鉄道では保線作業時に、1班あたり列車見張り員を1人か2人配置。
目視で列車接近を確認し、笛やメガホンで作業員に退避を促しているが、常に緊張を伴う作業のため見張り員の心的負担が課題だった。
アプリ導入で目視とのダブルチェックが整い、より早く確実な退避行動に移せる。
同社では近年、保線作業中の接触事故は発生していないが、急カーブなど見通しの悪い箇所では避難指示が遅れるヒヤリハット案件が報告されていたという。鉄
道部の高田保線区長は「振動による物理的な警告で心の準備ができるだけでも大きな意味がある」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/486bd7ef97d41fd3ded5b7eab6af757861e108d4
2024年12月10日18時43分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午前3時ごろ、浜松市中央区のJR東海道線の高塚駅近くの線路上で、作業員と貨物列車が接触したとJR東海から警察に通報がありました。
警察によりますと、静岡市清水区草薙に住む作業員、糸井さん(男性、49歳)が下りの貨物列車にはねられ死亡したということです。
警察によりますと、糸井さんは、ほかの複数の作業員とともに、上りの線路のレールを取り替えるための溶接作業を行っていましたが、この作業中に1人で下りの線路に向かい、時速およそ80キロで走行していた列車にはねられたとみられるということです。
また、JRによりますと、当時、現場では安全を確保するため、見張りをつけて作業をしていたということです。
警察は、当時の詳しい状況を調べています。
国土交通省によりますと、貨物列車は、JR貨物が運行していたもので、機関車1両と貨車25両のあわせて26両編成だったということです。
都内の東京貨物ターミナル駅を出て大阪市にある百済貨物ターミナル駅に向かっていました。
この事故を受け、国の運輸安全委員会は10日、現在、貨物列車がある愛知県稲沢市に事故調査官2人を派遣し、列車の運転士から話を聞くなどして詳しい原因を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20241210/3030026383.html
2024年11月28日19時19分にYAHOOニュース(熊本県民テレビ)から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
今年1月、熊本市電の乗車扉が開いたまま走行した重大インシデントについて、国の運輸安全委員会が調査報告書をまとめました。
この重大インシデントは今年1月5日午前10時頃、交通局前電停から味噌天神前電停に向かっていた熊本市電の車両が乗車扉を開けたまま走行したものです。
交通局前電停を出発した直後、乗客が運転士に知らせました。
市電は電停から74メートルの所で停止し、乗客と運転士あわせて12人にけがはありませんでしたが、事故につながりかねない重大インシデントとして、国の運輸安全委員会が調査を進めていました。
28日に公表された調査報告書によりますと、扉の開閉を検知するスイッチを押す棒が本来とは逆に取り付けれていたため、扉が開いていたにも関わらず閉まった状態として検知されていたと考えられるとしています。
なお、この開閉検知スイッチは故障すると交換していましたが、記録が残っていないため、いつ交換したかは不明だとしています。
その上で、運転士が扉を閉めずに出発したことについては、扉が閉まった状態と思い込み閉める操作をしなかったことや、車内にある鏡で確認を行わなかったことなどが関与したと考えられると指摘しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e61c609277970878979314eba5abccf4a629362
(ブログ者コメント)
タマタマの話ではなく、前回取り付け間違い後は、ずっと閉と開が逆表示だったはず。
誰も気が付かなかったというのもヘンな話だ。
報告書を確認しようと思ったが、まだ公表されていない模様。
2024年11月20日20時30分に朝日新聞から下記趣旨の記事が救助用渡り板の写真付きでネット配信されていた。
JR瀬戸大橋線で架線が断線し、快速マリンライナーが瀬戸大橋上で約6時間立ち往生した10日のトラブルについて、JR四国が20日、記者会見を開き、乗客が救援列車に乗り換える際に用いる非常用渡り板がマニュアルに定めていた場所で見つからず、救出が約2時間も遅れたことを明らかにした。
JR四国の説明によると、金属製の渡り板は長さ2.8~4.3メートル。
岡山側の児島駅と、香川側の坂出駅、宇多津駅の3カ所に保管していた。
当日は、児島駅から救援列車を横付けし、渡り板を使って乗客150人を救出した。
この検討段階で、児島駅の渡り板がマニュアルに定めた保管場所のポンプ室にないことが判明。
児島駅にいた同社社員が急きょトラックで坂出駅に向かい、渡り板を持ち帰るまでに約2時間かかったという。
渡り板はその後、児島駅のホーム下から見つかった。
2013年に移動させた記録も見つかったが、マニュアルに反映されていなかったという。
渡り板を使った救助訓練はしてきたが、児島駅で保管していた渡り板は1988年の瀬戸大橋線開業以来、一度も使われたことがなかった。
同社安全推進室の坂中副室長は「この2時間を重く受け止め、お客様が不安だっただろうと反省している。渡り板が発見できなかったことは非常に申し訳ない」と陳謝した。
四之宮社長は、渡り板の準備に時間を要したことと飲食物をいち早く乗客に届けることができなかったことについて「オペレーションに問題があったと考えており、マニュアルの改善や非常用設備の適切な管理などを進める」とコメントを出した。
一方、トラブルの原因については、何らかの要因で架線が切れた結果、パンタグラフなどが破損した可能性があるとの見方を示した。
詳しい原因はわからず、鉄道総合技術研究所に調査を依頼したことを明らかにした。
https://www.asahi.com/articles/ASSCN3H57SCNPLXB00BM.html?iref=comtop_National_03
11月27日16時52分に読売新聞からは、2つの救援方法が不可だったため渡り板救援方法になった、救出用列車の行き先についてJR西とJR四国の間で意見の相違があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
JR四国は列車が自走できないことから、当初、同じ上り線で別の列車を連結し、運ぶ方法を検討。
過去にあった車両故障による橋上での立ち往生は、この方法で対応した。
しかし、今回は架線が切れて、同じ上り線が使えないことが約1時間30分後に判明し、断念した。
次に、乗客に車両から降りて橋上を歩いてもらい、最寄りの島でバスに乗り換える方法を考えたが、バスの手配などができなかった。
そこで、児島駅から走行可能な下り線で列車を向かわせ、快速に横付けして渡り板を通って乗客が乗り換え、運ぶ方法に決めた。
・・・
◆「訓練不足」
・・・
最終的な救出方法が決まるまで3時間かかったことについて、四之宮社長は記者会見で「お客様も救出できるため、列車の駅への収容を優先させたが、お客様の救済だけを優先すべきだったのではというのは後から思えば反省点だ」とした。
そのうえで、「いろいろな事例に対し、優先順位を判断する訓練が不足していた」とした。
また、同社は、立ち往生中に乗客へ食料、飲料を届けることができなかったことも課題としている。
◆行き先変更
現場はJR西日本管内との境目近くで両社が連携して救出にあたったが、救出した列車の行き先を巡っては意見の相違があった。
両社は3年に1度、合同で非常時対応訓練を実施。
13年には乗客の救出作業や現地確認作業を迅速に行うとする覚書を締結している。
児島駅からの救出用の列車に関してJR四国は元々、乗客の乗り換え後、香川へ向かう計画で準備をしていた。
これに対し、JR西は快速の行き先だった岡山側に向かうよう主張。
行き先は1時間後、岡山側に変更された。
JR西岡山支社の林支社長は11日の記者会見で、「運行管理権はJR四国にあるが、もっと早いタイミングでもう少し強く提言することができたというのは、反省点があったんじゃないかと捉えている。非常時のコミュニケーションの仕組み作りはJR四国と一緒にやり、訓練も拡大したい」と述べた。
四之宮社長も「今回のことを踏まえ、JR西とも改善点を協議したい」とした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241126-OYT1T50198/
※以下は事故当時の報道。
(2024年11月11日21時20分 山陽新聞)
10日午前7時35分ごろ、JR瀬戸大橋線児島―宇多津間で、高松発岡山行き快速マリンライナー(7両編成、乗客約150人)が緊急停止した。
列車は児島から南へ約4キロの下津井瀬戸大橋上で立ち往生。
乗客は約6時間後に救援のための別列車に乗り換え、岡山方面に向かった。
けがや体調不良を訴える人はいないとしている。
JR四国によると、列車に電力を供給する架線が切れて垂れ下がっていた。
列車上部のパンタグラフ3基が全て損傷し、自力走行できない状態だった。
電圧がゼロになっている表示に運転士が気付き、車掌は異音を聞いて、ほぼ同時に緊急停止させた。
前日に四国で発生した大規模停電とは関係がないといい、原因を調べている。
瀬戸大橋上での架線切断は初めてという。
救援に向かった列車は下り線を使って停止した列車に横付け。
車両間に板を渡して午後1時半ごろまでに乗り換えてもらい、児島に向けて下り線を逆走した上で岡山まで運転した。
児島―宇多津間の上下線で運転を見合わせた。
架線の復旧を行った後に損傷した列車を児島に待避させ、午後8時ごろに運転を再開した。
特急を含む107本が運休・部分運休し、約1万5千人に影響した。
10日夜に記者会見した長戸鉄道事業本部長は「(乗客らの救助に)多くの時間がかかり、反省している」と謝罪した。損傷車両の一部を所有するJR西日本の林秀樹岡山支社長も11日の定例記者会見で陳謝し、「JR四国と一緒に原因調査に努める」と述べた。
JR瀬戸大橋線は11日始発から通常運行。
事故の影響で一部の列車は車両の編成数を減らしており、12日も続く見込み。
https://www.sanyonews.jp/article/1636268
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2024年11月19日6時41分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
渡島管内森町のJR函館線で16日未明に起きた貨物列車の脱線事故は、著しく腐食したレールが引き起こした可能性が高まった。
JR北海道は18日の記者会見で、通常15ミリの厚さがあるレールの「腹部」が腐食で5分の1まで減少していたと発表した。
運行の安全性が懸念される状態まで劣化していたが、JR北海道は事故2カ月前の点検で見逃していた。
なぜ事故は防げなかったのか。
「腐食がここまでひどい状況は会社発足以来初めて。今まで見たこともない」。
JR北海道の島村・鉄道事業本部長は18日の記者会見で脱線事故の原因の一つとなったとみられるレールの腐食についてそう説明した。
JRによると、腐食したレールは脱線した貨物列車から590メートル後方にある鷲ノ木道路踏切(渡島管内森町)内に敷設され、側面が敷板に覆われていた。
敷板は少なくとも14年間はがされたことはなく、何らかの原因でレールの腐食が進んだとみられる。
腐食によって細ったレールの腹部の厚さはわずか3ミリ。
「垂直方向の加重を受け止めることはかなり難しい」(島村本部長)状況だった。
JRは9月12日に事故現場付近で超音波によるレール検査を実施した際、異常を覚知していたが、敷板をはがしてレールの状態を確認することまではしなかった。
敷板に覆われた状態で見えるのは、列車の車輪と接触するレールの「頭部」のみで、目の届かない腹部の腐食は見つけられなかったという。
なぜ検査は徹底されなかったのか。
国土交通省は省令で鉄道各社にレールの定期検査を行うよう求めているが、具体的な検査周期や手法は各社の判断に委ねている。
JR北海道は1~4年に1回の頻度で探傷車を使ったレールの検査を行うと内規で定めているが、敷板を取り除いてレールを調べることまではルール化していなかった。
JR東海は過去の検査などで腐食が疑われた踏切のレールについて、5年に1度の頻度で敷板をはがして検査を行っているという。
レールの深刻な劣化が見逃されていた事態に専門家らは危機感を強める。
日本大の綱島均特任教授(鉄道工学)はレールの腐食について、塩害によって進んだと推測。鷲ノ木道路踏切は海岸沿いにあり、魚などを載せた漁業関係者の車両の通行も多いため「塩水が敷板の下にたまるなどし、長期間にわたってレールの腐食が進んだ可能性がある」という。
JRに対し「検査が表面的だったのではないか。これでは安全運行は絶対にできず、相当な責任が問われる」と早急な検査態勢の見直しを求める。
1996~2000年までJR北海道で保線などを担当した北見工大の白川龍生准教授(鉄道工学)は、塩害に加え、多くの大型車両や貨物列車の通行によって踏切内のレールに過重な負担が掛かり、劣化が進んだとみる。
「同様の条件がそろえば、レールの著しい腐食は他の場所でも起こり得る」と指摘し、海岸が近いなど類似の条件下にある踏切の点検を早期に実施すべきだと訴える。
今後、レール管理や点検に関する社内ルールの見直しを進めるJR北海道に対し、工学院大の高木亮教授(鉄道システム論)は注文する。
「今回の脱線事故は複合的な要因で起きたと考えるべきだ。ここまで劣化したレールを放置していたことは問題で、保線態勢の検証が急務だ」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1089798/
11月18日付の同社HPには、超音波検査結果の概要図など付きで説明資料が掲載されている。
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20241118_KO_3087lecture.pdf
11月21日20時36分にYAHOOニュース(北海道放送)からは、本来は15mmあるレール腹部厚みが3mmにまで減肉していた、これは塩害被害に関する過去の論文と符合するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先週、北海道森町で発生した貨物列車の脱線事故は、私たちの身近に隠れていた危険を浮かび上がらせました。
・・・
脱線現場から見つかった鉄の塊。
腐食して、ボロボロ、バラバラになったレールです。
これは、レールの断面を表わしたもの。
上から順番に「頭部」、「腹部」、「底部」と呼ばれます。
そして本来「腹部」は15ミリの厚さがありますが、事故現場のレールは薄いところで3ミリにまでなっていました。
・・・
実はレールの塩害については、JR東日本新潟支社が調査した論文を発表しています。
今から12年前=2012年のことです。
日本大学(鉄道工学) 綱島均特任教授 ;
「その論文によれば10年間で4ミリ(レールの)腐食が進むと言われてるので、今回(事故が起きた踏切では)30年レールを使っているわけなんですけども、単純計算で言えば、12ミリ以上の腐食があってもおかしくはないということになると、今回の腐食量とも、かなり符合する」
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/4acc2262e80211fe232517909d155bdf931d686c
11月21日21時53分にYAHOOニュース(鉄道ライターの寄稿文)からは、事故の背景の一つとして大量の離職者が出続けていることも考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
事故現場となった鷲ノ木道路踏切では9月12日に超音波検査を実施したところ異常が検知されていたものの、目視により線路頭部の確認しか行われず、踏切の敷板を外してレール腹部の確認までは行っていなかったことから、レールの腐食を発見することができなかった。
JR北海道の内規でも確認は求めていなかった。
こうした状況に対して、「検査体制の不備がある」ことや「内規があいまいで作業員が未熟だった可能性がある」という有識者からの厳しい指摘も報道されていた。
有識者が指摘する「作業員が未熟だった可能性」の背景のひとつの要素としてあるのは、止まらない大量の離職者だ。
JR北海道が11月13日に発表した2024年第2四半期の報告書では4月から9月の自己都合退職者が89名になると公表されていた。
この数字は昨年度の同時期と比較して2名減少しているものの、昨年2023年度の自己都合退職者は236名で初めて200名を超えた。
ここ数年、JR北海道では例年200名近い自己都合退職者を出し続けており、その人数はこの5年間で約1000名にのぼる。JR北海道では、2024年10月入社の社会人採用と2025年4月の新卒・社会人採用で250名を確保するというが、採用した人数とほぼ同数の人数が自己都合退職していくという現実だ。
JR北海道の離職者が止まらない理由の一つには、給料の低さがあるようだ。
転職サイトに書き込まれたJR北海道の退職理由を見ると「独身だと結婚する気が起きないほど給料が低く、仕事に対するモチベーションが湧かない」といったものや、「30代から40代の働き盛りのベテランが少ないので技術継承が難しく、仕事を覚えるには根気がいる」、さらに「国鉄時代の悪しき風土が抜けきれておらず、社内の雰囲気がよくない」といった趣旨の書き込みも見受けられた。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/21eaa68075dd33a00410a48154ed02179f601615
(2024年12月1日 修正1 ;追記)
2024年11月30日8時15分にYAHOOニュース(STV)からは、漁港近くの踏切ゆえ通過する車の荷台から海水がこぼれていた、線路が曲線ゆえ踏切内に凹凸ができ、そこに水がたまりやすかった、緊急点検結果、海沿いの30年超踏切24か所では異常なかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
レール腐食の原因はわかっていませんが、脱線が起きたとされる踏切のすぐ近くには漁港があり、地元の人からは「塩害」の可能性が指摘されていました。
(地元の漁師):
「漁師だから塩水積んだ荷物を運んだら常に塩水がかかる。だから普通の踏切とはわけが違う」
踏切では、漁業関係者が荷台に積んだ荷物から海水がこぼれる様子も見られました。
さらにー
(宇佐美記者):
「列車が踏切を通過します。車両が大きく右に傾いています」
JRは塩害のほかにも、線路が曲線で傾いていたことがレールの腐食につながった可能性があると説明しました。
(JR北海道鉄道事業本部 進藤工務部長):
「傾きがついた線路になっていて、踏切内が凹凸がついた道路面になっているので、凹凸のくぼみに水がたまりやすかったのでは。
環境要因など、どれが鷲ノ木道路踏切(現場)で強く働いたか現段階では特定できていない」
JR北海道は事故をうけて、海沿いにあり敷設30年以上経過するなどした道内24の踏切を22日までに緊急点検し、異常がないことを確認しました。
さらに今後は点検範囲を拡大するとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9d8112d88ab564cf6834a68efe1686b1ce70e44
11月30日8時15分に同じYAHOOニュース(STV)からは、ほとんどの漁業関係者がこの踏切を利用していてトラックが段差を通るたびに海水がこぼれているなど、下記趣旨の記事が複数枚の写真など付きでネット配信されていた。
現場の踏切で何が起きたのか、検証しました。
・・・
■踏切を起点に脱線か 物流の大動脈で事故
・・・
■JRも「初めて見た」 踏切のレールが腐食
・・・
■漁港近くの踏切 トラックが通ると海水が…
問題の踏切を通り抜けると…
(宇佐美記者)
「目の前に港が見えます。たくさん船がとまっているのがわかります」
鷲ノ木踏切と目と鼻の先にある、森町の「鷲ノ木漁港」です。
地元の漁師に話を聞いてみると…
(宇佐美記者):
「どういう踏切?」
(地元の漁師):
「(利用するのは)主に浜の人」
「(漁師は)全員使っている」
さらに話を聞いてみると、多くの人が懸念していたことが浮かび上がってきました。
(地元の漁師):
「4トン車とか結構通るから、だんだんすれば(揺れると)水がこぼれる」
「漁師だから塩水を積んだ荷物を積んだら常に塩水がかかる。だから普通の踏切とはわけが違う。そういうのをJRは丹念にしていない。だからこういう事故になったんだ」
(宇佐美記者):
「海水でしょうか。漁港から来た軽トラックから少し水がこぼれているのが見えます」
ほとんどの漁業関係者がこの踏切を利用していて、段差で車が大きく揺れているのがわかります。
別のトラックも荷台に積んだ海水が線路に・・・。
普通の踏切とは、明らかに状況が違っていました。
(日本大学 綱島均特任教授):
「海風の影響によって塩分がレール腹部に付着し、それに加えて日常的に漁業関係者が通っていて、塩分がさらに付着しやすい影響があれば、腐食が進む可能性は当然考えられる」
■レールはわずか3ミリに…敷設から32年経過
・・・
■地元の漁師「なるべくしてなった」
(地元の漁師):
「1回も(レールを)取り替えているのを見たことない。これだけ塩水がかかるところでたったそれだけの点検で。なるべくしてなった」
・・・
(JR北海道 綿貫社長(20日)):
「現場の責任ではなく、そういうルールにしていたので、腹部の腐食に思い至らなかったルールの設定の問題と認識」
■「塩害の影響」踏切の特異的な構造も
・・・
■繰り返される脱線事故 修繕費は4割増加
・・・
■厳しい経営状況「国全体で考えるべき」
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/732f663c9e2983c53a3272604cbeec3a4297e3de
2023年10月17日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/13487/
(2024年10月18日 修正2 ;追記)
2024年10月9日19時0分に朝日新聞からは、社長である父親の指示で硫酸入りと硝酸入りのPETボトル2本を運んでいた、両名書類送検、座席の足元に置いていたボトルから硫酸が漏れたためデッキに移動させた、漏れ出た硫酸が硝酸入りボトルを溶かしたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
東北新幹線車内で昨年10月、硫酸を漏らし、他の乗客にやけどをさせたとして、仙台中央署は9日、地質調査会社長の男性(42)=東京都台東区=と、父(81)=大分県=を業務上過失傷害の疑いで仙台地検に書類送検し、発表した。
起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
署によると、硫酸は男性が父の指示でペットボトルの容器に入れて運んでいたが、溶けて漏れ出した。
捜査関係者によると、男性は「容器が溶けるとは思っていなかった」旨の話をしているという。
送検容疑は昨年10月9日午前11時50分ごろ、JR仙台駅に停車直前だった東北新幹線新青森発東京行きはやぶさ52号(10両編成)の車内で、ペットボトルに入った硫酸を漏らし、乗客の親子3人にやけどをさせたというもの。ともに容疑を認めているという。
署によると、男性は父親からペットボトルを手渡され、薬品を運ぶようにと指示を受けた。
青森県内の関連施設から薬品を持ち出し、別の関連施設がある大分県に向かうため、1人で新幹線に乗車した。
硫酸と硝酸が入ったペットボトル2本を6号車の座席の足元に入れていたが、他の乗客から「液体が漏れている」との指摘を受け、デッキに移動していたところ、通路に硫酸が漏れ出た。
液体で滑って転んだ男児(6歳)が尻に1カ月のやけどをするなど、親子3人がけがをした。
社長も両手足にやけどをして入院した。
ペットボトルはキャップ以外が溶け、原形をとどめていなかったという。
当時のデッキ付近は白い煙で充満した。
捜査関係者によると、漏れ出た硫酸が硝酸の入ったペットボトルを溶かし、二つの液体が混ざり合った結果、煙が出たという。
https://www.asahi.com/articles/ASSB93285SB9UNHB003M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
10月9日22時8分に読売新聞からは、2.7ℓのPETボトルだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
硫酸は適正な容器に入れる義務があるのに、2・7リットルのペットボトルに入れて運び、原形をとどめないほど溶けていたという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241009-OYT1T50215/
10月9日18時23分にYAHOOニュース(時事ドットコム)からは、硫酸は鉱物精製研究などに使うものだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台中央署によると、硫酸は鉱物精製の研究などに使用するもので、青森県内の会社関連施設から大分県内に運搬途中だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/03da971de40daf48144519e3fb6625b18dc58d4a
2024年10月8日6時50分に読売新聞から下記趣旨の記事が、現場付近の枕木劣化状況などの写真付きでネット配信されていた。
いすみ鉄道(千葉県大多喜町)の車両が脱線した問題で、同社は7日、大多喜町役場で記者会見を開いた。
事故現場付近で線路の枕木が腐食していたことを明らかにし、脱線の原因との見方を示した。
問題の枕木を強度の強いコンクリート製に交換するため、今月中に作業に着手する予定だったという。
古竹社長が記者会見し、「事故を重く受け止める」と陳謝した。
脱線については「車両の問題ではなく保線の問題」「断定はできないが、枕木の劣化が事故の一因」と述べた。
列車は事故当時、規定の速度(時速42キロ)を守っていたという。
同社によると、事故現場に近い国吉駅から苅谷踏切までの区間では、枕木の腐食が進み、交換が必要な状態だった。
事故現場付近のレール1本(約20メートル)が外向きに横倒しになっていたが、同社は、列車の脱線後、線路が劣化した枕木から外れたとみている。
事故現場付近の線路と枕木。線路は外側に横倒しになっている。
同社は2013年12月にも、西畑―上総中野駅間で脱線事故を起こしている。
この時の原因は枕木の経年劣化だった。
枕木とレールの接続が緩むと軌道間が拡大し、脱輪するリスクが高まるという。
同社は過去5年間で毎年約300本ずつ、木製からコンクリート製のPC枕木に入れ替えを進めてきた。
今回の脱線で問題になった枕木は、11月20日までの工期で交換する計画だった。
事故は4日午前8時8分、いすみ市苅谷の国吉―上総中川駅間で起きた。
大原発上総中野行き普通列車(2両編成)が脱線。
高校生などの乗客104人と運転士1人にけがはなかった。
運輸安全委員会の鉄道事故調査官が調査を進めている。
同社は9日、重機で列車2両を線路脇に移動させ、枕木と線路を交換する。
10日以降に車両を大多喜駅まで移動させる予定だ。
大原―上総中野駅間の全線(26・8キロ)で安全を確認し、今月末の運転再開を目指す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241007-OYT1T50218/
(ブログ者コメント)
経営厳しいローカル線ゆえ、一挙に枕木交換というわけにはいかず、劣化度合いによって優先順位をつけて計画的に交換を進めていたものと推察するが、結果的には交換寸前に事故が起きてしまった。
優先順位のつけ方に反省すべき点はなかったのだろうか?
ちょっと気になった。
2024年9月26日17時32分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮城県内の東北新幹線古川―仙台間で、時速約315キロで走行中の上り「はやぶさ・こまち6号」の連結器が外れた事故で、JR東日本は26日、こまちの運転台にある、列車同士を強制分離させるスイッチの裏側から、製造時の削りくずとみられる金属片が見つかったと発表した。
金属片が介在してスイッチを操作したのと同じ状態となり、分離したとみられるという。
JR東によると、強制分離は列車同士をつなげる作業で異常が起きた際にやり直すためのもの。
通常の分離は時速5キロ以下でないと作動しない仕組みだが、強制分離に速度条件はないという。
原因調査で、こまち6号の運転台パネルの裏側を確認したところ、最大約2センチの金属片が複数見つかった。
新車製造時にパネルをドリルで取り付けた際の削りくずとみられ、そのうちのひとつが強制分離スイッチの端子同士をつないでしまっていたという。
併合運転する全96編成のスイッチ裏を点検すると、こまちとして走るE6系のみ、計11編成で金属片が見つかった。
JR東は金属片を取り除くとともに、再発防止策として10月末までに全96編成の強制分離スイッチの配線を取り外して無効化するという。
分離事故は19日に発生。
乗客計320人にけがはなかったが、東北新幹線は全線が5時間以上ストップした。
走行中の新幹線で連結器が外れる事故は初めて。
池田・新幹線統括本部長は、「新幹線の安全に心配をかけたことを深くおわびする。フェールアウト(故障時に安全でなくなる)のものが他にもないか、検証を続ける」と述べた。
https://www.asahi.com/articles/ASS9V2S51S9VUTIL02FM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
9月27日に日経クロステックからは、金属片を使った実験でも連結器分割動作が再現されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は、東北新幹線を走行中の列車「はやぶさ・こまち6号」が分離した事故の原因について、連結器解放スイッチの端子間が金属片で短絡(ショート)したためとの推定を公表した。
同事故では2024年9月19日8時7分頃、はやぶさ・こまち6号(上り東京行き17両編成)が古川~仙台間を走行中、はやぶさ号とこまち号の連結部(10号車と11号車の間)が外れ、列車の分離時に自動動作するブレーキによって停車した(図1)。
連結器とその周辺には破損などの異常が見受けられず、JR東日本が原因を調べていた。
■ドリルくずのような金属片を発見
調査結果によれば、後方の編成であるこまち6号(E6系)の運転台にある連結器解放用のスイッチの端子部付近に金属片が発見された。
この金属片をスイッチの端子部に接触させる試験を実施したところ、連結器が分割する動作が「再現された」(JR東日本)という。
「本来、スイッチを扱うことで電気的につながる箇所が強制的につながり、連結器が外れたものと推定される」(同)としている(図1)。
スイッチ端子の短絡による回路誤動作により、こまち側の連結器には圧縮空気が送られ、カギの部分を解錠させる力がかかった。
前方の編成であるはやぶさ6号(E5系)側には空気圧がかかっていなかったため、こまち側に押し負けて解錠状態になってしまった。
連結器のカギ部分は、通常は空気圧がかからず、分割併合の作業時にのみ空気圧がかかるようになっている。
スイッチ端子付近にあった金属片は、ドリル加工によって生じる切りくずのように見える。
JR東日本が車両メーカーと調査したところでは、「車両の製造時に発生したものの一部が車体内部に残っていたと推定される」という。
JR東日本は新幹線車両のうち、2編成での併合(連結)運転に使うE2系、E3系、E5系、E6系、E8系の各型式全96編成について解放用のスイッチ端子部付近に金属片がないかを確認。
当該編成以外ではスイッチ端子部付近に金属片の付着はなかったが、E6系全23編成の中で当該編成以外の10編成でスイッチの裏面周辺に金属片を認めたため、これを除去したとしている。
暫定的な対策として、併合運転に使用する車両の当該スイッチから配線を取り外し、回路を無効化する。
このスイッチは、併合作業が完了しない場合に再度分割させるためのもので、通常の分割併合作業にかかわる回路とは別に設置されている。
E6系については2024年9月27日まで、その他の車両については2024年10月末までに完了するという。
恒久的な対策としては、連結器を解放する回路が走行中に動作しないよう、仕組みを見直す。
■分離時に自動ブレーキが動作
同事故では非常ブレーキ・緊急ブレーキが動作し、はやぶさ6号とこまち6号が約300m離れて停止したほか、下り線でも列車が停止。
事故発生後約5時間後の13時12分に全線で運転を再開した。
はやぶさ6号、こまち6号はそれぞれ仙台駅まで自走した。
上下合わせて72本が運休、同じく35本が最大351分遅れ、約4万5000人に影響した(図2)。
負傷者はなかった。
車両間の連結器が外れて列車が分離する事故は古くからしばしば発生しており、例えば1909年2月に北海道・塩狩峠で発生した事故は、文学作品の題材になるなどしてよく知られる。
以前、貨物列車を含めて列車後端に車掌が乗務していた理由の1つは、分離が発生したときに人力でブレーキ操作ができるようにするため。
その後、列車全体に空気管を引き通し、これが減圧するとブレーキがかかる仕組みにして、分離時に自動でブレーキがかかるようになった。
近年は、列車全体を往復する電線(回路)を引き通した上、復路側に降圧で動作するブレーキ装置を接続し、往路側の端を加圧する仕組みによって、やはり分離時に自動ブレーキがかかるようになっている。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/24/01561/
2024年9月30日16時53分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山陽新幹線は、今月23日、山口県内での架線の張り替え作業が遅れたうえ、作業を終えた車両が「埴生トンネル」内で動かなくなり、広島駅と小倉駅の間の上下線で、始発から午前11時半すぎまでのおよそ5時間半にわたって運転を見合わせました。
JR西日本によりますと、新幹線75本が運休し、遅延も含めて7万人余りに影響が出ました。
JR西日本は、30日、これについて、架線に通す金具の取り付け手順を誤ったことや、作業を終えた車両のブレーキが緩まず動かせなくなったのは、車両の非常停止ボタンを誤って押し下げていたことが原因だったと発表しました。
JR西日本は、再発防止策として、複数人による作業手順の確認や、ブレーキが緩まない場合の非常停止ボタンの確認を徹底すること、それに、非常停止ボタンの状態をわかりやすく確認できる仕組みづくりを検討するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20240930/4060021335.html
9月30日23時0分に産経新聞からは、手順誤りで工事に時間がかかり、焦ってミスを重ねた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西によると、厚狭―新下関間の下り線で22日の終電後から架線を交換する作業をしていたが、予定通り終わらず、23日の始発から午前11時35分ごろまで運転を見合わせた。
上下75本が運休、121本が遅れ、約7万2千人に影響が出た。
要因について、作業員が架線の交換手順を間違え、通常より時間がかかったのに加え、保守用車両にブレーキがかかり、線路上で動かなくなるトラブルが重なった。
JR西の広報担当者は「作業員が架線交換の遅れに焦り、ミスを重ねた可能性がある」と説明した。
https://www.sankei.com/article/20240930-3DOBYPF4KZKZJGPIN5AANKOUIE/
9月30日付でJR西日本には、先に通すべき金具に架線を通していなかったなど、下記趣旨のプレスリリースが掲載されていた。
・・・
4.概 況
9月22日23時40分ごろより、厚狭駅~新下関駅間下り線において、保守用車を使用し、車両に電気を供給する架線の張替作業を実施していました。
23日の3時57分ごろ、(1)架線を接続する手順を誤ったため、復旧材料を手配し、作業時間を延伸して6時20分に現地での作業を終了しました。
その後、作業に使用していた保守用車を新山口保守基地に回送しようとしたところ、(2)保守用車のブレーキが緩まない事象が発生したため、新山口保守基地から救援の保守用車を手配し、11時32分に保守用車を新下関駅へ収容、11時36分に運転を再開しました。
5.それぞれの事象の原因と対策
(1) 架線の接続手順誤り
原因:架線を磁器がいしに接続するための金具の取付手順を誤ったまま作業を進めてしまいました。
対策:作業手順を複数人で確認すること、ならびに作業手順の誤りを想定し対応策(復旧材料の持ち込みなど)の準備を徹底します。
(2) 保守用車のブレーキが緩まない事象
原因:作業中に保守用車作業台にある非常停止ボタンを誤って押下げていたため、保守用車のブレーキ が緩みませんでした。
ブレーキが緩まないことに対して、ブレーキが取り付けられている台車付近の調査に集中してしまい、非常停止ボタンの状態確認ができていませんでした。
対策:ブレーキが緩まないときは非常停止ボタンの状態を確認することを徹底します。
非常停止ボタンを押下げしたことを分かりやすく確認できる構造を検討します。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/240930_00_press_sanyoushinkansen.pdf
2024年8月1日23時9分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後4時35分ごろ、大阪府寝屋川市木田元宮の京阪電鉄寝屋川車両工場で作業中に事故があったと、大阪府警寝屋川署に消防から通報があった。
同署によると、男性社員(54)が車体に取り付ける台車にひかれ、搬送先の病院で死亡が確認された。
同署によると、台車の重さは約10トン。男性は「トラバーサー」と呼ばれる重量物を平行移動させる大型装置を操作し、台車を車体まで移動させようとしていたという。
何らかの理由でトラバーサー上の台車が動き出し、止めようとしたところを巻き込まれたとみられる。
同署が、安全対策に問題がなかったかなど、詳しい事故原因を調べる。
https://www.sankei.com/article/20240801-POHPQQ7SARNAXOBDBB2BW3GZK4/
8月1日22時22分に朝日新聞からは、車輪取付け中に車輪が外れ、それを追いかけていて下敷きになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後4時半ごろ、大阪府寝屋川市木田元宮2丁目の京阪電鉄寝屋川車両工場で、作業員の男性(54)=京都市伏見区=が電車の車輪の下敷きになっているのを同僚が見つけ、119番通報した。
男性は病院に搬送されたが、約1時間後に死亡した。
府警寝屋川署によると、男性は当時、1人で電車の車輪の取り付け作業をしていた。
車輪は約10トンあり、通常は装置に固定して移動させるが、何らかの原因で装置から外れたとみられる。
他の作業員が、転がる車輪を追いかける男性の姿を見たとの目撃情報があり、その後、下敷きになった可能性があるとみて、府警は車輪が外れた原因などを調べる。
https://www.asahi.com/articles/ASS814D82S81PTIL00TM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
8月2日9時12分にYAHOOニュース(mBS NEWS)からは、車輪がついた台車(10トン)を車体に取り付ける作業中、台車が荷台から落下、追いかけた男性が下敷きになった、ワイヤー固定不十分?など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によりますと、京阪電鉄の社員・藤本さん(54)が車輪がついた台車を電車の車体に取り付ける作業をしていた際、何らかの理由で台車を運んでいた荷台から重さ約10トンの台車が落下。
それを追いかけた藤本さんが台車の下敷きになり、その後病院に搬送されましたが、死亡が確認されたということです。
台車と荷台を固定していたワイヤーの接続が不十分だった可能性があり、警察は詳しい事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b8f17c9bf4521112729c44f3673bd211b59053a7
8月1日付で同社HPには、台車の下に倒れた状態で発見されたなど、下記趣旨のお詫び記事が掲載されていた。
・・・
2. 発生場所
寝屋川車両工場内 寝屋川市木田元宮 2 丁目 1 番 1 号
3. 状 況
上記場所において、16 時 20 分頃に作業員1名が台車(電車の車輪および、その取り付け部分)の下に倒れた状態で発見されました。
この作業員は救急隊により搬送されましたが搬送先の病院で死亡が確認されました。
・・・
https://www.keihan.co.jp/corporate/release/upload/20240801_owabi.pdf
2024年7月22日21時19分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午前3時35分頃、愛知県蒲郡市の東海道新幹線上り線で、線路のメンテナンスなどをしていた保守用車両2台が衝突し、いずれも脱線した。
この事故で、同線の浜松―名古屋間は22日の終日、上下線とも運転を見合わせた。
運休は上下線で計328本に上り、約25万人に影響が出る見込み。
23日は始発から一部の列車で運休や遅れが発生する可能性があるという。
22日夜、東京都内で記者会見したJR東海の川越施設部長は、「夏休みに入ったところで、始発からご迷惑をかけたことに深くおわび申し上げます」と謝罪。
復旧作業が遅れたことについては、「保守用車両の損傷が激しく、脱線に伴う線路設備の整備にも時間がかかった」と釈明した。
JR東海によると、保守用車両は21日の終電後、豊橋―三河安城間で線路上のバラスト(砕石)を固める作業を行った。
作業後に停車していたところに、名古屋市から愛知県豊橋市の保守基地に向けて時速約40キロで走行していた別の保守用車両が衝突し、2台とも脱線した。
この事故で男性作業員2人が首の骨を折るなどのけがを負った。
今回の事故を受け、国土交通省は22日、JR東海に対し、再発防止のための措置を講じた上で報告するよう指導した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240722-OYT1T50166/
7月22日23時51分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、作業を終えた作業車が線路上に停まっていたところに回送中の作業車が40キロほどで突っ込んだ、ブレーキ操作したが利かなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
立ち往生したのはひと繋ぎの列車ではなく、2つの保守用の車両でした。
2つの保守車両はセットで動くこともあるといいます。
まず、砕石を積んだ車両が先を走ってどんどん線路にまいていきます。
新たな石を追加しないと、振動による摩耗で小さくなっていくからです。
後ろに続く、もう1つの保守用の車両の役目は、砕石を突き固めてレールのゆがみを補正すること。
ただ今回、この2種類の車両は一緒に作業していたわけではないとみられます。
JR東海によると、実際に作業していたのは砕石を突き固める車両だけでした。
作業を終えて線路に止まっていたところ、豊橋の保守基地に戻っていた回送中の車両が衝突。
何らかの原因でブレーキが利かなかったということです。
衝突した車両の運転士ら2人が負傷し、1人は首の骨を折る重傷でした。
・・・
復旧に時間がかかった理由について、JR東海は…。
JR東海の会見 :
「40キロほどのスピードでぶつかっておりまして(車両を)切り離すのに慎重を期して、まず時間を要した。
衝突した結果、油等も漏れていたので、その処置も行わなければいけなかった。
搬送台車という車をつけて運搬するのですが、もう一度脱線すると大変なことになりますので、その辺りも慎重に慎重にということをやっていて、予想より時間を要してしまった」
事故の原因については調査中としています。
JR東海の会見 :
「(現場は)新幹線の中では比較的急な下り勾配になります。
勾配が起因したかどうかについては断定はできておりません。
それと運転者が居眠りだとかよそ見だとかということもなくて。
それぞれ係員2人おりますけれど、別々話を聞いても、きちんとブレーキ操作していたということですので。今
のところ、そちらの手順誤りみたいなことはない。
何らかの原因により減速ができなかったと思われます。
詳細については現在調査中です」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f46a317a6dd3effbd1501d172c47f85c10d66cbd
7月22日19時24分に朝日新聞からは、新幹線にはATCなどが備えられているが保守用車は複数台が近接して作業する場面も多いなど、下記趣旨の記事が複数枚の写真付きでネット配信されていた。
・・・
なぜ復旧作業は長引いたのか。
JR東海によると、事故を起こした保守用車両は2台とも脱線し、自力走行できない状態となった。
このため、線路に戻しただけでは動かせず、いったん運搬用の台車を使い、別の車両で牽引(けんいん)する作業が必要となった。
これによって事故車の撤去作業に時間がかかり、復旧作業が長期化しているという。
東海道新幹線の線路は一般的な在来線と同様に、盛り土の上にバラスト(砕石)を敷き詰める構造。
山陽や東北などコンクリート板に直接線路を敷く「スラブ構造」の新幹線と比べ、乗り心地が快適となる半面、バラストの突き固めなどの保線作業が必要となる。
新幹線の保守作業は終電後の午前0時から、始発前の午前6時までの間に行われる。
ある新幹線技術者は、「基地からの保守用車の出し入れや、始発前の安全確認に必要となる時間を除けば、実質的に作業できるのは数時間が限度」と話す。
作業の遅れは始発の遅れに直結するため、現場はかなり慌ただしい雰囲気だという。
新幹線の営業列車は追突を防ぐため、先行列車との距離に応じて自動ブレーキがかかる自動列車制御装置(ATC)など手厚い安全システムを備えている。
一方、保守用車は複数台が近接して作業する場面も多く、運転士らの注意力に頼ることも多いという。
東海道新幹線では1993年と2015年にも、保守用車同士の追突、脱線事故でダイヤが混乱する事故が発生。
JR東海は再発防止策として、保守用車同士の接近警報装置の改良などを続けてきた。
https://www.asahi.com/articles/ASS7Q2H86S7QUTIL01RM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
・・・
復旧作業が完了したのは発生から18時間半後です。
時間を要した理由について、JR東海は下記の3点をあげています。
・ぶつかった車両を切り離すのにまず時間がかかった。
・衝突での油もれの処置や損傷した枕木の交換も必要だった。
・保守用車両の運搬も時速10kmを想定していたものの半分の時速5kmでしか動かせていない。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f633d29677c4c449ddc4bd3a7454237e672e34e
7月26日10時41分にYAHOOニュース(共同通信)からは、追突された作業車に乗っていた2人もけがしていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は26日、負傷した作業員が4人になったと明らかにした。
当初は2人としていたが、追突された車両に乗っていた2人も24日に医療機関を受診し、首や腰を捻挫していることが判明したという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e21b772042867e5abe341e2a2cc9fcc67027fa50
(2024年8月8日 修正1 ;追記)
2024年8月5日15時29分にYAHOOニュース(テレビ静岡)からは、ブレーキ力の確認を、メーカー想定の最大圧力で行っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は8月5日、衝突した保守用車について、軌道モーターカーに牽引された6両の砕石運搬散布車のうち、少なくとも3両はブレーキ力が大きく低下した状態で走行していたと発表しました。
一方、軌道モーターカーのブレーキ力に異常はなかったということです。
また、残る3両の砕石運搬散布車は衝突の影響で破損していたため、ブレーキ力の確認が出来ていません。
JR東海によると、ブレーキ力が適正であるか確認するための指標が、本来ならば使用停止とすべき値となっていたものの、メーカーが想定する確認方法を採っていなかったことなどから、この点を認識できていませんでした。
具体的にはブレーキシリンダーのストローク量を確認する際、メーカーが最大圧力でブレーキをかけた状態で行うことを想定していた一方、JR東海は最大圧力でブレーキをかけていなかったということです。
このため、今後は適正かつ適切な方法で確認するよう社内教育を徹底する方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/41058f45d039ab6db950b186778a38fea7702030
8月5日16時42分にYAHOOニュース(静岡放送)からは、衝突した車は9両編成で、うち6両が動力のない砕石運搬車だった、現場は東海道新幹線の中で最も下り坂が急な区間だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海によりますと、停車していた車両にぶつかった車両は9両編成で、3両が動力車、6両が動力のない砕石運搬車でした。
事故があったのは東海道新幹線の管内で最も下り坂が急な区間で、時速46キロで坂を下っていたところ、砕石運搬車のブレーキに異常があったことから十分に減速できず、衝突したということです。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/f2ec8b7fce41bc5e21cd73fc87461c4965c0d111
8月5日20時37分に朝日新聞からは、車両を導入した2010年から誤った方法でブレーキ装置を点検していた、運搬車30両のうち、ほかの5両でもブレーキ力不足だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は5日、ブレーキ装置の点検方法を誤っており、一部の車両のブレーキがほぼ利かない状態だったと発表した。
点検方法の誤りは、車両を導入した2010年から続いていたという。
・・・
運転士がブレーキを操作すると、ブレーキシリンダー内に空気が送り込まれ、車輪に制動力が伝わる仕組み。
作業前の点検でシリンダーの可動部を確認していたが、ブレーキの強さや目盛りの判定位置を誤っていたため、装置の摩耗が進み、ブレーキを掛ける力が低下していたという。
同社には運搬車が計30両あるが、ほか5両でもブレーキ力不足を確認。
事故車を含め、約3分の1に問題があった。
同社は正しい点検方法をマニュアル化し、再発を防ぐとしている。
https://www.asahi.com/articles/ASS853PTYS85UTIL004M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
8月5日20時45分に毎日新聞からは、誤った方法で点検していたためブレーキ部品の磨耗に気が付かなかった、点検時、メーカー想定より低い圧力をかけていた、普段と違い、この日は作業前にブレーキ力確認作業を省略していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東海は5日、追突した保守用車両のブレーキ部品の一部が摩耗し、使用停止すべき状態に達していたことが事故原因だと明らかにした。
点検時にメーカーの想定と異なる誤った方法でブレーキ力を確認していたため、不具合に気付かなかったという。
JR東海によると、追突したのは線路下に敷き詰める砂利を運ぶ「砕石運搬散布車」(6両)。
ブレーキ力を点検する際、メーカーが想定するよりも低い圧力をかけて点検を行っていたため、ブレーキ力の低下に気付かなかったという。
また、普段は作業前にブレーキ力の数値の確認をしているが、この日は作業員が確認作業を省略していたという。
事故後にこの車両を調べたところ、車輪にブレーキをかける制輪子の摩耗が進んでおり、使用停止すべき状態だった。
このため、急勾配で非常ブレーキがきかず、停車していた別の保守用車両に衝突したという。
https://mainichi.jp/articles/20240805/k00/00m/040/267000c
8月5日付で同社HPには、ブレーキシリンダーのストローク調整判定方法についてメーカーに確認していなかったなど、下記趣旨のニュースリリースが掲載されていた。(ストローク検査などの図解付き)
・・・
2.原 因
・・・
砕石運搬散布車のブレーキ力が大きく低下した状態で走行していたのは、ブレーキ力が適正か否かを確認するための指標となるブレーキシリンダーのストローク量(以下、ストローク量という。)が、本来ならば使用停止すべき値となっていた(※2)にもかかわらず、使用前にそのことを認識できなかったためです【別紙2】。
その理由は、以下のとおりです。
(1)ストローク量を確認する際、最大圧力でブレーキをかけた状態で行うという保守用車メーカー想定の確認方法を採っていなかったこと【別紙3】。
(2)ストローク量の調整要否の判定について、当社から保守用車メーカーに対して判定方法の確認を行わず、両者の認識が異なり、結果的に誤った方法で判定していたこと【別紙4】。
その結果、使用停止とすべき砕石運搬散布車を「使用可能」と誤った判断をするに至りました。
なお、本来は当該保守用車の作業者が夜間作業の前にストローク量の確認を行うべきところ、7月20日の作業者は、確認を行ったものの、7月21日の作業者は前日のストローク量をふまえ、確認を省略していました(※3)。
・・・
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043732.pdf
(ブログ者コメント)
〇メーカーから装置を購入した際は、メーカーの取説に従って自社の運転・保守マニュアルを作成すると思うのだが、なぜ、メーカーが想定した方法で点検しなかったのだろうか?
〇新幹線本体の整備マニュアルはしっかりしているが、付帯設備関係のマニュアルはそうでもなかった・・・といったことはなかったのだろうか?
なにせ、そういった事故が結構起きているようなので・・・。
2024年7月10日19時55分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後2時半ごろ、青森駅から八戸駅へ乗客を乗せて走行中の電車が、青森市の古川跨線橋内で塗装工事をしていた作業員の男性の肩に接触しました。
現場の責任者が男性が倒れているのを発見して通報したということで、男性は意識のある状態で青森市内の病院に搬送されました。
発見時、男性は自分で歩ける状態だったということです。
乗客にけがはなく、この事故による遅れも確認されていないということで、警察が運転士などに話を聞くなどして事故の詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20240710/6080023082.html
(ブログ者コメント)
詳細不明だが、いろんな意味で珍しい事故だと感じたので紹介する。
2024年5月3日23時22分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は3日、大阪発敦賀行きの特急「サンダーバード89号」(12両編成、乗客約180人)が乗客用ドアの下に車いす用のスロープ板を挟んだまま新大阪駅を発車し、京都駅まで走行していたと発表した。
ホームにいた係員の確認不足が原因という。
けが人はなかったという。
JR西によると、新大阪駅の係員が同日午後2時45分頃、特急車両の4両目のドアとホームの間に折りたたみ式のスロープ板(縦約75センチ、横約80センチ、厚さ2・5センチ)を設置し、車いすの利用者を車内に誘導。
ホームにいた別の係員は乗客の誘導後、スロープ板の撤去終了を無線などで確認して特急の車掌に発車の合図を出すべきだったのに、応答がないまま終了したと判断し、合図を送っていた。
特急はドアの下に板を挟んだ状態で発車。
一部が折れて線路脇に落下したが、残った板(縦約40センチ)がホーム側にはみ出た状態で次の停車駅の京都駅まで走行した。
同駅で係員が気付き、板を撤去した。
通過駅などでスロープ板が人と接触すれば大きな事故につながっていた恐れがあり、同社は「スロープ板撤去の完了確認を徹底し、再発防止に努める」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240503-OYT1T50112/
5月3日21時56分に産経新聞からは、3枚折り畳み式のうち2枚は発車直後に柵に接触して壊れていた、京都駅到着時に別列車の車掌が気付いたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後2時45分ごろ、大阪市淀川区のJR新大阪駅の下り線ホームで、大阪発敦賀行き特急「サンダーバード」が車椅子の乗客が乗り降りするためのスロープをドアに挟んだまま発車した。
一部は損壊して直後に落下したが、残った部分をドアに挟んだまま次の京都駅(京都市下京区)まで走行した。
JR西日本によると、新大阪駅で係員がスロープを撤去する前、車掌に乗降完了の合図を送るミスがあったのが原因としている。
JR西では駅員らに再発防止策を徹底するとしている。
スロープは3枚の折りたたみ式で、縦75センチ、横80センチ、厚さ2・5センチ。
2枚分は新大阪駅を発車直後に柵に接触して壊れ、線路脇に落下していた。
途中、ホームを通過したのは高槻駅のみだったが、京都駅も含め乗客らにけがはなかった。
京都駅に到着した際、別の列車の車掌が残ったスロープに気づいたという。
撤去して車両に異常がないことなどを確認し、17分遅れで京都駅を発車した。
https://www.sankei.com/article/20240503-7IWZ5GEG4BOB3HJWHPUI35RSPA/
2024年4月22日18時43分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市営地下鉄の南北線で22日、タイヤがパンクするトラブルがあった。
けが人はいなかったが、一部区間が午後2時すぎから終日運休するなど混乱した。
市交通局によると、午前11時すぎ、南北線の麻生発真駒内行き(6両編成)が北24条駅を過ぎたところで、線路の「パンク検知装置」が作動。
徐行運転をして終点まで向かった。
車両基地で点検したところ、前から5両目のタイヤ1本のパンクが判明した。
交通局によると、パンクは珍しいという。
タイヤホイールの変形も確認された。
また、麻生―北24条駅間での点検も実施。
更新工事中の麻生駅南側のポイントの不具合がパンクの原因とわかった。
当該区間は午後2時15分から終日運休し、代行バスで乗客を輸送した。
北24条―真駒内間は折り返し運転となった。
札幌の地下鉄は、日本の地下鉄で唯一、「ゴム製のタイヤ」を使っている。
札幌市交通局はゴムタイヤを採用している理由について、2023年の朝日新聞の取材に以下のように答えている。
「ゴムタイヤは粘着性が良く、加速性や制動性に優れています。
南北線の平岸―南平岸間が急勾配になっているのですが、それに対応できます」
「ほかにも、かつての交通局長が視察先であるパリのゴムタイヤ式地下鉄を見学して感動したというのも、理由として挙げられます」
ゴム製のタイヤを使っていることに起因して、駅構内で待っていると「チュンチュン音」が響くことでも知られている。
https://www.asahi.com/articles/ASS4Q30RKS4QIIPE011M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
4月22日20時35分にNHK北海道からは、老朽化のため使われていなかったポイントの不具合でパンクしたらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市営地下鉄を運行する市交通局が調べたところ、麻生駅の南側にある走行路を切り替えるポイントに不具合が見つかり、これがパンクの原因だと見られるということです。
公開された写真ではタイヤの側面に大きな亀裂が入り、ホイールが変形している様子が確認できます。
ただ、このポイント部分は老朽化のために今月1日から使われておらず、パンクがどのようにして起きたのかは分かっていないとしています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20240422/7000066472.html
4月23日16時23分にYAHOOニュース(STV)からは、浮き出る仕組みのポイントが何らかの原因で浮き出てしまった、当時麻生駅周辺では古くなった設備の更新工事が行われていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市交通局によりますと、パンクの原因は車両の進路を切り替えるポイントの不具合にありました。
地下鉄は、進行方向を決める際に線路中央にある「ポイント」が浮き出る仕組みです。
麻生駅付近には2本の線路が合流する地点があり、事故はこの合流地点で発生しました。
事故当時、使わないポイントが何らかの原因で浮き出てしまったため、進行方向右側のタイヤと接触し、パンクにつながったとみられています。
当時、麻生駅周辺では古くなった設備を更新する工事が行われていました。
札幌市は引き続き、なぜ使わないポイントが浮き出たのか調べていて、再発防止に努めたいとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7ce727eb6cf8e3e7317ef2ab41e042c5fec2d08
4月24日21時20分に朝日新聞からは、ポイント更新工事にあたり固定していた部材の一部が車両の振動などでずれたらしい、ポイント更新工事は昨年度も同様な方法で行っていたがトラブルはなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の事故は、列車の進路を変更するための装置「ポイント」のうち、麻生駅南側に設置されていたものの不具合が原因。
1978年の南北線延長時から使っており、事故当時、更新工事を実施していた。
ポイントは通常、走行路に埋め込まれ、必要な時にモーターなどでせりあがる仕組み。
更新工事にあたり、3分割してせりあがらないように固定する措置をしていたが、部材の一部が車両の振動などでずれ、路面の上に突出したとみられる。
そこに車両のタイヤが接触し、パンクしたと推測されるという。
パンクが見つかった車両は6両編成で、タイヤは96本ついていた。
1本がパンクしても運行に直ちに支障は出ないという。
運転手はパンクを検知後、規則に沿って徐行運転で終点まで向かった。
後続車両の運転手も速度を落とした上で、当該ポイント付近を目視で確認。
異状は確認されなかったため、その後は通常運行を続けた。
市交通局はすでに原因となったポイントの部材を撤去し、新しいものに取りかえた。
更新工事は来年度以降も続くといい、今後、撤去したポイントを調べ、工事の設計図や構造に問題がなかったか詳しく検証する。
昨年度も同様の手法で更新工事をしていたが、トラブルはなかったという。
https://www.asahi.com/articles/ASS4S3WJQS4SIIPE001M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
4月24日18時56分にYAHOOニュース(HTB)からは、転てつ器交換工事で取り外した部材を線路の隙間を埋めるため再利用していたが、その部材が飛び出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市交通局は24日、原因を発表しました。
札幌市交通局 池田・技術担当部長:
「旧案内軌条を3分割にし、そのうちの1つを走行面を埋めるために(部材を)設置。
車両の振動等によりずれて走行路面より上に突出したため、車両のタイヤと接触」
麻生駅と北34条駅の間では、50年近く経過した転てつ器の交換工事が2年前から行われていました。
市交通局は線路の隙間を埋めるため、取り外した転てつ器の部材を再利用していましたが、その部材が何らかの原因で線路の上に飛び出し、タイヤにあたったことがパンクの原因だったと明らかにしました。
しかし、部材が飛び出した理由はわかっていないということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/81b34527fc5d373fbe339bba6fe7734103e3a76d
(2024年6月11日 修正1 ;追記)
2024年6月11日5時0分にYAHOOニュース(STV)からは、タイヤ採用理由とされる急勾配は旧定山渓鉄道線路跡地を利用することで建設費を抑えたからなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
なぜタイヤなのか、STVはかつて、その理由を取材していました。
(札幌市交通局 大谷地検修係 阿部さん):
「こちらが地下鉄では日本唯一となるゴムタイヤになります。
鉄輪に比べて粘着性が非常にいいので、鉄輪ではスリップするような場合でも、急発進や急減速ができる」
ゴムタイヤは、加速や減速をしやすいといったメリットに加え、もう1つ大きな理由がありました。
それは、傾斜に強いという点です。
札幌市の地下鉄は1971年に南北線が開通しました。
当時は北24条駅から真駒内までの12.1キロ。
平岸駅を越えたあたりから地上のシェルターへと上がります。
これは、旧定山渓鉄道の線路跡地を利用していたからです。
なぜ地上に出たのかというと、地下を通すよりも建設費を低く抑えられるためでした。
車両が地下から地上にのぼる平岸駅から南平岸駅にかけて急こう配となっているため、傾斜を上りやすいゴムタイヤが採用されたのです。
さらにもうひとつ、特徴的なことがあります。
南北線や東西線、東豊線でも、車両が走るときに「チュンチュン」と音が鳴ります。
その原因となっているのが、車両からの電気を外に逃がす部品です。
鉄の車輪は電気をそのまま外に逃がせますが、電気を通さないゴムタイヤの場合は、電気を逃がすための特別な部品が必要なんです。
この部品とレールがこすれることで、特徴的な「チュンチュン」という音が出るのです。
まさに、ゴムタイヤを採用している札幌の地下鉄でしか聞くことができない音です。
専門家は地下鉄のタイヤ走行をこう分析しています。
(江戸川大学 大塚良治教授)
「スピードは鉄輪に比べて出ない。
あれだけ大きな車体をゴムタイヤで支えるわけですから、どうしても鉄道車両に比べるとスピードは劣る。
他の鉄道との乗り入れが事実上、不可能になる。
東京や大阪では地下鉄は他の路線に乗り入れているが、札幌では不可能なので、閉じた空間で路線が運営せざるを得ない。
ただレールだと、脱線事故もあります。そういう心配はないので走行は安定する。
トータルで考えれば、(ゴムタイヤの)メリットは小さくない」
大塚教授は、今回の事故原因の調査をしっかりと行うことが重要だと指摘した上で、独立採算制を採っている札幌市営地下鉄が、今後の人口減少社会を迎えるなか、東豊線の赤字を抱えながらも安全性を担保していけるのか考えていくべきだと話していました。
札幌市営地下鉄は独自の路線を貫いているということがわかりましたが、開業から半世紀で、更新やメンテナンスは欠かせません。
今後も、南北線さっぽろ駅のホーム増設工事など、再開発が予定されています。
利便性の向上や収支への向き合いなど、重要な視点ですが、そのベースに「安全」が求められることは言うまでもありません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc12322744f1509f8d9ecc7495616f2e1d74da7e
2024年4月21日11時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京急電鉄(横浜市西区)は19日、運転士(48)が列車を運転中、急病などでハンドルから手が離れた際に非常ブレーキがかかる保安装置に細工をし、作動しないようにしていたと発表した。
同社の聞き取りに運転士は、「運転中に眠気をもよおし手が離れて非常ブレーキがかからないようにしたかった。1年ほど前から繰り返していた」と話しているという。
同社によると、運転士は今月5日午後、両手で握るT字形のハンドルにヘアゴムを巻き付け、保安装置が作動しないようにして運転していた。
乗務経験17年で、体調不良や病気などはないという。
定期巡回していた運転業務指導担当者が見つけ、発覚した。
同社は運転士を業務から外し、処分を検討しているといい、「お客様に深くおわび申し上げます。本件を厳粛に受け止め、再発防止に取り組んでまいります」とコメントした。
https://www.asahi.com/articles/ASS4N4H4NS4NULOB00KM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
4月19日19時57分に読売新聞からは、運転士は眠気がつらくなった時に非常ブレーキがかかることで乗客に迷惑をかけたくなかったと話している、抜き打ち巡回時に発覚したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京急電鉄は19日、運転士(48)が列車を運転中、急病などでハンドルから手を離すと非常ブレーキがかかる保安装置「デッドマン装置」が作動しないよう細工をしていたと発表した。
事故などのトラブルは起きていない。
運転士は同社の聞き取りに対し、「1年ほど前から眠気がつらくなったときにやっていた。非常ブレーキがかかってお客様に迷惑をかけたくなかった」と説明しているという。
運転士はすでに運転業務から離れている。同社は運転士の処分を検討している。
同社によると、運転中はハンドルに付いたスイッチを指で押している必要があるが、運転士はヘアゴムを巻き付け、押しているように偽装していた。
今月5日の抜き打ち巡回で発覚した。
同社は「お客様に深くおわびする。再発防止を徹底する」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240419-OYT1T50135/
2024年4月17日17時19分にYAHOOニュース(CBCテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月12日、西区のJR東海道線近くにあるのり面が崩れ、JR東海道線は一部の区間で約6時間にわたって運転を見合わせました。
そばでは名鉄が発注し、安藤・間(あんどう・はざま)が信号設備などを入れる建物の新設工事を進めていました。
その後の調査で、掘削工事によって擁壁の安定性が低下し、JR側ののり面に複数のひび割れが発生し、そこに強い雨が降ったことで水圧がかかって崩壊したとみられることが分かったということです。
安藤・間は、事前にひび割れを把握していて、事故当日は対策を検討するため工事を中断していたということです。
安藤・間は、すでに崩れた箇所の応急処置を終えていますが、工事自体は今も中断していて、再開のめどは立っていません。
【写真を見る】JR東海道線近くののり面が崩れた事故 “名鉄側”の工事が直接の原因だった 工事は中断し再開のめど立たず
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f758c55ee432e49719f5464e1ee6f3587d6957d
4月17日19時18分にYAHOOニュース(メーテレ)からは、地表から1.8m掘削する工事の影響でひび割れが発生したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月12日、名古屋駅から500m北でJR東海道線の線路脇の「のり面」が16.5mに渡り崩れました。
JR東海道線は約6時間、名古屋駅と岐阜駅の上下線で運転を見合わせました。
17日、名鉄の工事を担当していた安藤・間は、現場近くで行っていた工事が原因だったと発表しました。
信号設備などの工事で、2月に行った地表から1.8m掘削する工事の影響で、のり面に複数のひび割れが発生しました。
そこに当日の雨が浸み込んで、のり面が崩れたとみられるということです。
安藤・間は、ひび割れについて事前に把握していたと言うことです。
今後は、工事の影響予測を十分に行い、必要な対策をとっていくとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/939e4dfdb058fbc2d8e2b6bc21e693e010e38b59
2024年4月16日12時5分にNHK群馬から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月6日、高崎市にある上信電鉄の踏切で、近くに住む9歳の女の子が列車にはねられて亡くなりました。
現場の踏切は遮断機と警報機が共に設置されていない「第4種踏切」で、上信電鉄によりますと、高崎駅と下仁田駅の間の路線に45か所あり、このうち、半分近い21か所が高崎市内にあります。
事故を受け、高崎市は21か所の「第4種踏切」をすべて廃止する方針を決め、来年度以降、5年かけて必要な予算を確保することにしています。
具体的には、地元から廃止の合意が得られれば、踏切自体をなくして通行できなくする一方、合意が得られなければ、遮断機と警報機が共に設置されている「第1種踏切」に変更することにしています。
高崎市は踏切を「第1種」に切り替える費用について、上信電鉄には求めず、国の補助金を使い市が負担することにしています。
高崎市の富岡賢治市長は、「命に関わることなので、速やかに対応することを決めた」とコメントしています。
【斉藤国交相 県内の第4種踏切の統廃合など検討へ】
斉藤国土交通大臣は16日の閣議の後の記者会見で、「お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともにご家族の皆様にお悔やみを申し上げます」と述べました。
そのうえで、「国土交通省としても第4種踏切は安全性の向上が重要な課題であると認識している。これまで全国的に第4種踏切の統廃合の促進、遮断機警報機の整備の支援による第1種踏切化の促進などを関係者と共に進めてきている」と述べました。
そして17日、関東運輸局と関係自治体、鉄道事業者などでつくる協議会を開催し、群馬県内の「第4種踏切」の統廃合や遮断機と警報機の設置を進めるための検討を行う考えを明らかにしました。
斉藤大臣は、「事故原因は調査中ではあるが、運輸安全委員会の報告を待たず事故の概要を共有し、検討を行いたい。引き続き踏切の安全対策を着実に進めていきたい」と話しました。
【踏切は4種類 現場の「第4種踏切」 全国に2408か所】
国土交通省によりますと、踏切は去年3月末の時点で全国で3万2000か所余りあり、設備によって4種類に分けられています。
このうち、事故があった群馬県高崎市の踏切は遮断機と警報機が共にない「第4種踏切」で、全国に2408か所あります。
また、警報機が設置されているものの、遮断機がない踏切は「第3種踏切」と呼ばれ、592か所あります。
「第2種踏切」は、配置された人が遮断機を操作するもので、現在は設けられていません。
そして「第1種踏切」は、遮断機と警報機が共に設置されている踏切です。
「第4種踏切」から「第1種踏切」に切り替えるには多額の費用がかかり、高崎市は1か所当たり1500万円から3000万円程度かかると見込んでいます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20240416/1060016778.html
※今月6日の事故の状況については、4月7日10時10分に毎日新聞から、犬を走って追いかけて踏切に入るのに気付いた運転士がブレーキをかけたが間に合わなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午前8時50分ごろ、群馬県高崎市吉井町小暮の上信電鉄馬庭―西山名間にある天水踏切で、同市山名町の小学4年、渋沢さん(9)が下仁田発高崎行きの普通電車(2両編成)にはねられ、死亡した。
県警高崎署によると、事故現場は遮断機と警報機がない「第4種踏切」だった。
上信電鉄によると、運転士は渋沢さんが犬を走って追いかけて踏切に入ったのに気づいてブレーキをかけたが、間に合わなかったという。
電車に乗っていた約50人にけがはなく、事故の影響で上下線8本を運休するなど約600人に影響が出た。
国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官を派遣し、詳しい事故原因を調べる。
踏切の近くに住む女性(27)は、「この踏切は遮断機がなく、危ないので、子どもの頃は、どうしても渡らないといけないときは大人と一緒に渡っていた。本当にびっくりしている」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20240406/k00/00m/040/072000c
(2024年4月26日 修正1 ;追記)
2024年4月25日20時56分に毎日新聞からは、群馬県は第4種踏切を2029年度までに廃止または第1種踏切に転換すべく、鉄道事業者と道路を管理する市町村に調整を要請したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県高崎市の踏切で女児が電車にはねられ死亡した事故を受け、県は25日、2029年度末までに県内74カ所全てで遮断機と警報機がない第4種踏切を解消するとの工程表を発表した。
廃止か遮断機と警報機のある第1種踏切への転換で対応する方針で、期限を設定して対策を急ぐ狙いがある。
県は、まず、上信電鉄など鉄道事業者と道路を管理する13市町村に、対応の協議や地元との調整を要請。
検討結果を把握した上で、今年7月末までに74カ所の個別の対策案をまとめ、9月末までに最終決定・公表する。
廃止が決定した踏切は工事などに着手し、第1種踏切に転換する踏切は24年度中に国の補助金指定を目指す。
27~29年度の完了を目指すが、地元住民との協議で遅れる踏切が出る可能性もある。
第4種踏切の数は、高崎21▽富岡20▽桐生・みどり各8▽前橋3▽渋川・下仁田・甘楽・東吾妻・みなかみ・嬬恋各2▽藤岡・長野原各1。
みどり市の須藤昭男市長は25日の記者会見で、市内に8カ所ある第4種踏切について基本的に廃止する方向で協議し、住民に理解を求める方針を明らかにした。
https://mainichi.jp/articles/20240425/k00/00m/040/321000c
4月25日19時43分に産経新聞からは、第4種踏切の数が私鉄では最多の秩父鉄道も第4種踏切を廃止する方針だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秩父鉄道(埼玉県熊谷市)は25日、群馬県高崎市の上信電鉄踏切で女児(9)が電車にはねられ死亡した事故を受け、警報機や遮断機のない「第4種踏切」を廃止する方針を明らかにした。
同社によると85カ所あり、私鉄では最多という。
地域からの要望に応じ、警報機や遮断機のある「第1種踏切」への切り替えも検討。
費用負担は、埼玉県や沿線自治体、関東運輸局と協議する。
同社は第4種踏切で、人が近づくと音で左右確認を促す機器の設置を進めており、配備の完了を急ぐ。
担当者は「事故を未然に防止するため、対策を早急に進めたい」と話した。
https://www.sankei.com/article/20240425-K5NIFZ4A45KI7ES3JAV75NBJJA/
(ブログ者コメント)
今後、第4種踏切廃止に向けた動きが広がって行くかもしれないが、特別なものを除き、本ブログでは紹介を割愛する。
2024年4月16日19時0分にYAHOOニュース(テレビ熊本)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南阿蘇鉄道は、列車が阿蘇村の立野駅のホームに停車できず、約380メートル先に進んで停止したと明らかにしました。
国の運輸安全委員会は重大インシデントに認定し、事故調査官2人を16日、現地に派遣しました。
南阿蘇鉄道によりますと、15日午前9時40分ごろ、JR豊肥線に乗り入れている肥後大津駅を出発した1両編成の列車が南阿蘇村の立野駅に進入した際、運転士がブレーキ操作を行ったものの、減速せずに、停止位置から約380メートル先で自然に止まったということです。
列車には乗客・乗員あわせて約20人が乗車していましたが、けが人はいませんでした。
南阿蘇鉄道によりますと、沿線のカズラがブレーキのコックに巻きついていてブレーキが利かない状態だったということです。
立野駅の一つ前のJR豊肥線の瀬田駅までは、異常はありませんでした。
その後、まきついたカズラは取り除かれ、列車は約1時間半後に運行を再開しました。
国の運輸安全委員会は『重大インシデント』に認定。
16日午後から事故調査官2人を現地に派遣しました。
事故調査官:
「記録を見せてもらって、事故原因が何か、先々解析していきたい」
また、JR九州によりますと、事案の発生を受けて15日、肥後大津-立野間の線路の巡回を行いましたが、異常は見つからず、列車の運行に支障は出ていないということです。
https://www.tku.co.jp/news/?news_id=20240416-00000011
4月17日18時57分にYAHOOニュース(熊本県民テレビ)からは、毎日、運行前に運転士が車両点検しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南阿蘇鉄道によりますと、16日に車両を立野駅に戻し点検したところ、ブレーキを作動させる装置にツタがからまっていたのが見つかり、取り除いた後は正常に作動することを確認したということです。
また、車両の点検は毎日、運行前に運転士が点検をしていて、当日、立野駅の前の瀬田駅まではブレーキは正常に作動していたということです。
このため、南阿蘇鉄道は調査に対し、「ブレーキを作動させる装置にツタがからまったことが原因となった可能性がある」と説明しているということです。
運輸安全員会は、1年をめどに報告書をまとめる予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dcb5bdb545c8c7215707b413ef1302df08f2c985
思うに、車体と平行になるうような向きでコックハンドルが設置されていて、車体の外からハンドルを手前に引くとブレーキ作動エアが遮断される・・・そんなコックハンドルだったのかもしれない。
2024年4月2日22時44分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後5時25分ごろ、JR鹿児島線の天拝山(てんぱいざん)駅(福岡県筑紫野市)のホームで「コンクリートのような物が飛んできた」と、複数の乗客から駅員に申し出があった。
JR九州によると、渡線橋の外壁の一部が落下して飛散したとみられ、ホームにいた乗客の男女4人が首や足に擦り傷などを負った。
JR九州によると、落下した外壁は長さ90センチ、幅182センチ、厚さ5ミリのセメント板(重さ約12・5キロ)。
博多発鳥栖行きの下り快速列車が同駅を通過中にはがれ落ちて車両に衝突し、ホーム上に飛び散ったとみられる。
渡線橋は1989年に建てられ、2023年7月末に点検した際に異常は確認されなかったという。
この影響でJR鹿児島線は博多―久留米間の上下線で約1時間にわたり、運転を見合わせた。
同区間の後続列車で最大63分の遅れも生じ、約1万人に影響した。
https://mainichi.jp/articles/20240402/k00/00m/040/267000c
(2024年5月1日 修正1 ;追記)
2024年4月25日19時26分にNHK北九州からは、下地の木材がボロボロに腐食していてビスが効かない状態になっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故について、JR九州の古宮社長は、25日の記者会見で「大変なご迷惑をおかけした」と陳謝しました。
その上で、事故のあとの点検で外壁の下地の木材が腐食しているのが確認されたことを明らかにし、「腐食によって外壁をとめるビスが効いていなかったことが原因とみられる」と述べました。
JR九州では23日も、JR鹿児島本線の大牟田駅でセメントの破片がホームに落下するトラブルが起きていて、古宮社長は、建設から一定の年数がたった駅を中心に再発防止に向けた点検を進める方針を示しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20240425/5020015550.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。