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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20203171742分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

17日午前10時半ごろ、霧島市牧園町三体堂で「作業員がガスを吸い込んで倒れた」と消防に通報がありました。


倒れていたのは、ボーリング調査をしていた男性作業員2人のうちの1人で、意識不明の状態で病院に運ばれ、手当てを受けています。


もう1人の作業員の男性も、めまいなどの体調不良を訴えて病院に運ばれましたが、意識はあるということです。


ボーリング調査は、東京に本社がある「N鉱業」が地熱発電のために温泉施設の敷地内で行っていたもので、近くの作業員が温水が噴き出していたのが見え、駆けつけたところ、作業員が倒れていたということです。

N鉱業によりますと、作業員2人は40代だということです。

N鉱業は、「1人の作業員は現在、病院で眠っていて、命に別状はないようだ。もう1人は意識がはっきりしていて、近く退院予定だ」と話しています。

警察によりますと、現場では硫化水素を検知していたということで、事故の詳しい状況を調べています。

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20200317/5050009639.html

 

 

3172155分に毎日新聞からは、2人は噴き出し口を閉じる作業をしていたらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

17日午前1015分ごろ、鹿児島県霧島市牧園町三体堂の地熱発電工事現場で、ボーリング作業中の作業員2人が倒れているのを他の作業員が見つけて119番した。

 

2人はドクターヘリなどで搬送されたが、鹿児島市の40代男性が意識不明の重体、霧島市の40代男性が吐き気とめまいを訴えている。

 

県警横川署によると、ボーリング中に温水が噴き出した際、2人は噴き出し口を閉じる作業をしていたとみられるという。

 

現場で有毒ガスの硫化水素が検出されており、同署は2人がガスを吸って倒れたとみて事故原因を調べている。

 

https://mainichi.jp/articles/20200317/k00/00m/040/304000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、NHK映像の2コマ。

 

 

 

 

 


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20202172224分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

17日午前7時半ごろ、陸上自衛隊の上富良野演習場(上川管内上富良野町など)で、第25普通科連隊(オホーツク管内遠軽町)所属の3等陸曹、金松さん(男性、31歳)が野外演習のテント内で仮眠中、意識不明となっているのを同僚隊員が見つけた。

金松さんは搬送先の病院で死亡した。

死因は一酸化炭素中毒。

 

陸上自衛隊第2師団(旭川)によると、同じテントで仮眠し、金松さんの異常に気づいた20代の男性隊員も頭痛を訴え、病院に搬送された。

 

演習では暖房用に固形燃料やストーブを使用しており、同師団は詳しい状況を調べている。

 

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/394117/

 

 

21881分に日テレNEWS24からは、テントの大きさなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

陸上自衛隊の北海道上富良野演習場で、訓練中にテントで仮眠をしていた31歳の男性隊員が一酸化炭素中毒で死亡しました。

陸上自衛隊によりますと、17日午前7時半ごろ、演習中にテントで仮眠をしていた金松さんが意識不明になっているのを同じテントで仮眠をしていた隊員が見つけました。

金松さんは病院に運ばれましたが、一酸化炭素中毒で死亡しました。

 

テントは高さ2メートル、幅3メートルほどの大きさで、当時、何らかの暖房を使っていたとみられるということです。

 

陸上自衛隊は「事故発生の原因を究明し、安全管理を徹底して参ります」とコメントしています。

 

http://www.news24.jp/nnn/news88112431.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は日テレNEWS24の映像の1コマ。

発見日の夜の映像だと思われるが、演習当時も同じように雪が降っていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

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20201302236分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

30日午後0時55分ごろ、東京都大田区仲六郷のインド・ネパール料理店「T」で、店を訪れた経営者のネパール人男性が店内の客席で男性2人が亡くなっているのを発見し、近隣の店舗を通じて110番通報した。

 

警視庁蒲田署によると、2人はいずれも同店従業員でインド人の40代男性とみられ、1人は長椅子の上にあおむけで倒れており、もう1人は椅子に腰かけた状態だった。

遺体に目立った外傷はなく、店内に荒らされた形跡はなかった。

 

発見時、ナンを焼く窯で木炭が燃えており、店内からは高濃度の一酸化炭素(CO)が検出されたという。

 

同署はCO中毒の可能性があるとみて、事件と事故の両面から2人が死亡した経緯を調べている。

 

現場は京急線六郷土手駅そばの飲食店が立ち並ぶ一角。

 

経営者の男性は、別の共同経営者から「従業員と連絡がつかないので様子を見に行ってほしい」と頼まれて店を訪れていた。


店のドアは未施錠で閉められた状態で、店内の照明はついていなかったという。

 

https://www.sankei.com/affairs/news/200130/afr2001300049-n1.html 

 

 

131031分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

蒲田署によると、調理場とつながっている客席で、1人は長椅子にあおむけで寝た状態、もう1人は一人掛けの椅子に座った状態だった。

外傷はなかった。

 

当時は営業しておらず、店内には2人しかいなかったという。

 

https://mainichi.jp/articles/20200130/k00/00m/040/256000c 

 

 

 

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20199271748分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

27日午前11時40分ごろ、札幌市中央区北1条西9丁目のNHKの新しい札幌放送会館の建設現場で、作業員の60代と40代の男性2人が倒れているという通報がありました。


警察などによりますと、2人は1階のポンプ室で漏水を防ぐための溶剤を塗る作業をしていて気分が悪くなったということです。
いずれも意識はあり、すでに退院したということです。


現場は、札幌市中心部のマンションや量販店などが建ち並ぶ地域で、警察は当時の詳しい状況を調べています。


NHKは、「再発防止に向け建設会社に工事の安全確保を改めて求めてまいります」としています。

 

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190927/7000013960.html

 

 

9271623分にFNN PRIME(北海道文化放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

27日午前1140分ごろ、建設中の建物の1階で作業をしていた2人の男性作業員が倒れているのをほかの作業員が見つけ、119番通報しました。

 

警察などによりますと、当時、2人は密閉された空間で、シンナー性の材料を使った塗装作業中だったということで、消防が原因を詳しく調べています。

 

https://www.fnn.jp/posts/2019092700000006UHB/201909271623_UHB_UHB

 

 

 

 

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2019923125分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

23日午前3時半ごろ佐賀市川副町の住宅に住む44歳の女性から「室内で発電機を使っていたところ家族が倒れた」と119番通報がありました。

消防が駆けつけたところ気分が悪いと訴えた女性のほか、48歳の夫と20歳の息子の3人を救急搬送しました。

搬送時、3人とも意識があったということです。

その後、消防がガス検知器で調査したところ、一酸化炭素の濃度があがっていたということで、3人は発電機の燃料の不完全燃焼による一酸化炭素中毒とみられています。

消防によりますと、この住宅では、台風17号による停電で冷蔵庫などを動かすために発電機を使っていたということです。

佐賀県では、室内で、屋外用発電機を使わないよう呼びかけています。

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20190923/5080004158.html 

 

 

9231034分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

23日午前3時半ごろ、佐賀市川副町の民家で「夫と息子が倒れている」と女性(44)から119番通報があった。

 

佐賀県や佐賀広域消防局などによると、この家に住む男性(48)と息子(20)が意識がもうろうとした状態になっており、通報した女性も含め3人が病院に運ばれた。

 

台風17号の影響で停電し、22日午後11時ごろから窓を閉め切った室内で発電機を使っていて一酸化炭素中毒になったとみられる。

命に別条はないという。

 

九州電力によると、22日午後11時のピーク時で、佐賀県内内で約2万4千戸、九州全体では約14万8千戸が停電した。

23日午前9時現在、九州全体で約4万1千戸で停電が続いている。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM9R3336M9RTIPE002.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、NHK映像の1コマ。

気密性が高そうな住宅に見える。

 

 

 

 

 

 

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20199192251分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

19日午後350分ごろ、福井県高浜町の関西電力高浜原発12号機敷地内のトンネル工事現場で「トンネル内で作業中に気分が悪くなり倒れた人がいる」と作業員から119番があった。

 

県警によると、1060代の男性作業員9人が酸欠のような症状を訴えて病院に運ばれ、10代の1人が一酸化炭素中毒で重症、8人は軽症という。

 

関電によると、現場はテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」を建設するための作業用トンネルで長さ約700メートル。

 

協力会社の作業員ら10人が午前9時ごろから、内壁を補強するためアセチレンガスを使って溶接作業をしていた。

 

入り口から約20メートルの地点で10代の作業員ら2人が倒れて一時意識不明になり、他の7人も気分が悪くなったという。

 

https://mainichi.jp/articles/20190919/k00/00m/040/199000c

 

 

921日付で中日新聞からは、現場には発電機やフォークリフトなども持ち込まれていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

関西電力は二十日、当時はトンネル内に発電機やエンジン付き溶接機などを持ち込んで作業をしていたと明らかにした。

小浜署は排ガスがCO中毒の原因になった可能性もあるとみて調べている。

 

救急搬送された九人は同日午後までに全員が退院した。

 

関電によると、現場は本坑から枝分かれした幅五メートルほどのトンネルを、約百メートル進んだ突き当たり近くだった。

トンネルを仕切る鉄製の壁や扉を設けるために溶接作業をしていた。

 

現場には発電機とエンジン付き溶接機を各二台、フォークリスト一台を持ち込み、送風や排気のファンも一台ずつ設置していた。

当時の稼働状況などは不明で、関電は今後、換気に問題はなかったかなどを調べる。

 

https://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20190921/CK2019092102000009.html

 

 

 

(2019年10月28日 修正1 ;追記)

 

201910251922分に、本坑から分岐したトンネルで作業していたがそこには送気ダクトが設置されていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

関西電力高浜原発(高浜町)のテロ対策施設建設用の作業トンネル(掘進中、延長700メートル)で9月、一酸化炭素中毒などで男性作業員9人が搬送された事故で、トンネルに外気を取り込む送気ダクトが設置されていなかったことが関電の調査で分かった。

 

関電によると、トンネルの県道側にある坑口を入ると、本坑には送気ダクトが設置されている。

 

しかし、原発建屋につながる分岐点以降には設置されないまま、鉄製の壁を溶接する作業が進められていたという。

 

小浜署は今月15日、現場の状況について下請け作業員から聴取した。

今後は作業環境に問題がなかったかどうかを調べ、業務上過失致傷容疑も視野に捜査を進める。

 

現在、関電は事故発生までの作業量も調査している。

 

一酸化炭素の発生源は発電機や溶接機、フォークリフトが有力とされている。

 

https://mainichi.jp/articles/20191025/k00/00m/040/171000c

 

 

 

(2019年11月10日 修正2 ;追記)

 

20191181940分にNHK福井からは、送風機の配置に問題があったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

事故を受けて、原子力事業本部の水田本部長代理が8日、県庁を訪れ、清水安全環境部長に調査結果を報告しました。


それによりますと、当時、溶接機のエンジンから一酸化炭素が発生していたうえ、送風機の配置に問題があり十分に換気ができなかった結果、トンネル内に一酸化炭素が充満したことが原因とみられるということです。


また、およそ5時間前から、作業員が体調不良を訴えていたにも関わらず、現場の判断で作業を続けていたことも明らかにしました。

関西電力は再発防止策として▼社員が現場を直接確認してリスクを洗い出したほか▼想定外の事態が起きた場合には安全のため作業を中断するよう呼びかけを行ったということです。

 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20191108/3050003365.html

 

 

1191518分に毎日新聞からは、作業員の頭痛訴えに対し作業中断後、排気方式を変えて作業を再開したが意識を失う作業員が出始めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

事故は919日午後340分ごろ発生。

 

関電の調査によると、午前915分ごろ溶接作業を開始し、同10時ごろには溶接の煙で空気が白くよどんでいた。

 

まもなく頭痛を訴える作業員が出始め、作業は一時中断された。

 

この後、排気ファンの位置を変えるなどして午後2時に溶接を再開したが、1時間半後、意識を失うなどの症状を示す人が出始めたとした。

 

機器を使い作業工程を再現した結果、事故当時の現場のCO濃度は国の作業環境基準の610倍にあたる300500㏙となっていたことが推定されたとしている。

 

主な原因はガソリンを使う溶接機の排ガスだという。

 

関電は8日、県に調査結果を報告。

対策として、トンネルに外気を取り込む送気ダクト、酸素吸入器、CO測定器を設置することを決め、溶接機を電気式に変更する。

 

https://mainichi.jp/articles/20191109/k00/00m/040/105000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

調査報告書をネットで探してみたが、見つからなかった。

 

以下は、NHK放映の3コマ。

事故当時のトンネル内の換気状況を示している模様。

 





 

 

思うに、分岐トンネル内の本坑側に、本坑からどれぐらいの距離だったかは不明だが、送気ファンを置き、分岐トンネルの末端側には排気ファンを置いて、分岐トンネルの末端までフレッシュな空気を行き渡らせようとしたが、送気ファンの空気取り入れ口がフレッシュな空気を取り込めない場所に設置されていたため、換気不十分になったということかもしれない。

 

 

 (2021年3月18日 修正3 ;追記)

2021316日付で毎日新聞福井版からは、作業責任者らが書類送検されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

敦賀労働基準監督署は15日、換気が不十分なのに溶接作業をさせたとして、美浜町河原市のWプラントサービスと同社の作業責任者の男性(66)を労働安全衛生法違反の疑いで福井地検に書類送検した。

労基署によると、同月19日、トンネル内で同社の作業員2人がガソリンエンジンで動く溶接機で作業していたところ、2人を含む10代~60代の作業員9人が一酸化炭素中毒となった。

労安法では、坑内など自然換気が不十分な所では、十分な換気をするとき以外は、内燃機関を持つ機械の使用を禁じているが、同社と作業責任者は十分な換気も排ガスによる健康障害の防止措置もせずに溶接作業をさせた疑いが持たれている。

当時、作業責任者は現場で中毒となった9人のうちの1人だったという。

https://mainichi.jp/articles/20210316/ddl/k18/040/245000c

 

 

 

 

 

 

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20199102256分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

10日午前8時半ごろ、東京都世田谷区南烏山3のアパート解体現場で、出勤してきた30代の男性作業員から「男性3人がけいれんしている」と119番があった。

 

成城署によると、木造2階建ての2階一室で、20代のベトナム人とみられる男性作業員3人が倒れていた。

2人は既に死亡しており、1人は病院に搬送されたが意識不明の重体という。

 

同署によると、この室内から一酸化炭素が検出された。

室内には物が燃やされた跡はなく、ガス給湯器もホースが外れた状態で動いていなかった。

 

捜査関係者によると、1階の室内で発電機を稼働させており、排ガスに含まれた一酸化炭素が2階に回った可能性があるという。

 

現場では9日から6人で解体作業に当たっていた。

 

倒れた3人は私服姿で、作業開始前だったとみられる。

 

https://mainichi.jp/articles/20190910/k00/00m/040/201000c

 

 

9111412分にNHK首都圏からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

10日の朝、東京・世田谷区南烏山のアパートの解体現場で、20代の外国人の作業員とみられる男性3人が倒れているのが見つかり、このうち2人が死亡しました。


警視庁によりますと、現場からは高い濃度の一酸化炭素が検出されていましたが、その後、現場を詳しく調べたところ、当時建物の1階部分で発電機が使われていたことがわかりました。


また、男性3人が倒れていた2階部分ではエアコンがつけられていて、窓やドアはほとんど閉めきられていたということです。


警視庁は、発電機から排ガスが発生して建物内に充満し、一酸化炭素中毒を起こした疑いがあるとみて詳しい状況を調べています。

 

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190911/1000035800.html

 

 

 

(2019年9月22日 修正1 ;追記)

 

20199211819分に毎日新聞からは、1階で動かしていた発電機の排ガスが外してあったコンセントカバー部分から2階の部屋に入ってきたらしいという下記趣旨の記事が、現場の図解付きでネット配信されていた。

 

作業員2人が死亡、1人が重体となった事故は、階下の発電機から発生した一酸化炭素(CO)が、壁の内部の空洞を伝って作業員がいた部屋に広がったために起きたとみられる。

警視庁成城署の再現実験で判明した。

 

建設現場では同様の事故が後を絶たないうえ、発電機は一般家庭でも使われることから、厚生労働省は注意を呼びかけている。

 

3人はいずれも技能実習生のベトナム人男性。

30歳と23歳の2人が死亡した。

午前8時半ごろ、解体中の木造2階建てアパートの2階一室で倒れているのを同僚が見つけた。

 

同署によると、3人がいた部屋のエアコンが動いており、電源として真下の部屋でガソリンを燃料とする発電機を稼働させていた。

 

12階とも解体作業に伴い壁のコンセントカバーが外してあり、この隙間(すきま)などからCOを含む発電機の排ガスが2階の部屋に広がった可能性がある。

 

COは無色、無臭で、軽い頭痛や吐き気の後に意識を失ってしまう。

 

厚労省の2015年の調査では、CO中毒による労災で1年間に5人が死亡、46人に休業4日以上を要する症状が出た。

 

このうち発電機の使用に伴う死者は1人、症状が出たのは9人で全員が建設業だった。

騒音や粉じん飛散を防ぐため窓を閉めていたケースなど、いずれも換気不十分が原因だった。

 

厚労省化学物質対策課の阿部・中央労働衛生専門官は「会社が作業員にCOの危険性を教育することが大切だ」と話す。

 

東日本大震災では、停電中に会社や住宅で発電機を使ったことによる死亡事故が宮城県や東京都などで相次いだ。

18年の北海道地震でも同様の死亡事故が起き、各自治体が注意を呼びかけている。

 

https://mainichi.jp/articles/20190921/k00/00m/040/128000c 

 

 

 

(2019年10月12日 修正2 ;追記)

 

20191011日付で毎日新聞東京版夕刊から、現場の推定見取り図がネット配信されていた。

※文字情報には新規情報が含まれていないため転載割愛。

 

https://mainichi.jp/articles/20191011/dde/007/040/042000c 

 

 

 

 

 

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2019816838分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

15日午前5時10分ごろ、金山町大塩字上ノ山の天然炭酸水が湧く井戸で、「井戸に2人が落ちている」と近所の男性から119番通報があった。

 

警察によると、いずれも新潟県長岡市、男性(77)と、めいの会社員、女性(49)が井戸の中に倒れており、2人は三島町の病院に運ばれたが、約2時間後に死亡が確認された。

 

2人の死因は溺死で、大きな外傷はなかった。

警察は誤って転落したとみて、井戸から出る二酸化炭素の影響で意識を失った可能性なども含め、詳しい原因を調べている。

 

警察によると、2人は炭酸水をくみに、ほかの親族3人と一緒に車で訪れていた。

2人が戻らないのを不審に思った親族が捜したところ、2人を見つけた。

 

井戸は2m40cm×1m60cmの長方形で、深さ約4m。水深は約3mだった。

 

井戸には転落防止のため丸太が組まれ、網も設置されていた。

発見時は、この網の一部がめくり上げられていたという。

 

現場には炭酸水を入れるために男性らが持参したタンクが複数あり、うち一つは井戸の中にあったという。

 

町などによると、天然炭酸水は同町の特産品。

井戸から自由にくむことができるため、県内外から観光客が訪れていた。

近くの工場では、源泉からくみ上げた炭酸水をボトル詰めした商品も製造されている。

 

https://www.minyu-net.com/news/news/FM20190816-405943.php

 

 

8151913分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察によると、2人は水面に浮かんだ状態で見つかり、溺死だった。

 

井戸の中には2人が持参したとみられるポリタンクがあり、警察は、水くみの際にバランスを崩したか、炭酸ガスを吸い込み意識を失って転落した可能性があるとみて調べている。

 

井戸には転落防止用の丸太が格子状に組まれ、ネットで覆われているが、60cm四方程度の水くみ用の穴があり、ひもでつるされたやかんを使って誰でも水を持ち帰ることができた。

 

金山町によると、大塩天然炭酸水は明治時代から欧州に輸出されていた名水で、6月のG20大阪サミットでも各国首脳に提供。

 

多い日には1日1000人以上が訪れる、同町の人気観光スポットにもなっている。

 

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190815-OYT1T50210/ 

 

 

8151447分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

井戸の内側には足を掛けるステップがあり、下りることが可能だという。

 

〔共同〕

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48584190V10C19A8000000/

 

 

8151151分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事が井戸の外観写真付きでネット配信されていた。

 

水面近くは炭酸ガスの影響で酸素濃度が薄く、2人が意識を失った可能性もあるとみて、警察が調べている。

 

井戸は深さ約4mで、約3mの高さまで水がたまっていた。

開口部は地面とほぼ同じ高さ。

 

さくはなかったが、転落防止用のネットがあり、当時は一部がめくれていたという。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM8H3HWCM8HUGTB002.html

 

 

 

(2019年9月8日 修正1 ;追記)

 

201997120分に福島民友から、利用が再開されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

町は、安全対策を実施した上で、井戸の利用を再開する方針を固めた。

 

6日に開かれた町議会全員協議会で方針を説明した。

 

町は、井戸のくみ上げ口を狭くしたり、炭酸水の泡の状態を見えるようにしたりするなど安全対策を図った上で、利用を再開する方針を説明。

町議会側も了承した。

 

今月中に井戸を管理する地元の天然炭酸水保存会と協議し、安全対策の具体的な内容を検討する。

 

本年度中の再開を目指す。

 

https://this.kiji.is/542903717045306465?c=39546741839462401 

 

 

 

(2019年10月11日 修正2 ;追記)

 

201910850分に読売新聞福島版から、対策を取って利用が再開されたという下記趣旨の記事が現場写真付きでネット配信されていた。

 

町は井戸に転落防止の安全対策を施し、7日、利用を再開した。

町と、井戸を管理する「大塩天然炭酸水保存会」が先月下旬から工事していた。

 

以前の井戸は、格子状に組んだ丸太の上にあるナイロン製ネットをめくって水をくむ方式で、事故では、60センチ四方程度の水くみ穴から、2人が井戸に落ちた。

 

そのため、隙間を小さくした木製格子を井戸の上に設置し直し、全体をステンレス製の金網でカバー。

金網の一角に縦40センチ、横30センチの「くみ口」を設けた。

アクリル製のふたを開けると、ひもでつるした備え付けのやかんで水をくめる。

 

「炭酸井戸の中は酸素濃度が低く危険です」などの注意書きも掲示し、町の担当者は「二度と起こらないよう、今後も安全対策に努めたい」と話している。

 

https://www.yomiuri.co.jp/local/fukushima/news/20191007-OYTNT50179/

 

 

1081235分にNHK福島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

実施された安全対策は、転落を防ぐためのステンレス製の網で井戸を囲い、専用のくみ上げ口を設けたほか、井戸の内部は酸素の濃度が薄いことに注意を促す看板を設置しました。


再開から1日たった8日は、県内外から多くの人が訪れ、備え付けのやかんで炭酸水をくみ、その場でコップに移して味わっていました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191008/6050007174.html 

 

 

108120分に福島民友からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

町によると、井戸内を洗浄し、井戸の上部を木枠とステンレス製の金網で覆った。

くみ口を従来より狭くし、アクリル板の開閉式にして人が転落しないように対策を図った。

事故前同様、備え付けのやかんで自由に炭酸水をくむことができる。

 

井戸は事故後、防護ネットに覆われ利用できない状態になっていた。

 

https://this.kiji.is/554138303457150049?c=39546741839462401 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、NHK放映の4コマ。

 







 

 

 

 

 

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2019728日付で中国新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

28日午前2時55分ごろ、広島市中区西十日市町の牛丼チェーン店「なか卯」広島西十日市店から、「従業員2人の体調が悪くなった」と119番があった。

 

47歳と34歳の女性従業員2人が市内の病院に搬送され、一酸化炭素中毒と診断された。

ともに、一時は意識がもうろうとした状態だったが、回復に向かっているという。

 

警察などによると、店は24時間営業。

2人は調理をしていたが、体調が悪くなったため「店を閉めたい」と同店店長に連絡した。

 

店長から連絡を受けた近くの店舗の男性従業員が店に駆け付けると、2人がぐったりしていたという。

当時、店に客はいなかった。

 

警察の調査では、通常24時間稼働している店内の換気扇が動いていなかった。

 

警察は、換気が不十分だったことが一酸化炭素中毒の原因とみて調べている。

 

https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=557052&comment_sub_id=0&category_id=112

 

 

 

 

 

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20195312256分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

31日午後2時ごろ、広島県福山市にあるJFEスチール西日本製鉄所の第2製鋼工場で「ダクトの清掃作業をしていた作業員が倒れた」と警察に通報があった。

警察によると、倒れたのは男性3人で、市内の病院に運ばれたが、このうち市内に住む村上さん(男性、32歳)がおよそ2時間後に死亡した。

さらに、40代の男性が意識不明の重体になっているほか、30代の男性が体調不良を訴えているものの、命に別状はないという。

警察によると、清掃を行っていたダクトは、溶鉱炉から出る高い濃度の一酸化炭素を含んだガスを排出するためのもので、警察は、作業の手順を誤ったことで漏れ出した一酸化炭素を吸い込んだと見て、事故の詳しい原因を調べている。

 

出典

一酸化炭素吸い込んだか 製鉄所で1人死亡1人重体 広島 福山

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190531/k10011936891000.html

 

 

531日付で中国新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

31日午後2時ごろ、福山市鋼管町のJFEスチール西日本製鉄所福山地区の第2製鋼工場で、ダクトを清掃していた作業員が倒れ、3人が病院に搬送された。

 

同市南松永町1丁目の会社員村上さん(32)が死亡。

40歳代の男性が意識不明の重体、30歳代の男性が軽症を負った。

 

警察によると、3人が複数のダクトを清掃中、ガスの漏出防止措置が取られていないふたを開けたため、一酸化炭素の濃度が高い有毒ガスが漏れ出し、吸い込んだとみられる。

村上さんはJFEの取引会社の社員という。

 

工場周辺への影響はなかった。

 

出典

『有毒ガスか、1人死亡 福山のJFE西工場、1人重体』

https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=539223&comment_sub_id=0&category_id=256

 

 

651254分にNHK広島からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察などによると事故が起きたダクトは、溶かした鉄の成分を調整する炉から出る高濃度の一酸化炭素を含むガスを排出するためのもので、当時は稼働していない炉につながるダクトを清掃する予定だったが、何らかの原因で稼働中の炉につながるダクトのフタを開けたとみられるという。

 

出典

福山のJFE事故で現場検証

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20190605/0004556.html 

 

 

 

(2020年3月31日 修正1 ;追記)

 

2020330212分にNHK広島からは、工事業者が安全確保に必要な情報の周知を怠っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

去年5月、福山市にある製鉄所で、ダクトの作業中に、一酸化炭素を含んだ有毒ガスを吸って作業員2人が死亡した事故で、福山労働基準監督署は、30日、工事を委託していた会社と工事責任者を、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
書類送検されたのは、福山市曙町にあるS興業と、30歳の工事責任者です。


福山市にあるJFEスチール西日本製鉄所の工場では、去年5月、ダクトの清掃に関わる作業にあたっていた作業員の男性3人が一酸化炭素を含めた有毒ガスを吸って倒れ、このうち2人が亡くなりました。


福山労働基準監督署によりますと、現場検証や関係者からの聞き取りなどの結果、工事を委託していたS興業が、現場の安全確保に必要な情報の周知を怠るなど、安全管理に問題があったことがわかったということです。


このため、福山労働基準監督署は、きょう、この会社と工事責任者を労働安全衛生法違反の疑いで、広島地方検察庁福山支部に書類送検しました。


労働基準監督署は会社側の認否を明らかにしておらず、書類送検された会社は30日午後8時半の時点でNHKの取材に応じていません。

 

https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20200330/4000007194.html

 

 

 

(2020年5月25日 修正2 ;追記)

 

2020525日付で労働新聞からは、作業場所を移動中に通路を誤って生産ラインに入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

広島・福山労働基準監督署は、令和元年5月に発生した死亡労働災害に関連して、設備補修業のS興業㈱(広島県福山市)と同社工事担当者を労働安全衛生法第31条(注文者の講ずべき措置)違反の容疑で広島地検福山支部に書類送検した。

下請の労働者2人が一酸化炭素中毒で死亡している。

 

労災は福山市内の大手製鉄所内で行っていた転炉ダクト(銑鉄を鋼に製鉄するための生産設備である「転炉」から出るガスを排出するための設備)の補修工事で発生した。

 

ダクトのマンホールの蓋を開ける作業を行っていた下請会社の労働者2人が被災している。

 

作業場所を移動中に通路を誤って別に生産ラインに入り、稼働中の転炉ダクトのマンホールの蓋を開け、噴出してきた一酸化炭素濃度が高い有毒ガスを吸い込んだ。

 

同社は、事前に上位請負会社から交付されていた作業の安全事項を記載した文書の写しを下請会社に交付しなければならなかったのに、これを怠っていた疑い。

 

https://www.rodo.co.jp/column/90765/

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

協力会社の人だけで作業場所を移動していたのだろうか?


ここが作業場所だということを、製鉄所は協力会社に、どのように伝えていたのだろうか?


作業場所には、ここが作業場所だと表示されていたのだろうか?

 

そういった点が不明につき、事故報告書でもないかと調べてみたが、見つからなかった。

 

 

 

 

 

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2018129日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。

第1報は下記参照。

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9139/

 

 

(2019年5月6日 修正1 ;追記)

 

2019427317分に毎日新聞から、前回NHK報道以降の状況など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)

 

首都高速道路の塗装工事などに携わり、健康診断を受けた労働者170人のうち、2割近くに当たる31人の血液から鉛中毒の発症リスクが高まる濃度の鉛が検出されたことが、健康診断を担当した医師の調査で判明した。

 

平成初頭までに整備された高速道路の鋼材の塗装には、さび止め剤として鉛が使われているケースが多く、塗り替え工事で削り落とした際に飛散し、吸い込んだ可能性がある。

 

古いさび止め塗料は更新時期を迎えつつあり、労働者の健康をいかに守るのかが課題に浮上している。

 

労働者を鉛にさらされる作業に就かせる場合、鉛の血中濃度などを調べる健康診断を受けさせることが雇用主には義務づけられている。

 

首都高で塗装工事をしていた労働者の健康診断を請け負った「ひらの亀戸ひまわり診療所」(東京都江東区)の毛利一平医師は、鉛の血中濃度が異常に高い人が多いことに気がついた。

 

そこで、鉛による健康被害の危険性の広がりを確かめようと、2017年8月~19年4月に同診療所で健康診断を受けた170人の血中濃度を集計した。

 

大半が、首都高の塗装工事を担当していたり、そうした現場に出入りしていたりする労働者だった。

 

集計の結果、鉛中毒と診断された労働者はいなかったものの、発症リスクが高まる水準として国が示している目安(血液100mℓ当たり40μg)を超えていた労働者が31人いた。

 

最も高い人は81.8μgに達しており、4人の外国人技能実習生も含まれていた。

 

さらに昨年7月ごろ、血中濃度の高い労働者5人の皮膚の表面を鉛に反応する薬剤で調べたところ、全員の体に鉛が付着していることも分かった。

 

毛利医師は、「鉛の飛散対策が不十分で、現場で吸い込んでいる可能性が高い」と指摘する。

 

首都高の塗装工事を巡っては、13~14年に労働者2人が鉛中毒を発症した。

 

これを受け、厚労省や国交省は、建設業界に加え、工事を発注する高速道路会社や自治体などにも対策の徹底を求めてきたが、現場への浸透は容易ではない。

 

首都高も、昨年から現場の抜き打ち検査に乗り出すなど対策を強化しており、「受注業者に対して鉛対策の徹底を義務づけているが、現場で徹底されていなかった可能性はある。発注者の責務として指導していく」と話している。

 

塗料メーカーでつくる「日本塗料工業会」(東京都渋谷区)は1996年から鉛を含んだ塗料の削減を進めており、現在は国内ではほとんど使われていない。

 

 

「現場への教育徹底を」

 

「久永直見・愛知学泉短期大非常勤講師(産業医学)の話」 

 

倦怠感や腹痛といった鉛中毒の症状が表れても、その時点では、医師も原因に気づかない例が多い。

 

近年は、インフラの更新によって発症リスクが高まっており、見落としを防ぐためには、医師が必要な知識を持つことが不可欠だ。

 

また、中小の塗装業者や一人親方も含め、作業者への教育を徹底する取り組みも進めてほしい。

 

 

「鉛中毒」

 

鉛を体内に取り込むことで起きる健康障害。

頭痛や倦怠感、手足のまひなどの症状に襲われ、死に至ることもある。

 

全国労働安全衛生センター連絡会議(東京都)によると、1996~2016年度に国内で38件が労災認定された。

 

世界保健機関(WHO)は13年、世界で毎年14万人以上が鉛中毒で死亡しているとの推計を発表している。

 

 

防護対策は手探り 鉛塗料はがす工事増加、飛散リスク高まる】

 

鉛の飛散リスクが高まっているのは、高度経済成長期からバブル期にかけて橋桁のさび止めに使われた鉛塗料が劣化し、更新時期を迎えつつあるからだ。

 

高速道路の橋桁の鋼材には塗料が何層にも塗り重ねられており、さび止め塗料は「下塗り」と呼ばれる内側の層に当たる。

 

外側の層に守られているために劣化が緩やかで、下塗りに手を加えず、外側の塗り替えだけで済むケースがこれまでは多かった。

 

しかし、首都高の大半の路線で開通から30年以上が経過し、下塗りの劣化も目立ってきた。

 

首都高の担当者は、「今後、鉛塗料をはがす工事が増える可能性がある」とみている。

 

労安法などは、鉛から労働者を守るための対策や健康管理を義務づけているが、規制対象となるのは現場の塗装工を直接雇用している事業主だ。

 

工事を発注する側の首都高も、13~14年に鉛中毒の発症者が出たことに危機感を強め、受注業者に対して特殊なマスクの使用や使い捨て防護服の着用を義務づけるなどの対策を打ってきた。

 

ただ、新たに導入した対策が別の問題を引き起こして再考を余儀なくされるなど、手探りの面もある。

 

例えば、首都高は14年10月、特殊な薬剤と塗料を化学反応させてはがす手法を全面的に取り入れた。

 

鉛の飛散を防止するための試みだったが、15年2月に、この工法で作業していた首都高7号小松川線の現場で火災が発生し、作業員2人が死亡した。

 

薬剤では鉛塗料が剥がしにくいことも明らかになり、機械で塗料を削り取る方法に戻した。

 

首都高は、粉じんの飛散防止対策を以前よりも手厚くすることで、作業員たちが吸い込まないようにしているという。

 

出典

『首都高速、鉛中毒リスク 労働者の2割検出 東京の診療所』

https://mainichi.jp/articles/20190427/k00/00m/040/002000c 

『防護対策は手探り 鉛塗料はがす工事増加、飛散リスク高まる』

https://mainichi.jp/articles/20190427/k00/00m/040/003000c

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

首都高小松川線での事故は下記記事参照。
同事例にも、今回の情報を追記しておいた。

 

2015216日 東京都江戸川区の首都高で橋桁の塗装工事中に出火し作業員2名が死亡、シートで囲った場所でシンナー使用作業と工具による研磨を同時に実施していた

(第1報)

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4639/

(第2報)

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6624/

 

 

 

 

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20194121836分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

12日午前10時ごろ、更別村にある屋内のコミュニティープールで清掃会社から「屋内で排気ガスを吸って呼吸が苦しいと従業員が訴えている」と消防に通報があった。


警察や村によると、搬送されたのは、水を抜いた状態のプールの床で洗浄機を使い清掃をしていた50代と20代の男性2人と、10mほど離れた近くの廊下で窓を拭いていた40代の女性。


3人は村から委託を受けた清掃会社の従業員で、いずれも意識はあり症状は軽いという。


現場では他に8人の従業員が作業をしていたが、症状は訴えていないという。


警察によると、清掃作業には当時、ガソリンエンジン式の高圧洗浄機が使われていたことから、排気ガスを近くにいた3人が吸い込んだとみて、当時の状況を調べている。

 

出典

プール清掃で息苦しさ 3人搬送

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190412/0009449.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

ネットで調べたところ、25mプールと子供用プールがある施設。

http://www.sarabetsu.jp/shisetsu/pool/

 

NHK放映の施設外観を見ると、そう大きくはない施設のようだ。

 

 

 

 

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2019392135分に山陽新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 

 

9日午前11時25分ごろ、倉敷市水島川崎通のJFEスチール西日本製鉄所倉敷地区で、屋外のガス管を点検していた男性社員2人が体調不良を訴えて倒れた。

 

市内の病院へ搬送されたが、同市の森さん(男性、47歳)が死亡、同市の男性(27歳)が重傷のもよう。

 

警察は、管から漏れ出た一酸化炭素を吸った可能性もあるとみて原因を調べている。

警察などによると、ガス管は直径約3m。

鉄鉱石を溶かす過程で生じる一酸化炭素が主成分の混合ガスを燃料として再利用するため、高炉から送り出していた。

 

2人は朝から、修繕を終えたばかりのガス管を点検。

森さんの異変に気付いた男性から連絡を受け、同僚が119番した。

 

同僚が駆け付けた際、2人とも倒れており、装着していたガスセンサーの警告音が鳴っていた。

現場は水島コンビナートの一角。

事故を受け同社は、「遺族をはじめ、皆さまに多大なご迷惑を掛け申し訳ない。原因究明に努める」としている。

 

出典

JFE倉敷でガス漏れか 1人死亡 1人重傷もよう、屋外で点検中

https://www.sanyonews.jp/article/878499 

 

 

392150分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

2人は病院に搬送されたが、森さん(47歳)の死亡が確認された。

 

警察によると、一酸化炭素中毒となった可能性があり、もう1人の社員(27歳)は、意識はあるが重症という。

 

警察によると、2人は溶鉱炉付近の屋外でガス管の点検作業中だった。

 

重症の社員から「森さんが一酸化炭素中毒になった疑いがある」と同僚に報告したという。

 

出典

JFE構内で社員1人死亡 一酸化炭素中毒か 岡山・倉敷』

https://mainichi.jp/articles/20190309/k00/00m/040/223000c 

 

 

392145分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

もう1人の男性にも中毒症状があるが、命に別条はない。

 

警察によると、2人は屋外で作業しており、止めていたガスが通るかどうかの確認中に倒れたとみられる。

 

出典

JFE製鉄で作業員死亡、CO中毒か 岡山・倉敷

https://www.sankei.com/affairs/news/190309/afr1903090024-n1.html

 

 

 

 

 

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2019371919分にYAHOOニュース(静岡放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

硫黄のような異臭が沼津市戸田の温泉街を騒然とさせた。

現場からは有毒の硫化水素が検出され、宿泊客らが一時、避難した。


カメラマン;

「異臭騒ぎのある沼津市市戸田です。現在も交通規制が敷かれています」


3月7日午前6時前、沼津市戸田の温泉旅館で火災報知器が鳴り、駆け付けた消防が硫黄のような臭いに気付いた。

 

消防が調べたところ、現場付近から有毒の硫化水素が検出されたため、警察が周辺の道路を規制し、宿泊客や周辺住民に避難を呼びかけた。


近所の人;

「(旅館の)となりのお兄さんが、昨日から硫黄のにおいがしてた。たまごが腐ったようなにおいがしてたと言ってましたね」

 

近所の人;

1人で避難しました」「心配はしたけど」

 

一般的に、硫化水素は10ppmで目の粘膜に刺激を及ぼすとされる。

 

消防によると、今回検出された硫化水素は、旅館の周辺で7ppmだったのに対し、旅館に設置された浄化槽付近では16ppmだった。

 

浄化槽に酸素を送り込んで微生物を活性化させる装置が動いておらず、浄化できなくなったことで硫化水素が発生した恐れが高いという。

 

出典

温泉旅館で硫化水素 宿泊客が避難 沼津市戸田

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190307-00010003-sbsv-l22 

 

 

371150分にFNN PRIME(テレビ静岡)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

【仲田記者】

 

私の後ろに見える建物で騒ぎは起きました。

現在は、全く異臭は感じられません。

 

旅館の関係者によりますと、この建物はほとんど使っていなかったということです。

 

消防によりますと、建物の1階部分で7ppmの硫化水素が検知されました。

 

これまでのところ、アワビなど海産物を入れておく水槽の浄化槽に何らかの原因があるとみられ、詳しい調査が続けられます。

 

出典

温泉旅館で異臭騒ぎ 宿泊客など21人が一時避難もケガ人なし 有毒の硫化水素を検知 静岡・沼津市

https://www.fnn.jp/posts/2019030700000002SUT 

 

 

371241分にNHK静岡からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察などによると、硫化水素が検出されたのは旅館の別館で、当時、宿泊客はいなかったが、近くにある旅館の本館に宿泊していた客17人と付近の住民2人に対し、警察が避難を呼びかけたという。


また、現場への立ち入りを禁止するため、午前6時半ごろから、周辺の道路を規制したという。


宿泊客らにけがなどはなく、硫化水素の検出が収まったことから、警察は午前9時すぎに避難の呼びかけや道路の規制を解除した。

 

出典

沼津市の温泉旅館 硫化水素検出

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20190307/3030002195.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

硫化水素で火災報知器が発報したとすれば、ブログ者にとって初耳事例だ。

 

 

 

 

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20192131345分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

13日午前8時50分ごろ、大阪府和泉市伯太町2の敷物製造会社「P社」の工場で、清掃作業中の男性2人がタンク(高さ約8m、直径約3m)の中に転落したと、従業員の女性から119番があった。 

消防は2人を救出したが、容体は不明。

 

タンクから有毒の硫化水素が発生しており、市や警察は外出しないよう周辺の住民らに呼び掛けている。

 

消防によると、2人は清掃会社の従業員で、タンクにはカーペットの接着に使うのりが入っていた。

 

警察は住民らに、現場に近づかず、自宅の窓を閉めて屋内に待機するよう、パトカーなどで呼び掛けた。

近くには保育園や小学校、高校などがあり、屋外での活動を取りやめるなどした。

 

現場はJR阪和線和泉府中駅から東約1km。

 

出典

『「工場タンク内に男性2人転落」 硫化水素が発生 大阪・和泉市』

https://mainichi.jp/articles/20190213/k00/00m/040/102000c 

 

 

2132336分に毎日新聞からは、2人が死亡したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察は13日、搬送先の病院で2人の死亡が確認されたと発表した。

 

タンク内にはカーペットの接着剤が入っていたが、半年以上使われていなかった。

 

タンクからは一時、有毒の硫化水素が発生しており、警察が事故との因果関係を調べている。

 

警察によると、2人はいずれも70代で、清掃会社の従業員。

13日午前8時50分ごろ、2人が転落したと119番があり、消防が約4時間後に救出したが、意識不明の状態で搬送された。

 

タンクは高さ約5.4m、直径約2.6mで、上部に直径約50cmの穴がある。

 

タンクの上にいた従業員の姿が見えなくなり、別の従業員が様子を見に行って、2人とも穴から転落したとみられる。

 

タンク内の接着剤は半年以上使われておらず、従業員らは、接着剤を抜き取って内部を清掃する予定だった。

 

関係者によると、接着剤が長期間放置されることで腐敗し、硫化水素が発生した可能性があるという。

 

出典

『工場のタンク内に転落の2人死亡 接着剤、半年以上使われず 硫化水素発生』

https://mainichi.jp/articles/20190213/k00/00m/040/198000c 

 

 

214219分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察は14日、2人は、兵庫県尼崎市の清掃会社「K工業」経営、岩本さん(男性、75歳)と同社従業員、浜口さん(男性、70歳)と明らかにした。

 

タンクからは一時、有毒の硫化水素が発生。

 

司法解剖の結果、死因は特定できなかったが、警察は硫化水素による中毒死の可能性があるとみて調べる。

 

出典

『工場タンク転落死、2人の身元判明 硫化水素中毒死の可能性』

https://mainichi.jp/articles/20190214/k00/00m/040/268000c 

 

 

 

 

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201928228分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

8日午後2時ごろ、留萌市末広町1の公務員宿舎1階共用玄関内で、自家発電機を使って給水管工事をしていた作業員3人が倒れているのを住民の家族が見つけ、119番した。

 

3人は病院に運ばれたが、いずれも意識不明の重体。

 

警察によると、3人は同市内の建設会社に勤務する神さん(男性、61歳)、門脇上さん(男性、42歳)、山下さん(男性、39歳)。

 

発見時、1人は玄関内で、残る2人は玄関から通じる半地下のピット(配管用スペース)で倒れていた。

 

3人は、同日午前9時半ごろからピット内で、給水管などの取り換え工事をしていた。

電動ドリルを使うため、玄関内にガソリン自家発電機を置いて動かしていたという。

 

当時、玄関ドアは閉まったままだったとみられ、警察は、排ガスによる一酸化炭素(CO)中毒の可能性が高いとみて調べている。

 

札幌管区気象台によると、同市内の午後2時の気温は氷点下12.3℃で、現場付近は風雪が強まっていた。

 

出典

配管作業の3人意識不明 留萌の公務員宿舎 CO中毒か

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/274995 

 

 

281924分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

3人は8日朝から、建物の地下で老朽化した給水管を交換していた。

換気はしていなかったとみられる。

 

建物1階の入り口付近に1人、地下1階に通じる階段に2人倒れていた。

 

現場はJR留萌駅から数100mの場所で、海上保安庁や税務署の職員らが住んでいるという。

 

〔共同〕

 

出典

配管作業の3人重体 北海道留萌市、CO中毒か

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4108176008022019CZ8000/ 

 

 

281751分にNHK北海道からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察の調べによると、3人は午前9時半から工事にあたっていたが、寒さを免れるため、入り口の引き戸を閉めた上で、電動ドリルを使うための発電機を建物の中に入れていたということで、警察は発電機の不完全燃焼による一酸化炭素中毒の可能性があるとみて詳しく調べている。

出典

作業員3人意識不明 CO中毒か

https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190208/0007730.html 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

複数のメディアの映像によれば、現場は鉄筋コンクリート5階建ての建物。


1階共用玄関への入口は二重扉になっているので、もしかすると、二重扉の間で発電機を動かしていた、ということかもしれない。

 

 

 

 

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2018723日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。

第2報は下記参照。

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8606/

 

 

(2018年12月13日 修正2 ;追記)

 

20181262251分に毎日新聞から、安全管理責任者である技術顧問が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

県警は6日、現場の安全管理責任者で同社技術顧問の男性(68)を、業務上過失致死容疑で金沢地検に書類送検した。

 

金沢労基署も同日、同社と技術顧問を労安法違反容疑で書類送検した。

 

事故は6月6日午前3時半ごろに発生。

県警によると、古紙に希硫酸などを混ぜる円筒形のタンク(深さ約5m)内で、異物を取り除こうとした従業員の男性(57)が倒れ、助けようとした49歳と27歳の男性も巻き込まれた。

 

死因は、高濃度の硫化水素による急性中毒だった。

 

送検容疑は、技術顧問は有毒ガスの発生を予測できたのに現場に立ち会わず、ガス濃度の計測やマスク着用の指示などを怠り、3人を死亡させたとしている。

 

出典

3人死亡のタンク事故 技術顧問の男性を書類送検 石川県の製紙会社』

https://mainichi.jp/articles/20181206/k00/00m/040/296000c 

 

 

1261932分にNHK石川からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

警察のその後の調べで、68歳の技術顧問の男性は、タンク内に硫化水素が発生する危険作業だったにも関わらず、事故を防ぐためのタンク内の換気を行うよう指示しなかったことなど、適切な安全対策を怠ったという。


出典

タンク3人死亡事故で書類送検

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20181206/3020000503.html

 

 

 

 

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2018123928分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

ことし5月、東京都内の高速道路で補強工事に携わっていた作業員2人が鉛中毒と疑われ、激しい腹痛や手足のしびれなどの症状が出る危険が高いと診断されたほか、ほかにも6人が、作業を続けると鉛中毒を発症する可能性が高いと判断されたことが分かった。


いずれも、橋脚などの劣化を防ぐために塗装に混ぜて塗られた鉛を誤って吸い込んだとみられ、厚労省などは注意を呼びかけている。

東京・江東区にある「ひらの亀戸ひまわり診療所」によると、ことし5月、東京都内の高速道路で補強工事に携わっていた作業員33人が健康診断で血液検査を行った結果、血中に含まれる鉛の数値が異常な値を示すケースが相次いだ。


このうち2人が、国が基準としている血液100mℓ中60μg以上の鉛が検出され、鉛中毒と疑われると診断された。


自覚症状はなかったが、激しい腹痛や手足のしびれなど、中毒特有の症状が出る危険が高い状態だったという。


さらに、ほかにも6人が、国の基準は下回ったが、このまま作業を続けると中毒を発症する可能性が高いと判断されたという。


診療所や会社側によると、いずれも橋脚などの劣化を防ぐために過去に塗装に混ぜて塗られた鉛を誤って吸い込んだとみられ、厚労省などは注意を呼びかけている。


診察した毛利医師は、「これほど血液中の鉛の濃度が高い作業員が多くいることに驚いた。全国でインフラの補修工事が進む中、ほかの工事現場でも同様の鉛中毒の危険はあり、今後、中毒を発症する作業員が出る可能性がある」と話している。


厚労省などによると、4年前、東京の高速道路で改修工事などをしていた14人の作業員が鉛中毒となる災害が発生したため、業界団体などに対策の徹底を呼びかけている。

鉛中毒は、鉛を吸い込んだり舐めたりするなどして体内に蓄積したため起きるもので、激しい腹痛や手足のしびれなどの症状が出るほか、重症化すると、最悪の場合、死亡するケースもある。


しかし、医師の間で鉛中毒の知識やリスクが十分に共有されていないため、正しく診断されないケースが出ている。


4年前に東京都内の高速道路で改修工事を行っていて、鉛中毒を発症した40代の男性は、4つの病院をまわっても原因が特定されず、腹部や胸などの激しい痛みが1か月以上続いた。


男性は、点滴を受けるなど体内の鉛を外に出す治療を半年間続けた結果、ようやく回復したということだが、診断がもう少し遅れれば、体にマヒが残った危険もあったという。


診察した大阪・西淀川区にある「のざと診療所」の中村医師は、「症状だけでは、医師の多くは何の病気か分からないと思う。見過ごされている患者も多いのではないか」と話している。


一方、厚労省は、鉛中毒について昭和46年に出された通達に基づいて、末しょう神経障害や激しい腹部の痛み、それに関節痛、けん怠感など複数の症状が出ていることと、血液100mℓ中60μg以上の鉛が検出された場合、業務との関連が認められれば、労災と認定している。

鉛は、鉄がさびるのを防ぐことで長く使用できるようにするため、高速道路や鉄道の橋脚や住宅やマンションの鉄骨、それに公園の遊具などに、塗料に混ぜて広く塗られてきた。


しかし、鉛自体が有害物質であり、健康被害が出たことなどから、塗装メーカーおよそ100社で作る団体「日本塗料工業会」は、平成8年に自主的に鉛を含む塗料の使用を禁止した。


団体によると、今も一部で使用されているということで、2020年までの廃絶に向けて取り組んでいるという。


過去に高速道路の橋脚などに塗装に混ぜて塗られた鉛は、補強工事で作業員が塗料をはがす際に誤って吸い込む危険があり、大型インフラの改修や補修の時期を迎える中、専門家や医師などからは鉛中毒のリスクを指摘する声があがっている。

工事の元請け会社はNHKの取材に対して、「作業員には、鉛を吸い込むのを防ぐためのマスクや防護服などの着用を指示していたが、1人1人に徹底されておらず、着用が不適切だった可能性がある。血液中の鉛の濃度が高かった作業員の配置を換えるなど、適切な措置を行っている。今後も引き続き、健康被害の防止に関する法令を遵守しながら工事を行っていきたい」と話している。

 

出典

高速道工事で作業員が鉛中毒疑い

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181203/0022093.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

「職場の安全サイト」に、発生年月日などは不明だが、同じような事例が下記趣旨で掲載されていた。

休業者1名とあるので、4年前の高速道路事例とは違うかもしれないが・・・。

 

 

橋梁桁に塗布された塗料の塗り替え作業中、鉛中毒を発症

 

本災害は、高速道路で、橋梁桁に塗布された塗料の塗り替え作業中に発生した。


高速道路の橋梁桁に塗布された塗料の塗り替え工事で、近隣環境への配慮のためビニールシートで作業場を覆い、隔離措置された作業場でディスクサンダー等を用いて含鉛塗料のかき落とし作業に従事した作業者1名が、全身倦怠感、食欲不振、体の痛み、指の痺れ、急激な体重減少などを訴え、鉛中毒と診断された。

 

休業者数1名

 

【原因】

 

1.発注者、事業者は、塗布されている塗料中の鉛等の有害な化学物質の有無を把握せず、また、把握した後も施工事業者に伝えられていなかったこと。

2.剥離等作業を乾式方法で行っていたこと。

3.保護具の選定が適切でなかったこと。

4.作業時に保護具を外すことが行われていたこと。

5.集じん機・掃除機等による除じんを行っていなかったこと。

6.鉛作業主任者が選任されていなかったこと。

 

【対策】

 

1.発注者は、有害な化学物質の有無について把握している情報を施工者に伝えるほか、塗料中の有害物の調査やばく露防止対策について必要な経費等の配慮を行うこと。

2.施工者は発注者に問い合わせる等して、当該塗料の成分を把握すること。

3.当該塗料の成分に鉛等の有害物が確認された場合、当該塗膜の剥離作業を行う場合、湿式による作業の実施、作業主任者の選任と適切な作業指揮の実施、有効な保護具の着用、適切な使用の監視等を行うこと。

4.塗膜の剥離作業に従事させる時は、遅滞なく、塗料に含まれる鉛等の有害物に係る有害性、取扱い方法、当該作業に関し発生する恐れがある疾病の原因、予防方法、保護具の性能及び取扱い方法に関する教育を行うこと。

 

http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101504

 

 

 

 

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20181231245分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

3日午前9時45分頃、名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂スポーツパークで、テニスコートのクラブハウスの解体作業をしていた作業員から、「複数人が気分が悪いと訴えている」と119番があった。

 

消防によると、20歳代~50歳代の作業員6人が頭痛やめまい、吐き気などの症状を訴え、病院に搬送された。

いずれも意識はあり、命に別条はないという。

 

工事を発注した市によると、当時、作業員らは建物をビニールで囲って外壁のアスベストを除去していた。

当時は雨だったため、ビニール内で発電機を稼働させて作業していたという。

 

警察は、一酸化炭素が発生して作業員が酸欠状態になった可能性があるとみて、原因を調べている。

 

出典

アスベスト除去中に酸欠か、作業員6人を搬送

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181203-OYT1T50042.html 

 

 

1231650分に中京テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

3日午前10時前、名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂テニスコートにあるクラブハウスで、アスベストの撤去作業をしていた男性作業員6人が体調不良などを訴え、病院に搬送された。

 

消防などによると、全員が酸欠とみられ、命に別条はないという。

 

作業員らは当時、密閉された部屋で発電機を使って作業をしていたということで、警察は、発電機の排気ガスが影響したとみて調べている。

 

出典

密閉した部屋で作業の6人、酸欠で搬送 名古屋・瑞穂区

https://www2.ctv.co.jp/news/2018/12/03/32638/ 

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

以下は、中京テレビの映像の1コマ。

クラブハウスの側面全体がビニールシートで囲われている。

 

報道では酸欠の可能性ありということだが、CO中毒の可能性もあるのではないだろうか?

 

 

 

 

 

 

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20181114188分にNHK徳島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

14日午前11時半ごろ、徳島市幸町のホテル千秋閣などが入っている自治会館で、作業員がエアコンの解体作業を行っていたところ、配管に残っていたフロンガスが漏れ出した。


この事故で、ガスを吸った男性の作業員3人が体調不良を訴えて、病院に運ばれた。
このうち、50代の作業員が一時、全身に脱力感を訴えたが、特に異常はなく、いずれも命に別状はないという。


警察によると、建物の5階にある機械室で、作業員がエアコンの解体作業中に配管を切断したところ、配管内に残っていたフロンガスが漏れ出したということで、事故の詳しい原因を調べている。


ガス漏れのあった自治会館は、地上10階、一部11階建てで、徳島県市町村職員共済組合がホテルも経営し、宿泊用の部屋やレストランなどがある。


建物は現在、耐震工事を進めていて、ホテルは今月1日から休館しているが、建物の中には市町村職員共済組合のフロアなどがあり、ガス漏れがあった時間帯には職員など、およそ50人が建物の中にいたという。


建物の中にいた人は無事避難したが、一時、玄関付近には消防隊員や建物の中にいた人が大勢集まり、複数の消防車や救急車が待機するなど、現場は騒然とした。

 


【フロンガスとは】


環境省によると、フロンガスは、エアコンや冷蔵庫で熱を冷やすための冷媒として多く用いられていて、フロンガス自体は人体に直接の影響はないものの、一度に大量のフロンガスを吸い込んだり、地下室など密閉された空間に漏れたりした場合は一時的に酸欠状態になり、めまいや気分が悪くなることがあるという。


こうしたフロンガス漏れを防ぐため、現在、フロン排出抑制法により、業務用エアコンの所有者に対して定期的な点検が義務づけられているという。

 

出典

フロンガス漏れ 作業員3人搬送

https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20181114/8020003482.html 

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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