2023年10月2日14時42分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし10月、和歌山市の紀の川にかかる水管橋と呼ばれる送水用の橋の一部が崩落し、1週間にわたって市内の4割にあたるおよそ6万戸が断水しました。
新たな部品は、こうした断水を防ごうと、市の企業局が、大阪の水道設備メーカーや京都の金属メーカーと共同で開発したものです。
市の企業局によりますと、この部品は、送水管同士をつなげる部分に蛇腹状のステンレス製の筒で覆い、大地震などで管の接続部分が破損しても断水が起きないようにするということです。
実際の水道管で行った実験では、管の接続部分が20センチ伸びたり、10センチ縮んだり、さらには、水が通る管の中心が5センチずれても、水漏れが起きなかったとしています。
市の企業局は、この設備の特許を出願していて、来月から試験的に市内の「六十谷水管橋(むそた すいかんきょう)」に設置することにしています。
和歌山市の瀬崎・公営企業管理者は、「市民のみなさんに大変なご迷惑をかけた水管橋の事故からあすで2年。この経験を決して無駄にしないために、官民連携で取り組んだこの製品が、安全で安心な水道供給の一助になってほしい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20231002/2040015947.html
10月2日20時0分に産経新聞からは、名称はカバージョイントなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山市で令和3年10月3日に発生した「六十谷水管橋」(上水道送水管)の崩落を受け、市は2日、水道管の接合部分をカバーする新たな「カバージョイント」を共同開発したと発表した。
縦横に伸縮する機能を備え、地震などで接合部が外れても柔軟にカバーするという。
市は11月中~下旬ごろに同水管橋に設置して耐久性などについて調査し、結果を受けて活用を進めるという。
紀の川にかかる六十谷水管橋(全長約550メートル)崩落では水道管が破断し、約6万世帯(13万8千人)が約1週間にわたって断水した。
市企業局は崩落を受け、安定給水に向けた水道インフラの維持管理強化を検討。
耐震性や劣化の診断、水道管の複線化などを行ってきた。
令和4年9月からは、大成機工(大阪市)、日本ニューロン(京都府精華町)と共同で、水道管の接合部破損を防ぐ装備を開発してきた。
新たな装備となるカバージョイント(直径90センチ、長さ69センチ)は、蛇腹のように大小の凹凸が設けられたステンレス製のパイプ。
通常時より20センチ伸び、10センチ縮む。
水道管接合部の中心同士が5センチずれたとしても破損せず、漏水を防ぐ。
震度6の地震にも対応が可能で、既設の接合部分のカバーにかぶせて設置するため、施工時に断水することはないとしている。
11月に六十谷水管橋の1カ所に取り付けて約1年間、耐久性などをチェック。
十分な効果が確認された場合、今後は2カ所以上での設置を検討する。
和歌山市役所で共同記者会見した市企業局の瀬崎・公営企業管理者は「崩落の経験を無駄にしないとの思いで、維持管理態勢の強化に努めてきた。(カバージョイントの)開発は上水道の安定につながる」、大成機工の中村社長は「インフラの老朽化防止、整備の一助になれば」、日本ニューロンの岩本社長も「想定外を無くし、国土強靭(きょうじん)化の一助に」と話した。
https://www.sankei.com/article/20231002-QZ7Y7RUBKFNXBF3LFASERRO4Z4/
(ブログ者コメント)
水道橋の崩落事故については本ブログでも紹介スミ。
2023年10月11時40分にYAHOOニュース(関西テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後1時半ごろ、泉大津市西港町で、「川の上の橋が崩れて3名が落下した」と、消防に通報がありました。
消防によると、水路の上に敷かれたコンクリートが崩落し、通行人の24歳と65歳の女性2人と、助けようとした男性2人の合わせて4人が、およそ2メートル下に転落しました。
このうち、女性2人が救急車で運ばれましたが軽傷です。
男性1人も軽いけがをしました。
女性2人は、だんじり祭りの見物中で、場所を移動するために、現場を通って事故に遭ったということです。
この通路を管理している泉大津市によると、40年ほど前から設置されていたとみられ、崩落の原因は老朽化とみられます。
市内に同様の通路がおよそ20か所あり、市は緊急点検を行う方針です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1eaa78d636e76fa8d08403be4515cdbe0604a0a3
10月2日15時53分にNHK関西からは、コンクリート板3枚が崩落した、これまで点検は行われていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市が管理する歩道の一部が崩れ、歩いていた女性2人が2メートル下の排水路に転落しました。
また、近くにいて助けようとした男性2人も水路に転落しました。
現場は、縦1メートル、横2メートル余り、厚さ10センチの板状のコンクリートを排水路の上に敷き詰めた生活道路になっていて、このうち3枚分のコンクリートが突然崩れたということです。
市によりますと、崩れたコンクリートはおよそ40年前に設置され、これまで点検などは行われていなかったということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20231002/2000078369.html
2023年8月10日19時12分にYAHOOニュース(朝鮮日報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風6号(カヌーン)が韓半島を縦断する中、慶尚南道昌原市で10日、マンホールのふたが停車中のバスの床を突き破って車内に飛び込んでくるという、信じられない事故があったことが分かった。
また、SNS(交流サイト)には道路が冠水した写真が投稿されるなど、台風のさらなる被害が懸念されている。
10日にネットユーザーがX(旧ツイッター)で公開した写真には、バスの車内でマンホールのふたがひっくり返っている様子が写っている。
激しい雨の影響で降水量が増加し、下水管の水圧が高まってマンホールのふたが吹き飛び、バスの床を突き破ったようだ。
昌原市内のネットユーザーは、「台風の被害が冗談では済まされないレベル」というコメントとともに、道路が冠水した街の写真を投稿した。
豪雨で自動車が水に浸かり、街の道路も完全に水没している。
ネット上では「停車中にマンホールが床を突き破って入ってきたって? 意味が分からない」、「想像を超えている」、「窓を突き破って入ってきたのかと思ったら、床からか」と驚きの声が相次いだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8a83210e13d7a964e3f03a9754bfe7990b43ad61
(ブログ者コメント)
同様な事故としては、岐阜市で2020年7月、重さ2トンの蓋と中にあったハシゴが水圧で押し出され、通りかかった車が突き上げられるトラブルが起きている。(本ブログで紹介スミ)
2022年5月10日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正5として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12461/
(2023年8月16日 修正5 ;追記)
2023年8月8日13時8分にYAHOOニュース(バイクのニュース)からは、施行者も発注者も、そしてケーブルを引きずったトラックの運転手も、いずれも責任は問われないことになったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「ただ、そこの居合わせたことが悪いのか……」
事件の当事者は、検察の判断をこう悔やみました。
国道168号「助人トンネル」(奈良県十津川村川津)で、2022年5月2日に発生したトンネル内の照明用ケーブルとの衝突事故。
先行したトラックが、大型車とのすれ違いで側壁に寄り過ぎたことが原因で、工事のために移設されていた照明用ケーブルに接触。
車体後部でケーブルを引きずったために、固定が外れて上から垂れ下がるような状態になりました。
その直後に通行したバイク3台のうち、2台がケーブルに衝突して転倒。
先行した1台のライダーが死亡し、転倒を見ていた後続のライダーも、止まり切れずにケーブルに衝突、軽傷を負いました。
現場は、現在の基準では既存不適格となる道幅が狭いトンネルです。
路肩がなく、車両が左に寄り過ぎると側壁に接触することが予想されていました。
通常ではアーチ型になった天井部分にケーブルが敷設されているため、こうした事故は起きませんでしたが、トンネル内部の補強工事のため、側壁に移設されていました。
捜査した奈良県警十津川署は、標準工事仕様に基づいた工事のため、工事施工者や発注者である奈良県には責任はないと判断。
直接の行為者であるトラック運転手を特定し、送致しました。
しかし、奈良県検察庁は、2023年8月7日までに、このトラック運転手についても不起訴処分としました。
この事故について、山下真奈良県知事は、こう話していました。
「そもそも事故が起きた理由ですけれども、被害に遭われた方の前に走っていたトラックがトンネル内のケーブルを引っかけて、そのケーブルが垂れ下がって、それに接触して転倒されて死傷されたというように聞いていますので、その事故の原因者というのは、先行したトラックのドライバーであるというように考えておりますので、基本的に、奈良県に特段、刑事上、民事上の法的責任はないと思っております」(2023年5月26日)
そのトラックドライバーにも責任がないことに……。
道路の安全は誰が責任を持つのかが、改めて問われる判断です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/704d8ba0f6aceba56f5580bf7584f55b6a5c46a2
2023年8月3日18時15分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
盗塁で男子児童が滑り込んだ先にあったのは「釘」。
公園を管理する愛知県西尾市によりますと、事故は今年4月に地元子ども会のソフトボールの練習中に起きました。
小学4年の男子児童が2塁ベースへ滑り込んだところ、地面から突き出ていた釘が左ひざに刺さり、10針を縫う大けがをしました。
なぜ、こんなところに釘があったのでしょうか。
担当者に話を聞くと…。
西尾市スポーツ振興課 神谷さん:
「この辺りだと思われます」
Q.どこに2塁を置いたら良いか分かりづらいですね?
神谷さん:
「それで、利用する方が次に使う時に使いやすいよう、釘の先にひもを付けて釘を埋め込んで、ひもだけを上に出すという方法で目印にしていたと思われます」
ベースは取り外し可能で、利用者が固定して使うのだといいます。
Q.釘を使うルールはどうだった?
神谷さん:
「基本的には、グラウンドも他の施設も原状に戻すよう使って下さい。
何か刺しこんだら抜いてもらうのが基本です」
市の調査によりますと、2塁ベース付近から5本の釘が、他の場所からも14本の釘が見つかっています。
大きさや長さは様々ですが、ほとんどが腐食し、目印として使われていたとみられるひもが付いていました。
神谷さん:
「(選手の)年代によって塁間(の距離)が違うと思いますので、あちこちに埋めてしまった可能性はありますね」
今回の事件について、市は管理責任があると判断。
治療費などを賠償する方針です。
また、施設の利用者に対して注意喚起のチラシを配布しています。
神谷さん:
「使った後は元の通りに戻してほしい。
何かおかしいところを見つけたら、早めに市役所に連絡いただければ」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000310086.html
8月4日22時16分にYAHOOニュース(東海テレビ)からは、事例の横展開対応で市が調査した別の公園グラウンドでも98本のクギが見つかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県西尾市の公園で、地面から突き出たクギで小学4年生の男子児童が大けがをした事故を受け、市内の別の公園で4日、点検が行われ、98本のクギが見つかりました。
【動画で見る】10歳男の子が公園のクギで大ケガ…別の公園でも地面から98本見つかる 市「打ち込んだ場合は必ず抜いて」
(リポート) :
「西尾市内の公園です。男子児童がクギで大けがをした事故を受け、市の職員が点検作業を行っています」
2023年4月、愛知県西尾市の公園で、地面から突き出たクギで男子児童(10)が大ケガした事故を受け、市は4日、管理する横須賀公園で金属探知機による点検を行いました。
4日は2時間ほどの点検で98本のクギが見つかり、取り除きました。
クギは利用者がベースを置く目印として打ち込んだ後、取り除かれずに残っていたものとみられ、市は23年度のうちに、管理する21の施設で順次点検を行う予定です。
市は公園を利用する人に対し、「クギを打ち込んだ場合は必ず抜いてほしい」と呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4eda2ed54bdaf6ebde3d3d40c5809bd05772e420
8月9日19時19分にYAHOOニュース(メーテレ)からは、8月8日付で県は小中高の運動場や公園グラウンドを点検するよう関係各所に通知・依頼したなど下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、県教育委員会は、県内の学校の運動場などにくぎやガラスなどの危険物がないか点検するとともに、あった際には取り除くよう、8日付けで学校長などに通知しました。
点検の対象は、名古屋市を除く公立と私立の小・中・高校の運動場など、1266カ所です。
また県は、市町村が管理する公園のグラウンドについても危険物が無いか点検し、あった場合は撤去するよう、各市町村長あてに依頼しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6fc074cc245bd365cb237f80a16729c5062f9513
(ブログ者コメント)
奇しくも同じ今年4月、杉並区の小学校校庭でも同様な事故が起きており、文科省は当該事例の横展開対応として、全国の関係機関に安全点検の確実な実施を通知した。
(本ブログでも紹介スミ)
事務連絡
令和5年5月12日
各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課
各都道府県私立学校主管課 御中
附属学校を置く各国立大学法人担当課
文部科学省総合教育政策局
男女共同参画共生社会学習・安全課
校庭等における危険物の確認・除去等について
このたび、体育の授業中に転倒した児童が、校庭に放置された釘で裂傷を負うという事故が発生しました。
学校において児童生徒等が安心して活動するためには、校庭も含めた安全管理が適切に行われることが重要です。
文部科学省で作成している「学校安全資料(「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育)」においても、下記のとおり、校庭等における安全管理の項目を示しているところです。
ついては、各学校において校舎等の外も含めた安全点検が確実になされるよう、よろしくお取り計らいいただきますようお願いします
https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1417343_00010.htm
しかし学校以外、今回のような公園グラウンドは、文科省の管轄外につき、注意喚起?の対象外だった。
また文科省の通知が「点検せよ」という文面でなかったためか、愛知県は、自分のところで事故が起きるまでは、なんらアクションを起こしていなかった模様。
文科省が「点検せよ」という文面にしなかったのは、現状の安全資料に安全管理項目として記載されているので、資料通りにしてくださいと通知するのとどめたということだろうか?
1つの事例を、どこまで範囲を拡げて横展開対応すべきか?
あるいは、他所の事例を、どこまで自所に置き換えて対応するか?
こういった点が事例の横展開対応として一番悩ましいところだとは、これまで何回も述べてきたとおりだ。
2023年7月21日5時0分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉市が管理する「花見川サイクリングコース」を自転車で走行中、道路脇の溝に前輪がはまって転倒し手を骨折するなどしたとして、利用者が損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁は20日までに、市に約479万円の支払いを命じた。
同コースが安全性を欠いていたと認められた。
利用者は2021年3月、花見川区内で同コースを走行中、対向の自転車とすれ違うためコースの左側に寄った際に、幅約2・9センチ、深さと長さ約10センチの溝に前輪がはまって転倒し、負傷した。
判決では、「車輪の幅によっては、溝にはまって事故が発生することも想定される。サイクリングコースとして通常有すべき安全性を欠いていたと認められる」とされた。
市公園緑地部長は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1085982
(ブログ者コメント)
どんな道でどんな溝だったのか、探してみたが写真は見つからなかった。
以下は千葉市のHPに掲載されていた、花見川サイクリングコースの写真。
事故現場も、こんな感じだったのだろうか?
2023年7月15日9時10分にYAHOOニュース(バイクのニュース)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
雨が降った後の公道には、雨水により多くの水たまりができていることがほとんどです。
しかし、高速道路に雨水が溜まっている光景を目にすることは、ほぼないといって良いでしょう。
【画像】「え…!」これが高速道路に採用されている「高機能舗装」です! 画像で見る(10枚)
一見すると、高速道路と一般道路の見た目に大きな違いはないように思えますが、なぜ高速道路には雨水がたまらないのでしょうか。
NEXCO中日本の担当者は、次のように話します。
「高速道路では、お客さまの安全を確保するため、排水性や静粛性の高い『高機能舗装』を全面採用しております。
高機能舗装とは、通常のアスファルト舗装の表層部分に隙間の多い透水性の舗装用アスファルト混合物を用いることにより、路面から雨水が速やかに排除されるようにしたものです。
また、高機能舗装は、通常の舗装に比べて、
▽ハイドロプレーニング現象が低減される
▽夜間雨天時の視認性が向上する
▽車両走行時の騒音が低減される
といった長所があり、お客さまの降雨時の事故発生率の低減が図られました」
雨が降っている時や降った後の道路は雨水が溜まり、水量が多くなります。
こういった道路をバイクで走行するときは、ハイドロプレーニング現象に注意しなければなりません。
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面との間に水の膜が入り込むことでタイヤの排水能力が追いつかなくなってしまい、ハンドルが取られバイクをコントロールしにくくなる現象をさします。
実際、雨水が溜まった道路でグリップが効きにくくなり危機感を覚えたことがある…というライダーもいるかもしれません。
基本的にクルマよりも安定性が低いバイクの場合、この現象は重大な事故につながる可能性のある、非常に危険な現象といえるでしょう。
また、一般社団法人日本改質アスファルト協会の公表する情報には、高機能舗装は通常のアスファルト舗装に比べると、作られた舗装体中の空隙率、つまり岩石や土壌などの隙間の体積割合が多いことが特徴と記載されています。
例えば一般道路での舗装の場合、空隙率は5%程度であるものの、高機能舗装は15~25%と非常に高い数値を誇ります。
つまり、雨水が道路表面に留まらず、優れた排水機能を持っているというわけです。
また、前述の情報には、以下のような記載もされています。
「これにより、高速道路でスリップ事故などの交通事故が80%も低減しました。
更に付加されたことは、騒音低減機能です。
これまでの舗装ではタイヤの溝と舗装表面の間に挟まれた空気の逃げ道が無く、これが走行騒音となっていました。
しかし、高機能舗装では舗装表面に間隙があるため空気が逃げやすく、この騒音は低くなり、3デシベルほど低減できました」
高速道路開通から1990年代まで主に使用されていた通常舗装の場合、材料の密度が高く路面内部にすき間が少ない構造のため、雨水が路面にたまりやすく、水はねによる視界悪化や路面すべりの原因になっていました。
また、路面にすき間がないことから、走行時にエアポンピング音が発生し、静粛性にも問題があったようです。
しかし、現在主に使用されている高機能舗装の場合は、道路の強度はそのままに、よりすき間の多い材料を採用することで路面の雨水を排水し、水はねによる視界悪化や路面すべりを低減することに成功しました。
また、路面にすき間が増えたことで、タイヤと路面の間の空気が圧縮されにくい分、エアポンピング音の音量を抑えています。
ちなみに、現在高速道路で主に使用されている高機能舗装は、1998年に全面採用されたようです。
20年以上経った今でも安全に走行できているのは、NEXCOによる丁寧な点検・整備のおかげといえるでしょう。
※ ※ ※
高速道路に雨水がたまらないのは、特別な舗装がされているためでした。
これにより、ハイドロプレーニング現象だけでなく、騒音も防いでいるのは驚きです。
高機能舗装のように、高速道路にはライダーやドライバーが安全に運転できるような、さまざまな工夫がされています。
なかなか気づかない点も多いですが、これは運転者が走行以外に気を取られないためなのかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/169e7eb1b107fa6a315c7781cebfea90a7231f31
2023年7月8日7時0分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、解説図や写真付きでネット配信されていた。
大雨の日、マンホールの蓋(ふた)が突然、吹き飛ぶことがある。
衝撃で周辺の小石が飛び散るほか、落とし穴になったマンホールに人が落ちる「溺水トラップ」というリスクがあり、過去には死者も出た。
蓋が古いタイプだと起きやすい現象で、旧型の蓋は各地に300万基以上残ると推定される。
万が一に備え、どう気を付けたらいいのだろうか。
「おかしいな」。
台風2号接近の影響で雨が降り続いていた6月2日昼。
大阪市西区の店舗で働いていた女性が外の様子を見ていると、歩道のマンホール蓋の穴から勢いよく水が噴き出していた。
いったん目を離すと、いきなり「ドーン」と爆発したかのような音が鳴る。
再びマンホールを見ると、閉じていた蓋が大きく開き、周囲のアスファルトに亀裂が入っていた。
蓋が開いた時に周りの小石が飛び散り、近くの飲食店2階の窓にも当たった。
マンホールのすぐ近くを幹線道路が走り、普段は人通りも少なくない。
けが人こそいなかったものの、女性は「びっくりした。何が起こったのか」と戸惑った様子だった。
このマンホール蓋は重さ約70キロ。
なぜ、ひとりでに開いたのか。
マンホールを管理する市下水道部施設管理課の見方はこうだ。
①雨水が流れ込んで下水道の水かさが急増し、マンホール内部の空気圧や水圧が高まる。
②たまった空気や水が逃げ場を失い、蓋が外れた――。
専門家が「エアハンマー現象」や「ウオーターハンマー現象」と呼ぶものだ。
なかには空気に押されて蓋が吹き飛んだり、高さ10メートル以上の水柱が上がったりすることもあるという。
マンホール蓋製造の業界団体「日本グラウンドマンホール工業会」(東京都)によると、2001~20年度の20年間で、エアハンマー現象やウオーターハンマー現象によるとみられるけがや物損事故が全国で100件近くあった。
飛び散った小石などが建物を傷付けるケースのほか、蓋が外れたマンホールに走行中の車がはまり、運転手がけがをした事例もあったという。
死亡事故も起きている。
高知市によると1998年9月、冠水した市内の道路を歩いていた男子高校生がマンホールに落ちて死亡。
市内の別の場所でも40代女性が横断歩道を歩いている途中、マンホールに落下して亡くなった。
いずれも蓋が外れており、下水道の水かさが増えて空気圧が高まった可能性があるという。
冠水した道路だと、蓋が外れているか歩行者が目で確認するのは困難で、マンホールに落ちて溺れる恐れがあることから、高知のようなケースは溺水トラップと呼ばれることもある。
この死亡事故を受けて、国も対策に乗り出した。
建設省(現国土交通省)は99年3月、安全対策の手引書を策定。
マンホール蓋について、穴を大きくしたり数を増やしたりして空気や水を逃がせる新型に交換するよう自治体に求めた。
旧型の蓋は穴が狭かったり、数が少なかったりして危険なためだ。
大阪市でもゲリラ豪雨が増えた十数年前から新型のマンホールに順次交換しているという。
ただし、同工業会によると、全国で約1600万基あるマンホール蓋のうち、2割にあたる約350万基は旧型のままと推定される。
6月の大雨で蓋が開いた大阪市西区のマンホールも旧型だった。
市によると、設置時期が古いものから交換しているが、作業を担える業者が限られることもあり、交換が完了していないという。
全国の自治体では、蓋の設置時期や場所を正確に把握できていないところもあり、危険な蓋はまだ残っているとみられる。
マンホールの構造に詳しい長岡技術科学大(新潟県長岡市)の斎藤秀俊教授(材料工学)は、ゲリラ豪雨が近年増えているため、新型の蓋でもウオーターハンマー現象が起こる可能性があり、旧型だと特に蓋が飛ぶリスクが高まると指摘。
「普段は注意することが少ないマンホールだが、思わぬ『落とし穴』になりかねない。大雨でガタガタと蓋が音を立てたり、水が噴き出したりすることがあれば、危険なサインだ。決して近寄らないようにしてほしい」と警鐘を鳴らす。
https://mainichi.jp/articles/20230705/k00/00m/040/069000c
(ブログ者コメント)
マンホールの蓋に関するトラブル情報は、これまで本ブログでも何件か紹介している。
2023年4月16日9時51分にYAHOOニュース(TBS NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【写真で見る現場の様子】倒れた木の根元、キャンプ場の様子など 倒木の原因は「根腐れ」か
きょう午前3時20分頃、相模原市緑区にある「新戸キャンプ場」で、「テントの中の男女が倒木の下敷きになっている」と夫婦の友人から110番通報がありました。
警察によりますと、高さおよそ18メートル、太さ70センチほどの木が根元から折れてテントに直撃し、中で寝ていた夫婦が下敷きになったということです。
2人は胸を強く打ち病院に運ばれましたが、およそ2時間後に、妻で東京・武蔵野市の会社員・中村さん(29)の死亡が確認されました。
夫(31)は肋骨を折るなどの重傷です。
警察によりますと、木が倒れた原因は「根腐れ」だとみられるということで、事故の詳しい原因を調べています。
警察とキャンプ場によりますと、中村さん夫婦は友人2人と、きのう午前10時からこのキャンプ場に滞在していて、事故当時は12組19人が宿泊していたということです。
キャンプ場側は、取材に対し「キャンプ場内を毎日点検しているが、倒れた木は問題なかったので驚いている。今後も安全対策を行う」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/38f8c60c32e9bd912ff968b594cefb32be87b8d2
4月17日19時0分に朝日新聞からは、当時はほぼ無風だった、市は他のキャンプ場でも緊急確認したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津久井署によると、キャンプ場は15日夜まで比較的強い雨が降ったが、倒れた時は小雨でほぼ無風の状態だった。
木は根腐れか立ち枯れした可能性があるという。
新戸キャンプ場はJR相模湖駅から南約6キロの道志川沿いにあり、当時約20人が利用していた。
・・・
相模原市は17日、市内の民間キャンプ場18カ所に立ち木の状態などの確認を要請し、市営キャンプ場2カ所では造園業者と危険な木がないか確認した。
市営キャンプ場では早急な対応が必要な木は確認されなかったという。
https://www.asahi.com/articles/ASR4K63TCR4KUTIL01D.html
4月17日18時12分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、川の近くは根腐れリスクが高まる、注目は葉っぱ、今回倒れた木も枝に葉っぱはついていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
なぜ大木は、根元から倒れたのでしょうか。
警察が原因とみているのが「根腐れ」です。
日本オートキャンプ協会、公認指導者・上田洋平氏:
「酸欠になった状態を根腐れ。
(根腐れは)酸素が土に行き渡らなくなって起こる。
今回のように、川の近くは根腐れのリスクは高まる」
施設側は1日2度点検を行い、事故前日の見回りでも問題はなかったと話しています。
そもそも、民間のキャンプ場の管理については、細かなルールが定められていないといいます。
危険な木をどう見分ければいいのでしょうか。
注目は「葉っぱ」です。
上田氏:
「落ち葉の季節でないのに落葉していたり、新緑の季節なのに新しい葉がないなど」
確かに今回倒れた木も、新緑の季節にもかかわらず、枝に葉っぱは付いていませんでした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b463c534134aad222dd987901a987c928cd55a39
4月17日15時24分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、根腐れは土の中の水分が多すぎて起きる、大木以外は揺することで確認できるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
倒れた木は根元から折れ、断面が露出。
幹には緑色の苔のようなものが生え、葉のない枝も見られます。
登山ガイド 上田洋平氏:
「これだけの大きさの木が倒れることは滅多にないと思います。
特に管理されたキャンプ場ですので、レアケースだと思います。」
「根腐れ」とは、土の中の水分が多すぎて、根っこが酸欠になって呼吸できずに枯れてしまう状態のことを言います。
≪根腐れしていそうな木の特徴≫
▼葉の変色や、落葉の季節でないのに落葉している
▼きのこなどが生えている
▼土にカビが生えていたり、土が湿っている
上田氏によると、 「直径20センチから30センチくらいの木であれば、ゆすることで根腐れを確認できる。根腐れしていると簡単に揺すれてしまう。ただ、大木の場合は、幹がしっかりしているので、総合的な判断になる」 ということです。
≪樹木に囲まれた場所でテントを張る際の注意ポイント≫
▼周りの樹木の強度を確認
▼風の影響を受けにくい場所を選ぶ
▼傾斜や窪地を避ける
恵俊彰:
「木の近くにテントを張ること自体はよくあることなんですか?」
上田氏:
「本当によくあります。
むしろ、夏は樹林帯の中にあると日陰になって涼しいということで、一般的に樹木のまわりに張ります。
また、今回は低気圧が伴う前線の通過によって、倒れた前日にかなり雨が降っていたんです。
そういった面で、倒木のリスクが高まっていたと考えられます。」
・・・
(ひるおび 2023年4月17日放送より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/f21efa6c10125abcc157b22e090bc627f7ed3224?page=1
4月19日11時32分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、別のキャンプ場では毎日、目視&手で触って樹木の状態を確認している、管理者は「目視点検でまだ大丈夫かな?と迷ったら躊躇なくプロに判断を任せるべき」と話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
キャンプ場の樹木の点検に問題点はなかったのか。
茨城県でキャンプ場の管理・運営を行う「リリーアカデミーキャンプセンター」の園部会長に、点検上のルールや判断に迷った際の対応について聞いた。
【毎日「目視」と「触って」樹木を確認】
Q.毎日どういった点検を行っている?
A.キャンプ場は毎年4月からスタートするので、我々はその前に必ずプロの方に頼んで、木の伐倒作業の相談をします。
毎日の点検としては、まず「目視」で確認します。
枝がかなり落ちていたり、根本を触ると皮がポロポロと簡単に剥がせたり、軍手で掘れるような状態は、明らかに「根腐れ」を起こしているので、これは素人でも判断できる伐倒の基準となります。
一方で、表面は硬いけど木の年数は相当経っているような、判断が付かないものについては、茨城県だと各市町村にある林業指導所の判断を仰いで、伐倒します。
茨城県では、樹木の病気や害虫などの相談に関しては、各エリアごとの林業指導所に問い合わせると、的確な判断、ないしは現地に来てもらって確認できるようになっています。
Q.点検ルールは?
A.キャンプ場の管理者としては、人の命を預かる施設なので、毎日「目視」と「手で触って」樹木の状態を確認しています。
我々のキャンプ場は東京ドーム6個分ほどある広大な敷地なので、キャンプサイトエリアに加えて、子供たちが歩く通路沿いの樹木なども必ず確認します。
【判断に迷ったらプロに相談】
事故があった「新戸()キャンプ場」で倒れた木は高さ約18メートル、太さ70センチ。
キャンプ場の従業員は警察に対し、木の状態を「毎朝確認していた」と話しているが、園部さんは「迷ったら躊躇せずにプロに判断を任せることが重要」と話す。
Q.毎日点検する人は木に詳しい人?
A.私どものキャンプ場のスタッフには、県の営林署関係の仕事についていた人がいるのと、キャンプインストラクターという公的な資格を持っている人を配置しています。
よって、キャンプインストラクターならではの視点での管理運営もやっています。
A.今回の事故の問題点は何だと思う?
Q.やはり「迷い」だと思います。
目視で確認して「まだ大丈夫かな」と判断が付きにくい樹木があります。
テントを張って宿泊するキャンプサイトに近い場合は、迷ったら躊躇せずに判断をプロに任せることが重要だと思います。
また、関東地区や関西もそうかもしれませんが、雷が多いエリアなので、テントサイト近くに高い樹木がある場合は、そこに雷が落ちる可能性があるので、そういうところは避けてテント設営をするのもポイントです。
今回の事故は違いますが、利用者は今後気をつけていかなくてはいけない点だと思います。
Q.判断に迷ったらプロへの迅速な相談が重要?
A.キャンプ場を運営するということは、人の命を預かるということでもあるので、例えば「根腐れ」が起こっているかどうかの判断がつきにくい場合は、速やかに専門家である「樹木医」に相談することが大切です。
または、市町村ごとに林業指導所という公的な機関があるので、そういったところを使うことも判断材料になります。
今回のキャンプ場も日々管理運営を行っていたと思いますが、やはり判断が付きにくい樹木があったのかなと思います。
その場合には、躊躇なく樹木医や林業指導所に相談するのが一番だと考えます。
イット!
https://news.yahoo.co.jp/articles/61a1525b85b4bf2be7b15ede358a580097090d81
(ブログ者コメント)
この事故を受け、全国各地のキャンプ場で自主的な緊急点検が行われた。下記は一例。
・岩手県滝沢市が運営するキャンプ場2ケ所
・福島市大笹生にあるキャンプ場
・長野県売木村星の森オートキャンプ場
2023年4月2日11時0分にYAHOOニュース(FRIDAY DIGITAL)から下記趣旨の記事が、現地の写真付きでネット配信されていた。
東日本大震災による福島第一原発の事故から12年経った現在。
原子力発電所を有する全国の自治体では、原発災害時の避難道路が整備されつつある。
日本原子力発電所がある福井県敦賀市近辺にも、原発事故が起きた時の事故制圧や避難用の道路が県や市によって続々と開通した。
2022年春に開通した市道西浦2号線鈴ケ崎トンネルもその一つだ。
【駐車をしないよう側溝のフタを外してほしい】
敦賀市在住のAさんが体験した「落とし穴事故」は昨年11月13日、その鈴ケ崎トンネルのすぐ近くで発生した。
「その日はマツダデミオで敦賀市色浜近辺の県道141号線を北(鈴ケ﨑トンネル)に向かっていました。
ふと気づくと、後ろから接近してくるクルマがいたので、先に行かせようと思ったんです。
煽られている雰囲気ではなかったのですが、『追いつかれた車両の義務』(道路交通法第27条)のことが頭に浮かんだので、これはよけるべきだと。
しかし、色浜周辺はずっと海沿いの片側一車線で、左側は路肩も狭く…。
やっと左前方に見えてきたのが、事故現場となった空き地でした。
左ウィンカーを出して空き地に入ろうとした瞬間、落とし穴に落ちたような強い衝撃を感じました。
ガガッ、ゴゴッという、下回りをぶつけた鈍い音もしました。
その時点で、後続車は一気に加速して私の車を追い抜いていきました」
Aさんの愛車は、空き地の入り口近辺の路肩にずっと連なる「フタのない側溝」に落ちたのだ。
その後、すぐにハンドルを切ったため、元の道路に戻ることができたものの、車には傷がついた。
Aさんが続ける。
「運転席からフタが飛び飛びになっていることなど確認できなかったばかりか、一部フタで覆われている部分もあり、混乱しました。
車を空き地に入れようとした時に初めてそれが確認できましたが、まさにトラップ。
道路の左脇にある空き地に入るには必ずその側溝を横切るわけですが、入口には進入禁止や立ち入り禁止などの警告看板やポールも何もありませんでした」
Aさんの車はコンクリートでできた固い側溝で激しく損傷したため、その修理代は約60万円と高額なものになってしまった。
「道路の欠陥による事故ではないか、と考えたので、事故の翌日、福井県庁の土木部道路建設課にメールを送りましたが、数週間経っても何の反応もなかったんです。
それで、敦賀市役所など様々なところに問い合わせて、鈴ケ崎トンネル手前の側溝は福井県の管轄だとわかりました。
結局、事故現場の道路を管理している土木事務所の担当者と現場確認に行けたのは、事故から1ヵ月半が経過していました」
そして、Aさんは担当者の指示によって、管理者である県知事へ損害賠償の申し立てを行う申立書を提出した。
上記の情報をキャッチして、事故現場の道路を管理していた「嶺南振興局敦賀土木事務所」を取材した。
「あの場所の側溝のフタがなぜ外されていたのか」と質問すると、担当者からは耳を疑う驚愕の理由が語られた。
「フタを外したのは地元からの要望です。
釣り客がたくさん訪れて、道路沿いに何台も違法駐車をする。
駐車をしないよう側溝のフタを外してほしいという要望にこたえたものです」
これにはびっくりである。
側溝のフタを外して、わざと危険な状態にして駐車をさせないようにしていた…ということなのか?
後日、福井県の担当者より「わざと危険な状態にした」という発言を訂正する説明は受けたが、結局、なぜフタを外していたかについては、いまだに説明はない。
「そもそも、あそこは退避所ではなく、鈴ケ崎トンネルを作る前に通っていた昔の道路で、工事の資材などを置いていた場所です。
一般車両が入る想定はしていませんでした」
「退避所ではない」「一般車が入る想定はなかった」とはいうものの、進入禁止の掲示はなく、ポールやロープで入口がふさがれていたわけでもない。
開通から2ヵ月、2022年5月に撮影されたストリートビューの写真には、側溝にはまった際についたと思われる複数のタイヤ痕が写っている。
また、トンネルの入り口には駐車禁止の標識がかすかに見えるが、現場は駐停車禁止ではない。
左脇の空き地にちょっと車を寄せて停車することは、不自然ではないだろう。
【60万円以上の損害に対して33000円の賠償で済むのか】
その後、Aさんのもとには、申立書の提出から約2ヵ月経過した今年2月下旬に、やっと損害賠償に関する連絡が福井県道路保全課の担当者から届いた。
「ひどい話ですよ。
まず、保険会社の言い分は、車の時価が支払いの最大なので『11万円』ですと。
さらに(Aさんのケースは)ドライバーの前方不注意による事故だから、私に7割の過失がある。
また、あの場所は待避所ではない。
側溝は『道路構造令によって75cmの路肩の外側に設置されたものだから、フタがなくても問題ない』とも言われました。
フタを外していた理由も、はっきりとは答えてもらえませんでした」
つまり、写真に示す道路に置き換えれば、白線(車道外側線)から幅75㎝以上路肩として確保しなければいけないが、それは確保されていて、それより外側は道路とはみなされない。
つまり、側溝のある場所は道路外にあたるので、仮にフタがとれている部分があっても、県として道路の安全管理を怠ったとは言えない、という言い分なのだ。
福井県側が伝えてきた、道路管理の不備で発生した損害を「時価」で支払おうとすること自体、極めて異例で、また「ドライバーの前方不注意」という指摘も大いに疑問が残る。
そもそも、運転席からフタのない側溝が続いているのが見えていたら、運転手はその場所を横切ろうとは思わないだろう。
前方に注意して安全だと思ったから空き地に車を寄せたのである。
福井県は、60万円以上の損害を受けたAさんに対して、『Aさんの過失が7割』という理由で、わずか33000円の賠償で済ませようとしていることになる。
福井県の道路保全課に改めて聞いてみたところ、「道路の保険で対応することになりますが、金額については折り合いがついていないので、再度検討しているところです」という返答があったが、「Aさんの過失が7割」という言い分は、不条理だろう。
現場は今、どうなっているのか。
『この先路肩注意』という看板がトンネルのはるか手前に立てられているのみで、空き地への進入を禁止する道路標識もなく、ポールなども一切ない。
『この先路肩注意』という看板だけでは、運転手は結局、何に注意すればよいのかわからない。
今まで通り、空き地にも自由に入れることから、今後も同様の事故が起きる可能性はあるだろう。
「危険箇所を放置し続けることに対してもそうですが、危険箇所の放置を理由にもならない理由で正当化しようとする態度に、より一層の怒りを覚えます」(Aさん)
原発事故を回避するための道路なのに、落とし穴事故の回避には無頓着。
重大な事故が新たに発生しないことを願うばかりだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d7fda7899f2c31b157572888a6f3b431d3ff2b2
(2023年4月20日 修正1 ;追記)
2023年4月19日12時44分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、区長会長と県はレジャー客対策ではなく排水能力を上げるために蓋を外したと説明しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
・・・
なぜ、このような事態になっているのでしょうか?
現地へ向かいました。
現場は、福井県敦賀市の県道141号線。
美しい敦賀湾を臨むツーリングコースとしても人気ですが…。
現場は事故の後、一変。
県により、注意を呼び掛ける看板や、ポールなどが設置されていました。
事故が起きた付近の側溝の穴には、細い木の板が渡され、その上には、コンクリートのブロックが置かれています。
ちなみに、側溝の大きさを測ってみると、縦60センチ、横1メートル、深さ70センチの大穴だったことが分かります。
現地で取材を進めると…。
近隣住民:
「観光客とか、ドライブの人とか、左に側溝に止めてドスンと落ちる。危ないなと感じていました」
Q.事故は?:
「事故は、しょっちゅう(あった)。ここで車止めて、パンクしてるのが、3台くらい止まってました」
近くに店を構える男性は、観光客などが事故を起こす「危険な場所」だと証言しました。
近隣住民:
「あおり運転で、後ろから車来ると、脇によけて。先に行かせようと左側に寄ったら、ドスン。かわいそうですよね」
別の住民は、次のように話します。
近隣住民:
「(夜や雪の日)見えない時もあるから、ふたしてほしいと思う時もある」
なぜ、危険が放置されてきたのでしょうか?
地元の区長会の会長が取材に応じてくれました。
地元・西浦地区 山川区長会長:
「レジャー対策。車が入って行けると、ゴミだらけに。レジャー対策も兼ねて、側溝を外してくれと県にお願いした」
Q.ふたを半分開ける、まだらにするようにお願いした?
山川区長会長:
「道通ってきたら分かると思うけど、ふためくって(外して)あるでしょ?あんな感じでやってくれたらいいって(お願いした)」
周辺にはトイレが少なく、釣り人や観光客が用を足したり、ゴミを捨てたりすることが頻発。
そのため、地元住民側が「対策として県に要望した」というのです。
しかし、落下防止の対策については…。
山川区長会長:
「ポール立てて、側溝にふたがないよと、注意喚起はしとくべきだと思いました。側溝に落ちる人もいるし、対策しとくべきだった、ポール立てて」
はたして、穴の真意とは?
道路を管理する県の担当者を取材すると、“違う答え”が返ってきました。
Q.(穴は)釣り客がたくさん訪れて、違法駐車するのを防ぐため?
山川区長会長:
「ではないです」
Q.地元からの要望?
山川区長会長:
「ではないです」
「(路肩)75センチ確保した道路は、側溝を開いていることが多い。雨水などを流すためのものですので」
福井県側の説明によると、側溝は排水能力を上げるためにふたを外して穴をあけたもので、
「法令に基づき、十分路肩の幅が確保されているため、構造上の問題はない」
「同様の脱輪事故は、これまで把握しておらず、今回が初めて」
「地元の要望を受けた『違法駐車対策』ではない」
ということでした。
福井県:
「道路の構造上は“安全”だと思いますけど。より安全を徹底するため、注意喚起を徹底していきたい」
(「グッド!モーニング」2023年4月19日放送分より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2853179a09fe1c6f90a4f46a97d9676869a3c9fa
2023年3月31日18時10分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午後、JR下関駅前の人工地盤で、こども複数人がおよそ5メートルの高さから転落する事故がありました。
命に別条はないということです。
下関市消防局によりますと、31日午後2時過ぎ、「小学校低学年と思われる子どもが3~4メートルの高さから転落した」と通報がありました。
消防や警察が駆け付けたところ、人工地盤と隣接する建物の間に設置されている金属製の網が落下していて、現場近くにいた人の話によりますと、「金属製の網と子ども3人くらいが一緒に落ちてきた」ということです。
人工地盤は、高さがおよそ5メートルありますが、命に別条はないということです。
警察と消防で、詳しい事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d24a6fcf7111ea06f2c5fb3234aa240aa2d6c4b0
3月31日15時43分にYAHOOニュース(テレビ山口)からは、こども3人が手すりを乗り越え網の上で走って遊んでいた、市は人が乗ることを想定していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午後2時ごろ、山口県下関市のJR下関駅前で、子どもが3人が約5メートルの高さから落ちる事故がありました。
警察や消防によりますと、午後2時すぎ、複数の人から「子どもが上から転落してきた」という内容の通報がありました。
転落したのは小学校2、3、4年生の男子児童3人とみられ、市内の総合病院に運ばれましたが、いずれも命に別状はないということです。
市によると、駅前の人工地盤と隣の建物の間に隙間があり、転落防止用の金属製の網が設けられています。
3人は人工地盤の手すりを乗り越え、その網の上で走って遊んでいたということで、網が抜けて落下しました。
これまでに同様の事故はなく、市は人が乗ることは想定していなかったとしています。
警察などが、事故のいきさつを調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb4fb732aad8ad85f970a577ec94d6e5fdbe173d
3月31日20時57分に朝日新聞からは、網は隙間にかぶせてあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午後2時5分ごろ、山口県下関市竹崎町4丁目のJR下関駅ビルと、ビル2階に面する人工地盤の隙間から小学生3人が約6メートル下の地上に転落した。
下関署によると、3人はけがをしている模様だが、命に別条はないという。
同署や人工地盤を管理する市によると、3人は高さ約1・1メートルのフェンスを乗り越え、隙間にかぶせてあった落下防止用の金網の上で遊んでいたが、金網がはずれ、地面に落下したとみられる。
病院に搬送されるまで2人はベンチに腰かけ、1人は横たわっていたが、「痛い痛い」と叫び声を上げていたという。
https://www.asahi.com/articles/ASR306KW1R30TZNB00K.html
2023年3月8日21時18分にYAHOOニュース(山陰放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島根県大田市にある世界遺産「石見銀山」遺跡内にある橋の近くで8日午後、女性が川に転落し、死亡する事故がありました。
もたれかかった柵が折れたということです。
【写真を見る】世界遺産「石見銀山」観光ツアー客の愛知県の女性が川に転落、死亡 もたれかかった木製柵が腐食していて折れる
大田警察署によりますと、8日午後3時40分頃、島根県大田市大森町の世界遺産「石見銀山」を散策していた愛知県の女性が、もたれかかった木製の柵の支柱が折れて、4メートル下の河原に転落。
搬送先の病院で死亡が確認されました。
死亡したのは愛知県北名古屋市の女性(68)で、団体ツアーで石見銀山を訪れていたということです。
女性が地区の銀山川にかかる羅漢町橋のたもとの、高さ1メートル、幅3メートルほどある柵にもたれかかったところ、3本ある支柱の内2本が突然折れ、バランスを崩した女性が転落しました。
柵は大田市が2010年に設置。
管理する土木課によると、おととし木材に腐食が確認されたためコーンを置いて近付かないよう注意喚起するとともに、来年度更新の計画だったということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e875efe21497e2f2b76a9a939a949f00a0d69bc
3月9日19時56分にYAHOOニュース(山陰中央テレビ)からは、柵の前にはコーンが3つ置かれていただけで、注意を呼び掛ける貼り紙などはなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故のきっかけとなった防護柵。
木材で作られていて、腐食が進んでいました。
管理者の大田市が柵の腐食を確認したのは2年前ですが、補修されないままになっていました。
防護柵は高さが約1メートルで、大田市が、2010年、銀山川にかかる「羅漢町橋」のたもとに約3メートルにわたって設置。
2021年4月に腐食していることが確認された後も補修されないままとなっていました。
大田市土木課・青戸課長:
「セーフティコーンによる注意喚起なので、入ろうと思えば(腐食した箇所に)入れる。1年でも早く直していれば、このようなことは起きなかったので、お詫び申し上げる」
こちらは、腐食を確認した時の防護柵の写真です。
柵の前にはセーフティーコーンが3つ置かれていますが、注意を呼びかける張り紙などはありません。
石見銀山周辺では老朽化した設置物が多く、今回の事故のきっかけになった防護柵も、来年度になってようやく補修される予定でした。
老朽化した設置物の対策について、市はどう考えているのでしょうか?
大田市土木課・青戸課長:
「今後、このようなことがないように早急な修繕に努めていきたい。注意喚起も文字の表記がなかったので、徹底してやっていきたい」
市は、周辺にある別の木製の設置物についても、早期に点検することにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fac8a57fc10acc2fea3fdba20406e66d6726eb8d
(ブログ者コメント)
コーンを3つ置いていただけでは、工事時の片付け忘れなどと思われかねず、意味がない。
ロープを張るなど物理的に侵入できない方法をとるか、柵そのものを撤去しておくべきだった。(腐っていたのなら、比較的簡単に撤去できたのでは?)
次善の策としては注意喚起貼り紙など。
2023年3月10日18時32分にYAHOOニュース(FNN PRIME)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪・堺市で、柵が外れ、男性が用水路に転落。
首の骨を折るなど重傷を負った。
8日には石見銀山で、柵に寄りかかった女性が転落死している。
「立ち入り禁止」と書かれたテープが何重にも貼られた柵。
大阪・堺市で、この柵にもたれかかった男性が用水路に転落し、大けがをする事故があった。
現場となったのは幅3メートルほどの狭い道路で、男性は柵にもたれかかった際、水路に転落したという。
柵はスチール製で、高さおよそ1.2メートル。
3月7日午前9時半過ぎ、自転車に乗っていた70歳の男性が柵にもたれかかったところ、柵を支える支柱の基礎が外れ、男性は、およそ1.5メートル下の用水路に転落した。
男性は首の骨が折れる重傷を負い、集中治療室で治療を受けていたが、現在は歩けるくらいにまで回復しているという。
用水路を管理していた堺市は10日午後、記者会見を開き、謝罪した。
堺市担当者:
「誠に申し訳ございませんでした」
市によると、柵は30年以上前に設置され、定期的な点検などは行われていなかったという。
堺市担当者:
「定期点検の対象ではなかったため、そこを車で通った時に見たということしか、確認が取れていません」
8日には、島根県の世界遺産・石見銀山遺跡で、68歳の女性が防護柵にもたれかかったところ、腐食していた木の柵が折れ、女性は川に転落し死亡した。
その前日に、堺市で起きていた同様の事故。
原因について、市は...。
堺市担当者:
「道幅が狭いところでの柵になりますから、自転車とか車が擦ったりすることで、支柱の一部に傷がつく。
そこに雨が降ったときに塗装がさびる」
今後は、市が管理する水路全域の柵を定期的に点検するなどの再発防止策をとるとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/04aa22fffaf138fa41d07079341ccd87f9087142
3月11日4時14分に毎日新聞からは、脇を通る車をよけようとして柵にもたれた、当該柵は犬の小便などで特に劣化が早かったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故は7日午前9時40分ごろ発生。
男性は自転車で通行中、脇を通る車をよけようとして柵にもたれたとみられる。
自ら消防に通報して救急搬送され、一時は集中治療室で治療を受けていた。
市農業土木課によると、この柵は設置から30年以上がたっているとみられ、事故後の点検で周辺の2カ所でも劣化が確認された。
事故があった柵は犬の小便などで特に劣化が早かったとみられる。
この水路は「青線水路」と呼ばれる昔からの農業用水路で、現在は市の所有だが、柵の点検義務はないという。
今後は市内の同様の転落防止柵も点検する。
https://mainichi.jp/articles/20230310/k00/00m/040/279000c
3月10日21時13分に産経新聞からは、柵の設置者は不明で法的には市に点検義務はないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
柵は設置から30年以上が経過し、根元が腐食していたとみられる。
だれが設置したかは不明で、法的には市に点検義務はないというが、市が管理する農業用水路にかかるため、「点検や管理を行うべきだった」と陳謝。
管理する市内水路の柵の緊急点検を行うと明らかにした。
https://www.sankei.com/article/20230310-SJUFWXPXEBJATBRDJV2BW2PEPI/
2023年2月16日13時50分にYAHOOニュース(女性自身)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
子供たちが遊ぶために公園に設置された遊具。
しかし、摩擦などによる劣化や破損によって、ケガのおそれを訴える声に注目が集まっている。
発端は、とあるTwitterユーザーによる投稿。
動物の形をしたスプリング遊具の座面コーティングが剥がれ、ガラス繊維が露出している遊具を発見したという。
このユーザーはすぐに自治体に報告したといい、身体にガラス繊維が刺さってしまうと簡単には抜けないとして注意喚起している。
このユーザーの投稿に《知らなかった!》《これは危なすぎる…》との声が上がる一方で、実際にケガをした経験を共有する声も相次いでいる。
《たぶん昔これが原因で太ももズタズタになった。それ以来、怪我をした公園とその遊具が苦手になった。正直今も怖い》
《これ本当痛い、一瞬で全身にシビビビ!と鳥肌みたいにはしる痛みの思い出が》
《これめっっっっちゃ痛いよ!!!!!刺さったらガムテで剥がして!!!めっっっちゃ痛い!》
また、投稿者と同じように、自治体への報告や安全チェックを心がけようとする声も上がっている。
《危ないから知らない公園行ったらまずは遊具の安全チェックだね》
《ガラス繊維はマジでやべーから見かけたら連絡!》
《公園なら土木課か公園課か自治体によるけど、行動の速さも自治体によるけど、すぐ連絡よ》
しかし、こうした利用者による注意喚起は後を絶たない。
「従来の遊具は、摩滅に弱い FRP 樹脂を使ったものが多いのです。
これはガラス繊維とポリエステル樹脂が混ざった繊維強化プラスチックで、強度は金属並みだといいます。
昨夏にも、劣化した滑り台で子供がケガをしたというツイートが注目されました。
お尻や太ももに破片が刺さり、水で流しても取れなかったそうです。
こうした事故を防ぐためにも、道路や公園の損傷・不具合を報告できるアプリを導入している自治体もあります。
ですが、遊具の更新には高額な費用がかかることもあり、予算や人員不足ですぐに作業に取り掛かることができない自治体も。
そうした背景もあり、市民の間では通報しても“すぐに動いてもらえなかった”と訴える声も上がっています」
(社会部記者)
国土交通省では1998年から3年ごとに、都市公園における遊具の老朽状況を調査している。
昨年6月に発表された2019年時点での調査結果では、設置後20年以上経過している遊具は194116基あり、全体の49.7%にも及んだ。
また、公園管理者が点検を実施し、修理・撤去といった措置が必要になったものは72672基にものぼったという。
少しでもケガの危険性が減るよう、安全対策が進むことを願うばかりだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b82c9c756db230f81819fa435a30c527aab963b
2月16日 17時7分にYAHOOニュース(J-CASTニュース)からは、最初の投稿者は仕事でFRPを扱っており何度も刺さった経験から心配になった、投稿した遊具ではガラス繊維の露出はなかった、メーカーは露出したガラス繊維でケガした事例は聞いたことがないと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公園にあるキリンをかたどった乗り物の遊具について、座面の塗装が剥げてプラスチックの中のガラス繊維が露出しかけていて不安だと、ツイッターで写真が投稿された。
この公園は大阪府豊中市内にあり、市によると、ガラス繊維を使った繊維強化プラスチック(FRP)を使っていた。
市は、「メーカー点検の結果、大丈夫だと判断した」と取材に答えたが、今後、危険はないのだろうか。
【ガラス繊維は、露出してはいなかった】
小さな子供が乗るようなキリン遊具の座面は、お尻でこすられて塗装が剥げ、白い筋が多数入った透明な中身が、むき出しの状態になっている。
遊具も、あちこちにヒビが入っていた。
子供の母親だというrieさん(@riewithpeanuts)が2023年2月13日、この写真をツイッターに投稿した。
rieさんは、公園名などは伏せたが、座面塗装が剥げて、プラスチックの中のガラス繊維が露出しかけていたとして、公園を管理する市の公式LINEを通じて連絡したと報告した。
ガラス繊維について、表面が削れていくと、お尻に繊維が刺さってしまうのではないかと不安を漏らしていた。
写真の投稿は、5000件以上リツイートされ、ネット上で大きな話題になっている。
投稿を見た人の間では、安全性を心配したり、注意喚起をしたりするような反応も出ている。
rieさんは15日、J-CASTニュースの取材に応じ、豊中市内のある公園だとしたうえで、自分の子供がこの遊具に乗ったものの、ケガはなかったとした。
まだ繊維が露出してはいなかったという。
rieさんは仕事でFRPを扱っていたといい、「何度も手に刺さり、痛い思いをした事があります」と、自らの体験から心配していることを明かした。
この遊具について、公園を管理する豊中市の公園みどり推進課は、取材に対して、子供が乗って前後に揺れるスイング遊具だと担当者が説明した。
【繊維が露出しても、お尻に刺さることはない】
その説明によると、市の公式LINEで2月13日に通報を受け、担当者が現地へ行って確認し、修理業者にも点検してもらった。
「業者の方は、大丈夫だとの判断で、市としても、そう判断しました。
ガラス繊維は露出していませんでしたが、露出した場合でも、お尻に刺さることはなく、そういう事例もありません。
子供が座るところですので、メーカーもそんな遊具は作らないでしょう。
現状では、修理せずにこのまま使い、連絡があれば目視してやっていきます。
ただ、苦情が多いようですと、塗装の応急対応はしたいと考えています」
通報者には、16日に電話で説明し、この対応で承諾を受けたと明かした。
遊具は、子供が遊ぶと1~3年でヒビが入ることもあるといい、それほど古くはないとした。
振動からの影響も含めて、安全上の問題はないと説明している。
市によると、定期点検は、年に1回、全公園で行っている。
ABCDの4段階で判定され、今回の遊具は、B判定だった。
D判定なら危険だとして撤去し、C判定を中心に遊具の回収や修繕を行っているという。
A判定、B判定なら、ほぼ安全だとみなしている。
【繊維が取れて穴が開けば、穴の周りで切れたりもする】
ガラス繊維のFRPを使った遊具については、過去に子供がケガなどをしたケースも、いくつか報道されている。
大阪読売新聞の2007年8月1日付朝刊記事によると、滋賀県草津市の公園のスライダープールで10人が背中などに擦り傷を負い、市の調べで、滑走面に使われたガラス繊維のFRPが紫外線で劣化したのが原因とされた。
また、高知新聞の同年11月15日付記事によると、高知県四万十市の公園滑り台で遊んだ保育園児19人が手足に痛みやかゆみを訴え、病院で診察を受けた。
市の調べで、ガラス繊維のグラスファイバーを使った滑り台の落下防止用カバーが風雨で劣化していたのが影響した。
FRPを使った遊具の製造や修理をしているあるメーカーは、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「露出したガラス繊維でケガをしたというケースは、聞いたことがありません。
ただ、繊維質ですので、乗ったり滑ったりすると、摩擦で削られて、繊維が取れて穴が開いたりすることがあります。
そうしますと、穴に入れた指に刺さったり、穴の周りで擦れて切れたりもします。
そうした部分から粉が出て、かゆくなったり痛くなったりすることもあると思います」
https://news.yahoo.co.jp/articles/18d1c67f33aeccd4815926d09a0e5a15fe7f2141
(ブログ者コメント)
最初は女性自身の記事を見て「こんなところにも潜在危険場所がある」ことを紹介しようと思ったが、その後、J-CASTニュースの記事を見つけ、「一つの情報源だけに頼るのは間違いのモト」という事例紹介に趣旨が変わった。
2023年2月7日17時53分にYAHOOニュース(佐賀テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日、武雄市の公園で園内に設置されていた石像が崩れ、近くにいた2歳の女の子が足の骨を折る事故がありました。
事故を受け、武雄市は他の公園も緊急点検しています。
この事故は5日、武雄市にある丸山公園の展望台近くの広場で、家族と来ていた2歳の女の子がかくれんぼをしながら石の仏像に触れたところ、上半身が崩れ、右足に落下したものです。
落下した部分は40センチ程で、女の子は右足の甲や指など4カ所を骨折するなどのケガをしたということです。
公園の仏像は大正時代に設置されたとの記述もあり、すでに亀裂が入っていた可能性もあるとみられ、市は落下の原因や設置時期、管理状況などを確認しています。
また、安全が確認されるまで、丸山公園の一部の立ち入りを禁止するとともに、7日から市が管理する34カ所の公園で石像や石碑を緊急点検しています。
【武雄市環境部公園課 真崎課長】:
「まず、ひび割れがないかということと台座に載っているような銅像(仏像)ですねこのようなものがずれが無いかということをですね。点検を行っているところでございます。これを期に大きさなども把握していきたいと考えています」
これまでのところ、亀裂などは確認されなかったということです。
点検は2月10日まで予定されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2b8022b68514aed755ecf9dd382625f012ab68d
2023年1月18日付で読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県四日市市内の広場で2019年、遊んでいた女児(当時6歳)が整地用ローラーに巻き込まれて大けがを負って、後遺症で両目を失明したのは、広場を所有する市の管理に落ち度があったとして、女児と家族が市を相手取り、約6500万円の損害賠償を求める訴訟を津地裁四日市支部に起こしていたことがわかった。
提訴は昨年10月24日付で、第1回口頭弁論は18日。
訴状によると、女児は2019年5月26日夕、四日市市市場町の小牧西スポーツ広場で、子ども数人と整地用ローラー(重さ約600キロ)で遊んでいた。
後ろから女児がローラーを押して動かしていたところ、体が巻き上げられるように乗り上げて転倒し、ローラーに頭を挟まれた。
女児は頭蓋骨骨折、顔面多発骨折などの大けがを負い、後遺症で両目を失明するなどした。
事故当時、ローラーは誰でも自由に動かせ、注意書きもなく、子どもが遊具代わりに遊ぶことは十分に予見でき、市の管理に落ち度があった、として慰謝料などを求めている。
広場は市が所有し、管理は地元自治会に委託されていたという。
事故後、市はローラーを施錠して固定し、注意を呼びかける看板を設置した。
市人権・同和政策課の西川課長は、「痛ましい事故であり、二度と起きないように再発防止策を施した。裁判で市側の考えを主張する」としている。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20230117-OYT1T50267/
1月18日19時0分にNHK三重からは、広場の管理は自治会に委託しているとして市は裁判で争う姿勢を示したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4年前、四日市市の広場で、当時6歳の女の子が整地用のローラーに頭を挟まれ、両目を失明するなどの後遺症を負ったのは、市の対応に落ち度があったためだとして、約6600万円の損害賠償を求めた裁判が18日から始まり、市側は争う姿勢を示しました。
訴状によりますと、令和元年5月に、四日市市の小牧西スポーツ広場で、当時6歳だった女の子が、ほかの子どもとともに、重さ約600キロの整地用のローラーで遊んでいたところ、頭を挟まれる事故があり、女の子は両目を失明するなどの後遺症を負ったということです。
四日市市は、子どもたちがローラーで遊ぶ危険性を予見することができたのに、所有者に撤去を求めるなどの指示を出さず、対応に落ち度があったとして、女の子と家族は市に対して、約6600万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
18日は、津地方裁判所四日市支部で、この裁判の1回目の口頭弁論が開かれ、市側は「広場の管理は地元の自治会に委託していて、市はローラーの設置も管理もしていない。子どもたちが遊具のように使用することは想定できなかった」などとして訴えを退けるよう求めました。
一方、四日市市は事故について「大変痛ましく、二度と起きないように対応したい。市の立場は今後の裁判の中で説明していきたい」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20230118/3070009696.html
2023年1月17日17時8分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年11月、福山市緑町の「緑町公園」で遊んでいた未就学児の男の子が、公園の脇を流れる水路に転落して死亡する事故が起きました。
市によりますと、この「緑町公園」の脇の水路では、これまでにも2006年に当時小学1年生の男の子が、2013年には40代の男性が、いずれも転落して死亡する事故が起きているということです。
枝広市長は17日の記者会見で、「同じ場所で3回目の死亡事故が起きたことを大変重く受け止めている」と述べました。
そのうえで、今回の事故を受けて、市内で水路に隣接する60の公園を調査し、転落の危険性があると判断された「緑町公園」を含む22の公園について、柵を設置するなどの事故防止策を進めていることを明らかにしました。
そのうえで枝広市長は、「子どもが遊ぶ施設の安全管理をしっかり行い、公共施設に隣接する水路での事故をなくす」と述べて、今回の事故を詳しく調べる検証委員会を設けて、水路への転落事故を防ぐさらなる対策を検討する考えを示しました。
(音声のみの情報)
・水路の公園側には植え込みがあっただけだが、子どもの目線にしゃがんでみると、大きな空間が開いているところがいくつもあり、小さい子供がすり抜けて水路に落ちる危険があった。
・同じ水路でも、道路に面した部分は「転落防止対策プログラム」の対象だが、公園や体育館など施設に面した部分は施設の管理者に任せられ、「転落防止対策プログラム」の対象外だった。
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20230117/4000020942.html
1月17日付でテレビ新広島からは、2013年に死亡した男性は自転車に乗っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年11月、福山市で未就学児が水路に転落し死亡した事故を受け、市は事故検証委員会を設置することにしました。
同じ水路では、過去に2度、死亡事故が起きています。
【福山市・枝広 直幹 市長】
「水路転落事故検証委員会を来月早々に立ち上げます」
福山市によりますと、去年11月、福山市緑町の公園に家族で遊びに来ていた未就学の男の子が、公園そばにある幅およそ2メートル、水深1・4メートルほどの水路に転落し、その後、死亡しました。
男の子は公園と水路の間にある植え込みの隙間から転落したとみられています。
【転落事故を目撃した人は】
「こっち(公園側)には(柵は)何もなかった。危ないですよ、子どもだから夢中で走る、柵があると思ったのではないか。前回の事故があった時に早く対策していたら良かったのに、前も小さい子が落ちた」
市によりますと、こちらの水路では、2006年に小学1年生の男の子が、2013年にも自転車に乗っていたとみられる49歳の男性が転落し死亡しています。
福山市は今回の事故を受け、植え込み部分にフェンスを設置。
また、これに合わせ、水路などが近くにある市内の公園60か所を点検し、このうち22の公園で小さな子どもが通れる隙間などが確認されたということです。
このほか、小中学校やスポーツ施設など、およそ700ある施設の点検も今月中に終えるとしています。
枝広市長は、「大変重く受け止めている、改めてしっかりした見直しをしなければならない」と話し、来月設置する有識者を交えた「水路転落事故検証委員会」で再発防止策などをまとめるとしています。
https://www.tss-tv.co.jp/tssnews/000017957.html
2023年1月7日13時35分にYAHOOニュース(関西テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府岸和田市の公園で、遊具で遊んでいた女児が指を切断する事故がありました。
消防によると6日午後1時50分ごろ、大阪府岸和田市の下池田公園で、市内に住む7歳の女児が左手の人差し指を第一関節部分から切断しました。
岸和田市によると、女児は「ターザンロープ」と呼ばれる滑車のついたロープにつかまって滑り降りる遊具で遊んでいたということです。
市は事故を受けて、「ターザンロープ」の使用を中止しました。
市の担当者は7日午前、「詳しいけがの程度や事故状況はまだ分かっていない」と話していて、週明けにも遊具の緊急点検を行うとしています。
事故が起きた「ターザンロープ」は30年以上前から設置されていて、事故は初めてだということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d408da23d152d7791317a84b67332d9d2545b9b
1月6日22時15分に産経新聞からは、母親と弟の3人で公園に来て一人で遊んでいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後1時50分ごろ、大阪府岸和田市下池田町の下池田(しもいけだ)公園で、遊具の「ターザンロープ」で遊んでいた市内の小学1年の女子児童(7)が左手の人さし指を切断する大けがをした。
公園を管理する同市はこの遊具の使用を当面中止する。
同市などによると、「遊具で遊んでいた娘が指を切断した」と母親から119番があった。
女児は遊具に指を挟んだとみられ、左手の人さし指の第1関節と第2関節の間を切断し、病院に搬送された。
ターザンロープは、滑車のついたロープにつかまって、公園内に張られたワイヤを滑り降りる遊具。
女児は母親と弟の3人で公園を訪れ、当時、1人で遊具で遊んでいたとみられる。
公園は市の指定管理者が毎月目視による点検を実施しており、異常はなかったという。
市が管理する公園でこの遊具を使用しているのは下池田公園のみといい、事故の詳しい状況や原因を調べる。
https://www.sankei.com/article/20230106-HJMOF4UEMFOKVFP5HYVFM7X53U/
1月6日21時42分に朝日新聞からは、滑車部分に挟んだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府岸和田市は6日、下池田公園(同市下池田町1丁目)の遊具で遊んでいた市内の小学1年の女児(7)が、左手の人さし指を挟んで切断する事故があったと発表した。
市によると、事故があったのは「ターザンロープ」と呼ばれる遊具で、滑車のついたロープにつかまって遊ぶ。
女児は同日午後1時50分ごろ、滑車部分に左手を挟み込み、救急搬送されたという。
市は事故を受けて遊具の使用を中止し、今後、緊急点検する方針。
https://www.asahi.com/articles/ASR16741WR16OXIE02Y.html
(2023年5月4日 修正1 ;追記)
2023年5月3日7時1分に朝日新聞からは、上部ワイヤに左手が触れた際に滑車カバーの隙間に指が挟まった、滑車に手が届いたことが問題、02年以降は業界団体が届かなくするための基準を設けたが、今回の遊具はそれ以前に設置されたものだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公園にある遊具「ターザンロープ」で、7歳の女の子が指を切断する事故が1月にあった。
ターザンロープは、滑車のついたロープにつかまって遊ぶ仕組み。
なぜ、大けがにつながってしまったのか。
楽しみながら安全を守るにはどうすればよいのか。
現場で探った。
【解説インフォ】ターザンロープのつり下げ部の安全基準。事故のあったものは手が届いてしまう構造になっていた。
事故があったのは、大阪府岸和田市にある下池田公園。
事故の数日後に現場を訪れると、ターザンロープには「使用禁止」の表示があった。
公園でおしゃべりしていた子どもたちは「事故が起きてショック。いつも遊んでいたのに」と、表示を見ながら話した。
事故がどのようにして起きたのか、公園を所有する岸和田市は、けがをした女の子の親を通じて聞き取っていた。
それによると、女の子はつり下がっているロープを股に挟み、ロープの下部にある団子状の結び目に座る形で滑っていた。
想定された正しい遊び方をしていたとみられる。
ところが、中間地点を過ぎた後、何らかの拍子に上部のワイヤに左手が触れた際、滑車カバーにある数センチの隙間に人さし指が挟まり、指の先を切断してしまった。
女の子は病院に救急搬送され、手術を受けた。
ターザンロープにつかまって滑ると、スピード感や爽快感が味わえる。
岸和田市は1990年、下池田公園にターザンロープを取り付けた。
順番待ちの列ができるほど、子どもたちに親しまれてきたという。
【市の担当者「手が届いてしまう構造になっていたのが問題」】
遊具の管理や安全の確保はどうなっていたのか。
市の説明では、公園の指定管理者が月1回程度、目視や触手で遊具の点検をし、異常はなかった。
市は2021年度、経年劣化が進んでいたワイヤやロープのほか、滑車部分を交換していた。
今回の事故が起きるまで、大きな事故はなかったという。
ただ、現在の基準から見ると、構造上の問題があったことも判明した。
問題は、ロープの長さにあった。
遊具メーカーなどでつくる一般社団法人「日本公園施設業協会」(東京)は02年以降に自主的な安全基準を定めた。
それによると、ワイヤからロープ下端部までの長さは1・75メートル以上なければならないとしている。
ところが、今回の遊具のロープは長さ約1メートルしかなかった。
この基準は、児童が結び目に立ち乗りした場合でもワイヤに手が届かないようにするためのものだ。
だが、今回の遊具は基準ができるより前に作られており、基準を満たしていなかった。
ワイヤから地面までの高さも最短で約1・85メートルしかなかった。
詳しい経緯はわかっていないが、使っているうちに、地面などに足が当たらないようにロープの長さを短くしていった可能性も考えられるという。
今回の事故について、市の担当者は「ロープが短く、(ワイヤに)手が届いてしまう構造になっていたのが問題」という見方を示した。
「管理者としては、ロープなどが傷み、児童らが落下してけがをする危険性を気にしていた」と話す。
点検では、遊具自体の傷みや異常を確認していたが、構造的な問題までは見ていなかったという。
滑車部分を作った会社は取材に対し、「悲しい事故だと思う。通常はワイヤ部分に手が届かないよう設計されており、今まで(カバーの隙間に指を挟んだ)事例の報告はなかった」と回答した。
今回の事故の過失の有無について、市の担当者は「現時点ではどうとも言えない」としつつ、「安全基準をクリアできていたのかと言われたら、必ずしもそうでなかった点は確かにある」と話す。
【どこの自治体も同じ悩みを抱えている】
遊具の安全を保つために、自治体はどのように整備していけばよいのか。
まずは、遊具が使える期間。
国土交通省によると、遊具の標準的な使用期間は木製が10年、鉄製は15年が目安だ。
だが、岸和田市によると、市内の公園約300カ所にある約1千基の遊具のうち、その期間を超えて使っている遊具は8~9割にのぼるという。
子育て世代を中心に、公園の安全や充実を求める声もあり、老朽化対策は課題だった。
遊具を新たに設置すると、1基あたり数百万円以上することもある。
市の担当者は「予算には限りがある。ターザンロープも経年劣化の中、繰り返し補修で対応せざるをえなかった」と明かす。
「使用基準を厳格に当てはめていくと、遊具の数を減らしたり、すべての公園にブランコや滑り台などがある現状の配置を変えたりしていかなくてはいけない」とした上で、「安全性に問題がなければ、遊具を使えるところまで使っているのが現状で、どこの自治体も同じ悩みを抱えていると思う」と話す。
事故を受け、大阪府や周辺の自治体も対応を迫られた。
府は府営公園12カ所にあるターザンロープ17基の緊急点検をし、異常がないことを確認。
大阪府八尾市でも、市内の五つの公園にあるターザンロープの使用を取りやめた。
岸和田市は23年度の当初予算に、ターザンロープの更新費約300万円を計上した。
市の担当者は「子どもらに人気がある遊具なので、一つの事故があったからといって楽しみを取り上げてしまっていいのかとの声もある。今後事故が起きないよう、事故に遭われた方や利用者らと協議しながら、対応を決めたい」と話した。
◇ 記事の肩書や年齢などは2023年4月12日時点のものです
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf670891efbffbb44ce0f9964d482d2f5ad3e946
※キーワード;変更管理
2023年1月4日19時3分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午前0時50分ごろ、韓国・ソウルで歩道橋が突然、下にグニャリと落下しました。
その瞬間を捉えた映像をよく見てみると、歩道橋を支える鉄骨から部品が飛び散り、接合部分が外れたことがわかりました。
幅2.5メートル、長さ105メートルの歩道橋が落下したのです。
幸い、この時に歩行者は、誰もいませんでした。
事故の前と後を比較した写真を見比べると、事故前はアーチ型の歩道橋でしたが、事故後は、逆にU型に湾曲していることがわかります。
2016年に開通した、この歩道橋。
事故の原因は…?
住民は数日前から“ある異変”を感じていました。
住民男性:
「10日くらい前に、変に揺れてる気がしました」
ソウル市などは事故の原因について、今後、設計上の問題などを調査する予定です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd05992ca06d96603d1e082067b605a9faba2432
1月4日16時6分にYAHOOニュース(朝鮮日報)からは、施工会社は既に廃業、4日前から変形情報が2回寄せられていたが積極的に対応せず、昨年末の点検では異常なしなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ソウル市永登浦区新道林駅近くで鉄製の歩道橋がぐにゃりと変形する事故が起きた。
問題の歩道橋は先月の安全点検で「A等級(異常なし)」だった。
警察と永登浦区などによると、3日午前1時40分ごろ、永登浦区道林洞と新道林駅を結ぶ「道林歩道橋」が変形し、歩道橋とその下を通る遊歩道、サイクリングロードの通行が規制された。
直前の午前1時20分ごろ、歩道橋が傾いているという通報があり、警察と消防が現場に急行して、通行を規制した。
事故当時の監視カメラ映像を見ると、橋がい大きく揺れ、突然沈降したことが判明した。
現場調査の結果、歩道橋の両側の支持台の鉄筋コンクリートが一部破損していた。
人命被害はなかった。
この歩道橋は幅2.5メートル、長さ104.6メートルで、28億ウォン(約2億8700万円)をかけ、2015年4月に着工し、16年6月に開通した。
歩道橋は中央部分が高いアーチ型で、鋼材を組んで建設された。
施工会社は既に廃業している。
今回の事故について、永登浦区の対応が不十分だったとの指摘が出ている。
先月31日、行政安全部に「歩道橋の外形が変形した」という情報提供があり、2日午前には「橋が沈み込んだ」という通報もあった。
しかし、永登浦区庁は特別な措置を取っていなかった。
永登浦区によると、区庁の担当者は通報内容を事故前日の2日午後に確認したが、積極的な措置を取らなかったという。
この歩道橋は年2回の定期安全点検を受けてきたが、昨年10月28日から12月15日まで行われた点検では「A等級」の判定を受けていた。
歩道橋が変形した原因は明らかになっていない。
雇用労働部大韓民国産業現場教授団の崔銘起(チェ・ミョンギ)教授は、「橋を構成する鉄素材が荷重に耐えられず変形したと推定される。荷重設計を誤ったか、資材が不十分だった可能性がある」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3604875f888e1b05cba7e947dc779f7f0a718db1
(ブログ者コメント)
接合部分の部品が飛んだ件だが、それは原因ではなく、橋が変形した結果として起きた現象のような気がする。
2022年12月30日9時39分にYAHOOニュース(中央日報)から、下記趣旨の記事が火災現場の遠景写真付きでネット配信されていた。
まさに阿鼻叫喚だった。
29日午後1時49分、京畿道(キョンギド)果川(クァチョン)第2京仁(キョンイン)高速道路、北儀旺(ウィワン)IC付近の防音トンネルで火災が発生し、5人が死亡、37人が負傷した。
消防当局によると、出火したのは安養(アンヤン)から城南(ソンナム)の方向へ向かっていた廃棄物回収用トラックのエンジンルームあたりだった。
トラックを運転していたAさん(63)は警察に、「車のエンジンの方から煙が出て車を路肩に停車させたが、火災が発生した」と伝えた。
その後、火がプラスチック材質の防音トンネルに移り、あっという間に大火災に広がった。
防音トンネルには換気口などがなく、出入口を除くと密閉された構造だ。
死者5人は、出火したトラックではなく、周囲を走っていた車4台(乗用車3台、SUV1台)で発見された。
最初に火災が発生したトラックとは反対方向(城南→安養)を走っていた車だった。
消防当局は風などの影響で反対車線の車内の人が煙を吸い込んで死亡したと推定している。
負傷者37人のうち3人は顔などにやけどを負う重症で、近くの病院に搬送された。
残りの34人は軽傷に分類され、13人が近隣病院に運ばれ、21人は現場で応急処置を受けて帰宅した。
火災区間内に孤立した車は計45台だった。
車両は全焼して骨組みだけが残った。
路上には溶けたタイヤやガラスの破片が散在していた。
消防当局と火災目撃者によると、火はプラスチック素材の防音トンネルの壁に移った後、現場の状況は急激に変わった。
火災当時、車でトンネルを通過していたイ・ヒョンソクさんは、「火災車両から赤いものが見えていたが、突然パーンという音がして、あっという間にトンネル全体が変わった」とし、「周囲は何も見えず、見えない中で何とか外に出てきた」と話した。
火災が発生した防音トンネルは2017年9月、第2京仁連結高速道路の開通と共に建設された。
全長830メートルほどだ。
火災当時の映像を見ると、数百メートルの区間が真っ赤な炎に包まれ、トンネルの両端からは真っ黒な煙が噴き出ていた。
この火災で防音トンネル600メートルが焼失した。
車両牽引のために現場に進入しようとしたレッカー車の運転手のソさん(35)は、「到着した時、トンネルの入口まで炎が広がっていて、消防車も中に入れなかった」とし、「中からはミサイル爆発のようパーンという音が聞こえ、多くの人が車を捨てて出てきたようだった」と話した。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/831541296d0225ad9192a9447cd5a15ed7a288f9
12月30日10時51分に同じYAHOOニュース(中央日報)からは、2016年に防音トンネル内の防災施設設置が義務付けられたが、防音パネルの不燃性能基準は指針に含まれなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日に発生した第2京仁(キョンイン)高速道路防音トンネル火災で5人が死亡し、30人余りが負傷した。
被害が拡大したのは防音資材が熱と火に脆弱で、短時間に炎が広がったためだと、専門家らは指摘する。
2016年に防音トンネル内の防災施設設置が義務づけられたが、防音パネルの不燃性能基準は指針に含まれず、事実上の死角地帯だったことが明らかになった。
消防・防災専門家らによると、火災が発生した京畿道果川市(クァチョンシ)第2京仁(キョンイン)高速道路北儀旺(ウィワン)IC付近の約800メートル区間の防音トンネルには、透明プラスチックのアクリル樹脂(PMMA)が防音パネル資材として使用されていた。
都心の高速道路に設置される防音トンネルには通常、PMMAやポリカーボネート(PC)、強化ガラスが防音パネル資材として使われる。
このうちPMMAは価格が最も安く、初期に集中的に使われたという。
半面、安全性は最も落ちる。
韓国道路公社傘下の道路交通研究院が2018年に公開した報告書「高速道路トンネル型防音施設の火災安全および防災対策樹立研究」によると、3種類の資材のうちPMMAの熱分解温度(300度前後)が最も低かった。
また、実際の模擬実験で火災で防音パネルが溶け落ちてもPMMAは燃え続ける特徴を見せた。
燃えやすく溶けやすいが、溶け落ちても燃えているため、火が雨のように降り落ちるということだ。
このため研究陣は、PMMA防音材を使用すれば他の車両に2次被害をもたらす可能性が高いと憂慮した。
防音トンネルに火がつけば480-3400度までトンネル内部の温度が上がるというシミュレーション実験結果を考慮すると、火災時にPMMAを使用したトンネルは短時間の炎に包まれる可能性が高いということだ。
今回の事故の火災映像と生存者の証言などによると、トラックから出た火が防音トンネルに移り、あっという間にトンネル全体に広がった。
一般のコンクリートトンネルと違い、防音材に移った火が徐行中または後方で停車した車に広がって被害が拡大した。
似た事例が2020年8月、京畿道水原市(スウォンシ)霊通区(ヨントング)の河東(ハドン)IC高架車道でも発生した。
ここでもPMMA素材が使用され、早朝に火災が発生して人命被害はなかったものの、防音トンネル200メートル区間が焼失した。
防音トンネルの防災基準は2016年に「道路トンネル防災施設設置および管理指針」が改正されて初めて導入された。
基本的に消火設備、自動火災探知設備、非常口などを備えなければならない。
しかし防音資材の不燃基準はない。
合成樹脂に分類される防音パネルは、合成樹脂に要求される消防庁の防炎性能基準さえ遵守すればよい。
このため専門家らはその間、防音トンネルの防音材不燃基準問題を何度か指摘してきた。
2019年4月に韓国防災学会で発表された研究報告書は「防音トンネルの火災安全性に関連する設置および品質規定は一つもないのが実情」と強調した。
ソウル市立大のイ・ヨンジュ消防防災学科教授は中央日報との電話で「防音トンネルはすべて可燃性材料を使用し、火災が発生すればコンクリートトンネルより脆弱」と説明した。
交通研究院研究陣も報告書で防音資材材質基準として▼透明防音パネルの熱分解温度は400度以上▼吸音型防音パネルの吸音材は準不燃以上の難燃性能--を満たすことを提案した。
しかし防音トンネル設置区間は増え続けている。
2018年基準で民資高速道路を除いても、13件の防音トンネルが設置された。
その後も首都圏をはじめ都心を通過する高速道路では防音トンネルの設置が増加傾向にある。
漢陽大のソン・チャンヨン防災安全工学科教授は、「道路交通公社は独自の規定を改正し、新しく設置する防音トンネルにはPMMAを使用しないが、2019年までに設置されたトンネルは放置されているのが実情」と話した。
今回火災が発生した第2京仁高速道路区間は2017年12月に開通した民資道路だ。
こうした民資道路が最近増えているが、管理会社がこうした規定を持っているかについて、国土部は資料がないと明らかにした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/935f8832cf68e63eb3040d7eba22df2510e9bbca
(ブログ者コメント)
日本ではどうなっているか気になるところ。
調べてみた結果、多くはポリカーボネート製だが、一部、アクリル製があるという写真付きの記事が見つかった。
(2020年8月26日 19:28 乗りものニュース)
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都市部の高速道路などは、両サイドが高い鋼製の防音壁(遮音壁)で覆われていることがあります。
たとえば外環道の埼玉県区間は、外から見るとまるでシェルターのように、道路を覆うような防音壁が設置されています。
高架下を併走する国道298号も同様ですが、外環道の高架橋が上空にあるため暗く、昼間でもライトを点灯して走るクルマも少なくありません。
こうしたなか、新しい道路を中心に採用が増えているのが、透明の防音壁です。
東京、環状2号線の豊洲と築地を結ぶ区間では全面的に採用されており、一部区間は上空まで透明の板で覆われているほどです。
2018年に暫定開通した東京の環状2号線の豊洲~築地区間では透明の防音壁を全面的に採用。
一部はトンネル状になっている(2020年6月、乗りものニュース編集部撮影)。
このほか、ドライバーの目線くらいの高さは透明、その上は鋼製にすることで見通しをよくしたり、鋼製壁の上方を透明板にしたりといった部分的な使用も見られます。
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透明の防音壁の多くはポリカーボネート(自動車のヘッドライトカバーなどに使われる)製で、一部、アクリル製もあるといいます。
ガラスなどは割れた場合の安全性に問題があるため、「NEXCOの厳しい安全基準を満たすうえでも、(耐衝撃性に優れる)ポリカーボネートが現実的な素材」(積水樹脂)だそうです。
しかし、鋼製の防音壁は内側に吸音材があり、音を吸収する一方で、透明の防音壁は音を反射してしまうのだそう。
このため、仮に透明板を全面的に使用する場合は壁が高くなるケースがあるうえ、材質としてもコストは高くなるといいます。
そこで、前出した「鋼製板と透明板の組み合わせ」が使われるほか、道路の片側は鋼製壁、もう片側は透明壁を使うケースもあります。
たとえば、東京と千葉を東西に結ぶ京葉道路がこの方式で、上り線側は鋼製壁、下り線側は透明壁で主に構成されています。
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https://news.line.me/detail/oa-trafficnews/k6lzwo788yt5
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。