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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201911230分に朝日新聞から、橋の出入り口を塞ぐタイプの中型?陸閘の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

昨年7月の西日本豪雨の際、堤防の切れ目にあって河川の水が住宅地に流れ込むのを防ぐ「陸閘(りっこう)」と呼ばれるゲート15カ所以上が開いたままだったことがわかった。

 

11日にあった、豪雨時の県の対応を検証する災害検証委員会の場で、県側が明らかにした。

 

県管理の15カ所のほか、倉敷市管理の陸閘が閉まっていなかったケースもあったという。

 

陸閘は、堤防などの切れ目にある鉄製の扉や板。

川が増水した際は、閉めることで、住宅地などへの浸水を防ぐ堤防の役割を果たす。

 

県河川課によると、陸閘を閉めるタイミングを示す操作基準などは特になく、管理者や地元住民の判断に任せられているという。

 

同課によると、豪雨災害の際、県が管理する387カ所の陸閘のうち、高梁市落合町や倉敷市真備町などの少なくとも15カ所が閉められていなかった。

 

このほか、倉敷市真備町の末政川にある市管理の陸閘も閉まっていなかったという。

陸閘付近が冠水し、管理者らが近づけなかったことなどが理由とみられる。

 

11日にあった4回目の検証委で、委員の前野詩朗・岡山大大学院教授は、陸閘が閉まらなかったことで大きな浸水被害につながった可能性があるとし、「陸閘は、住宅街への水の浸入を防ぐ重要な水防施設。普段から住民と話し合い、しっかり訓練をしておくことが重要だ」と指摘。

 

委員長の河田恵昭・関西大社会安全研究センター長は、「最終的には、陸閘の近くに住む県庁職員が駆け付け、閉めるということも考えてもらいたい」との意見を述べた。

 

この日は、決壊の恐れなどがある危険箇所の把握についても意見交換がされた。

 

豪雨災害の際、県管理の河川で決壊した16カ所のうち、特に注意して水防活動に取り組む「重要水防箇所」として指定されていたのは3カ所だった。

県は今後、指定基準が適切かどうか見直す方針だという。

 

県が、被災した約7000世帯を対象に、豪雨時の避難行動などについてたずねたアンケートについては、3928世帯(回収率59.12%)から回答があった。

2月に開かれる次回会合で、調査結果を含めた報告書案を公表する予定。

 

河田委員長は会合後、「私たちが提言するだけではなく、提言をベースに住民側で議論していただきたい。住民だけでなく、被災した市町村に県としての覚悟を述べ、それを受けて市町村が次にどう動くのかが大変期待されている」と語った。

 

出典

岡山)15カ所の陸閘、閉まらず 県災害検証委員会

https://digital.asahi.com/articles/ASM1C4F4WM1CPPZB00D.html?rm=423 

 

 

110225分にNHK NEWS WEBからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

去年7月の西日本豪雨で、大規模な浸水被害が出た岡山県倉敷市真備町では、川の水が流れ込むのを防ぐ「陸閘」という設備が閉められなかったことで、場所によっては、浸水の深さが増すスピードがおよそ1.7倍速くなり、住民の避難を困難にした可能性があることが、専門家の解析でわかった。

 

陸閘は、道路や橋を通すため、堤防の高さが周囲より低い部分を門扉や板などで閉じる設備で、川が増水した際に住宅地などへの浸水を防ぐ応急的な堤防の役割を果たす。

岡山県と倉敷市によると、真備町には合わせて7つの陸閘があったが、去年7月の西日本豪雨の際は、いずれも開いたままになっていた。

河川の災害に詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、現地調査などを基にシミュレーションを行い、陸閘が開いている場合と閉まっている場合の浸水被害の広がりを分析した。

その結果、陸閘が開いていると、地区によっては浸水の深さが増すスピードがおよそ1.7倍速くなったほか、住宅の1階部分が水没する深さ3mに達するまでの時間も3時間半近く早まり、住民の避難を困難にした可能性があることがわかった。

また、最終的な浸水の深さも、50cm近く深くなったという。

陸閘が閉鎖されず浸水被害が出るケースは、ここ数年、各地で相次いでいて、二瓶教授は、「いざという時に活用できるよう、備えておくことが必要だ」と指摘している。

 

 

【なぜ陸閘は閉鎖されなかったのか】

 

専門家の解析で最も影響が大きかったのは、町内を流れる末政川にかかる有井橋の陸閘が開いたままだったことだ。

有井橋は、真備町内を東西に走る片側1車線の市道にあるため、陸閘の管理や操作は倉敷市が担当していた。

 

道路沿いには病院や商店が建ち並んでいて、交通量が多く、陸閘を閉めるには道路を通行止めにする必要がある。

 

しかし、どのような状況で道路を通行止めにし、陸閘をいつ閉めるのか、具体的な雨量や水位の基準はなかった。

また、倉敷市によると、閉鎖に使う板は、管理を県から移管された10年以上前から無かったということで、他の場所から大型の土のうを運んできて閉鎖する予定だったという。

倉敷市は、住民から寄せられた「末政川があふれた」という情報を基に、去年7月6日の午後11時ごろ、地元の建設会社に陸閘を閉めるよう要請したが、すでに水があふれていて、作業ができなかったという。

川の近くで自動車販売店を営む男性は、「当時は川からあふれた水の勢いが強く、車が押し流されるような状況だった。しっかり閉鎖してほしかった」と話していた。

倉敷市は、現在、有井橋のたもとに土のうを保管していて、設置までの時間を短縮する対応をとっている。

当時の対応について倉敷市土木部の梶田部長は、「もう少し早めの対応が必要だったと感じるが、夜間で川の状況もわからなかったこともあり、残念ながら閉鎖できなかった。一方で、閉鎖が早すぎると幹線道路を止めることになり、避難する住民をせき止めてしまうのではとジレンマを感じている」と振り返った。

そのうえで、今後の対策について、「陸閘を閉める雨量などを示し、早めの避難をお願いするなど、市民との事前の申し合わせが重要だと感じている。また、災害時は、陸閘の対応だけに時間を割けないので、将来的には、道路の改良工事を行って陸閘自体を廃止するなど、抜本的な対策も必要で、岡山県とも協議を進めたい」と話していた。

 

 

【専門家「事前の確認が不可欠」】

 

東京理科大学の二瓶康雄教授は、「陸閘は非常に重要な施設で、洪水時に閉められていないと、本来ならば浸水せずに済んだ場所が浸水したり、浸水の量が増えたりして、甚大な被害につながる可能性が高い。自治体は、真備町で起きたことをひと事と思わず、運用の実態を把握し、いざという時に誰がどのようなタイミングで閉鎖するのか、確認しておくことが重要だ」と指摘している。

そのうえで、「陸閘を閉めることで道路が使えなくなれば、『いつもより大きな洪水が起きる可能性がある』というメッセージを住民に伝える効果も期待できる。住民も陸閘の役割を知り、閉鎖されなければ浸水のリスクが高まることを理解しておくことが重要だ」と話していた。

 

 

陸閘が閉鎖されず被害が出た例】

 

陸閘が閉鎖されず、周辺の住宅地などが浸水する被害は、近年、各地で相次いでいる。

去年9月の台風21号の際は、高潮で海水が川を逆流し、神戸市東灘区を流れる高橋川が氾濫した。

高橋川にかかる深江橋には陸閘があったが、開いたままの状態になっていて、周辺の住宅地が最大で60cm浸水した。

東京理科大学の二瓶教授の研究グループのシミュレーションでは、陸閘が閉まっていれば、周辺には浸水被害は出なかった可能性がある。

この陸閘を管理する神戸市によると、陸閘を閉めるため、業者が現場に向かった際には、すでに浸水が始まっていて、閉鎖が間に合わなかったという。

また、おととし8月には、滋賀県長浜市を流れる姉川で、堤防より低い場所にかかる大井橋から水があふれ、周辺の住宅が浸水した。

洪水時には、地元の住民が板を設置して閉鎖することになっていたが、間に合わなかった。

 

近くに別の橋があることから、その後、この場所は閉鎖され、現在は通行できない状態となっている。

 

出典

「陸閘」未閉鎖で浸水加速か 住民避難を困難にした可能性

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190110/k10011774031000.html 

 

 

1131527分に読売新聞からは、陸閘閉鎖のマニュアルがなく訓練も実施されていなかったなど下記趣旨の記事が、人だけが出入りする小型?陸閘の写真付きでネット配信されていた。

 

県は11日、堤防の役割を果たす開閉式の門扉設備が適切に閉鎖されていなかったことを明らかにした。

少なくとも県内の4市15か所で閉じられておらず、大規模浸水が起きた倉敷市真備町も含まれていた。

 

県によると、河川近くの道路に設置されている「陸閘」と呼ばれる施設。

 

県管理の陸閘は県内に387か所あり、うち125か所では問題はなかったが、真備町妹や高梁市落合町阿部など15か所で、不適切だったことが判明した。

残り247か所は調査中という。

 

増水時の対応は、道路管理者または管理者から委託された地元住民が判断する。

 

県は、適切に対応できなかった理由について「マニュアルがなく、訓練も実施されていなかった」と説明。

「閉鎖しようとした時には、既に付近が冠水しており、近付くことができなかった」と述べた。

 

県は、今後、マニュアルの作成や訓練の実施を進めていくという。

 

出典

マニュアル・訓練なし、冠水で門扉閉鎖できず

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190113-OYT1T50034.html?from=ycont_top_txt 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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