2019年5月19日18時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鹿児島県屋久島町で、大雨による土砂崩れのため孤立していた300人余りの登山者ら全員が、19日夕までに下山した。
町によると、大きなけがをした人はいないという。
当初はヘリコプターによる救助が検討されたが、天候が回復しないことなどから、県警が先導などする中、陸路で下山した。
気象庁によると、屋久島では非常に激しい雨が断続的に降り、19日午前7時40分までの24時間に446ミリの雨を観測。
町は町内全域に避難勧告を出していた。
土砂崩れは18日午後、島東部の複数箇所で発生。
登山者たちは、観光名所の縄文杉へと向かう登山口や、国の自然休養林「ヤクスギランド」などへ向かう道路沿いなどに足止めされ、観光バスの車内や小屋などで一夜を過ごした。
町は当初、孤立者は262人と説明していたが、確認を進めたところ、300人を超える登山者らが取り残されていた。
出典
『孤立者300人超、全員が無事下山 大雨の屋久島』
https://www.asahi.com/articles/ASM5M5SXGM5MTIPE01M.html
5月18日18時34分にNHK鹿児島からは、50年に1度クラスの大雨だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州南部は暖かく湿った空気の影響で、東側の斜面を中心に、発達した雨雲がかかっている。
屋久島町では、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が降り続き、屋久島町小瀬田では、午後6時までの6時間には370.5ミリの大雨となっている。
気象庁は午後6時、「屋久島町では、50年に一度の記録的な大雨となっている」という情報を発表した。
出典
『屋久島町「50年に一度の大雨」』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190518/5050006412.html
5月19日20時7分に朝日新聞からは、大雨の予報は出ていたが登山中止の判断はガイドによって異なったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鹿児島県屋久島町で複数の土砂崩れが起き、山中に取り残された登山者らについて、町は19日、一時孤立した人が少なくとも計314人に上ったことを明らかにした。
天候不良が予想されていた中で登山を決めたガイドもおり、ルール整備などの課題が残りそうだ。
気象庁によると、18日の大雨は暖かく湿った風が屋久島を含む九州南部に流れ込んだことが原因だった。
大雨を事前に予測した鹿児島地方気象台は、17日午前の段階で、気象庁のサイトなどで確認できる「大雨に関する気象情報」を発表。
「屋久島などで18~19日に大雨の恐れがあり、土砂災害に警戒を」と呼びかけた。
気象台の担当者は、「週末で登山者も多いと考えられたので、早めの注意を心がけた」と話す。
世界遺産に登録されている屋久島の登山には危険な場所もあり、約200人いるガイドと入山する人が多い。
大雨の予報に、ガイドの判断は分かれた。
屋久島観光協会ガイド部会長の中馬さん(男性、46歳)によると、屋久島町などが定めたガイド向けルールでは、気象警報の発表時にはツアーを実施しないことになっている。
ただ、町に大雨警報が発表されたのは18日午後3時半ごろ。
それ以前のツアー出発はガイド個人の判断に任されていたという。
観光名所の縄文杉までの往復には10時間程度かかるといい、早朝に出発するツアーが大半とされる。
朝の時点で雨が降り、登山道脇の沢の流れが激しいとして途中でツアー中止を決め、引き返したガイドもいた。
一方で、計28人のガイドが同行したツアーの登山者が、18日中に下山できなかった。
ガイドとともにバスの車中で一夜を過ごした30代男性は、「(登山に出発した)18日早朝には、雨の影響についてガイドから何も言われなかった」と話した。
ガイドらは手分けして、倒木をノコギリで切ったり難所にロープを張ったりして、下山の誘導にあたった。
中馬さんは、「ガイドが連携できたことは良かったが、このような事態になった検証は必要だ。ガイド部会で話し合いたい」。
荒木・屋久島町長は朝日新聞の取材に、「今のところ、幸い、大きなけが人はいないが、ガイドの判断基準を見直す必要はあるかもしれない」と話している。
【波打つ濁流、緊迫の救出劇に記者が同行】
記録的豪雨による土砂崩れで、一時は300人を超す登山者らが孤立した屋久島町。
一夜明けた19日、自衛隊員らによる緊迫の救出劇に記者が同行した。
午後2時前、自衛隊員たちとともに、荒川三叉路と呼ばれる場所から南に数kmの地点にたどり着いた。
目の前には濁った激流が波打っていた。
幅5mほどの向こう岸には、100人超の登山者らが土砂降りの中、立ち尽くしていた。
周囲に転がる岩をたたきつける雨音と激流の音が大きすぎて、周囲の話し声もよく聞こえない。
両岸に分かれた自衛隊員らは、登山者たちを助け出す作業を始めていた。
登山者を救助するため用意されたのは脚立。
脚立を180°開いて上に板を乗せ、架設の「橋」を作っていた。
手すり代わりに、ロープを両岸の木に縛り付けていた。
まず、自衛隊員らが「橋」の上を何度も踏みしめて往復しながら強度を確認。
その後、登山者がロープを両手で握りしめ、横向きに少しずつ移動。
こわばった表情で激流を浴びながらゆっくり渡りきると、自衛隊員らに腕をつかまれ、体を引き寄せられた。
激流を渡り終わった登山者らは、バスが待つ場所にたどり着くと、ほっとした様子で仲間とハイタッチしていた。
出典
『大雨予報、分かれたツアー対応 警報前はガイドが判断』
https://www.asahi.com/articles/ASM5M45CNM5MTIPE00N.html
5月19日17時48分にNHK鹿児島からは、登山ルートなどに関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
屋久島観光協会によると、屋久島の山間部を通る主な登山ルートは11あるが、登山者の多くが、屋久島東部の山間部を通る県道592号線を経由して山に入っている。
この県道を進むと「荒川三差路」といわれる分かれ道があり、ここから北上すると「荒川登山口」に至る。
この「荒川登山口」からさらに島の中央部へ向かうと、登山者に人気の「縄文杉」がある。
一方、「荒川三差路」から南西にある自然休養林の「ヤクスギランド」にも、原生林の見学をしようと多くの人が訪れている。
「ヤクスギランド」からは、さらに西へ進んで宮之浦岳に向かった上で、「縄文杉」に向かう縦走するルートもある。
今回、孤立した人たちは、これらのルートからそれぞれの目的地に入った人たちだった。
・・・・・
出典
『1年間に約10万人が登山』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190519/5050006429.htmlhttps://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190519/5050006429.html
(ブログ者コメント)
ガイドとしては、せっかく屋久島まで来てくれたお客さんゆえ、少々の雨でツアーを中止するわけにはいかない・・・といった気持ちが働いたのかもしれない。
今後、行われるであろう検証では、そういったガイド個人でのツアー中止判断をできるだけ排除するような方策についても話し合われるかもしれない。
2019年5月11日8時0分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、事故状況などのグラフ付きでネット配信されていた。
鳥のように空を飛ぶ爽快感が魅力のパラグライダーやハンググライダー。
中高年に人気のスカイスポーツだが、死亡事故も多発している。
昨年までの5年間に全国で少なくとも37人が亡くなり、9割(33人)を50代以上が占めた。
年齢が上がるにつれて死亡率が高まるというデータもあり、愛好家団体は中高年向けの啓発を強化する方針だ。
「まさかあの人が落ちるとは思わなかった。心の支えを失った感じだ」。
福岡県篠栗(ささぐり)町で6日、パラグライダーを楽しんでいて墜落死した福岡市の自営業、金子さん(71)の飛行仲間の60代男性はショックを隠せない。
金子さんはパラグライダー歴約30年のベテランで、県内の仲間たちの間でリーダー的存在だった。
金子さんは6日昼、地元の同好会メンバーら5人と篠栗町の米ノ山(594m)を訪れた。
福岡都市圏の市街地を眺めながら飛び降りる米ノ山は、パラグライダーなどの人気スポットだ。
当日は気象条件にも恵まれた。
警察や同行メンバーによると、金子さんは飛行ルートや気流を確認するため、山頂付近から最初に飛び立ち、通常の着陸地点から約400m離れた約2km先の農地に墜落した。
離陸後に飛行が困難になるような風が突然吹いた可能性があるという。
この10連休中、全国では他に大津市や熊本県天草市などでもパラグライダー事故があり、いずれも50~60代の計3人が足の骨を折るなどの重傷を負った。
国内最大の約8000人の会員を抱える「日本ハング・パラグライディング連盟」(東京都)がまとめた事故報告書によると、2014~18年に147人が、パラグライダーやモーターが付いたモーターパラグライダー、ハンググライダーを楽しんでいて墜落や樹木衝突などの事故に遭い、うち37人(パラグライダー20人、モーターパラグライダー13人、ハンググライダー4人)が死亡した。
年代別の死者数は、
10~20代 ゼロ
30代 2人
40代 1人
50代 10人
60代 17人
70代 6人
年齢不詳 1人
で、50代以上が圧倒的に多い。
連盟会員の平均年齢は55歳。
愛好家の年齢層自体が高いため、中高年の死者数が多いのは当然だが、問題は、事故が起きた時に亡くなる率だ。
年齢と共に高まる傾向があり、
30代 13%
40代 6%
50代 32%
60代 34%
70代 38%
だった。
連盟関係者によると、ベテランほど、高く遠くまで飛べる機体を使うようになるが、その分、操作の難易度が増し、壊れやすくなるリスクも高まる。
連盟は、会報誌による事故情報の共有や定期講習で、中高年の安全意識の向上に力を入れていくことにしている。
高齢者の認知機能に詳しい藤田佳男・千葉県立保健医療大准教授(作業療法学)は、事故データの詳細な分析が必要とした上で、「年齢を重ねるごとに判断時間が遅くなる傾向があり、突然風向きが変わった際などの行動が迅速にとれないことも考えられる。加齢の影響を十分啓発するのが望ましい」と指摘する。
【ことば 「パラグライダー」】
山の斜面から飛び立ち、滑空するスポーツ。
化学繊維でできた長方形の布の翼を左右に操り、飛ぶ方向をコントロールする。
高い運動能力を必要としないため、性別を問わず、幅広い年齢層に親しまれる。
パラグライダーも、三角形の翼が付いたハンググライダーも、飛行に必要な国家資格はないが、安全性を確保するため、日本ハング・パラグライディング連盟などが独自に実技や学科試験を課し、合格者にライセンスを発行している。
出典
『事故死の9割 50代以上 ベテラン加齢で判断遅れも パラグライダー』
https://mainichi.jp/articles/20190510/k00/00m/040/352000c
2019年5月10日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小・中学校の体育の授業で、特に重い事故が目立つのが跳び箱だ。
実は、技の順番によって深刻なけがにつながることがあると、国は注意を呼びかけている。
どんな順番が危険なのか。
「足も指も動かない。跳び箱でこんなことになるなんて」。
2017年5月、横浜市立中学校の体育の授業で、中学2年だった男子生徒(15)は5段の跳び箱を跳ぼうと強く踏み切り、バランスを失った。
手をついたが頭から落ちて首を損傷。
病院に搬送された。
頸椎の脱臼骨折で胸から下が自由に動かせなくなり、手術と1年以上の入院を経た今もリハビリに通う。
ロボットが作りたくて志望していた工業高校はあきらめ、今春、特別支援学校に進んだ。
車いすでの生活に合わせて家族は自宅を改装し、車を買い替えて介助を続ける。
生徒は、柔道部で階級を上げるため、1年で11kg余り体重を増やした。
事故前も跳び箱に失敗することがあり、「中学で跳び箱が苦手になった」と感じていた。
事故当日、教諭は開脚跳びと台上前転の2つの技に取り組むよう指示。
順番や段数は生徒に委ねた。
この生徒は最初に開脚跳び、次に台上前転、再び開脚跳びに挑んで事故に遭った。
文科省が15年に全国の学校に配った「器械運動指導の手引」は、台上前転の後で開脚跳びに取り組むと回転感覚が残って事故につながりやすいと指摘する。
横浜市教育委員会は18年6月、有識者による調査報告書を公表。
手引と違う手順で行われたことを認める一方で、本人がはっきり次の技を意識していたとして、「必ずしも技の順番の問題とは言えない」と結論づけた。
市教委の担当者は取材に、「学校管理下で起きた事故の大きさをしっかり受け止めている。報告書の内容を踏まえ、再発防止に取り組んでいる」と述べた。
報告書の提言に基づき、開脚跳びに先に取り組むよう各校に通知したという。
生徒の母(40)は、「息子は生死ぎりぎりだった。もっと安全性を確立してから指導してほしい」。
生徒は、「もう誰もこんな目にあわせたくない。事故を多くの人に知ってもらい、先生にも注意してほしい」と話す。
【跳び箱事故、体育の種目別で最多】
文科省の手引の作成に携わった松本格之祐・桐蔭横浜大教授によると、台上前転の後に開脚跳びをすると、回転感覚が残って体が回ろうとして腰が高くなり、頭から落ちやすい。
また、苦手な生徒は跳べない不安から助走や踏み切りの勢いを付けすぎることがあるという。
「自治体や学校が行う教員向け講習会は各地で開かれているが、技の習得法に内容が偏りがち。より安全に配慮した指導法を伝えるべきだ」と話す。
学校事故に関する日本スポーツ振興センター(JSC)の災害共済給付データを産業技術総合研究所が分析すると、跳び箱事故は14~16年度に小学校で年間1万5000件起き、体育の種目で最も多い。
5万円以上が給付された特に重い事故は、小学校と同様に中学校でも跳び箱が最多だった。
分析では、年齢に応じてけがの部位が変わっていた。
手や指の骨折は小学校で約19%、中学約11%、高校約7%と下がる一方で、足関節のねんざは小学校約5%、中学約10%、高校約20%と上がっていた。
事故を減らそうと、産総研などは東京都豊島区の小学2~6年の約140人を撮影し分析。
低学年は腕力が弱くて体の重心を上げられない、身長が低くて跳び箱の奥に手が届かない、などの傾向があった。
対策として、両足で十分に踏み切る練習が大切で、高学年は突き指などが多いことから、両手を広げて跳び箱につくよう意識することが重要という。
練習法を動画で解説するアプリも開発中で、完成すれば小学校に使用を呼びかける予定だ。
【中学体育、柔道の事故は年4000件近く】
中学の体育の授業で12年度から武道が必修化された際、事故の多さが問題になった柔道。
安全対策が進んで事故は減少傾向にあるが、取り組みは続く。
北関東の中学校の武道場で昨年2月、1年の女子28人がチームに分かれ、ひざをついて組み合い、最終的にけさ固めをかける試合形式の授業を受けた。
いずれも初心者で、5回目の授業だった。
女子生徒(14)は背が高く、チームの勝敗がかかる一戦に臨んだ。
相手は自分の体重より7kg重い。
倒されかけると仲間の声援が飛ぶ。
踏ん張りきれず、体をねじりながら左肩から畳に落ちた。
「ポキッ」という音が聞こえた。
左側の鎖骨が折れるなど半年のけがを負い、2カ月はベルトで固定。
3歳から続けるバレエができず、コンクールも断念した。
けがは治ったものの、左肩の骨が盛り上がった。
治すには手術が必要で、傷痕が残る。
母親は、「バレエの衣装は鎖骨が見える。どうしたらよいのか」と悩む。
校長は取材に、
▽意欲を高めるための試合が事故の引き金となった
▽1人だった体育教員は、事故の瞬間は別の対戦を見ていて目が行き届かなかった
▽体重や運動能力の差を考慮しなかった
などが原因と説明。
「二度と同じ事故が起きないようにしたい」と話す。
武道を剣道に代えるには、防具や竹刀の費用が30人分で300万円かかるため断念。
18年度は試合を禁じ、教員2人態勢で受け身の大切さなどを説いたという。
スポーツ庁によると、18年度の中学1、2年の武道の種目(複数回答)は
柔道 61.5%
剣道 35.7%
相撲 3.6%
空手道 2.7%
など。
産総研の分析では、中学の授業の柔道事故は年間4000件近く起き、武道の種目でまだ突出して多い。
【体育の授業で特に重い事故が多い種目】
□小学校 種目 件数
1 跳び箱 88
2 鉄棒 39
3 走り高跳び 27
□中学校 種目 件数
1 跳び箱 97
2 サッカー・フットサル 65
3 バスケットボール 59
□高校 種目 件数
1 サッカー・フットサル 103
2 バスケットボール 94
3 柔道 40
※JSCの2014~16年度のデータをもとに、給付額5万円以上を産総研が集計。件数は年間平均
出典
『跳び箱、頭から落ち車いす生活 手引きと違った技の順番』
https://www.asahi.com/articles/ASM4V6475M4VUUPI004.html
2019年5月6日6時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中学・高校で起きる事故の半分以上は運動部の部活動中で、年間35万件に上る。
特に頭のけがは命にかかわることがあり、学校現場では重大事故を防ぐための模索が続いている。
【硬球直撃 予防策を尽くしていたが】
死球を受けた2年生の男子部員(当時16)は声を上げ、尻から落ちて仰向けに倒れた。
よけようとした球が、ヘルメットの耳当て部分と左耳の下に当たった。
昨年11月18日、熊本県立熊本西高校(熊本市)で行われた野球部と他校の練習試合。
部員らが駆け寄ると、意識がなかった。
翌朝、亡くなった。
野球部は、事故防止に力を入れてきた。
複数箇所で行う打撃練習は、打球が飛び交う。
防球ネットの穴を抜けて投手に当たらないように、37枚のネット1枚ずつに担当を割り当て、点検や補修を続ける。
イレギュラーバウンドを防ぐため、ノックの合間にトンボをかける。
ヘルメットは昨春、各部員に合うように3つのサイズを買いそろえた。
それでも、事故は起きた。
横手監督(43)は、「亡くなった部員は野球が大好きだった。彼も、投手も、誰も悪くないのに……」と声を絞り出す。
地元の軟式野球出身者ばかりの野球部は、昨秋の九州大会で8強入りし、今春の選抜の21世紀枠の県推薦校に選ばれていた。
事故を受け、横手監督は辞退も考えた。
そのチームに、遺族が葬儀で語りかけた。
「前を向いてほしい。21世紀を辞退しないで、甲子園を目指して下さい」。
頭を下げる相手校の投手にも「野球を続けて下さい。夏の藤崎台(球場)で投げる姿を楽しみにしています。本人も同じ思いでしょう」。
参列者のすすり泣きが漏れた。
野球部は今春の選抜に初出場した。
ネット管理をまとめる3年の中本君(17)は、「大変だけど、練習に集中するためにも安全確認が大切」と話す。
事故後、スポーツ用品会社が、ヘルメットの両耳にあたる部分に着脱式の金属板を付けて首や後頭部を守る試作品を持参した。
まだ商品化の見通しはないが、横手監督は「事故をなくそうと動いてくれたことがありがたい」と話す。
日本高校野球連盟によると、死球による死亡は、記録が残る1974年以降で3件目。
事故の直後、熊本県高野連の工木(くぎ)理事長は日本高野連に伝えた。
「硬球を扱う以上、どの学校でも起き得る。不慮の事故で終わらせてはいけない」。
日本高野連は、製品の安全性を管理する協会に事故の調査と予防策の検討を要請。
協会は各ヘルメットメーカーと議論を始めた。
全国の野球部での頭部事故は年間2000件超。
打撃練習やノック時が目立つ。
日本高野連の竹中事務局長は、「防球ネットの点検やグラウンド整備などを徹底すれば防げる事故が、繰り返し起きている。指導者の知見を高める必要がある」と話す。
日本高野連は01年、打撃投手のヘッドギア着用を義務化した。
以来、打撃投手の死亡事故はない。
16年には、女子部員に甲子園大会前の甲子園での練習参加を認める一方で、ヘルメット着用を義務づけた。
昨年3月には、全国の高野連と野球部の指導者を大阪市に集め、事故防止のシンポジウムを初めて開催。
専門家が事故事例や安全対策を説明した。
防球ネットについては適切な補修方法や死角をなくす配置、事故が起きにくい新製品などを紹介。
練習中の野手の顔を覆うフェースガードの着用も勧めた。
その後、各地の高野連は安全対策に関する勉強会を開くなどしている。
【部活中の死亡事故、10年間で152件】
日本スポーツ振興センター(JSC)の学校事故データを、産業技術総合研究所(産総研)が分析。
部活動の事故は2014~16年度、年間平均で35万件あった。
小学校8000件、中学校18万7000件、高校15万6000件。
部員数の多いバスケットボール、サッカー、野球の順。
年間約1万2000件に上る頭のけがでは、野球、サッカー、バスケットボールの順になる。
部活動の死亡事故は、16年度までの10年間に152件。
交通事故が大半の登下校中に次いで多い。
亡くなった原因で最も多いのは、突然死を除くと、頭のけが25件。
柔道が突出し、ラグビー、野球と続く。
ただ、柔道は12年度の中学での武道必修化に伴い安全対策が強化され、近年は大幅に減っている。
【サッカー部の合宿中、ボールが頭に 練習を続け……】
東京都内の私立高校に通う男子生徒(17)は、中学2年だった16年3月、サッカー部の合宿中に頭に大けがを負った。
ゴールキーパーをしていて、コーチが蹴ったボールが右側頭部に当たった。
練習後、頭痛を感じたが、合宿を続けた。
深刻さに気づいたのは合宿後の練習試合。
頭痛がひどく、普段はしないようなミスで失点。
試合途中で交代して早退したが、痛くて家まで帰れない。
母親に助けを求め、自宅近くの大学病院に駆け込んだ。
CT検査で、強い衝撃によって頭蓋内の血管が破れ、血の塊ができる急性硬膜下血腫とわかった。
広がれば脳を圧迫して頭痛や嘔吐、けいれんなどが起き、短時間で意識障害や呼吸停止に至ることも。
空中でヘディングをして地面に頭を打つ例が多いが、角度や強さによっては、ボールが当たるだけでも起きるという。
2日後に血腫が縮小して退院したが、医師からは、体がぶつかるスポーツはやめるように告げられた。
頭に再び衝撃が加われば、深刻な事態になりかねないという。
学校は、合宿参加者から聞き取り調査を実施。
大けがにつながるとは、誰も思っていなかった。
コーチは強めにボールを蹴っており、「生徒の力を踏まえず、未熟だった」と述べた。
学校は生徒と両親に謝罪した。
顧問の教諭は取材に、「異変に気づけなかったことに忸怩たる思いがある」と話す。
生徒は、中学最後の夏の大会にマネジャーとして参加した。
今も、体育の柔道や体育祭の騎馬戦などを控える。
定期的な検査を受け、学校生活を送っている。
取材に、「レギュラー争いをしていて休みたくないと思い、練習を続けて悪化させてしまったかもしれない」と振り返り、自身の経験を予防に役立てて欲しいと話した。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
【柔道はじめて1カ月、大外刈りで奪われた命】
柔道部の練習中に福岡市立中学1年の大場さん(女子、当時13歳)を亡くした父親(53)は、悔やみ続けている。
「こんなに柔道が危険だとは知らなかった」
2015年5月、大場さんは練習を終えて帰宅すると「練習で打って頭が痛い」と、夕食を残した。
翌日の朝、体調を聞くと「大丈夫」との返事。
「気分が悪かったら先生に言いなさい」と送り出した。
学校を休ませて病院に連れて行っていれば事故は避けられた、との思いは消えない。
この日の夕方、大場さんは中学の武道場で2年の女子部員の大外刈りで倒れ、頭を強く打って意識不明になった。
救急車で病院に運ばれ、手術を受けたが、意識は戻らなかった。
急性硬膜下血腫のため、5日後に亡くなった。
福岡市教育委員会が公表した有識者による調査報告書によると、事故は技を伝えてから投げる「約束練習」で起きた。
相手は大外刈りと伝えたうえで、スピードを緩めてかけた。
大場さんは運動は得意でなかったが、「警察官になりたい」と柔道部に入った。
柔道を始めて1カ月の大場さんに対し、相手は5年目。
身長は6.5cm、体重も12kg上回っていた。
武道場には顧問の教諭とボランティアの指導員2人の計3人がいたが、事故の瞬間は見ていなかった。
報告書は、「体格差や能力差を把握し、きめ細かな指導を行う必要がある」と指摘。
事故を防ぐため、受け身の練習を3、4カ月以上は行い、大外刈りなど危険性のある技で受け身の練習をしないよう求めた。
日本スポーツ振興センター(JSC)が重大事故に限定して公表しているデータを名古屋大学の内田良准教授が分析したところ、17年度までの35年間に、柔道の部活動や授業などで121人が死亡していた(突然死や熱中症なども含む)。
1年生が74人を占めた。
頭のけがで亡くなったのは121人のうち77人で、大外刈りが最も多かった。
近年は、中学の体育の武道必修化に伴い安全対策が強化されるなどして、重大事故は減っている。
それでも16年度、群馬と栃木の中学生2人が大外刈りで一時重体となった。
娘の事故の後に起きたことに衝撃を受けた大場さんは17年、小中学生に限って大外刈りを禁止すべきだとブログで訴えた。
事故の重さを伝えようと、娘の脳のX線写真も掲載。
昨年11月には、大外刈りの危険性を伝えたいとの思いを込め、柔道のルールを決めている全柔連を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。
「二度と重大事故が起きないように、指導者の人たちに安全に対する気持ちを持ち続けてほしい」と願う。
【頭のけが「事後の対応が重要」】
頭のけがは、外見上、骨折や出血がなくても注意が必要だ。
運動中の頭部外傷に詳しい東京慈恵会医科大の大橋洋輝講師(脳神経外科)によると、中でも急性硬膜下血腫は、死亡や重い後遺症につながる頻度が最も高い。
頭痛などがあるのに無理してプレーを続けると、命に関わる危険がある。
脳への衝撃で一時的に意識や記憶を失うなどする脳振盪も、状態が万全でないまま競技を続ければ、二次的なけがで急性硬膜下血腫などにつながりかねない。
ほとんどの脳振盪は回復するが、頭痛やめまい、集中力低下といった症状が続くこともあるという。
これらはラグビー、アメフト、柔道など、選手がぶつかり合うスポーツのほか、野球やサッカーなどで幅広く起きている。
産総研の分析では、急性硬膜下血腫は多い年で160件、脳振盪は1800件ほど起きていた。
深刻なけがを防ぐには、種目ごとの対策はもちろん、体調不良時に運動させないことも必要だ。
大橋さんは、「競技によっては、頭のけがを完全に防ぐのは難しく、事後の対応が重要だ」という。
脳振盪の頻度が高いスポーツでの深刻なけがを防ごうと、日本臨床スポーツ医学会(脳神経外科部会)は「頭部外傷10か条の提言」をまとめ、脳振盪を簡易的に判断する方法を紹介している。
同会の「のじ脳神経外科・しびれクリニック」の野地雅人医師は、「頭を打った後に、頭痛、めまい、吐き気など普段と違う様子が見られたら脳振盪を疑い、指導者がプレーから離脱させ、専門医を受診させてほしい」と呼びかけている。
出典
『中高の事故、半数は部活で 柔道技や打球…頭をどう守る』
https://www.asahi.com/articles/ASM4S7RJ2M4SUUPI010.html
2017年4月29日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正4として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7045/
(2019年5月4日 修正4 ;追記)
2019年4月26日19時57分にNHK福岡からは、市教委は再発防止策に重点をおいた学校の安全点検に関する報告書をまとめたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大川市教育委員会の調査委員会は、学校の安全点検について報告書をまとめ、26日、公表した。
報告書では、事故の再発防止策に重点を置いていて、マニュアルに基づく学校施設の安全点検を日常的に行うことや、すべての教職員が安全点検の結果をともに把握するといった提言などを盛り込んでいる。
大川市では、事故が起きた1月13日を毎年、「学校安全の日」と定めていて、この日にあわせて市内の小中学校は一斉に安全な学校生活を学ぶ授業を行っている。
市教委の記伊教育長は、「報告書をまとめたから終わりではなく、今後も事故を風化させないような取り組みを続けていきたい」と話していた。
出典
『小学校ゴール事故報告書まとまる』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20190426/0004268.html
(2019年11月14日 修正5 ;追記)
2019年11月13日19時45分に毎日新聞からは、遺族は市に損害賠償提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
両親が13日、安全管理を怠ったなどとして、市に約4320万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁柳川支部に起こした。
訴状によると、相次ぐゴールの転倒事故を受け文部科学省が13年9月にゴールの固定や点検を徹底する文書を出したが、川口小では少なくとも16年11月から安全点検はしておらず、「重要な事故防止措置を著しく怠った」と主張。
また、市教委の事故調査委員会は委員11人のうち8人を市教委関係者が占めるなど、著しく公平性を欠き、精神的な苦痛を被ったとしている。
提訴後に記者会見した父親(40)は「息子の死を無駄にしないため、市は事故後の調査や検証、遺族との協議の仕方を真剣に考えてほしい」と訴えた。
市教委は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
県警は昨年12月、業務上過失致死容疑で当時の校長ら6人を書類送検している。
https://mainichi.jp/articles/20191113/k00/00m/040/066000c
(2022年6月26日 修正6 ;追記)
2022年6月24日20時39分に毎日新聞からは、市に対し損害賠償命令が出た、文科省から点検などの対策をとるよう通知が出ていたので事故の予見は容易だったと判断された、業務上過失致死に問われた校長ら6人は不起訴になっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
両親が市に約4320万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁久留米支部は24日、市に約3660万円の支払いを命じた。
判決は事故当時、ゴールポストは晴翔さんがぶら下がって地面から外れたのではなく、元々、固定されていなかったと認定。
ゴールポストの転倒による死亡事故が全国で起き、文部科学省が点検などの対策を取るよう通知していたことから、「校長は事故の発生を容易に予見できた」と判断した。
その上で、「固定しておけばゴールポストが転倒することはなかった」と、過失と死亡との因果関係を認めた。
加えて、校長以外の教員はゴールポストが危険との認識がなく、児童にも指導していなかったと指摘。
晴翔さんが体育の授業でのサッカーの試合中、味方がゴールを決めたことに喜んでゴールポストのロープにぶら下がっても「危険性を認識できたとはいえない」と、晴翔さんの過失を否定した。
一方、両親側は、市が事故後に設置した安全調査委員会の調査が不十分と主張していたが、判決は「報告内容として不十分であるとはいえない」などとして、両親側の訴えを退けた。
事故を巡っては、県警が当時の校長ら教員6人を業務上過失致死容疑で書類送検したが、福岡地検が不起訴処分としていた。
https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/287000c
6月24日13時0分にNHK福岡からは、事故調査委員会の構成などは事故発生後3週間の間、遺族に知らされなかったという、、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
また判決は、事故の原因の解明や再発防止などを目的に市が設置した安全調査委員会について、「事故の発生後3週間の間、調査委員会の設置に関して、その目的や構成が遺族に知らされず、少なくとも遺族が理解できる程度の十分な説明はなかった」と指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20220624/5010016190.html
6月24日19時30分にYAHOOニュース(九州朝日放送)からは、市は児童が揺らしたことも原因だとして過失相殺を求めていたが認められなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
市は過失があったことは認める一方で、男子児童がネットにぶら下がり前後に揺らしたと主張し、予見することは不可能だったと過失相殺を求めていました。
24日の判決で、福岡地裁久留米支部は「転倒の危険性について、指導を受けていない小4の児童が認識できたとはいえない」として、過失相殺を認めませんでした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/738510f735031a1affb711757a4c2c52ed18350e
6月24日10時53分に毎日新聞からは、裁判では市の責任の範囲などが争点となった、当時ゴールポストは4台あったが事故が起きた1台のみ固定していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
両親側の弁護士によると、裁判ではゴールポストの固定が不十分で、16年11月以降は安全点検も怠るなど、設置管理に瑕疵(かし)があったことは市側も認めた。
そのため、市の責任の範囲や賠償額などが争点となった。
両親側は、不起訴処分となった6人のうち校長と教員4人(安全点検担当、ゴールポスト点検担当、授業担当2人)には、民事上の安全配慮義務違反はあったと主張。
過去にも全国で同様の事故があり、文部科学省が事故防止策を講じるよう繰り返し通知していたことから、「基準に従って固定されていないゴールポストに児童がぶら下がれば、転倒して死亡するという重大事故が発生すると予見可能だった」などと訴えた。
加えて、事故後に市が設置した安全調査委も、川口小に当時あったゴールポスト4台のうち3台は土台がくいで固定されていたのに、事故が起きた1台のみしていなかった理由などを調べていないと指摘。
「事故原因の究明を怠り、調査報告義務に反する」とした。
https://mainichi.jp/articles/20220624/k00/00m/040/014000c
2019年4月26日10時33分にNHK群馬から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし、群馬県藤岡市の高校のグラウンドで、陸上部の生徒が投げたハンマー投げのハンマーが別の生徒にあたって死亡した事故を受けて、県教委は、陸上や野球など34の競技ごとに部活動の具体的な安全対策をまとめたガイドラインを作成した。
このガイドラインは、部活動中の事故の再発を防ごうと、県教委が初めて作成したもので、陸上や野球など34の競技ごとに、部活動の具体的な安全対策がまとめられている。
このうち、ハンマー投げなど陸上の投てき種目の部活動は、ほかの競技の部活動とグラウンドを共有することが多く、練習する時間や内容をほかの部と事前に確認し合ったり、コーンなどで危険な場所を明示して、立ち入りを禁止したりすることが必要だとしている。
ガイドラインでは、それぞれの競技で実際にあった「ヒヤリハット」の事例も紹介されていて、県教委は県内の中学校と高校にすでにメールで送ったほか、来月には冊子にしたものを配布する予定だ。
県教委健康体育課の杵渕指導主事は、「さまざまなケースに応じた対策をまとめたので、これを参考に安全管理体制を再確認して事故を防いでほしい」と話している。
出典
『ハンマー投げ事故で部活安全指針』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20190426/1060004374.html
4月20日付で上毛新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
藤岡中央高で2017年12月、陸上競技のハンマー投げのハンマーが当たったサッカー部の男子生徒が死亡した事故を受け、群馬県教委は、部活動中の重大事故を防ぐための安全対策ガイドラインを作成した。
中学、高校の部活動で実施されている34の競技種目別に、特性を踏まえた具体的な安全対策を提示。
事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」も共有し、顧問らの危機管理意識を高める。
有識者でつくる検証委員会が昨年8月、再発防止策を盛り込んだ報告書で競技別のガイドラインを作るよう提言していた。
県立学校や市町村教委に提供し、各校での活用を促す。
過去のヒヤリ・ハット事例と事故事例も掲載した。
「スパイクの練習中、ネットの下に転がってきたボールを着地時に踏んで転倒し、床に頭部をぶつけそうになった」(バレーボール)、「打撃練習の打球が外野フェンスを越えて他の部活動の生徒に当たりそうになった」(野球)など、事例を通して危険な行為や状況をイメージしやすくした。
出典
『種目別に例示 部活事故防止へ指針 ハンマー投げ死亡受け県教委』
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/126365
(ブログ者コメント)
藤岡市の事例は本ブログでも紹介スミ。
2019年4月18日20時14分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県立高校で2014年、陸上部のハンマー投げの練習中に、ハンマーのワイヤが破断して金属球が女子部員に当たる事故があった。
防護ネットを適切な場所に置いていなかったことなどが事故原因だとして、元部員の女性が県に損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、名古屋地裁であった。
唐木裁判長は、「(対策をしていれば)選手の将来に影を落とすような事故は発生しなかった。県の責任は大きい」と練習場の欠陥などを認め、県に約180万円の賠償を命じた。
判決によると、女性は全国レベルの選手だった。
3年生だった14年12月、防護ネットの外側でハンマー投げの順番待ちをしていたところ、転がってきた金属球がすねに当たり、骨折などのけがをした。
唐木裁判長は、防護ネットが適切に設置されていなかったとし、顧問は配置を変更するなどの義務を怠ったと判断。
また、県は事故防止の手引書などを作っておらず、この高校ではサッカーゴール枠に網をかけるなどして防護ネットにしていたとした。
県は、「当方の主張が一部認められず、遺憾です。判決文を精査し、今後の対応を検討したい」とした。
出典
『ハンマー投げの球でけが、県に賠償命令 有力選手が骨折』
https://www.asahi.com/articles/ASM4L56RHM4LOIPE01Q.html
2019年4月6日付で毎日新聞大阪版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
体育の授業で前屈運動をした際、指導教諭に体を強く押されて腰に重傷を負ったとして、奈良県立郡山高校(同県大和郡山市)の元生徒の男性(18)が5日、県を相手取り、治療費など約663万円の損害賠償を求めて奈良地裁に提訴した。
訴状によると、昨年4月25日、柔軟体操で前屈した際、教諭が頭が膝に付くまで両肩を強く押し続けた。
激痛が治まらず、男性は1カ月後に病院で腰の椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断された。
7月に手術を受けたが現在も通院中で、長時間座るのが困難という。
記者会見した男性は、「教諭の行為で僕の人生は一瞬にして狂ってしまった。元の体を返して」と話した。
県教委の担当者は、「体育の授業中にけがをしたことは把握している。訴訟については訴状が届いていないのでコメントできない」と話している。
出典
『提訴 前屈で重傷、元生徒が県に損賠求め 奈良の高校』
https://mainichi.jp/articles/20190406/ddn/041/040/036000c
4月5日19時0分に奈良テレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
去年4月、県立郡山高校の体育の授業で当時高校3年の男子生徒が柔軟体操をしていたところ、男性教諭に身体を強く前へ押された結果、重度の椎間板ヘルニアになったなどとして、当時生徒だった男性らが県におよそ660万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
「教諭本人は家に一度も来ず、正式な謝罪はいまだありません、これから先が不安でしかたありません、僕の人生を台無しにした体育教師を許せません、元の体を返してください」
訴えを起こしたのは18歳の男性とその保護者だ。
訴状によると、男性は県立郡山高校3年だった去年4月、柔軟体操の「前屈」をしていたところ、後ろから来た男性教諭に「痛い」と言ったにも関わらず、強く身体を押された。
男性は足および腰の強い痛みにより、去年7月から休学せざるを得なくなり、国公立大学を志望していたにも関わらず、センター試験、2次試験を受験できなかったという。
出典
『県立高校卒の男性 柔軟体操でヘルニア発症』
http://www.naratv.co.jp/news/20190405/20190405-05.html
2019年3月27日2時16分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日高管内日高町で、当時日高高2年の男子生徒(17)が町営プールに飛び込み重傷を負った事故で、大鷹町長は26日、町の施設と管理体制に問題があったとして、生徒に損害賠償金約1億1000万円を支払う和解案がまとまったと町議会に報告した。
事故は2017年7月、同級生ら6人で町営プールを訪れた生徒がプールに飛び込み、底に頭を打って頸髄(けいずい)を損傷し、四肢まひなどの後遺症が残った。
町の飛び込み禁止の周知が不十分だったことや、飛び込み台のあるプールとしては水深が浅い87cmだったこと、生徒が2度飛び込んだ点などを考慮し、過失の割合を町6割、生徒4割とした。
26日に和解案を町議会が可決。
健常者の平均賃金を基に算定した逸失利益9500万円や将来の介護費5500万円など約1億9千万円のうち、町は6割の約1億1000万円を4月中旬をめどに支払う。
出典
『日高プール事故 男子生徒と和解 町、1億円支払いへ』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/290177/
2018年4月2日に掲載した第6報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第7報修正12として掲載します。
第6報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8207/
(2019年3月16日 修正12 ;追記)
2019年3月8日13時3分に毎日新聞から、3教諭が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は8日、講習会を運営した教諭3人を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
送検されたのは、県高校体育連盟(高体連)登山専門部委員長だったI教諭(52)、亡くなった生徒の班を引率したS教諭(50)、登山専門部の元委員長で講習内容の変更に関わったW教諭(56)。
3人は当日朝、悪天候のため、登山の中止と雪上歩行訓練への切り替えを決めたが、生徒らは雪崩に巻き込まれた。
県教委が設置した検証委員会の報告書によると、現場の斜面は、一般的に雪崩が起きやすいとされる35°よりも険しい38°程度の傾斜だった。
事故の7年前にも近くで生徒が雪崩に巻き込まれていたほか、前日まで講習会に参加した別の教師が、「10数年前に、町か(現場近くの)スキー場の職員に『なだれたことがあるので行かないように』と言われた。降雪後は危険だという認識を持った」と証言していた。
捜査関係者によると、県警もこうした内容について捜査した結果、以前に雪崩が起きた場所と地形を比べるなどしていれば、雪崩が起きる危険を予見できたと判断。
計画段階や当日朝、計画を変更した時点で現場への立ち入りを明確に禁じるなどして危険を回避する注意義務を怠ったとみている模様だ。
S教諭が現場の斜面に出た際、積雪内の崩れやすい弱層を調べずに漫然と生徒を先に歩かせたことも問題視しているという。
出典
『登山講習会運営の3教諭を書類送検 業務上過失致死傷容疑 那須の雪崩事故』
https://mainichi.jp/articles/20190308/k00/00m/040/086000c
(2020年2月7日 修正13 ;追記)
2020年2月7日付で毎日新聞から、防災研究所ら専門家の調査チームが人災の可能性が高いとする調査結果をまとめたという下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
防災科学技術研究所の研究員ら専門家による調査チームが「雪崩は人為発生の可能性が高い」という見解をまとめ、学会で報告した。
講習会を運営した教諭らが漫然と歩行訓練をさせたことが雪崩発生につながった疑いが強まった。
調査チームは、雪崩発生から6日後に上空から現場を撮影した写真を解析するなどし、亡くなった8人を含むグループ(A班)と別のグループ(B班)の足跡や雪崩発生位置を調べた。
その結果、雪崩発生域は茶臼岳山腹の大岩「天狗の鼻」から数十メートル離れた場所と推定。
足跡から、A班は斜面を上方に向かって歩き、天狗の鼻直下(標高1465メートル程度)で発生推定域の近くに到達していたことが分かった。
B班もA班の近く(標高1430メートル程度)を歩いていた。
A、B班ともに発生推定域の数十メートルの地点にいたとみられることから、「登山研修中の班が斜面に入り込むことで表層雪崩が生じたと考えるのが自然」として、雪崩は人為発生の可能性が高いと結論づけた。
雪崩発生域と推定される場所は、県教委が17年に設置した検証委員会のヒアリングでA、B班の生徒らが証言した内容と矛盾がないという。
調査チームの結果は19年9月に山形市で開かれた雪氷研究大会で報告された。
雪崩の発生原因について、県教委の検証委が17年10月に公表した事故の最終報告書は、「自然発生か人為的かを特定することは難しい」としていた。
https://mainichi.jp/articles/20200207/ddm/041/040/141000c
2月6日付で毎日新聞東京版からは、1人の生徒の遺族と県の間で初の和解が成立するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
生徒1人の遺族が県の損害賠償に応じ、示談が成立する見通しになった。
県関係者が明らかにした。
事故で県と遺族が示談するのは初めて。
賠償額は約7000万円で、県は県議会2月通常会議に議案を提出する方針。
4日の県教委定例会で議案提出が承認された。
県教委は17年末、遺族に損害賠償に関する説明を開始。
18年2月には当時の県教育長が県議会での答弁で「学校教育の一環である部活動中の事故であり、県に賠償責任がある」と述べていた。
県は他の遺族とも協議を続けている。
https://mainichi.jp/articles/20200206/ddm/012/040/068000c
(2020年2月23日 修正14 ;追記)
2020年2月18日10時59分に下野新聞から、県教委は低い山を除き20年度から高校登山に登山アドバイザーを帯同させるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県教委と知事部局が共同設置した「高校生の登山のあり方等に関する検討委員会」の2回目の会合が17日、県総合文化センターで開かれた。
県教委は、指定した一部の登山ルートに帯同を推奨していた登山アドバイザーについて、20年度から方針を改め、原則全ての高校登山に帯同させる意向を示した。
県教委が事故後の18年12月に策定した登山計画ガイドラインは、登山ルートや引率顧問の力量などに応じ、山岳ガイドの資格を持つ登山アドバイザーを登山に帯同させると定めた。
目安として帯同を推奨する登山ルートを指定。
主に県外の標高の高い山で30例の登山ルートを示していた。
事故の遺族からの意見などを踏まえ、19年度は試行的に登山アドバイザーの帯同ルートを拡大。
指定ルート以外の登山でも登山アドバイザーを帯同させたことで、安全面や技術面で効果を確認できたという。
県教委は17日の検討委の会合で、低山で著しい危険がなく、例外的に不帯同を認める登山ルートを除き、全ての高校登山に登山アドバイザーを帯同させる方針を示した。
今後、ガイドラインを改定し、20年度から実施していくという。
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/279244
2月21日17時41分にNHK栃木からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
登山の訓練中の高校生らが死亡した雪崩事故を受けて策定された、高校生の安全登山のガイドラインについて、原則すべての学校での登山活動に、アドバイザーを帯同させるなどとする県教育委員会の改訂案が、審査会でおおむね了承され、来月中に改訂される見通しとなりました。
高校生の安全登山についてのガイドラインは、3年前の雪崩事故を受けて、県教育委員会がおととし12月に策定しましたが、より高い安全を確保するため、登山の経験者などでつくる審査会で、改訂に向けた議論が進められてきました。
21日の審査会では、県教育委員会から、改訂版の素案が示されました。
この中ではこれまで、ルートや引率者の力量などに応じて帯同させるとしていた登山アドバイザーを、原則として、すべての登山で帯同させるよう改めるとしています。
また、雪が残っている夏山の登山について、傾斜がゆるやかで滑落などの恐れがない場合は実施を認めますが、雪の状態が年によって異なるので、実施の可否についてはそのつど審査会で審査を行うとしています。
これらの改訂内容は、協議を経て、委員からおおむね了承されました。
県教育委員会は、来月、ガイドラインを正式に改訂することにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20200221/1090006393.html
(2021年7月3日 修正15 ;追記)
2021年7月2日14時25分にNHK栃木からは、県の高体連は今後、大会などの登山活動を開催しないことに決めたなどとする文書を公表したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
那須町で登山の訓練中だった高校生らが雪崩に巻き込まれ、8人が死亡した事故を受け、当時、訓練を主催していた県高校体育連盟=高体連は、今後、大会などの登山活動を開催しないことを決めました。
平成29年3月、那須町の茶臼岳で登山の訓練中だった高校の山岳部が雪崩に巻き込まれ、生徒7人と教員1人のあわせて8人が死亡し、12人がけがをしました。
この訓練は当時、県高体連の登山専門部が実施したもので、事故から4年余りたった1日、当時の対応の問題点や、事故後の安全対策などをまとめた文書を公表しました。
それによりますと、これまで開催してきた高校総体の予選大会など、高体連が主催する登山活動を今後、行わないことに決めたということです。
背景として、専門的な知識を持つ指導者の確保が難しいことや、競技としての登山に対する高校生の関心が薄くなっていることなどをあげています。
一方、学校の部活動単位での登山は今後も行われるため、顧問の教員が情報交換する場を設けるなど、学校への支援は続けるとしています。
高体連登山専門部の荒井部長は、「4年あまりたって公表となったのは大変申し訳ない。内部で議論はあったが、生徒の安全を優先した結果、大会の取りやめを決めた」と話しています。
事故で、当時高校1年生の長男を亡くした奥勝さんは、「安全に開催できないものを取りやめた判断には賛成でき、こうした姿勢が学校の部活動にも波及してほしい。一方で、当時生徒を引率していた教員らへの聞き取りは行われておらず、今後も検証や総括を求めていきたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20210702/1090009999.html
7月2日10時12分にYAHOOニュース(とちぎテレビ)からは、インターハイなどへの参加予選は今後、書類審査にするなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2017年3月、那須町で起きた雪崩事故では県高体連登山専門部が行った「春山安全登山講習会」に参加していた大田原高校の生徒と教諭合わせて8人が亡くなりました。
事故から4年以上が経つ中、登山専門部が大会運営や今後の組織の在り方を見直した結果をまとめ公表しました。
この中で、山に入って行う県高体連主催の大会や講習会は今後、実施しない方針を示しました。
インターハイと関東大会の県予選は2021年度から、書類審査で今までの活動実績をチェックしたり、登山の知識を問うペーパーテストを行ったりして代表校を決める方法に見直しました。
理由として「安全な大会運営を行うための登山に精通した人材の確保が難しくなっていること」などを挙げています。
これにより今後、県内の高校生の登山部の活動は主に学校単位で行っていくことになります。
那須の雪崩事故を巡っては、遺族らが登山講習会を行った登山専門部に対し、事故の原因はどこにあったのか検証を度々求めていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/70159708e6639db58bf9ac013a72a1e5ac67b15a
2019年3月5日6時12分に埼玉新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県三芳町は4日、同町藤久保の町総合体育館のアリーナで先月下旬、フットサルの大会中に床板が剥離し、スライディングをした20代の男性が臀部にけがを負ったと発表した。
男性は約1週間入院治療し退院。
全治1カ月以上のけがとみられる。
町は、同体育館の指定管理者(東京ドーム・トールツリーグループ)とともに委員会を立ち上げ、原因を究明する方針。
町によると、2月22日午後2時半ごろ、体育館1階アリーナで、フットサル大会「カレッジフットサルリーグ」の試合前、ウオーミングアップしていた関東圏の大学生男性がゴール付近でスライディングしたところ、床板(幅約7.5cm、長さ約45cm)の一部が剥がれ、左臀部に刺さった。
男性は病院に搬送され、そのまま入院。
今月1日に退院した。
町はアリーナの使用を中止し、スポーツ庁に事故を報告。
同庁から「全治30日以上のけがは重大事故になる」と指摘され、公表を決めた。
4階建ての体育館は2006年に竣工。
アリーナやフィットネスルーム、会議室や多目的室、武道場などがある。
10年度から指定管理者制度を導入し、同社が運営している。
林町長は、「指定管理者と事故の原因を究明し、再発防止に努めたい」とコメントしている。
出典
『大学生けが…剥がれた体育館の床板が刺さる 三芳の体育館でフットサル大会、スライディング中に事故』
https://this.kiji.is/475411250392466529?c=39546741839462401
3月4日18時18分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
木片は長さ42cm、先端は2mm程度で尖っていた。
アリーナは、指定管理者が毎日、使用開始前に目視で状況を点検している。
出典
『体育館で木片刺さり、男子大学生が尻負傷 埼玉・三芳町』
https://www.sankei.com/affairs/news/190304/afr1903040031-n1.html
(ブログ者コメント)
同様な事例は、1週間ほど前、名古屋市の体育館で起きたばかりだ。(本ブログ紹介スミ)
2019年2月26日21時6分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前10時すぎ、「名古屋市東スポーツセンター」の体育館で、バレーボールの練習をしていた50代の女性が滑り込んだ際に、床板の一部がめくれ、右足に刺さった。
刺さったのは長さ15cm、幅が、最も大きい部分で3cmの、三角すいの形をした木片で、女性は病院に入院したが、命に別状はないという。
名古屋市によると、26日の開館前の点検では、異常は見当たらなかったという。
市は、体育館の床を修繕するとともに、市内のすべてのスポーツセンターの体育館を緊急に点検し、床板の傷んでいる所にテープを貼るなどの対応をしたという。
名古屋市教育委員会スポーツ振興課は、「利用した人がけがをすることになり、大変申し訳ない。損傷の原因を調査し、再発防止に努める」としている。
出典
『体育館の床めくれ女性に刺さる』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20190226/0003478.html
(ブログ者コメント)
同種事例ならびに情報を、本ブログでは過去に多数紹介スミ。
昨年5月には、文科省からの通知(利用者に注意喚起すること)に未対応な施設が3割あるという情報も紹介した。
今回の施設は、その3割のうちの1つだったのだろうか?
スポーツ振興課には、損傷の原因のみならず、当該通知に対する対応がどうだったのかも調べてほしいものだ。
2019年2月6日19時22分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県春日部市立中学校の体育祭で、綱引きで転んだ際に綱が目に当たり、その約1カ月後に右目を失明した元生徒(18)と親が、失明は学校側の対応が不十分だったためだとして、市に約4980万円の損害賠償を求めて提訴した。
6日にさいたま地裁で第1回口頭弁論があり、市側は「綱引きの指導や手当ては適切だった」と棄却を求めた。
訴状などによると、2015年5月30日、市立中3年だった男子生徒は体育祭の綱引きに参加。
相手チームが勝って綱から手を離した際、原告の生徒ら数人がバランスを崩して倒れ、この生徒の右ほおから右目に綱が直撃した。
生徒は同年6月28日に右目の視界が突然白くなり、その後、失明したという。
生徒側は、学校がすぐに病院で受診させるなどの適切な処置をしなかったことが失明の原因と主張。
転倒事故の防止対策も不十分で、注意義務を怠ったと訴えている。
これに対し学校側は、事故と失明の因果関係は認められないと反論。
教諭が生徒の視力を確かめるなどの手当てをし、事前に転倒を防ぐ指導もしていたと主張している。
現在高校3年で、春から大学に進む元生徒は、6日の口頭弁論後、「これから先、不自由があると思うと不安。真実を明らかにしてほしい」と話した。
出典
『「綱引きの綱で右目失明」元生徒側が提訴 学校側は反論』
https://www.asahi.com/articles/ASM2635N3M26UTNB005.html
2月7日1時1分に埼玉新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
訴状などによると、男子生徒は15年5月、通っていた中学校で行われた体育祭に参加。
綱引きの競技中にバランスを崩して転倒した際、右目付近にロープが当たり、約1カ月後に右目に異変を感じて治療を受けたが、失明したとされる。
生徒側は、「転倒事故を防止するための指導や、事故発生後に専門医の診断を受けさせるなどの義務を怠った」として、学校側の過失を主張している。
出典
『元中学生が失明…体育祭綱引きで目にロープ当たり 元中学生、春日部市を提訴「診断受けさせるなど怠った」』
https://this.kiji.is/465910840329929825?c=39546741839462401
2019年1月7日19時26分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月2日の午後1時すぎ、八戸市売市にある市営の屋外スケート場、「長根スケートリンク」で、市内に住む60代の女性が後方から滑ってきた子どもとぶつかって転倒した。
女性は体調不良を訴えて市内の病院に運ばれたが、頭を強く打って、まもなく死亡した。
この日は、2人の監視員がスケートリンクを滑りながら巡回していたという。
八戸市は当時の対応に問題はなかったとしているが、女性が死亡したことを重くみて、接触事故への注意を呼びかける場内放送や掲示を増やすなどして、利用者への注意喚起を徹底していくとしている。
八戸市の「長根スケートリンク」は昭和44年にオープンした屋外スケート場で、老朽化に伴って来月末で営業を終了することが決まっている。
出典
『スケート場で衝突 女性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20190107/6080003511.html
1月7日21時36分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
青森県八戸市の長根公園にある屋外スケートリンクで今月2日、60代女性が滑走中に転倒し、その後死亡していたことが7日、わかった。
転倒と死亡の因果関係は不明だが、公園側は「安全にスケートができるように注意を喚起していく」としている。
公園の管理会社エスプロモによると、2日午後1時10分ごろ、来場していたスケート客から「頭を打った女性がいるので対応してほしい」と連絡があり、スタッフが女性を車いすで医務室に運んだ。
当初意識はあったが、その後容体が急変。
家族が救急車で病院へ搬送したが、その日のうちに死亡したという。
スタッフが見た時、女性はニット帽をかぶっていたが、ヘルメットは着用していなかった。
公園側はこの事故を受け、ヘルメット着用を呼びかける放送の回数を増やすなどの対応をとったという。
出典
『スケート中に転倒、60代女性が死亡 ヘルメット着けず』
https://www.asahi.com/articles/ASM1764Z1M17UBNB00J.html
(ブログ者コメント)
NHKの映像によれば、スケート場には「情報提供のお願い」という掲示板が設置されており、文中、「・・・女性と子供(性別不明)の接触・・・」と書かれている。
2018年11月19日20時28分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本県立熊本西高校(熊本市西区)で、同校2年の男子野球部員(16)が、練習試合中に打席で投手が投げた硬球を頭部付近に受け、搬送先の病院で亡くなる事故があった。
同校は19日の全校集会で事故について説明。生徒らが黙禱した。
日本高校野球連盟によると、統計が残る1974年以降、公式戦や練習試合の死球で亡くなったケースは、今回が3件目。
熊本県警によると、部員は18日午後1時40分ごろ、同校グラウンドで県内の高校と練習試合中に打者として打席に入り、相手投手が投げた球が左側頭部付近に当たった。
倒れてから間もなく意識を失って病院に運ばれたが、19日午前9時35分ごろに亡くなった。
CT検査などの結果、死因は外傷性くも膜下出血。
明らかな外傷はなく、球が当たった詳しい場所や、直撃したかヘルメット上から当たったかは不明という。
同校によると、練習試合には野球部の部長や監督が立ち会っていた。
部員は、日本高野連が定めた規格を満たした両耳を覆うヘルメットをかぶり、右打席に立っていた。
高めに来た球をよけようとした際に当たったとみられるという。
松野教頭は、「安全上の問題はなかったと認識している」と述べた。
同校野球部は、秋の熊本県大会で準優勝。
初出場の九州大会で8強入りした。
この部員もベンチ入りしており、県高野連は同校を来春の選抜高校野球大会の「21世紀枠」に推薦していた。
試合中に頭部付近に死球を受けて死亡した事例は、極めてまれだ。
日本高野連によると、1974年以降で死球で亡くなった事例は今回が3件目だが、他の2件は胸と背中に当たったもので、頭部付近への死球では初めてという。
担当者は、「正式な報告を待って具体的な対応策を考えたい」としている。
日本野球機構の説明では、プロ野球でも頭部死球による死亡事例はない。
米メジャーリーグでは、米スポーツ専門局ESPNのサイトによると、1920年に頭部に死球を受けた打者が死亡したケースがある。
安全性を保証する「SGマーク」を手がける一般財団法人「製品安全協会」は、野球用ヘルメットでは時速108kmの硬球を使って衝撃の吸収度をテストし、高野連の規格を満たす条件の一つになっている。
40年以上前に定めた基準で、担当者は、「ヘルメットをかぶった死球で今回のような事故に発展したことはない」という。
出典
『頭に投球が直撃、死亡事故は異例 ヘルメットは着用』
https://www.asahi.com/articles/ASLCM5CHPLCMTLVB017.html
11月19日19時26分に熊本放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本西高校で野球の試合中に、デッドボールを受けた選手が死亡した。
耳の後ろにボールが当たったという。
死亡したのは、熊本西高校硬式野球部の2年生篠田さん(16)。
篠田さんは18日の練習試合で打席に立ち、デッドボールを受けた。
「篠田さんは、ピッチャーが投げたボールが頭に当たったあと、痛いと言葉を発し、その場に倒れたということです」(記者)
そのまま意識を無くした篠田さんは、外傷性くも膜下出血のため、運ばれた病院で19日朝になって死亡した。
ボールが当たったのは、ヘルメットで守られていない「耳の後ろ」だった。
「後頭部には大脳、その下に小脳、さらにその下に延髄がある。
延髄には呼吸中枢があるため、人間の生命維持にはとても重要な器官がある。
硬式ボールはとても硬く、エネルギーも何トンという力が頭にかかるのは間違いないが、当たり場所や当たった角度によっても、死に影響することは十分にあります」
(熊本回生会病院・鬼木泰成スポーツドクター)
・・・・・
出典
『デッドボールで野球部員が死亡』
http://rkk.jp/news/index.php?id=NS003201811191926370111
11月19日12時59分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
篠田さんはヘルメットをかぶっていた。
ボールをよけようとしたが、ヘルメットをかすめて左側頭部付近に当たったという。
出典
『頭部付近に死球、高2死亡…21世紀枠の推薦校』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181119-OYT1T50057.html
11月20日11時37分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察の発表などによると、18日午後1時40分頃、篠田さんは県内の他校との試合で代打で右打席に入り、左側頭部付近に相手投手が投げた硬球が当たった。
篠田さんは「痛い」と叫んで倒れ、そのまま意識を失った。
顧問や保護者らが心臓マッサージを行った後、病院に搬送したが、19日午前9時半頃に死亡した。
同高によると、篠田さんがかぶっていたヘルメットの左側の耳当ての端にボールが当たったような痕が線状(約1cm)で残っていた。
ヘルメットと頭部の境目付近にボールが当たったとみられるという。
出典
『ヘルメットと頭部の境目に死球か…野球部員死亡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181119-OYT1T50104.html
2018年11月12日19時30分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月12日18時6分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前11時20分ごろ、八街市八街ろの千葉県立八街高校で、体育の砲丸投げの授業中、男子生徒が投げた約4kgの砲丸が、別の男子生徒(18)の左側頭部に当たった。
生徒はドクターヘリで搬送され、脳振とうと診断。
命に別条はなく、念のため入院しているという。
千葉県教委や同校によると、事故が起きたのは3限目の選択体育の授業で、3年の男女12人が出席。
男子生徒は、ほかの生徒が投げた砲丸の飛距離を、8m離れた場所でメジャーを使ってしゃがんで計測している際、砲丸が左耳の上に当たったという。
同校では、通常、投げる際には前方確認し、声掛けするよう指導。
投げた生徒は掛け声を怠ったという。
体育の男性教諭が指導していたが、計測結果を記録しており、投げたところも当たったところも見ていなかった。
生徒が119番通報した。
県教委などで、安全管理に問題がなかったかなど調べる。
同校の森教頭(53)は、「事故に遭った生徒に申し訳ない」と謝罪した。
昨年度には、群馬県でハンマー投げのハンマーが男子高校生の頭に当たり、死亡する事故が発生。
これを受けて千葉県教委は、各学校に注意するよう通知を出していたという。
出典
『男子生徒の頭に砲丸 体育授業中、脳しんとう』
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/547043
『授業中に砲丸当たる 高校生搬送』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181112/1080004279.html
2018年10月29日18時12分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
バドミントンでダブルスを組んだ味方のラケットが目に当たって大けがをしたとして、東京都内の40歳代の女性がペアの女性に損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は先月、ペアの女性の全責任を認めて、約1300万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
スポーツ中の事故を巡ってチームメートに全ての責任があるとした司法判断は異例だ。
判決によると、事故は2014年12月、趣味のバドミントン教室の仲間ら4人が、都内の体育館でプレーしている最中に起きた。
ペアの女性が、相手コートから飛んできたシャトルを打ち返そうと、バックハンドでラケットを振ったところ、ネット際にいた原告の左目に当たった。
原告は左目の瞳孔が広がって光の調節が難しくなり、日常生活に支障をきたすようになった。
このため、慰謝料やパートの休業補償などを求めて提訴した。
被告側は、訴訟で「原告が危険を避けるべきだった」と主張したが、先月12日の高裁判決は、被告は原告を視界に収める後方の位置でプレーしていたことから、「被告は原告の動きに注意し、ラケットが当たらないように配慮すべきだった」と判断。
「バドミントンはボクシングのように身体接触のある競技ではなく、原告は、ほかの競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」とした。
また、判決は、「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツに親しむことができなくなる」とも指摘した。
その上で、1審・東京地裁が「原告も一定程度の危険を引き受けて競技していた」と判断して賠償額を約780万円にとどめた判決を変更し、被告に全ての責任があると認定した。
高裁判決は同月に確定した。
原告側代理人の合田弁護士は、取材に「趣味のスポーツをプレーしている時に起きた事故でも、過失があれば、加害者が相応の責任を負うのは当然だ。高裁判決は被害者の救済を広げ、事故の抑制につながる」と話した。
一方、被告側代理人の弁護士は取材に応じなかった。
出典
『バドで左目負傷、ペア女性に1300万賠償命令』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181029-OYT1T50006.html
10月30日付で毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
八木裁判長は、ボクシングなどと異なり、「他の競技者の故意や過失による一定の危険を当然に引き受けているとは言えない」と指摘、原告に過失はないと結論付けた。
さらに、「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツを楽しむことができなくなる」とした1審の判断を支持した。
原告側代理人の合田弁護士は、「スポーツ中の選手同士の事故では、被害者が泣き寝入りすることが多かった。被害者の救済につながる画期的な判決だ」と話した。
出典
『損害賠償 バドのラケット直撃、目負傷 ペア女性に全責任、1300万円 東京高裁判決』
https://mainichi.jp/articles/20181030/ddm/041/040/063000c
2018年10月22日18時24分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4年前、高松市の公立中学校で、当時、中学1年生だった女子生徒がバドミントンの部活動中に別の生徒が打ち返したシャトルが目に当たって後遺症が残ったのは顧問教員の指導に過失があったからだとして、高松市に1800万円余りの賠償を求めた裁判が高松地裁で始まり、被告側は訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示した。
訴状などによると、高松市の公立中学校に通っていた、当時中学1年生の女子生徒は、平成26年に校舎内にある武道場でバドミントン部の練習に参加し、顧問教員の指示に従ってネットの近くから別の生徒にシャトルを投げる作業をしていたところ、打ち返されたシャトルが左目にあたり、外傷性の白内障などのため、目の中に人工レンズを挿入しなければならなくなったという。
訴状では、本来の練習場所ではない畳の上で、滑りやすい靴下をはいて練習をしていたことや、けがをした生徒とシャトルを打ち返した生徒は、いずれも競技経験が浅かったことから、コントロールを誤って事故が起こることは容易に予測できたのに、シャトルを投げる作業を指示した顧問教員の指導には過失があったなどとして、市を相手取って、およそ1840万円の賠償を求めている。
22日、高松地裁で初めての口頭弁論が開かれ、被告側は「練習は正当な指導の範囲内で、教師に過失はなかった」などとして訴えを退けるよう求め、争う姿勢を示した。
次の裁判は今年12月に開かれる予定。
出典
『部活動で目にけが 市に賠償請求』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20181022/8030002354.html
(2019年11月27日 修正1 ;追記)
2019年11月26日17時16分にNHK香川から、市は和解するための議案を議会に提出する方針という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5年前、高松市の公立中学校でバドミントンの部活動中に目をけがして後遺障害が残ったのは顧問教員の指導に過失があったからだとして、生徒が市を相手取って賠償を求めていた裁判で、市は26日、生徒側に1700万円を支払って和解するための議案を市議会に提出する方針を明らかにしました。
訴状などによりますと、高松市の公立中学校に通っていた女子生徒は、中学1年生だった平成26年にバドミントン部の練習の一環として顧問教員の指示に従い、校舎内の武道場に張ったネットの近くで別の生徒にシャトルを投げる作業をしていたところ、打ち返されたシャトルが左目にあたって目に後遺障害が残り、人工レンズを挿入しなければならなくなったということです。
市は当初、「教師に過失はなかった」と、争う姿勢を見せていましたが26日、生徒側に1700万円を支払うことで和解するための議案を、来月4日に開会する市議会に提出する方針を明らかにしました。
市は、「和解がまだ成立していないので、現時点ではコメントできない」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20191126/8030005264.html
2018年9月13日9時59分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
石川県の金沢西高校1年の野球部の松平さん(当時15歳)が昨年11月、川に落ちたボールを拾おうとして転落し、死亡した事故で、金沢西署が遺族の刑事告訴を受理していたことが12日、捜査関係者への取材でわかった。
受理は8月28日付。
県警は、野球部監督らを業務上過失致死容疑で捜査しており、容疑が固まり次第、同容疑で書類送検する方針。
捜査関係者によると、告訴の対象は、同校野球部の監督と部長、副部長の3人。
県警は事故直後から捜査し、監督らが事故の危険性が予期できたにもかかわらず、対策を怠った疑いがあるとみている。
事故当時、同校は取材に対し、川に落ちたボールを拾わないよう部員に周知する指導が以前はあったが、近年は指導が形骸化していたとの認識を示していた。
事故は昨年11月5日午前、金沢市鞍月の同校裏手を流れる新大徳川で発生。
野球の練習試合中、松平さんが岸辺の柵(約70cm)を乗り越えて川に落ちたホームランボールを拾おうとした際、足を滑らせて転落した。
松平さんは意識不明の重体で病院に搬送され、2日後に死亡した。
出典
『川の球拾いで野球部員転落死、監督ら書類送検へ』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180913-OYT1T50026.html
9月13日10時19分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
事故は昨年11月5日午前10時半ごろ、同校グラウンドに隣接する新大徳川(水深約2.5m)で発生。
男子生徒は、練習試合中に外野ネット(高さ約8m)を越えて川に落ちたホームランボールを拾おうとした際、誤って川に転落。
2日後に搬送先の病院で死亡した。
父親は取材に、告訴した理由について「このままでは事故が風化してしまいそうだと感じた。息子は先輩たちをまねてボールを拾っただけ。指導者には、部員を指導監督し安全を守る責任があることを第三者に判断してほしい」と話した。
出典
『球拾いで川に転落・死亡 野球部員遺族が監督ら告訴』
https://mainichi.jp/articles/20180913/k00/00e/040/229000c
9月13日付で中日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
関係者によると、監督は2015年3月に、自身がボールを拾おうとして川へ転落。
その経験を踏まえ、松平さんが入部する以前は、ガードレールを越えて川に落ちたボールを拾わないよう、全部員に注意していた。
指導は次第におろそかになり、松平さんら当時の一年生部員には、川へ落ちたボールを無理に拾う必要がないことを知らせていなかった。
父親は、「息子が亡くなった責任をうやむやにしたくなかった。指導がどうだったか、判断してほしい」と、告訴に踏み切った思いを語った。
出典
『野球部員転落死で告訴 父親 金沢西高指導者3人を』
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2018091302100014.html
(2018年11月4日 修正1 ;追記)
2018年11月3日18時57分に読売新聞から、監督らが書類送検されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
金沢西署は2日、同校野球部の監督ら3人を業務上過失致死容疑で書類送検した。
発表などによると、書類送検されたのは、同校野球部の50歳代男性監督のほか、部長と副部長の計3人。
3人は、川に転落した際の危険性を予期できたにもかかわらず、川に落ちたボールを拾わないようにするなどの安全周知を怠った疑い。
同署は、3人の認否について明らかにしていない。
・・・・・
県は事故後、水難救命用の浮輪を配備したが、父親は「落ちた後の対策にはなっているが、転落の防止にはなっていない」と、対策の甘さも感じる。
第三者による調査を求め、事故から約1年で書類送検に至った。
「やっとスタートラインに立った。息子は勝手に死んだのではない。代弁者になってやらな」と声を振り絞った。
出典
『ボール拾おうとして川に転落死…監督ら書類送検』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181103-OYT1T50000.html?from=ycont_top_txt
11月2日22時7分にNHK石川からは、事故後にとられた再発防止策が下記趣旨でネット配信されていた。
・・・・・
事故を受けて県教委は、ことし9月、男子生徒が転落した学校前を流れる新大徳川に、およそ40m間隔で、救命用の浮き輪を7か所に設置した。
このほか、新大徳川にかかる学校近くの無量寺大橋から藤江橋にかけての、およそ2.3kmの川沿いに、県はこれまでに、川に入らないよう10基の看板を設置して注意を呼びかけていたが、今年9月には新たに11基を設置して、注意喚起を強化した。
出典
『高校球児転落死 監督ら書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20181102/3020000223.html
(2019年8月26日 修正2 ;追記)
2019年8月23日19時2分にNHK石川から、3人とも不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
転落を防ぐ安全対策を怠っていたとして、業務上過失致死の疑いで書類送検された野球部の監督ら3人について、金沢地方検察庁は22日付けで不起訴にした。
検察は不起訴の理由を明らかにしていない。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20190823/3020002563.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。