2024年11月18時37分にYAHOOニュース(高知放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11月9日の夜、高知県内約8万戸を含む四国で最大36万戸あまりの大規模な停電が発生したことを受け、四国電力送配電の関係者が11月12日に高知市で会見を開き、関西電力送配電との認識の齟齬が原因だったと発表し謝罪しました。
9日夜の高知龍馬空港の映像です。
照明が消え真っ暗になりました。
土佐清水市では、住民が懐中電灯で照らし明かりを確保している映像が。
四国電力送配電によりますと、9日午後8時22分、四国4県の広い範囲で最大36万5300戸の停電が発生し、県内では南国市や四万十市など10市町村、7万9500戸で停電になりました。
約1時間半後の午後9時49分までにすべて復旧。
県によりますと、内で停電によるけが人の報告はありませんでした。
武藤経済産業大臣は、1日の会見で四国電力送配電に対して原因究明と再発防止策を検討するよう指示したことを明らかにしました。
大規模停電を受け、12日に四国電力送配電の高知支社長などが四国4県でそれぞれ会見を開きました。
停電は送電線の復旧作業を行う中での四国電力送配電と関西電力送配電の認識の齟齬が原因だとしました。
四国エリアは、中国エリアと本四連系線、関西エリアと阿南紀北直流幹線という、合わせて4つの送電線で本州と連携しています。
9日はそれぞれ1つずつが作業中で停止していて、さらに9日午後に本四連系線の1つで事故が発生し、送電が停止したことから、四国電力送配電は作業で停止していたうちの1つの復旧に取りかかっていました。 復旧作業は関西電力送配電と連携して進める必要がありました。
しかし、作業を行う中で両社の間で認識の齟齬があり、本来は同時に停止しなければならなかった周波数を合わせる機能と電力の流れを振り替える2つの機能のうち1つのみが停止する事態となり、これにより四国エリア内の供給力が減少。
需要と供給のバランスを維持するために設置されている装置が作動して送電を自動で停止。
広範囲の停電にいたったということです。
四国電力送配電は原因についてさらに調査するとともに、再発防止策についても検討していくとしていて、今後、経済産業省に報告書を提出します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/35a2e67fc0fcea3350323428d50c573c52a4e950
11月 12日付で四国電力送配電のHPには、マニュアルではEFCとEPPSを同時停止するようになっているので、そのつもりでEFC停止とだけ依頼したところ、相手側はEFCだけを停止するものと受け取ったなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
四国エリアは本四連系線(交流:2回線、以下「本四」という)と阿南紀北直流幹線 (直流:2回線、以下「DC」という)により他エリアと連系しており、当日の状況は以下 の通りでした。
・・・
原因分析
・ 四国と関西間の給電申合書では本四の同期並列が完了した後にEPPS+EFCを同時停止する運用を定めています。
・ 今回は、本四の同期並列操作において大きく位相がずれたままで同期がとれなかったことから、 四国はDCの1回線連系が長期化することを懸念し、本四の同期並列前にEPPS+EFC を同時停止することを検討しました。
・ 四国から関西にEFCの停止を依頼(四国はEPPS+EFCを同時停止する認識)しましたが、関西はEFCのみの停止依頼と認識し、EFCのみを停止しました。
※ EFC ; 「DC」の潮流を変化させ、 四国エリア内の周波数を本州エリアに合わせる機能
EPPS ; 「本四」連系が途絶した場合、 「ECS」の信号により「本四」から「DC」に潮流を振替える機能
https://www.yonden.co.jp/nw/press/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/11/12/npr002_1.pdf
2024年12月6日17時34分にYAHOOニュース(あいテレビ)からは、報告書が経産省に提出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
四国電力送配電は6日、原因と再発防止策をまとめた報告書を関西電力送配電と連名で経済産業省に提出しました。
報告書によりますと、停電が発生した当日、四国から中国地方に向けて電気を送り出す送電線にトラブルがあり、送電を関西方面に振り替える措置が取られていました。
その後、中国方面の送電線の復旧作業を行う際、関西への送電に必要な2つの装置を停止するよう関西電力送配電に依頼しましたが、片方の装置のみ停止させたことから広範囲での停電を引き起こしたということです。
両社は「装置の操作について認識の違いがあった」と認めた上で、再発防止策として装置の操作を依頼する際にその目的と内容をより具体的に述べることや、運用者の教育改善などを申し合わせました。
また、今回の停電を受け四国電力送配電の横井社長と高畑副社長は、今月分の役員報酬の一部を自主返納するということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/72b4fa6e090839a355d9a55c02974bd2daa251e8
(ブログ者コメント)
報告書では、双方の認識の齟齬について以下のように説明されている。
4.給電連絡用語に対する認識齟齬
四国はEFCによる制御が原因と想定し、「本四EFCの停止」を関西に依頼したが、系統制御装置の操作に関して四国と関西に認識の齟齬があり、関西は本四EFCのロック (本四EFC機能のみ停止)を実施。
四国の 依頼と認識 ;
給電連絡用語で「本四EFCの停止」を依頼し、操作スイッチを押下することで、EPPS+EFCを停止する認識
関西の 操作と認識 ;
本四EFCのロック操作の依頼と認識し、 操作スイッチのロック操作を実施 (本四EFC機能のみ停止)
https://www.yonden.co.jp/nw/press/2024/__icsFiles/afieldfile/2024/12/06/npr001.pdf
2024年6月12日20時2分にYAHOOニュース(山陽放送)から下記趣旨の記事が、電柱をよじ登るヘビの写真など付きでネット配信されていた。
この時期(6月)、とある理由で停電することが多いといいます。
原因は、電線のそばで「卵を育むスズメ」。
【写真を見る】ヘビが「スズメの巣」めがけ電柱をスルスル登る?! ⇒ 感電死「6月に起こる停電」の意外な理由【画像閲覧注意】
中国電力ネットワークによりますと、【画像(1)】のように、電線のカバーにスズメが巣をつくり、卵を温めるというのです。
しかし、これだけでは停電しません。
スズメの産卵時期は2~9月。
停電は4~6月が多く、真夏にも朝晩の涼しい時間帯には発生するといいますが、どうして停電するのでしょう。
実は、スズメの巣の中にある卵を狙って、【画像(2)】のようにヘビが電柱をスルスルと登るというのです!
そして、高圧6600Vの充電部に触れて感電(漏電)し、停電してしまうというわけです。
※この記事の最後、もしくは画像ギャラリーに「感電したヘビ」の画像があります。苦手な方はご注意を。
■「ヘビが原因の停電」は年間どれくらい?
6月11日午前10時前、中国電力ネットワークのホームページには、広島市安佐南区の約2390戸が2分程度停電し、その理由は「ヘビ・鳥獣類の接触」と記載されていました。
中国電力ネットワーク岡山ネットワークセンターによりますと、担当エリア(岡山、香川の一部、兵庫の一部)でヘビが原因となる停電件数は、2023年度は22件。
年間の停電件数409件の約5%だったといいます。
ヘビが原因で停電した場合、ヘビが接触し電気が漏れた箇所には「アーク痕」という焦げた跡が残ります。
短時間(5分以内)で自動的に復旧する場合もありますが、復旧しない場合には、作業員がヘビが接触した箇所を特定して、カバーを取り付けたり絶縁テープを巻いたりする処置を行います。
その復旧にかかる時間は、ヘビを発見した時点から約1時間以内。
発見するのに時間を要する場合が多く、「停電発生から3時間以内の復旧」を目標にしているといいます。
■「ヘビが電線にのぼらないように」⇒「鳥が巣を作らないように」工夫している!
鳥が巣を作るのは、「クランプカバー(電線のカバー)」の隙間と「腕金」の穴の中です。(【画像(3)(4)】参照)
そこで、鳥が巣を作らないように、最近のクランプカバーはスリムなデザインにして、巣作りのスペースをなくしました。
また、腕金の横に開いた穴に巣作りするケースがあったため、その穴をふさぐ対策をとっています。
最近の腕金は、横の穴がもともと発砲スチロールや金属のプレートで塞がれたデザインになっているということです。
しかし、設備の数が膨大で、ヘビ対策のためだけにクランプカバーや腕金を取り替える事はできないため、停電の件数はあまり減っていません。
中国電力ネットワークの担当者は、「少しずつではありますが、巣を作ることのできない部品に入れ替えていく事によって、いつかはヘビが原因の停電事故が減るものと考えています」と話しています。
もしも、電柱や電線に鳥の巣を発見した場合には、最寄りの電力会社までご連絡を。
【閲覧注意】
感電したヘビの画像からも、電線は非常に危険だということがわかります。
「電柱に営巣している」
「樹木が高圧線に接触している」
「ツタが巻き上がり、高圧線に接触している」
「台風・強風・積雪などで倒れた樹木が電線に接触している」
といった場合は、最寄りの電力会社に連絡しましょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bda4ff9e65def6f49c2c12b61a8169987ee0027f
2024年6月11日18時56分にYAHOOニュース(CBCテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前11時40分から午後0時10分過ぎまでのおよそ30分間、豊橋市の広い範囲で停電が発生しました。
一時、信号機や駅の券売機の一部が動かなくなったほか、住宅など最大で4万7000戸余りが停電しました。
中部電力パワーグリッドは停電の原因について調査を行っていましたが、当時、市内の変電所では委託業者がケーブルを地面に敷く工事を行っていて、工事を終えた後に作業員の持っていた工具が誤って変電所の電気が流れている箇所に触れてしまったことでショートして停電につながったと発表しました。
変電所の設備に損傷はなく、運用にも支障はないということです。
【写真を見る】快晴なのに4万戸以上が停電 変電所の作業が原因だった「工具が電気設備に触れてショート」中部電力パワーグリッドが発表 愛知・豊橋市
https://news.yahoo.co.jp/articles/b83002bec24593c16916a2e41b49f4268aace6ee
2023年10月29日9時36分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県常陸太田市幡町で27日、約1時間にわたりマンホールから下水があふれるトラブルがあった。
市は、ポンプの電源設備にカエルが入り込んでショートし、下水を送れなくなったとみている。
発表によると、午前7時過ぎ、市民からの連絡を受けて職員が現場に駆けつけると、下水を送り出すポンプが停止しており、ポンプ上のマンホールから下水が道路上にあふれていた。
マンホール近くの制御盤のボックス内を確認すると、体長2センチほどのカエルの死骸を発見。
市は、カエルが入り込み、漏電防止装置が作動してポンプが停止したとみている。
前日の点検時などに侵入した可能性があるという。
付近に住宅はなく、約1時間で復旧。
市は周囲の消毒作業を行った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231028-OYT1T50168/
キーワード;小動物
2023年6月14日12時0分に産経新聞から下記趣旨の記事が、地図と当該集合箱の写真付きでネット配信されていた。
世界遺産・二条城(京都市中京区)近くの交差点で6月上旬、信号機が約50分間、赤と黄の点滅を繰り返し、警察官が手信号で交通誘導にあたる騒動があった。
信号の配線部分に入り込んでトラブルを誘発していたのは、1匹のナメクジだった。
専門家によると、ナメクジには重力に逆らって高い場所に上ったり、驚くほど狭い所に侵入したりする性質がある。
梅雨の時期に目にする機会は多く、家庭でも対策が必要だ。
【事故発生のリスク】
近畿地方に台風2号が近づいていた2日午後4時40分ごろ、京都府警交通管制センターに信号機の異常を知らせる信号が届いた。
現場は幹線道路の堀川通と御池通が交わる交差点。
ちょうど、帰宅ラッシュが始まる時間帯だった。
赤、黄、赤、黄-。
警察官が急行すると、交差点にあるすべての信号機が不可解な点滅を繰り返していた。
降りしきる雨の影響で、ただでさえ視界が悪い。
さらに、信号トラブルの影響で、複数の車が現場で立ち往生していた。
事故発生も危ぶまれたため、かっぱ姿の警察官約30人が拡声器を使い、手信号で誘導を開始。
車は少しずつ流れ出したが、周辺では約500メートルも渋滞が続いた。
交差点近くにある中京消防署の署員、岩本さん(男性、42歳)は一部始終を目撃したといい、「警察官が拡声器で交通整理を行う声が響いていた。誘導がなければ緊急車両の出動に支障をきたす可能性があった」と振り返る。
【個体を除去すると…】
信号の復旧に向けた動きも同時並行で始まった。
警察官は、業者とともに、信号機の配線が集まる「集合箱」と呼ばれる箱(縦約35センチ、横約40センチ、高さ約110センチ)を開け、不具合の原因を調べた。
集合箱内にある復旧ボタンを押すと、一時的に正常にはなったが、すぐに点滅状態に。
「何が原因なのか」。
作業にあたった担当者が箱の中にある配線部分をよく見ると、1匹のナメクジがいた。
信号を制御する配線部分にのっぺりと居座っていたナメクジ。
配線から個体を取り除き、再び復旧ボタンを押すと、信号機は何事もなかったかのように復活した。
異常を告げる一報から、約50分が過ぎていた。
【2ミリ四方でも入り込む】
「ナメクジは暗い場所を好むほか、『重力走性』という(重力に逆らって)上に登ろうとする性質がある」。
ナメクジの生態に詳しい福岡女子大の松尾亮太教授(分子神経生物学)が解説する。
集合箱は周囲に生け垣がある土の上にあった。
こうした状況から、ナメクジは地中にある電気配線などが入ったパイプをつたって、集合箱の隙間に侵入したとみられている。
なぜ配線に影響が出たのか。
松尾氏は「粘液に覆われたナメクジの体は電気をよく通す。集合箱の中でショートを引き起こしていた可能性も否定できない」と示唆する。
過去にも同様のトラブルがあった。
北九州市のJR路線では令和元年5月、線路の近くにある電力設備にナメクジが入り込み、機器がショート。
この影響で停電が発生し、電車が運休している。
府警は今回の不具合を受け、パイプと集合箱が接合する部分にあった隙間を補修材でふさぐ再発防止策を取った。
松尾氏は「ナメクジは小さい個体であれば2ミリ四方の隙間に入り込むこともある。(対策には)隙間を完全になくすしかない」と述べた。
https://www.sankei.com/article/20230614-YLFCO36K7VLEBCGE3OCXDIOJWM/
(ブログ者コメント)
北九州市のナメクジ事例については、本ブログでも紹介スミ。
2022年12月24日11時57分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日大雪の影響で北海道紋別市を中心に発生した大規模停電は、解消に向かっています。
(高橋記者報告)
「紋別市では、今からおよそ2時間ほど前に停電が解消されました。
こちらの交差点も信号機、ついています。
そして近くのガソリンスタンドも室内、明かりがついているのが確認できます。」
北海道電力によりますと、移動用発電車を使うなどして、停電を解消できたということです。
ただ、厳しい寒さのなかでのおよそ18時間にわたる停電だったため、市民からは不安の声も多く聞かれました。
紋別市では大雪の影響で、23日午後3時半ごろにおよそ1万3000戸で停電となりました。
この停電で避難所では昨夜、暖房の前で毛布にくるまって休んでいる人の姿も見られました。
北海道電力によりますと、原因は23日の大雪の影響で紋別市内にある鉄塔1基が倒壊したことで、紋別市周辺で一時、最大およそ2万4000戸が停電しました。
停電は解消してきてはいますが、全面復旧にはまだ時間が掛かりそうで、現在もオホーツク地方でおよそ1400戸が停電となっています。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000281101.html
12月25日6時1分にYAHOOニュース(北海道新聞)からは、過去事例対応として着雪を減らす器具を51基の鉄塔に設置したが、今回の鉄塔は過去に事故がなかったこともあり対象外だったなど、下記趣旨の記事が倒壊した鉄塔の写真と送電線系統図付きでネット配信されていた。
オホーツク管内を中心に最大約2万6千戸が停電したのは、送電線を支える紋別市内の鉄塔1基が暴風雪で倒壊したためだ。
道内の送電用鉄塔が暴風雪に伴い倒壊するのは、2012年11月の登別市以来。
北海道電力は13年に道内51基で、送電線のねじれを防ぎ、着雪を減らす効果のある器具を設置したが、今回倒れた鉄塔は、過去に着雪による事故がなかったこともあり、対象外だった。
倒壊原因について、鉄塔や送電線に付着した雪や強い風の影響があったとみて調べている。
倒壊した高さ22メートルの鉄塔は1970年12月に建設。
オホーツク紋別空港から西に約2キロの山林にあり、紋別市やオホーツク管内興部町、湧別町、雄武町、遠軽町の1市4町に電気を供給する送電線を支えていた。
北電によると、鉄塔は風速40メートルに耐えられる設計で、暴風雪対策として電線への着雪を低減する「難着雪リング」を設置していた。
北電は、登別市で12年に発生した鉄塔倒壊の検証で、鉄塔をつなぐ電線間の着雪量がアンバランスになったところに、平均風速20メートル以上の強風が吹き付け、設計強度を超える荷重がかかったためと結論付けた。
これを受け、13年には送電線のねじれを防ぎ着雪を減らす効果がある器具「ねじれ防止ダンパ」を道内の鉄塔に設置した。
ただ、送電線に付着する雪の重さのバランスを保つため、1基の鉄塔から別方向に延びる2本の送電線のうち、1カ所だけ既に設置されている場所が対象で、着雪による事故もなかった今回の紋別市の鉄塔は対象外だった。
鉄塔倒壊を防げなかった今回は、事実上、想定外だったと言える。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b2ee5bb2f90ac1bb35b182f85bc3b115be06d8f
2022年12月22日4時0分にYAHOOニュース(気象予報士の寄稿文?)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【強い寒気南下と停電】
令和4年(2022年)12月18日(日)から19日(月)にかけて、日本付近は強い寒気が南下し、冬型の気圧配置が強まって、北日本から西日本の日本海側を中心に暴風雪や大雪になりました。
・・・
新潟県柏崎市を通る国道8号線では、一時22キロの大渋滞をし、自衛隊が出動する事態となりました。
また、東北6県と新潟県で営業をしている東北電力によると、1万5500戸(19日21時現在)も停電しています。
約700戸が停電していた柏崎市では、暖をとろうとして自宅前に止めた軽自動車内にいた女性が一酸化炭素中毒で亡くなっています。
柏崎署は、車のマフラーが雪で埋まり、排ガスが車内に流入したとみています。
【暴風雪や湿った雪による大規模な停電】
今から17年前の平成17年(2005年)12月22日、新潟県下越地方は、暴風雪による塩風害とギャロッピング現象で65万戸が停電するという、「新潟大停電」が発生しています。
停電が発生したのは、22日8時10分頃で、新潟市の大半は22日中に復旧しましたが、県北部で復旧したのは31時間後の23日15時10分頃でした。
・・・
新潟大停電の日は、三陸沖で低気圧が発達し、西高東低の強い冬型の気圧配置となって強い寒気が南下していました(図2)。
この日の新潟市秋葉区の新津にあるアメダス観測によると、朝から昼前は、着雪適温帯の気温で断続的に雪が降り、風速は10メートル前後と強く、風向は西南西から西北西というほぼ西風(海よりの風)が継続していました(図3)。
このため、海上から塩分粒子を含んだ雪が吹き付け、電源装置に付着して停電させるという塩風害が発生したのですが、これに加えて、ギャロッピング現象が発生し、大規模な停電につながりました。
ギャロップ現象の語源となっているギャロップ(gallop)は、襲歩(しゅうほ))ともいわれ、全速力で走る際の馬の走法のことです。
ギャロップにおいては、3本以上の肢が接地している時期がなく、4本いずれもが接地していない時期がありますが、このように躍動する馬のように、電線が上下動するのがギャロッピング現象です(タイトル画像参照)。
ギャロッピング現象は、気温が着雪適温帯と呼ばれる0度から2度の範囲にあり、風速が5メートル以上の風が吹き、加えて、風向がほぼ一定の時に発生します。
これらの条件が揃うと、電線には翼のような氷が付着し、揚力によって電線が大きく上下動して接触し、ショート(短絡)するからです(図4)。
新潟大停電の時は、まさにギャロッピング現象が発生しやすい気象状態でした。
【クリスマス寒波に警戒】
寒気と寒波の違いは、どの程度長く気温の低下が続くかにあります。
気象庁が用いている気温の用語のうち、「寒」がつく用語は10あります(表)。
これによると、寒気は一時的なもの、寒波は長く続くものを指します。
寒波になると、継続して積雪や凍結が進み、事故の危険性や交通機関の乱れ、水道管凍結などの日常生活に支障をきたす可能性が高くなりますことから、気象庁では定義を決め、使い分けているのです。
・・・
新潟大停電以降も、暴風雪や湿った雪による大規模停電が少なくありません。
【最近の暴風雪や湿った雪による最近の大規模停電】
令和3年(2021年) 1月 秋田市や新潟市で暴風雪による倒木や飛来物による電線切断で15万4000戸の停電
平成27年(2015年) 3月 長野市や松本市などで南岸低気圧による雪のギャロップ現象で38万戸の停電
平成24年(2012年)11月 北海道室蘭市で雪の重みで鉄塔が倒れ5万6000戸の停電
平成17年(2005年)12月 新潟大停電で65万戸の停電
私たちの生活は電気に支えられており、停電となると、水道も使えなくなるなど、電気とは関係なさそうなものまで影響が及びます。
大雪が降ると予想されている時には、雪対策だけでなく、電気対策にも十分な警戒が必要です。
図1の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2、図5、表の出典:気象庁ホームページ。
図4の出典:筆者作成。
図3の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20221222-00326257
2022年10月11日18時52分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日夜9時からおよそ1時間半にわたって、仙台市太白区の八木山や萩ケ丘などの地区のあわせておよそ1500戸が停電しました。
NHKが撮影した映像では、地区一帯の明かりがついたり消えたりを繰り返していました。
これについて、東北電力ネットワークは、仙台市太白区向山4丁目にある電柱に取り付けられている電流のスイッチがトラブルを起こしたことが原因だと発表しました。
スイッチは電柱の12メートルほどの高さに設置してあり、地区にある6つのうち、1つのスイッチが入ったり切れたりの動作を繰り返したということです。
東北電力ネットワークによりますと、原因はシステムの構造上、外部からの不正なアクセスによるサイバーテロなどによるものではなく、スイッチの基盤にある回路の接触不良などが考えられるとしていますが、これまで経験したことがないトラブルだということで、引き続き、調査を進めています。
また、東北電力ネットワークによりますと、今回の停電によって、工場や個人の電気製品などが故障したなどという被害は寄せられていないということです。
東北電力ネットワークは「停電が発生した地域のお客さまには、ご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。不具合の原因について、さらに調査したい」とコメントしています。
【撮影した学生「ホラー現象を見ているよう」】
10日夜9時15分ごろに仙台市太白区八木山緑町の大学の学生寮の屋上から撮影された映像では、住宅の明かりや街灯、マンションの部屋の明かりが一斉に等間隔で点滅しているのが確認できます。
撮影した男子大学生は、「部屋にいたら突然、電灯がチカチカしだしたので、寿命なのかなと思っていたら寮の廊下の電灯もチカチカしていた。仲間と一緒に屋上に上がったら近所一帯が同じようになっていて、ホラー現象を見ているようだった。気分が悪くなりそうだったのでブレーカーを落としたが、電化製品などに異常はなかった」と話していました。
【khb東日本放送 2度にわたり放送できず】
10日夜の停電の影響で、khb東日本放送は、午後9時半ごろと、午後9時37分から51分ごろにかけて、2度にわたって放送ができなくなりました。
これについて、khb東日本放送はNHKの取材に対し、「なんらかの理由でバックアップ機能が働かなかったとみられるが、詳しい原因は調査中です」と話しています。
そのうえで「視聴者の皆様には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。放送継続のために十分な備えを図り、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20221011/6000021244.html
10月11日16時1分にYAHOOニュース(ミヤギテレビ)からは、異常現象は1時間半続いた、工事などの際に一時的に送電をストップする設備の不具合だったなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
10日夜仙台市で、およそ1500戸が停電し、周辺では1時間半にわたって電気がついたり消えたりする状況が続いた。
原因は送電を管理する電柱上のスイッチだった。
不規則に点滅する室内の照明。
こちらは10日夜視聴者が撮影した映像。
東北電力ネットワークによると、10日午後9時過ぎ、太白区八木山付近の住民などから「電気が点滅している」との連絡が相次いだ。
付近では1時間半にわたって1537戸で照明などが点滅する停電が発生した。
信号機が点滅するなどの影響もあり、警察が警戒にあたった。
付近の住民:
「ずっとそこら辺の電気がパチパチついたり光ったりしていて、心霊現象みたいな。びっくりしました」
東北電力ネットワークによると、工事や事故の際に、一時的に送電をストップする周辺の電柱上のスイッチで、オンとオフを繰り返す不具合があったとのこと。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff2b7eb0d533a0cb2a466d6eaa28663cac032360
(2022年11月19日 修正1;追記)
2022年11月16日20時19分にNHK宮城からは、28年前に設置したスイッチのゴムパッキンが劣化し雨水が入ったことが原因、同型スイッチ125台は雨水が入らないタイプのものに交換するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
先月10日、仙台市太白区のおよそ1500戸で、午後9時ごろから1時間半にわたって、電気が3秒ほどの周期でついたり消えたりする停電のトラブルが起きました。
これについて、東北電力ネットワークが調査を進めた結果、電柱に取り付けられた機器に雨水が入り、ショートしたことが原因だと分かったということです。
この機器は28年前に設置された、電気を電線に流すかどうかを切り替える「スイッチ」で、雨水を防ぐためのゴムのパッキンが劣化していたということです。
こうした構造の「スイッチ」は東北6県と新潟県にあわせて125台あることから、東北電力ネットワークは、来年3月末までに、雨水が入らない別のタイプと交換するとしています。
東北電力ネットワークは「ご心配とご迷惑をおかけし深くおわび申し上げます。再発防止策を確実に実施し、設備の保守管理に万全を期していきます」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20221116/6000021618.html
2022年8月23日19時1分に読売新聞から下記趣旨の記事が、針金ハンガーで作られた巣などの写真付きでネット配信されていた。
電柱に作られたカラスの巣が原因で起きる停電が、群馬県内で増えている。
東京電力パワーグリッド群馬総支社によると、県内の停電件数は毎年度1桁で推移してきたが、今年度は7月末時点で13件発生し、停電した建物も5月末時点で8659軒と、昨年度の2倍超となった。
専門家は要因として、コロナ禍での外出自粛による家庭ゴミの増加で、カラスの数が増えた可能性を指摘する。
カラスは2~4月に巣を作り、ヒナが巣立ちする夏頃まで巣で活動する。
木や電柱の上に巣を作る習性があり、材料の金属製ハンガーなどが高圧の電線に接触すると、漏電や停電を引き起こす恐れがある。
木の枝で作られた巣でも、雨で水分が含まれると電気を通すため、同様の現象が起こりうる。
同総支社によると、今年4~5月は、カラスの巣が原因の停電が全体の停電件数の半数ほどを占めた。
5月22日にはみどり市で、巣のハンガー部分が高圧の電線に触れて漏電し、午後10時過ぎから約1時間半にわたり536軒が停電した。
日本獣医生命科学大の羽山伸一教授(61)は、停電が急増した要因として、「コロナ禍でテイクアウトなどが広がったことで家庭ゴミが増え、それを餌にする成鳥が増えた可能性がある」と指摘する。
同総支社は巣の撤去に追われており、今年度は5月末までに150件超を撤去した。
撤去作業には高所作業車を使う。
高さ10メートル付近の電柱に作られた巣に作業員が近づき、感電しないように棒状の器具で枝やハンガーを何度もつまんで巣を崩していく。
ただ、カラスは巣を撤去されても、同じ場所に再び作る傾向があるといい、同総支社の室橋グループマネジャー(51)は、「地道に撤去を続けるしかない」と言う。
再び巣を作ることを防ぐため、巣の撤去後、とげの付いた鳥よけなどを設置する場合もある。
カラスは民家のベランダからハンガーを運び出すことが多いといい、室橋さんは「ハンガーを置きっ放しにしないようにしてもらえるとありがたい。できれば金属製より、木製のものを使用してほしい」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220823-OYT1T50112/
2022年8月19日21時10分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午前10時すぎ、横浜市泉区緑園で周辺の住民から「爆発音がして煙があがっている」といった通報が警察や消防に複数、寄せられました。
けが人などの情報は入っていないということです。
東京電力などによりますと、19日午前10時すぎに付近の送電線で不具合を感知し、すぐそばの樹木に焦げたような跡があるのが見つかったということです。
東京電力では、当初、伸びた樹木と送電線が近づいて火花が生じるなどする「スパーク」と呼ばれる現象が起きた可能性があるとしていましたが、これまでの調査で、焦げた樹木の近くにあった送電線の一部にも焦げた跡が確認できたことから、送電線が樹木に近づいて漏電が発生したとみています。
また、爆発音は、電流が木を通じて地面に流れた際に発生した可能性があるとしています。
東京電力は今後、設備周辺の樹木を伐採する予定だということです。
現場は、相模鉄道いずみ野線の緑園都市駅から南に800メートルから1キロほどの住宅などが建ち並ぶところで、近くの林には送電線とみられる複数の鉄塔がたっています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20220819/1050017625.html
8月19日17時52分にNHK神奈川からは、近所の人たちが感じた様子が、下記趣旨でネット配信されていた。
近くの高齢者施設の職員はNHKの電話取材に対し、「10時すぎに車で走っていた時に、花火のようなドーンという音がした。原因はわからなかったがかなり大きさだった。若干施設の窓が揺れたという人もいました」と話していました。
横浜市泉区の現場の近くにある横浜緑園高校の副校長は、「グラウンドでソフトボールをしていた生徒から『学校の北西方向で爆発音が2回し、火柱が立った』と聞いた」と話していました。
近くに住む40代の女性は、「爆発音が2回聞こえて、木と木の間に白や茶色の煙が上がりました」と話していました。
近くに住む80代の男性は、「畑で作業をしていると、シャーというホースで勢いよく水をまいたような音が1分ほど続いたあと、爆発音が30秒くらい間隔をあけて3回ほど聞こえた」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20220819/1050017622.html
8月19日11時27分に神奈川新聞からは、送電線の電圧は27万5千ボルトだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力パワーグリッドの神奈川総支社によると、同日午前10時5分ごろ、送電線の異常を感知。
現場で確認した結果、送電線と樹木の一部が焦げていた。
現場の送電線は27万5千ボルトの超高圧設備で、直接触れなくても漏電が起きる可能性がある。
市消防局も、表面の皮や枝が裂け、一部が焦げたように黒くなっている木を確認したという。
https://www.kanaloco.jp/news/social/case/article-931708.html
2022年6月9日12時16分にYAHOOニュース(広島テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県は、三川ダムの小水力発電施設で事故が発生し、一部住宅の電気機器が破損していたことを明らかにした。
事故が起きたのは、世羅町伊尾の三川ダムの小水力発電施設だ。
県によると5月19日、世羅町一帯が停電した際、送電を自動で停止する機能が作動せず、周辺の60戸に、本来、家庭用には送電されない異常な周波数の電気が流れ続けた。
これにより、21の住宅でエアコンや冷蔵庫などの家電製品が破損したという。
去年12月、発電施設の保守点検で業者が設備の復元作業をし忘れたことが原因としており、県は被害世帯に事故を謝罪し、破損した家電製品の賠償についての説明会を今月中に実施するとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d423eb2942641efefc35944182aaf80cdd40b52
6月9日15時55分に読売新聞からは、業者が点検の際に止めた装置を復旧し忘れていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県は8日、世羅町にある県設置の「三川ダム」の小水力発電所で不安定な送電があり、周辺の住宅で家電製品などが破損する被害が生じたと発表した。
発表では、5月19日午後2時55分頃、世羅町一帯で停電が発生。
停電の際、安全のために同ダムの発電設備は自動停止するはずだったが、約2時間にわたって送電が続いた。
昨年12月に委託業者が点検の際に止めた自動停止装置の復旧を忘れていたことが原因で、過電流などによって、少なくとも21戸で電気設備や家電製品が破損した。
県は住民向けの説明会を開くなどして被害額を算定し、弁償することにしており、業者への賠償請求は今後検討するという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220609-OYT1T50116/
6月8日に県からは、ダム操作コンピューターなども損傷し、一時、操作不能となっていたなど、下記趣旨の説明文がネット配信されていた。
・・・
2 現状・背景
三川ダムの小水力発電は,接続する送電線が停電した際に送電(運転)を自動で停止する機能 が設定されている。
しかし,今回,その機能が作動しなかったため不安定電気が流れ続け,周辺 の家屋の電気機器が破損するなどの被害が発生した。
また,ダムの操作に係るコンピューターや 機器類の損傷が発生し,一時的に操作不能となった。
3 概要
・・・
(3)発生要因
小水力発電施設に係る保守点検業務の受託者(I工業(株))は,令和3年 12 月に点検を行った。
しかし,点検作業を終了した後に,設備(停電が発生した際に小水力発電を停止するための設備)の復元作業を失念していたことが起因となり,この度の事故が発生した。
なお, 詳細な事故報告書は,現在,施設の電気主任技術者(受託者:中国電気保安協会)が策定中で ある。
・・・
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/487911.pdf
2022年5月17日20時52分に読売新聞から下記趣旨の記事が、埋設送電線の写真付きでネット配信されていた。
13日夜に神奈川県内の約7万戸で発生した停電について、川崎市は17日、市が発注した水道管工事の作業ミスで東京電力の送電線を損傷させたことが原因だったと発表した。
市によると、停電が起きた13日午後10時半頃、同市麻生区の市道で、工事を請け負った土木建設業者が地盤固めの薬剤を注入するため、直径約4センチのパイプを地下約4メートルまで垂直に通した。
この時に誤って埋設管に穴を開けてしまい、中を通る送電線が損傷して停電が発生した。
業者は工事前、市から送電線の位置を確認するよう求められていたが、怠っていたという。
市上下水道局は業者の処分を検討しているが、担当者は「市側のチェックも十分ではなかった。管理体制を強化する」としている。
横浜市や川崎市を中心に発生した停電は、14日午前5時過ぎに全面復旧。
小田急線の一部区間で一時運転を見合わせるなどし、帰宅途中の乗客ら約1万9000人に影響が出た。
福田紀彦市長は、「市発注工事で多くの皆さまにご迷惑をかけ、深くおわびする。再発防止に努める」とコメントした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220517-OYT1T50208/
5月17日20時27分にNHK首都圏からは、ルールでは地下埋設物の所有者の指示を仰ぐようになっていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は工事に関する契約の中で、現場周辺に埋設物がある場合は所有者の指示を仰ぐことを義務づけていますが、今回、工事を担当した業者は東京電力と十分な協議を行っていなかったということです。
これについて川崎市は「ご迷惑をおかけしたことを、深くおわびします。受注者への指導と監督業務を担う職員への研修を徹底し、再発防止に努めます」としています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220517/1000079985.html
2021年11月22日19時23分にYAHOOニュース(ABCテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月22日、大阪市此花区で約3200軒の停電が発生し、USJではジェットコースターが地上35メートルの地点で緊急停止しました。
関西電力送配電は、鉄塔の修繕工事のために一部の送電線を停止した際に、何らかの理由で変電所の大規模停電を防ぐ装置が作動し、此花区内で小規模な停電が起きたと説明していました。
その後、原因究明を進めたところ、送電を停止した瞬間に残る電圧が想定より大きく、大規模停電防止装置が作動してしまったことがわかったということです。
関西電力送配電は、今後、同様の工事の際には停電防止装置の機能をストップさせた上で作業に当たることで、再発防止に努めたいとしています。
なお、停電防止装置は送電線1系統ごとに設置されているため、1つの機能を止めても大規模停電時には他の装置が作動するため、問題はないということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/27a6c7b5e17fa4768c70dba5c75b30463e4d94ad
※2021年11月22日付で関電送配電社HPには、周波数低下リレーが動作したなど、下記趣旨のプレスリリースが掲載されていた。
・・・
今回の停電は、鉄塔の修繕工事(塗装作業等)をするため、停電箇所とは別の送電線を停止した際に、酉島変電所(大阪市此花区)に設置している周波数低下リレー※2が動作し、酉島変電所からの送電を停止したものです。
※2:発電機の保護や電力系統の安定化の為に、周波数低下および電圧の有無を検出し自動的に発電設備やお客さまを電力系統から切り離す(送電停止する)装置のこと。
今回のような送電停止作業の際には、送電線にかかる電圧がなくなるまでの間に「周波数低下リレーが動作する水準(以下、「動作水準」)の残留電圧」が発生する可能性があることは認識していましたが、3相※3すべてにおいて発生することはないものと考えていました。
そのため、送電停止時に3相のうち、いずれかに動作水準の残留電圧が発生したとしても、その他の相の電圧が動作水準以下となれば、周波数低下リレーが動作しない仕組みを設けていました。
しかしながら、今回、データ解析により分析を行ったところ、線路が電力系統から切り離され、送電が停止されるタイミングによっては、3相すべてにおいて動作水準の残留電圧が発生することが確認され、今回の停電においても同様の事象が発生したことから、周波数低下リレーが動作したものと考えています。
※3:3つの電線で電気を送る方法。
再発防止対策として、今後、同様の作業を行う際には、残留電圧により周波数低下リレーが動作する可能性があることを考慮し、周波数低下リレーの機能を停止したうえで送電線の停止操作を行うことといたします。
https://www.kansai-td.co.jp/corporate/press-release/2021/1122_1j.html
2020年11月21日5時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県立宮崎病院(宮崎市)で2日に院内が8時間あまり停電したことについて、同病院は20日、屋外の配電線と病院構内をつなぐ引き込み線を覆っている部分が一部破れ、雨水が入って漏電したことが原因とみられると発表した。
停電発生後、職員が非常用発電装置に手動で切り替える作業を失念したことで、手術室などへの停電につながったことも明らかにした。
同病院によると、停電は2日午後1時15分頃に発生し、同9時40分頃に復旧した。
この間、外来の受け入れを取りやめたほか、調理などができなくなり、入院患者には非常食を出した。
手術室への電力供給も止まり、2件の手術を中断し、後日、改めて手術した。
同病院では停電が起きた際、バッテリー式の電源装置が作動し、手術室などへの電力供給が続けられる。
その後、より安定して電力が供給できる非常用発電装置に自動で切り替わるが、この日は何らかの理由で切り替わらなかった。
こうした場合、職員らが手動で切り替える手はずになっていたが、当日はそれを行わなかった。
同病院は「手動で切り替えていれば、手術室などの電源喪失は防げた」としており、切り替えが行われない際は警報で通知されるようシステムを改良したという。
https://www.yomiuri.co.jp/local/miyazaki/news/20201120-OYTNT50051/
11月20日18時18分にNHK宮崎からは、屋外の電線のカバーに1cmほどの亀裂が入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県立宮崎病院で今月起きた大規模な停電は、屋外の電線のカバーが破れ、そこに雨水が侵入したことによる漏電が原因とみられることがわかりました。
停電は今月2日に発生し、およそ7時間にわたって続きました。
救急患者の受け入れが丸一日できなくなったほか、手術の中断などの影響が出ました。
病院が原因を調べたところ、電気を病院に引き込む屋外の電線のカバーに、長さ1センチほどの亀裂があるのが見つかり、この部分から雨水が入り込んで漏電が起きた可能性が高いことがわかりました。
亀裂が生じた原因は、わからないということです。
また、本来は自動で行われるはずだった非常用発電機への切り替えがうまくいかず、一時、手術室や集中治療室で電気が全く使えない状態になっていたことも分かりました。
切り替えができなかった原因はまだ分かっていないということで、病院では調査を続けるとともに、同じ事態が起きたら警報が鳴るようにするなど監視態勢を強化したということです。
会見した県立宮崎病院の菊池院長は、「患者や、負担をかけた地域の医療機関に心よりおわびします」と陳謝しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20201120/5060007905.html
2019年10月31日11時48分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午前6時半ごろ、京急線の横浜-弘明寺間で停電が発生した。
京浜急行電鉄によると、南太田変電所(横浜市南区)の装置内にヤモリが入り込み、電気の流れている端子と接触してショートしたのが原因。
横浜-上大岡間の上下線で約2時間にわたって運転を見合わせ、約7万5千人に影響した。
変電所の装置は縦約3メートル、横約2・5メートル、奥行き約2メートルの金属製の箱形で、屋外に設置されている。
中で焼け焦げたヤモリ1匹の死骸が見つかった。
同社は隙間から入ったとみて、調べている。
同社の広報担当者は「ヤモリによる停電は珍しい」と話している。
https://www.sankei.com/affairs/news/191031/afr1910310018-n1.html
キーワード;小動物
2019年10月28日21時51分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日午前4時25分ごろ、岡山市北区にあるJR西日本の博多総合車両所岡山支所で配電盤がショートし、約2時間停電した。
ネズミの侵入が原因とみられる。
支所は新幹線の車両基地で、停電のため岡山駅までの架線に電気が通らず、車両が動けない状態になった。
岡山発の山陽新幹線の上下3本が最大で27分遅れ、約600人に影響が出た。
JR西の担当者は「鳥が架線に衝突する事例はあるが、ネズミが原因の停電は珍しい。配電盤は簡単に入れる状態ではなく、どこから侵入したか分からない」と話した。
JR西によると、配電盤は電力制御の機器がある建屋にあり、ふたは閉じられていた。
運行を管理する指令所で停電を感知し、係員が配電盤の近くでネズミの死骸を見つけた。
https://www.sankei.com/affairs/news/191028/afr1910280040-n1.html
キーワード;小動物
2019年9月28日5時0分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年9月の胆振東部地震で道内全域が停電した「ブラックアウト」を受け、自動車を非常時の「電源」として活用する停電対策が注目を集めている。
道内の自治体では、大容量のバッテリーを備えるハイブリッド車(HV)を公用車に導入したり、災害時にHVや電気自動車(EV)を提供してもらう災害協定を自動車メーカーと結ぶ動きも出てきた。
家庭でも自家用車を電源として活用することは可能だが、事前準備や使用時に注意すべき点がある。
停電対策に詳しいコンサルティング会社「あかりみらい」(札幌市北区)の越智社長(61)に聞いた。
――自動車を非常用電源にする停電対策に注目が集まったきっかけは。
昨年9月の全道のブラックアウトで、コンビニ道内最大手のセコマ(札幌)が、自動車から電源を取って営業を続けたことで注目を集めるようになりました。
セコマは、自動車から電気を取るための機器を各店に配備していたほか、レジを動かすためのマニュアルも整備しており、消費者から『神対応』と呼ばれる営業につながりました。
――札幌市が今月、自動車メーカーらと災害時に避難所向けにHVなどを貸し出してもらう協定を締結するなど、道内の各自治体も注目し始めています。
小樽市は8月末の防災訓練で、車から避難所の電気を取るプログラムを実施しました。
道も、10月に開かれる総合防災訓練で、同じようにHVなどから避難所に電気を引くプログラムを行う予定です。
ただ、こうした動きは、まだ一般的になっているとは言えません。
9月上旬の台風15号では千葉県を中心に長期間、停電が続いたことで、冷房が使えずに熱中症での搬送が相次ぎました。
避難所や各家庭で車から電源が取れれば、発症が抑えられた可能性があります。
行政による『公助』だけではなく、『自助』として家庭で車から電気を取る停電対策を進めるべきです。
――家庭で自家用車を電源として活用する際、どのような準備が必要ですか。
まず注意が必要なのは、車種によって使用できる電力が違います。
一般的にガソリン車やHVは100~150ワット程度が上限で、これを超えると車や家電が故障したり、安全装置が働いて電気が使えなくなることがあります。
最近のHVなどでは、1500ワット程度まで取れるものも出てきています。
車に付属しているマニュアルを読んだり、メーカーに確認して、事前に使用できる電力を把握してください。
――事前に購入しておくものはありますか。
家庭用のコンセントが付いていないガソリン車や一部のHVなどから電気を取る場合、車で使用している電圧を家電で使用できる100ボルトに変換する『インバーター』が必要になります。
車のシガーソケットに挿して使うもので、カー用品店などで数千円で手に入ります。
自家用車に常備しておけば、災害時にすぐに使えるほか、キャンプなどのアウトドアでも活用できます。
また、車から家の中に電気を引きこむ時も注意が必要。
短い延長コードを何本かつないで電気を引くと、雨でぬれて漏電したり、窓やドアに挟まって断線したり、コードで使用できる電力を超えて熱を持つ危険性があり、最悪の場合、発火することもあります。
数千円で購入できるドラムに巻き取る形のものなど、電線が太くて長い延長コードを準備してください。
弊社が開発した、より安全性が高いものとして、使用できる電力の上限を超えると自動的に電気を遮断するブレーカー付きの延長コードもあります。
――車から電気を引いて家電をつなぐ場合の注意点はありますか。
先ほども言いましたが、車種によって使用できる電力に上限があります。
事前準備を終えたら、車や機器の使い方や、一度に使用できる家電の数を確認するため、実際に家にある家電をつなぐ練習をしてみてください。
家電にはそれぞれ消費電力=表=があります。
合計がそれぞれの車の上限の100ワットや1500ワット以内になるように計算してつなぎましょう。
特に暖房機器は多くの電力を消費するので注意が必要です。
各家電の説明書に消費電力が書かれていますが、起動時により多くの電力を消費する場合もあるので、練習で使用可能な電力の上限を超えて、車を故障させないように注意してください。
――その他の注意点はありますか。
車から電気を取る際、エンジンを付けたままにする必要があります。
車庫のように密閉された場所では、排ガスがたまって一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。
風通しの良い場所か外に車を置くようにしてください。
ガソリンがあれば、半永久的に電気を供給できますが、災害時はガソリンが手に入りにくくなることが予想されます。
普段からガソリンタンクが半分以下になったら給油するなど、空にならないよう心がけてください。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/349155/
2019年9月2日12時24分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
四国電力によると、2日午前4時半頃、三豊市、観音寺市、多度津町のあわせて2万400戸でおよそ2分間、停電したという。
四国電力が調べたところ、三豊市にある変電所の設備に鳥のふんが付着したことで一時的に送電ができなくなったことが原因だという。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20190902/8030004580.html
(ブログ者コメント)
ちょっと考え難いが、1羽の鳥のフンの落ちどころが悪かった?
それとも、全国的に問題になっているムクドリなどの鳥の群から大量放出?
それとも、徐々にフンが溜まってきていて、ついに・・・?
キーワード;小動物
2019年7月12日3時1分に大分合同新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分大(大分市旦野原)の大規模停電で、同大は11日、「ケーブルの不具合による漏電が原因」との見方を明らかにした。
午後11時半現在、復旧のめどは立っておらず、12日の授業を実施するかどうかは決まっていない。
11日に周辺の約5000世帯で起きた一時的な停電も、同大の停電が影響したとみられる。
県庁で会見した桑田理事は、「皆さまに迷惑を掛け、おわびする。原因究明を進め、早期復旧に努めたい」と話した。
同大によると、11日午前7時半ごろ、学生寮を除く旦野原キャンパスの全施設が一斉に停電した。
九州電力の送電線から電気を引き込む高圧ケーブル(長さ約600m)の一部が不具合で漏電し、安全装置が作動した可能性が高いという。
ケーブルは2008年3月に設置。
年1回、点検をしていた。
今年5月の点検で「漏電の疑いがある」と指摘され、今月21日に接続部分の交換作業を予定していた。
同キャンパスは照明やエアコンが使えず、2限目以降を休講にした。
理工学部は、研究に使う薬品や細胞片を保冷する設備があるため、仮設の電源装置を運び込んで対応。
「影響はなかった」という。
学生や教職員が熱中症になるなどの被害は確認されていない。
同キャンパスの停電から約1時間45分後には、近くの鴛野、旦野原、宮崎などの4936世帯が数分間停電。
信号も一部消えた。
同大施設企画課は、「ほぼ同時刻に(学内で)電気を再び入れるための設備を操作していた。関連性が高いとみて調べている」と説明した。
授業の再開は、復旧のめどが決まり次第、メールやツイッターなどで学生に知らせる。
医学部などがある挾間キャンパス(由布市挾間町医大ケ丘)に影響はなく、12日も通常通り授業を実施する。
出典
『「ケーブル漏電が原因」 周辺5千世帯にも影響か 大分大停電』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/07/12/JD0058266889
7月11日19時52分にFNN PRIME(テレビ大分)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前11時前、大分大学の旦野原キャンパスにある生協は灯りが消え、店内は暗くなっていた。
九州電力によると、11日午前9時過ぎに、大分市の旦野原や寒田地区などのおよそ5000世帯で停電が発生した。
九電によると、3分後に復旧したということだが、大分大学では午後6時現在も停電が続いている。
11日は授業が休講となったほか、生協やコンビニが営業を取りやめた。
大学によると、大学の停電は午前7時半ごろに発生し、敷地外から電力を引き込むためのケーブルが漏電したことが原因と見られるという。
また、大学が作業を行い、午前9時過ぎに電力を復旧させようとしたところ、周辺の地域の停電が発生したという。
大学の復旧の見込みは立っておらず、12日に授業を再開するかどうかについても未定だという。
出典
『大分大学で停電続く 復旧のめど立たず 大分・大分市』
https://www.fnn.jp/posts/1207TOS
7月12日15時30分に大分合同新聞からは、仮復旧したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分大の大規模停電は、発生から約18時間後の12日午前1時20分に解消した。
不具合のあったケーブルの一部を取り換える仮復旧作業が完了した。
旦野原キャンパスは平常通り授業を再開した。
同大によると、九州電力の送電線から電気を引き込む高圧ケーブル(約600m)のうち、300mを取り換えた。
年度内をめどに、全てのケーブルを交換する本格工事をする予定。
同大の担当者は、「現段階で、停電による人的、物的な被害は確認されていない。根本的な原因はまだ分かっていないが、無事に復旧して良かった」と話した。
周辺の約5000世帯で起きた一時的な停電については、九州電力などと連携し、原因究明を進めている。
周辺住民には、自治会を通じて状況を説明する方針。
出典
『大分大の停電、18時間後解消 授業を再開』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/07/12/123852235
2019年6月27日22時24分に信越放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今夜7時半頃、市の西側で大きな光が確認されたあと、蟻ヶ崎や島内、大手など広い範囲で停電が発生した。
松本市白板のコンビニエンスストアでも1時間ほど停電したという。
中部電力によると、この影響で、松本市や安曇野市豊科などで最大およそ1万3000戸が停電したが、1時間半後の今夜9時前に復旧した。
中部電力が、JR北松本駅近くにある白板変電所でトラブルがあったとみて詳しく調べたところ、トンビが設備に接触したことが停電の原因とわかった。
出典
『トンビが接触して松本市などで最大1万3000戸停電』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190627-00355140-sbcv-l20
6月28日付で信濃毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後7時31分、松本市と安曇野市の一部で停電が発生した。
中部電力長野支店(長野市)によると、計約1万3100戸で最長1時間22分にわたって停電した。
松本市では中心市街地で信号機が消えた地域もあり、一時、渋滞も発生。
駆け付けた松本署員が交通整理に当たった。
同支店によると、松本市白板にある「白板変電所」構内の複数の電線に1羽のトビが同時に接触してショート。
周辺にある別の変電所から送電するなどし、順次、復旧した。
松本市中心部の大手2にあるコンビニエンスストアでは、午後8時20分ごろ、複数の予備電源で照らされていたが、おにぎりが並ぶ棚や揚げ物の陳列ケースの照明が消え、店内はほの暗かった。
アイスクリームが並ぶ冷凍ケースは、冷気が逃げないように段ボールなどをかぶせて対応した。
松本市内の専門学校から松本駅へ移動中に停電に遭遇した中村さん(女性、18歳)は、「辺りが真っ暗で信号もついていなくてびっくりした。車も戸惑っていて、事故が起こりそうだった」と驚いていた。
JR東日本長野支社(長野市)によると、JR北松本駅で一時照明が消えるなどしたが、運行に影響はなかった。
出典
『変電所の電線にトビ接触 松本と安曇野で1万3100戸停電』
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190628/KT190627FTI090041000.php
キーワード;小動物
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。