2024年10月1日15時14分にYAHOOニュース(読売テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「PCB(ポリ塩化ビフェニル)」が含まれている柱上変圧器があることを、1998年ごろには把握していたにもかかわらず適切な対応を怠り、2018年の台風で大規模停電が起きたことで発覚したと偽って、国や大阪府などへ報告していたことを明らかにしました。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)とは、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こす可能性がある化学物質で、現在は製造・輸入ともに禁止されていて、柱上変圧器などに入った低濃度のPCBを含むものは、2026年度までに処理を終えることが求められています。
■PCB基準値超えの変圧器に対応とらず「過去から把握していた事実は隠した方がよい」と虚偽の報告
関西電力送配電によりますと、電柱に設置されている柱上変圧器について、1990年に国の指示に従い、PCBが含まれているものは除染した後に再使用する方針を決定し、除染を進めていましたが、1998年と2002年に配電部門の担当者らが調査を行ったところ、除染を行ったはずの変圧器から基準値を超える数値を確認したということです。
しかし、担当者らは基準値を超えていた変圧器に対し、除染や交換などの対応をとっていませんでした。
その後、2018年の台風21号により電柱が倒壊した際、変圧器から基準値を超えるPCBを確認。
その翌年に、PCBが含まれている変圧器を新品へと取り換える方針に変更しました。
この際、配電部門の責任者が「過去から把握していた事実については隠した方がよい」という旨の発言をし、国や大阪府などに対して「台風21号による電柱倒壊をきっかけにはじめて把握した」という虚偽の報告をしたということです。
去年11月に社外相談窓口に相談があったことから発覚し、弁護士などによる調査が進められてきました。
■関西電力送配電「重大なコンプライアンス違反、客観的な調査、原因究明を実施」
関西電力送配電は、「重大なコンプライアンス違反であり、客観的な調査、原因究明を実施するとともに、速やかに改善策を講じるなど、引き続きコンプライアンスを重視する組織風土の醸成に全力を尽くしてまいります」とコメントしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d5907b34c367c881d5914b9b8342f7059191f97
10月1日15時45分にYAHOOニュース(mBS NEWS)からは、隠蔽を指示した現在の副社長は問題発覚を受けて辞任したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
2018年に発生した台風21号の影響で倒壊した電柱に設置の変圧器から漏れ出た油を分析したところ、「低濃度」PCBが基準値を超過していることが発覚し、国や大阪府に報告をしていました。
しかし、2023年に11月、社外相談窓口に当時の対応についてコンプライアンス上問題があるとする相談があったということです。
それを受けて、弁護士による調査などを行ったところ、1998年ごろから修理再使用した変圧器の一部に国が定める低濃度PCB基準値を超過するものがあったことを把握していたにもかかわらず、調査などの適切な対応を行っていなかったことが分かったということです。
さらに、こうした状況を把握していたにもかかわらず、2019年に国や大阪府に報告する際、当時の理事が隠ぺいするよう指示していたということです。
今回の問題を受けて、関西電力送配電では、当時、隠蔽を指示していた現在の副社長は10月1日付で取締役・執行役員を辞任したということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fda147e2e9e89f559f860a882c27e71edebb8cb6
2024年9月10日22時0分にYAHOOニュース(TBS NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日、JR貨物は、貨物列車の車輪と車軸からなる「輪軸」を組み立てる際に、データを不正に改ざんしていたと発表しました。
不正が行われていたのは、北海道、神奈川、広島の3つの車両所で組み立てられた貨物列車560両、機関車4両のあわせて564車両で、JR貨物の全車両の1割近くにあたるということです。
JR貨物は9日から、不正のあった車両の運転を順次取りやめ、安全性が確認されるまでは運行を停止することにしていて、貨物の輸送に影響が出る可能性があるということです。
不正は、車輪と車輪をつなぐ車軸を押し込む際に、基準となる圧力よりも強い圧力をかけて組み立てられたにもかかわらず、基準内に収まるようにデータを改ざんしていたということです。
基準を超えて組み立てを行うと、車軸に傷がつき、強度が弱くなる可能性があるとしています。
国土交通省は、JR貨物に対し、「このような不正行為は、鉄道輸送の安全確保を根底から覆す行為であり、極めて遺憾」としたうえで、JR貨物が所有する全車両およそ7500車両の緊急点検を指示するとともに、11日、不正行為が行われた3車両所に鉄道事業法に基づく立ち入り検査を行うとしています。
JR貨物によりますと、今回の不正は今年7月に山口県のJR新山口駅構内で発生した貨物列車の脱線事故を受け、広島車両所での組み立て作業の確認を進めていた際、社員から不正の申告があり、発覚したということです。
JR貨物は、データの改ざんと脱線事故の因果関係については「現在、運輸安全委員会が調査中の為、コメントは差し控える」としました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/09f51131fd3587507f8a62d6adfb7597af49584f
9月12日6時18分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、作業を失敗すると部品廃棄になるので不正を行った、新たに300台の調査対象車両が見つかったため全貨物列車が運行停止、物流に影響が出ているなど、下記趣旨の記事が輪軸組み立て作業の模式図など付きでネット配信されていた。
・・・
不正があったのは、車輪などを車軸にはめて「輪軸」を組み立てる作業です。
車輪などを押し込む際の圧力が「基準を超えていた」にもかかわらず、検査記録表には「基準値に収まる数値」に書き換えるなどしていたというのです。
基準以上の圧力がかかった場合、軸に傷がついて金属疲労が早まり、最悪の場合、折れる可能性があるといいます。
なぜ不正が行われたのか…
JR貨物 西田車両部長 :
「作業を失敗すると、少しコストというか、部品が廃棄になることを(社員が)気にかけた」
JR貨物 小暮取締役 :
「もともとある程度の圧力が必要な作業なので、きっちりと締まっていることへの基準超えに対しての認識が甘かった」
不正が行われていたのは、貨物列車などあわせて564両。
ただ、11日になって新たに調査が必要な車両が300両見つかったため、JR貨物は全ての貨物列車の運行停止を発表しました。
この時期は、北見産のタマネギを全国に運ぶ通称“タマネギ列車”が走るなど、北海道産野菜をはじめさまざまな物流で重要な役割を担っていた貨物列車。
タマネギ農家 :
「ある程度まとまった量を一気に出したい時期なので、JR貨物、
タマネギ列車がないと不便」
JR貨物は安全が確認できた車両から順次運行を再開していますが、すでに影響が出ています。
ヤマト運輸は10日、11日に発送された、関東から九州・北海道宛ての荷物、九州・北海道から関東宛ての荷物の配達が1日以上遅れる見込みだとしています。
また、佐川急便でも現在預かっている全国から北海道、東北、関東、北陸、関西、九州宛ての荷物に遅れが生じる可能性があるということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/693176565e1a50da20e4fc144fe7e80198e97041
9月13日5時45分にYAHOOニュース(MONOist)からは、基準値超えのデータを基準値内のデータに差し替えたり、記録表には基準値上限の値を記入するなどしていた、いずれの車両所でも基準超過は問題なしと認識していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
経緯は以下のような流れだ。
2024年7月24日に山陽線山口駅構内での貨物列車脱線事故を受けて、輪軸組立作業の確認をしていたところ、社員からの申告により、車輪と大歯車の圧入作業において、圧入力が基準値を超過していた場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて、検査を終了させていたことが分かった。
そこで他の車両所でも社内調査を行ったところ、3カ所で不正が発覚したという。
北海道支社輪西車両所では、圧入作業において圧入力が基準値を超過しているにもかかわらず、検査データを検査記録表に添付し、検査を終了していた。
関東支社川崎車両所では、圧入作業において、圧入力が基準値を超過した場合、検査記録表に基準値上限の数値を記入し、作成していた。
関西支社広島車両所では、圧入作業において圧入力が基準値を超過した場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて検査記録表を作成していた。
不正件数は、9月10日に発表されたものから9月12日に追加があり、北海道支社輪西車両所が貨車319両(9月10日発表分に対し10両増)、関東支社川崎車両所が貨車275両(同57両増)、関西支社広島車両所が機関車4両、貨車33両だった。
いずれの車両所でも、圧入力値が基準値を超過することについては問題がないと認識していたという。
検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両(機関車4両、貨車627両)は運用を停止し、車軸の検査をあらためて行う。
また、今回不正行為を行っていた車両所における輪軸組立作業は、作業体制を再整備するまで作業を停止する。
なお、9月11日に不正行為の有無の確認作業のために行った一時的な運転見合わせについては現在解除しており、全列車の運転を再開している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/24914374db41d19951db358431d6ccfa256a2c6d
(2024年10月1日 修正1; 追記)
2024年9月30日18時19分にYAHOOニュース(鉄道ジャーナリスト梅原氏の寄稿文)からは、製品の精度が上がったことが背景にあるのかもといった専門家の意見が、下記趣旨でネット配信されていた。
鉄道業界を揺るがす2024(令和6)年秋の大きな話題は、車軸に車輪を装着した輪軸(りんじく)を組み立てる際に生じた不正行為でしょう。
不正行為は、JR貨物の貨物列車が山陽線新山口駅構内で2024年7月24日に脱線事故を起こしたことがきっかけで発覚しました。
貨物列車を牽引する電気機関車の脱線は車軸の折損によるものと判明し、車軸の検査状況を調査すると、車軸に大歯車を装着したときの圧入力値が基準値を超過していたうえ、圧入力値を記載した記録簿が改ざんされたというのです。
JR貨物から報告を受けた国土交通省は、2024年9月12日に全国の鉄道会社に対して輪軸の緊急点検を指示したところ、圧入力値の改ざんは鉄道会社をはじめ、鉄道車両メーカーでも発覚しました。
輪軸の組立工程でなぜ不正が行われ、しかも多発したのか、理由はまだはっきりしていません。
2024年9月末日の段階で考えられる点をまとめましょう。
■エキスパートの補足・見解
輪軸について定めたJIS(日本産業規格)E4504では、A-Cシリーズ輪軸の組み立ての際の注意事項として「締め代(筆者注、車輪や歯車の中心の穴に設けられたわずかなすき間)と圧入力とを共に狭い範囲に規定すると、組立が困難になる場合がある」とあります。
製品の精度が上がり、車輪や歯車の締め代がほぼないなどで挿入に難儀し、結果として規定を越えた圧入力値とせざるを得なかったのかもしれません。
また、圧入力値不足も見つかっており、こちらは締め代が大きいために小さな力で車輪や歯車が車軸の規定の位置に装着されたと考えるべきでしょう。
現時点で筆者が提案する方策は、JISE4504における締め代を見直すことです。
それから、圧入力値を超えると実際に車軸にどのくらいの負担がかかり、折損に至るのかも科学的に検証する必要があるでしょう。
現実に多数の鉄道会社で規定の圧入力値を超えた輪軸が存在するのですから、そうした輪軸はどの程度の走行距離までであれば使用に耐えるのかを基準に入れ、この数値を厳密に守らせることで、安全性を確保したうえで作業の効率化も図られるのではないでしょうか。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c31a7ca944d4b8fdb6b99543b999e69422ac3ffc
2024年8月10日9時30分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「JR九州高速船」(福岡市)が、博多と韓国・ 釜山を結ぶ旅客船「クイーンビートル」で、亀裂による浸水を把握しながら、3か月以上運航を続けていたことがわかった。
国土交通省の抜き打ち監査で発覚し、同省は「安全確保に関わる重大な問題がある」と指摘。
同船は13日から当面の間、運休する。
親会社・JR九州の9日の発表によると、JR九州高速船は2月、亀裂で浸水が発生していることを把握したが、法令で義務づけられた検査や修理を行わず、国交省に報告しなかった。
浸水を感知する警報センサーの位置をずらして作動しないようにしたほか、浸水に関するデータも改ざん。浸水していないように偽装していた。
ポンプで排水して運航を続けていたが、浸水の悪化で対応できなくなり、5月30日に初めて浸水が確認されたように装って同省やJR九州に報告。
船体の修理を実施し、7月に運航を再開していた。
2~5月の乗客は延べ約5万5000人だった。
JR九州高速船は、昨年2月にも船体の亀裂による浸水が発生したにもかかわらず、法令で義務づけられた検査を受けずに航行したとして、同6月に国交省から行政処分を受けた。
同7月、「社外関係機関への速やかな報告と相談」などを柱とする改善報告書を国交省に提出していた。
今月6日に国交省が抜き打ちでヒアリングや書類の確認などを行ったところ、今回の事案が発覚した。
JR九州は7日に初めて報告を受けたという。
JR九州高速船が偽装をした理由などについて、国交省の担当者は「監査を継続しており、現時点で詳細は答えられない。精査の上、処分を検討する」と話した。
JR九州は、「JR九州高速船の経営層の交代なども含めて、安全意識の改革に努めていく」としている。
同船は定員502人、総トン数2582トン。
博多―釜山間の約200キロを3時間40分かけて航行する高速船で、1日1往復している。
JR九州によると、運休となる13日以降の予約客は延べ約2万1500人に上るという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240810-OYT1T50062/
8月15日1時53分に読売新聞からは、社長の指示で浸水を隠蔽した、当初の浸水量は1日2~20ℓで港に停泊中にポンプで排水した、5月に浸水量が増えたためセンサー位置を上げ航行中も排水するようになったなど、下記趣旨の記事が亀裂場所などの解説図付きでネット配信されていた。
親会社のJR九州の松下・取締役常務執行役員は14日、記者会見し、浸水の隠蔽はJR九州高速船前社長の田中氏の指示で行われていたことを明らかにした。
松下氏は「許されない行為が発生していた。大変申し訳ない」と謝罪した。
松下氏らの説明によると、2月12日にクイーンビートルの船首部分で2~3リットルの浸水が確認された。
浸水発生は現場から田中氏に報告されたが、田中氏の指示で国土交通省に報告しないことを決定。
法令で義務づけられた検査や修理も行わなかった。
さらに、浸水を隠蔽する工作の具体例も明らかにされた。
設備の不具合などを記載する航海日誌や整備記録には「異常なし」と虚偽記載をした上で、外部には出さない「裏管理簿」を作成し、実際の浸水量を日々記録していた。
同船は浸水を隠蔽したまま運航を継続。
1日の浸水量は2~20リットル程度で、港に停泊中にポンプで排水していた。
しかし、5月27日に突如、浸水量が736リットルに急増。
隠蔽を続けるため、船首部分の船底に設置されていた浸水警報センサーを高さ44センチから1メートルまで上部にずらして発動しないようにした。
航行中もポンプで排水しながら運航を継続した。
これらの隠蔽工作はすべて、田中氏も把握した上で実行されていた。
その後、浸水はさらに悪化し、30日には1メートルの高さまでずらした警報センサーが発動。
JR九州高速船は、この時点で初めて浸水が確認されたように偽装して国交省に報告、船はドック入りした。
船首部分からは1・1メートルの亀裂が見つかった。
船は修理を終えて7月11日に運航を再開。
今月6日に国交省の抜き打ち監査があり、乗務員への聞き取りで隠蔽が発覚した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240815-OYT1T50058/
8月15日付で毎日新聞西部版からは、浸水は船首部分にとどまり沈没するレベルではなかったと常務が説明した、海外との旅客定期航路事業は届け出制のため事業停止命令は出ないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
浸水は船首部分にとどまり、松下常務は「沈没するレベルではない」とする一方で、浸水の隠蔽や警報センサーの位置の変更については「許されない行為だ。安全に対する意識や体制ができていなかった」と謝罪した。
JR九州高速船は2023年2月にもQBで浸水が発生しながら報告せずに運航を続け、23年6月に国交省から行政処分となる輸送の安全確保に関する命令を受けた。
同社は23年7月、国交省に関係機関への速やかな報告など安全確保の方針を示した改善報告書を提出したが、守っていなかった。
・・・
浸水は船首部分にとどまり、松下常務は「沈没するレベルではない」とする一方で、浸水の隠蔽や警報センサーの位置の変更については「許されない行為だ。安全に対する意識や体制ができていなかった」と謝罪した。
JR九州高速船は2023年2月にもQBで浸水が発生しながら報告せずに運航を続け、23年6月に国交省から行政処分となる輸送の安全確保に関する命令を受けた。
同社は23年7月、国交省に関係機関への速やかな報告など安全確保の方針を示した改善報告書を提出したが、守っていなかった。
国交省によると、現在も監査は継続中で、海上運送法に基づく行政処分を検討している。
ただ、海外との旅客定期航路事業は許可制ではなく、届け出制のため、事業停止などの処分対象とはならない。
最も重いのは前回同様、輸送の安全確保命令になるという。
https://mainichi.jp/articles/20240815/ddp/041/020/007000c
(ブログ者コメント)
今どき、社長が隠蔽を指示するとは・・・。
これまで安全にさほど関わりがなかった人が社長になったのだろうか?
気になって経歴を調べたところ、氏は2023年6月に社長に就任しており、カッコ書きでJR九州・長崎支社長とあった。兼務?前任ポスト?
2023年7月に同様な浸水隠蔽事案に関する改善報告書を国交省に提出した、ちょうどその時期に社長に就任したということは、再発防止の責任者として赴任したという意味合いがあったのではないだろうか?
それなのに・・・。
ましてや、安全最優先だとブログ者が思っているJRの幹部でもあるのに・・・。
一方、準幹部の中には諫めた人がいたと思うのだが・・・。
JRの安全に対する意識はこんなもの・・・ということはないとは思うが、こういった観点からの報道をブログ者はまだ見ていない。
(2024年8月25日 修正1 ;追記)
2024年8月23日6時48分に読売新聞からは、浸水報告を受けた上層部が「これくらいなら問題ないだろう」と判断していた、運航に携わる社員のほぼ全員が不正を把握していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日に開かれた定例記者会見で親会社のJR九州の古宮社長は、当時の社長の田中氏(JR九州から出向)ら上層部が、現場から浸水の報告を受けた際、「これぐらいの浸水量なら問題ないだろう、報告しなくていいだろうと甘く判断した」と明かした。
さらに、「異常なし」と虚偽を記載した航海日誌とは別に、浸水状況を記していた「裏管理簿」の存在は、JR九州高速船の田中氏から船員まで16人が認識し、浸水を知らせる警報センサーの位置を付け替えた隠蔽工作は田中氏以下21人が知っていたことも明かした。
運航に携わる社員のほぼ全員が把握していたとした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240823-OYT1T50021/
8月23日7時34分にYAHOOニュース(現代ビジネス)からは、LCCとの競争に勝ち残るため建造され2020年7月に就航予定だったクイーンビートルだったが、コロナ禍でデビューできず、利益が出ない状況が続いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
■コロナ禍で就航白紙、「パナマ船籍」で収入ほぼゼロ
JR九州の子会社「JR九州高速船」は、約60億円を投じた「クイーンビートル」で対:航空(LCC・エアプサンなど)の競争を勝ち残ろうとしていた。
しかし、ここで最大の誤算が生じる。
コロナ禍で海外への渡航が大幅に制限されてしまい、2020年7月に就航する予定だった「クイーンビートル」のデビューが、まったく白紙となってしまったのだ。
「JR九州高速船」は基本的に博多~釜山航路専業のため、この時点で会社としてほぼ無収入となる。
3隻のジェットフォイルは急遽開設された博多~平戸間などの国内航路でわずかな日銭を稼いでいたものの、「クイーンビートル」は税金の節約目的でパナマ船籍にしたがために、原則として国内での定期便就航(2地点間の就航)ができない。
少しでも「クイーンビートル」を動かしたいJR九州高速船は、国に窮状を訴えて特例での国内運航を模索するも、「自国の沿岸輸送は自国船に限る」という「カボタージュ制度 」の堅持を目指す業界団体が「たとえコロナ禍でも、規制緩和はもってのほか!」とばかりに猛反発。
「クイーンビートル」は博多湾を1時間少々回って帰る遊覧船のような用途にしか使えず、「利益を生めない」として、建設費用にあたる約60億円を特別損失として計上。
会社は資金繰りに行き詰まり、本来であれば1隻のみであったジェット船の売却を、「3隻すべて」に方針転換せざるを得なくなった。
■不安定な「一本足経営」
「クイーンビートル」は、2022年11月にようやく就航。
3隻のジェット船「ビートル」「ビートル2世」「ビートル3世」は役目を終えた。
たった1隻のみの船(クイーンビートル)が動かないと日銭が入らないという、JR九州高速船の不安定な「一本足経営」は、ここからスタートする。
・・・
■最悪の場合は「認可取り消し」?国交省に聞いてみた
・・・
■声を大にして伝えたいこと
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/a09e35db99a613857a058755eaf4e3a34e3a9156
(2024年10月13日 修正2 ;追記)
2024年10月9日9時34分にNHK福岡からは、船長が「これ以上は厳しい」と会社に伝えたことが会社からの報告につながった可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
クイーンビートルを巡っては、JR九州の子会社のJR九州高速船が船首内部の浸水を把握しながら事実を隠蔽し、3か月以上、運航を続けていた問題が明らかになっています。
会社はことし5月末に初めて浸水を認識したように装い、九州運輸局に報告していました。
問題の発覚後に運輸局が改めて検査に入り、報告のいきさつについて聞き取りを行ったところ、高速船の船長が「これ以上は厳しいと判断し、会社に伝えた」と証言していたことが関係者への取材で新たに分かりました。
運輸局は、船長の申し出が会社からの報告につながった可能性もあるとみています。
この問題で、国は先月、海上運送法に基づき、会社に対して安全統括管理者と運航管理者の解任を命じるとともに、輸送の安全確保を命じる行政処分を出しました。
この法律に基づく解任命令は全国で初めてで、JR側は今月中に再発防止策をまとめた改善報告書を国に提出することにしています。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20241009/5010025840.html
10月9日11時45分にFNN PRIME(テレビ西日本)からは、5月の運輸局臨時検査時にはセンサー位置を元に戻していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州運輸局では今年5月にJR九州高速船からの報告を受けた後、臨時検査を行ないましたが、センサーがずらされていることに気づかなかったということです。
この点について、8月の問題発覚後の調査で説明を求めたところ、「臨時検査の前日にセンサーの位置を元に戻した」という証言が得られたということです。
https://www.fnn.jp/articles/-/770138
2024年4月6日6時41分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
秋田県由利本荘市は5日、記者会見を開き、市郊外の大台飲料水供給施設の水道水から、水道法に基づく水質の基準値(1リットルあたり0・02ミリ・グラム)を上回る有害物質「六価クロム化合物」が2020年度から検出されていたと発表した。
供給先の6世帯17人に健康被害は確認されていないという。
市は除去装置を付ける方向で検討している。
市によると、六価クロムは18年度から微量に検出されていたが、当時の基準値(同0・05ミリ・グラム)は下回っていた。
しかし、現行基準に改正された20年度からの4年間は、基準値を0・003~0・009ミリ・グラム上回っていたにもかかわらず、見過ごされたという。
施設を管理する市建設管理課は20年度から、毎年8月の水質検査を市企業局水道課に委託し、報告を受けていた。
1回目は基準値を超えていたが、再検査で下回ったとの報告が4年続いたため、建設管理課が不審に感じて今年2月、水道課に問い合わせた。
その結果、これまで検査を水道課職員が1人で実施し、再検査では水を2割加えて薄めていたことがわかったという。
市は問題の発覚後も供給を止めるなどの対応はせず、水源の再調査を実施。
その結果も基準値を0・004ミリ・グラム上回った。
これを受けて、今月2日から施設タンクに給水車で水道水を入れて安全な水に切り替え、4日夜になって地元説明会を開催した。
住民からは「安全に水を供給してほしい」などの要望があったという。
市の三森副市長は、「水道課の担当者は、少し水を足せば基準値以下になる実験としてやったと言っており、 捏造の意図はなかったと思う」と話し、処分するかは未定という。
六価クロムは発がん性などがある有害物質。
メッキ、触媒などに使われ、自然界ではほとんどみられない。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240405-OYT1T50143/
4月5日19時52分に秋田朝日放送からは、不法投棄された六価クロムの可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
由利本荘市で、水道水から基準値を超える六価クロム化合物が検出されていたことがわかりました。
市は4年前から把握していましが、検査結果の認識に誤りがあり、対応が遅れたとしています。
市によりますと、東由利の大台集落に飲料水を供給する施設の水道水から、1リットルあたりの基準値0.02ミリグラムを超える、最大で0.029ミリグラムの六価クロム化合物が検出されていました。
2020年度の調査以降、基準値を超えていましたが、再検査で下回っていたことから、特段の対応はしていませんでした。
再検査は担当者1人の判断で、希釈した検体で行っていたということです。
この施設から供給を受けていたのは大台集落の6世帯です。
六価クロム化合物はメッキや塗料として使われ、発がん性があるとされています。
これまでに健康被害を訴えた人はいないということですが、住民は不安な思いを抱えています。
六価クロム化合物が検出された原因はわかっていませんが、自然発生するものではなく、不法投棄などが要因となったおそれもあるということです。
https://www.aab-tv.co.jp/news/aabnews-24040517270040/
2024年1月22日22時58分にYAHOOニュース(神戸新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
虚偽の労災事故を装い、休業補償給付金をだまし取ったとして、兵庫県警伊丹署は22日、詐欺の疑いで、大阪府池田市の無職の男(86)を逮捕した。
調べに容疑を認めているという。
逮捕容疑は2020年5月から21年2月にかけて、架空の設備会社で勤務中に労災事故を起こしたと偽り、伊丹労働基準監督署に休業補償を申請し、7回にわたり給付金計約310万円をだまし取った疑い。
同署によると、男は「設備の取り付け作業中に頭を打撲した」「腰を捻挫した」などと虚偽の申請をしていたという。
昨年11月、労基署が申請回数の多さなどを不審に感じて調査し、県警に告訴していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ce29304c68c24272bbd85b54a5dfe1d77da2d88
(ブログ者コメント)
架空の会社なのに申請が通ったことに驚いた。
一体、どんな手を使ったのだろうか?
そう思った時、コロナ給付金詐欺でも架空の会社がまかり通っていたことを思い出した。
行政も、実在の会社かどうか調べるところまでは手が回らないということだろうか?
2023年12月20日23時30分にYAHOOニュース(テレビ朝日)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
認証試験における不正について、自動車メーカーの『ダイハツ工業』が20日に緊急会見を開きました。
・・・
事の発端は今年4月、衝突試験で用いたドアに、本来の仕様とは異なる加工を施していたことが、内部告発で発覚したことでした。
これを機に作られたのが、外部の専門家による第三者委員会。
調査を始めると、すぐに別の不正が見つかり、委員会は調査範囲を拡大。
その結果、ダイハツが数々の不正を繰り返し行ってきた実態が判明しました。
第三者委員会:
「認定した不正行為は合計174個。そのうち、虚偽記載類型が143個」
それらは、開発段階で行われる認証試験の場で起きました。
一部の例をみていきます。
国交省の依頼を受けた企業が“生産された車”の衝突時の安全性テスト。
ダイハツが行った時、こんな不正があったと指摘されています。
調査報告書:
「試験の時点で、自力着火式のエアバッグが開発されていない段階だったため、タイマー着火式のものを用いた」
つまり、本来は衝撃を感知して作動するエアバッグなのに、タイマーで開くようにしていました。
他にも、運転席側の衝撃試験をせずに、助手席側の試験データを流用。
試験時の速度を偽って報告。リハーサル時のデータを試験本番のデータに差し替えるなど。
どれも、搭乗者の安全に関わる重要な試験です。
なぜ、このような不正が横行したのか。
調査委員会が指摘したのは“異常な”開発スケジュールです。
第三者委員会:
「余裕がない日程で開発スケジュールが組まれ、仮に問題が生じた場合でも、販売日程にまで影響及ぼすことから、当初の開発スケジュールを柔軟に先送りすることは、到底困難というのが実情だった。
(試験は)不合格は許されない一発勝負の強烈なプレッシャーにさらされながら業務を行っていた。
短期開発の強烈なプレッシャーの中で追い込まれた従業員が不正行為に及んだもの。
経営の犠牲になったともいえ、強く非難できない。
したがって、本件問題でまずもって責められるべきは、不正行為を行った現場の従業員ではなく、ダイハツの経営幹部であると考えている」
なぜ、こうしたスケジュールが当たりまえになっていったのか。
ひも解くヒントは、不正が増えだしたタイミングかもしれません。
第三者委員会:
「一番古いものは1989年ですが、2014年以降に件数が増加している」
2014年。
7年連続で軽自動車販売数トップだったダイハツが、2位のスズキに追い抜かれた年です。
軽自動車業界の激しいトップ争いが、過密な開発スケジュールに結び付いたのでしょうか。
さらに…。
トヨタ自動車 中嶋副社長:
「2014年以降、小型車を中心に、海外展開車種を含むOEM供給車が増えたことが、開発・認証現場の負担を大きくした可能性があること、認識できておりませんでした」
奥平社長:
「不正の背景には、増加する開発プロジェクトを短期日程で進める中で、経営陣・管理職が現場の負担や、つらさを十分に把握せず、困った時に声を上げられない職場環境・風土を放置してきたことにある。その全ての責任は経営陣にあります」
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7745f36adfc3fc13d41fd10bc6304ef75ab7e89
12月20日20時7分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、内部調査では不正が社風と考えている社員が半分ぐらいいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
具体的には、どのような不正があったのか。
公表された報告書にあった不正の1つは、ヘッドレストの衝撃試験で、助手席の試験結果を試験成績書に運転席の結果として虚擬記載したというもの。
第三者委員会は、報告書の中で不正行為が発生した原因について、「担当者はやむにやまれぬ状況に追い込まれて不正行為に及んだ、ごく普通の従業員である」とした上で、「コスト削減の観点から利用できる試験車両の数に制限のある状況にあり、絶対に合格しなければならない、不合格は許されないという、まさに一発勝負の強烈なプレッシャーに晒されながら業務を行っていた」と結論づけた。
専門家は、不正が横行していたダイハツの企業風土についてこう指摘する。
自動車評論家・国沢光宏氏:
「内容も悪質だし、命を預けるものなので、ありえないですね。
ダイハツの内部調査の中にも出てきますけど、(不正が)社風って考えている人が半分くらいいるんですね。」
(「イット!」12月20日放送より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/176d694c3f194672d697a9453fb74d4e003cbb08
12月23日8時15分にYAHOOニュース(Merkmal)からは、調査報告の概要など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
【第三者委員会の調査報告概要】
報告書では、実務を担当する係長級までの関与はあったものの、部室長級(管理職)からの指示や黙認といった「組織的な不正」は認められず、「やむにやまれぬ状況に追い込まれたごく普通の従業員」が不正を行ったとし、直接的な原因として
●短期開発スケジュール(2011年のミラ・イースの成功体験が常態化)が生む極度のプレッシャー
・認証試験は合格して当たり前、不合格で販売計画を変更することはあり得ない
・不具合があっても、トップの決断がなければ、役員でさえ変えられない販売計画
●現場任せで管理職が関与しない態勢
・管理職が(管理スパンが広すぎて)多忙で、認証に関する問題解決能力もなく、相談しても「で、どうするの?」と問い返されて、結局担当者が抱え込む
●チェック体制の不備
・認証業務はブラックボックス化し、不正やごまかしが見つからない。担当者頼み
●法規の理解が不十分
・過去のグレーな方法の踏襲と、勝手な判断のまん延
●現場担当者の法令順守意識が希薄
・認証関連の研修はあったが、法規認証室の人員削減で、不十分だった
の五つを挙げている。
【厳しい指摘と問題の根源】
さらに、これらの原因を生み出した「真因」として、次の二つが挙げた。
●不正対応の措置を講じることなく「短期開発」を推進した経営の問題
・不正行為に関与した従業員は経営の犠牲になったといえ、強く非難することはできない
・ダイハツの経営幹部のリスク感度は鈍かったといわざるを得ない
・経営幹部は認証業務の経験がなく、認証プロセスに対する関心も薄い
と厳しく糾弾し、
●ダイハツ開発部門の組織風土の問題
・実務者と管理者との乖離(かいり)、部署間の連係不足、失敗すると個人を責める、開発人員不足等の課題を産む背景には「自分や自部署(自工程)がよければ、他人がどうであっても構わない」という風土がある。
と指摘する。
これは、前工程と後工程にも気を配る、「品質は工程でつくり込む」という原則に基づくトヨタの「自工程完結」とは正反対だ。
以下は、第三者委員会が不正のあった部署の役職者を対象に実施したアンケートの自由意見の一例である。
「子会社化により新興国向け車両を任され(トヨタの遠心力と呼ばれる)(中略)失敗の挽回策と余裕のない日程が(中略)担当者や役職者に相当なプレッシャーをかけ(中略)身の丈に合わない開発を、リスクを考えずに進めたことが大きな要因だと思う」
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/159576d015edc2e878b759b265d13c8cd5fed468
(ブログ者コメント)
一昔前、企業の環境データ捏造問題が大々的に報じられたことがあったが、あの時も、実務者の業務量が多くなり過ぎて・・・という状況だった。
新しい業務に取り組むのは企業として必然。
それを従来と同じ人数で、従来の業務を整理することなく対応しようとすれば、また同じような不祥事が再発するだろう。
2023年5月3日19時36分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ゼネコン大手の熊谷組(東京都)は2日、北海道新幹線のトンネル工事をめぐり、同社など4社でつくる共同企業体(JV)がコンクリートの品質試験で発注者側に虚偽の報告をしていたと発表した。
試験の回数が足りず、強度が基準を満たしていない可能性があり、調査を進めている。
熊谷組によると、虚偽報告があったのは、2030年度の札幌延伸をめざす北海道新幹線の羊蹄トンネル有島工区(約4・2キロ)の工事。
昨年10月から今年4月にかけて、生コンクリートをトンネル内に流し込む前にする水分量の調査を定められた頻度でせず、固まる前に1区画ごとに3カ所ですべき測定試験も1カ所でしかしていなかった。
いずれも、所定の通り実施したと報告していたという。
工事を発注する鉄道・運輸機構の担当者が4月20日に工事現場に立ち会った際、発覚した。
熊谷組の担当者は「試験を担当する試験員の数が手薄だった。事態の重大さを痛感し、再発防止策を講じるとともにコンプライアンス教育を徹底する」と話した。
工程への影響は未定といい、今後、コンクリートの品質を再調査し、問題があれば工事をやり直す予定という。
https://www.asahi.com/articles/ASR536DJYR53OXIE008.html
5月3日18時25分に産経新聞からは、打設前と開始後50m3毎に測定すべき水分量を打設前の1回しか行っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鉄道建設・運輸施設整備支援機構は3日までに、北海道新幹線の札幌延伸に向けたトンネル工事で、ゼネコンの熊谷組などでつくる共同企業体(JV)がコンクリートの品質管理試験で虚偽の報告をしていたと発表した。
必要な手順を踏まずに試験したのに「適切に実施した」と報告していたといい、同機構はトンネルの品質や、工程への影響を調査している。
熊谷組は「事態の重大さを痛感し、再発防止策を講じる」とのコメントを発表した。
鉄道・運輸機構によると、トンネルはニセコ町の約4・2キロの区間。
同JVは昨年10月以降、コンクリートを打ち込む前と、打設開始後も50立方メートルごとに水分量を測る試験を、実際には開始前の1回しかしていなかった。
コンクリートの硬さについても、区間ごとに3カ所と定められているのに1カ所しか測定しなかった。
4月20日に機構の担当者が現場に立ち会い、発覚した。
https://www.sankei.com/article/20230503-2M7AYZSGU5PHPICJEBVJIHIJRQ/
2023年3月22日18時14分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力子会社の関西電力送配電で、大阪府内の営業所が電気事業法で義務付けられた家庭向け電力の電圧測定を実施せず、虚偽の数値などを記録、保存していた問題で、関西送配電は22日、虚偽記録が平成29~令和3年度の5年間にわたって行われていたと発表した。
同日、経済産業省に報告した。
同社によると、1人の担当社員が平成29~令和4年度の電圧測定を一部で実施せず、データの記録を怠っていた。
測定結果は同社本店まで毎年度3月に報告するが、3年度まで虚偽の記録が報告されていた。
社員は「電圧測定が重要な法定業務であることを理解していなかった」としているという。
上司も、データを取りまとめて報告するという業務の詳細を認識せず、虚偽に気づかなかったという。
今月になり、4年度の報告がなく、確認したところ不正が判明した。
4年度については改めて順次測定し、24日までに全102カ所を終える予定。
再発防止策として、報告書作成を手入力できないようにする仕様に変更した。
電気事業法は、電圧や周波数を一定の範囲に抑えて電気の質を維持できるように、送配電事業者に対して電圧や周波数の測定と、結果の記録、保存を求めている。
高い電圧が流れると家電の故障につながる恐れがある。
3月22日20時14分にNHK関西からは、顧客対応が忙しかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力の子会社「関西電力送配電」は、大阪府内の営業所に勤務する社員1人が、法律で義務づけられた電圧の測定について、5年間にわたり虚偽のデータを報告していたことを明らかにしました。
電気事業法では、電気の質を確保するために送配電会社に対して電圧を測定し、その結果を記録して3年間、保存するよう義務づけていて、これに基づいて、年に1回、各家庭のメーターを測定することが必要になります。
この電圧の測定について、関西電力送配電は、大阪府内の営業所に勤務する社員1人が測定を行わず、虚偽のデータを本部に報告していたことを明らかにしました。
この社員は、担当するエリアでおよそ100か所の住宅などの電圧の測定を外部に発注することになっていましたが、2017年度と19年度、それに20年度については一部で、18年度と21年度、それに今年度(2022年度)については、測定をまったく行っていませんでした。
このうち17年度から21年度までの5年間の報告書に記載したデータは、いずれも虚偽のものでした。
この社員は、記録も保存していなかったということです。
会社の調査に対して、この社員は「顧客の対応が忙しかった。前の年度の数値を参考にして報告していた」などと説明しているということです。
関西電力送配電は、「法令順守ができておらず、組織として不適切な取り扱いを早期に把握できなかったことを深くおわび申し上げます」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230322/2000072071.html
(ブログ者コメント)
報告書に虚偽データを記載することと、協力会社に発注し、その後、提出された測定結果を記載する本来の業務とを比較すると、ベラボウに手間が増えるということはなさそうに思うのだが・・・?
2023年3月16日15時56分にYAHOOニュース(北海道放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市の中心部、北海道の赤れんが庁舎前に建設中の地上26階、地下2階の複合高層ビルで、施工不良と虚偽報告が発覚しました。
地上15階まで組まれていた鉄骨などは全て撤去され、工事は、ほぼ“やり直し”となる、前代未聞の事態です。
【写真を見る】赤れんが庁舎前の複合高層ビル、建設工事“やり直し”の異常事態…施工不良と虚偽報告発覚、大成建設の取締役ら辞任へ
施工不良と虚偽報告が発覚したのは、札幌市中央区北1条西5丁目に建設中の地上26階、地下2階の複合高層ビルです。
この複合ビルは、アメリカのホテル運営大手、ハイアットが札幌市に初進出する他、オフィスや店舗などが入居し、2024年2月に完成予定でした。
しかし、事業主のNTT都市開発によりますと、1月末の現地視察の際、発注したものと違うボルトが使われていたことがわかりました。
さらに、調査をすすめると、鉄骨の柱の水平度のズレ、コンクリートの厚さ不足などの施工不良も発覚。
鉄骨については、722か所のうち、70の不良箇所が見つかり、ズレの最大値は21ミリに達しました。
また、コンクリートの厚さ不足は、最大で14ミリ、245箇所にも上ったということです。
こうした施工不良に関し、工事を担当した大手ゼネコンの大成建設が、計測値を正常なものと偽るなど、NTT側に虚偽の報告をしていたことも判明しました。
このまま工事をすすめると、建築基準法に違反するおそれがあるとして、NTT都市開発は、すでに地上15階まで組まれていた鉄骨などを全て撤去し、工事を、ほぼ最初から“やり直す”ことを決めました。
すでに工事の進捗率は、23%に達していましたが、完成は2026年6月末まで、大幅に遅れる見通しです。
虚偽報告も発覚した大成建設は、HBCの取材に対し「作業、品質管理を担当していた社員が、施工不良の指摘を受けた際、他の工事との調整で工期が遅れると懸念し、数ミリ程度なら問題ないと考えた」と説明。
この担当社員は、今回の施工不良を上司などに報告しておらず、組織的な関与、不正などはないとしています。
また、大成建設が関わる他のビル建設で、同様の施工不良も確認されていないということです。
大成建設は、今回の事態の責任を取り、建築部門の責任者である寺本取締役らの辞任を発表しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a38118e1346f21cdba85aced755e849066640f7d
3月16日22時1分に読売新聞からは、発注元の社員がボルトが規定より小さいことを発見したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
今回の問題を受け、完成は2年4か月遅れる見込み。
大成建設によると、発注したNTT都市開発の社員が今年1月、鉄骨同士を組み合わせるボルトが規定より小さいことを発見。
大成建設が調べたところ、鉄骨70か所で平均4ミリ、最大21ミリのずれがあったほか、床・天井のコンクリート245か所の厚みが規定より平均6ミリ、最大14ミリ薄かったことが判明した。
大成建設の品質管理担当の社員は社内調査に、数値改ざんを認めた上で、「工期の遅れを恐れた。数ミリ程度の精度不良なら品質上問題ないと考えた」と話したという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230316-OYT1T50306/
3月16日19時0分にFNN PRIME(北海道文化放送)からは、品質管理を行った担当者は今回が初めてのビル担当だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大成建設の社員で、現場に配属されていた品質管理の担当者は「工期が厳しくなるため、数ミリのズレであれば、問題ないと思った」として、虚偽の報告をしていたということです。
この担当者が品質管理を行ったビルは、今回が初めてだったということです。
https://www.fnn.jp/articles/-/500888
(ブログ者コメント)
〇工期の遅れを心配するのは品質管理担当者の仕事ではない。
なぜ、自分だけで不具合情報を抱え込んでしまったのだろう?
そういった、ミスの背景まで掘り下げて分析しておかねば、また同じようなトラブルを起こす恐れがありそうな気がした。
〇それにしてもNTT都市開発の社員。
よくもまあ、ボルトが規定より小さいことに気づいたものだ。
工事進捗確認チェックリストでもあるのだろうか?
2023年3月7日19時42分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県は7日、江崎グリコの関連会社「Gマニュファクチャリングジャパン」の千葉工場(野田市)で窒素とリンの排水基準等の超過があり、水質汚濁防止法に基づく水質測定などのデータを計97回改ざんしていたことが発覚したと明らかにした。
同社は県庁で記者会見し、「水質測定の担当者が改善に向けた指示を受けると業務量が増大すると懸念してデータを書き換えた」と弁明。
白石社長が謝罪した。
同社によると、2月に同工場の排水処理施設から未処理の水があふれ、外部に流出する事故が発生。
事故調査の過程で、元データと県への報告書などの数値に矛盾があるのを確認。
データ改ざんが発覚した。
基準超過と改ざんは、少なくとも同社にデータが残る2019年5月~22年12月で確認。
窒素は1リットルあたり20ミリグラムの排水基準に対し、最大で50ミリグラムの値が測定され、18回超過。
リンは4ミリグラムに対し、最大で9・96グラムを検出し、基準を8回上回った。
総量規制でも、窒素とリンが計24回、基準を超過。
超過時には事務所などでアラームが鳴るが、特段の対応はしていなかった。
改ざんは超過時以外も行われ、窒素は57回、リンは28回あったほか、「化学的酸素要求量(COD)」のデータも12回書き換えられた。
同社の白石社長は県の説明後に会見し、「県民にご迷惑をおかけし申し訳ない。再発防止策を何重も打っていく」と謝罪した。
県などによると、同工場は原料に窒素やリンが含まれるアイスクリームを製造。
製造時に発生する水を処理し、東京湾につながる河川に排出している。
大量に排出すると、東京湾で植物プランクトンなどが著しく増殖し、赤潮などを引き起こす可能性があるという。
水質汚濁防止法で濃度の排水基準と一日あたりの総量規制がかけられ、測定結果の記録、保存が義務づけられている。
データ改ざんの発覚などを受けて、県は7日に同工場に立ち入り検査し、事実関係の確認や再発防止策を聴取。
一般的に、超過量などから直ちに環境に影響を及ぼすことはないというが、今後、刑事告発や行政処分など必要な対応を検討する。
県水質保全課は、日鉄君津のシアン流出を念頭に、「水質汚濁防止法に関する問題意識が必ずしも十分でない。制度を再度しっかりと周知し、法令遵守に努めてもらう」と見解を述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc7aa2dd3c5ec6ccbd03c4ae590f6f17c451acc8
3月7日20時43分に毎日新聞からは、業務量が増えることに抵抗があった担当者が改ざんした、流出事故に伴い会社が過去の分析結果を確認していて改竄を見つけたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
同社は、改ざんの理由を「担当者が社内で改善指示を受け、業務量が増えることに抵抗があったため」と説明。
県は基準内に収まっていたデータも改ざんしたのは、数値のつじつまを合わせるためだったとみている。
県によると、2月23日に同工場の排水処理施設から未処理水があふれる事故が発生。
同社が過去の水質分析結果を確認したところ、基準超過や改ざんが見つかり、今月6日に県に報告した。
https://mainichi.jp/articles/20230307/k00/00m/040/269000c
3月7日21時38分に産経新聞からは、担当者以外でアラームに接した人もいたが対応しなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
今年2月、同工場で未処理の水が外部に流出。
調査の過程で、県への報告に用いた記録と元データを突き合わせた結果、改竄が発覚した。
現場担当者は聞き取りに対し、「少数で多くの設備を保守点検しており、限られた時間で改善作業を指示されることに抵抗があった」などと回答。
担当者以外も基準超過で発せられたアラームに接していたが、対応しなかったという。
https://www.sankei.com/article/20230307-OUC3ZHI3PFMFXNXXSTDWC7CIGY/
3月7日付で江崎グリコからは、以下の情報が発信されていた。
・・・
1.経緯
2019 年 5 月から 2022 年 12 月までの間、「総窒素(T-N 濃度・総量)」と「総リン(TP 濃度・総量)」の水質規制値を超過した状態で公共河川(座生川・ざおうがわ)に流出させておりました。
また、行政報告において記載内容を書き換えて提出しておりました。
なお、法定のデータ保管期限は 3 年分であるため、2019 年以前のデータが残っていませんが、社内でヒアリングした結果、新工場を立ち上げた 2017 年に、総量規制値の超過事象が発生していたことを確認しております。
2.原因
①規制値を超過した原因について
2017 年 8 月に千葉県東葛飾地域振興事務所による立ち入り検査があり、同年(2017 年)4 月の実績において窒素・リンの総量規制値を超過したことのご指摘を受け、恒久対策として 2018 年に加圧浮上装置を設置することで改善を図りました。
その後、2019 年にグリコ製品「アイスの実」の生産が始まり、流入水の水質が大幅に変化し、膜処理工程での詰まりが起こり、調整層の水位が高まってしまう状況が発生し、その際の適切な処置対応が不十分であったことが要因です。
②データを書き換えて、千葉県に記載報告した原因について
担当者が総量規制値を強く意識してしまい、本来ともに意識すべき処理水の濃度基準の超過を大きな問題として取り扱わずに、測定値を書き換えました。
また、工場長や上長への報告、連絡、相談も適切に実施できておらず、未然に確認、発見することができませんでした。
③施設管理の不備となった原因について
システムによる常時監視の測定項目のひとつである処理水の濃度について、規制値 超過時はアラームが発せられる仕組みとなっていますが、適切な処置対応にまで至りませんでした。
また、送水ポンプや脱水装置、膜処理装置などのメンテナンスや管理体制が不十分であったため、本来の性能が適切に維持できていないことも一因でした。
異常時などの緊急対応手順についても体制整備が十分ではありませんでした。
3.再発防止策
① 排水基準の遵守
・・・
② 排水処理設備の安定稼働
・・・
③コンプライアンスの重要性の再教育
・・・
④管理体制
・・・
https://www.glico.com/assets/files/NR20230307__3.pdf
(ブログ者コメント)
改竄理由は、担当者が現状の仕事だけで手いっぱいのところに、追加でさらに多くの仕事をこなさなければならなくなったためらしい。
過去にも数多くのデータ改ざんが報じられており、その一部は本ブログでも紹介しているが、おおよその理由は今回と同様だった。
同じような事案は、今後とも起きそうな気がしている。
2023年2月9日17時5分にNHK山梨から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし11月、笛吹市の河川の護岸工事で作業員がコンクリートを粉砕する工具で右足を骨折したにもかかわらず労働災害の報告をしない、いわゆる「労災かくし」をしたとして、甲府市の土木工事業者が労働安全衛生法違反の疑いで書類送検されました。
書類送検されたのは甲府市の土木工事業、「N興業」と41歳の事業主です。
甲府労働基準監督署によりますと、おととし11月、笛吹市の河川の護岸工事で、作業員がコンクリートを粉砕していたところ、誤って右足に工具をぶつけて骨折したにもかかわらず、この事業主は労働災害の報告をしなかったとして労働安全衛生法違反の疑いが持たれています。
労働基準監督署によりますと、作業員は骨折したあと9日間は休みましたが、人手が足りないなどの理由で仕事を再開したところ、ケガが悪化して、結果として全治まで4ヶ月かかったということです。
事業主は容疑を認めていて、理由について、「報告のための書類を作成するのが手間だった」などと話しているということです。
労働基準監督署によりますと、今年度、管内で起きた「労災かくし」は2件目だということで、今後も「労災かくし」が明らかになった場合、厳正に対処するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20230209/1040019278.html
2022年11月15日18時30分にYAHOOニュース(愛媛新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西条市は15日、公共施設の消防用設備点検の委託を受けた民間業者が、市に対して虚偽の報告をしていたと発表した。
業者は以前から同様の虚偽報告を行っていたとみられ、市は別業者による再点検の準備を進めている。
市施設管理課によると、消防用設備は毎年2回の点検を行うよう、法令で規定されている。
委託先の「A社」(浅海社長、西条市周布)が9月末ごろに実施した本庁舎と西部支所、西条西消防署の3施設の点検で、非常用自家発電設備と蓄電池に関する点検項目の一部に漏れがあったことが判明。
本庁舎と西部支所では、屋内消火栓設備でも同様の点検漏れがあった。
いずれも、必要な点検をしていないにも関わらず、異常がなかったとする報告書を提出していた。
点検時には市職員が立ち会っていたが、点検漏れや虚偽報告に気づけなかったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/96a2b9daa88ebf0ea463fe1bd4afda1bea1c4cb3
11月15日20時0分にテレビ愛媛からは、西消防署の場合、2007年度の契約当初から虚偽報告していた、A社が点検を請け負っていた施設は市内に19カ所あるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西条市から市施設の消防用設備の点検を請け負っていた市内の業者が、点検せずに、していたかのような、うその報告をしていたことが分かりました。
この施設の中には、消防署もありました。
うその点検報告をしていたのは、西条市周布の「A社」です。
西条市によりますと、A社は市役所など市の3施設の消防用設備の点検を請け負っていましたが、点検していないにも関わらず、「点検済み」とうその報告をしていました。
この施設の中には西消防署があり、2007年度の契約当初から、うその報告をしていました。
点検対象は発電機やアースなどで、今のところ、うその報告による事故や被害などは確認されていません。
A社が点検を請け負っていたのは、小学校なども含めて西条市内に19カ所あり、市は同様のうその報告がなかったか確認を進めています。
https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2022111511201
(ブログ者コメント)
一体、どのような会社なのだろうか?
もしかして消防の天下り先?
気になって調べてみたところ、ホームページやSNS発信は一つもなく、複数の会社情報サイトに電話番号などが掲載されているだけだったが、愛媛県消防設備協会には会員として登録されていた。
どのようないきさつで、市はこの会社と契約したのだろうか・・・?
2022年8月31日15時47分にNHK埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年12月、川越市を流れる荒川の支流の麦生川や八幡川で、それぞれ国の環境基準を上回る有害物質の「ジクロロメタン」が検出されました。
警察は、この有害物質が川に流出した原因などを捜査していましたが、31日、川越市内にある金属加工会社小糸製作所の当時の社長、小糸容疑者(62)を逮捕しました。
警察によりますと、去年11月下旬、金属製品を洗浄したときに出た廃油あわせておよそ660リットルを2回にわたって会社の排水口に捨てたとして、廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。
「ジクロロメタン」はこの廃油に含まれ、体に取り込まれると中枢神経への麻酔作用や肝機能障害を引き起こすとされるほか、発がん性も指摘されていますが、健康被害は確認されていないということです。
当時、会社は清算中で、調べに対して容疑者は、「早く工場を売却したかったので廃油を流してしまった」と容疑を認めているということで、警察は詳しい状況を調べています。
有害物質の流出をめぐっては、市が容疑者と会社に汚染の除去などにかかった費用4000万円あまりの賠償を求める裁判を起こしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20220831/1100015106.html
9月1日18時54分に読売新聞からは、不法投棄した2ケ月前から会社の清算手続きに入っていた、排水口が通じている川では環境基準の34倍が検出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
入間川の支流に工場の廃油を流したとして、埼玉県警は31日、川越市石田本郷の金属加工業「小糸製作所」(解散)元社長の男(62)を廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で逮捕した。
同社近くを流れる麦生川では高濃度の有害物質「ジクロロメタン」が検出され、市も同社を発生源と特定している。
発表によると、男は昨年11月下旬、2回にわたり、廃油計約660リットルを同社工場の排水口に投棄した疑い。
廃油は専門業者に処分を委託する必要があるが、同社はこの2か月ほど前から清算手続きに入っており、調べに「早く工場を売却したくて流した」などと供述しているという。
ジクロロメタンは金属製品を製造する際の洗浄脱脂剤などに使われ、飲むと肝機能障害などを引き起こす危険もある。
同社の排水口が通じている麦生川では同年12月、環境基準の34倍にあたる1リットルあたり0・68ミリ・グラムのジクロロメタンが検出されていた。
健康被害は確認されていないが、市は同社と男を相手取り、ジクロロメタンの除去費用などの賠償を求め、さいたま地裁川越支部へ提訴している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220901-OYT1T50129/
※昨年、2021年12月5日付でテレビ朝日からは、浄水場で採取した水からジクロロメタンが検出されたため調査していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県川越市の荒川に流入する麦生川で高濃度の有害物質が検出されました。
水道水に影響はないということです。
埼玉県によりますと、川越市の麦生川の上江橋付近で国の基準値の34倍にあたるジクロロメタンが検出されました。
ジクロロメタンは人の体内に入ると中枢神経への麻酔作用や肝機能障害を起こすほか、発がん性物質でもあります。
麦生川が流入する荒川の水を取り入れているさいたま市の大久保浄水場で2日、採水した川の水からジクロロメタンが検出されたため調査していました。
川越市環境対策課・山原課長:
「発がん性物質だが(下流の)大久保浄水場に流れる時には環境基準を下回っているので水道水に影響はない」
川越市によると、市内にある排水処理施設でも検出されていて、この施設より上流で投棄された可能性もあるとしています。
県は、麦生川とその周辺の川や水路に立ち入らないよう呼び掛けています。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000237343.html
2022年8月18日 20時09分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県君津市にある日本製鉄東日本製鉄所君津地区で2019年2月~22年4月、東京湾に面した排水口から有毒物質のシアンが計39回検出されたが、同社はいずれも県に報告せず、公表もしていなかったことが18日わかった。
東日本製鉄所の谷所長が同日会見して明らかにし、「不適切だった」と謝罪した。
同社と県によると、シアンは環境基準では1リットルあたり0・1ミリグラム未満の「不検出」が義務づけられているが、19年2月~22年4月に、特定の排水口での400回超の測定で39回検出されていた。
いずれも県などの行政機関に報告していなかった。
検出されたシアンの最大値は、19年2月5日の同0・6ミリグラム。
同社は同28日に採取し直し、社内で「不検出」と記録していた。
同製鉄所では今年6月、生産工程で生じる「脱硫液」が敷地外に漏れるトラブルがあった。
近くの川で大量の魚が死んでいるのが見つかり、県の調査で周辺の水路からシアンも検出された。
県の行政指導を受け、同社が過去の検査結果を調べていた。
県によると、19年以降、近隣でのシアンによる健康被害は確認されていない。
谷所長は、「ご心配とご迷惑をおかけしており、深くおわび申し上げます。原因究明と再発防止に徹底して取り組んで参ります」と陳謝した。
https://www.asahi.com/articles/ASQ8L6KSNQ8LUDCB00Q.html
8月18日16時7分にYAHOOニュース(千葉日報)からは、水濁法に基づく5回の測定と自主管理のため行った423回の測定でシアンが39回、全窒素が173回基準を超えていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄東日本製鉄所君津地区(君津市)から有害物質シアンが流出した問題で、同社東日本製鉄所は18日に千葉県庁で記者会見し、谷所長は「近隣住民の皆さま、行政、関係者にご心配とご迷惑をお掛けし、まことに申し訳ございません」と謝罪した。
今回新たに判明した「16排水口」から検出されたシアンと全窒素の排出基準超過については、2017~19年に水質汚濁防止法に基づく5回の自主測定、18年2月からことし8月15日までは自主管理の一環で423回の自主測定を行い、うちシアンは39回、全窒素は173回の基準超過があったと明らかにした。
同社は「重篤な事案」との認識を示し、全社体制で事実関係の検証と原因究明、再発防止に徹底して取り組むとした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e609e320837990a2138fb4609097cd52a13a6214
8月19日9時55分に毎日新聞からは、6月トラブル対応で検査した結果についても低いほうの測定値だけを県に報告していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
一方、6月に脱硫液の流出問題を起こした後の情報公開のあり方にも問題があった。
日鉄は7月1日に実施した複数回の水質検査結果について、高い方の検出値(1リットルあたり0・98ミリグラム)は伏せ、低い方の値(同0・5ミリグラム)だけを県に報告。
翌2日に9回実施した水質検査でも、7回シアンを検出したものの、残る2回の結果に基づき「不検出」と県に報告していた。
谷所長は、「高い数値も含めてすべて報告すべきだった」と釈明。
ただ、3年以上もシアン流出を伏せてきた理由については「調査中」を繰り返した。
https://mainichi.jp/articles/20220819/k00/00m/040/030000c
(2022年10月2日 修正1 ;追記)
2022年9月30日23時53分に毎日新聞からは、従業員が法制度を誤認していた、対策として環境防災部を新設するなどとした報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)が工場排水に有害物質のシアンが含まれていることを把握しながら公表していなかった問題で、日鉄は30日、原因や再発防止策などをまとめた報告書を県や周辺市に提出した。
公表しなかった理由を「従業員が法制度を誤認していた」と説明し、意図的な隠蔽(いんぺい)を否定した。
同工場は2017~22年、排水の法定検査でシアンが検出された4回の検査結果を記録に残しておらず、県から水質汚濁防止法に基づく行政処分を受けた。
シアンが出た場合は採水し直して「不検出」となるまで検査を続け、県には「不検出」の結果だけを報告していた。
自主検査でもシアンを41回検出しながら、公表していなかった。
報告書では、法定検査でシアンを検出した事実を県などに伝えなかった理由について、「再採水・再測定で基準内に収まれば行政機関への報告は不要と誤認していた」とした。
また、自主検査については行政への報告自体が不要と考えていたという。
社内マニュアルでは再採水を禁じていたが、担当者が「問題ない」と誤解しており、シアンが検出された事実は上司にも伝わっていなかったという。
今回の問題を受け、日鉄は10月の組織再編で環境と防災を担う「環境防災部」を新設し、再発防止の取り組みを進める。
脱硫液タンクの更新などハード面の対策も強化する。
報告書を提出後、記者会見した同製鉄所の谷所長は、「多大なる心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわびする。万全の対策を実行したい」と改めて謝罪した。
https://mainichi.jp/articles/20220930/k00/00m/040/291000c
2022年7月19日12時0分にYAHOOニュース;FRIDAY DIGITAL)から、下記趣旨の記事が現場遠景写真付きでネット配信されていた。
「もし土砂災害が起きれば、去年の熱海のような大惨事になるかもしれない……。
本当に恐ろしいです。地元の者はみな、雨が降るたびに眠れない夜を過ごしとります」(近隣住民)
福岡市の中心部から東へ車を走らせること2時間弱。
福岡県田川郡添田町は、かつて炭鉱で栄えた人口約9000人の小さな町だ。
そんな添田町に高さ30m超の「盛り土」が出現、住民から悲鳴が上がっている。
盛り土は周囲の森林よりもはるかに高く、かなり離れた位置からでも巨大な茶色の塊を確認できる。
住民たちが不安がるのも無理はない。
町域の多くが山間部である添田町は、もともと土砂災害が多い地域。
昨年8月には、大雨によって民家に土砂が流れ込み、高齢者が巻き込まれる事故も発生した。
問題の盛り土の周辺には、40軒以上の民家が点在する。
本誌が近隣住民に取材すると、
「どんどん巨大化している」
「台風が来て土砂が崩れたら誰が責任をとるのか」
「農作物の土にも影響が出て野菜の質が落ちた」
といった切実な声が15人以上から次々に上がった。
この巨大盛り土はいったい何なのか。
なぜ出現したのか。
「この盛り土は、添田町内の残土処理場に積まれています。
処理場の所有者は、添田町の隣町である大任町(おおとうまち)の建設会社。
’03年に開発許可を取得しましたが、ここ2~3年で急速に盛り土は大きくなった。
背景には、田川周辺地域での建設工事の増加があると見られています」
(地元紙記者)
この残土処理場を管轄する福岡県によると、盛り土は認可されている高さ25mを6mもオーバーしているという。
添田町の寺西町長は本誌の取材にこう語った。
「住民の方からの盛り土の危険性を訴える声は私の耳にも入ってきています。
ただ、許認可が県のため、町としては動きようがない。
それでも万が一、何かが起きてからでは遅いという危機感は持っています。
県との連携をより強めて、対策をしていく必要性を感じています」
福岡県の森林保全係の担当者は、現状をこう説明する。
「’20年11月頃から、複数回にわたり現地で調査を行ってきました。
許可された高さを超えていることに関しては、今年に入ってから、3度にわたって高さを戻すよう指導をしています。
それに対し、(処理場を所有する)事業者は、『梅雨時期の撤去作業は土砂崩れのリスクがあるため、梅雨以降に随時撤去していく』と説明しています」
だが、近隣住民によると、梅雨明けが発表されても撤去作業が進んでいる様子はまったくないという。
なぜ、建設会社は再三にわたる県からの行政指導を無視し続けているのか。
地元で囁かれているのは、こんな裏事情だ。
「実は、この会社は、添田町の隣町である大任町の町長の娘婿が代表なんです。
大任町の永原町長は、地元選出の武田良太衆議院議員の選対本部長も務める人物。
『田川のドン』とも呼ばれる、いわば地元の大物です。
この町長の存在が、建設会社が強気の姿勢を取れる理由だと言われています」
(大任町の町議会議員)
違法な巨大盛り土について、本誌は当該の建設会社と大任町に対し質問書を送ったが、期日までに回答はなかった。
昨年の熱海の災害で、業者と行政のずさんな盛り土管理が問題視されたことは記憶に新しい。
幸いにも梅雨の期間に土砂災害は起きなかった。
しかし今後は、台風シーズンがやってくる。
盛り土が低くならない限り、添田町住民の眠れぬ夜は続きそうだ。
『FRIDAY』2022年7月22日号より
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2f9579dc08543efc283d933c13fb3b5f3201e7f
(ブログ者コメント)
〇熱海土石流の衝撃いまだ冷めやらぬ今、県からの指導に応じない会社があろうとは・・・。
熱海のようになってからでは遅い。
県には指導以外の武器がないのだろうか?
〇以下はグーグルアースで見た、現場と思われる場所。
周囲の道路から山は見えなかったが、恐らくは何年か前の画像につき、今はもっと高くなっているということかもしれない。
2022年7月8日11時51分にYAHOOニュース(千葉日報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県は7日、事業者向けLPガス容器の検査を手がける「N燃料工業 市原営業所」(市原市)が、高圧ガス保安法で定められている耐圧検査を実施せずに同容器を出荷していたと発表した。
容器が破損する恐れがあり、同社は、検査しなかった疑いがある容器約8千本を自主回収する。
現時点で被害報告はないという。
県産業保安課によると、6月22日に同営業所の責任者らが県に報告した。
県は同27日に立ち入り調査を実施。
検査に従事していた職員は、「繁忙期に一部検査を省略していた」と説明し、意図的に耐圧検査を行っていなかったという。
県は、同法に違反しているとして、処分を検討する。
8千本はフォークリフトの燃料などに使われるLPガス容器で、千葉など4都県に出荷されている。
同社はホームページで謝罪、容器交換まで使用を控えるよう呼びかけている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/98b011bb4726c19b9b0ad771d912c3a87566af93
7月7日20時54分にNHK千葉からは、不正ボンベは6年で8000本だった、会社に内部通報があり発覚したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京に本社を置くLPガスの販売会社が、法律で定められたガスボンベの安全検査を行わないまま、出荷していたことがわかりました。
不正に出荷されたガスボンベは6年間でおよそ8000本に上り、会社が自主回収を進めています。
N工業によりますと、不正があったのは千葉県市原市にあるガスボンベの検査場で、6年前の平成28年から法律で定められたボンベの耐圧検査を行わないままガスを充てんし、出荷していたということです。
ガスボンベは東京や千葉、それに埼玉などの事業者に出荷され、あわせて8000本に上るとみられています。
会社は先月、内部からの情報提供を受けて調査を始め、検査場側は「忙しい時期に省略した」と説明しているということです。
これまでのところ、ガス漏れなどトラブルの報告は入っていないということですが、N燃料工業は出荷先に使用しないよう求めるとともに、自主回収を進めています。
N燃料工業は、「お客様の信頼を損ない、ご心配とご迷惑をおかけすることになり、深くおわび申し上げます。再発防止に努めたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220707/1080018398.html
(ブログ者コメント)
過去の品質データ書き換え事例では、その多くが担当者が業務量の多さに耐えかねて・・・と報道されていたが、今回も、そういったことだったのだろうか?
それとも・・・。
2022年7月7日13時2分にYAHOOニュース(山陽新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県は7日、県水産研究所(瀬戸内市)が必要な許可申請をせずに瀬戸内海で水質調査をしていたと発表した。
記録が残る2017年度以降、県沿岸の6地点で計372回に上り、同研究所の認識不足が原因という。
玉野海上保安部が港則法違反容疑で捜査している。
港則法は、海上の安全確保のため、船舶の通行量が多い港内などで作業をする場合は海保への事前申請を義務付けている。
今回の違反に伴う船舶事故などは生じていないという。
県によると、調査は海域の漁場環境やノリの栄養塩に関するもので、計41地点で年492回実施。
このうち水島港や岡山港の海域内の6地点は許可が必要なエリアだった。
同研究所は、いかりを下ろさずに2、3分で終わる調査に許可が求められるとの認識はなく、関係機関への確認も怠っていたという。
今年2月、水産庁主催の全国会議で広島県から同様の事例が報告され、内部調査を進めていた。
一部地点では1972年から調査を行っており、当時から無許可だった可能性が高い。
同研究所は「職員研修の実施などで再発防止策を徹底する」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53ce419a0ca5ac0aa6bc4be5cbb6d8124258c56f
7月8日5時0分に読売新聞岡山版からは、プランクトンなどの濃度を測るため採水していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県水産研究所は7日、必要な国の許可を得ずに、周辺の海で水質調査をしていたと発表した。
違反は少なくとも記録が残っている2017年から続いていたが、調査は半世紀前から実施しており、その間、違反を繰り返していた可能性があるという。
県によると、違反があったのは、水島港や岡山港付近で実施されていた海水の状態を調べる調査。
プランクトンなどの濃度を測るため船を止めて採水していたが、事故防止を目的とする「港則法」で規定された、海上保安部からの許可を得ていなかった。
採水が2~3分と短時間のため、許可が必要な作業に該当しないと誤認していたという。
広島県が同様の違反を公表したことを受け、同研究所が調べて判明。
県では1972年から調査を始めているが、当時から違反していた可能性があるという。
同研究所は管轄する玉野、水島海上保安部に報告し、両保安部が同法違反の疑いで捜査している。
https://www.yomiuri.co.jp/local/okayama/news/20220707-OYTNT50257/
※以下は玉野海保管内の規制エリア図。
https://www.kaiho.mlit.go.jp/06kanku/tamano/31_sea_area.html
※以下は広島県での違反事例。
過去5年、2組織の計600件超の作業が違反だった。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/469875.pdf
2022年6月5日5時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
川崎市の生コンクリート製造販売業者が日本産業規格(JIS)に反する生コンを製造し、この生コンの使われた神奈川県や東京都内の住宅など約70件が違法建築になる恐れがあるとして、各自治体が調査していることがわかった。
JISに適合しない生コンを建物の主要部分に使うと、建築基準法に抵触するだけでなく、安全性に影響が出る可能性もある。
調査対象の一部の住宅は、引き渡しや工事の停止を余儀なくされている。
調査対象の建物があるのは、川崎市と横浜市のほか、東京都府中市、町田市、稲城市、狛江市、世田谷区の計7市区に上る。
このうち、川崎市が約50件と最多だ。
国土交通省や各自治体によると、多くは引き渡し前や工事中の戸建て住宅だが、店舗ビルやアパートもあり、中には既に使用中の建物もあるという。
生コンを製造・出荷したのは、川崎市宮前区の有限会社「小島建材店」。
同社は建築現場で余った生コンを再利用するため、新しい生コンを混ぜて出荷するといった不正を繰り返していたとして、2月21日にJISの認証を取り消された。
JISでは、セメントに水や砂利などを練り混ぜる生コンの製造方法や原料の計量方法などを厳格に定めている。
原料の使用割合が不明瞭となり、品質の安全性を保てないためで、古い生コンに新しい生コンを混ぜる行為は認められていない。
一方、建築基準法は「建築物の基礎や主要な構造部などに使うコンクリートは、JISに適合するか、国交相の認定を受ける必要がある」と定めている。
国交省の担当者は「耐震性を含む建物の安全性を確保するためだ」とした上で、「すぐに安全性に問題が出るとは言い切れないが、不適合の生コンが使われると、長期的には強度不足になる恐れがある」と指摘する。
国交省は同社の生コンが使われた建物の実態を把握するため、JISの認証取り消し後、同社に納入先の情報を出すよう要請。
3月末、提供された建築現場のリストを自治体と共有した。
各自治体は4月以降、建物の施工業者への照会などを通じて、生コンがどこに使われたかを調べている。
調査中の段階では建物を建築主に引き渡せず、施工に携わったある住宅メーカーは「一部の住宅が引き渡しや工事の停止に追い込まれている」と明かす。
問題の生コンが建物の主要部分に使われていれば、同法違反と認定され、建築主らが自治体から解体や改修を命じられることもある。
既に建物の基礎に使われた物件も確認されており、ある自治体の担当者は「基礎が問題だとすると一部の修繕では済まず、解体せざるを得ないのではないか」と話している。
一方、主要部分の成分や強度を分析し、安全性に問題がないと判断されれば、国交相の認定を受けて適法な建物とみなされる余地もある。
国交省は「入居中か引き渡し前かなど、各物件の事情や調査結果を踏まえ、各自治体が対応を判断することになる」としている。
民間調査会社の帝国データバンクによると、小島建材店は1974年7月に設立され、2021年3月期の売上高は約5億8000万円。
読売新聞の取材に対し、「取引先並びに関係各社に多大な迷惑をかけてしまい、心よりおわび申し上げる。現在、事実確認を含め対応中で、回答を控える」とコメントした。
◆日本産業規格(JIS)
製品の品質改善などを目的に、産業標準化法に基づき制定される国家規格。
認証を得るには、国に登録された審査機関による審査や試験をクリアする必要がある。
鉄鋼、化学などの素材分野や電化製品など対象は多岐にわたり、5月末時点の認証取得者数は約8200。
【業界団体、適切処理呼びかけ】
生コン業界では、2008年7月、神奈川県藤沢市の製造業者がJISに適合しない原料を混ぜた生コンを各地に納入していたことが判明。
同社はJIS認証を取り消され、生コンが使われたマンションやホテル、戸建て住宅などが違法建築と認定された。
この問題を受け、業界団体「全国生コンクリート工業組合連合会」などが法令順守や再発防止に向けた研修を強化。
加盟社には、現場に運んだ生コンが余った場合、運搬車を洗浄するなど、適切な処理を行うよう呼びかけている。
しかし、今回JISの認証を取り消された小島建材店は業界団体に加盟しておらず、業界の取り組みが不正の防止につながらなかった可能性もある。
同連合会の幹部は、「余った生コンの処理には誰もが苦労しているが、品質を保つために真面目にやっている業者ばかり。今回の不正は論外で許されない」と話す。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220604-OYT1T50276/
6月5日18時13分に朝日新聞からは、1月の大雪でキャンセルがでたため余った生コンを使ってしまったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎市の生コンクリート製造業者が、余っていた生コンを製造の際に再利用するなどした、不適切な製品を出荷していたことがわかった。
川崎市によると、市内には、この業者の生コンを使ったとみられる建物が約25棟あるという。
建築基準法に違反する可能性もあり、安全面に問題がないか国土交通省や川崎市が調査している。
業者は小島建材店(同市宮前区)。
余った生コンに新しく作った生コンを混ぜて出荷していたなどとして今年2月、日本産業規格(JIS)の認証を取り消された。
建築基準法は、建物の基礎や主要構造部などのコンクリートはJISに適合するか、国交相の認定を受けたものでなければならないと定める。
川崎市は3月末、国交省から同社の生コンの出荷先などのリストの提供を受けた。
市によると、約25棟のうち1棟は鉄骨3階建て店舗で残りは木造住宅。
いずれも基礎部分に同社のものを使っていたとみられる。
住宅の一部は入居済みという。
市の聞き取りに対し、小島建材店は「1月上旬に大雪があって、キャンセルが出てしまった。ロスをなくすためにやむなく、(余った生コンを)使ってしまった」と説明したという。
入居者からは「どうすればいいのか」と困惑の声が上がっているという。
https://www.asahi.com/articles/ASQ655VT6Q65UTIL00G.html
2022年5月26日付で兵庫経済プラスから、『墜ちたダイヤ~三菱電機 不正の構図(上) 不正報告「言ったもん負け」の組織風土』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・丸の内、「三菱村」と呼ばれるオフィス街の一角にある三菱電機本社。
「不適切行為で、多大なる心配と迷惑をかけたことを改めておわびする」
漆間社長は25日夕、記者会見し、報道陣を前に頭を下げて陳謝した。
同社では、昨年6月に検査不正が発覚。
この日、外部の弁護士らでつくる調査委員会が3回目の報告を行った。
報告書で、神戸や姫路、三田、尼崎など兵庫県関連の7拠点・74件、全国で計15拠点・101件の不正が新たに判明。
検査とともに製造現場での不正に絡む生々しいやりとりが並んだ。
◇
「(上司に不正を)報告したとしても、担当者で解決するようにと言われるだけ。報告する意味はない」
姫路製作所(姫路市)の社員は、調査委の聞き取りに、こう証言した。
同製作所では、顧客が指定した製造法を無視し、異なる方法で大手自動車メーカー向けの部品をつくっていた。
理由は「顧客が指定した方法で製造するには新しい設備が必要だったが、多額の費用がかかる。量産開始までの時間もなかった」から、と報告書は記す。
この部品はインバーター(電力変換器)。
電気自動車(EV)のモーター回転数や出力を制御する。
数多くの製品を手掛ける同社でも、主力の一つとされる。
担当者は調査委に、「顧客から明確に指示されていた。異なる方法で製造しても構わないという結論になるとは到底考えられなかった」と述べた。
この事実が自動車メーカーに知らされることはなく、不正な製造は最近まで、6年以上続いた。
不正状態の是正を現場が求めても、上司は「自分で解決するように」と責任を押しつけてくるだけ。
それなら言わない方がいい-。
「言ったもん負け」。
調査委は、三菱電機の組織風土をこう表現した。
◇
県内関連の拠点別で最多の32件の不正が判明した三田製作所(三田市)。
ここでも「言ったもん負け」の風土は根深い。
三田では2年前、現場社員が欧州の基準を満たさないと知りながら、3年間にわたり、欧州向けにカーラジオを輸出していた不正が発覚。
同社は、再発防止に取り組む方針を示した。
しかし、それ以降も定期抜き取り検査や、開発段階の試験をしないなど、不正は続いていた。
三田は自動車機器事業の拠点。
1986年に開設され、社員約1600人が働く。
同事業の主力拠点が姫路製作所で、43年に三菱電機発祥の地・神戸製作所の分工場として開設。
正社員約3400人が所属する。
報告書は、不正の背景として、自動車メーカーとの力関係に言及する。
不正には、性能に影響しない検査をしなかったことも含まれる。
報告書は「顧客に説明すれば(検査廃止の)了解を得られたと思われることでも、申し入れをためらう姿勢が見られた」とする。
立場の強い自動車メーカーからかかるプレッシャー。
それを受け止める仕組みが社内になく、「見て見ぬふり」をする風土が広がっていった。
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202205/0015334221.shtml
5月28日付で『墜ちたダイヤ~三菱電機 不正の構図(下) 管理職が不正を指示「生活がかかっている」』というタイトルの続編がネット配信されていた。
「工場や製造ラインの採算性の向上、維持のため。悪いとは思っていない」
三菱電機の検査不正問題の調査結果を報告した25日夕の記者会見。
調査委員会の木目田弁護士は、不正に携わった社員らの意識をこう表現した。
発電所向けの大容量変圧器を製造する系統変電システム製作所赤穂工場(兵庫県赤穂市)。
少なくとも1980年代初めから品質不正が行われてきた。
始まりは40年以上前、利益率が落ち込んだ変圧器の採算性を維持しようと、管理職が不正を指示した。
「お前の肩には、関係会社を含め、従業員とその家族千人以上の生活がかかっている」。
社内基準を下回った設計にし、試験も規定を低くして行うよう求めた。
耐電圧試験では、設計部門が、品質管理部門に対して、実測値ではなく基準内の数字を記載するように指示。
さらに実測値も報告させ、基準内に収まっていない場合は、修正した数値を顧客に提出する試験成績書に記入するよう求めた。
木目田弁護士は、「不正を行うのが当たり前のようになり、惰性のようなもので続けていた」と話す。
◇
今回、調査委がまとめた3回目の報告書は、256ページに及ぶ。
ヒアリングした担当者や管理職の大半は、当該拠点での勤務経験しかなく、他の拠点については何も知らないという反応が圧倒的多数だったという。
そうした環境が、本社や他の拠点への無関心を生んだ。
その半面で、所属する組織への帰属意識が強まり、内向きの論理をはびこらせた。
組織ぐるみの不正を「自身の帰属する拠点を守るためという正当化が顕著になされ」た結果、「品質不正の背景や温床となっていた」と分析した。
こうした構図は過去10年間、兵庫県内で相次いだ大手企業の不正にも当てはまる。
東洋ゴム工業(現TOYOTIRE、伊丹市)では2015年、子会社が免震装置や産業用防振ゴムの製品データを改ざんした。
17年には神戸製鋼所(神戸市中央区)で、アルミ製品などの検査不正が発覚。
21年には住友ゴム工業(同)、今年に入ると神東塗料(尼崎市)でも不正な製品検査が明らかになった。
一連の不正の共通点は、他の部門との人事交流が少ない環境で起きたことだ。
扱う製品は企業向けで、一般消費者と向き合う必要もなかった。
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その中でも三菱電機が特異なのは、不正が全国22拠点のうち16拠点と全体の7割を超え、他の企業よりも広がりが大きい点だ。
同社の漆間社長は記者会見で、「これだけの件数が出ていることを真摯に受け止める。それぞれの工場、全体を見たときに共通する風土があるのではと思っている」と話した。
その風土を変えて、グループ従業員約15万人の意識を外向きにできるか-。
神戸・和田岬での創業から102年目となる巨大メーカーの決意が試されている。
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202205/0015337248.shtml
2022年4月27日14時0分にYAHOOニュース(朝日新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防法に基づき安全設備の品質管理を担う日本消防検定協会が、不正に検定を受けていたとしてF社(東京都)の火災感知器や中継器の4製品の合格を取り消した。
取り消しは初めてで、総務省消防庁は対象の約1万台の回収、交換を指導した。
不正品は業務用として出荷していた。
その6割にあたる6055台が東京電力と九州電力の原子力発電所に設置されている。
東電福島第一原発の事故後に原発の火災対策が強化されたことを受け、F社が販売に力を入れたことが背景にあるとみられる。
東電の柏崎刈羽原発で3595台、福島第一原発で430台、九電の玄海原発で2030台の計6055台が設置されている。
東電は27日、全数を交換する方針を固めた。
九電もすべてを交換する方向だ。
日本原子力研究開発機構大洗研究所(茨城県大洗町)も全18台を交換する。
F社は、原発以外に設置してあるものも含め交換を進める。
F社は、承認されていない部品を使っているのに、承認済みを装うラベルを貼ってチェックをすり抜けていた。
設置されている製品を確認し性能に問題はないと主張している。
一方で、不正の判明後に在庫から10台を調べたところ、規格に適合しないものが4台見つかった。
低温下で動かないものが3台、結露を想定し水をかける試験で正常に作動しないものが1台あったという。
日本消防検定協会は3月31日付で、定温式スポット型感知器2種類(計4869台)と中継器2種類(計4764台)について、「型式適合検定」の合格を取り消した。
感知器は主に天井に設置され、熱を感知して信号を発する。
中継器は、感知器などが発した信号を受信機に送る。
東電は当初、一部について「継続使用か交換するのか検討を行う」としていた。
不正品が設置されていることを3月31日に公表して以降、社内で検討を重ね、「すべて取り換える方向」だと取材に今月27日に答えた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/609db3d0296f4d31ab3dd3ccb1f3497aae97fc9b
3月31日19時0分に東京新聞からは、設置先で製品を交換した際に発覚したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
問題の製品は2013年9月から20年10月にかけて製造した。
昨年12月に設置先で製品を交換した際に発覚した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/168998
3月31日付で該社HPには、以下のお知らせが掲載されていた。
・・・
1.判明した事実の概要
・・・
(2)不正行為の概要
2013年9月から2020年10月までの間に当社で製造した上記製品(以下「本件対象製品」といいま す。)について、型式承認時に承認された部品とは異なる部品を一部用いて製造し、当該事実が発覚することを防ぐために、型式適合検定受検時に不正の手段を用いて型式適合検定に合格していたこと(以下「本件不正行為」といいます。)が判明いたしました。
・・・
4.本件不正行為の原因に関する調査
・・・
(2)原因
本調査委員会による調査結果等も踏まえ、当社としては、本件不正行為の原因は以下のとおりであると考えております。
① 法令遵守・コンプライアンス意識の欠如
② 消防法・検定制度の理解不足
③ 内部監査機能の機能不全
④ 組織内の連携体制の不全
⑤ 部門間の相互チェック機能の欠如
具体的には、一部部品について、既にメーカーが生産を中止していたものの、かかる生産中止情報及び実際の在庫情報が社内で共有されないまま受注を獲得し、納期遵守を優先して、法令及び社内規程等を逸脱し、本件不正行為に及んでしまいました。
更には、内部監査機能や部門間の連携、相互チェック機能が不十分であったことにより、本件不正行為を社内で防止することがで なかったものと考えております。
・・・
(ブログ者コメント)
製品交換時に発覚したという点が、よくわからない。
交換後の製品を分解し、部品をリサイクルしようとして発覚したということだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。