2013年12月29日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正9として掲載します。
第2報は下記。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3559/
(2016年11月1日 修正9 ;追記)
2016年10月14日7時2分に産経新聞から、設計者が2審で逆転無罪の判決を受けたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月14日2時25分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(これまでの情報に基づき、第1報第2報ともども、タイトルも修正した)
スロープを設計した1級建築士で、業務上過失致死傷罪に問われた被告(69)の控訴審判決公判が13日、東京高裁で開かれた。
裁判長は、1審有罪判決を破棄し、無罪を言い渡した。
判決によると、被告は、建物とスロープを耐震性の高い床でつなげるよう設計。
しかし、実際の工事では、耐震性の低い鋼板だけでつながれていた。
そのため、震災で崩落した。
1審東京地裁立川支部は、「被告は、床でつなぐという自身の設計を、設計の総括責任者らに十分に説明しないと設計とは異なる工事が行われる危険があったのに、説明義務を怠った」として過失を認定。禁錮8月、執行猶予2年(求刑禁錮1年6月)とした。
しかし、東京高裁は「被告は、設計内容を書面で総括責任者らに伝えており、説明義務は果たしていた。むしろ総括責任者らの側に、被告の設計内容を確認すべき義務があった」と指摘した。
この事故では、警視庁が被告や総括責任者ら計4人を書類送検。
東京地検立川支部は、平成25年、被告を起訴し、他の3人は不起訴とした。
検察は当初、被告の設計ミスで事故が起きたとして起訴したが、その後、弁護側から反論され、正確な設計図をつくったものの、関係者に内容を確実に伝える配慮義務を怠ったと、起訴内容を変更した。
被告を有罪とした1審判決も、前任の構造設計担当者の責任について、「(被告よりも)相当程度大きい」と、異例の言及をしていた。
判決後に会見した被告は、「死傷者がおり、手放しで喜べないが、司法の良識を再確認した。ほっとした」と話した。
弁護団は、「なぜ設計通りに施工されなかったのかは不明のままだ。検察官は真相を解明し、起訴すべき人間を起訴すべきだ」と述べた。
出典
『コストコ崩落、逆転無罪 「建築士、説明義務果たす」 東京高裁』
http://www.sankei.com/affairs/news/161014/afr1610140004-n1.html
『コストコ崩落事故 1級建築士、逆転無罪 東京高裁判決』
http://mainichi.jp/articles/20161014/k00/00m/040/079000c
10月28日0時4分に共同通信から、無罪が確定したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月25日14時59分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京高検は、27日、業務上過失致死傷罪に問われた被告を逆転無罪とした東京高裁判決について、上告を断念したと発表した。
上告期限の28日午前0時に無罪が確定した。
高検は、憲法違反や判例違反といった上告に必要な理由がないと判断したもよう。
(出典)
『震災崩落、建築士の逆転無罪確定 東京高検が上告断念』
http://this.kiji.is/164286533018206217?c=39546741839462401
『コストコ崩落事故、建築士の逆転無罪確定へ 東京高検が上告断念方針』
http://www.sankei.com/affairs/news/161025/afr1610250024-n1.html
(2016年11月24日 修正10 ;追記)
2016年11月23日11時41分に朝日新聞から、無罪判決を受けた被告以外の関係者が再捜査されるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京高裁判決を受けて、東京地検が再捜査に乗り出すことが分かった。
判決は他の関係者の責任に言及しており、1級建築士以外の過失の有無を調べ直す。
検察審査会の判断などで再捜査することはあるが、無罪判決を受けて再捜査を始めるのは異例のことだ。
「明らかな人災。2人が亡くなった事故で誰も罪に問われないのは放っておけない」。
検察幹部は、再捜査の理由をそう説明する。
震源から離れた東京都町田市で事故が起きたのは、建物の構造設計に欠陥があったことが明白だとみている。
設計の途中で建築士が交代し、複数の建築士が関わっていたことで、当初の捜査は混迷。
別の検察幹部は、無罪判決の後、「起訴の対象を絞りすぎてしまった」と判断ミスを認めた。
「一事不再理」の原則から、無罪が確定した1級建築士が改めて起訴されることはない。
一方、不起訴になった関係者の刑事責任を問うことは可能だ。
ただ、設計当時から約15年がたち、捜査は難航が予想される。
業務上過失事件に詳しい高井康行弁護士は、「捜査を見直す姿勢は評価できる。ただ二度の失敗は許されず、慎重な捜査を求めたい」と話している。
出典
『コストコのスロープ崩壊、再捜査へ 無罪判決で東京地検』
http://www.asahi.com/articles/ASJCQ5Q4FJCQUTIL05Q.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。