2023年10月5日20時50分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県鎌倉市のJR東海道線で8月、電車が線路脇の電柱と衝突した事故で、JR東日本は5日、電柱の根元部分のひびから雨水が入って内部の鉄筋の腐食が進み、折れて線路側に傾いたことが原因と発表した。
渡利副社長は記者会見で、「多くのお客さまにご迷惑をおかけしたことを改めて深くおわび申し上げる」と謝罪した。
JR東によると、1980年の設置後、何らかの原因でひびが発生。
架線の引っ張る力で割れ目が開いたままの状態となり、雨水が内部に入り込んだ。
その結果、鉄筋の腐食が徐々に進んで10本中4本が破断するなどし、最終的に線路側に傾いて電車と衝突したと推定した。
昨年5月にこの電柱を検査した際、異常は確認されなかった。
再発防止策として、ひび割れ検査や設計方法を見直すほか、同種電柱の補強工事を実施することを決めた。
JR東はこれまで、設置状況などが似た電柱約8700本を点検。
このうち特に類似する99本を重点的に管理することとし、追加点検で千葉県内と東京都内の計2本にひびを確認した。
既に補強しており、残りも2カ月程度で順次補強する。
けがを申告した乗客が7人に上ったことも明らかにした。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20231005/k00/00m/040/299000c
10月5日18時28分に読売新聞からは、昨年5月の目視点検で細かいヒビ割れを見逃していた可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、ひび割れができた時期や原因は不明。
同社では3年に1回、目視で電柱の定期点検を実施しており、今回倒れた電柱は昨年5月に点検していたが、ひび割れは確認できていなかった。
細かいひび割れは目視ではわかりにくく、見逃していた可能性があり、同社はひび割れを見つけやすいよう、水などを吹き付けるなど点検方法を見直す。
事故は8月5日夜に発生。
小田原発横浜行き臨時電車が大船駅構内を走行中に電柱に衝突し、運転士1人と乗客7人がけがをしたほか、乗客12人が熱中症の症状など体調不良を訴えた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231005-OYT1T50250/
10月5日15時38分に産経新聞からは、一時的に大きな荷重が加わり、根元に微小なヒビ割れが発生していた、ヒビ割れが閉じない可能性がある99本を重点管理柱に定めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東によると、折れたコンクリート製の電柱は、何らかの原因で一時的に大きな荷重が加わり、根本に微小なひび割れが発生していた。
ひび割れは荷重がなくなると閉じるが、折れた電柱は常時荷重が加わっていたため、ひび割れが閉じない状態が続いていた。
ひび割れから雨水が浸入し、柱内部の鉄筋が腐食しやすくなったとみられ、鉄筋10本のうち3本が破断していた。
さらにもう1本の鉄筋も腐食が進展していた。
その結果、電柱が折れ、線路側に傾いたと推定している。
JR東は対策として、ひび割れの閉じない可能性のあるコンクリート製の電柱99本を「重点管理柱」と定め、今後、補強工事などを実施する。
https://www.sankei.com/article/20231005-AHQHZ2H3WRKBRLVEQ5JKW4WEH4/
(2024年11月29日 修正1 ;追記)
2024年11月28日13時21分に朝日新聞からは、調査報告書が公表された、倒れた電柱は走行中の電車の数m先に突然現れた、電柱の直撃を受けた車両は天井部が先につぶれて衝撃を吸収する構造を取り入れていたため被害軽減に寄与した可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
あわや電柱が客席部を直撃するところだったことが、国の運輸安運輸安全委員会が28日に公表した調査報告書で明らかになった。
事故は昨年8月5日夜に発生。
乗客約1500人を乗せた小田原発横浜行きの臨時列車(15両編成)に倒れてきた電柱が衝突し、運転士1人と乗客4人の計5人が打撲などの軽傷を負った。
調査報告書で明らかになった運転士の証言などによると、走行中、2~3メートル前方に電柱が突如現れ、先頭車両前面の左脇部分に衝突した。
1両目に座っていた乗客は、衝撃の際、火花が飛んできて背中に当たり、軽いやけどを負った。
車内は一時白く煙ったという。
運転士や乗客が乗っていた1両目は、天井部が先につぶれて衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンと呼ばれる構造を採り入れており、報告書では、クラッシャブルゾーンが「被害軽減に一定程度寄与した可能性がある」と指摘している。
報告書によると、電柱を支える10本の鉄筋がいずれも事故後に折れており、断面がさびていたという。
腐食の状況などから、このうち3本は事故発生前に折れてから「相当の時間が経過した」とし、もう1本も事故発生前には亀裂ができていたとしている。
電柱は架線を引き留めるため常に一定方向に強い力がかかる構造で、風速40メートルの風圧下では設計上の許容値を超える力がかかっていた。
風や地震などの影響で電柱にひび割れが発生し、割れ目が閉じない状態が続くなかで雨水などが入ったため、鉄筋が腐食したとしている。
運輸安全委は、電柱の根本に生じたひび割れから雨水が浸入し、鉄筋が腐食したため電柱が倒れたと結論づけた。
電柱の定期検査は2022年5月に行われていたが、目視での確認だったことから、「検査で横ひび割れが発生していたが発見できなかった可能性がある」と指摘した。
JR東日本は事故後、再発防止策として折れた電柱と同様に、架線を引き留めるために一定方向に強い力がかかる構造の電柱100本を「重点管理柱」に指定。
強度の高い鋼管柱への交換や補強などを今年9月までに終えているという。
https://www.asahi.com/articles/ASSCX1CSTSCXUTIL023M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
11月28日10時0分にYAHOOニュース(TBS NEWS )からは、電柱は衝突3分半前に電車とぶつかる角度まで傾いた、根元のヒビ割れは線路に敷かれた小石に隠れた部分にあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
傾いた電柱は事故発生前に風や地震などの影響で、架線から一時的に強い力で引っ張られ、電柱の根元部分にひび割れが起きていました。
そのひびから雨水が入り電柱の中の鉄筋が腐食したため、10本ある鉄筋のうち3本が折れたほか、1本の腐食が進んだ結果、衝突するおよそ3分半前に電柱が電車とぶつかる角度にまで傾いたということです。
また根元部分のひび割れは、線路に敷かれている小さな石に隠れた部分にあり、事故のおよそ1年2か月前に行われた定期検査では、発見できなかったとしています。
運輸安全委員会は、▼電柱の補強や建て替えなどの実施、▼検査方法の見直しなどの再発防止策が必要だとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4ca6a9be0bbee9daaaa74cb7121a6f936ea9612
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。