2018年6月8日21時21分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日午前9時20分ころ、横手市増田町亀田の交差点で横手市十文字町のMさん(男性、71歳)が運転していた軽トラックが軽乗用車と衝突した。
警察によると、事故の直後、Mさんは救急車で横手市内のH総合病院に搬送されたが、診察の結果、すり傷などの軽いけがと診断され、その日のうちに自宅に帰った。
しかし6日午前11時ころ、近くに住む姉が自宅を訪ねたところMさんが死亡しているのを見つけ、通報した。
警察が8日の午後、司法解剖を行ったところ、Mさんの死因は小腸が破裂したことによる腹膜炎で、事故で腹を強く打ったことが原因とみられるという。
警察が、事故からMさんが死亡するまでの詳しいいきさつを調べている。
死亡したMさんが搬送されたH総合病院の総務管理課の斉藤課長補佐は、「この件で警察から連絡があったことは把握しているが、細かい内容は分からない。また、月曜日にならなければ診断の経緯を調査するかも含めて分からず、いまは何も答えられない」と話している。
出典
『事故で軽傷診断の男性 翌日死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20180608/6010000914.html
6月8日付で秋田朝日放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死因は小腸の破裂による腹膜炎で、警察によると、小腸が原因となる場合、気づにくいケースがあるという。
事故は、軽トラックと軽乗用車のどちらかが信号無視をした可能性があり、警察が当時の状況を調べている。
出典
『車同士の衝突事故で軽傷と診断された男性が翌日死亡』
https://www.aab-tv.co.jp/news/aab_shownews.php
2018年5月16日22時47分に時事通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市阿倍野区の障害者支援施設で、入居者の女性(52)が熱湯の入った風呂に転落する事故が起きていたことが16日、分かった。
女性は全身やけどで15日夜、搬送先病院で死亡。
職員が温度確認などを怠ったとみられ、警察は業務上過失致死容疑で捜査している。
警察によると、事故があったのは障害者5人が入居するグループホーム「T」。
12日午後4時半ごろ、悲鳴に気付いた職員が浴室内で痛みを訴える女性を発見。
女性は下半身を中心に広範囲にやけどを負っており、入浴しようとしてバランスを崩し、熱湯が入った風呂に転落したとみられる。
施設を運営する社会福祉法人によると、女性職員が湯を張ったが、職員は付き添わず、女性が1人で入浴していた。
施設が確かめたところ、温度は70~80℃に設定されていたという。
施設の規則は、入浴させる前に実際に手を入れ温度を確認すると定めていたが、職員は怠っていた。
同法人は取材に、「マニュアルが適切に守られず、誠に申し訳ない」と謝罪した。
出典
『障害者施設で死亡事故=熱湯風呂に入居者転落-大阪』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018051601459&g=soc
5月16日20時46分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設は2階建て住宅で入居者が暮らす形で、当時、5人が入居していた。
女性は全身の60%にやけどを負ったという。
出典
『80度近い風呂に転落、52歳死亡 大阪の障害者施設』
https://www.asahi.com/articles/ASL5J578FL5JPTIL00T.html
5月16日22時25分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
入所する知的障害者の女性(52)が入浴中にやけどを負い、15日に死亡した
全身が真っ赤になった女性は「熱い、熱い」と叫んでいたという。
司法解剖の結果、死因はやけどによるショックだった。
ホームを運営する社会福祉法人「日本ヘレンケラー財団」(同市阿倍野区)によると、ホームには知的障害者ら5人が入所。
当時は、従業員1人が入所者の世話をしていたという。
出典
『障害者施設 入所者が熱湯で死亡 80度近くか 大阪』
https://mainichi.jp/articles/20180517/k00/00m/040/116000c
5月17日9時5分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午後4時30分頃、施設職員が叫び声を聞いて浴室に駆け付けたところ、一人で入浴中だった女性(52)の肌が真っ赤になっていた。
女性は救急搬送されたが、やけどは体の約6割に及び、15日夜に死亡した。
蛇口からの給湯温度は最高の85℃に設定され、浴槽の湯は80℃前後あったとみられる。
警察は、女性が浴槽につかる前にかけ湯をしたとみている。
出典
『80度浴槽でかけ湯、女性が全身やけどで死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180517-OYT1T50006.html
5月17日13時27分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設を運営する「日本ヘレンケラー財団」の西川理事長は17日、風呂の設定温度は当時85℃で、職員が入浴前の温度確認を怠ったことを明らかにした。
死亡したのは、施設で暮らしていた女性(52)。
西川理事長によると、施設の50代の職員が浴槽に湯を張る際、温度を85℃に設定した。
入所者の女性は1人で入浴し、浴槽に足を入れたが熱すぎたためバランスを崩し、湯の中に転倒したとみられる。
警察によると、女性は12日午後4時半ごろに風呂に入り、全身にやけどを負った。
病院に搬送されたが、15日に死亡した。
日本ヘレンケラー財団は、ホームページによると昭和23年、毎日新聞社の招聘で、 視覚と聴覚の重複障害をもつ“奇跡の女性”ヘレン・ケラーの来日を記念。
「ヘレンケラー精神」を啓蒙し、寄せられた基金などをもとに昭和25年5月に設立された。
出典
『職員が温度確認怠る…85度の熱湯風呂で入所者死亡、理事長が謝罪 大阪』
http://www.sankei.com/west/news/180517/wst1805170060-n1.html
2017年10月3日16時47分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都大付属病院は3日、薬剤師が調剤した注射薬を自宅で投与した60代の女性患者が死亡したと発表した。
薬は通常の700倍超の濃度で、調剤を誤った可能性が高いという。
稲垣院長は、「このような事態を招き、心よりおわび申し上げる」と謝罪した。
女性が投与した前日に、一緒に調剤された注射薬を使った別の患者は色の異常に気づき、投与を途中で止めていたという。
病院は報告を受けたものの、死亡した患者に使用中止を伝えていなかった。
病院側は、「この時点では原因が分かっていなかった」と釈明している。
京大病院によると、注射薬は「セレン注製剤」。
8月28日、医師の処方箋に従って薬剤師2人が調剤した。
9月26日夕、患者が自宅で投与し、約3時間後に背中に痛みを感じたため、翌27日午前に同病院で処置を受けたが、死亡した。
病院が調べたところ、通常の738倍の濃度のセレンが含まれていたことが判明した。
別の患者は9月25日にセレン注製剤を使用したが、「薬の色が赤みを帯びている」と、途中で投与を中止したうえで、病院に報告していた。
調剤した薬剤師は、1人がキャリア10数年、もう1人は5年未満だった。
セレンは体内に存在する微量元素で、欠乏するとさまざまな症状をきたす。
医薬品として販売していないため、京大病院では薬剤師が注射薬を調剤していた。
病院は厚労や京都府警に事故を届けた。
今後、調査委員会で詳しく検証する方針。
出典
『京大病院、調剤ミスか 60代患者死亡 濃度700倍の注射薬』
http://www.sankei.com/west/news/171003/wst1710030070-n1.html
3月26日19時14分に京都新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同病院は26日、セレン注射薬を患者に渡すまでの過程で通常の1000倍の濃度に調剤するミスが発生したとの検証結果を明らかにした。
死因はセレン中毒だった。
女性の血中のセレン濃度は基準値の20倍を超えていた。
院内に残っていた注射薬の濃度は、処方箋通りに作った場合の1000倍だった。
同病院によると、昨年5月16日に薬剤師が院内の保管庫からセレン試薬瓶を取り出し、無菌室で水と混ぜて注射薬を作った。
計量する時に単位を間違えた可能性があるが、調剤した薬剤師2人は調査に「いつも通りにやった。間違うはずがない」と話している。
このうち1人はセレン試薬瓶を約1カ月後に廃棄。「試薬が古いと考えた」と説明したという。
同病院は「昨年5月以降の保管状況で、ミスが発生した場所や時期は特定できなかった」としている。
薬剤師が現在も同病院に勤務しているかは明らかにしなかった。
再発防止策として、調剤時の手順書を改訂したり計測方法を改めたりしたという。
出典
『京大患者死亡、濃度千倍の調剤ミス 検証結果公表』
http://kyoto-np.jp/top/article/20180326000140
3月27日10時7分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書などによると、薬は医師の処方箋をもとに薬剤師2人が調剤。
2人は調査委の聞き取りに「いつも通りに量った」とミスを否定したが、薬の管理記録にはセレンの使用量を詳細に記す欄がなく、原因は解明できなかったという。
出典
『京大病院調剤ミス、薬濃度1000倍…患者死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180327-OYT1T50061.html
3月26日19時13分にABC NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年9月、京大病院に通院していた女性患者が、体内に不足すると心筋症などを引き起こす「セレン」という元素を補うための注射薬を自宅で投与したところ、容態が急変し死亡した。
「セレン」の注射薬は通常の1000倍の濃度で調剤されていた。
製剤マニュアルには調合の単位が「ミリグラム」で記載されているが、薬剤師が調剤の際、単位を「グラム」と取り違えた可能性があるという。
出典
『【京都】京大病院 調剤ミスで女性死亡』
https://www.asahi.co.jp/webnews/abc_2_006_20180326010.html
3月26日19時52分に日本経済新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院は、同じ薬を投与された他の患者から異常を指摘された際に「人体への影響はないだろう」などと薬剤部内で判断していたと説明。
グラム表記のはかりを使用するのに、マニュアルはミリグラム表記で書かれているなど、不備があったという。
当初は投与された薬の濃度を738倍としていたが、再度測定したところ、約1000倍と判明したという。
出典
『調剤ミスで患者死亡と断定 京大病院、薬成分千倍に』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2858636026032018AC8Z00/
2018年3月2日12時31分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は2日、臓器提供の意思のある患者の脳死判定で、コンタクトレンズを外さずに不適切な検査をしたとみられる事例があったと発表した。
同省のマニュアルでは、脳死判定時に「角膜を露出させる」としている。
同省は、マニュアル順守を徹底するよう、全国の提供病院に通知した。
厚労省によると、専門家が検証し、脳死の判定自体は妥当だったと結論付けた。
問題とされるのは、昨年8月に兵庫県の県立病院が40代女性に実施した脳死判定。
判定後に眼球を運んだ兵庫県のアイバンクが、「ソフトコンタクトが角膜についたままだ」と指摘した。
ただ、病院側はコンタクト装着を否定したという。
脳死判定の検査には、角膜に綿棒で刺激を与え、まばたきをしないことを確認する項目がある。
専門家の検証では、ソフトコンタクトを着けていても刺激は伝わることや、他の複数の検査でも脳幹の反射がないことを確認しており、脳死判定は妥当と判断した。
通知では、コンタクトの使用状況について、家族への聞き取りを徹底するよう求めた。
出典
『コンタクト外さず脳死判定 兵庫の県立病院、マニュアルでは「角膜を露出」、不適切検査か 厚労省、注意喚起』
http://www.sankei.com/west/news/180302/wst1803020042-n1.html
3月2日11時34分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年8月、兵庫県の県立病院で脳死判定を受けた40代女性から摘出された眼球にソフトコンタクトレンズが装着されたままになっていた可能性があると、2日、厚労省が公表した。
脳死判定で角膜の反射を確認する際、伝わる刺激が弱まった恐れがあるが、厚労省の検証会議は、「脳死と判定したことは妥当」と結論づけた。
厚労省によると、女性は昨年8月3日、くも膜下出血のため兵庫県の県立病院で脳死と判定された。
脳死判定をするには角膜の反射をみる検査が5種類あり、同院はいずれの検査も行った上で脳死と判定した。
しかし、摘出した角膜が提供された兵庫アイバンクで、眼球にソフトコンタクトレンズが着いたままだったことが判明。
アイバンクが厚労省などに連絡した。
脳死判定した病院の医師は「コンタクトレンズは付いていなかった」と話しており、わかりにくい場所にずれていたか、眼球にかなり密着した状態になっていた可能性がある。
マニュアルでは、脳死判定に必要な角膜反射の観察は、角膜を露出させて行うこととなっている。
厚労省の検証会議は「コンタクトの影響で脳死判定の際に角膜に伝わる刺激が弱まった恐れがある」と指摘したが、他の検査が正しく行われており、脳死と判定したことは問題ないとした。
厚労省は、臓器提供を行う施設に、マニュアルを守るよう通知を出した。
出典
『コンタクト着いたまま眼球摘出 厚労省検証会議「脳死判定は妥当」』
http://www.sankei.com/affairs/news/180302/afr1803020017-n1.html
2018年2月20日4時57分にNHK高知から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高知市にある高知医療センターで、去年、食道がんの女性の手術中に医師が勘違いして、摘出する必要がなかった胃をすべて摘出する医療ミスがあったことがわかった。
高知医療センターによると、去年、食道がんの50代の女性の手術を行った際、本来は胃の一部だけを切り取る予定だったところを、執刀医が胃をすべて切り取るものと勘違いし、切る必要のない血管を切り離した。
結果として、女性は胃をすべて摘出せざるをえなくなったという。
センターによると、女性はすでに退院して自宅で療養しているということで、病院は今後も慎重に経過を観察するとしている。
この手術は5人の医師が担当していたが、医療センターは、当時は患部の場所ごとに2チームに分かれて同時に手術を行ったことで、力が分散した上、近くで見ていた若手の医師が執刀医に対して、本当に切ってよい血管か進言できなかったことなどがミスの原因だとしている。
そのうえでセンターは、同じような手術では、当面、複数のチームによる同時進行をしないことや、重要な血管を扱うときには執刀医と助手が声をかけながら確認を行うなどの再発防止策を講じるとしている。
出典
『手術中に勘違いで患者の胃を全摘』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20180220/8010001348.html
2月20日14時7分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
高知医療センター(高知市池)で昨年末、食道がんの患者の胃を誤って摘出してしまうミスがあり、運営する県・高知市病院企業団が19日、企業団議会で明らかにした。
医療センターによると、昨年末ごろ、食道がんにかかった県内在住の50代女性の食道を摘出する手術で、本来は胃を喉につなげるのに、腹部を執刀していた男性医師が摘出と勘違いし誤って胃の血管を切断。
血管の縫合も検討したが、血流が確保できない可能性があり、胃も摘出。
大腸を使って切除部分を補い、喉につなげたという。
女性は自宅療養中で、経過を観察するといい、補償の準備を進めている。
今回は喉と腹部を同時に別の医師が手術していたが、当面、同時に手術することをやめるという。
医療センターの吉川院長は、「患者さんやご家族におわびする。再発防止に努める」と話した。
出典
『高知医療センター 食道がん患者の胃を誤って摘出』
https://mainichi.jp/articles/20180220/k00/00e/040/217000c
2月20日15時58分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
センターによると、女性はがんの患部がある食道と胃の一部を取り除く手術を受けた。
手術は5人の医師が担当したが、医師の1人が「胃をすべて摘出する手術」と勘違いし、胃の一部を残すのに必要な血管を誤って切断した。
医師らはすぐにミスに気づいたが、胃はすべて摘出しないといけない状態になった。
女性は、現在は退院し自宅で療養中だという。
センターによると、手術を担当した医師らに懲戒処分はなく、口頭で注意したという。
出典
『医師が勘違い、胃を全摘出 高知医療センター』
https://www.asahi.com/articles/ASL2N3517L2NPLPB001.html
2017年10月4日付で茨城新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
心臓カテーテル手術中に看護師が誤って10倍の量のモルヒネを投与して女性患者(69)が死亡した事故で、水戸済生会総合病院(水戸市双葉台)は3日、記者会見し、通常使わない量のモルヒネを医師が事前に準備し、看護師も量の単位を誤ったまま投与したと明らかにした。
医師が看護師から投与量を確認されたが、聞き逃していたことも説明した。
村田病院長は、「亡くなった患者さんのご冥福をお祈りする。遺族の方々には大変な思いをさせてしまった」と謝罪した。
病院によると、カテーテル手術では通常、痛み止めのモルヒネ注射液は10mgが用意されていたが、今回は50mgが準備されていた。
手術中、医師が看護師に「モルヒネ2.5ミリ」と指示したのに対し、看護師は2.5mℓ分と思い込み、1mℓの溶液には10mgのモルヒネが含まれることから、本来の10倍に当たる25mgを注射した。
医師に看護師が「50mgの半分ですね」と確認したが、医師から返事がなかったため、そのまま投与したという。
医師は、聞かれた認識がないと話しているという。
モルヒネは手術前日、別の医師が多めに見積もって50mgと手配した。
手術を担当した医師は、通常より多く用意されていることに気付かなかった。
同病院は再発防止策として、カテーテル治療で準備するモルヒネ注射液は10mgの規格のみとするとともに、準備した量を手術の担当医も確認する。
女性患者は9月1日に入院した。
心臓カテーテル手術を同14日に受け、同26日に多臓器不全などで死亡した。
同病院は事故調査委員会を設置し、事故の原因を詳しく調べることにしている。
出典
『モルヒネ量、単位誤認 水戸済生会病院 女性死亡で謝罪』
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15070291125959
10月4日10時42分に毎日新聞からは、医師は「モルヒネ2.5」(「モルヒネ2.5ミリ」ではなく)と伝えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
水戸済生会総合病院(水戸市双葉台3)で心臓のカテーテル手術を受けた女性患者(当時69歳)が大量のモルヒネを投与され、その後死亡した医療事故で、同病院は3日、記者会見を開き、医師と看護師の間での伝達ミスが原因で標準使用量の2.5~5倍を投与していたことを明らかにした。
同病院によると、患者は9月14日、閉塞性肥大型心筋症の治療として、カテーテル手術を受けた。
男性手術医が、痛みを緩和する塩酸モルヒネの投与を女性看護師に指示する際、単位が「mg」のつもりで「モルヒネ2.5」と伝えたが、女性看護師は単位が「mℓ」と考え、「(事前に用意していた)50mgの半分(=2.5mℓ)ですね」と答え、そのまま25mgを投与した。
標準使用量は5~10mgで、2人の他に医師ら8人が手術室にいたが、誤りに気が付かなかったという。
患者は、投与された後、血圧が低下して心肺停止。
すぐに人工心肺を装着して、いったん蘇生したが、同月26日午後7時55分ごろ、多臓器不全で死亡した。
村田院長は、「用意していたモルヒネの量は多く、用意した担当医の判断は適切ではなかった。それを病院もチェックできなかった」と述べた。
病院は、モルヒネの取り扱いについて規則などを新設するとともに、事故調査委員会を設置して、さらに原因を調べる方針。
出典
『モルヒネ大量投与 原因は医師と看護師の伝達ミス 水戸』
https://mainichi.jp/articles/20171004/k00/00e/040/198000c
2017年7月20日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7367/
(2017年8月1日 修正1 ;追記)
2017年7月25日2時1分に朝日新聞から、事業所利用者が2年あまりで2倍以上に増えていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事業所の利用者が2年余りで2倍以上に増えていたことが、県への提出書類でわかった。
一方、県によると、介護にあたる生活支援員の常勤は1人。
厚労省や県によると、常勤1人でも法的に問題はないという。
県や警察は、当時の状況について詳しく調べている。
事業所を運営するNPO法人C(本部・さいたま市北区)が県に提出した事業報告書によると、事業所が運営を始めたのは2014年度。
同年度末の利用者は13人だったが、16年度末には28人に増加。
監督する県は17年度、30人だった定員を40人に増やすことを認め、今年4月の利用者は34人となっていた。
一方、施設で利用者を介護する「生活支援員」24人のうち、常勤は障害者総合支援法に基づく厚労省の基準で最低限必要とされる1人。
非常勤23人が交代で勤務することで、必要な職員数を確保している計算になっている。
厚労省が無作為抽出した約1万6千の障害者施設を対象にした「障害福祉サービス等経営実態調査」(14年度)では、生活支援員の約75%は常勤が占める。
「常勤が1人というのは考えられない。通常は6割以上いる」と話す障害者施設関係者もいる。
出典
『熱中症死亡事故の施設 利用者2年で倍、常勤職員は1人』
http://www.asahi.com/articles/ASK7N66C3K7NUTNB010.html
2017年7月21日3時25分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県東郷町の特別養護老人ホームで6月、入所者の60代男性が「出張理美容」の専用トラックに乗り込む際、自動昇降リフトから車椅子ごと転落し、その後、死亡する事故が起きていたことが、県警への取材でわかった。
県警は、出張理美容業者の安全対策が不十分だった可能性もあるとみて、業務上過失致死の疑いで慎重に捜査している。
県警によると、男性は6月19日午後3時ごろ、30代の男性理容師の付き添いで、女性入所者と一緒にリフトに乗った。
上昇中に車内に乗り移ろうとした女性を止めようと、理容師が車椅子から手を離したところ、男性は後ろ向きに転落して後頭部を強打。
7月6日未明に病院で亡くなった。
リフトの床の高さは路面から約70cmで、車椅子の車輪のストッパーはかかっていなかった疑いがあるという。
業者によると、車輪が回らないようにストッパーをかける決まりだった。
一方、リフトと車椅子をつないで固定する器具はなかったという。
また、車椅子を乗せる場合、リフトの定員は付き添いの理美容師とあわせて2人だった。
当時3人が乗っていたことについて、業者の幹部は取材に「上昇が始まる際に、突然、女性が乗ってきた」と説明した。
業者は事故後、リフトの床の車輪止めを使ったり、転落防止のチェーンをつけたりしたという。
業者の幹部は、「こうした事故が二度と起きないよう、再発防止に努めている」と話した。
出典
『出張理美容車から転落、車いすの男性死亡』
http://www.asahi.com/articles/ASK7N5QRGK7NOIPE019.html
7月21日11時20分に中日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月22日付で読売新聞中部版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
施設や町によると、男性は6月19日午後3時すぎ、施設駐車場で、出張理美容業者(名古屋市)の30代男性理容師と、別の入所者の80代女性の計3人で、一緒にリフトに乗った。
その際、女性が、リフトが上がりきらないうちに車内に入ろうとしたため、理容師が止めようとしたところ、男性が車いすごと後ろに転落し、後頭部を強く打った。
男性は要介護4だった。
男性は病院に搬送され、7月6日に死亡した。
業者によると、リフトには転落防止の金属製ストッパーがあったが、事故時はかけていなかった。
また、事故後に確認したところ、男性の車いすの左車輪のブレーキもかかっていない状態だったという。
この業者は、毎月1度、施設を訪れて理美容のサービスを提供しており、「リフトに乗るのは1度に2人」として運用している。
業者の管理者は、「本来は男性だけを連れて専用車に入る予定だったが、自分で歩ける女性が突然リフトに乗ってきて、理容師が片手で押さえていた車いすから手を離した可能性がある」と説明している。
施設は、「施設職員ではなく、業者側が付き添って1人ずつリフトで昇降させるとの内容で契約している」と話した。
出典
『出張理美容車から車いすの男性転落死 愛知・東郷の特養ホーム』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017072190112059.html
『理美容車リフトから車いす男性転落死 東郷』
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20170722-OYTNT50026.html
(2018年7月1日 修正1 ;追記)
2018年6月27日13時36分に産経新聞westから、理容師が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
適切な安全管理を怠ったとして業務上過失致死の疑いで、一緒に昇降機に乗っていた男性理容師(35)を県警が書類送検したことが27日、捜査関係者への取材で分かった。22日付。
書類送検容疑は、昨年6月19日午後3時ごろ、車椅子の車輪の固定を怠ったほか、マニュアルも守らなかったことで、車椅子が転落し男性を死亡させたとしている。
出典
『業過容疑で理容師書類送検、出張散髪の車から転落死』
http://www.sankei.com/west/news/180627/wst1806270059-n1.html
2017年7月24日19時6分にNHK埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
さいたま市にある埼玉県立小児医療センターの手術室や病室などで、体長が1mmから2mmほどの「チャタテムシ」と呼ばれる小さな虫が見つかり、病院は24日から2日間、予定されていた手術を中止して虫の駆除を行うことになった。
埼玉県によると、今月19日、さいたま市にある県立小児医療センターで、病棟で貸し出している文庫本に「チャタテムシ」がついているのを患者が見つけ、家族が病院に届け出た。
病院が調べたところ、「チャタテムシ」は8つある手術室のうちの5室と8つの病棟のあわせて32の病室などで、それぞれ数匹から10匹程度、見つかったという。
県によると、「チャタテムシ」は体長が1mmから2mmほどで、直接、人体に害を及ぼすことはないが、死骸がアレルギーを引き起こしたり、ダニの餌になったりする可能性があるという。
このため病院は、24日と25日、予定されていた38件の手術を中止し、虫の駆除を行うことになった。
県病院局は、「虫の手術室などへの経路を明らかにして、再発防止策を講じたい」と話している。
出典
『病院に虫 手術中止し駆除へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/1106101251.html
7月25日9時51分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県は24日、県立小児医療センターの手術室や病室などで、体長1~2mmのチャタテムシ百数十匹が見つかったと発表した。
発生原因は不明で、患者らに健康被害などは確認されていない。
同センターは駆除作業を行い、24~25日に予定されていた手術計38件を全て中止した。
県病院局経営管理課によると、19日、移動カートによる貸し出し文庫の本に1匹がついているのを患者が発見。
21日に他の病棟にもいたため調べたところ、22~23日に手術室や病室など計41部屋で、それぞれ数匹~10匹程度が見つかった。
センターでは、駆除の結果、虫がいなくなっているのを確認できれば、26日から手術を再開する。
出典
『病室などに虫百数十匹、手術38件中止に』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170725-OYT1T50018.html
7月26日0時9分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は25日、26日から手術を再開すると発表した。
中止した手術の対応は患者家族と日程調整し、早期に手術が行えるようにする。
チャタテムシは体長1~2mmで湿った場所を好み、カビや本の糊を食べて増殖する。
県は24日、全ての手術室に炭酸ガスによる殺虫処理を施してチャタテムシを駆除。
他にも8病棟で確認されていたが、患者がいる病室はアルコール消毒などで対応している。
同センターは、昨年末に同市岩槻区から移転したばかり。
出典
『手術室などにチャタテムシ 埼玉県立小児医療センターで手術38件中止』
http://www.sankei.com/affairs/news/170726/afr1707260002-n1.html
7月24日16時付で同センターのHPには、対応内容が以下のように記されていた。
(1)病院内各部署にバグトラップ(虫採集器)を設置し、発生状況を確認中。
(2)業務委託している清掃業者に通常よりも入念な清掃を依頼。
(3)手術中止となった患者ご家族に中止を連絡中。
(4)各病棟のラウンジに患者ご家族向けのお知らせを掲示。
(5)空調設備工事業者及び建設工事会社が虫の進入経路等を調査中。
(6)害虫駆除専門業者に虫の駆除を依頼。本日18時頃から手術エリアを対象に炭酸ガスによる燻煙処理を行う。
http://www.pref.saitama.lg.jp/a0001/news/page/2017/0724-08.html
(ブログ者コメント)
病院の本に小さな虫がいるのを見つけても、駆除するだけで病院には知らせない・・・そんな人もいるかもしれない。
この患者の家族の方、よくぞ病院に知らせたものだ。
2017年7月18日22時36分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県茅ヶ崎市は18日、同市立病院で昨年9月以降、計約1億428万円相当の医薬品(16種851箱)が紛失した可能性があるとの内部調査結果を発表した。
調査結果によると、抗がん剤やウイルス感染を予防する医薬品などが、医師の指示がないまま使用済みになっていたり、未使用分が返却されていなかったりした。
警察に対応を相談しているという。
仙賀院長は、「市民に心配や不安を与え、おわびします」と謝罪した。
同市は、同市立病院で主任薬剤師の被告(33)(公判中)が抗がん剤を着服したとして業務上横領罪で起訴されたのを受け、昨年4月から今年3月末までを対象に内部調査を行った。
出典
『市立病院で1億円相当の医薬品紛失か…茅ヶ崎』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170718-OYT1T50071.html?from=ycont_top_txt
7月18日21時6分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
茅ヶ崎市立病院では、33歳の主任薬剤師が54万円分の抗がん剤を不正に持ち出したとして、5月に業務上横領の罪で起訴されている。
この事件を受けて、病院では、去年4月からことし3月までの間の院内の医薬品の使用状況を調べた。
その結果、抗がん剤など16種類、851箱、金額にして1億427万円分の薬がなくなっているものの、治療に使用された記録が確認できなかったという。
病院は警察に連絡するとともに、薬品を保管している部屋は日中、施錠していなかったなど、管理体制に問題があったとして、体制の見直しを進めるとしている。
茅ヶ崎市の服部市長は、「管理体制が不十分であったと言わざるをえません。市民の皆さまに深くおわびします」とコメントしている。
出典
『新たに1億円余の薬なくなる 茅ヶ崎市立病院』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170718/k10011064131000.html
(ブログ者コメント)
大きな病院での薬剤管理不備事例は、今月、甲府市で明らかになったばかりだ。(本ブログ掲載スミ)
2017年7月14日8時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午後3時25分ごろ、埼玉県上尾市戸崎の障害者施設「C」の女性職員から、「男性利用者が送迎車の中で口から泡を吹いて倒れている」と119番があった。
男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
熱中症とみられる。
県によると、職員が送迎車から男性を降ろし忘れ、約6時間半、車内に取り残されたとみられる。
警察は、施設の安全管理に問題がなかったか、職員らから事情を聴いている。
県や施設によると、亡くなったのは同市内の男性(19)。
施設は13日朝にワゴン車で男性を迎えに行き、午前9時ごろ施設に到着した。
車には運転手と利用者5人の計6人が乗っていたが、男性だけが車内に取り残され、運転手や職員は全員が降りたことを確認しなかったという。
男性は、普段の生活では介助を必要としなかった。
救急隊が到着した際には心肺停止状態で、体温が41.4℃あった。
関係者によると、男性は自閉症で、今春から施設に通い始めたという。
上尾市と隣接するさいたま市では、同日の最高気温が正午過ぎに33.1℃を観測した。
ホームページによると、知的障害者や精神障害者の通所施設で、定員40人。
2014年に開設された。
施設の大塚管理者(75)は13日夜、報道陣の取材に応じ、「全員が車を降りたことを十分確認しないなど、職員の連携が不足していた」と陳謝した。
ワゴン車は通常、後部座席のドアが内側から開かないよう、ロックを掛けていたという。
10年7月には千葉県木更津市の高齢者福祉施設で、利用者の女性(当時81歳)が炎天下の車内に約8時間置き去りにされて死亡した。
女性は体が不自由で、外に出られなかったとみられる。
出典
『降ろし忘れ 障害男性、熱中症死 送迎車内に6時間半』
https://mainichi.jp/articles/20170714/k00/00m/040/078000c
7月14日13時2分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日夜に報道陣の取材に応じた大塚管理者によると、施設では普段、朝夕の送迎時に職員が利用者の点呼をしていたが、この日は、ワゴン車の運転手や職員らが男性が車から降りたかどうかを十分確認していなかった。
また、昼食時は全員が食堂に集まるため、利用者の人数を確認できる機会があったが、不在に気付かず、閉所時刻の午後4時間際にようやく男性を発見した。
男性は普段の生活で介助を必要とせず、車の乗り降りも自力でできたという。
男性は3列ある座席の最後列の右側に乗り込み、発見時に倒れていた位置もほとんど変わらなかった。
出典
『上尾・熱中死 降車時点呼、機能せず 県が立ち入り調査』
https://mainichi.jp/articles/20170714/k00/00e/040/196000c
7月15日付で毎日新聞東京版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設では、送迎時や昼食時、作業の休憩時など1日6回、利用者がいるかを確認していた。
13日は、一部の職員が昼食時、男性の食事が手つかずのまま残され姿も見えないことに気づいたが、自ら確認したり他の職員に相談したりしなかった。
利用者の出欠状況を表示する黒板には、男性が不在だったのに出席扱いになっていたという。
大塚管理者は、「普段から利用者の急な欠席や遅刻、早退が日常的にあったので、見過ごしてしまった」と説明したという。
利用者が施設に到着した際の出欠確認は、通常、運転手と職員で実施していたが、この日は研修生の受け入れなどで職員が出られず、運転手が1人で行っていたことも判明した。
出典
『埼玉・上尾の放置死 不在気づいた職員も 県が立ち入り』
https://mainichi.jp/articles/20170715/ddm/041/040/114000c
7月15日10時19分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は同施設で、紙などの分別作業を行うリサイクルのグループに所属。
運動能力については「物理的な介助は必要ない」としており、自力歩行は可能だった。
同施設に来る際、朝に睡眠導入剤を飲んでいたという。
司法解剖の結果、死因は熱中症とみられるという。
出典
『埼玉・上尾の障害者施設で熱中症死 安否確認、手抜かり 県が再発防止策の必要性強調』
http://www.sankei.com/affairs/news/170715/afr1707150013-n1.html4
7月14日18時23分にNHK埼玉からは、何年の実験かは定かでないが、窓を閉め切った車内の温度上昇などに関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JAF=日本自動車連盟は8月の炎天下に実験を行い、サーモグラフィーを使って車内の温度がどう変化するかを測定した。
それによると、気温35℃の日中に車のエンジンを停止させた場合、窓を閉め切った車内の温度は僅か10分で38℃前後と、人の体温を超える温度に上昇したという。
その後も車内の温度は上昇を続け、実験を行った正午から午後4時までの間に、最高で52℃まで上昇したという。
また、熱中症の危険度を5段階に分けた指標でみると、エンジンの停止から僅か15分で、最も危険なレベルに達したという。
JAF埼玉支部の出原事業課長は、「炎天下では急激に車内の温度があがり、たとえ短時間であっても、子どもや障害者などを車内に残すのは、とても危険なので、周りの人たちは十分に注意してほしい」と注意を呼びかけている。
出典
『炎天下の車内は温度急上昇で危険』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/1106096901.html
2017年7月6日付で毎日新聞山梨版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月6日6時33分にNHK山梨からも、関連記事がネット配信されていた。
県立中央病院(甲府市富士見1)は5日、院内で保管していた約3万7000錠の睡眠導入剤を紛失したと発表した。
県警が窃盗容疑で捜査している。
病院は先月、患者の血液型と異なる血液を輸血する医療ミスを起こしたばかり。
神宮寺院長は5日の記者会見で、「気持ちを引き締めてやっていかなければいけない。職員の綱紀粛正を徹底したい」と謝罪した。
病院によると、無くなっていたのは睡眠導入剤「ゾルピデム」。
短時間で効果が表れるが、持続時間は短いという。
病院は、この薬剤を薬剤部の倉庫で保管。
必要な量だけ倉庫から出して、同じ部屋の棚に置いていた。
棚の薬剤が少なくなると、倉庫から補充していたという。
部屋に入るには、42人の薬剤師だけが知る暗証番号が必要だが、職員が少ない休日の昼間には、無施錠の時間帯もあったという。
今月2日、棚にあったはずの約500錠が2日間で無くなったことに薬剤師が気付き、発覚した。
病院がさかのぼって調べたところ、昨年8月以降、購入量と処方量に大きな差が出ており、購入額も2倍以上増えていたことが判明。
この間に約3万7000錠が盗まれた可能性があるという。
購入数や出庫数は記録していたが、処方した量は「数が多すぎて、そこまでは手が回らない」として、確認はしていなかった。
病院では、薬剤部の出入り口に防犯カメラを設置。
今後、施錠方法や管理手順を見直す。
また、月1回、薬剤の在庫量や処方量も調べるという。
出典
『県立中央病院 薬剤紛失、院長が謝罪 「綱紀粛正を徹底」 /山梨』
http://mainichi.jp/articles/20170706/ddl/k19/040/145000c
『県立病院に県が立ち入り検査』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1044907601.html
7月5日21時23分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同院によると、紛失したのは向精神薬「ゾルピデム」。
睡眠効果は最も低い第三種向精神薬だが、「大量服用で昏睡状態になることもある」(神宮司院長)という。
同薬剤は薬剤部で一括管理し、調剤量に応じて調剤室の棚へ補充していた。
法令で帳簿管理の義務がないとして、購入量は確認していたものの、保管量と調剤量の把握はしていなかったという。
先月の金曜夜に約500錠を調剤棚に補充。
2日に出勤してきた薬剤部の薬剤師が、未使用の薬剤が見当たらないことから、紛失が発覚した。
同院は過去分の調査で、毎月の薬剤消費量にあたる購入額が8月以降、それまでの2倍、今年3月以降は3倍に急増していることが分かった。
睡眠導入剤は薬剤部の棚に保管。
休日や夜間など薬剤師が不在の時には、部屋を施錠している
同院は再発防止策として、防犯対策の徹底のほか、5日から毎日、ゾルピデムの補充量と調剤量を帳簿管理し、第三種の他37種も毎月、帳簿管理する。
盗難の可能性もあるとみられるが、神宮司院長は「盗難だとしても使途が分からない」としている。
出典
『山梨県立中央病院、睡眠薬3万7千錠を紛失 帳簿管理せず、不祥事相次ぐ』
http://www.sankei.com/affairs/news/170705/afr1707050037-n1.html
7月6日10時45分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同病院によると、担当者が6月30日夜、薬剤部の調剤室の棚に保管している錠剤が減っていることに気づき、薬品庫に取りに行って補充した。
しかし、7月2日朝に確認すると約500錠がなくなっていて、近くのゴミ箱からは空箱が見つかった。
薬剤部入り口には鍵のかかるドアがあるが、棚には鍵はなかった。
調査したところ、昨年8月頃から錠剤の購入量が増えていることが判明。
実際に処方した量と突き合わせると、さらに約3万6500錠がなくなっていることがわかったという。
出典
『県立病院で睡眠剤3万7000錠を紛失…謝罪』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170706-OYT1T50064.html
(2017年7月31日 修正1 ;追記)
2017年7月28日19時15分にNHK山梨から、平日夜間などに無施錠の時間帯があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は、今月、薬剤の管理体制に問題がなかったかなど実態を把握するため、3回にわたって立ち入り検査を行った。
その結果、睡眠導入剤を管理していた薬剤室は、平日の夜間などに医療従事者が1人もいないにもかかわらず鍵がかかっていない時間帯があったという。
向精神薬に分類される「ゾルピデム」は、乱用のおそれがあることなどから、医療従事者がその場にいない場合は鍵をかけた設備で保管するよう法律で義務づけられていて、県はきょう、直ちに対策を講じるよう指導した。
また、睡眠導入剤の紛失をほぼ1年間にわたって把握できなかったことについても、定期的に薬剤の数を把握するよう指導した。
出典
『薬剤紛失「病院は直ちに対策を」』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1045579141.html
2017年7月2日8時25分にNHK山梨から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月、甲府市にある山梨県立中央病院で、60代の男性に血液型の異なる血液を輸血し、その後、男性が死亡したことがわかった。
病院はミスを認め謝罪したが、男性が死亡したのは輸血のミスが原因ではないと説明している。
山梨県立中央病院によると、先月23日、交通事故で大けがをした60代の男性が救急搬送され、病院の救命救急センターで5600mℓあまりを輸血したが、男性は事故からおよそ4時間後に死亡した。
その後、病院が調べたところ、輸血した血液の一部として男性の血液型の「O型」とは異なる「B型」の血液が840mℓ誤って輸血されていたことがわかった。
病院によると、輸血の際には、医師や看護師の少なくとも2人が血液が入ったパックのラベルを読み合わせることになっている、今回の輸血では確認が十分に行われていなかったという。
病院側は遺族に謝罪するとともに、外部の有識者を含む医療事故調査委員会を設置し、詳しい原因を調べるとしている。
一方で、男性が死亡したのは出血によるショックのためで、輸血のミスが原因ではないと説明している。
1日夜、会見を開いた神宮寺院長は、「医療を提供するべき病院として、あってはならない事故を起こし、誠に申し訳なく思っています」と述べ、ミスについて謝罪した。
出典
『県立病院で救急患者に輸血ミス』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/1044778291.html
7月1日22時53分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、甲府市の男性会社員(当時67歳)は6月23日午前4時50分ごろ、同県南アルプス市にある勤務先の駐車場で、運転していた中型トラックのエンジンをかけたまま降車。
トラックが動き出したため、正面に回って止めようとして轢かれた。
出典
『輸血ミス 交通事故の男性に 4時間後に死亡 山梨』
https://mainichi.jp/articles/20170702/k00/00m/040/091000c
7月3日10時39分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡後に異なる型の血液が輸血に含まれていることが判明したため、警察に届けた。
男性はO型で大量に出血しており、総輸血量は5680mℓと、成人の通常の血液量を上回った。
このうちB型の血液が840mℓ含まれていたという。
同院では輸血用血液の確認を2人で行うことになっており、今回も医師と看護師で行ったとしている。
出典
『「輸血ミスと関連低い」 男性死亡で山梨県立病院会見』
http://www.sankei.com/affairs/news/170703/afr1707030005-n1.html
7月2日18時36分に日テレNEWS24(山梨放送)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
病院は、患者が重篤で現場が混乱していたことを認めた一方、男性は搬送時、すでに心肺停止状態で回復の可能性は低く、死因と輸血ミスの因果関係については「直結する理由はない」と説明した。
出典
『県立中央病院が輸血ミス(山梨県)』
http://www.news24.jp/nnn/news88810757.html
2017年6月21日23時24分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県東海市の公立西知多総合病院で、胃がんと胃潰瘍の男性患者2人の病理検査の検体を取り違え、胃潰瘍だった50代患者の胃を誤って切除し、胃がんだった80代患者をそのまま退院させていたことが分かった。
浅野院長らが21日、記者会見して謝罪した。
50代患者は通院治療中、80代患者はその後、救急で入院し、さらに転院して治療を受けているという。
同病院によると、今年4月上旬、2人は同じ日に胃の細胞を内視鏡で採取され、翌日、病院内で細胞を詳しく調べる病理検査が行われた。
その結果、50代患者は胃がんと診断され、5月下旬に胃の3分の2を切除する手術を受けたが、切除した胃にがん細胞はなく、再検査でも見つからなかった。
このため、院内医療事故調査委を開いて調べた結果、同じ日に採取された80代患者の細胞と取り違えていたことが判明した。
細胞検体は、それぞれ白いプラスチック容器に納め、患者の名前や番号を記した瓶に入れて保存していたが、検査のため緑色の別の容器に移そうと瓶の中の容器を出した際、作業用のトレーの上に他の患者の瓶や容器があり、臨床検査科の職員が移し誤ったという。
白い容器には、患者名や番号の記載はなかった。
同病院は患者と家族に謝罪し、検体の取り扱い方法を改めるなど再発防止策を示した。
浅野院長は、「患者や家族には誠心誠意、対応する。今後、事故がないよう一層努力していく」と謝罪した。
出典
『西知多総合病院 がん誤認で胃切除 潰瘍患者検体取り違え』
https://mainichi.jp/articles/20170622/k00/00m/040/143000c
2017年6月2日21時12分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月2日21時54分に共同通信から、6月2日18時17分にNHK新潟からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県三条市にある県厚生農業協同組合連合会(JA厚生連)三条総合病院は、2日、入院中の70代男性に誤った薬を処方し、男性が死亡したと発表した。
同病院によると、男性は肝性脳症の治療を受けていたアルコール性肝硬変の患者。
4月27日、院内で内服薬を調剤する際、肝性脳症治療薬「リフキシマ錠」200mgを処方すべきところを、誤って血液を固まりにくくする抗凝固薬「リクシアナ錠」30mgを処方した。
男性は、同28日朝から内服を始め、同30日、消化管から出血。
内視鏡手術でいったんは出血が治まったものの、翌日になって再び出血し、亡くなったという。
死因は消化管出血だった。
5月3日に薬剤部門の担当者が残った薬を確認した際、処方の誤りに気付いたという。
同病院は遺族に謝罪し、外部識者を交えた事故調査委員会を設け、原因究明を行っている。
同病院は、誤投薬と消化管出血との因果関係は「あると思われる」とするが、死亡との因果関係は「不明」としている。
また、取り違えた薬の名称が似ている点については、「事故調査に関わることでコメントできない」と説明している。
男性は内服前から重症で、内臓から出血があってもおかしくない状況だったという。
出典
『薬処方ミス 入院中の男性患者死亡 新潟・三条の病院』
https://mainichi.jp/articles/20170603/k00/00m/040/063000c
『薬取り違え服用患者死亡、新潟 三条総合病院』
https://this.kiji.is/243357299684148730?c=39546741839462401
『誤った薬投与された患者が死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033951831.html
6月3日8時24分に新潟日報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
病院によると、男性は4月中旬に肝性脳症で入院。
担当医は「リフキシマ錠」の処方を指示したが、薬剤部が誤って、血を固まりにくくする「リクシアナ錠」を病棟に送った。
男性は、薬を28日から30日の昼まで計8回服用。
便の異常を見た医師が内視鏡検査し、十二指腸に出血があったため止血処置した。
しかし、5月1日午前に男性は意識を失い、間もなく消化管出血で亡くなった。
3日に薬剤部が残薬を確認し、間違いに気付いた。
薬剤部では、薬剤師が調剤した後に別の薬剤師が確認する態勢になっており、今回も記録上は二重チェックしたことになっているという。
三条総合病院の若杉事務長は、「誤投薬があったのは事実で、大変申し訳ない。再発防止に取り組み、委員会の調査結果を厳粛に受け止める」としている。
発表が死亡から1カ月後となったことについては、「遺族への説明などに時間をかけたため」と説明。
遺族には謝罪し、医療事故調査・支援センターにも報告したという。
出典
『誤投薬後に70代男性死亡 三条総合病院、因果関係を調査』
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20170603327586.html
(ブログ者コメント)
クスリを間違えたことに加え、分量も間違えたということだろうか?
それとも、各クスリごと、服用する分量が決まっているということだろうか?
2017年5月25日8時50分に山形新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公立置賜総合病院(川西町)は24日、昨年6月に患者の60代男性から採血した際、重度のやけどを負わせたことを明らかにした。
医療従事者の過失により、予定外の治療を要する中程度の「レベル3b」の医療事故として、院内の基準に基づき公表した。
同病院によると、男性は脳梗塞で左半身がまひしており、看護師が採血しやすいよう手や手首の甲に温めたタオルを置いて血管を広げる「温罨(おんあん)法」を行った際、まひのある左手に重度のやけどを負った。
当初は、まひのない右手に温罨法を行ったが、採血がうまくいかなかったため、通常は好ましくないまひした部位に施した。
さらに、タオルの温度がガイドラインに定められている40℃前後より高かった可能性があるという。
これを受け、同病院は
▽温罨法を実施する際は温度確認を徹底する
▽患部がまひしているなど意思表示ができない患者への処置には、一層慎重を期す
といった改善策を講じた。
同病院は、患者への影響の程度によって、医療事故をレベル0~5の8段階に分類。
公表基準に基づき、死亡や障害が残るなど「5」「4」該当の重大事故は個別に明らかにし、「3b」は年度ごとに一括公表している。
出典
『採血時、やけど負わせる 置賜総合病院で昨年6月、中程度事故』
http://yamagata-np.jp/news/201705/25/kj_2017052500528.php
2017年4月26日15時0分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月27日7時50分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県立こども病院で、2005年、女性看護師が入院中の男児(当時生後7カ月)の乗ったベビーカーを転倒させて重症を負わせたとして、芦屋市の両親らが県に約3960万円の損害賠償を求めた訴訟は、26日、神戸地裁で和解が成立した。
県が解決金920万円を支払う。
県によると、05年9月、当時神戸市須磨区にあった同病院で、看護師がベビーカーに男児を乗せて移動中、別の患者の家族に声をかけられて手を離した間にベビーカーが転倒。
男児は頭を打ち、脳の膜に出血がたまる硬膜下血腫と診断された。
男児は嘔吐などの症状があり、06年6月までに4度手術。
現在も血流を確保するための管が頭に入っており、鉄棒運動などの激しい運動はできず、年1度、経過観察をしているという。
男児と両親が14年に県を提訴。
16年12月に神戸地裁が和解を勧告した。
古川・県病院事業副管理者は、「早期円満解決のため、和解することにした。このような事案が発生したことは大変申し訳ない。再発防止に努める」とコメントした。
出典
『入院中男児、ベビーカー転倒で重症 両親と和解』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201704/0010131471.shtml
『ベビーカー転倒事故で兵庫県が920万円支払い、男児はいまも後遺症 神戸地裁』
http://www.sankei.com/west/news/170427/wst1704270011-n1.html
2017年3月9日11時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日12時46分に北海道文化放送から、3月9日17時0分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市厚別区のH病院で、医療用麻薬を管理する帳簿が2年分なくなっており、30数品目の麻薬の在庫が書類上の数量と一致しないことが、9日、関係者への取材で分かった。
病院の管理がずさんだったとして、北海道厚生局麻薬取締部が、麻薬取締法違反の疑いで捜査している。
関係者によると、昨年11月に病院側から「在庫の数が合わない」と保健所に連絡があった。
同月に北海道や麻薬取締部が立ち入り検査したところ、2013年10月から2年分の帳簿がなく、他の書類との照合から、鎮痛用麻薬フェンタニルなど約30種類の錠剤やアンプル、計数100個の在庫が足りなくなっている可能性が浮上した。
道は、管理態勢の改善を指導したが、今年1月の立ち入り検査でも改善されていないことが分かり、麻薬取締部が2月に捜査を開始。
現時点で転売などは確認されておらず、麻薬取締部は、帳簿に記録せずに廃棄した可能性も含め、当時の帳簿管理者など、既に退職した複数の職員らに事情を聴き、詳しい経緯を調べている。
病院などによると、2016年8月、医療用麻薬を管理する帳簿が紛失している事が分かり、詳しく調べたところ、一部の麻薬の在庫が、保管しているはずの数より少なくなっていることがわかった。
出典
『麻薬帳簿 札幌の病院で紛失 在庫数合わず、麻取が捜査』
http://mainichi.jp/articles/20170309/k00/00e/040/235000c
『病院の医療用"麻薬" 帳簿紛失 麻薬も"消えた"…ずさん管理か 札幌市』
『医療用麻薬ずさん管理 札幌の病院 帳簿なし、道厚生局捜査』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0376976.html
3月9日19時55分にNHK札幌からも、同趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
医療用麻薬は、がんの痛みを和らげる効果があるとして医療現場で使われている一方で、ずさんな管理が行われると、ほかの目的で使用されたり、犯罪につながったりするおそれがある。
このため医療現場では、麻薬はカギのかかる場所に保管し、資格を得た医師や薬剤師などだけが、品目ごとに数量を帳簿に記載するほか、廃棄する際も必ず別の職員の立ち会いのもとで行うなど、厳重に管理することが義務づけられている。
また、年に1度は、取り扱ったすべての麻薬の在庫量を都道府県に書類で届け出る必要がある。
こうしたなかで、札幌市厚別区にある医療法人「J会」が運営する「H病院」では、3年ほど前から、がんの痛みを和らげるフェンタニルやオキシコドンなど30数品目の麻薬の在庫が、帳簿に記載された数量とあわなくなっていた。
麻薬取締部は、道と合同で、これまで2度にわたって病院に立ち入り検査を行い、その結果、管理を担当していた複数の薬剤師が帳簿に記載しないまま麻薬を廃棄した可能性もあるという。
麻薬取締部は、当時の薬剤師などから事情を聴いて、麻薬の管理の状況について詳しく調べている。
【厳格管理の病院では】
札幌市手稲区の病院では、手術時の麻酔やがんの痛みの緩和などの目的で、34品目の医療用麻薬を扱っている。
麻薬はすべてカギのかかった金庫に保管され、知事に申請して資格を受けた麻薬管理者がカギを管理する。
また、患者ごとに持ち出した麻薬の数や使わなかった数量なども、『麻薬注射液施用票』と呼ばれる伝票に細かく記録する。
そして、この伝票をもとに、麻薬の品目ごとに分けて、納入した数量や使用した数量などを、毎日、帳簿に記載する。
病院では、帳簿と伝票など複数の書類で二重三重にチェックしているため、在庫が帳簿とあわなくなる問題は起きないと考えている。
【行政のチェックに?も】
今回の医療用麻薬の在庫と帳簿の数量があわない問題では、特定の病院のずさんな管理の実態が浮き彫りになった形だが、行政側のチェックの甘さを指摘する声もある。
北海道の場合、麻薬を扱う医療機関には、行政が2年に1度のペースで立ち入り検査を行っている。
しかし、国で決められた、麻薬の在庫状況を帳簿と照合する作業は行っていなかったという。
厚労省の担当者は、「在庫と帳簿のチェックをきちんと行えば、行政が見抜けないことはありえない」と話していて、今回の問題で、行政側のチェックの甘さを指摘している。
【今後の影響は】
医療用麻薬をめぐっては、数年前に規制が緩和され、がんの痛みを緩和する目的で、入院患者が自分で管理できるようになった。
こうした規制が緩和されたのも、病院側が徹底した管理を行うことが前提だったが、今回のような問題が起きると規制が再び厳しくなるおそれもあり、麻薬を必要とする患者にも影響が出かねない。
札幌市内の病院で麻薬管理を担当する薬剤師からは、「もし、医療用麻薬の管理の方法がいま以上に厳しくなってしまうと、麻薬を必要としている患者に速やかにお届けできないということにつながってしまうのではないか」といった声も聞かれている。
その一方で、ここ数年、各地では、病院の医師や看護師などが自分で使う目的で医療用麻薬を不正に所持していた問題が相次いでいる。
厳格な管理のもとで適切に使用されるべき医療用麻薬。
ずさんな管理の発覚は、今後、さまざまな形で波紋を広げていきそうだ。
出典
『医療麻薬ずさん管理 現状と今後』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170309/4548021.html
2017年2月16日19時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月16日14時17分に中日新聞から、2月17日付で読売新聞から、2月16日21時46分に毎日新聞から、2月16日14時45分に産経新聞westから、2月17日8時13分に岐阜新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県総合医療センター(岐阜市)は16日、手術などに使う麻酔用の筋弛緩剤注射薬「ベクロニウム」1本(10mg)がなくなったと発表した。
医薬品医療機器法で毒薬に指定されており、大人2.5人分の致死量にあたるという。
警察は、盗難の可能性も含めて調べている。
センターによると、12日午後0時25分ごろ、30代の男性薬剤師が、ベクロニウムが入ったガラス容器2本をほかの薬品と一緒にトレーに乗せ、病院本館地下1階にある薬剤部から、ベルトコンベヤー状の搬送機で東病棟3階のナースステーションに搬出した。
約1時間半後、50代の女性看護師が確認したところ、ベクロニウム1本だけがないことに気づいた。
ナースステーションでは搬送機の扉に鍵はなく、午後1時ごろから紛失発覚までの約1時間、患者対応などで無人になっていた。
薬品保管室やナースステーションは、外部からの侵入は難しいという。
当時、病棟には患者18人がおり、医師や看護師、薬剤師計16人が出勤していた。
外部から出入りした人数は把握できていない。
同注射薬は白い粉末状でガラス容器に入り、患者名が記載されたラベルとともにビニール袋に入った状態で搬送された。
バーコードで管理され、ナースステーションの金庫で保管することになっていた。
センターは13日以降、全病棟を捜したが見つからず、盗難の可能性もあるとして、15日に警察に紛失を届け出た。
滝谷院長は記者会見で、「搬送機で送ったことや、1時間半も搬送機内を確認しなかったことは大きな問題」と話し、今後、毒薬は担当者が確実に受け渡すようにするほか、取り扱いに関する研修を行うなど、再発防止を徹底するという。
出典
『岐阜県総合医療センターで筋弛緩剤1本紛失』
http://www.asahi.com/articles/ASK2J6G4ZK2JUBQU018.html
『岐阜県総合医療センターで筋弛緩剤紛失』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017021690141431.html
『岐阜の医療施設 筋弛緩剤を紛失』
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20170216-OYTNT50340.html
『岐阜県医療センター 筋弛緩剤を紛失』
http://mainichi.jp/articles/20170217/k00/00m/040/100000c
『病院で筋弛緩剤1本紛失…大人2人分の致死量、盗難の可能性も? 岐阜』
http://www.sankei.com/west/news/170216/wst1702160065-n1.html
『筋弛緩剤1本紛失 県総合医療センター』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170217/201702170813_29029.shtml
(2017年2月21日 修正1 ;追記)
2017年2月19日付で読売新聞中部版から、未開封状態で発見されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月19日8時57分に岐阜新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
センターは18日、ガラス容器が院内で見つかったと発表した。
未開封で、警察は一時盗まれた可能性もあるとみて捜査している。
発表によると、ガラス容器は17日午後3時頃に見つかった。
場所や経緯は、捜査中を理由に明らかにしていない。
捜査関係者によると、ガラス容器は、紛失時と同じビニール袋に入った状態で、紛失したとされる3階とは異なる場所で見つかったという。
センターは、「患者や地域の皆さんに多大な心配を掛けたことをおわびする。厳格な保管管理に取り組み、再発防止策を講じる」とのコメントを出した。
出典
『紛失の筋弛緩剤発見』
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20170219-OYTNT50008.html
『筋弛緩剤、病院内で発見 紛失時と別の場所』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170218/201702181334_29038.shtml
2017年2月1日1時39分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京大病院(東京・文京)は、31日、2015年に看護師が入院中の就学前の男児に薬を誤投与する医療事故があったと発表した。
男児は、翌日に死亡した。
薬の取り違えが原因で、「男児の死亡に何らかの影響を与えた可能性がある」としている。
病院は遺族に謝罪し、経緯をホームページで公表した。
病院によると、薬の誤投与は、多臓器障害のため重篤だった男児に対し、胃に内服薬を注入する処置をした際に発生した。
看護師は、内服薬を準備後、電話対応などのため作業をいったん中断。
再開する際、近くにあった別の患者の内服薬と取り違えた。
看護師は、名前など投与時の最終確認をせず、薬の取り違えに気付かなかった。
別の患者は男児よりも体格が大きく、男児にとっては薬の量が多すぎたという。
遺族の弁護士によると、抗てんかん薬など13種類の薬剤が誤投与され、10数分後に男児の容体が悪化した。
東大病院は、事故調査委員会を設置。
死亡に影響を与えた可能性があるとする一方で、「どの程度影響したかは判断できない」としている。
男児の母親は弁護士を通じ、「調剤されてから一度も誰のチェックも受けずに投与された。実効的な再発防止策がとられ、今後同様の事故が繰り返されないことを願う」とのコメントを出した。
東大病院は再発防止策として、内服薬をバーコードで管理し、投与前のチェックで誤投与を防ぐシステムの導入を進める。「患者と家族に深くおわびする。改善に取り組む」としている。
出典
『東大病院が投薬ミス 幼児死亡、影響した可能性 』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG31H75_R30C17A1CC1000/
1月31日22時7分に毎日新聞から、1月31日21時31分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
遺族からの要望を受け、同病院が公表した。
内服薬は、鼻から胃へ管状の器具を使って注入していたが、別の患者用に準備した13種類の薬を看護師が間違って注入した。
そのうち6種類は抗てんかん薬など、特に安全管理が必要な薬だった。
病院によると、看護師は薬を投与するための器具などを準備していたが、他の患者や、かかってきた電話の対応が重なったため、いったん準備作業を中断して男児用の薬を作業台に置き、その後、再開した際に、近くに置いていた別の患者の薬に名前が書かれていなかったため、取り違えたという。
器具には、患者の名前が書かれ、内規では事前に確認するよう定められていたが、看護師は確認しなかったという。
出典
『東大病院 薬取り違え、入院中の男児死亡 HPで公表』
http://mainichi.jp/articles/20170201/k00/00m/040/079000c
『東大病院で薬を取り違えて投与 幼児が死亡』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170131/k10010859911000.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。