3月4日2時46分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が、食パンの焼き色とアクリルアミド濃度との関係図付きでネット配信されていた。
野菜や穀物などを、焼く、炒める、揚げる、など高温で調理すると、アクリルアミドという化学物質が発生する。
動物実験で発がん性が認められており、内閣府食品安全委員会の作業部会は、「できる限り低減に努める必要がある」という評価書案をまとめた。
家庭では、どうしたらいいのだろうか。
先月16日に公表された評価書案は、アクリルアミドの発がんリスクについて、「ヒトにおける健康影響は明確ではないが、懸念がないとは言えない」と指摘した。
どういうことなのか。
作業部会は、まず、日本人がどれだけアクリルアミドを摂取しているかを調べた。
体重1kgあたりで算出した推定量は、1日0.24μg。
その約半分は、炒めたモヤシやタマネギ、レンコンといった高温調理した野菜からで、残りは、コーヒーや緑茶などの飲料、菓子類や糖類、パンなどの穀類からと推定された。
この量は、動物実験でがんの増加が確認された量の1千分の1ほどにすぎない。
しかし、海外のリスク評価機関には、1万分の1より多い場合は低減対策が必要だとする所もある。
「懸念がないとはいえない」という表現になったのは、このためだという。
動物実験ではなく、ヒトの摂取量とがんのリスクとの関連を調べた研究成果も、多数分析した。
すると、こちらは、一貫した傾向はみられなかったという。
食安委の佐藤委員長は、次のように説明する。
「アクリルアミドは動物実験で発がん性が確認されている。ただ、ヒトを対象とした調査の全体をみると、アクリルアミドが原因でがんが増えているとは認められない。そうした意味では、それほど心配しなくてもいい。とはいえ、摂取しない方がよいことには変わりないので、できるだけ減らすよう気にかけてくださいということです」
■保存方法や下準備に一手間
アクリルアミドは、多くの加熱した食品に、わずかながら含まれる。
加熱調理は、食材をおいしく安全に食べるために必要なことでもある。
アクリルアミドをまったくとらないようにするのは、難しい。
だが、家庭でのちょっとした工夫で、量を減らすことはできる。
まずは、準備段階でできることから。
農林水産省によると、炒めたり揚げたりするジャガイモは、常温で保存するといい。長期間冷蔵すると、加熱時にアクリルアミド生成の原因となる糖が増えるという。
イモ類やレンコンは、切った後に水にさらすと、アクリルアミドに変化する成分が表面から洗い流される。
調理する時は、加熱しすぎないことが大切だ。
炒めたり揚げたりする場合は、焦がしすぎないよう注意する。
農研機構食品総合研究所の実験では、食材を炒める時間が長くなり、焦げ色が濃くなればなるほど、アクリルアミドの濃度が増した。
食パンを焼いた場合も、トースト時間や焼き色とアクリルアミドの濃度には、同じ傾向が出た。
炒めるときは、火力を弱めにする。
さらに、よくかき混ぜれば、一部分だけが高温になるのを防げる。
■ゆでる・蒸す・煮る…調理の一部、置き換えてみる
ゆでる、蒸す、煮るといった、水を利用する調理では、食材の温度は120℃以上にならず、アクリルアミドはほとんどできない。
炒める調理の一部を、蒸す、煮るなどに置き換えることも効果的だ。
食品総合研究所などは、そのことを、きんぴらゴボウ作りで確かめた。
15人の協力者に、それぞれの普段の作り方と研究所が指定した作り方の2通りで作ってもらい、アクリルアミド濃度を比較した。
指定の作り方では、炒める時は火加減を弱くして速くかき混ぜる。さらに炒め時間を短くして、代わりに弱火で15分間蒸し煮にしてもらった。
普段の作り方では、アクリルアミドの濃度は、人によってばらつきが出た。
一方、指定の作り方では、全員、濃度が低く、中には普段の100分の1以下になった人もいた。
味の評価もした。
指定の作り方をしたきんぴらゴボウを大学生65人に食べてもらったところ、52人が「普段食べているのと同じくらいおいしい」、3人は「よりおいしい」と答えた。
小野上席研究員は、「アクリルアミドは少しの工夫で減らせる。できる範囲で工夫をすればよいと思います」と話している。
農林水産省は「安全で健やかな食生活を送るために アクリルアミドを減らすために家庭でできること」という冊子をまとめ、ウェブサイトで公開。希望者には配布している。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/acryl_amide/index.html
〈アクリルアミド〉
有機化合物の一種。
食品中では、炭水化物を多く含む野菜や穀類などを、揚げる、焼く、あぶるなどして120℃以上の高温で加熱すると、特定のアミノ酸と糖が化学反応を起こして生成される。
加工食品に含まれるほか、条件がそろえば、家庭での調理でもできる。
出典URL
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2Y5QRPJ2YUTFL00K.html?rm=824
2016年2月2日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
作業部会(青木康展座長)は、2011年から、アクリルアミドのリスクを検討してきた。
アクリルアミドは、微量でも、遺伝子を傷つける作用をもつ。
どこから取っているかを見ると、約6割を占めたのは、炒めたモヤシやキャベツ、フライドポテトなど、高温調理した野菜。
2番目は、コーヒーや緑茶などの飲料。
含有量が高いとされてきたポテトスナックなど菓子類は16%と、少なかった。
日本は、欧州連合(EU)加盟国(0.4〜1.9μg)より低く、香港(0.21μg)と、ほぼ同じだった。
今回の調査でも、人への健康影響は明確ではないとの結論になったが、動物実験でがんが認められた最少量と日本人の平均推定摂取量が比較的近いことから、「懸念がないとはいえない」との評価になった。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160202/ddm/041/100/151000c
2016年3月7日19時43分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月7日20時21分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県尼崎市保健所は,7日、アルコール依存症患者の自立を支援するNPO法人施設の通所者らが、有毒植物であるスイセンの葉をネギやニラと間違って昼食に食べ、うち10人が嘔吐などの食中毒症状を発症したと発表した。
全員軽症で、すでに回復したという。
保健所によると、4日昼の自炊の際、通所者が誤って施設内のプランターに植えてあるスイセンを中華丼の具材として使用。
通所者や施設の職員ら,32~71歳の男女11人が食べた。
通所者は、「ネギかニラだと思った」と話していたという。
施設では、以前、ネギを育てていた。
スイセンの葉は長さ20~30cmで、葉はニラ、球根は玉ねぎに似ているが、リコリンなどの有毒成分が含まれている。
食べると、嘔吐や下痢、発汗などの中毒症状を起こす。
保健所は、誤って口にしないよう、注意を呼び掛けている。
出典URL
http://this.kiji.is/79524871826194434?c=39546741839462401
http://www.sankei.com/west/news/160307/wst1603070078-n1.html
(ブログ者コメント)
○この事故の後も、1件、今年2回目の中毒事故が起きたとテレビニュースで報道されていた。
(活字記事は見当たらなかった)
スイセン誤食による中毒事故は、毎年のように起きている。
○以前、ネギを育てていたと報じられているが、どこで育てていたのだろう?
スイセンプランターが置かれていた場所の近くで育てていた・・・といったことはなかっただろうか?
(第1報から続く)
(1月18日21時22分 産経新聞)
岐阜県は、18日、M社から、廃棄処分されたはずの生協のマグロ切り身を含む108品目が見つかったと発表した。
大半が廃棄食品とみて、県が詳しく調査する。
県によると、見つかったのは肉や魚の加工品、調味料、菓子など。
マグロは、生協が販売元の「びんちょうまぐろスライス」で、静岡県の業者がⅮ社に約2トンの廃棄を依頼した。調査で見つかったのは約500kgだった。
見つかった108品目の大半が賞味期限切れで、M社がⅮ社から買ったという。
http://www.sankei.com/west/news/160118/wst1601180081-n1.html
(1月19日18時46分 産経新聞)
壱番屋は19日、廃棄処理を産廃業者に依頼する際の対応を厳格化するとの再発防止策を発表した。
数千枚のカツなど廃棄する食材が大量に出た場合に、業者側の施設で社員が立ち会い、食材が処理されたことを目視で確認することにした。
これまでは、自社の工場で廃棄品を引き渡すまで立ち会っており、その後は、業者からの報告を受けて処理の完了としていた。
廃棄する量が少なければ、工場で発生する生ごみと混ぜて堆肥の原料にしてから委託する。
Ⅾ社との取引はすでに停止し、新たな取引先の選定を進めている。
http://www.sankei.com/west/news/160119/wst1601190080-n1.html
(ブログ者コメント)
このパート従業員の方、よくぞ不審に思ったものだ。
ブログ者であれば、工場からスーパーにアウトレット品を流すルートもあるんだなあ・・・などと勝手に納得していたことだろう。
この点、危険に対する感度が高い人だったのではないかと感じた。表彰もの。
一方、壱番屋が、パート従業員に対しても、食材が店舗以外に流れることはないなどと教育していたとすれば、それが奏功したことになる。
(雑談などで話していたことを店長が聞きつけて、といったことも考えられるが・・・)
(2016年1月25日 修正1 ;追記)
(1月21日9時37分 毎日新聞)
Ⅾ社に対し、食品処分の委託契約を打ち切る動きが、食品メーカーで相次いでいる。
各社は、「疑念が生じた以上、Ⅾ社とは取引しない」と説明。
今後は、食材を砕いてから廃棄を委託することを検討するメーカーもある。
包装不備などで出荷できないアメやチョコレートの廃棄を委託してきた大手菓子メーカーは、近く、取引を打ち切る。
担当者は、「別の業者に頼むにしても、廃棄品を砕くなどして転売できないようにしたい」と話す。
大手乳業メーカーは、08年以前から、不要になったクリームなど廃液の処理をⅮ社に委託してきた。
「廃液の飼料化を頼める限られた業者だった」のが理由だ。
賞味期限の切れたプリンは容器から出して持ち込んでおり、転売された可能性は低いとみるが、広報担当者は、「信頼関係でやっているので、取引は中止する」と話した。
大手飲料メーカーは、Ⅾ社に対して抜き打ち調査をしてきたため「ごまかしはできなかったはず」というが、疑念はぬぐい切れず、委託はやめる方針。
http://mainichi.jp/articles/20160120/k00/00e/040/253000c
(1月24日21時52分 朝日新聞)
Ⅾ社は、イオンやニチレイフーズなど、大手企業の食品の廃棄委託を受けていた。
従業員50人程度の中堅企業に、なぜ全国から廃棄食品が集まったのか。
「破格の委託料で取引先を奪われた」と証言する同業者もいる。
「他に安い業者が見つかったから、おたくには降りてもらう」。
愛知県三河地方にある産廃業者の元役員は、6年ほど前、大手食品メーカーからそう言われたのを覚えている。
それがⅮ社の前身の会社だった。
この業者も、廃棄食品の堆肥化を手掛けていた。
安さを売りにしていたが、Ⅾ社の委託料はその7割程度。ほかにも数件、取引先を奪われた。
「考えられない安さだった。処理せず横流ししていたとすれば、ぼろもうけですね」
一方、横流しが判明した廃棄ビンチョウマグロをⅮ社に運んだ静岡市の産廃業者は、「大きな会社と取引をした実績があり、疑ってかかることはなかった」と振り返る。
大手食品メーカーにⅮ社を紹介した業者も、Ⅾ社から「大手流通や飲料メーカーもやらせていただいている」と取引実績の説明を受けて信用した。
この食品メーカーが委託した廃棄品も、横流しが確認された。
http://www.asahi.com/articles/ASJ1Q6229J1QOIPE01P.html
2016年1月14日1時59分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月13日付で壱番屋HPにも、また1月18日2時18分に朝日新聞からは横流しルート図付きで、同趣旨の記事がネット配信されていた。
カレーチェーン「CoCo(ココ)壱番屋」を展開する壱番屋は、13日、異物混入の疑いがあるトッピング用の冷凍ビーフカツが、廃棄を頼んだ産業廃棄物処理業者によって横流しされ、約5千枚が愛知県のスーパー2店で販売された、と発表した。
混じった可能性があるプラスチック片を口に入れても、ただちに健康被害が出ることはないが、廃棄を頼んだ際に冷凍状態から一度とけており、傷んでいる可能性があるという。
混入の疑いがあるカツは、約4万枚。
5枚1組で透明な業務用包装をしてあり、「ビーフカツ」「賞味期限16・01・30」と書かれている。
届け出を受けた愛知県によると、愛知の2店で約5千枚が販売済み。約300枚は店に残っていた。約7千枚が堆肥になった。
廃棄物処理法などに触れる疑いがあるという。
壱番屋は、県警一宮署にも通報した。
壱番屋によると、問題のカツは、昨年9月2日に同県一宮市の自社工場で作った。
パン粉を混ぜる機械のプラスチック製の棒が8mmほど欠けているのが見つかり、壱番屋は、この日、ここで作ったカツ4万609枚の廃棄を決定。
同県稲沢市の産廃処理業者「Ⅾ社」に10月19日に渡した。
しかし、壱番屋や同県によると、今年1月11日、同県津島市のスーパー「Aマートアブヤス」神守店の店頭で買い物中の、壱番屋系列店に勤務するパート従業員が冷凍カツを発見。壱番屋のカツ、との広告が掲げられていた。
ふだん厨房で調理するだけの食材がなぜ・・・。
不審に思い、壱番屋本社に通報があり、今回の問題が発覚した。
壱番屋がⅮ社にただしたところ、Aマートではない複数の業者に売ったと認めた。「親しい人から、ほしいと頼まれた」との説明を受けたという。
Ⅾ社の販売先の一つは、愛知県から連絡を受けた岐阜県によると、同県羽島市の「M社」。
岐阜県の調べに、同社の食品衛生責任者は、「私の独断でⅮ社と取引した。箱を詰め替えて愛知県の個人1人と企業2社にすべて売った」と話した。
壱番屋と書かれた段ボール約800箱が、M社で見つかったという。
AマートがM社から買ったかは、明らかにされていない。
壱番屋によると、冷凍ビーフカツは、チェーン店でカレーのトッピングに使う業務用で、外部への販売は想定していない。
同社の経営企画室は、朝日新聞の取材に対し、「Ⅾ社に引き渡し、適切に廃棄されたとの報告を受けていた。Ⅾ社への今後の対応は検討中だ」としている。
その上で、「消費者の方にご心配をおかけした。追加の情報が入れば公表したい」としている。
その後、東海3県の自治体などの17日までの発表によると、3県の34店で2万7千枚が店頭で売られたり、商品の弁当の材料に使われたりした。
全容は、まだ見えない。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASJ1F66YLJ1FOIPE01M.html?iref=com_rnavi_arank_nr01
http://digital.asahi.com/articles/ASJ1K4F22J1KOIPE003.html?rm=616
(以下は、上記以外の主だった報道)
(1月15日5時2分 朝日新聞)
Ⅾ社が横流しをこの3年ほどで3回したとみられることがわかった。
壱番屋はⅮ社と2001年から取引があるが、こうしたことをふまえ、9月分の4万枚以外にも廃棄物が横流しされた可能性があるとみて、調査を始めた。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ1G644XJ1GOIPE01R.html?rm=592
(1月16日付 毎日新聞東京版)
M社の実質的経営者の男性(78)は、約3年前にⅮ社の会長と知り合い、2014年ごろから取引を始めたとしている。
http://mainichi.jp/articles/20160116/ddm/041/040/101000c
(1月18日7時7分 産経新聞)
M社の実質的経営者は、取材に、「1箱30枚入りが1000円で、800箱買った」と説明している。
M社は、中身を壱番屋の箱からM社の名前を記した箱に詰め替え、1枚約40円でほとんどを名古屋市のA社に販売。
実質経営者は、「Ⅾ社からは帳簿を残さず、箱の詰め替えを指示されたが、廃棄物とは知らなかった」と話している。
一方、A社の男性経営者は、「問題があるものとは思わなかった」と説明。
大半を1枚50円程度でB社(名古屋市)に卸した。
B社から1枚約55円で購入したC社(名古屋市)の社長は、「大手チェーン店の過剰在庫が格安で出回ることはよくあり、不思議には思わなかった」と話す。
C社は、65円前後でスーパーや精肉業者に販売。
そのうちの一つ津島市のスーパーは、5枚入り398円(1枚約80円)で「CoCo壱番屋ビーフカツ」と明示して店頭に並べていた。
http://www.sankei.com/west/news/160118/wst1601180013-n1.html
(第2報に続く)
2016年1月13日3時2分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は、食品衛生管理の国際標準であるHACCP(ハサップ、危険度分析に基づく重点衛生管理)の導入を、食品関連の企業に対して段階的に義務化する方針を固めた。
来月にも有識者による検討会で対象品目や時期の計画づくりに着手し、早ければ来年から食品衛生法改正などを行う。
中小企業の導入率は3割にとどまるが、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、食の安全をアピールするためにも、国際的に信用される衛生管理への転換が急務と判断した。
HACCPは、1960年代に米国で宇宙食の安全確保のため開発された手法。
加熱の温度が低すぎたり、異物が混入したりして食品の安全に問題が生じないよう、「チェック」と「記録」を徹底するのが特徴だ。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160113-OYT1T50001.html?from=ycont_top_txt
2015年12月24日7時2分に産経新聞長野版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野市は22日、第一学校給食センターが市内の小学校に提供する給食のおかずの中に、調理機器のボルトが混入する事案があったと発表した。
配送先の小学校で児童が食べる前に提供を中止したため、健康被害などはなかった。
市によると、同給食センターで「だいこんの味噌煮込み」を調理して市内の小学校に配送後、センターの職員が調理機器の洗浄中に長さ約2cmのボルトが1本なくなっていることに気づいた。
このため、同じ調理機器を使って調理したおかずが配送された市内の5校(2560食分)に電話連絡して、提供を中止するよう依頼した。
ボルトは、返却された食缶の中から見つかった。
5校には、必要数がすぐに調達できた「わかめごはんの素」と「みかん」を代わりに提供したという。
同センターでは、該当の調理器具を使用後、毎回分解して洗浄する作業を行っており、職員が前日に洗浄した際、ボルトを締め忘れたことが原因と考えられるという。
市の担当者は、「市内の全ての給食センターに調理機器の点検を行うよう指示した。再発防止に努める」としている。
出典URL
http://www.sankei.com/region/news/151224/rgn1512240048-n1.html
2015年12月7日18時31分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月9日付の毎日新聞佐賀版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県内の給食で金属片やネジの混入が相次いでいるなか、今月1日、佐賀市の小学校の給食で出されたウインナーの中から見つかった金属片は、ウインナーを製造した業者が材料を通す製造器具の刃の取り付け方向を間違えたため、器具の胴体部が削られて混入したことがわかった。
今月1日、佐賀市の神野小学校で児童3人が口にした給食のウインナーの中から、長さが5mmから7mm程度、幅が2mm程度の金属片が相次いで見つかった。
ウインナーを製造した多久市にある佐賀県畜産公社が材料の豚肉をミンチ状にするために通す筒状の製造器具を調べたところ、内側のステンレスの一部が欠けていたため、専門の検査機関で分析していた。
その結果、ステンレスの成分が混入した金属片と一致したという。
また、畜産公社では、製造器具の胴体部が欠けたのは、従業員が器具を組み立てる際、刃を通常と逆の方向に取り付けていたことが原因だとしている。
畜産公社の調査に対して、従業員は、器具を動かした際に異常な音がしたため取り付けミスに気付いたが、よく点検せず、刃を取り付け直してそのまま使っていたと話しているという。
金属探知機もウインナー用の設定にしておらず、見つけられなかったという。
佐賀県畜産公社は、「児童や保護者などにご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。再び起きないよう、今後は問題が起きたときは必ず責任者に報告させるなど安全や衛生の管理をしっかりやっていきたい。」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/5084069351.html?t=1449518471944
http://mainichi.jp/articles/20151209/ddl/k41/040/339000c
(ブログ者コメント)
当時の状況が、12月2日12時19分に佐賀新聞から、下記趣旨でネット配信されていた。
佐賀市の神野小で1日、児童3人が口にした給食のウインナーソーセージから、それぞれ金属片が見つかった。
現在のところ、健康被害の報告はないという。
市教委は、製造過程で混入した可能性が強いとみて、製造した県畜産公社(多久市)に原因究明を求めている。
市教委によると、同日昼の給食で2年の女児がゆでたウインナー1本を食べた際、異物に気づき、口から出したところ、長さ5~7mm、幅2mmの金属片が見つかった。
1年の男児と6年の女児も、同様の金属片を見つけた。
すぐに学校は食べないよう指導したが、ほとんどの児童が食べ終わっていたという。
神野小は自校調理の給食だが、ウインナーは袋から出してゆでるだけで、「金属片の混入は考えにくい」(市教委)という。
県畜産公社は「検証作業を始めており、原因究明を急ぎたい」としている。
同公社のウインナーを納入している学校は市内に20校あり、原因が判明するまで別の業者に代えるか、メニュー変更などで対応する。
出典URL
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/255464
2015年12月2日付で毎日新聞兵庫版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神戸市立中学校の給食に異物混入が相次いだことを受け、丸尾牧県議は1日、阪神間の6市に昨年度の学校給食への異物混入状況を情報公開請求した結果を発表した。
各自治体の資料によると、小中学校などでの異物混入の件数は、尼崎市69件、西宮市89件、伊丹市26件、宝塚市12件、川西市12件、芦屋市1件の計209件。
丸尾県議は、6市の市長や教育長に対し、異物混入を防ぐための対策の充実を求めて申し入れ書を提出した。
丸尾県議は、この日、尼崎市役所で記者会見した。
申し入れ書では、6市のうち、異物混入の対応マニュアルがない尼崎、西宮、川西の3市に作成を強く求めた。
また、6市に衛生管理の徹底と、年1回の異物混入状況の公表を要求している。
対策マニュアルがなかった3市のうち、尼崎市は、小学校42校などで、校内で調理する「自校式」で給食を提供し、69件のうち最も多かったのは虫や人の髪の毛の混入で、各12件。このほか、米飯を入れる食缶のふたにネズミのふんがついていたり、壁の塗装片がはがれて中華スープの中に入っていたりした。
尼崎市教委学校保健課は、「マニュアルの作成を今後検討していきたい」としている。
西宮市は、小中学校60校で自校式で提供。
89件のうち、多いのは人の髪の毛など、毛の混入が18件、ビニール片が16件と続く。
たわしの毛や、バターの包み紙が混入したケースもあった。
西宮市教委学校給食課は、「今後、異物混入の対応マニュアルを作る予定」としている。
川西市は、たわしの毛など12件で、担当者は、「速やかな報告体制は整っている。これからも対策を徹底したい」とした。
また、伊丹市では、プラスチック片の混入などがあり、宝塚市は虫の混入などがあった。
芦屋市は、たわしの破片がサラダに混入した1件だった。
いずれも調理中ではなく、児童が配膳する際に混入したケースも含まれるとみられる。
神戸市では、一部中学校で給食が始まった昨年11月から今年9月にかけて90件以上の異物混入事案が相次ぎ、一部で給食の提供を停止し、対策を検討している。
丸尾県議は、「マニュアルがない自治体も多く、衛生管理に対する緊張感が足りない。異物ゼロは無理でも極力減らす努力をしてほしい」と話した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20151202ddlk28040474000c.html
12月2日7時27分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
平成26年度に阪神間の6市で提供された学校給食で、異物混入の件数が計209件に上っていたことが、1日、分かった。
尼崎市選出の丸尾牧県議が、同日、各市に情報公開請求した結果を公表した。
異物は髪の毛や虫などが多かったが、中にはネズミの糞や絆創膏が紛れ込んでいたケースもあった。
各市によると、26年度に発生した給食の異物混入は、西宮市89件、尼崎市69件、伊丹市26件、宝塚市12件、川西市12件、芦屋市1件。
異物は髪の毛や虫、ビニール片が多かったが、尼崎市では、ご飯を入れる食缶のふたにネズミの糞が付着していた。
また、宝塚市の中学校では、ブロッコリーのソテーに絆創膏が混入していたケースもあった。
いずれも、異物混入による健康被害はないという。
各市の調理状況は、伊丹市は学校給食センターが一括しているが、ほかの5市では校内の調理場で学校職員や民間業者らが給食を作っているほか、給食の宅配を受けている学校もある。
また、異物混入時の対応に関しては、宝塚など4市が異物混入の防止や発見後の対応などを明記したマニュアルを策定している。
丸尾県議は、1日、6市に衛生管理の徹底などを求める申し入れ書を提出するなどした後、尼崎市役所で記者会見。「件数が非常に多く、ショックを受けた。今後は襟を正して、安全安心な給食を提供してもらいたい」と話した。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/151202/wst1512020013-n1.html
(ブログ者コメント)
給食への異物混入事例は、2013年途中から、特段のものでない限り、掲載を省略することにしている。
しかし、その後も報道が絶えることはない。
今回の報道は、一部地域ではあるが、給食への異物混入の実態がリアルにまとめられていると感じたので紹介する。
2015年11月9日20時25分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
松浦市で巻き貝のキンシバイを食べた男性が嘔吐などの症状を訴え意識不明の重体となり、巻き貝からはフグなどに含まれる猛毒が検出されたことから、県は食中毒と断定し注意を呼びかけている。
長崎県によると、今月6日、松浦市で67歳の男性が自宅で巻き貝のキンシバイを食べたあと、嘔吐や呼吸困難など食中毒の症状を訴え、病院に運ばれた。
男性は、いまも意識不明の重体で、連絡を受けた県の機関が男性の血液や残ったキンシバイを調べたところ、猛毒の「テトロドトキシン」が検出され、県はキンシバイによる食中毒と断定した。
男性は漁業者で、キンシバイを自分で採って10数個食べたとみられている。
テトロドトキシンはフグなどに含まれ、1mgから2mgで死に至る猛毒で、加熱しても死滅しないという。
キンシバイは薄茶色の殻を持ち、大きさが3cmほどで、水深10mから30m程度に生息し、毒性を持つ場合があることから食用として流通していないということで、県ではキンシバイを採ったり食べたりしないよう注意を呼びかけている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5033365821.html?t=1447188089877
(ブログ者コメント)
フグが毒をもつ理由は下記。
『自己判断は禁物,フグの毒』 (国立科学博物館HP)
・・・・
フグ毒,テトロドトキシン(C11H17N3O8)もシガテラと同様,フグ自身が作り出している訳ではありません。
ビブリオ属やアルテロモナス属など,一部の真正細菌によって生産され,それらの細菌の死骸が海底に沈殿することで毒も海底に蓄積されます。
海底の泥に含まれる有機物を餌としている貝などがそれを取り込み,その貝を食べるフグの体で濃縮され,蓄積されると言われています。
・・・・
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/theme.php?id=0001391489624495&p=2
そのメカニズムから考えれば、養殖フグには毒がないはずだが、海で養殖している場合は、網の間から侵入してきた毒を持つ貝などを食べている可能性があるという。
『養殖フグは本当に無毒か』 (日間賀島ふぐ組合)
実は、養殖のふぐでも毒を持っている可能性があります。
ふぐは食物連鎖によって毒化するので、プールのような水槽で毒のないエサを与え続けて大きくすれば、無毒のふぐを作ることは理論的には可能なのですが、実際には、海に網の囲いをして養殖したり、より天然物に近づけるために湾内を仕切って養殖していたりするところもあり、その場合は、網の間から侵入してきた毒化プランクトンや毒化した貝類などを養殖ふぐが捕食して毒化するという可能性が大いにあるのです。
http://www.himaka.net/fugu/globefish-20
2015年9月11日付で毎日新聞岡山版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新見市は10日、市立上市小(69人)で、同校で栽培したジャガイモを授業で調理して食べた6年生11人のうち6人が嘔吐などの症状を訴えたと発表した。
このうち5人は市内の病院で受診したが、いずれも症状は軽いという。
市によると、児童たちは同日午前、ジャガイモを皮ごと蒸して食べた後、次々と嘔吐や下痢、のどの痛みを訴えた。
保健所は、ジャガイモの青い部分などに含まれる毒素「ソラニン類」による食中毒の可能性が高いとみて、詳しい原因を調べている。
出典
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20150911ddlk33040522000c.html
(ブログ者コメント)
○同様の事例を、過去に本ブログで何件か紹介している。
またか・・・という感じだ。
○岡山県のHPには、「ジャガイモによる食中毒について」というタイトルで予防のポイントが以下のように示されている。
この小学校にも、その内容は周知されていたと思うのだが・・・。
『小学校内や家庭菜園等で栽培された未成熟で小さなジャガイモは、全体に「ソラニン類」が多く含まれていることもあるため喫食しない。』
http://www.pref.okayama.jp/page/detail-57291.html
2015年7月24日12時53分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
フグの安全性をアピールしやすくしようと、フグの本場・下関市は、いまは、都道府県ごとに異なる毒があるフグを処理する免許などの制度を全国で統一するよう、国に要望することになった。
毒があるフグを処理するためには、「ふぐ処理師」や「ふぐ調理師」と呼ばれる免許があるが、都道府県ごとに取得する条件が異なるうえ、講習を受けるだけで免許がいらない県も多く、全国で統一した制度はない。
これについて、下関市の市場関係者などは、都道府県ごとにルールが異なるいまの制度ではフグの安全性を消費者にアピールしづらいなどとして、全国一律の仕組みが必要だと訴えている。
これを受けて下関市の中尾友昭市長は、今月28日、全国統一の制度を新たに設けるよう、厚生労働省に要望することになった。
下関市では、全国で統一された制度が整備されフグの安全性がこれまで以上にアピールしやすくなれば、国内の新たな需要を呼び起こすとともに、フグへの規制が厳しい海外への輸出の可能性も広がるとつながると期待している。
中尾市長は、「全国統一の制度ができれば、今まで以上にフグの安全性が保たれて下関のフグを扱う業者も出荷しやすくなるので国に対してしっかり要望したい」と話している。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4063568801.html?t=1437771756626
2015年7月16日22時20分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ローソンは16日、独自ブランドの冷凍食品「ローソンセレクト海老ピラフ」に異物が混入していたと発表した。
製造を委託している工場の壁からはがれたモルタルの一部と判明した。
商品を店頭から撤去するとともに回収を急いでいる。
異物混入の恐れがあるのは、170g入りで包装の裏面に賞味期限が2016年5月13日と記載している約6万5600食。
製造元のテーブルマークの中央工場(香川県多度津町)で壁の清掃中にモルタルがはがれ、生産ラインに落下したとみられる。
今月2日に客から約5mm四方の異物が混入していると苦情があり、外部機関の検査で15日に問題を特定した。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201507/CN2015071601001707.html
7月16日付でローソンHPにも、下記趣旨のニュースリリースが掲載されていた。
【原因】
工場内の定期清掃で、浸漬工程部分の壁面清掃をした際に剥離してしまった壁面素材が、製造工程内に落下し混入したため。
【再発防止】
・工場内の清掃後、破損個所や工場内に落下物等がないかの確認を強化
・製造開始前、製造ライン上に異物等、不具合がないか確認を強化
上記対策を製造工場に徹底いたします。
http://www.lawson.co.jp/company/news/105836/
2015年5月7日5時21分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「缶コーヒーといえばスチール缶」。
そんなイメージが強いが、徐々にアルミ缶への切り替えが進んでいる。
最大手の日本コカ・コーラは、2013年からブラックコーヒーでアルミ缶を採用。昨年からはミルク入りにも広げた。
背景には、業界団体が自主規制を改めたことがある。
全国清涼飲料工業会の資料によると、缶コーヒー(ボトルタイプを除く)のほとんどはスチール缶。
2014年をみるとアルミ缶は全体の15%ほどしかないが、量を見ると前年比4倍以上に増えている。
スチール缶に比べてさびにくく、軽くて輸送しやすいなどメリットの多いアルミ缶。それでも、なぜ缶コーヒーはスチール缶が主流なのか?
日本缶詰びん詰レトルト食品協会の土橋・常務理事は、「衛生管理の面から、ミルク入り飲料について自主規制していたためです」と話す。
缶飲料で怖いのは、致死率の高いボツリヌス菌。
スチール缶だと菌が増殖すれば缶が膨張するので、消費者が飲むときに気づくことができる。
しかし、アルミ缶は薄くても強度を保てるように、内側に窒素ガスなどを入れて内圧を高めて膨らんでいるため、気づくことができない。
そこで協会は1985年に、ボツリヌス菌が入る恐れがある「高温殺菌を必要とする飲料」についてはアルミ缶を使わないよう自主規制。
その後の研究でミルク入り飲料だけが危険だということがわかり、1988年からは範囲を狭めた。
昨年8月には、ミルク入り飲料でも全国清涼飲料工業会に届け出をすればアルミ缶を使えるように変更。
理由について土橋さんは、「他の食品と同じように、安全性を担保する方法を製品個別の検査から、生産工程を管理する方式に変えたのです。背景には殺菌技術などの進歩があります。国際的な食品加工の衛生基準であるHACCP(ハサップ)認証を受けているような工場であればアルミ缶を使っても問題ないと判断しました」と話す。
変更を受けて、アルミ缶を増やした日本コカ・コーラ。缶コーヒーのブランド「ジョージア」のラインナップのうち、半数以上がアルミ缶に切り替わっている。
初めてブラックコーヒーで採用した際には、「アルミ化が理由かどうかわかりませんが、アロマ(香り)がより引き立ったように感じた」(広報担当者)という。
今後については、「お客さまにとっての扱いやすさや、私たちのビジネス的なコスト面など様々な要因があるなかで、スチールとアルミの二つの選択肢の中から柔軟に対応したい」と話している。
このまま、缶コーヒーはすべてアルミに置き換わってしまうのか?
必ずしもそうとはいえないようだ。
鉄鋼メーカーは、スチール缶の厚みを薄くして軽量化を図るなど努力している。
また、飲料会社にとって鉄鋼メーカーは、原料供給元というだけでなく、「お客さま」でもあるからだ。
大手ビール会社は、いまでもわずかにスチールの缶ビールをつくり続けている。「鉄鋼業界の会合などで指定されるため」というのが理由だという。
ある業界関係者は、こう話す。
「飲料メーカーは鉄鋼が盛んな地域向けには、あえてスチール缶を使っています。裾野の広い産業ですし、『自分たちがつくっているものを使いたい』という気持ちが強い方が多いのです。やめるわけにはいかないでしょうね」
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH5163B4H51UEHF01V.html?iref=com_rnavi_arank_nr02
2015年4月24日10時37分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県は23日、鴨川市横渚の製餡所が製造した生あん(白あん)からシアン化合物が検出されたとして、食品衛生法に基づき回収を命じたと発表した。
健康被害の報告はないという。
県衛生指導課によると、安房保健所が今月20日、同法に基づき抜き打ち検査を行ったところ、シアン化合物が1.3ppm(100g中0.13mg)検出された。
白あんは製餡所で今月16日に製造され、県内の菓子製造業者3社に計77kgが販売された。すでに消費されたものもあるとみられる。
シアン化合物は特定の豆類に含まれ、調理加工時の水さらしや十分な加熱により除去される。
大量に摂取すると呼吸不全やめまいなどを起こすが、同課は「検出されたのはごく微量。一度に1100個以上食べなければ、健康被害の可能性は低い」としている。
出典URL
http://www.chibanippo.co.jp/news/national/252938
2015年2月18日22時59分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月18日22時12分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
魚のアオブダイを食べた県内に住む70代の女性が筋肉痛などの症状を訴えて病院に入院し、18日、死亡したことが分かった。
県は、アオブダイの肝臓を食べたことによる食中毒と断定し、アオブダイを食べないよう注意を呼びかけている。
県によると、2月16日、県内に住む70代の女性が自宅でアオブダイの肝臓を含む煮付けを食べたあと、体調が悪くなったという。
この女性は、16日午後6時ごろに煮付けを食べた後、午後9時ごろに筋肉痛や体のしびれなどの症状を訴えて、17日午後8時ごろに入院し手当てを受けていたが、18日午後3時ごろ死亡したという。
県は、病院の検査の結果などから、女性がアオブダイの肝臓に含まれる「パリトキシン」による食中毒で死亡したと断定し、どこでアオブダイを手に入れたのか、詳しく調べている。
県によると、今回のケースを含めて、県内では平成に入ってこれまでにアオブダイを食べて10人が食中毒を起こしているが、亡くなったのは初めてだという。
県は、「アオブダイは、生息している海域によってはパリトキシンを含んでいるおそれがあり、死亡する場合もあるので食べないでほしい」と注意を呼びかけている。
パリトキシンはアオブダイやハコフグの肝臓などに含まれ、呼吸困難などの症状が現れる。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5065567201.html?t=1424298181307
http://www.47news.jp/CN/201502/CN2015021801002153.html
(ブログ者コメント)
産業安全とは関係ない事例だが、たまにブダイの肝を食べることがあるブログ者にとって気になる情報だったので、掲載した。
(ブダイとアオブダイは違うようだが・・・)
ちなみにテレビでは、筋肉にもパトリキシンが含まれることがあると報道されていた。
2015年1月10日19時56分に読売新聞から、『「異物混入珍しくない」と識者、従来表面化せず』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
最近になって、異物混入が次々に明らかになっている。
日本マクドナルドでは、チキンナゲットにビニール片のようなものが入っていたほか、ポテトに人の歯のかけらが混入していたことなどが判明。
日清食品冷凍の冷凍パスタや和光堂のベビーフードなど、ほかの企業の商品でも異物混入が発覚し、対応に追われている。
ただ、森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)は、「異物混入は珍しいことではない。これまでは客と企業の話し合いで解決し、表面化してこなかっただけだ」と指摘する。
2002年の調査で、食品関係企業約100社の半数が「過去5年間で異物混入などの問題があった」と答えたという。
森岡教授は、「今はネットの普及で、食の安全に関わる情報は瞬時に広まる。企業には、これまでよりも迅速な自主回収と徹底した原因究明が求められている」と強調した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150110-OYT1T50096.html
2015年1月9日22時55分に朝日新聞からも、『異物混入「絶無は不可能」 ファミレス幹部の自民議員』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ファストフード店などの異物混入をめぐり、自民党の穴見陽一衆院議員(45)=比例九州=が自身の交流サイト「フェイスブック」(FB)に「異物混入自体はけっして珍しくない」と投稿した。
穴見氏はファミリーレストラン「ジョイフル」(大分市)の代表取締役相談役。
朝日新聞の取材に対し、「表現に行き過ぎた点があったが、消費者に現実をふまえた対応をしてもらいたかった」と説明している。
FBによると投稿は7日。
「異物混入は忌まわしい事ではありますが、これを絶無にすることは不可能」と書き込んだ。
対価目当てに混入を装う消費者がいるとも触れ、「被害請求なのかゆすりたかりなのかよくわからない事例もあります」と指摘。
そのうえで、混入は珍しくないとの認識を示した。
報道ぶりに対しては、「事情を精査せずに今回のような一方的な訴えの片棒を担ぐような報道をしていたら、不要に世の中を混乱させ、企業とそこで働く人々の心を傷つける」と指摘した。
ジョイフルは、九州を中心に数百店舗を全国展開。穴見氏は同社社長を経て、現在衆院議員2期目。
出典URL
http://www.asahi.com/articles/ASH195K83H19TPJB00V.html
以下は、最近の関連記事。
異物混入「食品事業者は防止徹底を」 厚労省が通知
(2015年1月9日17時12分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASH194SFLH19ULBJ00F.html
ペヤング虫混入騒動、なぜ過熱? 過剰反応との指摘も
(2014年12月25日21時52分 朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASGDM6KWPGDMUTIL05G.html
(ブログ者コメント)
○本ブログでは2013年、給食への異物混入報道があまりに多いので、主だったものを紹介したが、当時、ファストフード店などでの異物混入は、さほど報道されていなかった。
今と同程度、あったと思うのだが・・・。
○ブログ者も、何年か前、スーパーで買った豆腐に髪の毛が入っているのを見つけたことがある。
小さな豆腐屋ゆえ、スーパーに連絡して出入り禁止になっても気の毒と思い、豆腐屋に直接、連絡したのだが、意に反し、スーパーに連絡してくださいとの返答だった。
スーパーがクレームを一括管理することになっているのか?
そこでスーパーに連絡すると、担当者が菓子折を持ってお詫びに来て、たかが髪の毛一本で・・・と、却ってこちらが恐縮した、そんな経験をしたことがある。
ことほどさように、世の中には、表に出ない異物混入事例がゴマンとあるのだろう。
要は、産業安全と同様、原因を究明し再発防止に努めることだが、これまでの一連の報道から考えると、異物混入の根絶は、かなり難しそうだ。
2014年7月24日20時3分にNHK福井から、敦賀市での事故が下記趣旨でネット配信されていた。
7月25日8時16分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
敦賀市の小学校で、授業で収穫したジャガイモを食べた児童4人が、下痢などの症状を訴え病院で手当てを受けていたことがわかった。
県は、ジャガイモに含まれる毒素が原因の食中毒と断定し、県内の学校に対し再発防止に努めるよう通知した。
県などによると、7月18日、敦賀市の粟野南小学校で、6年生の児童31人が授業で収穫したジャガイモを家庭科の授業でゆでて食べたところ18人が体調不良を訴え、このうち4人が下痢などの症状を訴えて病院で手当てを受けたという。
いずれの児童も症状は回復したという。
県が調べた結果、児童4人からジャガイモに含まれていた「ソラニン類」と呼ばれる毒素が検出された。残りのイモからは通常の5倍にあたる濃度のソラニン類が検出された。
県は、ジャガイモが原因の食中毒と断定し、県内の学校に対し、再発防止に努めるよう通知した。
「ソラニン類」は、ジャガイモの芽や皮が日光にあたって緑色に変わった部分に多く含まれるが、県は、授業で収穫したジャガイモを段ボール箱に入れ、2週間にわたって教室の窓際で保管したため、その間に日光に当たって緑化が進み、毒素の成分が増えたのではないかと見ている。
敦賀市は、「夏休み直前の授業で児童が体調を崩すことになり大変残念だ。学校や保育所で注意を呼びかけて再発防止につとめたい」と話している。
市教委は、市内の小中学校19校に文書で注意を呼び掛けた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053264411.html?t=1406236244582
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140725-OYT1T50001.html
2014年7月26日9時0分に読売新聞からは、小松市での事故が下記趣旨でネット配信されていた。
石川県薬事衛生課は25日、小松市立稚松小学校で、調理したジャガイモを食べた6年生の児童9人が腹痛や吐き気などの食中毒症状を訴えたと発表した。いずれも軽症。
同課は、ジャガイモの皮や芽に含まれる植物性の毒であるソラニンが原因と断定した。
発表によると、9人が食べたのは、理科の授業で栽培し、今月17日に収穫したジャガイモ。
段ボール箱に入れて保管し、18日午前11時頃から塩ゆでして児童34人と教諭10人が食べた。
残りのイモから、通常の7~8倍にあたる濃度のソラニン類が検出された。
ソラニンは成長が未熟な小さいジャガイモに多く含まれ、芽の緑色の部分にもあるという。
同課は、「新しくても小さいものは避け、芽を確実に取り除いて調理してほしい」と話している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140725-OYT1T50154.html
(ブログ者コメント)
学校で収穫したジャガイモを授業で食べ食中毒になった事例は、過去にも本ブログで紹介済。
それが、またしても・・・。
都道府県単位での再発防止通知では、またどこかの県で同じ事故が再発するかもしれない。
以下は、過去に本ブログで紹介した事例。
2013年6月 大阪府の小学校
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2947/
2012年9月 岩手県の小学校
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2232/
2014年4月24日19時0分にmsn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
また、4月24日18時32分にNHK神戸からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府は24日、同府阪南市の男里川河口で採取したアサリから国の規制値の約18・8倍のまひ性貝毒を検出したと発表した。
23日の調査で判明し、1週間前の前回調査では規制値の約11・3倍だった。
府によると、貝塚市の二色の浜で採れたアサリの貝毒は国の基準値の約3・3倍で、前回調査は約13・5倍だった。
22日の調査では、大阪湾で採取したアカガイから10倍強の貝毒を検出した。
府は、安全性が確認されるまで、府沿岸で採取した二枚貝を食べないよう注意喚起している。
兵庫県も24日、同県洲本市の海岸で採ったアサリから基準値の1・15倍のまひ性貝毒が検出されたと発表した。
芦屋市のアサリも17日の検査に続き検出され、県は淡路島の東側と芦屋、西宮、神戸市でアサリを採らないように呼び掛ける。
県によると、貝毒を持つアサリを大量に食べると、人間の体にまひ症状が出る恐れがあり、最悪の場合、死に至ることもあるという。
大型連休などで潮干狩りが盛んに行われる時期にあたることから、県は、アサリの採取を禁止した海岸に看板を立てるなどして注意を呼びかけることにしている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140424/waf14042419000024-n1.htm
http://www.nhk.or.jp/lnews/kobe/2023996401.html?t=1398371853187
(ブログ者コメント)
○大阪湾では、昨年同時期にも貝毒騒ぎが起きている。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/2832/
○大阪府HPにも注意喚起情報が掲載されている。
http://www.pref.osaka.lg.jp/shokuhin/shokutyuudoku/kai.html
2014年1月11日付で毎日新聞新潟版と朝日新聞新潟全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は9日、長岡市寺泊の酒類製造会社「S社」が運営する同所の工場「Nブルワリー」で、発泡酒の瓶に誤って過酢酸を主成分とする除菌剤を瓶詰めし、これを飲んだ男性が吐き気や嘔吐など食中毒の症状を訴えたと発表した。
男性は軽症で、既に回復したという。
県は10日から3日間、同ブルワリーを営業停止処分にした。
県によると、3日午後1時ごろ、南魚沼保健所管内(南魚沼市、湯沢町)の飲食店で、客の東京都内の50歳代の男性が発泡酒「Sピルス」(330mℓ瓶)を少し飲んだところ、異臭や酸味に気付き、症状を訴えた。
飲食店から連絡を受けた会社側が長岡保健所に通報した。
製品は昨年11月12日に瓶詰めされたもので、瓶に発泡酒を流し込む充填機を洗浄する際、ラベルのない空瓶を使うべきところを、誤って製品用の瓶を使い、除菌剤が充填された瓶をそのまま出荷してしまったらしい。
男性の飲んだ製品は、中身はほぼ除菌剤だったという。
同じ日に瓶詰めされた発泡酒のうち、計298本が県内に出荷された。
充填機の注ぎ口が2つあるため、除菌剤入りの製品がもう1本、流通している可能性があるという。
同社は4日から自主回収を始め、問題の1本を除く232本を回収、または消費されたことを確認しているが、他に被害の報告はないという。
県は「該当商品を持っている場合は、決して飲まずに最寄りの保健所などに届け出てほしい」と呼びかけている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20140111ddlk15040026000c.html
(ブログ者コメント)
どのような経緯で、洗浄後の液体が入った瓶が出荷されてしまったのだろうか?
一般的な充填システムであれば、空瓶がコンベヤーに乗って充填機まで運ばれ、そこで製品の液体が充填され、その後、キャップが取り付けられるという一連の工程を、全て自動で行っている。
もし、そのようなシステムだったとすれば、一つの可能性として、洗浄後の液体が入った瓶を空瓶と一緒に置いていた、ということが考えられる。
しかし、いくらなんでも、そんなことはしないだろう。
一方、充填機の下で洗浄液を受けた後、その瓶を撤去せずに充填ラインを動かした、ということなら、ある得る話しだ。
そういった事態をも想定して、ラベルのない空瓶を使うようにしていたのかもしれないが、もしそうだったとしたら、その対策だけでは誤出荷を防止できなかった。
専用の受け容器を使用するといった対策は、とるのが難しかったのだろうか?
2013年12月16日14時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
食物アレルギーを訴える公立小中高校生は4.5%(45万3962人)で、9年前から約2ポイント増えたことが16日、文部科学省が公表した実態調査(速報値)で判明した。
アレルギー症状を緩和する自己注射薬「エピペン」所持者は0.3%(2万7312人)だが、病状や対処法をまとめた管理指導表を学校に提出していたのは3割だった。
また、約6%の学校で給食の「誤食」が発生していたことも判明。
同省は、調査結果を有識者会議で検討し、年度内に対策をまとめる。
文科省は、昨年12月に東京都調布市立小で5年女児がアレルギー食材を含む給食を食べて死亡した事故を受け、実態把握に着手。
全公立小中高校でアレルギー疾患について集計した健康管理調査(8月時点)と給食対応調査(5月時点)を実施した。
健康調査では、2004年6月の前回調査と比べ件数が増加。
じんましんや腹痛、呼吸困難などが同時発生する「アナフィラキシー」経験者は0.5%(4万9855人)で、前回より0.4ポイント増えた。
学校生活管理指導表、診断書など的確な対応に必要な書類を学校に提出していたのはアナフィラキシー経験者の37%、エピペン所持者でも31%しかいなかった。
また、約5年間でエピペンを使ったのは408件(小学校252件、中学校71件、高校36件、不明49件)で、児童生徒本人が使用122件、保護者114件、学校教職員106件、救急救命士66件だった。
今回初実施の給食対応調査は、小中学校で計579校を抽出。
配膳や調理時のミスによる誤食事例が34校(発生率5.9%)で40件あったが、いずれも症状は軽かった。
給食で特別対応しているのは2.1%。
対応方法は簡易なものから順に、献立28%、弁当11%、除去食(アレルギー食材を抜いた給食)39%、代替食(材料を代えて作った給食)22%。
自校で調理している学校で、除去食と代替食が充実していた。
対応が難しい理由は、設備が不十分53%、人員不足48%、医師の診断がよく理解できない33%などだった。
有症者増について文科省は、「実際の患者増加に加え、アレルギー問題に敏感な風潮も反映しているのではないか」と説明している。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20131216k0000e040149000c.html
(ブログ者コメント)
本ブログにも掲載した調布市小学校事例の関連情報として紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。