2019年12月22日6時30分にNHK首都圏から、イベントが開催されたという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新潟県糸魚川市の大規模火災から22日で3年です。
被災した地区では街を歩いて復興を確認してもらおうというイベントが開かれました。
3年前の12月22日、糸魚川市では飲食店から火が出て風などで燃え広がり、住宅や店舗など147棟が焼ける大規模火災が起きました。
火災から3年になる前に、被災した地区では21日、復興が進んだ様子を歩いて確認してもらおうというイベントが開かれました。
開会のセレモニーで糸魚川市の米田徹市長が、「みなさんと元気を出して復興を進めてきたなか、3年目を迎え、心強く思っている。これからも共に、にぎわいのある街を作っていきましょう」とあいさつしました。
21日は市内の13か所で催しが行われ、中には地元の高校生たちが考え、うどんの上におでんの具を乗せた「おどん」という食べ物が販売された会場もありました。
子どもと訪れた30代の女性は、「少しずつ建物が建って、街にだんだん元気が出てきてうれしい。子どもが遊ぶことができる場所も増やして、子どもからお年寄りまでみんなが集まる地区になってほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191222/1000041733.html
12月22日20時20分にNHK新潟からは、夜間に子供たちが火の用心を呼び掛けたなど下記趣旨の記事がネット配信されていた。
住宅や店舗など147棟が焼けた新潟県糸魚川市の大規模火災から22日で3年です。
被災した地区では子どもたちが街を歩いて火の用心を呼びかけました。
新潟県糸魚川市の中心部では、3年前・平成28年の12月22日に発生した大規模火災で、住宅や店舗など147棟が焼ける被害が出ました。
22日は、大きな被害が出た3つの地区の子どもたちおよそ30人が、背中に「火消」と書かれたそろいのはっぴを着て街を歩き、拍子木を鳴らしながら火の用心を呼びかけました。
大町地区の齋藤区長は、「年々、風化していくので、この機会にもう一度思い出して、絶対、火事を起こさないようにしてほしいです」と話していました。
大規模火災を受けて糸魚川市は、道路の幅をこれまでの2倍に広げたり、被災した地域に200トンの水を貯めることができる大型の水槽を設置したりして、防火対策を強化してきました。
一方、被災した145世帯のうち、元の場所で生活を再建することができたのは69世帯と、47パーセントにとどまっていて、にぎわいのある街づくりをどのように進めていくかが課題となっています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20191222/1000041757.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、映像の6コマ。
〇糸魚川大火については、本ブログでも紹介スミ。
当時紹介した記事中、火は火の粉ではなく火の塊として飛んでいった、地震に強い建物とだけ注文した家が猛火の中、焼け残っていたという情報が、今でも記憶に残っている。
2019年12月22日18時10分にYAHOOニュース(テレビ岩手)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午前10時すぎ、三陸鉄道・宮古駅の駅前広場でイベントの準備中、ホタテ等を販売する出店がドラム缶の上で炭を起こしていたところ、カセットボンベ数本が破裂して炭が飛び跳ね、関係者3人が顔や腕に軽いやけどをした。
当時は、不漁が続く鮭の大漁を願った初の「祈願祭」の開始前で、来場者にケガ等はなかった。
警察等によると、担当者がカセットボンベ8本をドラム缶に入れて運んだことを忘れたまま、炭を起こしたという。
警察と消防により、安全が確認されたため、その後、「祈願祭」は予定通り行われた。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191222-00000284-tvi-l03
12月22日17時50分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午前10時10分ごろ、岩手県宮古市栄町で行われたイベント「みやこの鮭大漁祈願祭」の出店で、カセットボンベ数本が破裂した。
この店で働いていた女性(67)と、近くの出店の58歳と61歳の男性2人の計3人が顔や手などにやけどを負い軽傷。
イベントは開始前で周囲に客はおらず、予定通り実施された。
岩手県警宮古署によると、破裂が起きた店は、炭火でホタテを焼いて販売する予定だった。
男性従業員(62)が土台のドラム缶の中にカセットボンベを入れていたことを忘れて、炭で火をおこしたという。
宮古観光文化交流協会によると、例年行われている「元祖宮古鮭まつり」が、今年は不漁と台風19号の影響で中止となり、代わりにこの日の祈願祭が企画された。
https://www.sankei.com/affairs/news/191222/afr1912220009-n1.html
2019年12月21日17時50分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本の沿線で、電車と野生動物の衝突事故が増えている。
滋賀県を含む京阪神近郊エリアと福知山支社管内では今秋、発生件数が前年を25%上回り、列車遅延をたびたび引き起こしている。
事故原因で圧倒的に多いのはシカ。
要因については、鉄分を補給するために線路をなめにくる生態や、どんぐり不作の影響などが挙がっているものの、はっきりしないのが実情だ。
11月2日、JR湖西線和邇-蓬莱間で、金沢発大阪行きの特急サンダーバードがシカとみられる動物と接触した。
この電車は、前夜に福井県内で発生した別の電車とイノシシの接触事故の影響で既に運行が遅れていたこともあり、大阪駅着は当初予定から約10時間半遅れとなった。
これは、JR西日本の管内で起きた動物との衝突事故の、ほんの一例だ。
同社近畿統括本部によると、アーバンネットワークと呼ばれる京阪神地域では、今年9~11月、電車と動物の衝突事故が119件と、前年同期に比べて33.7%増えた。
北近畿エリアを管轄する福知山支社の管内でも、同期間に前年同期比23.3%増の328件に上った。
衝突する動物の大半を占めるのはニホンジカだ。
まず、個体数そのものが増加している。
狩猟者の減少などさまざまな要因で1990年代以降に急増し、環境省の調査による推定個体数は2017年度末に全国で244万頭と、30年前の8倍に達した。
また、生存に必要な鉄分を線路のレールから摂取しているという「ミネラル補給説」もある。
建材や防護柵などを製造する日鉄建材(東京)は約10年前、鉄道会社がシカの侵入に悩まされていることを知り、新規事業でシカ対策の研究を始めた。
電車とシカの接触が多い地点で、その生態を観察したり、鉄分を配合したブロック状の塊をシカに与える実験を行うなどした結果、シカは鉄分を補うためにレールをなめにくるという結論に達した。
成果を踏まえ、同社は鉄分と塩分を混ぜた誘鹿(ゆうろく)材「ユクル」を商品化。
JR東海やJR西日本などが導入し、「シカとの衝突を減らす効果を上げている」(同社鉄道商品営業室)という。
ただ、それでは、なぜ今秋に衝突事故が増えたのかの説明がつかない。
今年ならではの背景として、シカの主食の一つであるどんぐりの凶作が影響した可能性も指摘されている。
京都府が丹波地域と丹後地域でブナ科のどんぐりのつき具合を調べたところ、今年は凶作だった。
ツキノワグマが人里で目撃される事例も増えており、府農村振興課は、「推測だが、秋になってシカの衝突事故が増えたのであれば、同じ理由かもしれない」としている。
https://this.kiji.is/580915602900206689?c=39546741839462401
12月23日16時18分にNHK滋賀からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
列車が鹿をはね、一時運転を見合わせる事故がこの秋、関西地方で去年より3割ほど増加し、JR西日本では線路への鹿の進入を防ぐ対策を急いでいます。
JR西日本によりますと、滋賀県の草津線や三重県の関西線など山あいの路線を中心に、ことしの秋口に入り、列車が鹿などの動物をはねる事故が急増し、9月から11月の3か月では、およそ570件と去年の同じ時期と比べて3割ほど増えています。
事故の多くは、線路上で鹿を見つけてブレーキをかけるものの間に合わず衝突するケースで、事故処理のため毎回、現場では列車が止まり、一時運転が見合わせられます。
鹿は、鉄分を補給するため線路のレールをなめに入り込んでいるとみられ、JR西日本ではこの習性を利用し、鉄分をなめとれるようにした鹿寄せの資材を線路脇に置くことで進入をくい止める対策を進めていす。
また、事故が特に多い場所では、鉄製の「鹿柵」を張り巡らせ進入経路をふさぐ対策も進め、一定の効果が出ているところもあるということです。
鹿をはねる事故は年々増加しているということで、JR西日本では、「対策はしているものの、被害が増加していることに頭を悩ませている。今後とも試行錯誤をして対応していきたい」としています。
【鉄分は哺乳類に必須】
東京・上野動物園によりますと、鉄分を含むミネラルはあらゆる哺乳類に必要な栄養素で、病気になりにくくするなど体調管理に重要な役割を果たします。
野生動物は土をなめるなどしてミネラルを補給していて、動物園では岩塩やカルシウムをエサに加えることで代用しているということです。
一方、シカやゾウなど特定の動物がそれぞれどれくらいの鉄分を必要としているのか、詳しいことは分かっていないということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20191223/2060003996.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、NHKから放映されたツイッター動画の1コマ。
帰宅途中の男性が線路そばにいる多数のシカを車内から撮影したものだという。
〇「ユクル」については、4年前の下記記事参照。
(2015年10月13日11時5分 livedoor NEWS)
しばしば線路へシカが侵入し、事故などが発生しています。
なぜシカは線路へ入るのでしょうか。
その理由は「鉄分補給」という研究成果が出ています。
そもそも、なぜシカは線路へ侵入するのか?
しばしば線路へシカが侵入し、列車の遅延を招いたり、場合によっては事故に繋がることもあります。
線路へのシカ侵入を防止するため、ライオンの糞などの成分を線路へ散布するといった対策が行われてきましたが、雨で流されてしまったり、シカが慣れてしまうなど、決定打にはなっていませんでした。
JR東海では、車両の正面下部にクッションを設置することで、衝突したシカを線路外へ押し出し事故になることを防ぐ、といった取組みも行われています。
そもそも、なぜシカは線路へ侵入するのでしょうか。
2015年10月8日(木)、日鐵住金建材がその“なぜ”に注目したシカ対策システムの販売を開始しました。
同社によると、シカが線路内へ侵入する理由について、「鉄分を求めて」という研究成果が出ているとのこと。
線路周辺には、レールと車輪との摩擦により生じた鉄粉が散らばっています。
シカは身体に必要な鉄分を補給するため、その鉄粉を求めて線路へ入るというのです。
そこで日鐵住金建材は、鉄分を含有した世界で初めてというシカ専用誘引材(固形塩)「ユクル」を開発。
実際に野生のホンシュウジカ、エゾシカを対象に試験を行ったところ、多数のシカを長時間にわたり誘引することを確認したとのこと。
そして、これを適切な場所へ設置すれば、シカの徘徊防止、シカ被害の低減が期待できるほか、ワナへの誘導も可能といいます。
同社は、「シカに対して問題意識のある鉄道事業者様、自治体様、猟友会様、環境保護団体様など、様々なお客様にご使用頂けます」としています。
https://news.livedoor.com/article/detail/10699855/
2019年12月21日17時18分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市保健所は20日、札幌市南区のイタリア料理店で食事をした30~70歳代の男女6人が、発熱や発疹などの症状を起こしたと発表した。
患者の血清から寄生虫の旋毛虫の抗体が検出されたことなどから、食中毒と断定し、食品衛生法に基づき、同店を3日間の営業停止処分にした。
加熱が不十分だったクマ肉料理が原因とみられる。
旋毛虫による食中毒は、札幌市内では1979年以来40年ぶり。
市保健所によると、同店で11月10日に食事をした男女8人のうち6人が、11月下旬から今月上旬にかけて、発疹などの症状を訴えた。
うち1人が一時入院したが、全員が快方に向かっている。
クマ肉は、同店の知人が4年前に入手した冷凍肉だった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191221-OYT1T50110/
12月20日21時24分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市保健所は20日、札幌市南区のイタリア料理店「J」(澄川3の2)で、クマ肉のローストを食べた6人が、旋毛虫による食中毒を発症したと発表した。
市保健所は同店を同日から3日間の営業停止処分にした。
市によると、旋毛虫による食中毒が市内で発生したのは40年ぶり。
市保健所によると、旋毛虫は動物などに寄生する線虫の一種で、体長は雌で約3~4ミリ。
旋毛虫が潜む肉を人が食べて1~2週間たつと、腹痛、発熱などの症状が起き、重症の場合は死亡することもある。
国内では、食用家畜から旋毛虫が検出された例はないという。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/376895/
(ブログ者コメント)
旋毛虫による食中毒は2016年11月に水戸市でも起きている。(本ブログでも紹介スミ)
一方、今回の事例を機に関連情報を調べ直したところ、以下の詳細な情報も見つかった。
(2018年11月5日13時0分 日本経済新聞)
クマの肉を食べたことで旋毛虫症を発症した事例が、相次いで3例発生したことが報告された。
いずれも同じ1頭のクマの肉が原因食品で、うち2例はローストして食べ、1例はカツにして食べていた。
市立札幌病院感染症内科の児玉文宏氏らが、第67回日本感染症学会東日本地方会学術集会(2018年10月24~26日、東京)で報告した。
同氏らは、野生鳥獣肉(ジビエ)ブームの中、旋毛虫症などの感染症リスクが高まっているとし、一般消費者へのさらなる啓蒙が必要と指摘している。
症例1の経緯はこうだ。
特記すべき既往歴のない北海道在住の40歳代男性で、2018年春にハンターから譲渡された狩猟直後のクマ肉を1週間程度、冷蔵保存。
その後、自宅でロースト調理し食べたという。
喫食から22日後に発熱。
その後、かゆみを伴う全身発疹が現れ、咳、呼吸困難感、口唇腫脹、四肢筋肉痛も出現した。
近医を受診し、アレルギーとして治療後、いったん呼吸困難感や発疹は改善したが、その後、かゆみが悪化したため市立札幌病院を受診した。
白血球の一種である好酸球数が多く、また患者からローストしたクマ肉を食べたことが聴取できていたことから、旋毛虫感染症を疑い、治療を開始した。
その結果、次第に改善し、クマ肉を食べてから10週後に完全に消失した。
治療開始と並行して寄生虫検査も行ったが、当初は抗旋毛虫の抗体価が低く、喫食37日後に陽性となった。
また、喫食翌日から冷凍保存されていた同じ個体のクマ肉から旋毛虫が検出され、旋毛虫症と確定した。
患者からの聞き取りで、食べたクマ肉は塊ごと約10分間表面を焼き、その後余熱で加熱していた。
表面以外の内部の肉は「赤いまま」だったことが分かっている。
症例2は30歳代女性で、症例1と同じ日に、同じローストしたクマ肉を食べていた。
喫食20日後に症例1とほぼ同様の症状、所見を呈した。
同じような経過をたどり、症例1と同様の治療により、症状が消失した。
クマ肉の喫食が原因で旋毛虫症を発症した事例が2例と続いたことから、同じクマ肉を食べた人を追跡調査したところ、症例2の母(症例3)が、抗旋毛虫抗体価が陽性となった。
症例3は、生のクマ肉をカツにして食べていた。
1カ月ほどして発熱、四肢・体幹筋肉痛、発疹が出現したが、その後、数日で症状は自然消失していた。
治療はしていない。
児玉氏は、2016年に茨城県で旋毛虫による集団食中毒が発生したことを受けて、厚生労働省が「クマ肉による旋毛虫(トリヒナ)食中毒事案について」を発信し、改めて「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」(厚労省、2014年)の順守を求めたことに言及。
しかし、今回、3例の旋毛虫症例が相次いで発生した背景には、「シカ肉と同様に、ローストすればクマ肉も安全との誤解があった」と指摘。
ジビエ食による感染症リスクの認識やその予防法が広まっていない可能性があるとし、さらなる啓蒙が必要とまとめた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37361080V01C18A1000000/
文中、「「シカ肉と同様に、ローストすればクマ肉も安全との誤解があった」との表現がある。
その理由について調べたところ、水戸市の事例が詳述された文献に、以下の記述があった。
思うに、旋毛虫はシカには寄生していないのかもしれない。
(12ページ)
Ⅰ. 旋毛虫による食中毒
8. 国内における感染動物
わが国では家畜から旋毛虫が検出された記録はないが、クマ(ツキノワグマおよびヒグマ)以外の野生動物からも、旋毛虫は検出されている。
動物種および検出された地域は、キツネ(北海道)、タヌキ(北海道、山形県)、アライグマ(北海道)である 5, 9, 13)。
また、イヌ(北海道)からも旋毛虫が検出されている 5)。
しかし、ジビエとして積極的な利用が図られつつあるイノシシ 14)およびシカ 15)の肉からは、現時点で検出報告はない。
ただ、シカには旋毛虫以外の寄生虫が寄生しているとのこと。
やはり、十分に加熱するに越したことはなさそうだ。
(14ページ)
Ⅱ. 肺吸虫による食中毒
肺吸虫の幼若虫の寄生率・寄生数は、シカよりもイノシシの方が相当に高く、肺吸虫の感染源としてイノシシには、引き続き十分な注意が必要である24, 25)。
しかし、シカ肉もイノシシ肉と同様に、人体肺吸虫症の感染源となる可能性があると証明されたため、 肺吸虫感染が疑われるような症例に関しては、淡水産カニあるいはイノシシ肉だけでなく、シカ肉の喫食についても、問診する必要がある 22)。
『野生鳥獣肉が関わる寄生虫症 杉山広』
(モダンメディア 64巻2号2018[話題の感染症] 37)
http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/2018_02/003.pdf
2019年12月20日15時0分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
電気を止めないまま電力メーターを取り換える危険な作業を、無免許の作業員がしている-。
神戸新聞社の双方向型報道「スクープラボ」に兵庫県姫路市の男性から情報が寄せられた。
電気工事士の資格を持つ男性は火災や爆発の危険性を指摘し、「電気工事に従事するには資格が必要なはず」と訴える。
問題はないのか取材した。
男性が「無免許」を指摘する工事の施工会社(大阪市北区)に聞いてみた。
担当者は、「一部に無免許の作業員はいる」と認める一方、「法律的に問題はない」と強調した。
この会社は関西電力のグループ企業で、関電の委託を受けて電力メーターを交換している。
関電に取材すると、「社内の技能認定試験を取得しないと作業できないようにしている」とし、問題ないとの認識だ。
だが、現実は事故が相次いでいる。
神戸新聞社が入手した施工会社の内部資料には、作業員の単純ミスによる事故が連なる。
2018年8月には、電力メーター取り換え時に電線を挿入する端子穴を間違え、火花が発生しショートさせた。
配線を整理せず、挿入部分を見ていない初歩的なミスが原因とされた。
16年12月の事故では、メーターのネジを緩めようとした際、電動ドライバーが別のネジに接触しショートした。
経験1年未満の作業員が担当し、ショート防止のカバーを付けないルール違反があったとされる。
家屋に停電が発生して電化製品が故障したり、作業員がけがをしたりしたケースも報告されている。
関西電力は、作業員がけがをした事故は委託先から報告を受け、計器交換中の事故は「過去5年で複数件」とする。
男性は、「端子や電線に接触すると爆発の恐れがあり、負傷事案の把握だけでは不十分」と憤る。
電気工事の規則などについて経済産業省中部近畿産業保安監督部近畿支部に聞いた。
男性の言うように、欠陥工事による災害発生を防ぐため、作業には電気工事士法で免許取得が義務付けられている。
一方、同法施行令は、免許なしでできる「軽微な作業」を規定。
電力メーター交換はこれに該当し、免許不要という。
さらに、「電力会社所有の電力メーターは、電気工事士法の適用外」とされているという。
同支部の担当者は、「電力会社が作業をするので『技術的に大丈夫』という前提で法律が作られている」と解説する。
電力会社なら大丈夫というのは、法の不備では-。
記者の質問に担当者は、「誰でも触れるわけではないが、法律がカバーしきれていないのかもしれない。これ以上は本省に聞いてほしい」と言葉を濁した。
※神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」
を始めました。
身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。
LINEで友だち登録(無料)した後に投稿できます。
皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。
ご参加をお待ちしています。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201912/0012975308.shtml
2019年12月20日付で中日新聞富山版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は十九日、県内で多発する農業用水路事故の未然防止対策方針をまとめたガイドラインを策定した。
月内にも県のホームページで公表する。
県庁であった県農業用水路事故防止対策推進会議で了承された。
県によると、用水路の安全対策に関するガイドラインの策定は全国的にも珍しいという。
ガイドラインは、
(1)ソフト対策の継続的かつ積極的な推進
(2)効果的なハード・セミハード対策の実施
(3)行政・関係団体や地域組織などの連携強化
の三つを基本とした。
注意喚起の看板の設置、体験会を通じた安全点検や危険箇所マップづくりといったソフト対策や、優先度に応じた転落防止柵の設置などのハード対策を示した。
道路に隣接した水路など、転落事故の危険が高い場所も例示した。
会議終了後、広瀬慎一会長が石井隆一知事に結果を報告した。
広瀬会長は、「自分の体が弱っていることになかなか気が付かない人もいる。特にソフト対策に力を入れていってほしい」と話し、石井知事は、「各市町村に呼び掛けて注意喚起を徹底していく。日本のモデルといってもらえるように取り組んでいく」と応じた。
県によると、県内の農業用水路は推定で一万一千二百十キロ以上に及ぶ。
転落死亡事故は二〇〇九~一八年度に百八十四件発生し、約八割を高齢者が占める。
本年度は十一月末までに九人が亡くなり、全員が高齢者だった。
相次ぐ事故を受け、一月から推進会議がガイドライン策定に向けて議論を進めてきた。
今後は、対策の効果や問題点を継続的に検証し、必要に応じてガイドラインの改善を図っていく。
https://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20191220/CK2019122002000034.html
12月19日1時36分にチューリップテレビからは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県内で農業用水路への転落事故が多発していることを受け、県は安全対策ガイドラインをまとめました。
危険な用水路には柵を設置するなど、ハード面の対策を進めながら、地域で危険マップを作るなど、ハードとソフトの両面から転落事故の防止を目指します。
県内の農業用水路では、2009年度からの10年間で184件の死亡事故が発生、今年度も9件の転落事故が起きていて、全国でも高いレベルとなっています。
多発する事故を受けて、県では農業土木の研究者などが今年1月から事故防止の対策を話し合い、19日、安全対策のガイドラインを策定しました。
ガイドラインは、柵の設置などのハード面と、児童や高齢者への安全点検や啓発など、ソフト面の対策の推進を基本方針に掲げています。
ハード面の対策として盛り込まれたのは、危険な用水路の『見える化』です。
転落防止柵の設置、用水路の地下への埋め込み、そして、柵などが設置できない用水路には、発光タイプの「道路鋲(どうろびょう)」を設けるとしています。
県内の用水路の総延長は1万1000キロ以上あると推定されています。
では、用水路の危険性をどうランク付けするのか。
「射水市の住宅街にあるこちらの用水路は、このように幅が広く、深さもあることから、県の示す対策優先度ではもっとも高いAランクとなります」(記者)
射水市大島にある用水路。
用水の底から路上までの高さは、およそ1メートルで、現在は、転落を防止する柵が設置されていますが、8年前までは、このように柵はありませんでした。
「歳いった人は(落ちたら)上がれないと思う。自転車乗ってても、こういうのがあると安心」(住民)
今回のガイドラインでは、危険な箇所の対策に向け、2つの基準で優先度をランク付けすることにしました。
用水路の高さや幅、流れの早さを評価する『転落リスク』、用水路の見えやすさや、高齢者が通る頻度などの『周辺環境』。
この2つを総合的に判断し、対策優先度をA、B、Cで評価します。
「あちらのような大きな用水路では柵などの対策がされていることが多いのですが、実際には、このような県内でよく見る小さい用水路で事故は多発しています」(記者)
実際、今年度の死亡事故の9件のうち、4件は、幅1メートル未満の小さい用水路で発生しています。
「柵あったほうがいいですよね。きりないわね沢山あるもん。だんだん歳いったら気になるよね。若いときはいいよ、若いときは上がれるけど歳いったら気をつけないと」(住民)
こうしたランク付けを自治体や用水路の管理団体、地域住民が活用し、必要があれば、柵やふたをするなどの対策を実施していく予定ですが、すべての用水路に対策を施すことは現実的には不可能です。
「日常のコミュニケーションの中でお互いに気をつける。年寄りは体の弱っていることに気をつける。基本的には自己責任が大事だと思います」(元富山県立大学学部長・廣瀬愼一さん)
ガイドラインでは、このほか、地元住民が参加するワークショップで、危険箇所マップを作るなど、ソフト面の対策も進めるとしています。
http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20191219181155
2019年12月20日付で労働新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
さいたま労働基準監督署は、墜落防止措置を講じなかったとして、設備工事業のK電設㈱(東京都豊島区)と同社現場責任者を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反などの疑いでさいたま地検に書類送検した。
高さ2メートル以上で電気ケーブル設置作業を行わせていたにもかかわらず、足場を設けさせていなかった。
設置作業は、地下駐車場で行われていた。
労働者は、脚立に跨いだ状態で踏ざんに両足を乗せて作業していた。
設置作業中だった電気ケーブルが労働者に向かって落下し、長さと重みに引っ張られて脚立から墜落。
労働者は頭を打って死亡した。
墜落防止の手摺りなどはなく、ヘルメットも装着していなかった。
労働安全衛生規則第518条では、事業者が高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合、足場などの作業床を設けなければならないとしている。
同社は、2メートル2センチの高さでの作業にもかかわらず、作業床などの墜落防止措置を講じていなかった疑い。
同労基署によると、手摺りや簡易足場、移動式足場があれば墜落を防止できたのではないかとしている。
https://www.rodo.co.jp/column/84422/
2019年12月21日19時30分にFNN PRIME(長野放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野市で20日夜、走行中のトラックから建材が落下し、対向車のフロントガラスを突き破って、運転していた男性に当たりました。
男性は意識不明の重体となっていましたが、21日午前、死亡が確認されました。
記者:「ワンボックスカーのフロントガラスが大きく割れています。アルミ製のパイプが突き刺さるようにして貫いたということです」
昨夜7時ごろ、長野市屋島の堤防道路で、中野市の建築業の男性(44)が運転するトラックの荷台から、金属製のパイプ約40本が崩れ落ち、一部が対向してきたワンボックス車に当たりました。
パイプはフロントガラスを突き破り、運転していた長野市の会社員・縣さん(男性、48歳)の頭にも当たりました。
縣さんは意識不明の重体となっていましたが、21日午前11時過ぎ、搬送先の病院で死亡が確認されました。
事故後のトラックは、いわゆる「あおり」(荷台を覆う囲い)が片側だけ外れていたということです。
警察は、どのように荷台に積んでいたかも含め、事故原因を詳しく調べる方針です。
https://www.fnn.jp/posts/2019122100000004NBS
12月21日12時29分にNHK信州からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日夜7時ごろ、長野市屋島の市道で、走行中のトラックの荷台から積み荷の建設用資材が落下し、対向車線を走っていた乗用車を直撃しました。
警察の調べによりますと、積み荷が落ちるのを防ぐためにトラックの荷台の左右と後ろに付いている板が走行中にはずれ、建設用資材が落下したとみられるということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20191221/1010011953.html
12月21日17時47分にYAHOOニュース(信越放送)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨夜7時ごろ長野市屋島の市道で、トラックの荷台から長さおよそ6メートルのアルミ製のポールが落下し、対向車線を走っていたワンボックス車を直撃しました。
警察によりますと、トラックの積み荷の落下を防ぐ板が、走行中に外れたとみられるということです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191221-00367092-sbcv-l20
(ブログ者コメント)
〇以下は、信越放送、NHK、長野放送の映像の数コマ。
〇2016年4月には、福井市の国道急カーブでトラックから過積載木材が落下し対向車のフロントガラスに突き刺さるという、今回と同じような死亡事故が起きている。(本ブログで紹介スミ)
2019年12月19日18時4分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「京都アニメーション」の第1スタジオが放火された事件で火災のあと、京都市消防局は、当時、建物の中にいて助かった社員から聞き取り調査などを進め、どのように避難したかの詳細な分析結果をまとめました。
それによりますと、建物の外への避難行動は出火の数秒後に始まり、助かった人が最後に外に出たのはおよそ7分後だったとしています。
外に避難できた人の多くは、近くのベランダや窓から飛び降りるなどしていたということです。
なかには、1階のトイレに逃げ込み、入り口の扉を閉めたことで、煙や火の侵入が遅くなり、避難までの時間を確保できた人もいたということです。
今回の分析結果からは、避難には限られた時間しかなく、近くの窓などから外に出た人たちの多くが助かったことがあらためて分かりました。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20191219/2000023565.html
12月20日5時13分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市消防局が生存者らを対象に聞き取り調査をし、避難行動を分析した結果が19日、明らかになった。
出火の数秒後に玄関から2人が避難したのを最初に、1階の玄関と東側の窓からは1分半後までに6人が避難。
2階にいた20人と3階から下りた6人、1階から上がった1人は、2階のベランダや窓から5分後までに逃げた。
最後に避難できたのは1階トイレに逃げ込んだ人で、出火から7分後だった。
事件では、建物にいた70人中33人が避難できず、避難した3人も含め計36人が死亡。
調査は生存者34人を対象に聞き取り、消防庁消防研究センターの火災シミュレーションもふまえて、70人全員の避難行動を分析した。
1階で勤務していた社員は、玄関から入ってきた青葉容疑者(41)=殺人などの容疑で逮捕状=が、3階まで続くらせん階段付近に液体をまき、ライターで火をつけるのを目撃。
消防職員が建物付近で携行缶に入ったガソリン臭のする液体を確認しており、消防局は青葉容疑者がらせん階段付近にガソリンをまいて放火したことが出火原因と断定した。
2階から計27人が避難したのは出火1分半後から5分後までで、飛び降りたり、はしごを下りたりした。
3階階段室の窓からも1人が避難した。
2階にいた一部の人は、最初は1階に下りようとして煙に阻まれていた。
最後の避難者は、出火直後に容疑者への恐怖心から1階女子トイレに逃げ込んだ3人。
入り口ドアを閉めて煙の侵入を遅らせることができ、外部にいた作業員が窓を壊して、出火7分後までに救出した。
一方、3階にいた27人中20人、2階にいた31人中11人、1階にいた12人中2人の計33人は建物内で遺体で見つかった。
https://mainichi.jp/articles/20191219/k00/00m/040/256000c
12月20日15時50分に京都新聞からは、消防庁によるシミュレーション結果、2分後には建物全体が人間が耐えられないほどの温度になっていたと推定されるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
総務省消防庁による火災シミュレーションの検証結果が19日、明らかになった。
出火60秒後には3階建ての建物の2、3階のフロアに煙と高温の燃焼ガスが充満し、120秒後には建物内全体が、人間が耐えられないほどの高温となって、避難不可能な状態になったとしている。
短時間で建物内に広がった煙や熱で、らせん階段や屋内階段といった避難経路が次々と断たれた様子が浮かび上がった。
検証によると、火元に近い吹き抜けのらせん階段は火炎と煙で、出火10秒後には避難経路として使えなくなった。
30秒後には屋内階段にも高濃度の煙が充満して視界が遮られ、3階から下の階に下りることが難しくなった。
60秒後には煙とともに100~300度の燃焼ガスが2、3階のフロアを満たした。
行動することが困難な上、屋内にとどまることさえ難しい状態だったとみられる。
塔屋の屋上扉に続く階段付近には20人が折り重なるように亡くなっていたが、この箇所は90秒後に煙が充満していた。
120秒後には建物全体に燃焼ガスが充満し、避難が不可能となる高温にさらされたという。
https://this.kiji.is/580585901752845409?c=39546741839462401
12月20日7時42分に読売新聞からは、5分以上建物内にとどまっていて助かったのは4人だけだったなど下記趣旨の記事が、4人が脱出した場所の立体見取り図付きでネット配信されていた。
建物内にいた社員らに京都市消防局が調査した結果、火元の1階にいた社員らのうち3人がトイレに逃げ込み、出火約6~7分後に救出されていたことがわかった。
壁で煙の流入を遮断できたことが生存につながったという。
市消防局は調査結果を踏まえ、区切られた場所への避難の重要性などを盛り込んだ行動指針を策定する。
現場の第1スタジオ(3階建て)には当時、70人おり、36人が死亡した。
総務省消防庁の分析では、出火後1分で建物内に高温の煙が充満、犠牲者の多くが煙を吸い込んで短時間で意識を失うなどしたとみられる。
市消防局は、自力で避難したり、救出されたりした社員らから状況を調査。
最初の避難者は数秒後に1階玄関から外に逃げ、その後、約5分後までに計30人が2階ベランダから飛び降りるなどして避難した。
5分以上建物内にとどまっていた生存者は4人。
うち3人は容疑者を恐れて1階女子トイレに逃げ込み、屋外にいた人が窓の格子を外して助け出した。
もう1人は3階の窓付近にはしごがかかっているのを見つけ、避難できたという。
市消防局には、ガソリン放火など極めて短時間で煙が回る火災を想定した避難行動指針がなく、今年度内に策定する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191220-OYT1T50103/
12月23日11時47分に京都新聞からは、各人が脱出した時の詳細な様子(大半は転記省略)ならびに、避難訓練時の避難ルートは全く役に立たなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
ベランダからの脱出者は、2階にいた20人と、異変に気付いてすぐに3階から2階に下りた5人の計25人。
ベランダの窓が早くに開放されていたことが奏功した。
23人が飛び降り、2人はベランダに架けられたはしごを使い脱出した。
3階にいた1人は2階の窓から飛び降りている。
この人はいったん2階に下りた後、さらに1階に下りようとしたが、煙に行く手を阻まれて断念。
2階に戻ったが、ベランダに多くの人がいるのを見て、即座に建物の北側にある窓から飛び降り、一命を取り留めた。
出火時に2階にいてベランダから脱出した男性は京都新聞社の取材に、「(ベランダから飛び降りるのを)ちゅうちょする人もいた。避難訓練では屋内階段の使用を想定していたが、煙ですぐに真っ暗になった。訓練の避難経路は全く役に立たなかった」と話した。
最も犠牲者が集中したのは、塔屋の屋上扉に続く階段付近。
扉は施錠されていなかったが、屋上に脱出しようとしたとみられる男女20人が折り重なるように亡くなっていた。
この階段のすぐ近くにある3階の窓から避難した人が1人いた。
この人は20人の動きに加わろうとしたが、避難開始が遅く、煙で呼吸ができずに断念。
息をしたいとの一心で階段の近くにある窓を開けたことで、偶然、建物に架けられていたはしごを見つけ、つたい下りた。
・・・・・
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/103622
12月23日16時45分に産経新聞からは、3階にいて避難が遅れた1人はうっすらした光で窓を見つけ壁伝いに移動して避難したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3階は出火時に27人がいたが、脱出できたのは7人。
6人は3階から2階に下り、2階のベランダや窓から避難した。
残る1人は避難開始が遅れ、ほかの社員と一緒に避難することを断念。
だが、室内に煙が充満する中、息が苦しくなってしゃがみ込んだところ、うっすらとした光を発見。建物西側にある窓からの光で、呼吸をしたい一心でこの窓に近づき、外を確認したところ、外壁の出っ張りを見つけた。
そして、わずかな出っ張りを頼りに壁沿いに移動し、建物にかけられたはしごで避難した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191223/afr1912230030-n1.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
12月23日17時8分にNHK京都からは、市消防局は屋外で使える避難器具の設置を設置義務のない建物にも呼びかけるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
分析結果を受けて京都市消防局は、はしごやロープなど屋外でも使える避難器具の設置が義務づけられていない建物でも設置を呼びかけていくことを、今年度中にまとめる新たな避難指針に盛り込む方針を示しました。
京都市消防局の山内局長は、「ふだん使う経路が使えない場合を想定して、いざというときの避難について考えることが事件の教訓だ」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20191223/2010005408.html
※ちょっと前、8月5日20時44分に産経新聞westからは、京大防災研でもシミュレーションを行っており、その結果、30秒後には2階以上のフロアーが煙で充満したと推定されるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
出火から30秒後には煙が建物内に拡散していたとみられることが5日、京都大防災研究所の西野智研准教授(建築火災安全工学)による数値シミュレーションで分かった。
野准教授は事件後、現場で建物の焼損状況を確認した上で、数値シミュレーションで煙の流動を分析。
スタジオ内の1階らせん階段付近でガソリンが燃やされたという想定で、出火から30秒後までに各階に広がった煙の層の高さと温度を予測した。
その結果、出火から5秒でらせん階段に大量の煙が流入、すぐに2、3階にも上がり、3階には2階よりも早く充満した。
煙はいったん3階天井に到達すると、15秒後には腰に近い1・1メートルの高さまで降下。
30秒後には2階から上の空間のほとんどが煙で満たされる状態になった。
3階の煙の温度は、出火から15秒で100度を上回ったとみられる。
煙は内階段にも流入し、出火から15秒後には3階から屋上にいたる階段の大部分を満たした。
この階段では、20人が折り重なるようにして亡くなっており、屋上を目指した人が避難の途中で有害成分を含む煙に巻かれ、避難が難しい状態に陥ったとみられる。
また、らせん階段を通じて高温の煙が拡散したことで、2、3階の可燃物に火が付き、火災が建物全体に拡大した可能性がある。
第1スタジオは、建築基準法に基づき、らせん階段に防煙垂れ壁を設置するなど、法令を順守した建物だったが、西野准教授は、「法律にのっとった建築物でも、さまざまな火災の可能性を考慮し、自主的に火災安全性を高める工夫が必要だ」と指摘。
その上で、「吹き抜け空間を作る場合は、避難用の屋外階段や全周バルコニーを設置するなど、火災発生から早期に外に退避できるような設計が重要になる」と述べた。
https://www.sankei.com/west/news/190805/wst1908050019-n1.html
2019年12月19日8時0分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市伏見区のアニメ製作会社「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオの放火殺人事件で、災害派遣医療チーム(DMAT=ディーマット)の出動要請などを担当する京都府の医療課が、発生してから約1時間後まで事件を把握していなかったことが京都新聞社の取材で分かった。
医師の多い都市部での発生だったため、DMAT派遣の必要性は低かったとはいえ、府の危機管理の在り方が問われそうだ。
事件は7月18日午前10時半すぎに発生した。
同11時半ごろ、府医療課の職員がネットで事件に気付き、防災消防企画課に問い合わせた。
同11時44分に市消防局から防災消防企画課に「死者もしくは負傷者が10~15人の事案が発生している」との内容のファクスが送信され、同50分ごろ、医療課が受け取った。
この時点で、発生から約1時間20分がたっていた。
医療課は正午すぎ、府の基幹災害拠点病院である京都第一赤十字病院(東山区)に、DMAT派遣の必要があるかを問い合わせたが、同病院は「重症者の搬送は既にほぼ終わっている」と答えたという。
市消防局は、「現場対応を優先し、府に報告するどころではなかった」と説明する。
府の把握が遅れたことに、他県の医療行政担当者は、「本県ではありえない。DMAT派遣が結果的に必要なかったとしても、必要かどうかの判断を早急にするのが県の役割だと考えている」と指摘する。
こうした事態を防ぐため、府内の医療関係者は、負傷者多数の事件・事故時に消防と医療、行政が発生や救急搬送についての情報を瞬時に共有できるシステムを導入するよう、数年前から求めてきた。
府内で救急医療に携わる医師は、「京都市内だったから対応できたが、仮に地方で起きていた場合は、府の役割が大きかったはず」と話す。
府医療課は、「今後は、情報を早く得られる方法を検討する」としている。
【DMAT(ディーマット)】
医師、看護師、業務調整員で構成される医療チーム。
地域の救急医療体制では対応できない大規模災害や多数の負傷者が発生した事故現場などにすぐに駆けつけて、医療活動や救助活動を行う。
都道府県などの派遣要請を受け、DMAT指定医療機関から派遣される。
https://this.kiji.is/580168029097919585?c=39546741839462401
2019年12月20日8時35分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後10時半ごろ、小樽市桜2丁目の市道で、余市町の自動車整備会社役員、森さん(男性、50歳)が運転してきたレッカー車を止めて車体の下に潜り点検作業をしていたところ、レッカー車が突然、動きだしました。
森さんはレッカー車にひかれ病院に搬送されましたが、頭などを強く打っていて、その後死亡が確認されました。
警察によりますと、森さんは事故で壊れた車を運ぶため、レッカー車で現場に来ましたが、荷台が故障し思いどおりに動かなかったことから、点検をしていたということです。
現場は緩やかな坂道だということで、警察はレッカー車にサイドブレーキがしっかりとかけられていたかなど、事故の原因を詳しく調べています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191220/7000016403.html
12月20日9時55分にFNN PRIME(北海道文化放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
森さんは電柱に衝突した乗用車をレッカー車に積んで移動しようとしていました。
https://www.fnn.jp/posts/2019122000000001UHB
(ブログ者コメント)
以下は、北海道文化放送映像の1コマ。
この季節、道路には雪が積もっており、夜間ゆえ凍っていた可能性も考えられる。
2019年12月19日21時1分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日午後1時35分ごろ、神戸市北区南五葉3の市立南五葉小学校本館3階で、トイレの改修工事のため作業員が天井裏で漏水の点検をしていたところ、作業員が天井を踏み抜き、石こうボードが落下。
手洗い場周辺で清掃中だった4年女児(9)が左中指に軽傷を負った。
落下した石こうボードは板状で縦30センチ、横20センチ、270グラムと縦20センチ、横10センチ、70グラムの2枚。
女児は保健室で応急処置を受け、午後の授業には出席した。
トイレには工事作業中を示す表示や工事用安全柵はなく、市設備課は、今後、安全策を取るという。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201912/0012973437.shtml
12月19日付で神戸市のHPに、下記趣旨の記者発表資料が現場写真付きで掲載されていた。
1.発生時の状況
令和元年12月19日(木曜)午後1時35分頃、神戸市立南五葉小学校において、トイレ洋式改修工事中、漏水対応のために工事作業員が天井裏で点検をしていたところ、誤って作業員の足が天井に当たり、天井部材である石膏ボードの一部が落下しました。
落下してきた天井部材が、トイレ清掃のため入室した女子児童の左中指に当たり、軽傷(すり傷)を負いました。
2.事故の原因
工事中に発生した漏水に対応するため、工事作業員がトイレ天井裏の点検作業を行った際、トイレ入口に工事用安全柵を設置するなどの安全対策が十分でなかったため、児童が点検作業中であることを認識できず、トイレ内に立ち入り、天井部材の落下による軽傷を負うこととなりました。
3.事故後の対応
工事作業の際には、学校との連絡調整を密に行うよう指導するとともに、工事作業のエリア内に児童・教職員等が立ち入らないよう、工事用安全柵を設置するなど、安全対策を徹底します。
https://www.city.kobe.lg.jp/a11243/20191219844201.html
2019年12月18日21時48分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小豆島沖で、ことし1月、貨物船と漁船が衝突し、ことし7月になって、漁船の船長で高松市に住む75歳の男性が遺体で見つかりました。
高松海上保安部によりますと、その後の調べで、当時、貨物船の乗組員が、スマートフォンの画面を見ながら舵をとっていたことがわかったということで、海上保安部は、見張りを怠って貨物船と漁船を衝突させ、船長を死亡させた、業務上過失致死などの疑いで、18日までに52歳の乗組員の書類を高松地方検察庁に送りました。
調べに対し、乗組員は、容疑を認めているということです。
また海上保安部は、周囲をよく見ずに舵をとり、貨物船と衝突したとして、死亡した漁船の船長についても業務上過失往来危険の疑いで書類送検しました。
全国では、ことし4月、三重県沖で漁船どうしが衝突し、一方の船の船長がけがをした事故について、運輸安全委員会が相手方の船の機関長がスマートフォンを使っていたことなどが原因だったとする報告をまとめるなど、スマートフォンの使用による船の事故が相次いでいます。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20191218/8030005436.html
2019年12月18日21時28分に神奈川新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、下り快特電車と大型トラックが衝突した事故で、京浜急行電鉄(横浜市西区)は18日、踏切の異常を点滅して知らせる発光信号機を現場付近に4基増設すると発表した。
これまで3基設置されていたが、増設で、運転士が異常を認めてからブレーキ操作を判断するまでの時間が、従来の約1・5秒から約11秒に延びるという。
21日から運用を開始する。
京急は、快特電車が最高速度の時速120キロで走行した場合、非常ブレーキをかけてから止まるまでの距離を517・5メートルに設定している。
増設によって、運転士が最初に発光信号機の点滅を視認できる地点は、踏切の手前約570メートルから約900メートルとなる。
また京急は、発光信号機の設置ルールを見直し、運転士がブレーキ操作にかけられる時間を従来より長くする運用に改めた。
これに基づき、時速120キロで走行する区間の踏切を中心に、増設を進めていくという。
事故は9月5日午前11時45分ごろに発生。
踏切に立ち往生したトラックと快特電車が衝突し、トラックの男性運転手=当時(67)=が死亡、乗客ら37人が負傷した。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-222356.html
12月18日17時36分に毎日新聞からは、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮して設置ルールが見直されたという下記趣旨の記事が、見え難かった現場信号の写真付きでネット配信されていた。
横浜市神奈川区の京急線の踏切で9月、快特電車と大型トラックが衝突した事故を受け、京急電鉄は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機をより遠くから視認できるように、設置ルールを見直すと発表した。
事故現場では新ルールに基づき発光信号機が増設され、21日の始発以降、運転士は従来より11秒早く異常に気づけるようになるという。
京急によると、これまでは発光信号機が視認できる距離は踏切の手前「517・5メートル以上」としていた。
これは、快特電車の最高時速120キロでの制動距離と同じだが、車輪が滑りやすい雨天時や運転士の見落としなどを考慮し、安全性を向上させるため「718メートル以上」に変更する。
快特電車が時速120キロで走行する京急川崎―横浜間には新基準を満たさない踏切が他に9カ所あり、順次、発光信号機を増設する。
この事故は9月5日に発生した。
青砥発三崎口行き下り快特電車(8両編成、乗客約500人)が踏切内で立ち往生していた13トントラックに衝突し、トラックを運転していた男性(当時67歳)が死亡、乗客ら37人が軽傷を負った。
電車の男性運転士(28)は神奈川県警の任意の事情聴取に、「発光信号機が見えたため常用ブレーキをかけ、その後非常ブレーキもかけた」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20191218/k00/00m/040/218000c
(2021年2月21日 修正1 ;追記)
2021年2月18日10時0分に毎日新聞からは、赤信号を見た運転士が即座に反応することは困難だったなどとする調査報告書が公表された、重軽傷者は77人だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
国の運輸安全委員会は18日、踏切内の異常を知らせる発光信号機を確認できる段階で、運転士がすぐにブレーキをかけなかったことが事故につながったとする調査報告書を公表した。
信号機が運転士の視界から断続的に遮られることが調査で判明し、信号に気付くのが遅れた可能性があると指摘した。
報告書によると、青砥駅発三崎口駅行きの下り快特電車(8両編成)は9月5日午前11時38分、京急川崎駅を出発した。
5分後に時速120キロで走行中、男性運転士は前方の発光信号機が踏切内の異常を知らせる停止信号を出していることに気付いた。
常用ブレーキをかけ、続いて非常ブレーキをかけたが間に合わず、神奈川新町駅(横浜市神奈川区)付近の踏切内で立ち往生していた大型トラック(13トン)と衝突し、脱線した。
この事故でトラックの男性運転手(当時67歳)が死亡、乗客75人と運転士、車掌の計77人が重軽傷を負った。
信号機は、円形赤色灯(直径12センチ)を四つ備え、異常を知らせる際は四つが同時に点滅する。
運転士から信号が確認できるのは、踏切の手前567メートル以降。
踏切の前で電車を止めるには、510メートル手前までに非常ブレーキをかける必要がある。
しかし、ブレーキ操作が始まったのは踏切の手前422メートルで、信号が確認できる地点から145メートル、時間にして4秒遅れた。
運輸安全委が実際に電車に乗るなどして調べたところ、この145メートル区間では電柱などに遮られて信号が見えないポイントがあることが明らかになった。
また、信号を確認できる地点からブレーキ操作を開始すべき地点までは1・8秒の余裕しかないこともあり、「運転士が即座に反応することは困難。信号の設置位置は確認に要する時間が十分考慮されていなかった」と指摘した。
また、京急電鉄の内規では信号の点滅確認後は「速やかに停止」と定められているが、常用ブレーキと非常ブレーキの使い分けは運転士の判断に委ねられていた。
運輸安全委は、制動力がより強い非常ブレーキを最初から使えば、衝突時の速度を低減できた可能性があるとしている。
京急電鉄は事故後、信号機の設置ルールを見直し、事故現場にも増設して従来より11秒早く信号に気付けるようにした。
内規についても、「ただちに非常ブレーキを使用」に変更した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a739dca1a0face8e4ad4fddf73f46276c001681b
2月18日13時47分に読売新聞からは、運転士は通常のブレーキをかけた後、踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキもかけたなど、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
踏切の手前391メートルには、踏切内で障害物が検知された際に点滅する信号が設置されていた。
電車は時速約120キロで走行しており、信号が見える地点(信号の手前176メートル)を通過してから1・8秒以内に非常ブレーキを使えば踏切手前で停止できたが、運転士は4秒後に、踏切から422メートルの地点で通常のブレーキをかけ、その後、非常ブレーキも使用していた。
運転士は安全委の調査に対し、「信号の点滅に気づいてすぐに通常ブレーキを操作した。踏切までに停止できないと思い、非常ブレーキを使った」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210218-OYT1T50076/
2月18日10時39分に日本経済新聞からは、踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機の増設や改良の動きが、下記趣旨でネット配信されていた。
踏切の異常を光で運転士に知らせる特殊信号発光機(特発)について、京浜急行電鉄は事故後、10カ所に追加設置する対策を進めている。
特発自体を改良した鉄道事業者もある。
特発は事業者が任意で設置している。
仕様や、どこにどれだけ置くかは各社で異なる。
運輸安全委員会は報告書で、事故現場では特発を目視可能な位置に来てから1.8秒以内に非常ブレーキをかけないと踏切までに止まれず、運転士への配慮が足りないと指摘した。
京急は事故後の2019年12月、従来より200メートル以上遠くから見える場所に特発を設置するとルールを改めた。
高架化していない区間を最高時速120キロで走る京急川崎―横浜間の10カ所の踏切が対象。
事故現場の踏切では20年2月に増設を終え、他の場所でも順次作業を進めている。
作動しても運転士が見落とす恐れはあり、特発自体を改良した事業者も。
JR西日本は列車の先頭にカメラを取り付け、特発の発光を検知すると乗員に音で知らせるシステムを開発。
昨年に山陽線、伯備線で試験した。
〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG180A80Y1A210C2000000/
2019年12月18日19時38分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年10月の台風19号の大雨で床上・床下浸水の被害を受けた建物約4万7000戸の6割に当たる約3万戸は「内水氾濫」が原因だったことがわかった。
国土交通省が18日に都内で開いた都市型水害の検討会で報告された。
さいたま市や川崎市など都市部で被害が目立っており、国交省は内水氾濫対策を強化する。
内水氾濫は、排水能力を超える雨水が下水管に流れ込み、側溝などからあふれ出す現象。
雨水が染み込みにくいコンクリートに覆われ、下水管が無数に走る都市部で多い水害とされる。
国交省によると、11月末時点で、15都県140市区町村の住宅など、計3万125戸が内水氾濫で浸水していた。
仙台市で1575戸、川崎市で1508戸、さいたま市で1316戸に及んだ。
国交省は、内水氾濫の浸水想定区域を明示した「内水ハザードマップ」の作成を求める通知を、すでに全国の自治体に出している。
また、雨水を一時的にためる「雨水貯留管」や、下水管から川への排出を促すポンプ場などの増設を進める。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191218-OYT1T50219/
(ブログ者コメント)
台風19号時に各地で起きた内水氾濫については、本ブログでも何件か情報紹介スミ。
2019年12月18日18時54分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐賀県玄海町にある九州電力・玄海原子力発電所の敷地内にある変電所で今月、設備の一部が焼けた火事で、九州電力は保守作業中のミスが出火の原因だったと明らかにしました。
今月10日、九州電力・玄海原発の敷地内にある変電所で、設備の一部が焼ける火事がありました。
この火事で、運転中の3号機と4号機には影響がなく、モニタリングポストの値も変化はありませんでした。
出火の原因について会見を開いた九州電力によりますと、この変電所につながる送電線で外部の会社が保守作業を行った際に、変電所にある配電盤の誤った場所にアースを取り付けていたということです。
アースの取り付けは、外部の会社の作業員が行いましたが、九州電力の社員も立ち会っていました。
そして、保守作業の間、遮断していた電気を再び通す際にアースを取り外すことを忘れ、誤った場所に取り付けられたアースに大きな負荷がかかってショートしたことが出火の原因だったとしています。
九州電力の立地コミュニケーション本部の井川グループ長は、「地域のみなさまにご心配をおかけしたことを重く受け止め、安全を最優先に、再発防止に向けた取り組みを確実に行います」と改めて陳謝しました。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20191218/5010006415.html
九州電力HPには12月18日付で下記趣旨のプレスリリースが掲載されている。
・・・・・
調査の結果、玄海変電所の受電のため遮断器(6-20)を投入した際、その下流側に設置している受電用遮断器(M-100)において短絡事象が発生したことで、配電盤の一部が焼損し火災に至ったものと推定されます。
短絡事象の要因は、点検にあたって受電用遮断器(M-100)に取付ける接地器具を、下流側に取付けるべきところ、誤って上流側に取付けていたことに加え、受電前の接地器具取外し確認が不十分であったため、接地器具が取付けられていたまま受電をおこなったことによるものと考えられます。
対策として、遮断器の接地器具取付け位置に、上流側と下流側が明確に識別できる標識を取付けるとともに、受電前に接地器具等が取外されていることの確認を徹底するよう、規定文書及び操作手順書に明記します。
また、今回の原因及び対策について、関係者へ速やかに教育を行うとともに、定期検査前の教育の場等において、継続して周知徹底を図ります。
(別紙;見取り図や現場写真が掲載されている)
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0231/6860/cx31vre1.pdf
http://www.kyuden.co.jp/press_191218-1
2019年12月18日16時58分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月の台風15号で2次冷却塔が倒壊した日本原子力研究開発機構の原子炉「材料試験炉(JMTR)」(茨城県)で、冷却塔を支える木材に腐食が見つかったことが18日、機構への取材で分かった。
腐食が原因で木材が強風に耐えられず、倒壊に至ったという。
機構は過去の点検で、腐食の進行を把握していなかった。
多数の原子力施設を保有しており、管理態勢を問われそうだ。
冷却塔は、炉心で発生した熱を大気に放出する木造の設備で、高さ16・5メートル。
台風15号で観測された強風には耐えられる設計だった。
だが、柱の間に木材を斜めに交差させる「筋交い」で、複数の腐食が見つかった。
強度が低下していて強風の負荷で筋交いが破損し、倒壊したとみられる。
冷却塔は1968年に建設。
腐食のあった木材は98~99年度に交換したものだった。
JMTRは2006年から停止しており、機構は冷却塔の上部や壁を外観検査し、塔の中は可能な範囲での目視確認だけだった。
それ以外に木材内部での腐食の様子を把握する検査をしていなかった。
点検計画で冷却塔の特殊な構造を考慮していなかったことも要因だという。
冷却塔は9月9日朝に倒壊。
環境への影響はなかった。
周辺では午前7時ごろ、地上10メートルで最大瞬間風速30・9メートルを観測した。
JMTRは06年以降、再稼働せず、17年に廃炉が決まった。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20191218/k00/00m/040/187000c
12月18日11時18分にNHK茨城からは、設計風速の半分程度で倒壊したことがシミュレーションで確認されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県大洗町にある原子力機構の大洗研究所では、ことし9月の台風15号で研究用原子炉を冷却する高さおよそ17メートルの建物が全壊しました。
当時、敷地内の最大瞬間風速は、この建物の設計基準のおよそ半分の30メートル余りしかなかったことから、原子力機構で倒壊の原因を詳しく調べていました。
その結果、建物を支える木製の筋交いの一部が腐食していたことが分かり、それを基にシミュレーションしたところ、基準を下回る風で倒壊することが確認されたということです。
施設は昭和43年に完成し、51年がたっていて、すでに廃止が決まり放射性物質はありませんでしたが、外壁にアスベストが含まれ、倒壊時、微量が飛散したおそれもあります。
定期的に点検はしていたということですが、木材の表面が金属に覆われていたため、腐食に気づかなかったということです。
原子力機構によりますと、全国で89の施設が老朽化し、その7割が建設から40年以上たっているということで、今後、点検方法の見直しなど、再発防止策を検討したいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20191218/1070008509.html
12月20日19時14分にNHK茨城からは、報告書が県などに提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力機構は20日、倒壊した原因などをまとめた報告書を原子力規制委員会や茨城県、それに大洗町を含む10の市町村に提出しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20191220/1070008530.html
12月21日10時25分にNHK茨城からは、機構は全国の研究拠点で腐食の恐れがある箇所を特定し打音検査を年1回行うなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力機構は点検で腐食を見つけられなかったとし、全国にある研究拠点に対し、腐食するおそれがある箇所を特定して目視での点検に加え、たたいて音で問題がないかを確かめる打音検査を年一回行うことを決めました。
また、必要なら超音波を使った検査も行うとしています。
原子力機構によりますと、全国で89の施設が老朽化し、その7割が建設から40年以上たっているということで、今週、菅官房長官は老朽化対策と安全確保のため、必要な予算を確保していく考えを示しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20191221/1070008535.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
2019年12月18日19時50分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午前10時すぎ、上川町層雲峡で、老朽化した橋の補修工事中に高さ3メートルほどの鉄の柱が倒れ、男性作業員が下敷きになったと通報がありました。
警察によりますと、下敷きになったのは旭川市神居5条の会社員、渡部さん(35)で、病院に運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました。
現場は、層雲峡にある長さ100メートルほどの「神仙橋」で、その5メートルほど下には石狩川が流れています。
国土交通省旭川開発建設部によりますと、当時、河川敷では、補修に向けて、橋げたを移し替えるための仮の支柱を作る作業が行われていて、何らかの原因で倒れたということです。
河川敷では雪が数センチ積もり、当時、足場は悪かったとみられ、警察で支柱が倒れた詳しい原因を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191218/7000016346.html
12月18日21時13分に北海道新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
渡部さんは数人で補修作業のために、橋を支える支柱を鋼材で組み立てる作業をしていたという。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/376082
12月18日18時59分にSTVからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「事故があった現場には、かなりの大きさの鉄骨がいくつも崩れ落ちています」
・・・・・
補修工事のため、橋の下に設置されていた鉄骨の土台が崩れ、旭川市の渡部さん35歳が、鉄骨の下敷きになりました。
http://www.news24.jp/nnn/news16435002.html
(ブログ者コメント)
以下は、STV映像の2コマ。
雪が降る中、工事していた模様。
2019年12月18日18時1分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
18日午前7時40分ごろ、宮城県塩釜市新浜町2のホームセンターの新築工事現場でクレーン車(総重量41トン)が転倒し、アーム部分が敷地内に止めていた車約7台を直撃した。
車には始業前の作業員が乗っており、1人が多発外傷で死亡したほか、2人が重傷、3人が軽傷を負った。
県警は業務上過失致死傷容疑で調べている。
塩釜署などによると、死亡したのはワゴン車の助手席にいた同県大和町吉岡、会社員、三浦さん(男性、41歳)。
同じ車内にいた男性(29)が腰や腕などの骨を折る重傷、もう1人の男性(23)が頭部に重傷を負った。
別の車に乗っていた男性2人と、救助に駆けつけた男性も軽傷を負った。
クレーン車を操作していた男性にけがはなかった。
クレーン車は午前8時の始業に備え、資材を運んでいた。
現場はJR仙石線東塩釜駅から北東に約600メートルの国道沿い。
近くで働く男性(60)は、「事務所にいたら『ドーン』という音がした」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20191218/k00/00m/040/083000c
12月19日12時13分にNHK東北からは、アウトリガーの下に木材を敷いており、その部分が地面にめりこんでいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午前7時40分ごろ、塩釜市新浜町のホームセンターの建設工事現場で、大型のクレーン車が機材をトラックに積み込む作業をしていたところ、数台の車の上に倒れ、作業員が下敷きになりました。
これまでの調べで、クレーン車には、車体の横に張り出して転倒を防止する「アウトリガー」と呼ばれる支えがあり、当時も使われていましたが、支えの一部には木材が敷かれ、地面にめり込んでいたことが関係者への取材でわかりました。
クレーン車の重みが地面の一部に集中しないよう、支えの部分には鉄板などを敷くのが一般的だということですが、関係者によりますと、現場の調査を行ったうえで木材を使っていたということです。
警察は、何らかの原因でクレーン車がバランスを崩したとみて調べています。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20191219/6000008345.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の3コマ。
倒れた側のアウトリガー接地部分を撮った写真は、下記記事中の写真参照。
(2019年12月19日18時27分 産経新聞)
https://www.sankei.com/affairs/news/191219/afr1912190032-n1.html
(2020年10月30日 修正1 ;追記)
2020年10月29日16時5分にNHK東北からは、アウトリガーの下に鉄板を敷いていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
クレーン車には、車体の横に張り出して転倒を防止する「アウトリガー」と呼ばれる装置がありましたが、警察が調べたところ、装置の下に鉄板を敷かずに作業をしていたことが転倒につながったと裏付けられたということです。
このため、警察は、適切な安全対策を怠ったとして、クレーン車を運転していた利府町の52歳の会社役員を、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。
事故当時は、工事の始業前で、多くの作業員が車の中で待機するなか、屋根の機材をクレーン車でつり上げていたということで、会社役員は調べに対し、「始業前に機材の準備をしようとしていて、鉄板を敷いていては間に合わないと思った」と話し、容疑を認めているということです。
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20201029/6000012179.html
10月29日14時18分に産経新聞からは、朝の会合に間に合わせるため鉄板を敷くなどの作業を怠っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警塩釜によると、クレーン車の安定を図る鉄板を敷くなどして地面の陥没を防ぐ義務があった。
調べに対し容疑を認めた上で、「当日の朝の会合に間に合わせるため、(クレーン車の安定を図る)作業を怠った」などと話しているという。
https://www.sankei.com/affairs/news/201029/afr2010290019-n1.html
10月29日20時10分にYAHOOニュース(仙台放送)からは、鉄板の替わりに樹脂板を敷いていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によりますと、クレーン車での作業では、車体を安定させるために車両の両脇に付いている「アウトリガー」の下に、必要な大きさと強度を満たす鉄板などを敷く必要があるということです。
しかし、男性が敷いたのは基準に満たない樹脂板で、これにより車体が沈み込み、横転につながったとみられています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30a930eada7054978a3c9c82c7a4c4d3a4334a0c
(ブログ者コメント)
以下は仙台放送映像の4コマ。
クレーンの倒れる様子が映っている。
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。