2016年9月1日19時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。
車のタイヤのパンクが増えている。
日本自動車連盟(JAF)のパンク救援は、昨年度は36万件余りと、過去最多を記録した。
JAFは、セルフ式ガソリンスタンド(GS)の増加で空気圧点検がおろそかになっているとみて、注意を呼びかけている。
群馬県昭和村の関越自動車道で、昨年9月13日夜、パンクで止まっていた乗用車に大型トラックが追突。
乗用車の会社員男性(20)と無職女性(20)が死亡し、同乗の2人も負傷した。
警察によると、4人は東京ディズニーリゾート(千葉県)から帰る途中で、ハザードランプを点滅させて助けを待っていた。
県警高速隊の登坂副隊長は、「パンクでも死亡事故につながり、高速道路上は特に危険だ」と話す。
JAF(会員数1855万人)によると、昨年度のパンクによる救援は36万1942件。
活動を始めた1963年度以来、最も多く、10年前と比べ5万3506件(約17%)増えた。
車の性能向上で救援総数は10年間で2割減っており、全体に占めるパンクの割合は、10.3%から15.5%に上昇。
発生場所別では、一般道が92.3%で、高速道路は7.7%、
月別では、夏休みで遠出する機会が増える8月が最も多く、3万6494件と、全体の約1割を占める。
JAFは、パンクの増加要因として、セルフ式GSの増加をあげる。
全国のセルフ式GSは、今年3月末時点で9728店と、全GSの3割を占め、年々増えている。
JAFの広報担当者は、「身近な車の点検所であるGSで専門的な知識を持った店員との接触が減り、タイヤの点検回数も減る。その結果、空気圧不足の車が増え、パンクが増える」と話す。
日本自動車タイヤ協会が毎年4月に全国6~7の高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)で希望者にするタイヤ点検で、空気圧不足だった乗用車の割合は、13年が19.6%、14年が20.5%、15年が28.1%だった。
JAFの会員調査では、タイヤメーカーが勧める毎月の空気圧点検をしているのは14%だった。
工学院大の中島幸雄教授(タイヤ工学)は、「それぞれのデータを見ると、セルフ式GSの増加がパンク増加の一因と言える」と話す。
「タイヤの空気が減っている車や点検不足が目立つ」。
東京都墨田区の東京スカイツリー近くのGS「百瀬商店」社長の百瀬さん(48)は言う。
最近、1000円分だけ給油し、タイヤの空気圧チェックを頼む客がいる。
普段はセルフ式GSを使うが、空気圧の減りが心配になり、自身でチェックできないため来店するという。
東京都世田谷区のセルフ式GS「シンエネ八幡山」。
日中、12ある給油レーンに、次々と乗用車やトラックが停車する。
店員2人は誘導に追われるが、毎月、空気圧をチェックする近くの自営業男性(62)は、「自分から店員に声を掛ければ、空気圧を測る機器を貸してくれる。使い方を覚えれば操作も簡単」と話す。
店内には、空気圧をチェックする機器がある。
まずは運転席のドア付近に貼られたシールに表示された指定空気圧を機器に入力。
タイヤのエアバルブに機器のホースの先を押し当てると、自動的に指定空気圧に調整される。
タイヤ4本の点検で2~3分程度だ。
副店長の木村さん(54)は、「空気圧に不安があれば気軽に声を掛けて欲しい。もちろん無料です」と話す。
出典
『車のパンク救援、過去最多 セルフ式GS増で点検甘く?』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8Y35RNJ8YUTIL006.html
2016年9月1日10時29分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察庁は、1日、悪質な自転車運転者に安全講習を義務付ける制度が昨年6月に始まってから今年5月末までの1年間、自転車乗車中の死者が前年同期より89人(14.7%)少ない517人だったと発表した。
自転車関連の事故は1万4032件(13.1%)減少し、9万3484件だった。
新制度の開始後と過去の事故の推移を調べるため、2011年以降の同じ期間(6月~翌年5月)の事故数を集計したところ、死者、事故とも一番少なかった。
担当者は、「新たな制度による事故抑止効果が一定程度あったのではないか」と分析している。
出典
『自転車の死者減り517人 安全講習制度開始1年』
http://this.kiji.is/143890638932312068?c=39546741839462401
2016年8月26日20時36分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県内で多発する用水路などへの転落事故を防止しようと、26日、岡山市北区の県運転免許センターで「第2回用水路等転落事故防止対策検討会議」が開かれた。
県や県警、自治体の担当者ら約100人が参加し、事故の発生状況を踏まえた効果的な安全対策について検討。
県の調査で、過去3年間に用水路への転落による死者が79人に上ることが明らかにされた。
県は、平成25~27年の用水路転落事故に関する調査を、県内の各消防局に依頼。
その結果、3年間で出動件数は1143件で、死者は79人に上った。
死者の約7割が65歳以上の高齢者で、50歳以上が約9割を占めることが明らかになった。
死者の約7割が徒歩で、事故通報の時間別では、「午前6時~午後6時」の明るい時間帯が約8割を占めることも報告された。
県によると、今年1~6月の県内各消防局の用水路転落関係の出動件数は199件で、死者は17人。
県は、「過去3年間の半年の平均件数と同程度の結果。現時点では啓発が浸透していない可能性がある」とした。
県警は、今年2月の第1回会議で、把握している用水路の危険箇所は421カ所(対策済み172カ所)と報告。
だが、同会議後、さらに調査した結果、6月末現在の危険箇所は533カ所(対策済み243カ所)に上るとした。
また、県警が把握している県内の用水路転落死亡事故(6月末現在)は2件(前年同期比1件減)であることなどを説明。
警察のまとめでは、歩行者の事故が計上されないためとみられる。
県は、今後、用水路などへの転落事故を未然に防ぐためのガイドラインの策定を目指しており、「(ガイドラインができることで)事後から事前への対策転換が図られ、用水路への転落防止が期待できる」と話している。
出典
『3年間で79人が用水路で“転落死”の異様…それも8割が明るい時間帯 岡山県調査』
http://www.sankei.com/west/news/160826/wst1608260088-n1.html
9月1日12時32分にNHK岡山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県内で去年までの3年間に用水路などに転落して死亡した人は79人にのぼることが、県が行った初めての調査で明らかになった。
この数は、これまで警察が把握してきた自転車やバイクを運転中の転落事故の2倍以上。
この調査は、岡山県が県内の消防を通じて初めて行ったもので、歩行中や運転中に用水路などに転落して救急車が出動した件数は、去年までの3年間で1143件にのぼり、平均すると1日に1件以上になる。
このうち、死亡した人の数は79人で、3週間の入院が必要と見込まれる「重症」の患者も137人いた。
用水路などへの転落事故をめぐっては、警察が自転車やバイクによる事故については統計をとっていて、3年間で31人が死亡しているが、歩行者を含めると、その2倍以上が死亡している実態が浮き彫りになった。
また、死亡した人のうち7割近くが65歳以上の高齢者で、午前6時から午後6時までの日中の通報が8割近くを占めているという。
県によると、ことし6月までの半年間でも、17人が用水路などに転落して死亡したということで、県では、関係機関から情報を集めて危険な場所の分析を進め、本格的な対策に向けて検討を進めることにしている
出典
『用水路転落死 3年で79人』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/4025258481.html?t=1472767945759
(ブログ者コメント)
岡山県で用水路転落事故が多いという記事は、これまでに何件か掲載しているが、今回はその続報。
2016年8月24日19時00分にNHK奈良から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月24日20時23分に産経新聞westから、8月24日19時00分にならテレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
奈良市に本社のある奈良交通の観光バスの運転手が、乗務前の検査で社内規定の基準を超えるアルコールが検出されたのに、回送のためバスを運転したとして、懲戒解雇された。
奈良交通によると、今月2日、貸し切り観光バスの57歳の男性運転手が、県外に宿泊を伴うツアーに勤務した際、乗務前の検査で呼気1ℓあたり最高0.13mgのアルコールが検出された。
法律で定められた基準を下回っていたが、社内の規定では、アルコールが検出された場合は乗務を中止することになっているのに、運転手は、自分の宿泊場所から乗客を宿泊先まで迎えに行くため、そのままバスを運転して、およそ5.8kmを走行したという。
営業所に送信された検査結果のデータを見て、運行担当者が運転手に電話で連絡をとろうとしたが、応答がなかったということで、奈良交通は、この運転手を今月17日付けで懲戒解雇した。
運転手は前日の夜に500mℓのビールを3本飲んだといい、「アルコールが残っているのは分かっていたが、運転してしまった」、「時間が迫っていたのと、法律の基準を下回っていたため」と説明したという。
奈良交通は、法律の基準を上回るアルコールが検出された運転手に路線バスを運転させていたとして、ことし6月にも近畿運輸局から行政処分を受けていて、会社は、今回の事案についても運輸局に報告し、24日、特別監査を受けたという。
奈良交通は、「再びこのような事態を招き、深くお詫びします。厳正なアルコール検査の徹底に取り組むとともに、問題点を洗い出し、再発防止に努めます」とコメントしている。
出典
『アルコール検出後運転 解雇』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/2055070731.html?t=1472073712507
『奈良交通バスの運転手 アルコール分検出もそのまま運転、懲戒解雇』
http://www.sankei.com/west/news/160824/wst1608240080-n1.html
『奈良交通アルコール検出者が運転』
http://www.naratv.co.jp/news/news_r3.php
(ブログ者コメント)
バス運転手の呼気検査不祥事は、1ケ月ほど前に長崎バスの事例を紹介したばかりだ。
奈良交通が今年6月に行政処分を受けた理由は、下記記事参照。
(2016年6月28日 毎日新聞大阪版、6月28日13時31分 日本経済新聞)
奈良県内で路線バスを運行する奈良交通の運転手2人がアルコールの残った状態でバスを運転したなどとして、国交省近畿運輸局は、27日、道路運送法に基づき、同社のバス14台を延べ20日間、使用停止処分とした。
運輸局によると、昨年11月7日、奈良市の平城営業所で、男性運転手(53)が乗車前の点検で呼気1ℓ中約0.07mgのアルコールが検出されたのに、会社の待機指示を無視して出発。約30分後に他の運転手が見つけ、運行を止めた。
約30分後の再検査では検出されなかったため、夜まで運転を続けたという。
今年1月5日には、約3時間の運転を終えて同営業所に戻った男性運転手(59)の呼気から同約0.1mgのアルコールを検出。
点呼時に検知器が故障していたため、上司が臭気だけで問題ないと判断していた。
さらに昨年11〜12月、運転手が待機中のバスで寝過ごすなどして、4本が運休になった。
同社は、「社員教育の徹底と管理体制の強化に努めたい」とコメントした。
出典
『バス使用停止 飲酒検知の運転手乗務 奈良交通を処分』
http://mainichi.jp/articles/20160628/ddn/041/020/004000c
『アルコール検出のままバス運転 奈良交通を処分、近畿運輸局』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG28H2F_Y6A620C1CC0000/
2016年8月18日20時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国民生活センターは、18日、自転車の後ろの席や荷台に座った人が後輪に足を巻き込まれてけがをする事故が、7月までの約5年間に172件あり、うち6歳未満が90件だったと明らかにし、注意を呼び掛けた。
全国30の医療機関のネットワークに登録された事故情報を集計した。
90件中35件は、足や服を巻き込まない構造になっている幼児用座席やカバーが取り付けられず、大半が荷台に直接座らせていた。
かかと周辺を12針縫った事故もあった。
残る55件のうち12件は、幼児用座席を使っていたものの、足を乗せる部分が壊れていたり、子どもがはしゃいだりしたことが原因とみている。
センターは、対策として、座席に破損や変形などの異常がある場合は子どもを乗せず、異常がなくてもヘルメットや座席ベルトを身に着けさせることを促している。
6歳以上の同乗は法令で禁止されているが、事故172件のうち82件を占めた。
同センターは、「体格が合わず、足がはみ出すなどして巻き込み事故になる危険性は高くなる」として、同乗をやめるよう注意を促した。
出典
『自転車 後ろ席の幼児 足巻き込み事故に注意』
http://mainichi.jp/articles/20160819/k00/00m/040/105000c
8月18日19時52分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
国民生活センターは、18日、自転車の後ろに乗った12歳未満の子どもの足が車輪に巻き込まれる事故が、今年7月までの約5年間で166件あったと発表した。
このうち90件が6歳未満で、幼児用座席を取り付けずに荷台に直接乗せて、けがをするケースが目立つという。
センターが提携する全国の医療機関から寄せられた事故情報をもとに集計した。
昨年10月には、荷台に直接乗せた5歳児の左足が車輪に巻き込まれ、12針縫ったケースもあった。
センターは、6歳未満の子を自転車の荷台に乗せる場合は、必ず幼児用座席を取り付け、後輪にも足の巻き込みを防ぐカバーを取り付けるよう、呼びかけている。
都道府県の公安委員規則では、自転車の2人乗りは禁じているが、6歳未満の子を幼児用座席に乗せる場合は認められている。
出典
『自転車後ろに幼児、足の巻き込み多発 「荷台に座席を」』
http://www.asahi.com/articles/ASJ8L4V8NJ8LUTFL00F.html
(ブログ者コメント)
国民生活センターから8月18日付で公表された資料は下記参照。
『自転車に乗せた子どもの足が車輪に巻き込まれる事故に注意 - いわゆる「スポーク外傷」が多発しています -』
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160818_1.html
冒頭の記事のみ転載する。
自転車の後ろの幼児座席あるいは直接荷台に座っていた同乗者の足が後車輪に巻き込まれて受傷する、いわゆる「スポーク外傷」が発生しています。
医療機関ネットワーク(注)にはスポーク外傷の事例が過去5年間で172件見られ、けがの程度を見ると、半数以上の91件で通院が必要でした。
受傷者を年齢別に見ると、自転車に同乗した6歳未満の子どもがけがをした事例は半数以上の90件でした。
スポーク外傷は子どもが受傷者となりやすく、大きなけがを負う可能性があります。
また、子どもや知人を自転車に同乗させたことがある20歳以上70歳未満の一般消費者2,000人へのアンケート調査を行ったところ、幼児座席を使用しないとスポーク外傷の危険性が高くなることが分かりました。
そこで、医療機関ネットワークに寄せられた事例や消費者へのアンケート調査の結果をもとに、スポーク外傷についてテストを行い、消費者へ注意喚起及び情報提供を行うこととしました。
2016年8月8日16時14分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『乗客から「酒臭い」…熊本のタクシー会社処分 アルコール検査不備』
http://www.sankei.com/west/news/160808/wst1608080052-n1.html
九州運輸局は、8日、運転手のアルコール検査に不備があったとして、Kタクシー会社(熊本県菊池市)に車両5台を4日間使用停止とする行政処分をした。
九州運輸局によると、平成27年12月24日、乗車前の運転手1人にアルコール検査をした際、数値を確認せずそのまま乗務させた。
乗客から「酒臭い」と苦情があり、九州運輸局が翌25日と28年1月12日の2日間、同社を監査。
検査機には、アルコールを検知した履歴が残っていた。
(ブログ者コメント)
お客様の命を預かるプロの運転手のアルコール検査逃れについては、先日、バス会社での事例を紹介したばかり。
報道される事例は氷山の一角なのだろうか?
そういえばブログ者も、数年前、関東地方の赤字で有名な地方鉄道に乗車した際、車内を通って運転席に向かう運転手が酒臭かったことを覚えている。
その時は、これでは赤字になるはずだ・・・としか思わなかったが・・・。
2016年8月2日10時19分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『「ウィンカーの合図出さない」、岡山が全国ワースト』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7G3DNCJ7GPPZB00F.html
日本自動車連盟(JAF)が行った交通マナーに関する調査で、岡山県は、右左折や車線変更の時に「方向指示器(ウィンカー)の合図を出さない車が最も多い都道府県」という、不名誉な結果が出た。
これまでも、県外ドライバーや観光客からの批判を受け、県警は合図の徹底を呼びかけてきたが、改善の必要性が裏付けられた形になった。
調査は6月に、JAFのホームページで実施。
全国約6万5千人から回答があり、県内居住者は970人が答えた。
「ウィンカーを出さずに車線変更や右左折する車が多い」との設問に対し、「とても思う」と答えた割合が53.2%、「やや思う」は37.8%で、合計した91.0%が全国でトップだった。
特に「とても思う」は、全国平均(29.4%)を大きく上回った。
県警は、ドライバーに合図を徹底しようと、2005年に「★合図」の路面表示を導入し、今年2月現在で県内28カ所にまで増えた。
春と秋の全国交通安全運動でも、「合図の徹底」を県の重点目標の一つに挙げて、取り締まりを強化している。
ただ、これらの取り組みは実を結んでいない状況だ。
アンケートの合図以外の項目でも、「運転中に携帯電話(スマホを含む)を使用しているドライバーが多い」89.9%、「信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしているのに一時停止しない車が多い」88.5%、「無理な割り込みをする車が多い」64.7%で、「とても思う」と「やや思う」と答えた割合の合計が、全国平均を上回った。
県の全般的な交通マナーについては、「とても悪いと思う」14.5%、「悪いと思う」44.1%。
特に、「とても悪いと思う」と答えた割合は、沖縄と並んで全国で4番目に高かった。
JAFの担当者は、「ウィンカーは車の動きを周囲の車や歩行者に伝えるためで、行わなければ違反になる。交通マナーの向上を県警とも協力して呼びかけていきたい」と話している。
ちょっと前、2016年7月13日10時55分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『交通マナー「悪い」最多は香川 JAF調査、2位は徳島』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H0T_T10C16A7CR0000/
日本自動車連盟(JAF)が、自分が住む都道府県の交通マナーを聞いた結果、「悪い」「とても悪い」の割合が最も多かったのは香川で80%、続いて徳島(73.5%)、茨城(67.2%)の順だった。
全体では、「悪い」「とても悪い」が4割弱なのに対し、「とても良い」「良い」は1割強にとどまった。
担当者は、「実際の事故発生率との関係はない。結果を基にマナー向上キャンペーンを展開したい」と話している。
香川は、「ウインカーを出さずに車線変更や右左折する車が多い」に「とても思う」「やや思う」とした人の割合が9割を超え、「青信号になる前に発進する車が多い」も6割超だった。
「不要なクラクションを鳴らす車が多い」と感じる人は、大阪と京都が多く、4割超だった。
交通マナーが「とても良い」「良い」が多かったのは、岩手、長崎、島根、秋田の順で、2割を超えたのはこの4県だけだった。
アンケートは、6月15~30日にインターネットを通じて実施。約6万5千人が回答した。
結果は、JAFのホームページで閲覧できる。
(ブログ者コメント)
以下は、2016年7月11日付でJAFのHPに掲載されている調査結果。
http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2016_17.htm
2016年7月31日20時17分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月31日13時48分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『駐車場で野宿の高校生、車にひかれ重傷 神戸』
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201607/0009339514.shtml
『「餃子の王将」駐車場で仮眠の高校生、車にひかれ重体 神戸・須磨での海水浴後』
http://www.sankei.com/west/news/160731/wst1607310030-n1.html
31日午前3時前、神戸市須磨区車の飲食店「餃子の王将白川台店」駐車場で、アスファルト上に寝ていた高校2年の男子生徒(16)が、勤務を終えて帰宅するところだった女性店員(34)の乗用車にひかれた。
男子生徒は、内臓損傷などの重傷。
警察によると、男子生徒は30日から友人の男性(17)と2人でミニバイクに乗り、現場から約5km離れた須磨海水浴場に遊びにきていた。
その後、同店で食事をし、銭湯に立ち寄った後、31日午前1時すぎから、夜を明かすため、同店駐車場の駐輪スペース付近で仮眠していたという。
店は1階部分が駐車場になっており、警察は、当初は車の出入りがない駐輪スペースで寝ていたが、寝返りを打つなどして車の通行部分まで移動したとみている。
友人は約10m離れた場所で寝ていて、無事だった。
駐車場は消灯されて暗かった。
先に車を発進させた同僚は、男子生徒が寝ていることに気付いてUターンしたが、後続の女性店員は、「人が寝ているとは思わず、大きな音がして初めて事故に気付いた」と話しているという。
同店は神戸市営地下鉄「妙法寺駅」の北1.7kmの県道沿いにあり、周囲には飲食店などが点在している。
(ブログ者コメント)
○複数の原因が連鎖的につながって起きた事故のような気がする。
ブログ者が気になっている点は下記。
・駐車場の管理方法。
この駐車場で仮眠する客は初めてだったのだろうか?
それとも、前からいたが黙認していた?
駐車場は寝る場所ではない。
後者であれば、店の管理責任が問われるかもしれない。
・女性店員が注意不足だった理由
いくら消灯された駐車場とはいえ、車のヘッドライトを点けていれば、前方にある大きなものには気付くはず。
ライト無点灯?携帯電話?
・先に車を発進させた同僚の行動
Uターンするのではなく、起こして注意しようとしなかったのは何故だろうか?
○路上寝の危険性は、しばしば報道されている。ブログ者の感触として、特に多いのは沖縄。以下は、その一例としての八重山ケース。
『減らぬ路上寝493件 前年同月比48件増』
http://www.y-mainichi.co.jp/news/28367/
以下は、東京での状況。
『飲んでも寝るな!呼びかけ 路上でひかれる死亡事故倍増』
http://www.asahi.com/articles/ASHDT779GHDTUTIL06G.html
2016年7月27日14時1分にNHK秋田から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『用水路事故急増受け一斉点検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/6014236841.html?t=1469657044578
ことし春以降、県内で自転車に乗っていた人が道路脇の用水路などに転落し死亡する事故が相次いでいることを受け、警察は、県内全域で用水路などの一斉点検を始めた。
県内では、ことし4月以降、自転車に乗っていた高齢者などが道路脇の農業用用水路や側溝に転落する事故が相次ぎ、あわせて5人が亡くなっている。
これを受けて、警察は、道路を管理する自治体や用水路を管理する土地改良区などと合同で、対策の必要な危険な場所がないか、県内全域の用水路などの一斉点検を始めた。
このうち、にかほ市では27日、警察官と市の担当者あわせて4人が、用水路の幅や深さを測ったり、近くに自転車が通れる幅の歩道があるかなどを確認したりして、点検を進めていた。
県警本部は、8月末までに点検結果をとりまとめ、危険な場所については、優先順位をつけた上で、自治体や土地改良区とともに、ふたを設置するなどの対策を検討していくという。
また、危険な場所を示した地図も作成し、各警察署のホームページに掲載することにしている。
にかほ警察署交通課の照井係長は、「これまでも道路の安全性のチェックは行ってきたが、自転車に特化した視点で用水路の点検をすることはありませんでした。点検を進めて今後の対策につなげていきたいです」と話していた。
(ブログ者コメント)
自転車や人が用水路に転落する事例は、岡山県での多発事例をはじめとして、これまでに多くの記事を掲載済。
今回の情報は、「自転車に特化した視点での用水路安全点検は初めて」という点がブログ者のアンテナにひっかかったので、紹介する。
2016年7月22日付で埼玉新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月23日6時25分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『標識90度回転…駐車違反を6件誤摘発 草加の交差点、反則金を還付』
http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/07/23/04.html
『埼玉県警、誤って駐禁取り締まり 理由は標識が…』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7Q5RPJJ7QUTNB00Z.html
県警は、22日、草加市にある駐車禁止を示す道路標識の設置ミスにより、記録が残っている2006年6月~今年5月に、誤って6件の駐車違反を取り締まったと発表した。
県警によると、標識が設置されているのは、草加市青柳5丁目の交差点。
電柱に取り付けられていた標識が90°回転し、駐車禁止ではない道路の方向に誤って表示されていた。
今年5月27日、違反者を審査していたところ、ミスが発覚した。
既に納付済みだった他の5件について、反則金や違反金を還付したという。
設置ミスが起きた時期は不明だが、標識が設置された1986年か、交換した99年の可能性が高いという。
県警は、年内に、県内にある約1000区間内の標識を一斉点検し、標識の設置状況を確認する方針。
県警は、「標識や交通規制の確認を徹底し、再発防止に努めたい」と話した。
(ブログ者コメント)
設置場所は正しかったが、取り付ける位置?方向?角度?が間違っていた事例。
安全標識で同様なケースが起こらないか、標識一覧をザッと見直してみたが、該当しそうなものは見当たらなかった。
2016年7月21日付で長崎新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月21日17時46分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎バス大橋営業所の男性運転手(44)が、乗務前の呼気検査でアルコールが検出されたにもかかわらず、客を乗せてバスを運転していたことが、20日、分かった。
検出されたアルコールは酒気帯び運転の基準値未満だったが、運転手は再検査時に後輩の男性運転手(29)に検査の身代わりを依頼し、パスしていた。
同社は、「信頼を損なうことになり申し訳ない。詳細を確認し、就業規則に照らして厳正に対処する」としている。
同社によると、19日午前6時25分ごろ、男性運転手が出勤後にアルコール検知器に息を吹き込んだところ、呼気1リットル中0.113mgのアルコールを検出。
運転手は、同営業所で運転手の健康状態などを確認する運行管理者(25)から5分後の再検査を命じられたが、出勤してきた後輩を呼び止め、自らの社員IDで代わりに息を吹き込ませた。
アルコールが検出されていない結果が印字され、運転手はその紙を運行管理者に提出して、午前6時半すぎに路線バスで営業所を出発した。
運行管理者が、運行開始約20分後、検知器に息を吹き込む時に撮影された顔写真と名前などのデータが一致していないことに気付き、不正が発覚。
営業所長がバスの路線を先回りし、午前7時半ごろに乗務停止を言い渡した。
運転手は、乗客約50人が利用した横道発立神行きの片道路線と、回送区間の計約15kmを走行した。
道路交通法では、酒気帯び運転の基準値は呼気1リットル中0.15mg以上だが、同社の内規では、再検査でアルコールが検出された運転手は「乗務停止」となっている。
同バスは、運転前8時間の飲酒を禁じている。
同社の調べでは、問題の運転手は「前日に飲酒はしていない。出発時刻が迫っていて早く業務に就きたかった」と話している。
勤続11年4カ月で、過去の呼気検査でアルコールが検出されたことはないという。
代わりに検査を受けた運転手は、「先輩の頼みで断り切れなかった」と話しているという。
同社は、再検査を本人がしているか、運行管理者の確認が不十分だったと認めている。
その上で、「バス事業者として、今回のようなアルコールに関わる案件は絶対にあってはいけない」としている。
呼気検査の手順を徹底し、乗客の安全を守ることなどについて再教育する文書を全社員に出すという。
出典
『「酒気」検出でバス乗務』
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/07/21091633048517.shtml
『長崎バスの運転手、替え玉で酒気検査すり抜け』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7P3R0SJ7PTOLB00F.html
(ブログ者コメント)
運行管理者が20分後に別人だと気付いたのは何故だろう?
漠然と見ていて気付いたのだろうか?
それとも、呼気検査写真を確認することも、業務の一つだったのだろうか?
もし後者だったとすれば、その点に限っては安全管理が機能したことになる。
(2016年8月14日 修正1 ;追記)
2016年8月6日付で長崎新聞から、会社が過去1年分の実態を調査した結果、同様な案件があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月5日22時52不運に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『長崎バス呼気検査別の不正』
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/08/06090153048660.shtml
『長崎バス 酒気帯び状態なのに…52歳男性が路線バス運転』
http://mainichi.jp/articles/20160806/k00/00m/040/174000c
大橋営業所での不正を受け、同社が昨年7月以降の1年間を対象に、全運転手698人分の検査実態を調べた結果、柳営業所の男性運転手も同様の不正行為をしていたことが、5日、分かった。
同社によると、柳営業所の運転手(52)は、7月17日朝、乗務前の呼気検査で、酒気帯び運転の基準値を超す呼気1ℓ中0.209mgのアルコール分を検出。
家族を電話で呼び出し、再検査を受けさせた。
検査担当の男性職員(68)も黙認し、運転手は乗客約30人を乗せて約1時間、路線バスを運行した。
「前日夜に350mℓの缶ビール11本を飲んだ。検査前に(アルコール成分が入った)うがい薬を使った。再検査でも(ビールの)アルコールが出るかもと思い、家族を呼んだ」と話しているという。
調査では、乗務前後の呼気検査をしていなかったケースも、乗務前で4件、乗務後で8件あったことも判明。
「業務に追われ失念していた」などと釈明しているという。
同社は、5日、国交省長崎運輸支局に調査結果を報告。
再発防止策として、各営業所の運行管理者の増員や、定期的な呼気検査の実態調査などに取り組むとしている。
検査は、運転手が呼気を吹き込むと、機械からデータが社内に送られる仕組み。
(ブログ者コメント)
2015年8月5日付で長崎自動車HPに、上記2事例の詳細や測定に顔認証システムを導入するなどの改善策が、お詫び記事として掲載されている。
http://www.nagasaki-bus.co.jp/bus/news/detail.php?data_id=487
2016年7月14日11時6分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前4時10分ごろ、三重県桑名市の伊勢湾岸道下り線で、ジェイアールバス関東(東京)が運行する東京発大阪行きの夜行高速バスのエンジンルームから煙が出ているのに運転手が気づき、最寄りの湾岸長島パーキングエリアに緊急停車した。
乗客26人は避難した。
三重県警高速隊などによると、三菱ふそうトラック・バス製の2階建てバスで、エンジンルーム内にある自動火災消火装置の消火剤が漏れ、エンジンの熱で気化したらしい。
煙は約40分後に収まったという。
けが人は無く、乗客は後続のバスに乗り換えて大阪へ向かった。
出典
『高速バスから煙、乗客26人避難 消火剤が気化か』
http://www.asahi.com/articles/ASJ7G332KJ7GOIPE002.html
2016年7月11日22時35分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後5時20分ごろ、大阪市淀川区加島のセルフ式ガソリンスタンドで「車が燃えている」と従業員から110番があった。
警察によると、給油のため駐車しようとした兵庫県尼崎市の男性(49)が運転する乗用車が全焼し、約1時間後に消し止められた。
男性と助手席にいた妻(49)は車内から脱出しており、けがはなかった。
警察によると、乗用車の後部付近から出火したとみられる。
沿道からガソリンスタンドに入った際、金属製の側溝のふたがはね上がり、車底に接触した跡があるという。
警察は、ふたで車が損傷し、オイルが漏れるなどして出火につながった可能性もあるとみている。
出典
『あわや大惨事…ガソリンスタンドで乗用車が出火し全焼 車内の夫婦は脱出』
http://www.sankei.com/west/news/160711/wst1607110097-n1.html
7月12日1時38分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午後5時20分ごろ、大阪市淀川区加島3のガソリンスタンドで、男性客(49)運転の乗用車から出火し、全焼した。
建物などへの延焼はなく、けが人もなかった。
警察によると、入店とほぼ同時に車の下部から炎が上がる様子が店の防犯カメラに映っており、敷地を囲む溝の金属蓋の一部(長さ約1m、幅約15cm)が車の下で見つかった。
車が溝を通過した際、蓋が引っかかった可能性があり、警察は火災との関連を調べる。
現場近くの動物病院に勤める看護師の女性(20)は、「バンという爆発音がして外に出ると、車から炎が上がっていた」と話した。
出典
『GSで突然乗用車全焼…大阪、けが人なし』
http://mainichi.jp/articles/20160712/k00/00m/040/103000c
(ブログ者コメント)
○同じように蓋を踏んで入店する車は、毎日、何台~何10台あったと思われるが、なぜ、今回に限り、このような被害が出たのだろうか?
ブログ者は、その原因について、以下のように考えてみた。
・踏みどころが悪かった。(チト考え難いが・・・)
・前から蓋がハネ上がることがあったが、今回は当たりどころが悪かった。
・蓋のタイプを、最近、変えた。
○側溝の蓋を跳ね上げての事故は、過去にも起きている。
2016年5月5日掲載
2016年4月28日 滋賀県長浜市の物流施設で大型トラックが跳ね上げた側溝の鉄蓋がトラック下の軽油タンクにぶつかり、タンクに亀裂が入って軽油500ℓが川に流出
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5882/
2016年6月29日9時34分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府で7月1日から、条例により、自転車に乗る人全員に対し、事故の損害を賠償する保険への加入が義務づけられる。
兵庫県ではすでに始まり、滋賀県でも10月に導入される。
事故の加害者側に高額な賠償を命じる判決が相次いだことが背景にあるが、非加入でも罰則はなく、効果は未知数だ。
先月末、兵庫県川西市で、朝のゴミ出しから帰る途中の女性(74)に女子高生の自転車がぶつかった。女性は頭を強打し、意識不明に。
女性の長男(47)は、事故後、女子高生の保護者側から、自転車の保険に入っていると伝えられた。
長男は取材に、「母が元に戻るわけではないが、治療費もかかる中で、かすかな光に感じた」と話す。
大阪府では来月から、「自転車利用者は、自転車損害賠償保険等に加入しなければならない」という条例の適用が始まる。
府内で自転車を使う場合は、府民かどうかを問わず、加入は義務だ。
子どもの場合は、保護者が加入させる義務がある。
2015年、府内では自転車事故による死者が50人と、前年から16人増えた。
事故数計1万2222件も、全国ワースト1だ。
府は、条例に合わせ、損害保険会社などと協定を結んだ。
自転車販売の「あさひ」(大阪市)とau損保が開発した保険は、本人のみなら月150円、家族タイプだと月270円の保険料で、補償は最大1億円。
保険料の一部は、交通安全活動などに寄付される。
大阪府は、条例のための問い合わせ窓口(06・6944・6736)も設置した。
今月は、1日60~70件の電話が寄せられているという。
15年10月、兵庫県は、全国に先がけて条例で自転車保険への加入を義務化。
今年10月には、滋賀県も続く。
保険加入は「努力義務」の東京都や埼玉県も、「他県の状況を見て、義務化の必要性を考えたい」との構えだ。
自治体だけではない。
立命館大学は、学生が起こした自転車の死亡事故をきっかけに、12年度から、自転車通学する場合は、警察官らの講習を受けた上で、補償額最高1億円以上の保険加入を義務づけた。
これまでに、約1万7千人が登録した。
日本損害保険協会によると、コンビニやスマートフォン経由で手軽に申し込める自転車保険も多くなり、契約者は増加中という。
保険に注目が集まる背景には、自転車事故をめぐる裁判で、高額な損害賠償の支払いを命じる判決が続いた経緯がある。
08年9月、男児(当時11)が乗る自転車が歩行中の神戸市北区の中石さん(女性、70歳)にぶつかって重い障害を負わせた。
神戸地裁は、男児の母親に9521万円の支払いを命じた。
中石さんは、今も寝たきり。夫(68歳)がつきっきりで介護する。
男児の母親は事故をカバーする保険に入っておらず、判決の翌年に自己破産。賠償金は支払われなかった。
夫は、「事故に遭い、賠償金すら受け取れない。二重苦だ」と声を絞り出す。
「義務化」の効果を疑問視する声もある。
兵庫や大阪、滋賀の条例には、保険に入らなくても罰則はない。
兵庫県は、条例制定時に検討したが、「加入の有無を見極めるのは難しい」(担当者)とあきらめた。
日本サイクリング協会の調査では、全国での自転車保険の加入率は約2割とみられるが、正確な加入者数はわからない。
自転車単独の保険に加え、自動車保険や火災保険の「特約」に含まれている場合や、自転車店で整備・点検を受けたうえで加入できる「TSマーク付帯保険」などもある。
自動車のような車検制度はなく、チェックは困難だ。
大阪府の担当者は、「自転車店の協力で購入時の加入を増やしたり、社員らが自転車を使う企業に積極的に加入を勧めてもらったりして、1人でも加入者を増やしたい」と話している。
〈自転車政策に詳しい三井住友トラスト基礎研究所の古倉宗治研究理事の話〉
自転車乗車中の死亡者は、先進32カ国中、日本が最も多い。
加害者になれば、事故で多額の賠償を求められる可能性もあり、保険で備える必要性は高い。
企業や学校が、通勤・通学の自転車利用に際し、保険加入をチェックするのも有用だ。
一方で、車道に十分幅のある自転車専用レーンをつくったり、自転車が便利に移動できるネットワーク整備をしたりしている欧米を参考に、利用促進と安全確保の両立を考えるべきではないか。
出典
『自転車保険の義務化次々 背景に相次ぐ高額賠償判決』
http://www.asahi.com/articles/ASJ6W53XDJ6WPTIL01J.html
(ブログ者コメント)
以下は、本ブログに過去に掲載した関連記事。
2016年5月15日掲載
2016年5月8日報道 自転車運転危険行為の全国摘発件数は昨年6月以降のほぼ1年で1万件超 (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5919/
2015年10月8日掲載
2015年10月1日報道 兵庫県では自転車利用者に賠償保険の加入を義務付ける条例を10月から全面施行、全国初
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5269/
2016年6月21日11時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月21日14時22分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市東住吉区で、2月、軽乗用車が電柱に衝突し、助手席の女児(当時3)が亡くなる事故があり、大阪府警は、21日、衝突時に開いたエアバッグに胸を強く圧迫されて死亡したとみられると、明らかにした。
府警は、前をよく見ていなかったとして、運転していた母親(30)を16日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで書類送検した。
東住吉署によると、事故は2月17日午後4時50分ごろ、東住吉区公園南矢田4丁目の市道で起きた。
母親が運転していた軽乗用車が時速30kmほどで道路左脇の電柱に衝突し、助手席に乗っていた次女が死亡。母親にけがはなかった。
女児はシートベルトをしていたが、後部座席にあったチャイルドシートには乗っていなかった。
当時、目立った外傷がなく、署が女児を司法解剖した結果、流れ出た血液などが心臓を圧迫する「心タンポナーデ」と判明。
エアバッグが女児の胸を強く圧迫し、強い衝撃を受けたとみられる。
母親は、事故直前に右折した際にダッシュボードから落ちた携帯電話を拾おうとしたと話しており、署は、前を見ずにハンドル操作を誤ったとみて、同容疑で書類送検した。
チャイルドシートは、2000年4月の道路交通法改正で、6歳未満の幼児を乗せる際の着用が義務づけられている。
助手席での使用を禁じる規定はない。
母親は、「近くの友人宅に向かうだけだったので、助手席に乗せた」と説明しているという。
命を守るはずのエアバッグは、凶器となるのか。
交通事故に詳しい法科学鑑定研究所の山崎昭会長によると、エアバッグはボクサーのパンチ並みの威力で、最高で時速300kmの速さで膨らむため、子供にとって危険があるという。
自動車事故や子どもの安全に詳しい「緑園こどもクリニック」(横浜市)の山中龍宏院長(68)も、「エアバッグは、基本的に大人を想定してつくられており、小さい子には衝撃が大きすぎる」と指摘する。
山中院長は、「子どもを乗せる時は、原則、後部座席のチャイルドシートに乗せてほしい」と話す。
やむを得ず助手席に乗せる場合は、「必ずチャイルドシートを前向きにつけ、席を後方に下げてエアバッグから距離を取る必要がある」と言う。
助手席とチャイルドシートに挟まれる危険性があるため、「チャイルドシートを後ろ向きに設置してはいけない」と呼びかける。
類似の事故も発生している。
2013年1月には、福島県北塩原村の国道で、会社員男性が運転する車の助手席に乗っていた友人の長男(当時6)が、スリップ事故で死亡した。
事故時に開いたエアバッグで、首を強く打ったとみられる。
出典
『エアバッグで胸圧迫、助手席の3歳児死亡か 大阪の事故』
http://www.asahi.com/articles/ASJ6P34RYJ6PPTIL004.html
『エアバッグで圧迫か 助手席で3歳女児死亡』
http://www.news24.jp/articles/2016/06/21/07333229.html
(2016年7月1日 修正1 ;追記)
2016年6月30日17時43分にNHK関西NEWS WEBから、過去にも同様な事故が起きていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし2月、大阪・東住吉区で、時速およそ30kmで走っていた軽乗用車が電柱に衝突し、助手席に乗っていた3歳の女の子がエアバッグが開いた際に胸を強く圧迫されて死亡したことが明らかになった。
NHKが全国で取材したところ、3年前の平成25年に福島県北塩原村で乗用車が事故を起こした際に、助手席に乗っていた6歳の男の子が、エアバッグが首にあたって死亡したとみられることがわかった。
当時、乗用車の速度は時速30kmから40kmで、カーブでスリップして道路脇の支柱に衝突したという。
後部座席に乗っていた母親は、「子どもがカーナビでDVDを見たいと言うので前に乗せていた。どうして後部座席に座らせなかったのかと後悔で一杯です」と話していた。
さらに熊本県南関町でも、平成25年に軽乗用車が前の車に追突してエアバッグが作動し、助手席のチャイルドシートに座っていた赤ちゃんが頭の骨を折る大けがをしている。
出典
『福島や熊本でもエアバッグ事故』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160630/3613711.html
(2016年9月4日 修正2 ;追記)
2016年9月2日0時1分に毎日新聞から、有罪判決が出た、母親は覚せい剤をやっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月1日20時13分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
大阪地裁は、1日、懲役2年、執行猶予3年(求刑・懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
本村裁判官は、次女の死因について「事故で作動したエアバッグの圧迫」と認定した。
本村裁判官は、「短距離の運転に油断した。この配慮を欠く行動もあり女児はエアバッグの圧迫で死亡し、被害結果の重大さは取り返しがつくものではない」と指摘した。
一方で、「反省している」などとして、執行猶予付きの有罪判決とした。
母親は、事故2日後の尿検査で覚醒剤反応を検出。
覚醒剤取締法違反(使用)の罪でも起訴されており、判決は、2月9~19日の間に使用したと認定したが、事故との因果関係には触れなかった。
出典
『エアバッグ 圧迫死 3歳娘が死亡 母親に有罪判決 大阪』
http://mainichi.jp/articles/20160902/k00/00m/040/108000c
『エアバッグ圧迫で次女死亡、母親に有罪判決 大阪地裁』
http://www.asahi.com/articles/ASJ914K7FJ91PTIL00Q.html
2016年6月17日8時6分に読売新聞から、違反例の解説図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車のナンバープレートにカバーをかけることなどを禁止する改正道路運送車両法が4月1日に施行され、群馬県警や関係機関が周知に力を入れている。
カバーは、プレートの汚れ防止などの目的で流通しているが、改正法では、無色透明も含めて、カバーの装着が全て禁止された。
プレートにシールを貼るなどして数字や文字が判読できない状態にすることも違反になる。
プレートを回転させたり、プレートの一部を折り曲げたりすることも不可とされた。
さらに、2021年4月以降に登録や検査の届け出をする車やバイクの場合、プレートを囲むフレームが、左右幅18.5mm以下、厚さ30mm以下など、一定のサイズに限られる。
プレートを取り付ける角度も細かく規定される。
県警は、本部や各署、県総合交通センターでポスターを掲示し、チラシを配布している。
関東運輸局群馬運輸支局も、県自動車整備振興会など関係団体に啓発のポスターやチラシを提供。
車検切れや不正改造の車を取り締まる街頭検査でも、周知している。
群馬県内では、一部が改正された県道路交通法施行細則が02年に施行され、速度自動測定装置(オービス)による取り締まりを逃れるためのプレートカバー装着が禁止された。
だが、改正前の道路運送車両法にはナンバーを見やすいように表示しなければならないとだけ規定され、明確な基準がないため、摘発が難しかった。
改正道路運送車両法の施行から2か月半がたつが、改正に伴う摘発は、県内ではまだない。
県警交通指導課は、「街頭活動などで指導や周知を徹底していきたい」としている。
出典
『車のナンバー、カバーや回転はダメ…改正法周知』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160617-OYT1T50001.html
(ブログ者コメント)
ようやくのこと、交通違反や犯罪を助長させる小道具の取り締まりが法制化された。
近所の家の赤外線不撮カバー装着車を見に行ったが、すでにカバーは外されていた。
2016年6月13日19時9分にNHK鳥取から、下記趣旨の記事が掲載されていた。
夜間の交通事故を減らそうと、自動車のライトの使い分けによって、ドライバーからの見え方にどのような違いがあるか確かめる実験が、13日、県警察本部で行われた。
この実験は、夜間の交通事故を防ぐのにライトのハイビームが有効なことを広く知ってもらおうと、県警察本部が行った。
県警察本部の地下にある駐車場で行われた実験では、自動車の45m先に立っている人が、ロービームではほとんど見えなかったのに対し、ハイビームに切り替えるとはっきり見えることを確かめた。
車が時速70kmで走っている場合、晴れている日中でも、ブレーキを踏んでから42m先で止まるため、わずかに発見が遅れるだけで衝突するおそれがあるという。
警察によると、ことしに入ってから県内で起きた交通死亡事故では、車が歩行者をはねた6件のうち4件は、夜間にロービームで走っていた。
実験では、このほか、夜間に見えにくい黒い服を着ていても、反射材を着用すればドライバーから見えやすくなることも確かめた。
県警察本部交通企画課の岡本交通事故抑止対策室長は、「夜間の車の運転ではハイビームをもっと使って、歩行者も明るい色の服を着たり反射材を身につけたりして、身を守ってほしい」と話している。
出典
『ハイビーム有効性確認の実験』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/4043040391.html?t=1465850453906
(ブログ者コメント)
ハイビームの有効性に関する情報は、本ブログで過去に3件紹介している。
2015年6月20日掲載
2015年6月13日報道 自動車メーカー各社はハイビームのまま走っても対向車の迷惑にならない技術を次々に開発中
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4972/
2015年5月17日掲載
2015年5月10日報道 道交法ではヘッドライトの基本はハイビームで他車の交通を妨げるおそれがある場合のみロービーム、基本どおりにしていたら命を救えたかもしれない事故が過去にある
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4874/
2013年7月6日掲載
2013年6月28日報道 宇部市などでは警察が事故防止のため対向車がいない場合は車のライトをハイビームにするよう呼びかけ中
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3005/
2016年6月5日21時45分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月5日21時15分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午後1時すぎ、山梨県富士吉田市上吉田の県道の交差点で、マイクロバスとワゴン車が出合い頭に衝突した。
警察によると、この事故で、バスに乗っていた東京・世田谷区に住む飲食業、塩崎さん(男性、67歳)が外に投げ出されて死亡した。
また、ワゴン車の助手席に乗っていた静岡県掛川市に住む61歳の女性が右腕の骨を折る大けがをしたほか、バスとワゴン車に乗っていた28歳から64歳までの男女、合わせて16人が軽いけがをした。
警察などによると、バスは品川ナンバーのレンタカーで、塩崎さんが経営する居酒屋の客や親族など男女合わせて14人が乗っていて、日帰りで富士山と周辺の湖などを訪れていたという。
一方、ワゴン車には乳幼児2人を含む男女6人が乗っていて、富士五湖の周辺を観光していたという。
現場は、富士山のふもとに広がる山林の中を走る県道と市道が交わる信号機のない十字路交差点で、警察によると、ワゴン車が走っていた市道側に一時停止の標識があるという。
警察が、当時の状況や事故の原因を詳しく調べている。
出典
『バスと乗用車が衝突 1人死亡17人けが 山梨』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160605/k10010547001000.html
『マイクロバスとワゴン車が衝突、1人死亡…山梨』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160605-OYT1T50038.html
6月7日7時50分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現場の交差点では、昨年4月以降、5日の事故を含め、12件の交通事故が起きていたことが、富士吉田署への取材でわかった。
県道と交差する市道を管理する市は、7日にも、交差点に信号機を設置するよう、同署に文書で申し入れるとしている。
同署によると、12件は、物損事故と人身事故を合わせた件数。
市によると、現場の交差点は昨年3月末に供用が始まり、その後、市道を抜け道として使う車が増えたため、交差点手前の路面にカラー舗装を施したり、看板を立てたりと、ドライバーに注意喚起していたという。
事故現場を知る市内の男性は、「交差点付近は県道も市道も道幅が広く、まっすぐなため、スピードを出す車が多い。危ないと思っていた」と話している。
出典
『18人死傷の交差点、開通1年余で事故12件』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160606-OYT1T50151.html
2016年5月14日12時20分に山形新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警が過去5年間に発生した死亡事故を分析した結果、考え事や脇見などで前方をよく見ていなかった「ぼんやり運転」が約6割に達することが、13日、県警交通部の調べで分かった。
事故を招く危険要因は、
▽晴れて気持ちいい
▽早く家に帰りたい
▽まっすぐに伸びる道
の3つ。
カーブや狭い道など、運転条件が悪い場所での発生は少なく、県警は、「走りやすい道」などの気の緩みが事故を招いているとして、注意を呼び掛けている。
2011~15年に起きた、自動車とバイクが第1当事者の死亡事故は、計220件。
うち、59%に当たる129件が「ぼんやり運転」で、原因の第2位で16%を占める交差点の安全不確認を、大きく引き離している。
「誰しも前を見て運転している・・・」。
言うまでもないことのように思えるが、慣れや油断を要因とする脳機能の一時的な低下で、無意識のうちに「ぼんやり運転」に陥り、「前方の状況が頭に入っていないことが起きている」という。
「ぼんやり運転」が引き起こす事故で、最も犠牲になるのが、横断中の歩行者だ。
過去5年間のうちに、47人がひかれて亡くなっている。
特に、ドライバーから見て、右から道路を横切っている人が事故に遭う割合が高い。
横断中の事故に続いて多いのが、センターラインを越えて対向車と正面衝突する事故だ。
「ぼんやり運転」が発生しやすい条件について見てみたい。
県警の分析によると、時間帯で最も多いのが午後5時~同8時。
運転時の状況は、見通しがいい直線を同じ速度で走行。
天候は晴れとなっている。
この時間帯に多い背景として県警が注目するのは、「帰宅時間と重なること」。
県警交通部の安孫子参事官は、「早く家に帰ってゆっくりしたいという思いが無意識のうちに急ぎの心を芽生えさせ、危険要因の見落としを引き起こす」と指摘する。
「直線を走行中」と「晴れ」の条件に共通するのは「運転しやすい」で、不安要素がないが故に、気持ちが緩んで注意力が低下すると見ている。
県警は、県内の運転免許人口をベースにドライバーが事故を起こす割合を調べた結果、「25人に1人」と算出。
安孫子参事官は、「誰でも事故を起こす可能性がある。『自分だけは大丈夫』との意識を捨て、常に緊張感を持ってハンドルを握ってほしい」と話している。
出典
『危険!ぼんやり運転、事故原因の6割 過去5年、「走りやすい道」要注意』
http://yamagata-np.jp/news/201605/14/kj_2016051400312.php
2016年5月5日12時0分に産経新聞westから、対策検討会議が初開催されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
“岡山県特有の事故”が、ようやく問題視され始めた。
岡山市で総延長約4000km、倉敷市で同じく約2100kmに上る、用水路への転落死亡事故だ。
死者は、平成25年に13人、27年に12人に上り、いずれも全国ワースト1位。
夜間照明がないなどの危険箇所は、県内421カ所に上る。
事故を防止しようと、県や県警、市町村の道路管理部門の担当者ら約90人が出席する「用水路等転落事故防止対策検討会議」が初開催され、課題が明らかになってきた。
「(県外出身の県警)本部長から、『異常だ』、『異常だと思わないのが異常だ』と言われた。他所から来られた方は『(用水路が)異常に多い。転落して亡くなるのは異常だ』と思っていることを認識してほしい」。
県警交通規制課は、強い調子で問題提起した。
県警交通企画課によると、用水路などへの転落事故の死亡者は、平成25年、27年に全国ワースト1位となり、25年からの3年間の累計では31人に上った。
同課は、転落事故の特徴として、夜間の発生、高齢者、自宅の近所の3点を挙げて、注意を喚起した。
27年の転落事故死者12人のうち、約6割(7人)が夜間の発生で、うち9割(6人)の現場に照明施設がなかった。
25年からの3年間では、約6割(18人)が夜間の発生。うち8割(14人)の現場には街灯などが設置されていなかった。
同課は、転落事故対策として、「危険箇所の把握や市民らに用水路などへの転落事故が多発している現状などを広報・啓発する必要がある」と話した。
転落事故に対しては、医療の現場からも問題提起が行われた。
「全国で30近い施設で勤務してきたが、こんなに用水路に落ちた人が搬送されるところで働いたのは初めてで、衝撃を受けた。他県からきた他の医師も『自分が以前いた地方ではこんなことはなかった』と話す」。
会議に出席した倉敷中央病院救命救急センターの市川医師は、そう語った。
「岡山特有の問題では」と感じた市川医師は、26年1月1日から12月31日までに同病院に搬送された救急患者のうち、外科系診療科で受け付けた患者のカルテや救急搬送記録から、実際に用水路に落ちた人数や重傷度を調べた。
その結果、搬送された3708人のうち、66人が用水路に転落していたことが判明。
そのうち、36人(54%)の患者は帰宅が可能だったが、30人(46%)は入院が必要だった。
患者の年齢分布については、平均年齢が62.4歳で高齢者が多い傾向で、66人中、60~70代が29人(44%)、80代以上が15人(23%)だった。
「こういった状況を放置されているのはまずい」と、市川医師は、平成27年8月に倉敷市長宛てに、同センター長名義の要望書を提出したという。
市川医師は、「安全対策の障壁として、柵や蓋の設置で車が通れなくなったり用水路の清掃ができなくなったりして、住民生活が不便になる箇所も多数あり、柵などを設置したのに住民の苦情で撤去した例もあると聞いている」と話した。
そして、「とにかく用水路が多く、岡山市だけで約4000kmなので、すべてに安全対策をするとなると、お金がいくらあっても足りないという問題がある」と指摘した。
市川医師は、「県内にずっと住んでいる人は、蓋がない用水路がいっぱいあるのが異常だとは思わないが、他の地方から来た人は違和感を覚えている」と言う。
さらに、「データがないことが一番の問題。警察には、通報があった事例の情報しか集まらない」と指摘。
同病院に搬送された半数近くが歩行者だったことから、消防機関と連携して、県内の救急搬送になった事案の全例調査と、「用水路転落防止月間」を作って県民への危険性の啓発を提案した。
市川医師の指摘を受けた県警交通規制課は、転落事故で過去3年間で31人が死亡したことについて、「(自転車や自動二輪が統計の対象で)歩行者は含まれておらず、氷山の一角に過ぎない」と認めた。
同課によると、県警は25年8月、小学校低学年の女児が自転車で、路側帯から転落防止対策がされていない用水路に転落して重傷を負った事故を機に、同様の事故を防ごうと、危険箇所の調査を開始したという。
危険箇所とは、
▽夜間照明がなく
▽車道と用水路などの境界の認識が困難
▽下り坂やカーブで、直進すれば用水路などに転落するおそれがある
▽左折直後や進路上に用水路などがあり、気付かずに転落するおそれがある
の、いずれかを満たす場所という。
調査の結果、27年12月現在で、県下421カ所を発見。
そのうち、安全対策が済んでいるのは172カ所(40.8%)に過ぎないという。
有識者として参加した岡山大学大学院の橋本成仁准教授は、「水路利用者や管理者からは、否定的な意見が出てくる。年に2、3回の掃除を盾に、許可してもらえない。それは、『今までここで落ちた人はいない』という過去の成功体験の裏返しだ」と指摘した。
この会議で、県は、転落事故の発生状況や被害の大きさ、傾向を分析するために、県下の消防署に転落事故の搬送データの提供を依頼していることを明言。
「用水路転落事故は人の生命、身体に関わる大変な案件。1件でもそのような案件を減らしたい」と語った。
その後、転落事故が多発した岡山市では、28年度当初予算案で用水路対策として約2億4千万円を計上。
今後、市内61カ所での転落防止柵など設置する予定という。
異常事態に対して、ようやく行政も動き始めている。
出典
『【メガプレミアム】 「異常と思わないのが異常だ」県警本部長も絶句…なぜ起きる?“岡山特有”の用水路転落死亡事故』
http://www.sankei.com/west/news/160505/wst1605050007-n1.html
(ブログ者コメント)
以下は関連記事。
2015年12月7日掲載
2015年12月1日報道 岡山県で用水路に転落して救急搬送された件数は2年半で922件、68人が死亡し111人が重傷 (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5442/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。