2022年1月28日12時24分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮城県多賀城市で昨年6月、劇団四季の公演準備中に男性作業員が舞台セットから転落する事故があり、仙台労働基準監督署は27日、劇団を運営する「四季」(横浜市)と舞台監督の40代男性=横浜市=を労働安全衛生法違反容疑で書類送検し、発表した。
認否は明らかにしていない。
労基署によると、作業員は頭を強く打ち、脳挫傷の重傷。
四季は昨年6月15日、多賀城市中央2丁目の市文化センターで、公演「ザ・ブリッジ~歌の架け橋~」の舞台準備中、手すりの設置などの転落防止策を怠った疑いがある。
舞台セットは高さ2・47メートル。
作業員は出演者の代役としてセット上に配置され、ステージに転落した。
作業員は仙台市のイベント会社から派遣されており、労基署は四季の指揮命令で作業していたと認定した。
劇団四季は27日、「心よりおわび申し上げる。事故を厳粛に受け止め、再発防止の徹底に努める」などとするコメントを出した。
https://www.asahi.com/articles/ASQ1X3T03Q1XUNHB004.html
1月27日17時22分に読売新聞からは、照明の調整をしていた、床の照明に頭をぶつけたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台労働基準監督署は27日、劇団四季を運営する「四季株式会社」(横浜市)と舞台監督の40歳代男性を労働安全衛生法違反の疑いで仙台地検に書類送検した。
発表によると、昨年6月15日、宮城県多賀城市の市文化センター大ホールで、公演準備のため照明の調整をしていた男性作業員が、高さ約2・5メートルの舞台セットからバランスを崩して転落、
床に設置されていた照明に頭をぶつけて脳挫傷などの重傷を負う事故が起きた。
同社などは、転落を防ぐ手すりなどを設けなかった疑い。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220127-OYT1T50183/
(ブログ者コメント)
イマイチ状況が読み取れないが、ブログ者は、舞台上にいた代役にスポットライトを当てて照明の調整をしていた・・・と解釈した。
もしそうだったとしたら、代役の人は舞台上をアチコチ移動していた時に転落した・・・ということかもしれない。
一般的には対策として手すりの設置が考えられるが、舞台に手すりを設けるとなると、本番時の照明と印象が違うことになるかもしれず、第一、本番の際も手すりを設けるのか・・・という話しにもなりかねないので、現実問題、難しいような気がする。
2022年1月24日18時15分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年11月、道東の中標津町の山奥にある無人の温泉で、男性が露天風呂に転落して全身にやけどを負い、死亡する事故がありました。
当時、湯船の中は高温だったとみられ、土地を所有する林野庁は管理体制が整うまで立ち入り禁止にしました。
事故があったのは、中標津町養老牛の国有林内にある無人の温泉「からまつの湯」です。
林野庁根釧東部森林管理署によりますと、去年11月、1人で入浴に訪れた地元の男性が誤って露天風呂に転落し、全身にやけどを負って5日後に死亡したということです。
この温泉は通常、およそ80度の源泉に湧き水を混ぜて温度が調節されていますが、当時、水を引く配管のバルブが何らかの原因で閉まっていて、湯船の中は源泉に近い高温だったとみられています。
温泉には人は常駐しておらず、安全管理などは利用者自身に委ねられていました。
「からまつの湯」は「野湯」と呼ばれる自然に囲まれた温泉で、およそ30年前に設置され、地元の愛好会のメンバーが定期的に清掃などを行っていました。
一方、土地を所有する森林管理署の許可を得ずに設置されたということで、森林管理署は管理体制が整うまで立ち入り禁止にしています。
根釧東部森林管理署の松本署長は、「国有林の中で重大な事故が起き、重く受け止めている。今後、適切に維持管理できる団体が見つからなかった場合は閉鎖も検討せざるをえない」と話しています。
地元の愛好会の男性は、「自主的に管理することは暗黙の了解だと思っていた。地元の人や観光客に親しまれた温泉なので再開を目指したいが、求められるような管理体制を作ることは難しい」と話しています。
【ブームの一方で】
大自然の中にあり、人の手があまり加えられていない温泉は「野湯」と呼ばれ、開放感が魅力で、道外からも温泉ファンが訪れています。
日本全国の温泉データを独自にとりまとめている会社「マウンテントラッド」によりますと、北海道にある野湯や秘湯は、全国最多のおよそ50に上るということです。
道東では、弟子屈町の屈斜路湖畔にある「コタンの湯」や知床半島の羅臼町にある「熊の湯」などが有名です。
「コタンの湯」や「熊の湯」は国有林内にありますが、町が林野庁から土地の貸与を受けた上で、地元の人に管理を委託しています。
一方で、「からまつの湯」のように、土地の所有者の許可を得ずに設置され、管理者がはっきりしない温泉も点在しています。
高温の源泉によるやけどや有毒ガスの噴出、それにクマの出没など、危険が伴う場所もあります。
事故を防ぐためにどのように安全を管理すべきか、林野庁森林管理局は対応に苦慮しています。
北海道森林管理局の担当者は、「これまでは入浴の勝手が分かっている地元の人だけの利用が主だったが、SNSなどの普及によって、観光客にも広く利用されるようになった。立ち入り禁止などの強制的な措置をとることは難しく、頭を悩ませている」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220124/7000042626.html
1月23日12時23分にYAHOOニュース(北海道新聞)からは、足を滑らせた、自力で病院に行ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
根室管内中標津町養老牛の国有林内にある露天風呂「からまつの湯」で昨年11月、入浴に訪れた利用者が誤って湯船に落ちてやけどを負い、その後に死亡する事故があったことが22日、北海道森林管理局への取材で分かった。
からまつの湯は設置者や管理者がはっきりせず、土地所有者の国も設置を認めたわけでない“野湯(のゆ)”。
周辺の国有林を管理する同局根釧東部森林管理署は湯への立ち入りを禁止し、施設閉鎖も含め検討しており、愛好者は対応に苦慮している。
風呂は標津川支流の渓流沿いにあり、数人が入れる湯船二つと木造の脱衣所などがある。
付近には、かつて営林作業者向けの宿舎があり、昭和50年代に撤去されたが、後に地域の人らが石を積むなどして風呂を整備。
近くの養老牛温泉の客や愛好者が多く訪れるようになっていた。
70度以上の源泉を入れるバルブと、沢水を入れるバルブが設けられ、利用者が二つを開閉し、湯温を調整できる。
同管理署が医療機関から聞き取った情報によると、事故があったのは昨年11月26日夜。
利用者は足を滑らせ、高温になっていた風呂に転落。
自ら中標津町内の病院に向かって受診し、釧路市内の病院に転送されたが、全身にやけどを負っており、同12月上旬に亡くなった。
当時の湯温など詳細は不明という。
これを受け、同管理署は入り口に立ち入り禁止の看板を設けた。
同管理署の松本署長は、「安全面などを含めて適切に管理できる団体などが出てきた場合は、国有林貸し付けの手続きを経て施設存続を検討できる」とし、地域の愛好者グループにもこの方針を伝えた。
ただ愛好者の1人は、「存続させたいが、個人による管理は難しい」と困惑。
松本署長は、「管理者が現れない場合、閉鎖を含めて検討せざるを得ない」と話す。
https://news.yahoo.co.jp/articles/30f89403aed667122bfb3058843551f25b8e240d
1月25日19時42分にYAHOOニュース(ABEMA TIMES)からは、現場は真っ暗で湯船も深いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
夜間に利用したことがある人は「基本的には真っ暗です。更衣室があって、その中には小さなLEDといった照明はあったんですけど、温泉の方は暗かったです。場所自体が手すりもない場所で お湯の深さも深いなと思いました」と教えてくれた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3af66c58c22ab5532d34b2140c9dc970281a3169
(2023年3月18日 修正1 ;追記)
2023年3月17日14時0分にYAHOOニュース(北海道新聞)からは、立入禁止にしても入浴する人がいたため施設自体を撤去したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道森林管理局根釧東部森林管理署(根室管内標津町)は、死亡事故があった同管内中標津町の国有林内にある露天風呂「からまつの湯」の施設を撤去した。
撤去したのは男女別に設けられていた数人用の湯船や脱衣用の小屋、源泉をためる貯湯槽など。
昨年12月に工事を行い、更地にした。
「からまつの湯」は渓流沿いの“野湯”として30年以上前から住民らに利用されていたが、設置者が明確でなく、施設管理者もいなかった。
2021年11月に利用者が高温になっていた湯船に落ちてやけどを負い、後に亡くなる事故が発生。
同管理署は施設をパイプ柵で囲い、看板を設けて立ち入りを禁じていた。
撤去の理由について同管理署は「安全管理の計画を立てて整備・運営をする適切な管理者が現れなかった」と説明。
立ち入り禁止措置後も、訪れた人物が入浴する例が確認されたため、撤去を決めたとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b557c72e1262dd4ab6744e70f6e8096ee866a6cb
2022年1月16日12時2分にYAHOOニュース(47NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
どんなに恐ろしく、どんなに痛く、救助されるまで、どんなに苦しかっただろう。
栃木県の那須サファリパークで1月5日朝、飼育係3人がベンガルトラに襲われた。
1人は右手首を失った。
動物園やサファリパークは、野生動物の魅力や迫力を伝え、自然と人間の関係を考えるきっかけを与える。
その根底にあるのは、命の大切さだと思う。
ところが、そこで働く人が死傷する事故がなくならない。
この事故については、まだ分からないことが多い。
園の説明によれば、トラは本来いるはずのない通路にいたとみられる。
前日夕、夜間収容する獣舎に戻していなかったらしい。
事故から2日後の7日、栃木県警が家宅捜索に入り、捜査を始めている。
刑事事件としては、安全管理の実態や具体的な過失の特定、そしてその失敗がなぜ起きたのか、誰に責任があるのかが焦点になるだろう。
しかし、それだけでは背景にある問題を見落とすことになるのではないか。
私はこれまで14年間、動物園や水族館を取材してきた。
そこで知り得たことと、いま分かっている情報から、この事故の構造的な要因を探りたい。
(共同通信=佐々木央)
▼3度の事故でけがをした全員が20代
「おやっ」と思ったのは、けがをした3人が全員20代であったことだ。
最初にトラと鉢合わせした女性飼育係は肉食獣担当で26歳、救助に駆け付け手首を失った女性飼育係は「ふれあい広場」の小動物担当で22歳、同じく救助しようとして襲われた男性飼育係は大型動物担当で24歳。
飼育係としてのキャリアは、順に4年目、2年目、4年目だという。
那須サファリでは97年、女性飼育係2人がライオンにかまれ重傷を負ったが、2人の年齢は19歳と21歳だった。
その3年後にも、21歳の男性飼育係がライオンに襲われ、大けがをした。
若い人ばかりが被害に遭っている。
飼育係に要求されることは幅広く、奥が深い。
動物を健康に飼ったり繁殖させたりする技術にとどまらず、野生下の状態を十分に知って飼育に生かし、訪れる人に対して動物や自然に対する認識を深めてもらう展示手法も追求しなければならない。
自ら経験を積み、また経験を積んだベテランに学ぶ必要がある。
そうだとすると、動物園やサファリパークにおける飼育スタッフの人員構成は、ベテランと中堅、若手のバランスがある程度、取れている必要がある。
那須サファリはどうだったのか。
たまたま、若い人たちが被害に遭ったのか。
どうやら、そうではない。
従業員は五十数人で、飼育スタッフは18人。
多くが20代だという。
なぜ、若手に偏っているのか。
▼圧倒的な買い手市場で起きること
動物園や水族館の取材を重ねるうちに知ったのだが、飼育の仕事をしている人は、とにかく生きものに関わる仕事をしたいという「生きもの好き」が多い。
経歴を聞くと、大学の生物系・畜産系・水産系・獣医師養成系学部を出たり、飼育を学ぶ専門学校を卒業したりしている。
逆に言えば、生きものが好きで大学や専門学校の関係コースに進んだ人の相当数は、動物園や水族館への就職を目指す。
しかし、求人は非常に少ない。
そのため、圧倒的に雇用側優位の「買い手市場」となる。
それは、いわゆる“やりがい搾取”と呼ばれるような職場環境につながる。
那須サファリのホームページ(HP)の「採用情報」を見る。
「動物飼育員 正社員・契約社員/採用人数 若干名/給与17万円~/応募資格 専門学校・短大・大学で動物に関する学科を卒業、または卒業見込みの方。普通自動車免許(MTが望ましい)」(一部省略)
月給の最低は17万円である。
居住地に制限はないから、全国から希望者が集まるだろう。
採用されたら、まず住まいを確保する必要がある。
省略した部分には「住宅手当(1万5千円)」とあるが、それではとても賄えないはずだ。
税金や社会保険料も引かれる。
交通費支給とは書いていない。
便利な場所ではないから、通勤の車の購入費、燃料費、維持費も支出することになるのではないか。
「勤務時間8:00~17:00休憩60分/休日シフト制(月8日)」という記載から、月に23日間、定時で働いたとして時給を計算すると、924円。
2021年度の栃木県の最低賃金884円を、かろうじて上回る。
これは那須サファリだけの問題ではないことは、付言しておかなければならない。
コストカットを狙って公営の動物園水族館にも、管理運営を民間委託する指定管理者制度が広がる。
そのしわ寄せは人件費の削減となって、働く人に及ぶ。
契約や嘱託、パート、アルバイトといった非正規雇用が増え、若者が使い捨てのようにされている。
毎年春になると、正規雇用になれず、夢を諦めて去っていく人たちのことを聞く。
▼「動物を見る目」は育つか
那須サファリの飼育係の人数は適正だろうか。
動物飼育には土日も祝日もないから、毎日ほぼ同じ人数が稼働する必要がある。
飼育係18人が週休2日で働くと、1日当たりの稼働は12~13人になる。
しかし有給休暇の消化や病欠も考えると、これより少ない人数でやりくりしければならない日も多いだろう。
飼育動物の種数は約70種、700頭羽とされている。
12人で割り算すると、飼育係1人が1日に担当する動物は平均約6種、60個体となる。
もちろん、数が平均するように担当動物を決めるわけではないし、負担の重さも数だけで決まるわけではないから、あくまで目安だ。
いずれにせよ、これら多数の動物たちに対して、種ごとに(場合によっては個体ごとに)異なる餌を用意し(飼育係は調理人でもある)、適切な方法で給餌し、飼育舎と運動場の排せつ物などを掃除しなければならない。
なにより、動物に変化や異常がないかどうか、状態や動きをよく観察し、異常があるなら獣医師らと対応し、次の日の担当にも分かるように記録を残す必要がある。
長く取材してきて、この「動物を見る目」において、新人とベテランの差は大きいと感じる。
経験の浅い飼育員が、60個体もの生きものの面倒を見るめまぐるしい作業の中で、自らの安全を確保しながら、ぬかりなく観察し、勤務時間内に記録までして引き継ぐことは可能だろうか。
飼育スタッフが動物に襲われる事故のほとんどは、ヒューマンエラーによって起きる。
鍵のかけ忘れや動物のいる場所の確認漏れといったことが原因だ。
こうした人為ミスへの決定的な対策は、2人体制を取ることとされている。
動物を飼育舎から運動場に出すとき、飼育舎に戻すとき、別の1人が立ち会い、適切に行われているか見守る。
その1人は、あえて何もしない。
事故の教訓に学び、2人体制を取る動物園は少なくない。
しかし、実行するには重い人的コストが立ちはだかる。
那須サファリにはトラやライオンだけでなく、ゾウやサイもいる。
優しいイメージがあるゾウだが、実は人身事故が多い。
サイでも19年、東京・多摩動物公園で死亡事故が起きた。
危険性の高い動物すべてに2人で対応するなら、とても12人では足りないと思う。
人間の安全に対して、脆弱(ぜいじゃく)な体制というほかない。
▼人が少ない中での飼育管理が常態化か
人命を脅かす事故が起きたのだから、経営者が安全のコストをどう捉えているのか知りたいし、動物をビジネスにするなら、動物に対する考え方や姿勢も問われると思うが、現状では伝わってこない。
那須サファリは「東北サファリパーク那須支店」という位置づけである。
本社である東北サファリパーク(福島県二本松市)に、事故をどう受け止めているか、スタッフ体制や人員構成は適切だったかといった点を尋ねると、副社長は「那須支店の発表をもって会社の発表ということです」と答えた。
寒い季節、那須サファリにはどれだけの客が来るのだろう。
この冬は、かなりの雪に見舞われているようだ。
寒冷な地方で動物園やサファリパークを維持するのは、経営面でも飼育環境の面でも、もともと難易度が高い。
それでも利益を求めるなら、現場に強い負荷がかかっていたのではないか。
最後に、日本にいる動物を中心とする先進的な動物園をつくった富山市ファミリーパークの元園長、山本茂行さんの見方を紹介したい。
山本さんは10年から14年まで、日本の主要な動物園・水族館が加盟する日本動物園水族館協会(JAZA)の会長も務めた。
この事故については、厳しく受け止めている。
「野生動物を飼育する施設には、やっていいこと、いけないことの基準がある。その基準によって今回の事故も判断されなければならない」
そう基本的な考え方を明確にした上で、那須の事故についてはこう述べる。
「入って数年の人たちだけで飼育現場を担っているとしたら、指揮・報告系統も責任体制も満足に構築されていなかったのかもしれない。
動物を飼う、まっとうな仕組みはできていたのか。
報道によれば、夕方、動物を獣舎に入れたという確認をしていない。
朝になって、獣舎にいるという確認もしていない。
分からない中でエリアに入っているようだ。
人が少ない中での飼育管理が常態化していた可能性がある。
もしそういうやり方なら、経験の浅いスタッフ18人でも、何とか現場は回せるが、それでは幅広く奥の深い飼育係の仕事は実現できないだろう」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f955084a1a3a35a1bde58a8f635e6a77996de11e?page=1
(ブログ者コメント)
本論以外、文中に書かれていた以下の2点も目に留まった。
・「人為ミスへの決定的な対策は、2人体制を取ることとされている。動物を飼育舎から運動場に出すとき、飼育舎に戻すとき、別の1人が立ち会い、適切に行われているか見守る。その1人は、あえて何もしない。」
→「あえて何もしない」ということが大切だ。
・「報道によれば、那須サファリパークでは朝になって、獣舎にいるという確認もしていない。」
→これは、これまで報じられていなかった新情報だ。
2022年1月5日17時55分にNHK栃木から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前8時半ごろ、栃木県那須町の那須サファリパークで男女3人の飼育員が相次いでトラに襲われました。
警察や消防によりますと、このうち26歳と22歳の女性の飼育員のけがの程度が重いということです。
施設によりますと、襲ったのは11歳のオスのベンガルトラ「ボルタ」で、体長およそ2メートル、体重は150キロほどあるということです。
当時は、26歳の女性飼育員が開園に向けて、屋内の飼育施設でトラを屋外に移動させる準備をしていて、本来はトラがいないはずの移動用の通路付近で鉢合わせして襲われたとみられるということです。
このあと、悲鳴を聞いて駆けつけた22歳の女性飼育員と24歳の男性飼育員も、相次いで襲われたということです。
トラは、夜間は飼育施設の中にある小部屋に戻すことになっていますが、前日の夜に、別の飼育員が小部屋に入れたことを確認していなかったということです。
会見した「那須サファリパーク」の葛原支配人は、「トラが本来いないはずのところにいたことによって起きた事故だと思われる。原因を徹底的に究明し、事故が起きないようにしたい」と述べました。
「那須サファリパーク」は、トラやホワイトライオンなど70種類、700頭の動物が放し飼いされ、来園者が車で移動して動物の様子を楽しむ施設で、事故を受けて当面、休園するとしています。
この施設では、平成9年と平成12年にも、飼育員などがライオンにかまれて大けがをする事故が起きています。
施設によりますと、飼育員を襲ったのは「ボルタ」という愛称のオスの11歳のベンガルトラです。
体長2メートル、体重が150キロほどあり、世界で30頭ほどしか飼育されていないとされる金色の毛並みが特徴だということです。
施設では、とら年にちなんで、今月2日に動画投稿サイトのYouTubeで特集動画を公開しました。
「独占インタビュー」というタイトルが付けられた動画では、全国のサファリパークや動物園が参加する「推し虎グランプリ」という来園者の人気投票のランキングで現在、1位になっていることを紹介しているほか、飼育員が、好きな食べ物やことしどんな年にしたいかなどを尋ねています。
施設によりますと、「ボルタ」は垂れ目の表情が癒やし系だとして、施設の動物のなかで人気者です。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20220105/1090011341.html
1月6日1時2分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からも同趣旨の記事が、解説図付きでネット配信されていた。
なぜ、飼育員は襲われたのでしょうか。
支配人:
「『トラがいない』と思っていたところに、トラが来てしまったと」
事故が起きた獣舎の見取り図では、右から3番目が「ボルタ」のオリとなっていて、通常、扉は施錠されているといいます。
襲われた女性の1人は、本来、「ボルタ」がいないはずの通路を通ろうとしていましたが…。
支配人:
「女性スタッフがトラから攻撃を受けて、そのときに叫び声を上げた」
別の飼育員が駆けつけると、女性が襲われていたということです。
支配人:
「他の2名に関しては、女性社員を助けようとして、後から入っていった」
https://news.yahoo.co.jp/articles/24afd4ec115e85a3dd3540c529322b5017938179
1月5日20時42分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、専門家は普段と違う状況になったので本能的に襲ったと話しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
葛原 支配人:
「3名とも主に頭部を(かまれた)。上半身、頭部の骨折、裂傷と。 最初に噛まれた女性飼育員はドクターヘリで、他の2人は救急車で搬送され、いずれも意識はあったという。」
普段であれば、ボルタは右から3番目の獣舎の中にいて、飼育員と同じスペースにいることはない。
しかし5日朝、飼育員がキーパー通路と呼ばれる飼育員の作業スペースから一番左の獣舎とアニマル通路と呼ばれる場所を通り展示スペースに出ようとしたところ、獣舎から出ているボルタと遭遇。
その後、キーパー通路の隅で襲われているところを発見され、助けに入った2人も次々と襲われたという。
獣医師がボルタを麻酔銃で眠らせ、襲われた飼育員を救助した。
人に危害を及ぼすおそれがある特定動物の専門家白輪剛史さん:
「(トラは)イレギュラーなことがあって、普段だったら絶対目の前にいない人間がいて、本能的に目の前にいる人間を襲ったということですね。」
那須サファリパークは、襲われた3人の詳しいけがの状態は分かっておらず、しばらくは休園するとしている。
また、ボルタについては、「トラが悪いわけではない」として、今後の展示内容について検討したいとしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c41cd14f044276530cf0e4ebfc0a880fdecabe5f
1月6日0時31分にYAHOOニュース(FNN PRIME)からは、26歳の女性飼育員は全身を噛まれていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故で、26歳の女性飼育員が全身をかまれ重傷を負い、22歳の女性飼育員も右の手首を失う重傷。
また、男性飼育員も頭などにけがをした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/40e888904322cbcdb467eb1084130b90b267bb84
1月6日7時1分にYAHOOニュース(下野新聞)からは、手首を失った22歳の女性飼育員以外の2人は自力で逃げたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26歳の女性と男性は自力で別室に逃げたが、22歳の女性は逃げ出すことができなかった。
26歳の女性は約3年前からトラの飼育を担当し、22歳女性は主に小動物、24歳の男性は大型動物を担当していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cc1b841804730fc547aa7c04b355c94cc648dd6c
1月6日付で毎日新聞東京版からは、前日の担当飼育員はトラが獣舎に戻ったことを確認せずに獣舎を施錠したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同園は取材に対し、前日の閉園後、トラが獣舎に戻ったかどうかを確認せず獣舎を施錠した疑いがあり、トラが通路に出たままになっていた可能性があると説明した。
前日の担当飼育員は「通路まで戻った様子は確認したが、獣舎に入ったかは分からない」と話しているという。
https://mainichi.jp/articles/20220106/ddm/041/040/035000c
1月5日21時24分に産経新聞からは、マニュアルでは「トラを飼育スペースに入れ柵が下りているのを確認する」となっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同園の葛原支配人によると、飼育スペースと通路は、柵を隔てて隣り合っている。
マニュアルでは、展示終了後はトラを飼育スペースに入れて、柵が下りているのを確認する。
だが、4日は確認していなかったという。
トラは通路に残ったまま5日を迎えたとみられる。
https://www.sankei.com/article/20220105-S5LYYIHIOVOJXJD62GLKL6TYHQ/
1月6日9時15分に下野新聞からは、マニュアルでは屋外通路を通ることになっているが凍結していたためアニマル通路に入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
マニュアルでは、トラを獣舎に戻した時間を記録することになっているが、前日の4日の担当者は「通路に入れたが、獣舎に入れたかは記憶にない」と話しているという。
獣舎内には4日夕方に与えた餌が残っており、トラは獣舎に入らないまま5日を迎えた可能性が高いという。
また、マニュアルでは展示場の点検を行う際、安全確保のため、屋外の通路を通ることになっているが、飼育員は屋外が凍結していたため、アニマル通路に入ってしまったという。
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/540194?relatedarticle
1月9日付で毎日新聞東京版からは、今回襲われた3か所の説明図付きで過去2回の事故の概要などが下記趣旨でネット配信されていた。
マニュアルでは、獣舎にいるか目視で確認することになっているが、前日担当した20代の男性飼育員はしていなかったという。
県の立ち入り調査では、獣舎内のエサは手つかずの状態で、トラ用通路にはトラのふんが落ちていた。
トラは獣舎のエサも食べられないまま通路で一晩を過ごし、翌朝になって飼育員と出くわしたとみられる。
同園では1997年と2000年にも、飼育員がライオンにかまれる事故が起き、当時の園長らが労働安全衛生法違反容疑で書類送検された。
いずれも飼育員への教育が徹底されていなかったことが事故を招いたとされる。
97年の事故では、飼育係2人が遮断扉を閉めずにエサの準備を始め、飛び出してきたライオンにかまれ重軽傷を負った。
1人は実習生で経験も乏しかったが、作業手順について十分な指導を受けておらず、事故防止マニュアルも備えていなかったという。
00年は清掃中の男性従業員がライオンにかまれた。
元副支配人らは、ライオンがおりから飛び出した際の応急措置などの教育を怠っていたとされる。
97年の事故を受けて「飼育マニュアル」を作成していたが、厳密には守られていなかったとして、大田原労働基準監督署が書類送検した。
みたび事故が繰り返されたことについて、同園の葛原支配人(46)は、「緊急時用など最新のマニュアルを用意し講習もしていたが、ヒューマンエラーが重なった。トラが獣舎にいることを確認すれば防げたはずで、ミスがあっても対応できる体制を整備していく必要がある」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20220108/k00/00m/040/152000c
(ブログ者コメント)
詳細不明だが、「これまで何回かアニマル通路を通ったことがあるが問題はなかった」といった過去の成功体験、あるいは「トラが通路にいるはずはない」といった思い込みなどがあったのかもしれない。
(2022年1月13日 修正1 ;追記)
2022年1月12日17時18分にNHK栃木からは、前日の担当飼育員はマニュアルの手順にない雪かきを行っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受けて、動物園などで作る日本動物園水族館協会が、再発防止策を検討するため10日、現地調査を行ったことが関係者への取材でわかりました。
現地調査の結果、前日の担当飼育員2人は、当時、おりのある建物周辺に雪が積もっていたため、業務マニュアルの手順にない雪かきを行っていたことが新たにわかったということです。
日本動物園水族館協会は、普段行わない除雪作業に追われてトラがおりにはいったかどうか確認が不十分になったとみて、事故原因と再発防止の指針を近くまとめ、全国の動物園やサファリパークに注意喚起する方針です。
現地調査を行った「日本動物園水族館協会」の辻本安全対策委員長は12日、NHKの取材に応じ、通常の手順にない除雪作業を行ったことが事故の大きな背景になったという見方を示したうえで、「過去の事故をみても、通常の手順とは違う作業が生じることで動物を収容し忘れるというケースがあった。こうしたヒューマンエラーを事故につなげない取り組みが必要だ」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20220112/1090011378.html
(2022年1月19日 修正2 ;追記)
2022年1月18日6時51分に読売新聞からは、調査報告書がまとまった、トラの収容は2人で行う決まりになっていた、飼育員はトラ舎を通らないことが前提だった、事故時の対応にも課題ありなど、下記趣旨の記事が、獣舎内の写真と事故当時の詳細な状況説明図付きでネット配信されていた。
日本動物園水族館協会(東京)は17日、調査報告書をまとめ、「基本的な安全確認作業の不徹底」が要因だと指摘した。
施設側の説明からも、2人で行うトラの収容を事実上1人で行うなど、マニュアルや基本ルールに反した行為が重なり、事故に至った様子が浮かび上がる。
施設によると、獣舎の扉は、トラの立ち入らない従業員通路からワイヤを使って開閉する。
収容する際、飼育員がワイヤで扉をつり上げ、トラが鉄格子の獣舎の中に入るのを目視で確認した後、扉を下ろす。
施設のマニュアルでは、この作業を2人で行う決まりになっていた。
事故前日の4日夕方、トラの収容作業を男性飼育員2人が担当。
トラを通路まで入れた後、1人は別の作業のためトラ舎の建物を離れ、もう1人に獣舎への餌入れや収容作業を任せた。
5日朝の開園前、この日の担当の女性飼育員が、展示スペースの安全を確認するため、トラ舎内の空いた獣舎を抜けようとしたところ、雄のトラ「ボルタ」と鉢合わせした。
飼育員がトラ舎を通り抜けて展示スペースに出ることも、本来は想定されていなかった。
建物の外を回る通路があり、飼育員はトラ舎内を通らないのが前提だったという。
だが、施設によると、飼育員がトラ舎内を通り抜ける行為は、事故以前にもたびたびあったようだ。
協会の調査報告書では、トラが獣舎の中にいるかどうか、目視が徹底されていなかったことに言及。
出入り時の基本的な安全確認が不十分だったとし、全国の加盟施設に再発防止を呼びかける通知を出した。
このほか、事故発生時の対応も課題として挙げられた。
女性飼育員の悲鳴を聞いて駆けつけた飼育員2人も相次いで襲われ、二次被害につながったからだ。
協会の坂本・安全対策部長(61)は、「仲間を助けようとする気持ちはよく理解できる」としたうえで、「麻酔でトラが動かなくなるまで、遠くから水をかけて気を引くなどの方法もあった」と指摘した。
県警は、複数の過失が重なり事故につながったとみて、業務上過失傷害の疑いで捜査を続けている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220117-OYT1T50242/
(2022年1月22日 修正3 ;追記)
2022年1月20日9時49分にYAHOOニュース(とちぎテレビ)からは、報告書は関係施設のみ閲覧可能など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本動物園水族館協会では、会員の全国の動物園と水族館合わせて139の施設だけが閲覧できるホームページ上に調査報告書を掲示して情報共有し、事故が2度と起こらないように再発防止を呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/180e7a3d83bc9292243fe75896dfc0f7d6c26884
(2022年6月11日 修正4 ;追記)
2022年6月10日12時28分にYAHOOニュース(デイリー)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2022年6月8日、ボルタは誕生日の翌日に心不全で死亡した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b51cd38b6184d2ce0ecc6c47fe424ddaf8b89ed6
(2023年5月12日 修正5 ;追記)
2023年5月11日21時54分にYAHOOニュース(下野新聞)からは、安全教育や安全管理を怠ったとして関係者が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大田原労働基準監督署は11日、飼育手順マニュアルの順守など安全衛生教育を怠ったとして、労働安全衛生法違反の疑いで園の運営会社「東北サファリーパーク」(福島県二本松市)と現場責任者の男性支配人(48)を宇都宮地検に書類送検した。
送検容疑は、園の従業員に対し、安全や衛生のための教育をせずに動物の飼育作業を行わせ、22年1月5日朝、トラ展示場への安全な通路を設けずに、展示場の柵を点検させた疑い。
同労基署によると、飼育手順マニュアルの順守や、万が一襲われた際の退避法など、安全衛生に関わる教育が不十分だったという。
園などによると、事故前夜、トラを獣舎に収容する際に、マニュアルで定められた2人ではなく1人で作業していた。
事故当日も含め、使用が想定されていないトラ用の通路を通ることも常態化していた。
事故は同年1月5日午前8時半ごろ、ベンガルトラ舎で発生。
開園前の準備でトラ舎に入った女性飼育員がベンガルトラの「ボルタ」に襲われ重傷を負った。
助けに駆け付けた飼育員2人も襲われ負傷した。
事故を巡っては、県警が今月2日、安全管理を怠ったとして、業務上過失傷害の疑いで男性支配人ら計6人を書類送検している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ef23d237a44ecf9a5ab12d72aaba87235a14490
2021年12月11日11時51分にYAHOOニュース(BBC NEWS JAPAN)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
自転車の世界大会ツール・ド・フランスで、沿道にいた女性が突き出したプラカードが選手に接触し、多数の選手が絡む転倒事故につながった件について、フランスの裁判所は10日、この女性に1200ユーロ(約15万4000円)の罰金を科した。
事故はツール・ド・フランス初日に発生。
第1ステージのゴールまで45キロの地点で、走行していたトニー・マルティン(ドイツ)に、沿道にいた女性のプラカードが接触した。
マルティンは転倒し、後続の多くの選手も次々に転んだ。
大会史上、最悪規模の事故とされている。
AFP通信によると、プラカードを掲げていた31歳の女性は、事故後、インターネット上で攻撃されたため、現在は身元が隠されているという。
さらに、フランスの自転車競技協会に対する象徴的な1ユーロの支払いも命じられた。
【接近する選手を見ずに……】
事故の様子が映った動画は、インターネットで広く拡散された。
動画では、黄色のコートを着た女性が、フランス語で「がんばれ」、ドイツ語で「おばあちゃんとおじいちゃん」と書かれたプラカードを手にし、コースの中へ突き出している。
接近してくる選手たちは見ていなかった。
ツイッターには、「これまで見た中で最悪のツール・ド・フランスの事故だ」とするコメントとともに、上空から撮影したとみられる動画が投稿された。
https://twitter.com/cyclingreporter/status/1408790550195625984
この事故で、選手2人が大会を途中棄権せざるを得なくなり、8人が医師の治療を受けた。
ブレストからランデルノーまでの第1ステージは5分間中断され、主催者側は絡み合った自転車や選手たちの対応に追われた。
また、その後、この事故で両腕を骨折したマルク・ゾレル(スペイン)など、複数の選手がレースから脱落した。
女性は事故から数日後、警察に出頭した。
【テレビに映るためではなく、選手を見に来て】
検察当局は当初、この女性が他人の命を危険にさらし、過失致傷を起こしたとして、執行猶予付きで禁錮4カ月を求刑していた。
一方で事故発生以降、ツール・ド・フランスのクリスチャン・プリュドム・ディレクターは、温情を示してきた。
10月には、「この女性は愚かなことをしたが、決してテロリストではない」と発言。
「ツールを見に来た時には注意してほしい、テレビに映るためではなく、選手を見に来たことを忘れないでほしい」と語った。
(英語記事 Woman fined €1,200 for Tour de France pile-up)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e70bc7c7b0215232463d8cf6cde2e5ada2908064
※事故当時の報道は下記参照。
(2021年6月27日11時48分 HUFFPOST)
上空からの映像では、倒れた自転車と、体勢を立て直そうとする選手たちでコースが埋め尽くされているのが見て取れる。
フランスで始まった世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスでまさかの事態が起きた。
看板を手に、沿道からコースに飛び出した観客と選手が接触し、大規模な落車になってしまったのだ。
第108回目となるツール・ド・フランスは現地時間の6月26日に開幕した。
しかし、初日の第1ステージで大規模な落車が発生。
その原因となったのは一人の観客だった。
大会公式Twitterが載せている動画に、その瞬間が記録されている。
看板を手にコースへ乗り出し、カメラの方向へ微笑む観客。
そこへ後ろから走行してきた選手が接触し転倒すると、そのまま他の選手たちも将棋倒しになってしまった。
上空からの映像では、倒れた自転車と、体勢を立て直そうとする選手たちでコースが埋め尽くされているのが見て取れる。
また、破損した自転車や、腕から出血しながらもレースを続行する選手の姿もあった。
CBSスポーツによると、ファンが手にした看板には祖父母に宛てたメッセージが書かれていたという。また、この観客の行方はわかっていないという。
大会の公式Twitterは英語で、「観客が沿道に来てくれることを嬉しく思いますが、ツアーの成功のために選手の安全へ敬意を示してください。写真やテレビに映るためのリスクを犯さないでください」と呼びかけた。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60d7de74e4b06c8105d68913
(ブログ者コメント)
本ブログでは過去に、ニューイヤー駅伝で先頭を走っていた選手の前に観客の犬が飛びだして選手が転倒し順位にも影響した事故や、京都の高校駅伝でコースを車が横切り、あわや選手と接触、といった事例を紹介している。
2021年12月6日22時28分に読売新聞(テレビ大分)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日夕方、大分市のスイミングスクールの敷地内で、男の子が鉄柱に登っていたところ、鉄柱が根元から倒れて転落しました。
男の子は頭を強く打っています。
警察によりますと、6日午後5時ごろ、大分市のスイミングスクールの敷地内で「建物の看板が倒れてけがをしている子どもがいる」と、通行人から119番がありました。
倒れていたのは小学生の7歳の男の子で、頭を強く打ち、意識不明の重体で病院に搬送されましたが、容体は快方に向かっているということです。
倒れた鉄柱は高さおよそ3メートル、幅およそ5メートルの格子状のものです。
警察では、ひとりで鉄柱に登っていたところ、鉄柱が根元から倒れ、男の子が地面に転落したとみて、詳しい状況を調べています。
https://www.ytv.co.jp/press/society/125784.html
12月6日21時9分に朝日新聞からは、男児はこのスイミングスクールに通っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
署によれば、倒れたのは看板を設置するための枠組みで、縦約3メートル、横約5メートル。
スイミングスクールの施設内にあり、男児はこのスイミングスクールに通っていて、枠組みに登って遊んでいる間に倒れたとみられるという。
https://www.asahi.com/articles/ASPD66X5SPD6TPJB00T.html
12月6日22時4分に産経新聞からは、男児は命に別条がない状態に回復したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県警によると、男児は搬送時意識不明の重体だったが、治療を受け、命に別条がない状態に回復した。
敷地内にある鉄柱を組み合わせた縦約3メートル、横約5メートルの看板の支柱が根元から折れていた。
男児は支柱に登って遊んでいたといい、県警は、折れた支柱が当たったか転落時に頭を打ったとみて調べている。
現場はJR日豊線鶴崎駅の南約1キロの、住宅や飲食店が立ち並ぶ地域。
https://www.sankei.com/article/20211206-3ZFERNJF5NMXFBTJFDD6PDRRJU/
12月7日20時1分にYAHOOニュース(テレビ大分)からは、男児は上にどんどん登っていった、館内は業者点検していたが看板は職員が目視点検しているだけだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
目撃した人は 「上にどんどん登っていった。頭から先に倒れた。血はあった。頭から、あと、手にもあった」
倒れる前の画像では、鉄柱は高さおよそ3メートル、幅およそ5メートルあり、古くなってさびているのが分かります。
施設の責任者などが7日、TOSの取材に応じました。
「館内は業者による点検を行っていたが、倒れた看板は職員の目視のみの点検だった」
「20年から25年ほど前に設置したもので、子どもが登ることは想定していなかった」
「2度と事故が起こらないような対策をとっていきたい」
と話していました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/31d085b8cd4d72f68d7b53d6b5549523bccfb1ea
12月7日19時18分にYAHOOニュース(大分放送)からは、市では看板設置を許可制にしているが今回のは表示物がないので対象外だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市では、安全面や景観保全の観点から屋外広告物に関する条例が制定されていて、看板などを設置する際には、市長の許可が必要です。
しかし、6日の支柱はー
「今回は表示物がないので広告物というわけにはならないんですよ。ということは、看板かどうかっていうと?看板ではないということになります」
敷地内に広告物を設置する場合、高さが4メートル、表示面積が5平方メートルを超えるものは原則として市に申請をしなければなりません。
しかし、今回は表示物がなかったため屋外広告物とは認定されず、申請の必要はありませんでした。
「設置される方以外は、ぜひとも安全点検、念には念を入れるという形でやっていただければと考えております。お問い合わせいただければ適切に対応させていただきたいと思います」
今回の事故を受け大分市は7日、看板などの広告物を再度点検するようホームページ上で呼びかけ、同じような事故の防止に努めてほしいとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/df01a0622700cdd182250c2eb6101806c8528624
12月8日18時33分にNHK大分からは、支柱は10年ほど前から使われない状態で去年から撤去が検討されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
支柱は20年余り前にスポーツ施設が設置したもので、ここ10年ほどは使われずに放置された状態だったことが、施設への取材で新たにわかりました。
支柱は折れた根元部分を中心にさびが確認されていて、施設では去年から撤去することを検討していたということです。
施設の責任者は、NHKの取材に対し「早く処分しておけばこんなことにはならなかった。申し訳なく思っています。2度とこうした事故が起きないよう、対策に取り組んでいきたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20211208/5070011422.html
2021年11月24日18時15分に産経新聞から下記趣旨の記事が、ドア取っ手の写真付きでネット配信されていた。
富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)は24日、10代の女性客2人が乗車する大観覧車のゴンドラのドア、鍵を閉め忘れ、ドアが開いたままの状態で1周させるトラブルが起きたと発表した。
乗客のけがや落下物はなかったものの、ゴンドラが高さ50メートルまで上昇する中のトラブルで、会見した岩田社長は、「乗客の方に極めて怖い思いをさせるなどし、おわびします」と謝罪した。
本来は、ゴンドラに客が乗り込んだ後、係員がドアを外から閉め、鍵をかけるが、今回、係員がその場を離れてしまったという。
発覚後、その係員にヒアリングしたものの、パニック状況となっており、会社として、なぜ今回の事故に至ったかは把握ができないという。
今回の事故を受け、安全にかかわる設備点検や営業マニュアルの再確認が取れるまで、大観覧車の営業を停止する。
このほか、安全点検が終了するまで、観覧車以外の7つのアトラクションも営業を停止することを決めた
ハイランドでは、ジェットコースター「ド・ドドンパ」の乗客で人身事故が相次いでいるため、大学教授などの専門家による第三者委員会による総合的な安全対策を進めるなど、信頼回復に向けた取り組みを進めていた。
https://www.sankei.com/article/20211124-IVQLITSATJPSJDGKK4JA5IIMQM/
11月24時20時41分に毎日新聞からは、ドアを閉めた後に施錠しなかった場合は安全ブザーが鳴るが、今回はドアを閉めていなかったため鳴らなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、午前9時55分ごろ、大観覧車が約12分かけて1周し終え、停車位置で止まったところ、降車担当の係員がドアが全開になっていることに気付いた。
乗客がゴンドラ内のベンチに座ると乗車担当の係員がドアを閉め、外側から施錠して発車する仕組みになっていたが、乗客からの聞き取りでは、乗車係は閉めずに、そのまま立ち去ったという。
乗車係は気が動転しており、同社の聞き取りに応じられない状態だという。
大観覧車の32基のゴンドラには、シートベルトはない。
ドアを閉めていなかったゴンドラは4人乗りだった。
ドアを閉めた後に施錠しなかった場合は安全ブザーがなるが、閉めていなかったため、ブザーは鳴らなかった。
今後は、乗客が異変に気付いた時は緊急停止するシステムを取り入れるという。
大観覧車は1995年に導入され、2009年にもドアを閉めた後に施錠し忘れた事案があり、安全ブザーを導入した。
岩田社長は、「ヒューマンエラーは常に起こる可能性があることを従業員に徹底させ、再発防止に努めたい」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20211124/k00/00m/040/132000c
11月24日21時6分に朝日新聞からは、乗車係、降車係、交代要員の3名ともに気付かなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、同日午前9時55分ごろ、10代の女性客2人がゴンドラに乗車した際、係員が扉を閉め忘れたまま持ち場を離れたという。
ゴンドラは、そのまま約12分かけて1周。
戻ってきた際に係員が扉が開いていることに気づいたといい、利用客は「自動で閉まると思っていた」と話しているという。
観覧車には乗車係、降車係が各1人と交代要員1人の計3人が配置されているが、いずれも気づかなかったという。
https://www.asahi.com/articles/ASPCS6QP2PCSUTIL03Y.html
(2022年2月28日 修正1 ;追記)
2022年2月25日21時1分に毎日新聞からは、順番待ち男児の危険行為対応に追われドアを閉め忘れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士急ハイランドの乗客に骨折などの負傷が相次いだ問題で、安全管理体制などを調査している第三者委員会が25日に記者会見した。
21年11月に発生した、客2人が乗った大観覧車(高さ約50メートル)でゴンドラ1基のドアが全開の状態で1周した事案では、ドアを閉めなかったゴンドラの乗客の後に順番待ちしていた親子の男児に、ホームと待ち列を区切る鎖にぶら下がるなどの危険行為があり、係員が対応に追われドアを閉め忘れたことが判明した。
第三者委は「単なるスタッフのミスとしてとどめるべきでない」などと指摘し、担当者の人数や役割分担の再検討などを求めた。
https://mainichi.jp/articles/20220225/k00/00m/040/324000c
2021年11月18日5時0分に北日本新聞から、下記趣旨の記事が駐車場の写真付きでネット配信されていた。
11月から新型の乗用車や軽自動車への衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の搭載義務化がスタートし、各自動車メーカーが取り組みを進める中、入善町の販売会社で17日、安全運転サポート車(サポカー)機能の実験中に男性がはねられ重体となる事故が起きた。
交通事故減少につなげるためサポカー普及を目指す富山県警は、22日に県内の業界団体と連携協定を結ぶ矢先の事故となり、関係者の間に動揺が広がった。
17日午後0時6分ごろ、入善町入膳のN自販駐車場で、サポカー機能の実験中だった同社社長西川さん(男性、72歳)が、実験に使用していた軽自動車にはねられた。
西川さんはドクターヘリで富山市の富大附属病院に運ばれたが、意識不明の重体となっている。
入善署によると、同社で扱っているサポカーの自動ブレーキ機能の実験、検証作業のため、実物大の車後部の写真をパネルに張り、同社従業員の40代男性がパネルに向かってサポカーを運転していたところ、サポカーが止まらず、パネルと一緒に裏側にいた西川さんをはねた。
事故を目撃した従業員によると、パネルは自立式となっていたが、西川さんはパネルの裏側で支えるような格好をしていたという。
同署は、事故原因はさまざまな可能性が考えられるとし、「現時点で原因は分からず、メーカーを含め、あらゆる観点から詳しく調べる」としている。
県内の自動車ディーラーの関係者によると、一般的にサポカーの運転マニュアルには、自動ブレーキが作動しない可能性があると記載されている。
メーカー各社で作動条件は異なるが、危険な時に100%止まるわけではないという。
今回の事故で自動ブレーキが作動しなかった原因の一因として、前方を撮影するカメラのレンズに汚れが付着していた可能性を指摘する。
日光がレンズに差し込む角度によって障害物を認識できないこともあるとした。
この関係者は、人為的なミスの可能性にも言及した。
車種によっては、自動ブレーキが作動するタイミングでドライバーがブレーキを踏んだ場合、自動ブレーキが解除されることがある。
ドライバーの操作が優先される設計となっていることが一般的という。
このほか、実験時の走行速度が規定値を超えていたため作動しなかった可能性もあると指摘。
その上で、車のシステムや設計ミスが原因とは考えにくいとの見方を示した。
事故防止のため自動ブレーキの性能をアピールする実験を禁止しているメーカーもあるとした。
県警は22日、サポカー普及による高齢ドライバーの交通事故防止を目指し、県自動車販売店協会と県軽自動車協会の2団体と連携強化のため、協定締結を予定している。
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/583237
11月18日11時47分にFNN PRIME(富山テレビ)からは、サポカー対象の車両のチェックを終え、別の車を試したところ事故が起きたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日正午ごろ、富山・入善町入膳の自動車販売店の駐車場で、従業員が軽自動車の衝突防止自動ブレーキを試すため、パネルをめがけて走らせたところ、車はそのまま衝突した。
この衝突で、パネルを支えていたとみられる、社長の西川さん(72)がはねられ、意識不明の重体。
この店は、地元の町が開く、自動ブレーキを備えた、いわゆる“サポカー”の体験会に車両を提供するため、対象の車両のチェックを終え、別の車を試したところ、事故が起きたという。
https://www.fnn.jp/articles/-/272269
2021年11月11日10時27分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
香川県小豆島町の道の駅で飼育されていたヤギに襲われ、大けがを負ったのは、施設側の安全管理が不十分だったのが事故の原因として、県内の女性(46)が施設を管理する町を相手取り、慰謝料など約530万円の損害賠償を求める訴訟を高松地裁に起こした。
10月18日付。
訴状によると、女性は2019年7月25日、道の駅「小豆島ふるさと村」内の公園を孫と散策していた際、施設が飼育するヤギに孫が突き飛ばされたため、助けようと近づいたところ、女性もヤギの角で投げ飛ばされ、左前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負った。
女性は、敷地内に注意の呼びかけが掲示されていたが、「事故現場からは見えにくく、気づくことは困難だった」と主張している。
町は取材に、「訴訟継続中のためコメントを控える」とした。
https://www.asahi.com/articles/ASPCC360BPCBPTLC018.html
11月11日14時52分にNHK香川からは、ヤギは雑草などを取り除くためロープでつないだ状態で飼育されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
町によりますと、事故のあった場所では雑草などを取り除くためにやぎをロープでつないだ状態で飼育し、近くにはやぎへの注意を呼びかける注意書きが貼られていたということです。
一方、女性側は、けがをさせたやぎは、他の来場者からも鑑賞の対象とされていて、注意書きも見えにくい位置にあったため気付くことが難しかったとして、自身の過失はなかったと主張しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20211111/8030011500.html
11月10日15時0分に読売新聞からは、施設側は事故を受けて柵を設置し、餌やり体験も取りやめたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
町などによると、ヤギは当時、数匹がロープにつながれた状態だったが、事故を受けて柵を設置し、来場者向けの餌やり体験も取りやめた。
ヤギとのふれあい体験を実施している施設は各地にあり、天王寺動物園(大阪市)や神戸市立六甲山牧場などは、人に危害を与える恐れがあるとして、柵越しに行っているという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211110-OYT1T50133/
(ブログ者コメント)
〇注意を呼び掛けていた貼り紙など、本件に関する現場写真は見つからなかったが、当該施設内のヤギを紹介する別報道中、杭にロープで繋がれたヤギの写真が掲載されていた。
今回、事故が起きた場所かどうかは不明だが・・・。
(2020年5月13日 FM香川)
http://shimaradio.seesaa.net/article/474978524.html
〇上記報道の4日後、たまたま、ヤギとふれあう催しが開かれたというニュースを目にした。
ヤギをどのように取り扱っているのか気になり、見てみたところ、飼育担当者?がずっとヤギの首輪を握っていた。
(2021年11月14日16時55分 NHK静岡)
子どもたちに、ヤギとのふれあいを通して自然の循環や命の大切さについて考えてもらう催しが、富士宮市で行われました。
この催しは、ヤギを通した環境教育に取り組んでいる富士宮市の市民団体が開いたもので、市内の会場には、地元の小中学生やその保護者23人が集まりました。
14日は、まず、里山の生態系に詳しい常葉大学の山田辰美名誉教授が講演し、「最近では学校教育の現場でも、生き物と触れ合う機会が減っています。体温を感じられる生き物とのふれあいを通じて、命の大切さを知ってほしい」と述べました。
続いて子どもたちは、近くの草むらで市民団体が飼っている2頭のヤギへのエサやりを体験しました。
市民団体によりますと、ヤギは除草が必要な雑草を食べてくれるほか、ふんは肥料になるということで、子どもたちは自宅から持ってきた野菜くずを与えて、自然の循環について学んでいました。
参加した小学3年生の女子児童は、「もっと勉強して、自然について詳しくなりたいと思いました」と話していました。
催しを企画した市民団体の代表の望月さん(女性)は、「ヤギとのふれあいを通して、子どもたちに、自然の底力を感じてほしい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20211114/3030013951.html
2021年10月29日付で毎日新聞兵庫版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三田市の三田天満神社で2014年、17人が死傷しただんじり事故を巡り、負傷した女性が運行責任者らに約5600万円の賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁(久保井恵子裁判長)は、運行責任者だった当時の区長2人の過失を認定し、2人と自治会に計約1360万円の賠償を命じた。
判決は26日付。
事故は14年10月5日夕、秋祭りで地元自治会が運行するだんじりが、境内の手洗い場を囲う建物に衝突。
屋根(重さ約1・4トン)などが落下し、1人が死亡、16人が重軽傷を負った。
女性は頭を縫うなど傷を負った。
判決は、だんじりの前後で進路進行を指揮していた区長2人が建物を認識しており、事故を予見できたと指摘。
ブレーキをかける担当者に指示してだんじりを止める対応を取らず、「注意義務に違反する」と認定した。
その上で、2人が代表者だった2自治会も連帯責任を負うとした
https://mainichi.jp/articles/20211029/ddl/k28/040/265000c
10月27日20時30分にYAHOOニュース(神戸新聞)からは、死傷した17人は見物客らだった、原告女性は落下した屋根で頭を打った、だんじりの引き手らの過失は否定されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県三田市の三田天満神社で2014年10月、見物客ら17人が死傷しただんじりの事故で、負傷した同市の女性がだんじりの運行責任者らに賠償を求めた訴訟の判決が神戸地裁であり、久保井恵子裁判長は27日までに、運行責任者らに1359万円の支払いを命じた。
事故は14年10月5日、同神社の祭りで発生。
進行中のだんじりが境内の建物にぶつかり、倒壊した屋根の下敷きになるなどして1人が死亡、16人がけがした。
判決によると、原告の女性は落下した屋根で頭を打って負傷し、治療のため休業するなどした。
判決で久保井裁判長は、だんじりの前後から運行を指揮した男性2人=15年に業務上過失致死傷罪で罰金の略式命令=と、地元自治会の賠償責任を認定。
2人には、だんじりの進路から建物との衝突を予見でき、事前に停止を指示する注意義務があったとした。
原告側の請求額は5597万円だったが、地裁は女性の負傷や休業の実態を踏まえ、減額を判断。
建物を管理する神社や、だんじりの引き手らの過失は否定した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202110/0014796458.shtml
10月28日14時19分に読売新聞からは、原告女性は屋根が落ちた手水舎の近くで見物していたなど、下記趣旨の記事が落下した屋根の写真付きでネット配信されていた。
兵庫県三田市天神の三田天満神社で2014年10月に開かれた祭りのだんじりが手水舎に衝突して屋根が落ち、見物客が巻き込まれた事故で、けがをした女性が自治会役員らに約5600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、地裁であった。
久保井恵子裁判長は一部の役員らの過失を認め、約1360万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は手水舎の近くで祭りを見物していて事故に巻き込まれ、頭を縫うけがを負い、背骨が変形するなどの後遺症が残った。
久保井裁判長は、だんじりの前方と後方で誘導や進路の確認をしていた自治会役員2人について、「指示を出して止めることは可能だった。運行責任者として過失が認められる」と指摘。
自治会も連帯責任を負うと判断した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211028-OYT1T50070/
2017年5月1日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7053/
(2021年11月4日 修正2 ;追記)
2021年10月28日13時34分にYAHOOニュース(山陽新聞)からは、オイル漏れは資格を持っている運転手が自ら整備した際の配管ミスだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県美作市滝宮の岡山国際サーキットで2017年4月、練習走行中のオートバイ7台が相次ぎ転倒して2人が死亡、5人が重軽傷を負った事故で、岡山県警捜査1課と美作署は28日、運転していたオートバイからエンジンオイルを散布して事故を誘発したとして、業務上過失致死傷の疑いで高知市、オートバイ販売店経営の男性(50)を書類送検した。
これまでの調べで、7台はコース上のオイルでスリップするなどして転倒したとされていた。
その後の捜査で、男性のオートバイのエンジン部分で配管ミスが分かり、オイル漏れの原因と特定。
整備士資格がある男性が自ら整備しており、県警は適正に整備していれば事故を防げたと判断した。
書類送検容疑は、17年4月24日午前9時ごろ、整備不良によりコース上にオイルを散布し、後続車を転倒させ、男性2人=当時38歳と42歳=を死亡、男性3人=当時24~50歳=に全治約2~3カ月の骨折などの重傷を負わせた疑い。
容疑を認めている。
県警によると、ミスは事故の約1カ月前の整備で起きたとみられ、練習走行直前の点検でも整備不良に気付かなかったという。
事故はコース北部にあるやや下りの緩やかなS字カーブ付近で発生。
他に2人がけがをした。
事故を巡り、サーキットの安全管理に不備があったとして、男性2人の遺族らがサーキットの運営会社などに総額約3億5千万円の損害賠償を求める訴えを岡山地裁に起こし、係争中。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a10551b3f43482f2f4b4e01454d6a55ef19e6eb3
※4年前、2017年9月12日付で毎日新聞岡山版からは、部品が逆向きに取付けられていた、当時の監視カメラに霧状にオイルが漏れているバイクが映っていたなど、下記趣旨の記事が部品取り付け場所の写真付きでネット配信されていた。
美作市滝宮の岡山国際サーキットで4月、大型オートバイが転倒して7人が死傷した事故で、オイル漏れを起こしたとみられる先行のオートバイのエンジンに通常とは逆向きで部品が取り付けられていたことが関係者への取材で分かった。
部品を逆向きに付けて走行すると、エンジンオイルが漏れやすいとされる。
県警は、このオートバイを押収して検証を進めるとともに、メーカーなどから事情を聴いて事故原因との関連を調べている。
部品は「内圧コントロールバルブ」と呼ばれ、約10~15センチのアルミ製。
オートバイの整備会社などによると、ピストンの上下運動を回転運動に変えるエンジン構成部品の一つ「クランクシャフト」が収められている「クランクケース」に取り付ける。
ケース内の気圧を低く保たせる効果があり、エンジンが軽く回るようになってスピードが出やすく、燃費も良くなる。
ところが、オイル漏れを起こしたとみられるオートバイは、この部品が本来の向きとは逆向きに取り付けられていたという。
内圧コントロールバルブは価格が3万~5万円程度。
一般的な工具で取り付けることができ、十数年前から市場に出回るようになった。
逆向きに付けると、ケース内の圧力が下がらずに気圧が過剰に高まるため、白煙が出たり、点検窓からエンジンオイルが漏れたりする原因になりやすいとされる。
1000~2000キロの走行でバルブの内部を洗浄する必要があるが、その際に付け間違いが起きやすいという。
二輪車メーカー大手「川崎重工業」(本社・神戸市)は、「新車には付いていない部品だが、向きを間違えるとトラブルの原因になる可能性が高い」と指摘する。
また、兵庫県の男性整備士は、「逆向きにつけたまま走り続けると、いつかオイルは漏れる。部品に向きも表示されているが、劣化と共にその表示も消えてしまう。先端の形状を変えるなどの対策が必要だ」と訴えている。
事故は4月24日、コース(全長3・7キロ)の緩やかなS字カーブで発生。
練習走行中の大型オートバイ7台が次々に転倒し、42歳と38歳の男性2人が死亡。
20~50代の男性5人が肋骨(ろっこつ)を折るなど重軽傷を負った。
事故発生の直前、転倒した7台より先行していたオートバイから霧状にオイルが漏れているのがサーキットの監視カメラに映っていた。
事故後、このオートバイのエンジンオイルが半分以下に減っていたことも判明。
コース上に広がっていた液体が、エンジンオイルと一致したという。
地面に漏れたオイルで後続のオートバイがスリップした可能性があり、県警が捜査を進めている。
https://mainichi.jp/articles/20170912/ddl/k33/040/670000c
(2022年1月5日 修正3 ;追記)
2021年12月27日21時28分にYAHOOニュース(山陽新聞)からは、オイル漏れをすぐに旗で表示しなかったのは問題だとした遺族訴訟で和解が成立したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
サーキットの安全管理に不備があったとして遺族らが運営会社(同所)などに総額約3億5千万円の損害賠償を求めた訴訟は、岡山地裁(奥野寿則裁判長)で和解が成立した。
27日、原告側弁護士が明らかにした。
和解は20日付で、運営会社が原告7人に総額約1億3500万円の和解金を支払う内容。
訴状などでは、先頭の1台から漏れたオイルで後続車両がスリップするなどして転倒。
男性2人が死亡、5人が重軽傷を負ったとされる。
原告は、サーキット側が現場付近に監視員を配置していればオイル漏れを知らせる旗をすぐに表示でき、事故は回避できたと主張していた。
原告側によると、和解条項で地裁は、「運営会社には旗の不掲示に関する義務違反がある」と指摘した。
岡山市内で会見した原告側弁護士は、「事実上の勝訴だが、被告は謝罪に応じておらず、原告の心が晴れるものではない」と話した。
被告側弁護士は取材に「特にコメントすることはない」と述べた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/366a9f553016e703690c0d2bd850912859e19c76
12月28日15時4分にYAHOOニュース(瀬戸内海放送)からは、旗合図の主張が認められたことなどから原告側は和解に応じたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遺族や事故でけがをしたライダーは、監視ポストに人を配置しオイル漏れを旗で合図していれば事故を防げたなどとして、サーキットとその親会社に約3億5000万円の損害賠償を求めていました。
原告側は、旗で合図していれば事故は防げたという主張が認められたことなどから和解に応じ、20日、サーキット側が総額1億3500万円を原告側に支払うことで和解が成立しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b83101846de8dd387401022b671086c20ad862d8
2022年1月4日17時33分にNHK岡山からは、オイル漏れを起こしたバイクを運転していた男性には罰金命令が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津山区検察庁は、前を走っていたオートバイからコース上にエンジンオイルが漏れたことが事故の原因になったとして、12月17日、このオートバイを運転していた男性を、業務上過失致死傷の罪で略式起訴していました。
これを受けて津山簡易裁判所は12月23日、男性に対し罰金70万円の略式命令を出しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20220104/4020011397.html
2021年10月28日9時3分にYAHOOニュース(下野新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県管理の駐車場の段差で転倒しけがをしたとして、東京都在住の男性(64)が栃木県に約550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、宇都宮地裁であった。
浅岡千香子(あさおかちかこ)裁判長は、「駐車場は通常有すべき安全性を欠き、管理に瑕疵(かし)があった」として、県に約97万円の支払いを命じた。
男性は2017年5月、那須町湯本の那須ロープウェイ駐車場内で高さ約5センチのアスファルトの段差「ハンプ」につまずき転倒し、腕や肩をけがした。
ハンプに気付かなかったとして、設置や管理の欠陥を訴えた。
浅岡裁判長は、観光地の駐車場は気分の高揚などで注意力が散漫になるため、ハンプがあることへの周知が求められると指摘。
ハンプが路面と同色だったことや「段差あり注意」の路面標示が薄れていたことから、注意喚起が不十分で安全性を欠いたと認定した。
一方、暴走集団対策としての設置目的や駐車区画への設置には、合理性を認めた。
通常の注意力で転倒回避は可能として、県の過失は2割にとどまるとした。
下野新聞社の取材に対して県道路保全課は、「判決内容を精査し控訴するかどうかを検討したい」とコメント。
事故後、ハンプには色を付け、路面標示を再塗装したという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0203f251b09c0ab1ee074ceaa8c4ab96278eb96
(ブログ者コメント)
グーグルアースの角度を変えれば「段差あり 注意」という表示が読めるし、手前一直線に草が生えているところが段差のようにも見えるので、この場所で転倒したのかもしれない。
2021年10月10日22時32分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後2時半ごろ、兵庫県加東市黒谷の遊園地「Tおもちゃ王国」の男性従業員から、「立体迷路施設の床が抜けて複数の利用客が負傷した」と県警加東署に通報があった。
同署によると、1~38歳の利用客の親子ら3組計7人が立体迷路の3階部分から2階に転落し、ともに20代の男女2人が腰の骨を折る重傷、4人が軽傷を負った。
いずれも意識があり、命に別条はないという。
同署によると、けがをしたのは、腰の骨を折った男性(24)と軽傷の妻(27)、腰の骨を折った女性(27)と軽傷の夫(27)、ともに軽傷の女性(38)と娘(7)の家族3組。
腰の骨を折った男性は娘(1)を抱えたまま転落したが、娘にけがはなかった。
立体迷路は木造5階建ての「カラクリ迷宮のお城」で、2013年にオープンした。
3階にいた7人は木製の床が抜け、約2・4メートル下の2階に落ちたという。
3階の床には長さ約2・3メートル、幅約1メートルの長方形状の穴が開いていたという。
園の担当者は報道陣に「現在、原因究明と被害者のケアに努めています。負傷されたお客様には心よりおわびとお見舞いを申し上げます」とコメントした。
事故を受け、11~14日は臨時休園する。
https://mainichi.jp/articles/20211010/k00/00m/040/137000c
10月10日18時14分にNHK兵庫からは、同施設の概要などが下記趣旨でネット配信されていた。
「Tおもちゃ王国」は、平成12年にオープンしました。
神戸市の中心部から、車で1時間ほどのところにあります。
おもちゃの展示館や観覧車など、およそ20種類のアトラクションがあり、年間に50万人ほどが訪れるということです。
立体迷路施設は8年前から使われ、毎朝点検を行っているほか、新型コロナの感染対策などのため、入り口で利用客の出入りをチェックしていたということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20211010/2020015569.html
10月12日2時18分に読売新聞からは、床板を支える横木の両端が腐食して破損していた、7年前にも同じグループの他の遊園地で同じような事故があった、こういった迷路は規制対象外など、下記趣旨の記事が落下当時のイメージ図付きでネット配信されていた。
県警加東署が11日に実施した現場検証で、床板を支えるために柱にくぎで固定された横木の両端が、腐食して破損していたことが確認された。
迷路には屋根がなく、雨水が入り込む構造だったことが腐食の一因とみられる。
園によると、迷路は「カラクリ迷宮のお城」という名称で、2013年4月に遊具施工販売会社「K社」(千葉県浦安市)が設置。
毎日、開園前に園の従業員が目視で点検しており、事故が起きた10日も異常は確認できなかったという。
迷路の定員は300人で、同署によると事故当時は30~50人が利用。
園の松崎支配人は「強度は大丈夫だと思っていた。心よりおわびする」と謝罪した。
14年には同じグループの「Kおもちゃ王国」(群馬県嬬恋村)で、K社が施工した立体迷路の床が抜け、男女2人が負傷する事故が発生。
床板をつなぐくぎやビスの腐食が原因だった。
今回の事故を受け、使用を見合わせた。
兵庫県や国土交通省によると、ジェットコースターや観覧車などの遊戯施設は、建築基準法で管理者らに維持保全に関する規則や計画の作成が義務付けられている。
しかし、事故が起きた迷路は同法の規制の対象外で、設置や管理について自治体への申請や届け出義務はなかった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211012-OYT1T50100/
10月12日18時53分にYAHOOニュース(TBS NEWS)からは、雨が降ってもブルーシートをかけるなどの対策はとっていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊園地でアルバイトをしていた男性はこう証言します。
元従業員:
「雨の日でも立体迷路にブルーシートを掛けるなどの対応はなかった」
遊園地側に取材すると、雨の日でも立体迷路を覆うなどの対応はとらず、雨ざらしになっていたことを認めました。
警察は、立体迷路の腐食が進んだのは雨水にさらされたことが原因の可能性もあるとみて、業務上過失傷害の疑いで捜査しています。
10月11日20時41分に毎日新聞からは、屋根がないため建築基準法の対象外だった、独自に点検項目を決め毎日2回目視点検していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
立体迷路は従業員が毎日2回、目視で点検し、10日の開園前は異常が確認されなかったという。
屋根がないため建築基準法の適用外だといい、K社や同園が独自に点検項目を決めていた。
県は「基準法の対象となるか今後調査する」としている。
同園は2000年にオープン。
前身の遊園地「Tランド」では1995年、回転遊具から6歳女児が転落死する事故が起きていた。
https://mainichi.jp/articles/20211011/k00/00m/040/246000c
10月12日12時22分にYAHOOニュース(読売テレビ)からは、腐食していたのは目視点検では確認できない場所だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
抜け落ちた3階部分の床の「はり」などに腐食のあとが見つかり、捜査関係者によると、目視の点検では確認できない場所だという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1978eed1c3e152567c89545d6de424fa44d600f
10月14日19時40分にYAHOOニュース(mBS NEWS)からは、月に1度の詳細点検でも異常は見つかっていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
Tおもちゃ王国によりますと、立体迷路では毎日の目視点検に加えて、専門知識を持つ社員ら4人が月に一度、床板の表面や裏側を手で触るなどの細かい点検を行っていたということです。
この検査は10月2日にも実施されていましたが、当時は事故が起きた床に異常は見つからなかったということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/361b6bb44197dc1659c38272c151774dc79ab7bb
10月12日17時41分にNHK兵庫からは、他の同種施設で臨時休業の動きあり、同じような立体迷路でも一部に鉄骨を使い強度を上げている施設もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県のメーカーが製造したほかの施設で臨時休業する動きが出ています。
一方、兵庫県淡路市の遊園地「淡路ワールドパークONOKORO」には、平成25年に完成した3階建ての立体迷路がありますが、点検を行いながら12日も営業を行っています。
遊園地が設計して工事を発注したということで、床や壁は木材でできていますが、強度を上げるため1階と2階の一部に鉄骨を使い、湿気を防ぐため床下にはアスファルトを敷き、壁に隙間をつくり風通しをよくしてあるということです。
遊園地では毎朝、従業員が目で見て床を踏みしめ、木材などが傷んでいないか確認し、月1回の安全点検と、年3回程度、施工業者による点検と補修を行っています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20211012/2020015609.htm
10月17日18時16分にYAHOOニュース(神戸新聞)からは、横木の形状は凸型だった、月に1度従業員がゆがみや腐食の有無を点検していた、メーカー側の検査は3年に1度行われていたなど、下記趣旨の記事が横木のイラスト付きでネット配信されていた。
今回の事故の過失について、立命館大大学院の松宮孝明教授(刑事法)は、「木の腐食が事故原因ならば、点検の指示が問題になる。点検項目に盛り込んでいなければメーカー側、点検をしていなければ施設側の責任だが、どちらも問われる可能性もある」との見解を示す。
遊園地の運営会社は、「点検項目はメーカー側の資料に基づき独自に作成した」と説明。
いずれも目視や歩いて木の音を確かめる方法で、担当者が毎日の始業前後に確認し、メンテナンス専門の従業員が月1度、ゆがみや腐食の有無などを点検していた。
一方、床板を支えていた横木は、目視が難しい位置にあった。
形状は凸型=イメージ図(1)=で一部露出しているが、残りは床板に覆われている状態=イメージ図(2)=だった。
松宮教授は、「ただし、腐食箇所を全く予見できない場合、施設側とメーカー側のどちらの過失も刑法上は問えないことになる」と指摘する。
メーカー側の検査は3年に1度行われ、直近のチェックは2019年4月だったという。
神戸新聞社の取材に対し、迷路施設を製造したK社は、点検項目や指示の有無について「警察等の調査中とのことでお話しするのは難しい」とコメントした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/784921cf0fc9b903a050c872c7a092f6b2c6b7e1
(2022年8月28日 修正1 ;追記)
2022年8月28日9時40分に読売新聞からは、消費者事故調は管理実態を調査し年内に対策をまとめる方針、遊園地は事故の数ケ月前にメーカーのK社の点検を受ける予定だったがコロナで中止し、その後は点検を受けずに営業していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
消費者事故調は、立体迷路に法規制や安全基準がない点を問題視し、今年5月、国の所管省庁がない「隙間案件」として調査対象にすることを決めた。
事故調は今後、防腐処理や点検が適切に行われていたかなどを詳しく調べていく。
事故調は再発を防ぐため、年内には対策をまとめる方針だ。
事故が起きた立体迷路を作ったのは、千葉県浦安市の遊具施工会社「K社」。
同社は2012年以降、九州から北海道まで、各地の遊園地などに約40基を納入している。
同社は遊園地側に対し、木材の腐食やボルトの緩みの有無などを日常的に点検するよう要請。
設置後3回は無償点検を担い、その後も専門業者の定期点検を受けるよう求めている。
担当者は、「弊社の迷路で事故が起き、大変遺憾。お客様には大変申し訳なく、完治を心より祈念している」と謝罪する一方、「園が業者の定期点検を受け、腐食部を発見できていれば防げた可能性もある」と話す。
東条湖おもちゃ王国は、事故の数か月前にK社の点検を受ける予定だったが、新型コロナ禍での一時休園に伴い中止。
その後は点検を受けずに営業を再開していた。
園の支配人は、点検を見送った理由は答えられないとしたものの、「職員には目視や触診などによる日常点検の徹底を指導していたが、腐食に気付けなかった。事故を受け、職員に日常点検の重要性を改めて呼びかけている」と話した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220828-OYT1T50035/
(2024年11月28日 修正2 ;追記)
2024年11月27日18時16分にNHK関西からは、消費者事故調が報告書をまとめた、破損した梁には腐食菌が付着し白色化していた、国には木造大型遊具の安全基準整備などを求めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
この事故について、消費者庁安全調査委員会、いわゆる「消費者事故調」が独自に調査を進め、27日、報告書をまとめました。
それによりますと、事故については、「梁(はり)」と呼ばれる床を支えていた長さ1メートル余りの木材が腐食して強度が落ち、利用者の重さで破損したことが原因だったということです。
屋根がないため雨がかかりやすく、破損した梁には木材を腐食させるとみられる菌が付着し白色化していましたが、目視の点検などは十分に行われていなかったということです。
また、事故が起きた立体迷路施設は建築基準法上の建築物に当たらず、安全管理に関して適用されるほかの法令なども確認されませんでした。
このため、消費者事故調は国に対し、再発防止策として屋外にある立体迷路など木造の大型遊具の▽設計や点検などに関する安全基準を整備し、法令による規制の必要性も検討することや▽木材の劣化を診断する資格を持つ専門家などによる調査を行うことを求めました。
同種の立体迷路施設は国内におよそ40か所設置されているということです。
消費者事故調の中川委員長は、「木がどういう場合に腐るのか木材リテラシーが共有されていない中で起きた事故だ。ほかで起きてもおかしくなく、体系的な安全基準が現在ないので、早期に作ってもらいたい」と話していました。
・・・
https://www3.nhk.or.jp/lnews/osaka/20241127/2000089533.html
11月27日22時43分にYAHOOニュース(FNNプライムオンライン)からは、補強ボルトを打ち込んだ際に防腐処理を行っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書では、事故の原因として、雨により床を支える木材が腐り強度が低下していたほか、補強のためボルトを打ち込んだ際に防腐処理を行っていなかったことなどが指摘されました。
そのうえで、遊園地運営者や行政など、すべての関係者にリスクの認識が十分でなかったと結論づけました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/87c96f3b168fbf6d36e33c7a00ba63b9aa50cae1
11月27日19時9分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、事故が起きたのは雨が降っても乾きにくい場所だった、梁の状態を点検しにくい組み方だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書では、事故が起きたのは、雨がかかっても乾きにくい場所で、木材を腐らせる菌が成長しやすい環境であったことなどが原因だった可能性があるとしました。
このほか、梁の状態を目視で点検しにくい組み方であったことなども指摘しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/44f712bb2ca3537e6febf58d64f7373e7ef923b7
11月27日19時49分に毎日新聞からは、床板の裏側は点検項目表に入っていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書によると、ジェットコースターや観覧車などの駆動装置が付いているアトラクションは建築基準法による規制対象となり、定期点検や行政への報告が義務付けられている。
一方、おもちゃ王国の立体迷路は木造5層構造、定員300人と大規模だが、屋根がないため同法上の建築物にはあたらない。
法規制や安全基準の対象外で、安全管理は施設運営者任せになっていた。
施設運営者の点検表には、床板裏側が点検項目に入っていなかった。
https://mainichi.jp/articles/20241127/k00/00m/040/113000c
2021年9月19日6時0分に南日本新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
18日午後4時ごろ、鹿児島市五ケ別府町の永田川で、「中学生1人がおぼれていなくなった」と、川で一緒に遊んでいた友人が119番した。
約30分後、同市の中学2年生男子(13)が川底に沈んでいるのを捜索中の消防が発見。
搬送先の病院で死亡が確認された。
水死とみられる。
鹿児島南署によると、男子は永田川の滝つぼ周辺で遊んでいたとみられ、深さ約2.5メートルの川底で見つかった。
中学生の友人4人、小学生1人の5人とともに、午後4時ごろから遊び始めたばかりだったという。
目立った外傷は確認されず、同署はおぼれたとみて、原因を調べている。
滝つぼは、同市の星ケ峯みなみ台入り口の交差点から、山あいに2キロほど入ったところにある「井手ヶ宇都の滝」と呼ばれる場所で、滝つぼの川幅は最大13メートルあるという。
周囲は、竹などの雑木林に囲まれている。
https://373news.com/_news/storyid/143840/
9月20日19時3分にYAHOOニュース(鹿児島テレビ)からは、中学生は滝つぼの底に沈んでいた、滝つぼの中では渦が発生しやすく下向きの力も発生するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日、鹿児島市の川で遊んでいた男子中学生が溺れて、滝つぼに沈んでいるところを救助されたものの、死亡する事故がありました。
滝つぼの危険性について専門家に聞きました。
鹿児島市の山田インター近くから永田川の上流へ約1kmの雑木林の中に、大きなしぶきをあげる滝があります。
18日午後4時ごろ、鹿児島市五ヶ別府町の永田川にあるこの滝で、鹿児島市の中学生・木ノ本さんが遊んでいて溺れました。
木ノ本さんは滝つぼの底に沈んでいるのを発見され、救助されましたが、約2時間後に死亡しました。
警察によりますと、死因は溺死とみられています。
現場近くには注意を促す看板があり、木々が生い茂る場所を下ると滝つぼにたどり着きます。
「井手ヶ宇都の滝」と呼ばれる滝の落差は約7mで、滝つぼの深さは約2.5mです。
海をはじめとして水辺の環境に詳しい鹿児島大学水産学部・西隆一郎教授は、滝つぼの危険性を指摘します。
鹿児島大学水産学部・西隆一郎教授:
「上から流れてきた水が下流に行くときに、水の全体としては普通の川と同じように上流から下流に流れるが、滝つぼの場所だけは渦を巻きやすい。
滝の水の力で掘られてくぼみ(滝つぼ)になると渦が発生しやすい形に変わる。
下向きに体を押しつけられる力も発生する。
くぼみの底は水温も低く、水圧で体が締まって密度が高くなるので、できるだけすぐに上向きに泳いで外の流れにのる努力が必要」
西教授は、川で遊ぶ際の注意点や準備の必要性も訴えます。
西教授:
「最低限、水辺を使うときには、ライフジャケットなど浮くものを身近な場所に置くことをおすすめする。
川は淡水なので、一般的に言うと、水温が低い。
入る前に川の水を体にかけて水温と体温となじませてから入るといい」
木ノ本さんの通っていた中学校の校長は、改めて生徒に危険な場所へ入らないよう注意を促すと共に、生徒のメンタルケアを十分に行っていくとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad16f7f2d448cd5cc755341cf9e3a41624c0849a
(2021年10月12日 修正1 ;追記)
死亡した生徒が通っていた中学校では「危険個所マップ」が作られていたが、溺れた滝つぼは校区外ゆえ記載されていなかったなど。
鹿児島市の滝つぼ周辺で9月、友人らと遊んでいた男子中学生が溺れて亡くなった事故で、現場はこの生徒の中学校の校区外だったため、校内で危険箇所として呼び掛けられていなかった。
学校と地元は他校区との連携などで危険箇所を幅広く把握するとしている。
現場は同市五ケ別府町の永田川で、滝の落差は約7メートル、滝つぼは深さ約2.5メートル、川幅は最大13メートル。
住民によると、以前も小学生が遊んで溺れかけるなどの事故があった。
生徒が通っていた中学校は「危険箇所マップ」を作成。
校区内の交通事故多発地点や危険な崖、川などを写真付きで示している。
校長は今回の事故現場は盲点だったとし、「他校区の危険箇所マップの活用など再発防止策を考えたい」と話す。
事故現場を含む地域で活動する宮川校区コミュニティ協議会は、滝周辺の安全対策を市と検討する予定。
同協議会は「付近の校区とも臨時総会などで情報を共有したい」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9e071b9375833c2fd5cde2406db8254dea80698
2021年2月11日に掲載した第3報がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第4報修正6として掲載します。
第3報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11391/
(2021年9月25日 修正6 ;追記)
2021年9月17日14時51分にFNN PRIMEからは、スピードが出るようエンジンを付け替えていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(これまで得られた情報を総括し、1~3報を含め、タイトルを修正した)
関係者などによると、佐藤容疑者が操縦していたボートは、エンジンを付け替え、加速や最高速度が上がるようにしていたという。
猪苗代湖周辺では、事故前からスピードを出して航行する佐藤容疑者のボートが目撃されていて、警察では、当時の速度などを調べ、事故を回避できる航行状況にあったかも含め、調べを進めている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3894e97f5d9ec919567898ddb6a915dd828e3261
(2021年12月29日 修正7 ;追記)
2021年12月28日18時24分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、初公判が開かれた、前を走るボートは被害者らを発見し舵をきっていったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日に行われた初公判。
業務上過失致死傷の罪に問われている佐藤被告(44)は、取り返しのつかないことになったのは申し訳ない」と謝罪。
起訴内容をおおむね認めたうえで、こう主張しました。
佐藤被告:
「今でも(被害者らを)発見できたか、全く分かりません」
事故を予見できなかったという佐藤被告。
一方、検察は「前方を走る仲間のボートは100メートル先で被害者らを発見し、かじを切った」として、佐藤被告が注意を怠ったことで被害者らに気付かずに走行を続けたと指摘しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7141a8c25fe5882803c136e17fe587dfc1eac829
12月27日20時17分にYAHOOニュース(福島テレビ)からは、公判を傍聴した女性記者のレポートなどが、下記趣旨でネット配信されていた。
事故の裁判を傍聴した阿部記者の解説:
Q、初公判での佐藤被告の様子は?
阿部記者> 裁判官の問いかけにもハキハキと大きな声で応えているのが印象的でした。
検察側の冒頭陳述で明かになったのが、佐藤被告のボート近くを航行していた別のボートの運転手が100m以上先のブイ付近に被害者が浮いているのを目撃していたこと。
そして、別の水上バイクの運転手は、佐藤被告のボートが通過した直後に「何かが飛んで湖面に落ちるところを見た」と証言していることを明らかにした。
つまり、被害者の存在に気付き、事故を避けることができたと指摘しています。
ただ、佐藤被告は当時、ボートを運転している際、「前方や左右を注意深く見ていて、被害者が浮いているのは全く見えませんでした。どうやったら見えたのだろうと、今でも理解できません」と話した。
Q、今後の裁判のポイントは?
福島市の鈴木芳喜法律事務所の佐藤弁護士は、弁護側が主張する 「前方を注視していれば事故は防げたのか」がポイントになると話す。
佐藤弁護士によると、例えば道路上の交通事故でも、自動車が人をはねた場合は原則的に大小はあるものの、自動車側の過失が否定されるというのは考えにくいという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2658946f37b033c3fbfdab13b18f326ac712840
(2022年3月23日 修正8 ;追記)
2022年3月22日20時5分にYAHOOニュース(共同通信)からは、「ヤバイと発言した動画は存在しない」などとして被告が共同通信などを提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐藤被告(44)が22日までに、事故を巡る記事で名誉を傷つけられたとして、配信した共同通信社と、掲載した福島民報社に計3300万円の損害賠償や謝罪広告を求めて福島地裁に提訴した。
共同通信社は、逮捕翌日の21年9月15日に「船の同乗者が航行中に撮影した動画に、異変に気付いて『やばい』などと慌てる関係者の声が記録されていた」、「容疑者は同乗していた約10人に『何も無かったよな』などと口止めしていた」と報じた。
訴状では、「『やばい』と発言して現場を立ち去るシーンを映した動画は存在しない」、「口止めした事実を示す証拠はない」と指摘。
「ネットのコメントなどで著しく名誉を毀損され、甚大な損害を受けた」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fe57f5edd48f7d3b013c835644dccabeeb07f0ba
(2022年8月27日 修正9 ;追記)
2022年8月25日19時25分にYAHOOニュース(福島テレビ)からは、運輸安全委が報告書を公表した、これまでの経験からブイ付近に人がいるとは思わず確認しなかった、近づいてきたボートに注意を向けていた、加速時に船首が上がり死角が生じたなど、周囲の下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国の運輸安全委員会が報告書を公表した。
ここから分かったことは?
<事故当時の状況>
佐藤被告のボートは中田浜のマリーナを出た後、友人の船と並走していた。
この時、友人の船が佐藤被告のボートに接近。
避けて追い越そうと速度をあげた結果、ブイ付近にいた瑛大くんたちに衝突したとしている。
《取材を続ける福島テレビ・阿部記者の解説》
Q:報告書では、原因は佐藤被告が気づかずに衝突したと考えられている。その理由は?
A:佐藤被告が【これまでの経験からブイ付近に人がいると思わず目視で確認しなかったこと】
そして【近づいてきた友人の船の動きに意識を向けていたこと】
また【船を追い越すために加速した際に船首が上がり見通しが悪くなったこと】を挙げています。
Q:事故は防ぐことはできなかったのか?
A:当時の状況を再現した検証では、佐藤被告がブイを約190m手前で目視できていたとしています。
また、その場所から加速し船首が上がるまでの約50mの間に、ブイや周りにいた瑛大くんたちが見える状況にあったとも指摘しています。
<再発防止の改善策>
一方で、調査は事故の責任を問うためのものではなく、再発防止が最大の目的。
事故が発生した要因に、湖の利用ルールが十分に周知徹底されていなかったことが厳しく指摘されている。
******
事故からまもなく2年。
事故後、利用ルールを示すマップは修正され、これまで仮設の看板が建てられていたが、正式なものに付け替えられた。
ただ、これまでも、使用禁止区間付近で水上オートバイの水難事故が発生するなど、ルールの周知の徹底が課題となっている。
福島・猪苗代湖の中田浜に設置された看板には、福島県などで作る協議会が定めた利用区分が示されていて、事故があった現場は船や水上バイクが利用できない区域にあたる。
しかし、事故当時に公開されていたマップには、正しい区域分けが表示されていなかった。
調査では、航行エリアや利用ルールなどが正確に認知されていなかったことも事故原因のひとつに挙げている。
亡くなった瑛大くんの父親は、「マップを確認し、船の航行区域を避けて遊ぶことにした」という。
ただ、報告書の指摘によると、この時確認したマップは正しい利用区分が示されていなかった。
<なぜ本来とは違う地図がホームページに掲載されていた?>
取材を続ける福島テレビ・阿部記者の解説》
調査では、その理由はわからなかったとしています。
こうした状況を受けて、報告書では猪苗代湖を管理する福島県に対し、
・航行ルートなどを明確に区分けすること
・条例の整備などや利用ルールを確実に守るよう指導すること
などを求めています。
福島県は「内容を精査して対応を検討していく」とコメントしていますが、遺族が求めることは事故の原因の究明と再発の防止です。
これまでも水難事故が相次ぐ猪苗代湖で二度と悲惨な事故を起こさないために、今度こそ誰もが安全に利用できるルールづくりを、県はリーダーシップをとって整備していくべきです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/694b7802492f795b584fb56e101ade342e82e922
8月25日19時24分にYAHOOニュース(テレビユー福島)からは、加速時は操縦席から190m以上先の水面しか見えない、被告も被害者側も禁止区域を知らず利用していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
ここからは社会部の関根さんです。
関根さん、国の運輸安全委員会の調査報告書は80ページ近くあるということですが、事故原因をどう結論づけているんですか?
はい、この報告書では、事故の原因を大きく2つ挙げています。
1つ目は、ボートからの見通しが悪くなったことで水中の被害者に気付かなかったことです。
報告書によると、ボートを操縦していた佐藤被告は、事故直前、近くにいた別のボートを追い越そうとスピードを上げました。
この時のスピードは9ノット前後、時速に換算しておよそ17キロです。
こうして加速したことにより船首が上がり、佐藤被告の死角が広がりました。
ほとんど止まっている、いわゆる漂泊状態の見通しに比べて、加速した状態の場合、操縦席から水面が見える距離が190メートル先になるため、手前の水中に浮かんでいた被害者たちに気付かなかったということです。
また佐藤被告は、当時、被害者がいた場所には人がいないと思い込み、目視での確認を行っていませんでした。
続いて2点目は、現場の猪苗代湖の利用禁止エリアが正しく認知されていなかったことです。
現場は中田浜からおよそ100メートル離れた沖合なんですが、実はこの場所は、遊泳も含めてボートなどの利用が禁止されたエリアでした。
しかし当時、猪苗代湖の利用区域をまとめたマップには、この禁止区域が表記されていませんでした。
佐藤被告と被害者両者は、この禁止区域の存在を知らずに利用していたということです。
現在、公判が進んでいますが、今後この報告書も裁判の展開に影響してきそうです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ec5fea8eb44350f7fdcc36888bd3bd5901b1c8da
(2023年3月26日 修正10 ;追記)
2023年3月25日9時6分にYAHOOニュース(福島民友)からは、現場付近には水上バイクが航行中だったので湖上に人が浮いていることは予見できたなどとして実刑判決が下ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
元会社役員佐藤被告(45)の判決公判は24日、福島地裁で開かれ、三浦隆昭裁判長は、適切に見張りをしていれば「被害者を発見して回避できた」として、禁錮2年(求刑禁錮3年6月)を言い渡した。
無罪を求めた弁護側は即日控訴した。
公判は
▽湖面に人が浮いていると想定できたか
▽十分に安全確認をすれば事故を防げたか
が争点となっていた。
判決理由で三浦裁判長は、事故当時、水上バイクが現場付近を航行していた状況などから、「湖上に人が浮かんでいることを具体的に予見できた」と認定。
ボートが加速する際に船首が上がり、前方に死角ができたとする弁護側の主張には、「死角に入るまでの間には相当長い時間があり、適切な見張りをすれば被害者を発見できた」と指摘、「針路前方左右の見張りという最も基本的な注意義務に違反し、被害者を見落として事故を発生させた」と結論付けた。
量刑については、事故後2年以上過ぎても被害者への弁償がなされていないことなどに触れ、「刑事責任は重大。実刑が相当」とした。
・・・
福島地裁は、弁護側が主張したように被害者らを発見しにくい状況だったとしても「過失の程度が小さいとはいえない」とした。
その根拠として、陸地に近い湾内で水上バイクが航行していれば、水上に人が浮かんでいる可能性を予見しなければならないと指摘。
現場で撮影された写真に浮遊物が写っていること、先行したボートが浮遊物に気づいて針路を変えたことなどから、被告が適切に見張りをしていれば、被害者らの発見は可能と結論付けた。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ad8fab3d13f8c16d1aaed483460783556d0419c
(2023年12月2日 修正11 ;追記)
2023年12月1日8時9分にYAHOOニュース(福島民友)からは、河川法に基づく動力船航行禁止区域が25の浜ごとに設定されたなど、下記趣旨の記事が中田浜の制限区域説明図付きでネット配信されていた。
福島県は河川法に基づき、プレジャーボートなど動力船の航行を禁止する区域(動力船航行禁止区域)を中田浜(会津若松市)など25の浜ごとに設定した。
福島市で30日に開かれた猪苗代湖水面利活用基本計画推進協議会で素案を示し、了承された。
早ければ今月下旬に県報に告示し、来年7月1日の施行を目指す。
国の運輸安全委員会による死傷事故の報告書を受けた再発防止対策の一環で、死傷事故が起きた中田浜をはじめ、天神浜(猪苗代町)や舟津浜(郡山市)などで航行禁止区域を設定した。
救助活動など緊急時に動力船の航行を優先する区域や、動力船が徐行して航行できる区域(動力船航行区域)もそれぞれ定めた。
中田浜では湖水浴場の開設などにより、動力船の運航を禁止していた場所を動力船航行禁止区域とした。
小型船舶などが出航する場所は、動力船航行区域に設定した。
事故原因の一つとして「利用区分が徹底されていなかった」とした報告書の指摘を反映した形だ。
河川法を適用することで、県警などのパトロールにより、指導や取り締まりが強化される。
禁止区域を航行した場合は、30万円以下の罰金が科される。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/81568caa505056c6da29c6b0a3ecd556bebf9e06
2021年8月27日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11874/
(2021年8月19日 修正3 ;追記)
2021年9月11日8時0分に産経新聞からは、けがや体の痛みを申告した人は130人を超えた、加速には安全基準なしなど、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
「富士急ハイランド」が、安全問題で大きく揺れている。
ジェットコースター「ド・ドドンパ」で、昨年12月から頸椎(けいつい)圧迫骨折などの人身事故が相次いでいたことが分かったからだ。
事故公表後には、けがを申告する人が100人を超えた。
公表が最初の事故から約8カ月経過していたことで、安全に対する姿勢も問われている。
【相談130件超】
8月20日、県と同社がド・ドドンパで合計4件の人身事故が発生していたことを発表した。
その後、同社と県がそれぞれ相談窓口を開設すると、新たに骨折や体の痛みを訴える申し出が相次いだ。
同社は31日に記者会見を開き、30日時点で相談件数が132件に上っていることを明らかにした。
治療期間30日以上が見込まれる重傷が10代から50代の男女で計16件あり、そのうち2件で頸椎や胸椎の骨折を確認。
比較的軽微な症状の3件も確認しており、重傷を含めた残る100件超の調査を続けている。
相談が今後増える可能性も高く、事故状況の確認完了時期の見通しは不明だ。
【加速の安全基準なし】
事態を重くみて、県と国の事故調査部会は21日から調査を開始。
安全対策が十分だったかが焦点だ。
ド・ドドンパは発車から2秒足らずで時速180キロに達する急加速が売り。
このため、身長や年齢に加え、脊髄、首などに障害がある人は利用できないという制限を設けている。
乗車前のアナウンスや係員チェックなどでは、安全ベルト、ハーネスの着用と同時に、頭をしっかりとヘッドレストにつけ、乗車中は下を向かないように注意喚起していたことを、同社は強調する。
こういった遊戯施設の安全については、コースターから落下しないなどの対策は基準があるが、加速そのものに基準や規制はない。
同社は外部有識者に同施設を確認してもらい、「G負荷は日常に経験する負荷を超えるが、ヘッドレスト、ハーネスが効果的に作用することで、人体の安全範囲を超えることなく、G負荷を受け入れることができる」との結論を得て、安全の根拠としている。
このため同社としては、「事故とド・ドドンパとの因果関係は不明」との姿勢だ。
【報告基準誤認】
しかし今回、最初の事故から公表まで8カ月も経過したことは同社の失態。
31日の記者会見で岩田社長は、「県へは、機器の故障などによる事故を報告すればいいと誤認していた。点検で機器の故障はなかったため、報告していなかった」と説明した。
報告基準についての県からの通達は、安全担当責任者1人に「電子メールで指示され、そこでとどまっていた」とし、安全情報の社内共有という観点でも問題を残した。
同社は9月3日に大学教授らによる第三者委員会を設置した。
遊園地の利用者すべてに対し、安心・安全を提供できているかを総点検し、同社全体の管理体制の大幅刷新につなげる狙いだ。
来年には第5のコースターを登場させる計画の中で生じた人身事故と報告遅れ。
それぞれの調査の行方が注目される。
【ド・ドドンパ事故をめぐる経緯】
令和2年12月 最初の事故発生、頸椎などの圧迫骨折
令和3年5~8月 2~4件目の事故発生
8月12日 富士急ハイランドがド・ドドンパを運休し、安全総点検を開始
17日 同社が山梨県に事故を報告
20日 県と同社が4件の事故発生を発表
21日 国の事故調査部会と県が立ち入り調査を開始
21日 同社がお客様相談窓口を開設
31日 同社の岩田大昌社長らが初めて記者会見
9月3日 外部の有識者による第三者委員会が発足
【ド・ドドンパ】
平成13年開業のコースター「ドドンパ」の加速性能を向上させてリニューアルし、29年に誕生。
機械的に加速させ、スタートから1・56秒後には時速180キロに達する。
この時の加速度は3・75Gで、空母から発艦する戦闘機と同等とされる。
「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車」とともに、富士急ハイランドの4大コースターに位置付けられる。
【記者の独り言】
個人的には、こういったコースターの類に乗車することがないので、ド・ドドンパの加速や安全性は実感できない。
だが、事故からの公表遅れは非常に気になった。
現時点では報告基準の誤認という説明だが、安全を前提に来場者に恐怖とスリルを楽しませる会社である以上、対応遅れは致命的だ。
企業不祥事からの信頼回復のためには真摯(しんし)に対応し続けるしかなく、動向を注視したい。
https://www.sankei.com/article/20210911-IPNHC7CE7VI2BCAM3HB72LJTOA/
(2021年11月23日 修正4 ;追記)
2021年11月22日22時42分に毎日新聞からは、今年10月と11月に別のアトラクションで骨折したという申し出でが各1名づつあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の人気ジェットコースター「ド・ドドンパ」の利用客に骨折などが相次いだ問題に関連し、同社は22日、新たに園内の別のアトラクションの利用客2人から、骨折の申し出があったと発表した。
同社によると、10月上旬に複数のアトラクションに乗った20代女性から、肋骨(ろっこつ)骨折が判明したと連絡があった。
11月中旬に複数のアトラクションを利用した40代女性からは、腰椎(ようつい)を圧迫骨折したと申し出があった。
いずれも、来園当日は負傷の連絡などはなかったが、後日、医師の診断を受けて骨折が判明したという。
同社が、アトラクション利用と骨折との因果関係などを調べる。
これまで、ド・ドドンパの乗客で6人が骨折などの重傷、6人が軽傷を負い、他のアトラクションでも計2人の軽傷が確認されている。
https://mainichi.jp/articles/20211122/k00/00m/040/304000c
(2021年12月6日 修正5 ;追記)
2021年12月1日21時6分に毎日新聞からは、別アトラクションで骨折したという2人に因果関係はなかったと富士急は表明したが、県への来庁説明を拒否したとして知事は憤慨しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)で10~11月に人気ジェットコースター「FUJIYAMA」や「高飛車」など複数のアトラクションを利用した女性客2人が骨折を申し出た問題で、県は同社に対し、徹底した原因調査と併せて、利用者の安全が確認できるまでは負傷疑いのあるアトラクションの運行を中止するよう求めた。
長崎幸太郎知事が12月1日の記者会見で明らかにした。
要請は11月29日付で、建築基準法を所管する立場からの行政指導の一環。
会見で長崎知事は、同社の対応について「遊戯施設で負傷した事案と特定できないことを理由に、事故と断定せず運行を続けてきた。安全意識に疑問を持たざるを得ない」と指摘。
負傷事故や具体的な相談内容に関して、任意で来庁し説明するよう求めたが拒否されたと主張し、「不誠実な対応と言わざるを得ない」と憤慨した。
その上で「事故を繰り返さないためにも利用者の安全に対し真摯(しんし)な対応を強く求める」と述べた。
一方、富士急ハイランドは1日、申告のあった女性客2人の骨折は、アトラクション利用との因果関係は認められなかったとし、運行を継続する考えを表明。
県に対しても「電話で連絡し、口頭で説明している」として、長崎知事の主張に反論した。
https://mainichi.jp/articles/20211201/k00/00m/040/365000c
12月1日20時37分にNHK山梨からは、富士急が因果関係なしと判断した理由や県への面会説明を拒否した理由などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士急ハイランドの岩田社長が1日夜、会見を開き、ジェットコースターを利用して骨折したと申し出た2人から当時の状況を聞き取ったうえで、乗り場などに設置されているカメラの映像や遊園地内の救護室の利用記録を確認するなど、施設の利用とけがの関係について調査を行ったことを明らかにしました。
その結果、映像からはけがをした様子は確認できず、来園当日にけがの申し出がなかったこと、それに2人のけがの状態などについて医師からも意見を聞き、施設を利用したことによるけがだとは認められないと判断したということです。
このため、県が運行の中止を求めている施設について、今後も運行を続けていくと述べました。
また、県が面会による説明を拒否したと指摘していることについては、文書やメールで可能な説明は行ったと述べ、30日、会社のホームページに調査の結果を公表したということです。
岩田社長は、「今後、引き続き安全な運営に向けて検証などを行っていく」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20211201/1040015167.html
12月3日20時25分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
ジェットコースター「ド・ドドンパ」で利用客が首の骨折などを訴えたことから始まった富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の「安全問題」が混迷を深めている。
先月22日、複数のコースター利用で、2人の女性から負傷したと申し出があったことを重く見た山梨県は、コースターの運行停止の要請に踏み切った。
ハイランド側は「負傷は園内で生じたものではない」として要請には応ぜず、両者の言い分は平行線をたどっている。
「来園者の負傷の原因などが特定できていないまま運行を続けている。来庁しての説明を求めたが、応じず、不誠実な対応だ」
1日に臨時会見を開いた山梨県の長崎幸太郎知事は、厳しい口調で運行停止要請の理由を説明した。
さらに、今回の要請では法的な拘束力はないものの、状況が改善しない場合は「法的な処置もあり得る」と強調した。
県では先月22日に公表した負傷事案の説明のため、ハイランド側に29日の来庁を求めていた。
ところが、ハイランドの総務部長が「説明することは何もない」として拒否。
そのため、県は同日付で運行停止要請を出した。
・・・
https://www.sankei.com/article/20211203-MGD4JVIE2RLINI7OBW76PJRATQ/
(2022年1月7日 修正6 ;追記)
2022年1月6日19時32分にNHK山梨からは、園内の施設でけがした可能性があるのは合計15人になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運営する会社は去年8月に臨時の相談窓口を設けて、ほかに遊園地でけがをした人がいないか確認を進めてきました。
そして、寄せられたすべての相談について来園の状況やけがなどの確認、それに医師の見解も踏まえた調査結果がまとまったとして6日、公表しました。
それによりますと、窓口に寄せられた相談は合わせて176人からで、このうち165人については、事実が確認できなかったか施設が原因のけがとは認められなかったとしています。
一方、骨折した2人と捻挫などの軽いけがをした9人の合わせて11人については、園内の施設を利用したことでけがをした可能性があると判断しました。
このため、園内の施設が原因でけがをした可能性があると判断されたのは、今回公表された11人を含めて、これまでに15人となりました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20220106/1040015486.html
(2022年2月26日 修正7 ;追記)
2022年2月26日6時22分にNHK首都圏からは、遊園地が設けた第三者委員会が調査結果を公表した、けがの申し出でがあった後も機器の異常がないことを理由に運行を続けたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
遊園地が設けた第三者委員会が25日、調査結果を公表しました。
調査結果では、利用客からのけがの申し出があったあとも機器の異常がないことを理由に運行を続けたことで安全対策などの本格的な検討が遅れたほか、行政への報告も遅かったなどと結論づけています。
遊園地は、さまざまな情報の十分な共有が必要だとして、アトラクションごとに安全対策を進める責任者を設置するなどし、対策に取り組んでいくことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220226/1000077132.html
2月25日21時1分に毎日新聞からは、委員長は機械信仰が災いしたと述べたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
第三者委員会は、問題の背景に設備や機材整備ばかり重視する傾向があったなどと指摘する調査結果を公表した。
会見に同席した岩田社長は、「予兆情報がありながら組織的に探求できなかった。最低でも3例目で運行停止すべきだった」と釈明した。
調査結果によると、ド・ドドンパが運行を停止した2021年8月までに4件で4人が重傷を負った事例について、その都度、設備の点検をしたが、機器の異常がなかったため運行を継続したと認定。
最も症状が重かった3人目の乗客から「姿勢を崩した」との発言があったにもかかわらず、要因を検証しなかったとし、「オペレーターや接客係、メーカーを含めた探求プロジェクトを発足させるべきだった」と指摘した。
上山委員長は、「機械信仰が災いし4件目の事例につながった」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20220225/k00/00m/040/324000c
2月26日1時0分に朝日新聞からは、委員長は原因究明を行う基準の明確化などが必要と述べたなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
委員会は、「突発事案に対する方針が関係職員間で十分に共有されていたとは言い難い」とした。
委員会は、原因究明のため「ド・ドドンパ」の運行を中止しなかったことについて、「機械の異常がないことを根拠に運行を続けた『機械信仰』の風土があった」と判断。
「原因究明を行う基準の明確化や運行判断にかかる権限と責任の明確化が必要」と指摘した。
https://www.asahi.com/articles/ASQ2T7GVFQ2TUZOB00V.html
(2024年3月16日 修正8 ;追記)
2024年3月13日18時12分にNHK山梨からは、原因不明ゆえ再発防止策の立案は困難だとして「ド・ドンパ」は営業を終えることになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」をめぐっては、2017年以降、走行中に逆走するトラブルが3回発生したほか、2020年から2021年にかけて利用客12人が首を骨折するなどの事故が発生し、国の事故調査部会による調査が行われています。
この調査の一環で、遊園地はジェットコースターの製造メーカーと、事故の原因究明や再発防止策の検討を進めていましたが、逆走や事故について原因が分からず、再発防止策を立てることが難しいとして、13日、「ド・ドドンパ」の営業を終了することを明らかにしました。
「ド・ドドンパ」は事故を受け、3年前の8月12日から営業を中止していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20240313/1040022763.html
2021年9月8日6時49分に読売新聞から、下記趣旨の記事が釣針として使われていたフック状の針金の写真付きでネット配信されていた。
埼玉県上尾市内の商業施設内にある保険代理店で2月、キッズスペースで玩具の釣りざおで遊んでいた男児(3)の右目のまぶたの裏に釣り針状の針金が刺さって出血し、救急搬送される事故が起きていたことがわかった。
男児の両親によると、店側は「保育士がいるので安心して預けられる」などと説明していたという。
埼玉県警上尾署は8月下旬、両親からの被害届を受理し、業務上過失致傷の疑いもあるとみて捜査している。
事故は2月中旬、男児の両親が保険代理店の個室で契約の手続きなどを行っている間に発生した。
両親によると、キッズスペースでは幼児用プールに浮かぶボールを釣り上げて遊べるようになっており、玩具の釣りざおから出ているひもの先に、釣り針のように曲がった針金が付けられていた。
個室とキッズスペースの間には仕切りがあり、両親側から男児の様子は見えない状態だった。
両親は当初、不安を覚えたが、店側からは「保育士が常駐しており、安心してお子さんを預けられる」、「他の従業員も研修を受けている」などと言われたという。
けがをして出血し、泣き叫ぶ男児の右目のまぶたの裏には、えぐられたような傷ができていた。
医師からは「今後の視力低下などの可能性はわからないが、眼球打撲の疑いもある」と診断され、しばらく通院が必要になったという。
県内のある小児科医は、「幼児が遊ぶところで、目などに入ってけがをするような金属が付いた玩具を置くのは危険。店側に安全への配慮が欠けていたとしか思えない。あらゆるケースを想定するべきだ」などと指摘している。
事故が起きた保険代理店を展開する上尾市の企業の代理人弁護士は、取材に「協議中のため、コメントは差し控える」とした。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210908-OYT1T50030/
2021年9月1日7時17分に読売新聞から下記趣旨の記事が、流された状況を示す地図付きでネット配信されていた。
青森県平内町の海岸で7月、海水浴をしていた男児(4)が一時、沖に流される事故が起きた。
当時の関係者は読売新聞の取材に応じ、事故の詳細を語った。
男児は無事救助されたが、海岸には、巡回中の青森海上保安部職員や、遊びに来ていた自衛官らがおり、彼らの機転と連携プレーという「偶然の重なり」があった。
男児は7月31日午前、平内町油目崎付近の海岸で、両親と海水浴をしていた。
青森海保によると、海岸は遊泳禁止区域ではないが、海水浴場として整備されていないため、監視員はいなかった。
それでも、シーズンになると地元の住民らが泳ぎに訪れる場所として知られていたという。
男児は馬の形をした遊泳用の浮き具に座った状態で父親と遊び、母親は浜辺で2人を見守っていた。
ある時、男児が潮の流れに乗って父親から離れ、沖に流された。
業務で海岸周辺を見回っていた青森海保職員の阿部さん(男性、37歳)は母親の叫び声を聞いた。
見ると、沖に取り残されている男児の姿が。
阿部さんは男児を目で追いながら海岸や岩場を走り、大声で周りの人に協力を求めた。
すると、沖や浜辺にいた4人の男女が、次々と男児の方へ向かった。
うち2人は休暇中の海上自衛官だった。
男児が流された先の沖でシュノーケリングをしていた青森市の会社員、永井さん(男性、25歳)は、阿部さんの呼びかけに応じた一人だ。
「ただごとじゃない」と思い、潜水から浮上して辺りを見渡すと、浮き具の上で漂う男児がいた。
永井さんは急いで近づこうとしたが、男児は強い風で、さらに沖へ流された。
ついには浮き具から離れ、海に転落。
幸いにも、男児は両腕にも浮き具を付けていたため、海面に浮かんだ状態でいた。
永井さんは必死に泳いでたどり着き、右腕で男児を抱えた。
話しかけても男児は気が動転しており、返事はなかった。
それでも、表情から大丈夫そうだと感じ、そのまま岩場まで泳いで阿部さんに引き渡した。
男児は結局、父親といた場所から500~700メートル流されていた。
阿部さんと自衛官らは、男児が水につからないよう、交代で抱きかかえながら岩場の間を渡って浜辺まで移った。
男児は海水を飲んでおり、病院に搬送されたが、命に別条がないことがわかった。
永井さんは「ライフジャケットなど浮くものがなかったら、どうなっていたか……」と青ざめる。
阿部さんは「周囲にいろいろな人がいたから助かった。奇跡的な状態だった」と強調する。
その上で、監視員のいない浜辺で遊泳することの危険性を訴える。
事故後、青森海保は、県内の幼稚園や小中学校の園児、児童生徒の保護者に対し、救助体制が整っている海水浴場で遊泳し、遊泳時に子どもから目を離さないようメールで呼びかけた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210831-OYT1T50311/
2021年8月30日19時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が複数枚のイラスト付きでネット配信されていた。
2001年9月に44人が死亡した東京・歌舞伎町の雑居ビル火災で、現場の建物の階段に置かれていた荷物やゴミは、全体で計250キロほどの分量だったことが捜査関係者への取材で判明した。
3階エレベーターホールから出火した後、大量の荷物やゴミが導火線のような役割を果たし、わずかな時間で4階に達したとみられる。
現場のビルは3階にマージャンゲーム店「一休」、4階に飲食店「スーパールーズ」が入居していた。
火災では3階で17人、4階で27人が犠牲になった。
捜査関係者によると、3階エレベーターホールには、階段への出入りを塞ぐように発泡スチロール製のつるし看板が設置されていた。
ビルには階段が一つしかなく、客や店員の移動にはエレベーターが使用されていたとみられる。
階段は幅が約70センチ。
3階から4階の階段には、ゴミがいっぱいに詰まった袋(45リットル)が五つあったほか、▽衣装ケース3箱▽店の制服計約150着▽ジュースタンク▽ビールケース――などがほぼ隙間(すきま)なく置かれていた。
3階から2階に下りる階段も、同様に荷物などで埋まっていたという。
各階のエレベーターホールと階段の仕切りには防火扉が設置されていたが、荷物や看板などが障害となり、閉じることができない状態だった。
火災後、防火管理が不十分だったとして、ビル所有会社の実質経営者らが業務上過失致死傷罪に問われ、有罪判決を受けた。
警視庁は放火の疑いが強いとみている。
国は02年に消防法を改正。
避難経路に置かれた物を除去するための「物件除去命令」は消防署長ら幹部しか出せなかったが、改正後は現場の消防士にも権限が与えられた。
東京消防庁によると、改正後、都内では今年7月末までに計2451件の命令が出された。
ここ数年は年間100件前後で推移している。
同庁は今月27日夜も歌舞伎町の雑居ビルに抜き打ちの立ち入り検査を実施。
3棟で5件の命令を出した。
早稲田大の長谷見雄二名誉教授(建築防災)は、「新型コロナウイルス禍で経営状況が悪化することで、事業者の防火管理がおろそかになってもおかしくない。地域ぐるみで防火への啓発をするなど歌舞伎町火災を繰り返さない取り組みが必要だ」と指摘している。
https://mainichi.jp/articles/20210830/k00/00m/040/210000c
2021年8月26日10時0分に産経新聞から、下記趣旨の記事がボートの写真付きでネット配信されていた。
青森県十和田市の十和田湖で令和元年9月、遊覧船「グリランド900」(3トン)の70代乗客が腰椎を骨折する事故があり、運輸安全委員会は26日、調査報告書を公表した。
速度を落とさず、約50センチの波を繰り返し乗り越えたため、前部座席にいた乗客の体が宙に浮いて座面に複数回落下したことが原因としている。
安全委は同様の事業者に対し、波が高い場合は十分減速することや、船体の上下の動揺が大きくなる前部に高齢者らを極力座らせず、後部座席が確保できない場合は他の船に振り分けることなどを求める勧告を出した。
報告書によると、遊覧船は複合艇と呼ばれる海上自衛隊や海上保安庁などで使われるボートで、強風や高波でも高速航行できる。
運航事業者は高齢者らを後部に着席させるよう指導していたが、この時は60~70代ぐらいの乗客で満席だった。
https://www.sankei.com/article/20210826-DJQEEOV7GFOFPPXSMKKA7KAZMA/
8月26日付で東奥日報からは、事故が起きたのは遊覧船ではなく遊覧ボートだという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
見出しだけ変えて、本文を変えていない理由は不詳だが・・・。
『遊覧ボートで2019年に乗客骨折/十和田湖』
青森県十和田市の十和田湖で2019年9月、遊覧船「グリランド900」(3トン)の70代乗客が腰椎を骨折する事故があり、運輸安全委員会は26日、調査報告書を公表した。
速度を落とさず約50センチの波を繰り返し乗り越えたため、前部座席にいた乗客の体が宙に浮いて座面に複数回落下したことが原因としている。(共同)
※一時表示した見出しで「十和田湖遊覧船」は誤りでした。
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/644572
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。