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2017年9月26日7時29分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部豪雨の被災地で、ため池の決壊が相次いだことから、土木学会の調査団のメンバーが模型を使った大がかりな実験を行い、記録的な豪雨がため池の決壊を引き起こすメカニズムを再現した。
土木学会の調査団のメンバーで、東京理科大学理工学部の二瓶泰雄教授らの研究グループは、九州北部豪雨で決壊した福岡県朝倉市の「山の神溜池」を10分の1の大きさで再現した。
山の神溜池は、記録的な豪雨で、高さ10mの堤の大半が崩壊して決壊した。
研究グループは、当時、住民が撮影した写真などから、水が堤の上を最大でおよそ50cm乗り越えたと推定していて、この想定に従って水を流し始めた。
あふれた水は、コンクリートに覆われておらず土がむき出しになっている部分を崩し始める。
水は徐々に堤の内部にしみ込み、堤を内側から割り裂くように壊し出す。
最後は堤全体が崩壊を始め、たまっていた水が濁流となって流れていった。
今回の豪雨で、朝倉市では9つのため池が決壊したが、農水省によると、平成19年からのおよそ10年間に大雨で決壊したため池は、全国で300か所を超える。
二瓶教授は、「堤のどの部分が弱いのかが今回の実験で確認できた。弱い部分を重点的に補強すれば、被害の拡大を防ぐことができるのではないか」と話している。
出典
『ため池の決壊を再現』
http://www.nhk.or.jp/fukuoka-news/20170926/4097901.html
2017年8月14日10時30分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1時間に50ミリ以上の大雨が降る頻度が、1970~80年代に比べ3割程度増加していることが、気象庁の統計で明らかになった。
地球温暖化との関連が指摘されており、短時間で一気に降る大雨は災害を引き起こす危険性がある。
気象庁の統計では、降水量が1時間に50ミリ以上だった回数は、アメダス1000地点あたり、76~85年の10年間は年110~230回で、平均すると173.8回だった。
2007~16年は年169~282回、平均は232.1回と、33.5%増加していた。
アメダスは、70年代後半から本格的に全国で運用が始まった自動観測所。
統計が始まった76年の約800地点から現在は約1300地点に増加しているため、気象庁は1000地点当たりに換算してまとめている。
気象庁は、1時間に50ミリ以上80ミリ未満を「非常に激しい雨」、80ミリ以上を「猛烈な雨」としている。
滝のように降り、傘が役に立たなかったり、水しぶきで視界が悪くなったりする雨の強さだ。
土砂災害のリスクが高まり、都市部ではマンホールから水があふれる浸水害が発生しやすくなる。
温暖化と大雨の関係は完全には解明されていないが、平均気温が上がると、飽和水蒸気量という、大気が蓄えることができる水分の量が多くなる。
雨が降る回数は少なくなるが、ひとたび雨になると、その大量の水分が地表に落ちることになり大雨になりやすいとする学説もあるという。
7月5、6日の九州北部の豪雨では、福岡県朝倉市のアメダスで、1時間に129.5ミリという、7月としては全国で歴代4位の記録的な雨を観測した。
気象庁の橋田長官は記者会見で、「雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している。新たなステージだと捉えて対応していく必要がある」と、現在は難しい短時間で降る大雨の予測精度の改善など、対応を進めていく考えを示した。
【ことば】アメダス
気象庁が運用している各種気象データの自動観測所。
1974年11月に運用が始まり、現在は全国に約1300地点ある。
場所によって観測項目が増減するが、降水量、風向・風速、気温、日照時間の4要素を観測しているものが最も多い。
過去のものを含む観測データは、気象庁のホームページで公開されている。
(共同)
出典
『大雨 1時間50ミリは3割増 年平均230回超に』
https://mainichi.jp/articles/20170814/k00/00e/040/167000c
2017年7月24日3時20分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1時間に50ミリ以上の雨が降る「短時間強雨」の年間発生回数について、1976年からの10年と直近10年の気象庁の観測結果を比べたところ、全国平均で約34%増えていることが分かった。
九州北部豪雨は甚大な被害を招いたが、豪雨や土砂による災害は今後も増える可能性がある。
毎時50ミリ以上の雨は「滝のような雨」とされ、土砂災害の危険が高まり、地域によっては避難準備が必要とされる目安。
都市部の排水機能の多くは、この雨量を基準に設計され、50ミリを超えると地下街などに雨水が流れ込む恐れが出てくる。
気象庁の地域気象観測システム「アメダス」(1千地点あたりに換算)のデータによると、毎時50ミリ以上の雨の年間発生回数は、観測が始まった76年から85年の10年は計1738回だったが、2007年から16年の10年は計2321回で、1.34倍に増えていた。
また、気象庁は今後の見通しについて、20世紀末と今世紀末を比較し、分析。
気温が上がれば大気中の水蒸気量が増えるため、大雨は増加するとされるが、同庁は、地球温暖化の要因とされる「温室効果ガス」の排出が今後も最悪のケースで続くと想定した場合、日本の年平均気温は4.5℃上昇し、短時間強雨の年間発生回数が2倍以上になると予測した。
東日本の太平洋側で気温が4.3℃上昇するため、現在の年平均気温が15.4℃の東京は鹿児島県の屋久島(19.4℃)と同程度になるという。
首都大学東京の藤部文昭特任教授(気候学)は、1979年から2013年のアメダスのデータを分析。
平均気温が1℃上がると、短時間強雨は4~13%程度、平均海面水温が1℃上がると7~19%程度増えていたという。
「地球温暖化が進めば激しい雨が増えるという傾向に矛盾はない。今後も短時間強雨はさらに増える可能性がある」と話している。
【カメラ・雨量計 地域で備え】
毎年のように、列島は台風や大雨に襲われてきた。
九州北部豪雨では、河川の氾濫、土砂や流木で多くの命が奪われ、家屋は激しく損壊した。
豪雨はこれからも避けられないが、減災への取り組みをどう進めればいいのだろうか。
被害が集中した福岡県朝倉市。
5年前にも豪雨で被災し、備えを整えてきたが、大雨や洪水は気象庁や自治体の情報を上回る速度で町を襲った。
今月5日昼すぎ、雨は急に強くなった。
福岡管区気象台は午後1時28分、朝倉市付近で1時間に約110ミリの雨が降ったとする「記録的短時間大雨情報」を発表。土砂災害や水害につながりうると注意を呼びかけた。
市災害警戒本部は避難所の準備を進めた。
「あまりにもすごい雨。対応に追われた」と市幹部は振り返る。
県と気象台は午後2時10分、朝倉市と隣の東峰村に「土砂災害警戒情報」を出し、これをきっかけに市は避難を勧告した。
ただ、山間部ではすでに建物が流され始めていた。
甚大な被害に遭った乙石川の最上流部にある乙石集落。
1人で暮らす梶原さん(女性、78歳)は午後2時ごろ、母屋の隣の蔵が川に流される音を聞いた。裏山にはい登り、夜を明かした。「気が動転して、後先を考えずに山へ登った」
午後3時半ごろには、乙石集落から約3km下流にある松末小学校の1階にも濁流が流れ込んだ。
壁掛け時計は午後3時40分をすぎたところで止まった。
児童ら約50人がいた、この小学校の周辺に避難指示が出たのは、午後4時20分だった。
水害の危険を知らせる河川の情報は限られていた。
朝倉市と東峰村で被害が出た17の中小河川(県管理)のうち、県が水位計を設置しているのは1河川だけで、乙石川にはなかった。
県河川課は、「被害が出た川は幅が狭く、水位が急激に上昇する」と、水位計の効果には限界があると説明する。
一方、被害について検証し、設置を進めるか検討するという。
過去に豪雨や洪水の被害に遭った自治体や住民は、より早く、正確に災害の兆候をつかもうと工夫を凝らす。
昨年夏、東北や北海道を襲った台風10号で住民ら20人が死亡した岩手県岩泉町。
町内に設置した雨量計から役場に情報を自動送信するシステムを導入する。
9月にも完成する見通しだ。
町は、主な川の上流にある役場の支所や民家など12カ所に雨量計を設置し、雨が降ると役場から電話をかけ、雨量計の目盛りを職員や住民に調べてもらっていた。
ただ、台風10号の時は接近に伴って業務量が増えて聞き取りができず、上流の雨量の急激な変化に気づけなかった。
町は、この教訓から、自動送信システムを取り入れることにした。
2年前の関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊し、市の3分の1が水没した茨城県常総市の根新田自治区。
市は当時、次々と発生する被害に対し、避難指示を的確に出せなかった。
自治区は「行政だけでは住民を守りきれない」と、浸水状況が分かる防災カメラを、氾濫した千代田堀川近くにある須賀事務局長宅のベランダに設置。
30分ごとに自動更新される20秒間の動画を、自治区のホームページで誰もがいつでも見ることができるようにした。
2014年8月の大雨による土砂災害で77人が犠牲になった広島市でも、行政からの情報に頼らず避難の判断ができるよう、地域で雨量計を設置する動きが広がっている。
土砂災害で10人が死亡した広島市安佐南区八木4丁目の「八木ケ丘町内会」。
14年12月と15年2月、サイレンと雨量計を集会所につけた。
1時間の雨量が10ミリを超えれば、黄色い回転灯が光って住民に注意を促す。
30ミリを超えたら赤い回転灯がつき、町内会の役員が住民に避難を呼びかける。
こうした情報が実際の避難につながるかどうかは、住民の意識によるところが大きい。
広島市の八木ケ丘町内会では、サイレンや雨量計の設置以外にも、住民から避難誘導員を募り、お年寄りを避難所に連れていくようにした。
避難所までたどり着けない状況を想定して、町内のマンションを一時退避所として使わせてもらう協定も結んだ。
町内会元副会長の山根さん(男性、71歳)は、「二度と同じような被害を出さないという思いから、町内会全体の防災意識が上がった」。
ただ、設置後に赤い回転灯がつき、住民に避難を呼びかけたケースが3回あったものの、避難する人は徐々に減ってきたという。
山根さんは「『のど元過ぎれば熱さを忘れる』にならないようにしていきたい」と話す。
出典
『短時間強雨の発生数、3割増 76年からの10年と比較』
http://www.asahi.com/articles/ASK7G35X0K7GUTIL006.html
(ブログ者コメント)
今年7月初旬に九州北部豪雨があったかと思えば、下旬には秋田で同じような豪雨被害。
たしかに短時間強雨が増えているという実感はある。
2017年7月16日付で毎日新聞筑後版から、今回の豪雨被害の特徴は「ため池決壊」と「山腹崩壊」だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部豪雨で現地調査をした土木学会の調査団長で、九州大大学院の島谷幸宏教授(河川工学)が15日、八女市で講演し、今回の豪雨の特徴について、「ため池の決壊」と「山腹崩壊」を挙げた。
2012年の九州北部豪雨から5年を迎えたのを機に、「矢部川をつなぐ会」などが企画したシンポジウムの一環。
島谷教授は、「ため池は治水上、効果があるが、決壊すると大きな被害が出る。ため池の下流に多くの流木が流れ、甚大な被害をもたらした」と述べ、ため池の管理が社会的問題だとの認識を示した。
また、「今まで見たことがないほど至る所で山腹崩壊が起き、流木や土砂が下流に流れた」と報告した。
会場からは、山の状態と災害との関係の質問も出た。
島谷教授は、「災害の主たる原因が豪雨であることは間違いないが、山の状態や管理について考えないといけない」と答えた。
さらに、「樹木を山から出にくくするとか、どこかで捕捉するとか、被害を少しでも減らす対策を考えないといけない」と話した。
復興計画の策定にあたっては、人や財産を守る安全面だけではなく、文化的なものや環境も一体となって戻すことが重要だと指摘した。
出典
『「ため池決壊」「山腹崩壊」 土木学会調査団長が八女で講演、特徴挙げる /福岡』
https://mainichi.jp/articles/20170716/ddl/k40/040/220000c
7月15日付で毎日新聞東京版からは、極めてまれな豪雨だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日から福岡、大分両県を襲った九州北部豪雨で、甚大な被害が出た福岡県朝倉市付近の6日午前0時までの24時間雨量が約1000ミリに達していたことが、気象庁の解析で分かった。
多数の犠牲者が出ている同市の杷木(はき)地区など、市南部に雨が集中していた。
3時間の解析雨量も約400ミリで、2014年の広島土砂災害(約250ミリ)や、15年の関東・東北豪雨(約200ミリ)を大幅に上回り、記録的な大雨が短時間に集中して降ったことがうかがえる。
気象庁の担当者は「極めてまれな豪雨だった」と話している。
出典
『九州北部豪雨 1日雨量1000ミリ超 福岡・朝倉付近「極めてまれ」 気象庁が解析』
https://mainichi.jp/articles/20170715/ddm/041/040/100000c
7月12日18時50分にNHK NEWS WEBからは、確認されただけで斜面崩壊は790カ所だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
専門家が雨量計のデータを詳しく分析したところ、猛烈な雨が狭い範囲に集中し、9時間余りにわたって降り続いていたことがわかった。
3年前の広島市の土砂災害の際にも猛烈な雨が降り続いたが、その時間は2時間半程度だったということで、これほどの長い時間、猛烈な雨が降り続いた例はあまりなく、極めてまれな現象だと指摘している。
一方、民間の測量会社「パスコ」は、今回の豪雨災害で被害を受けた福岡県や大分県で発生した土砂災害の状況を、ヘリコプターや人工衛星が撮影した写真から解析した。
その結果、斜面の崩壊が確認された場所は、これまでにおよそ790か所にのぼることがわかった。
その9割以上は福岡県朝倉市の杷木地区や黒川地区など、猛烈な雨が降り続いた朝倉市の山の斜面に集中している。
パスコによると、まだ確認できていない地域もあるということで、今後の調査で、斜面が崩壊した場所がさらに増える可能性があるという。
出典
『九州北部豪雨 長時間続いた猛烈な雨の実態は』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170712/k10011056041000.html
7月14日18時52分に日テレNEWS24からは、流木による被害拡大に焦点を合わせた下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
今回、被害を拡大させた理由の1つとみられている流木。
災害復旧の大きな障害にもなっている。
こうした事態を受け、国や自治体は会議を開催。
流木の撤去を早急に行うべく、話し合いが行われている。
【流木が被害を拡大させたワケ】
橋に引っかかった流木が川の水をせき止め、あふれた水が濁流となり、町をのみ込んだ可能性があるという。
今回の豪雨で特に大きな被害を受けた福岡県の朝倉市では、おびただしい量の流木が確認されている。
朝倉市や隣の東峰村、大分県日田市では林業が盛んで、山に植えられていたスギが大量に、土砂と一緒に流れ出た。
13日に福岡県が公表したデータによると、朝倉市と東峰村で少なくとも20万トンの流木が確認されたということだが、大分県を含めた流木の全体量はまだわかっていない。
【大量の流木が押し寄せたワケ】
周辺が崩れやすい地質だったということも考えられるが、流木被害の専門家は、森の管理不足も指摘している。
スギなどの植林地は、人の手で木を間引く間伐をしないと太陽の光が入りづらくなり、しっかりと地面に根を張ることができない。
そのため、間伐を行わないと強風や大雨などの際に倒れやすくなったり、辺り一帯の地盤が崩れやすくなってしまったりする。
【正確な実態把握を】
内閣府の担当者は、今回のような流木の被害について、「根本的な対策をとれる段階に至っていない」と話している。
だからこそ、事態が落ちついたら、今回の流木の量、流れた原因、その経路などを調査し、実態を把握することが肝心だ。
さらに、林野庁によると、森の管理不足は九州だけではなく全国各地で見られるということで、専門家は、「今回のような記録的豪雨が発生した場合、各地で同様の被害が起こる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
出典
『九州北部豪雨 「流木」で被害拡大のナゼ』
http://www.news24.jp/articles/2017/07/14/07367025.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
7月8日6時0分に西日本新聞からは、5年前の豪雨災害と状況は変わっていないという下記趣旨の記事が、地図付きでネット配信されていた。
5年前の教訓は生かされたのか-。
福岡、大分両県を襲った記録的豪雨で氾濫した河川や浸水地域は、2012年の「九州北部豪雨」と重なる部分が多い。
流倒木が川をせき止めるなど、原因も類似。
福岡県や国交省九州地方整備局は河川改修などを進めてきたが、結果的に甚大な被害を食い止めることはできなかった。
住民たちは「また同じ所がやられた」と、古里の傷痕にやるせない思いを募らせている。
・・・・・
今回、河川の氾濫の多くは、筑後川の本流ではなく支流で発生。
局地的な集中豪雨で山の斜面が崩れ、土砂とともに流れた樹木が家屋をなぎ倒し、川の流れをせき止めて氾濫させた。
九州北部豪雨で被災地の土木学会調査団長を務めた小松利光・九州大名誉教授(河川工学)は、「被害の発生状況や原因は、当時と全く同じ」と指摘。
「流木があると、水流だけの場合より格段に破壊力がある」という。
・・・・・
2012年7月の九州北部豪雨は、福岡、熊本、大分の3県で計31人が亡くなった。
福岡県朝倉市を流れる赤谷川や桂川は、今回の豪雨でも氾濫。
ともに、九州最大の筑後川の支流だ。
筑後川は、1953年に流域全体で死者147人を出した「筑後川大水害」など、本・支流でたびたび氾濫を起こしてきた「暴れ川」として知られる。
両支流を管理する県は、12~14年度、赤谷川の復旧工事を実施。
削れた護岸を直し、川底の土砂も取り除いたものの、川幅拡張などの増強工事は見送った。
桂川は、拡幅や川底掘削などを行っているが、工事進捗率は5割未満で、完成予定は9年先だ。
ただ県の担当者は、「今回は5年前より被害が大きい。赤谷川の流域、桂川の上流に、想像のつかない雨が集中的に降ったようだ」と「想定外」を強調。
「多くの支流を九州北部豪雨以上の想定で増強するには、工期も費用もかかり過ぎる」と説明する。
・・・・・
出典
『九州豪雨氾濫、5年前と類似 流倒木が川せき止め』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/341557/
7月17日9時18分に西日本新聞からは、林業衰退が流木被害の背景にあるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県と大分県の豪雨水害は、土砂崩れによる大量の流木が被害を拡大した。
被災した集落には根が付いたままの大木が広範囲に横たわり、人工林のもろさを印象づけた。
一帯は林業が盛んな地域。
流木の原因をたどると、日本の林業が克服できていない課題に行き着く。
・・・・・
福岡県朝倉市の杷木林田地区。
安否不明者の捜索現場のそばに、流木が山積みになっている。
5日の豪雨では、上流から流れてきた木々が橋桁や欄干に引っかかり、そこに土砂がたまって川があふれた。
中には、直径50cm、長さ10mを超える大木もある。枝はなく、樹皮は剥がれている。
土砂とともに流れる間にぶつかり合い、丸太になったとみられる。
・・・・・
なぜ、これほど大量の木々が流出したのか。
地元の林業関係者や専門家は、複合的な原因を指摘する。
朝倉市や隣の東峰村の山あいは、地表の近くに花こう岩が風化した「まさ土」が堆積しており、大量の水を含むと崩れやすい。
そこに植えられたのは、根を深く張らない針葉樹のスギやヒノキ。
種子から成長する場合は、深く密集した根を張るが、人工林は挿し木から育てるため、根は浅く、密度も低い。
木を真っすぐに育てるには、ある程度密集させるため、根は広がらない。
今回は、短時間に記録的な雨が降り注ぎ、地表面のもろい地層が木々と崩れ落ちる「表層崩壊」が同時多発的に発生した。
面積の86%が山林で、スギの人工林が多い東峰村の渋谷村長は、「国策で植林したが、今は伸び放題。雨が降るたびにおびえなくてはならない」と苦境を訴える。
・・・・・
(ブログ者コメント)
○5年前の豪雨被害との関連は、下記記事でも触れている。
2017年7月12日掲載
2017年7月5日 大分県日田市で過去の豪雨被害対応で橋の橋脚を減らしたが今回の九州北部豪雨では下流に流木が押し寄せJR鉄橋が流された、個別対応だけでなく流域全体をみた対応が必要
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7336/
○「ため池決壊」に関し、ピタリ解説した記事は見つからなかった。
ただテレビ報道では、以下のように解説されていた。
『ため池からの水の出口を流木が塞いだため、堤から水があふれ、あふれた水が土でできた堤防を徐々に侵食して決壊に至った。』
2017年7月17日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日午後6時半ごろ、埼玉県上尾市宮本町のJR上尾駅周辺で開かれていた「上尾夏まつり」で、露店のテントが風にあおられて倒れた。
警察によると、飛ばされた露店の調理用油が飛び散って、11人がやけどを負った。
同50分ごろには、同市の北に隣接する同県桶川市南1の「桶川祇園祭」会場でも、同様にテントが倒れて油が飛び、1人がやけどを負った。
計12人は病院に搬送され、両祭りとも中止となった。
熊谷地方気象台によると、大気の状態が不安定となり、午後6時ごろ県内全域に竜巻注意情報が出ていた。
上尾夏まつり会場では、片付けに追われる露店主や、落胆した表情で会場を後にする来場者がみられた。
主催者によると、露店約400店が出、多くの来場者でにぎわっていた。
あめ玉の露店を経営する女性は、「急に雷が鳴り、ものすごい風が吹いてきた。お客さんにテントや荷物を押さえてもらって何とかしのいだ。こんなことは初めて」と、当時の様子を振り返った。
出典
『突風 露店テント倒壊 12人やけどで搬送 埼玉・上尾、桶川の祭り』
https://mainichi.jp/articles/20170717/ddm/041/040/206000c
7月16日22時50分に産経新聞からは、事故時の状況に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
近くの露店の男性従業員(44)は、「前兆無く風が吹いて、一瞬で周りのテントが吹っ飛んだ。何10年も来ているが、こんなことは初めてだ」と、驚いた様子で話した。
出典
『上尾夏まつりで油飛散 けが人11人に 「一瞬でテントが吹っ飛んだ」』
http://www.sankei.com/affairs/news/170716/afr1707160021-n1.html
事故時の状況については、7月17日0時1分に朝日新聞からも、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会場周辺にいた人たちは、風が異様に強かったと口々に語る。
近くの飲食店で働く男性は、「午後6時半ごろに風が強くなってきた」と感じ、店の前に出していた旗をしまった。
友人と祭りに来た三輪さん(18)は、「屋根のある場所にいても雨風が入ってくるほどだった」。
別の飲食店で働く男性は、「台風並みの風だと思った」。
駅前のロータリーに面した美容室で働く男性は、異様な音で騒ぎに気づいた。「バキバキと金属がこすれるような音がして『わー』と複数の悲鳴が聞こえた。窓から見ると露店がいくつも倒れていた」
上尾市の大学生瀬下さん(20)は、「急に風が強くなり、砂ぼこりで目をあけるのもつらかった」。
風でとばされないよう露店主らが屋台を押さえていたが、突然、お面の屋台が倒れ、お面も強風に飛ばされたという。
路上にいた同市の高校2年の男子生徒(16)は、「急に突風が吹いて『わー』『きゃー』という悲鳴が聞こえた。屋台が風であおられてつぶれかけたり、屋根が外れかけたりしていた。担架で運ばれている人もいた」と話した。
出典
『突風「台風並み」、夏祭り会場に悲鳴 埼玉の事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK7J7DWWK7JUTIL010.html
7月19日19時28分に産経新聞からは、ガスフロントが原因だった可能性が高いという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月19日17時10分にNHK首都圏からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
熊谷地方気象台は19日、強風が発生したのは「ガストフロント(突風前線)」が原因だった可能性が高いと発表した。
同気象台によると、突風は同日午後6時半ごろ、上尾市と同県桶川市の一部で発生。
▽当時、活発な積乱雲が付近を通過中だった
▽急速に風速が増大した
▽急速に気温が低下した
など、ガストフロント通過時の特徴がみられた。
このため同気象台は、積乱雲から生まれた冷たく重い下降気流が日射で暖められた地上の空気とぶつかり、周りの空気を巻き上げながら進むガストフロントが発生したと判断したという。
突風の強さについては、樹木や建物への被害など十分な根拠が得られなかったことから、「不明」とした。
出典
『埼玉・上尾と桶川の突風被害 原因はガストフロントか』
http://www.sankei.com/affairs/news/170719/afr1707190029-n1.html
『夏祭りの突風はガストフロントか』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170719/5303631.html
(ブログ者コメント)
ガストフロントの何たるかは、下記記事中に記している。
2016年7月10日掲載
2016年7月4日 群馬県伊勢崎市で突風による被害が約20件、竜巻かダウンバーストあるいはガストフロントだった可能性あり
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6083/
2017年7月8日9時31分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州北部の大雨で、大分県日田市を流れる花月(かげつ)川に架かるJR久大線の鉄橋(約80m)が流されたのは、火山灰などでできた崩れやすい斜面が上流で崩壊し、植えられていた樹木が一斉に流れ出たためとみられることが、専門家の分析などでわかった。
日田市などを上空から視察した九州大の矢野真一郎教授(河川工学)によると、鉄橋の上流で斜面が崩壊しており、植えられていたスギやヒノキが流れ出た痕跡があったという。
矢野教授は、「樹木ががれきなどとともに橋脚に引っ掛かって濁流をせき止め、増えた水かさで大きな力がかかったとみられる。耐えきれずに橋脚が倒れ、橋が流された可能性がある」と指摘する。
加えて、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)によれば、その斜面の表層は風化した火山岩や火山灰などで構成されていて、崩れやすい地盤だった。
川辺主任研究員(火山地質学)は、「大量の降雨で表層が土砂崩れを起こし、スギなどを巻き込んで流れ下ったのではないか」と話している。
出典
『流木の影響で橋脚倒壊か…JR久大線』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170708-00050036-yom-soci
7月11日5時53分にNHK福岡からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日に九州北部を襲った記録的な豪雨では、大分県日田市を流れる花月川が増水し、JR久大線の全長およそ80mの鉄橋が流された。
9日、現地を調査した九州大学大学院の矢野真一郎教授は、川に残されていた橋脚の一部などに流木が引っかかっていたことから、多くの流木がたまって壊れ、流された可能性が高いと見ている。
一方、この鉄橋からおよそ2km上流にある別の橋が被害を受けていなかったこともわかった。
矢野教授によると、この橋は5年前の豪雨で橋脚に流木がたまり、川の水があふれる被害が出たため、去年、国と県が橋脚の数を3本から1本に減らす工事を行ったという。
このため矢野教授は、流木がこの橋をすり抜け、下流の鉄橋にたまりやすくなったことも今回の流出に影響しているとみている。
矢野教授は、「過去に被害を受けた橋だけに対策を施すのではなく、下流の橋でリスクが高まらないようにするなど、流域全体で対策を進める必要がある」と話している。
出典
『鉄橋流出は上流改修で流木集積か』
http://www.nhk.or.jp/fukuoka-news/20170711/5046791.html
(ブログ者コメント)
居座り続けた線状降水帯の影響で九州北部を中心に7月5日から降り続いた九州北部豪雨は、特に大分県日田市から福岡県朝倉市にかけた地域で、大きな爪痕を残した。
被害状況などは、以下のまとめ記事に詳しい。
(2017年07月10日 10時00分 読売新聞)
『気象・災害まとめ読み 九州北部で記録的大雨~多くの死者や行方不明者』
記録的な豪雨となった九州北部で、多くの死者や行方不明者が出ています。
土砂災害や道路損壊も相次ぎました。
各地で行方不明者の捜索、救助が続けられています。
・・・・・
http://www.yomiuri.co.jp/matome/20170706-OYT8T50004.html
2017年6月22日8時3分に静岡テレビから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大雨による河川の増水などで最大約13万6000世帯に避難勧告が出された浜松市で、21日、市内に開設された25カ所の緊急避難所の一部について、市民から「氾濫の恐れがある川を渡らないと行けない」などの苦情が市に相次いだ。
市は、避難所の利用に居住地域の縛りはなく、安全な行動を選択してほしいと説明するが、市民に災害時の避難行動が十分に認識されていない状況が浮き彫りになった。
市東部を流れる安間川は、正午すぎ、氾濫の危険が迫った。
市は、流域の東区笠井、長上、和田の各地区と南区飯田地区の計約2万7000世帯に避難勧告を出した。
市が開設した避難所は市立与進小と和田小で、いずれも川の西側。
川の東側に住む高齢の男性は、「危険な場所を通って避難しなければならないのは矛盾しているのでは」と、疑問を投げかけた。
市危機管理課によると、安間川以外の流域からも同様の苦情が多数寄せられたという。
避難勧告は流域全体に出しているため、個別の居住環境にまでは対応していない。
担当者は、「必ずしも(市が開設した)避難所に行かなければいけないものではない。建物の2階に避難するなど、状況に応じた個人の判断が重要」と話す。
ただ、「まだ説明が足りないのかもしれない」、とも受け止め、「情報を誤って認識して危険な場所に近づかないよう、平時から避難行動の在り方を周知したい」と話した。
出典
『「危険な川渡るのか」 避難所移動で苦情 浜松』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/372712.html
2017年6月13日付で毎日新聞東京版から下記趣旨の記事が、実験装置の写真付きでネット配信されていた。
水に浸ると発電する水電池の特性を活用した警告灯で河川の水位上昇を知らせる、国交省による初の実証実験が、山形県高畠町で始まった。
水電池を設置した高さに水位が達すると、町道脇に設置された警告灯が自動的に点灯する仕組み。
視覚的に知らせることで、緊急避難の目安を示すことを狙った。
国交省山形河川国道事務所(山形市)が県・町と共同で、同町中瀬地区を流れる1級河川・和田川に警告灯1基を設置し、11日から実験を始めた。
同地区は、山形・新潟両県で100人以上が死んだ「羽越水害」(1967年8月)で被害を受けたが、和田川は、国や県による洪水予報の指定河川ではないため、避難の指標がなかった。
警告灯の構造は、上部に赤と黄色の警告灯を各1基、下部には町道下50cmと同25cmの高さに水電池を設置。
50cmの高さまで水位が上昇すると、「危険」を示す黄色灯がついて、高齢者らの避難を促す。
25cmに達すると、黄色灯に加え、全員避難の目安となる「退避」の赤色灯がつく。
今回の警告灯は、水電池自体が水位を関知するセンサーとなるため、従来タイプより確実性が高いという。
同河川国道事務所は、「水電池式は簡易で単価も安い。他地域での展開を検討していきたい」としている。
出典
『水電池警告灯 浸ると光る 水位上昇を告知、山形で初の実証実験』
https://mainichi.jp/articles/20170613/ddm/012/040/079000c
2017年6月3日15時46分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が写真や図解付きでネット配信されていた。
地震の震源を世界で初めて直接観察しようと、立命館大や東北大、米スタンフォード大など、9カ国の大学や研究機関による国際プロジェクトチームが、南アフリカの金鉱山の地下3km付近から震源まで掘削する調査を始めた。
周辺で起きた地震の震源が800m以内にあると予測され、2年計画で実施する。
地震発生のメカニズム解明につながるか、期待される。
南ア北部のモアプ・コツォン金鉱山では、約120年前に採掘が始まり、地下約3kmまで鉱脈が掘り進められている。
多くの空洞ができた影響で岩盤がひずみ、マグニチュード(M)2前後の地震が日常的に発生している。
立命館大理工学部の小笠原宏教授によると、自然に起きる地震も岩盤のひずみから破壊が始まると考えられており、金鉱山地下の震源で断層の様子や岩盤に加わった力などを調べることで、どんな環境が地震の始まりや大規模化、終息を決めるのかが判明する可能性があるという。
チームは、2014年8月と17年に鉱山近くで発生したM3~5.5の数回の地震のデータ分析で、震源が地下約3kmの水平坑道から50~800m先にあると予測。
最寄りの3鉱山の坑道から、それぞれの震源や余震が活発なエリアに向かって、直径7.6cmのボーリングを10数本実施する計画だ。
掘削後にはセンサーを設置し、震動に加え、断層から発生する地下水やガスも分析する。
一方、今回の掘削地点には、29億年前の陸と海の堆積物がある。
地表の環境変化の影響を受けていないとみられ、米プリンストン大などの研究チームは、太古の微生物の生存条件も探る。
微生物活動の消長が確認できれば、地球初期の生命への理解を深めたり、火星などの生命探査に指針を与えたりできるという。
掘削は日本時間の1日夜に始まった。
小笠原教授は、「観測データが豊富なM5.5の地震の震源と他の小さな地震の震源を直接調査し、比較することで新しい知見を得たい」と意気込んでいる。
出典
『地震 地底3キロ 震源を直接この目で』
https://mainichi.jp/articles/20170603/k00/00e/040/231000c
(ブログ者コメント)
このような研究は他にも行われているらしく、お互いの関係は不明なものの、過去には以下のような情報もネット配信されていた。
『特集 南アフリカ金鉱山の地下3545m、地震の震源へ』
(2008年10月31日 東京大学地震研究所 ニュースレター 第4号)
南アフリカのムポネン鉱山で、地下3kmのトンネルから地震計設置のためのボアホールを掘る中谷正生准教授。
「この鉱山での研究だけで、南アフリカ人15人、日本人10人、ドイツ人3人が継続的に走り回っています」
・・・・・
日本の研究者が南アフリカの鉱山で地震観測を始めたのは1992年からだ。
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中谷准教授は2003年から南アフリカでの地震研究を始めた。
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2006年から取り組んでいるのが、アコースティック・エミッション(AE)の観測だ。
岩石が破壊されるとき、数10〜数1000kHzの超音波があちこちで発生する。
その現象を「アコースティック・エミッション」と呼び、発生する超音波をとらえることで、岩石内部のどこで、どのくらいの大きさの破壊が起きたかを知ることができる。
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2007年12月27日。
観測点からわずか30mのところで破壊が始まり、長さ100mの断層がすべる地震が発生。
マグニチュードは2.1だった。
センサからわずか6mのところを破壊面が通過した。
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http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/old/wp-content/uploads/2014/05/eri_nlp_4.pdf
『鉱山での地震被害低減のための観測研究プロジェクト ;研究期間 2010年8月6日から2015年8月5日(5年間)』
(独立行政法人 国際協力機構 HP)
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鉱山では、採掘活動によって掘り残された岩盤にストレスがたまり、断層が生じることで地震が発生する(以下、「鉱山地震」という)。
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鉱山地震のリスクは深度が深くなるほど、また、掘残しが小さくなればなるほど高くなる。
多くが掘りつくされていたり、採掘深度が3000mを超えるケースも多い「南ア」国の金鉱山は、特にリスクが高い。
・・・・・
他方、「南ア」国の大深度金鉱山では、地震の発生位置や大きさが事前にある程度予測可能だ。
過去16年間にわたり、日本の研究者によって震源となる断層のごく近くで観測されてきた。
このように、大深度金鉱山は地震の準備と発生のメカニズムの研究を行う絶好のフィールドであり、より高度化された観測から得られる科学的知見は、自然地震の発生メカニズムの理解促進に役立ち、地震の予知・予測研究に役立つことが期待される。
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https://www.jica.go.jp/project/southafrica/001/outline/
2017年5月20日19時52分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月20日20時7分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後0時半頃、越前市粟田部町にある市立花筺(かきょう)小学校で運動会の最中、校庭に設置されたテント1張り(縦5.4m、横3.6m、高さ3m)が強風で倒れた。
この事故で、小学4年生の女子児童1人と保護者など男女4人がけがをして市内の病院に運ばれたという。
このうち、70代の女性1人が倒れてきたテントで腰を打ち、腰の骨を折る重傷を負ったほか、女子児童が右足と腰を打撲するなど3人が軽いケガを負った。
警察によると、事故当時、運動会は昼休みで、テントの下で児童や保護者が休憩していたところ、土のうで固定していたテントが突風で倒れたということで、詳しい事故の原因を調べている。
警察や同小によると、テントは17張りあり、いずれも重さ約15kgの土嚢をくくりつけた支柱4~6本で固定されていた。
事故後はテントを減らし、余った土嚢で他のテントを補強し、運動会を続けた。
学校によると、21日は朝から天気が良く、昼頃に気温が高まったところ、急に強い突風が吹き、テントがおよそ1mほど浮き上がったあと、倒れたという。
花筺小学校の平岡校長は、「午前中は無風だったが、昼過ぎに突然、つむじ風のような突風が10秒から20秒くらい起きた。テントを固定する土嚢や風の通し方に注意し、今後、このようなことがないようにしたい」と話していた。
県内では、この日、強風注意報などは出ていなかった。
出典
『運動会中 突風でテント倒れ4人けが』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053572951.html
『運動会 テント1張りが倒れ4人重軽傷 福井・越前』
https://mainichi.jp/articles/20170521/k00/00m/040/032000c
5月21日17時0分に福井新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
児童を含む4人が重軽傷を負ったテント倒壊事故。
楽しい体育大会の会場は、一時、騒然となった。
事故当時、倒れたテントの中にいた43歳女性は、「砂嵐の中に巻き込まれたようで、とっさに目と耳をふさぎ、テントが浮かび上がったのにも気づかなかった」と話した。
「元の場所から1、2m南側に倒れ、『痛い』という子どもの声が聞こえた」と、事故の瞬間を振り返った。
30mほど離れた場所にいたPTA役員(37)は、「突然、砂嵐が起き、必死に自分たちのテントの支柱を持って支えた」という。
「子どもたちが楽しみにしていたのに、事故が起きてしまって残念。二度と起きないようにしなければ」と話した。
同小の教頭は、「しっかりと準備して臨んだのだが。来年は土嚢の数を増やすなど対策を検討したい」としている。
出典
『テント倒壊、「痛い」子どもの声 砂嵐に襲われ体育大会騒然、越前市』
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/accidentandincident/121415.html
(ブログ者コメント)
NHKからは、文字情報にはなっていないが、音声情報として、下記趣旨の説明があった。
3時間後に別の小学校で映された30秒ほどのツムジ風の映像。
事故の際は、これより大きいツムジ風のような風が舞い上がっていたという。
こういう風を校庭で3回ほど目撃したという。
2017年5月18日10時42分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本政府は地震予知ができないことを認めるべきだ――。
こう題した論考が英科学誌ネイチャーに18日、掲載された。
東日本大震災から6年を経ても、科学的根拠が乏しい地震予知や長期予測に頼っているとして、防災政策を改めるよう促している。
筆者は米国生まれで、今年3月で東京大教授を退職した地震学者のロバート・ゲラーさん(65)。
1984年に来日して以来、日本の地震研究が地震の予知に偏っていることに疑問を抱いてきた。
論考では、東海地震に備えた大規模地震対策特別措置法(大震法、1978年施行)が地震の前兆現象の観測を前提にしていることや、南海トラフ地震などの大地震が周期的に起こるという考えに基づき発生する確率を算出していることについて、いずれも「科学的根拠はない」と指摘している。
一方で、東日本大震災を起こした地震は「想定外」だとして、現在も予知や予測に基づいた政策を続けていることは不適切だと批判した。
ゲラーさんは、「政府は国民に正確な直前予知ができないことを伝え、堅実な科学研究に基づいた地震対策をすべきだ。ネイチャー誌も、東日本大震災後に改善の兆しが見られない日本の地震学の状況を憂慮して、論評の場を提供してくれたのではないか」と話している。
出典
『「日本は地震予知できぬと認めよ」 学者が科学誌に論考』
http://www.asahi.com/articles/ASK5K6HQ7K5KUBQU014.html
(ブログ者コメント)
〇ネットで調べたところ、氏の主張などが記された記事がいくつか見つかった。
これはと思ったものを抜粋して紹介する。
『「地震予知はムダ。いますぐやめたほうがいい」東大地球物理学者の警告』
(2016.04.21 現代ビジネス)
「地震は予知できない」――
著書を通じて、あるいは学会の場で情報発信を続ける人がいる。
ロバート・ゲラー東京大学理学系教授。
専門は地球物理学で、地震は地球の内部構造を理解する一分野として研究してきたが、「予知できる」という前提のもと、国から年間平均で約100億円の予算を獲得してきた「地震村」の中で、そう発言し続けるゲラー氏は「異端の人」である。
だが、異端が正論であることが今回も裏付けられた。
熊本地震を予測、警告を発した学者は皆無。
しかも、政府の地震調査研究推進本部が公開した全国地震動予測地図(ハザードマップ)では、「30年以内に震度6弱以上の揺れ」が起きる確率は8%で、横浜市の78%、千葉市の73%、高知市の70%などと比べると、極端に低かった。
いうまでもないが、正論が判明したところで、喜べる話ではない。
ゲラー氏が率直に話す。
「熊本地震が起きてしまい、多くの方が被災されたのは本当に残念です。予知できない以上、いたずらに人を惑わすハザードマップは廃止すべきだし、研究者は国民と政府に、特定の地域に言及することなく、全国で『想定外のリスクに備えること』を勧告すべきでしょう」
ハザードマップは、地震発生確率の高い地区ほど濃い色で塗りつぶされており、地震学の粋を集めて作成されたということだが、熊本地震がそうであるように、役に立ったためしがない。
過去の大地震といえば、83年の日本海中部地震、93年の北海道南西沖地震、95年の阪神・淡路大震災、07年の新潟県中越沖地震、そして11年の東日本大震災だが、今回と同じく、ことごとく予知できなかったし、ハザードマップで震源はいずれも色が薄く、確率が低いとされた地区だった。
確率が8%なら92%は安心と受け止める人がいるかも知れない。
そうなると、ハザードマップという名の予知は「害悪ですらある」(ゲラー氏)という。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48492
『「地震は予知できない」という事実を直視せよ 国の地震予測地図はまったくアテにならない』
(2016年04月28日 東洋経済オンライン ゲラー氏の寄稿文)
地震予知はできない」ということは、「太陽は毎朝、東から昇る」と同レベルの当然のことで、誰でも知っているはずのことなのだ。
これは、最新の事実でも何でもない。
・・・・・・
「明日、東京にマグニチュード(M)7の大地震が起きる」と主張することは誰でもできるが、これは決して予知ではなく、単なる予言に過ぎない。
なぜなら、「科学的根拠」がないからだ。
・・・・・
これまで国内外で地震発生後、多くの「こういう前兆現象をみた」との報告があったが、これまで科学的に有意性が確認された前兆現象の事例は皆無で、これらは地震予知ではなく、“地震後知”と呼ぶべきものだ。
・・・・・
ハザード・マップを実際に起きた大地震と重ね合わせてみると、実際に起きた震災は、比較的安全とされた地域ばかりだった。
この地図は、ハザード・マップではなく、“外れマップ”と呼ぶべきだ。
・・・・・
筆者としては、地震発生というものは非常に複雑な非線型現象で、地球内部の詳細な応力分布などに敏感であり、予知することはできるはずがないと考えている。
http://toyokeizai.net/articles/-/115836
〇ブログ者は、氏の意見に賛同する。
大地震の発生確率が30年に1度になったと言われてもピンとこず、では、どうすればいいのだ・・・という話しになってしまう。
これが、たとえば1週間以内に起きる確率が80%以上と言われたら、備えるべきことは沢山あるのだが・・・。
2017年4月30日10時27分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国的に大気の状態が不安定となった影響で、29日午後に西日本各地で一時強風が吹き、遊具が飛ばされて子供がけがをするなど被害が相次いだ。
広島市佐伯区では、午後0時10分ごろ、住宅展示場の屋外にあったビニール製の滑り台(長さ18m、幅5.5m、高さ7m)が風にあおられ転倒。
7人が投げ出され、警察によると来場客の男性(44)と6歳と4歳の娘が地上に落ちて軽傷。
「京都中央メーデー」が開かれていた京都市下京区の梅小路公園では、午後1時40分ごろ、アルミ製のアーチ(高さ8m、幅10m)が倒れ、近くを歩いていた女性会社員(53)と男性会社員(29)が転倒するなどして頭にけがをした。
滋賀県の琵琶湖では、午後1時45分~2時40分ごろにかけ、ボートやヨットなど10艇が転覆や漂流をした。
18人にけがはなかった。
出典
『強風 西日本各地で 京都で高さ8メートルのアーチ倒れる』
http://mainichi.jp/articles/20170430/k00/00e/040/131000c
広島市の事例の補足情報は下記。
(4月29日19時28分 NHK広島)
15kgと20kgの重りをあわせて14か所に設置していたという。
気象台によると、広島市では午後1時半すぎに14mの最大瞬間風速を観測していて、現場の近くにいた男性は、「当時は風が音を立てて強く吹いていた」と話していた。
出典
『空気入れる滑り台傾き3人軽傷』
http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170429/3037851.html
京都市の事例の補足情報は下記。
(4月29日17時7分 NHK関西)
ゲートは、両端の支柱の部分に、それぞれ重さ200kgの重りをつけるなどしていたという。
出典
『強風で大型ゲート倒れ2人軽傷』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170429/3038341.html
琵琶湖の事例の補足情報は下記。
(4月29日19時4分 NHK関西)
29日午後2時ごろ、大津市鏡が浜のびわ湖の沖合およそ300mで「ボートが転覆した」と消防に通報があった。
ボートには2人が乗っていて、このうち1人が一時、流されたが、近くにいた船に救助されて、いずれも無事だった。
警察などによると、このほかにも午後3時ごろまでの1時間半ほどの間に、大津市と草津市、それに守山市のびわ湖の沖合で、「ボートが沖に流され戻れない」、「ヨットが転覆した」などの通報が7件、相次いだが、乗っていた人たちあわせて14人全員が救助されるなどして、けがはなかった。
ヨットが転覆する様子を岸から目撃した男性は、「北の空が急に暗くなり、突風が吹いてきた」と話していた。
出典
『びわ湖でボート転覆など相次ぐ』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170429/3038551.html
上記以外、愛知県半田市でも、ヨット10艇が転覆する事故があった。
(4月29日19時2分 NHK東海)
29日午後3時ごろ、愛知県半田市の衣浦港で、県立半田高校ヨット部の生徒が乗ったヨットが強風にあおられて相次いで転覆したのを近くの衣浦海保の職員が見つけ、救助に向かった。
同海保によると、部員2人ずつが乗ったヨット10艇が転覆し、男子部員9人と女子部員11人のあわせて20人全員が海に投げ出されたが、海保のボートや漁船など5隻が救助にあたり、1時間40分後には全員が救助されたという。
消防によると、20人のうち8人が寒さなどを訴えて病院に搬送されたが、いずれもけがはないという。
生徒たちは、練習中に風が強くなったため、途中で切り上げてヨットハウスに戻る途中だったという。
出典
『高校ヨット部10艇転覆全員救助』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170429/3040591.html
(ブログ者コメント)
全国的に天気が荒れ模様になることは、前日から予報が出ていた。
(4月28日17時23分 毎日新聞)
気象庁は、28日、同日夜遅くから29日夕方にかけ、西日本と東日本を中心に大気の状態が非常に不安定になるとして、竜巻などの突風や落雷、ひょうへの警戒を呼び掛けた。
出典
『GW 初日、荒れ模様に 突風や雷に警戒呼び掛け』
http://mainichi.jp/articles/20170429/k00/00m/040/025000c
2017年3月7日付で日本海新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取県内を襲った大雪の影響で、舗装された道路の亀裂や陥没が相次いでいる。
大量の雪解け水が道路の継ぎ目に入り込んだことなどが原因とみられ、中でも33年ぶりに90cm以上の積雪を観測した鳥取市で被害が深刻化。
同市広岡では市道が約500mにわたり通行止めになり、早期復旧が課題となっている。
通行止めは、市道船木広岡1号線。
雪が解けた2月下旬、複数の亀裂が約100mにわたって見つかった。
舗装が波打ち、最大約30cmの段差ができている。
普段は利用が少ない道路というが、近くの住民からは、不便を訴える声が上がっている。
「大地震が起きたような状況で驚いた。どのようにして修復したらいいか…」と、戸惑う市の担当者。
厳しい市財政下、年内復旧を目指して国の補助事業に申請する予定だが、採択されるかは不透明という。
一方、住宅の敷地や商業施設の駐車場などに亀裂ができたり、穴が開いたりする事態も続出している。
舗装の小さなひび割れや継ぎ目に雪解け水が大量に染み込み、凍って隙間を広げているという。
建設会社には、補修などの依頼が殺到。
同市内の建設会社は、「修復の依頼が数10件寄せられ、手が回らない。こんなことは初めて」と、対応に苦慮している。
出典
『道路亀裂、陥没相次ぐ 大雪の影響 深刻化』
http://www.nnn.co.jp/news/170307/20170307036.html
2017年3月3日18時31分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市内の道路で、マンホール部分の熱が雪を解かしてすり鉢状の段差をつくり、ドライバーのイライラを募らせている。
札幌市は、マンホールのふたの裏側に断熱性の素材を取り付ける作業を毎年1000カ所ずつ進めているが、段差ができやすい場所は、除雪回数の少ない生活道路を中心に、なお約9万5000カ所ある。
昨年12月に大雪が降った今冬は、例年よりも早い時期から段差が生じ、車輪が落ちて自動車が壊れたケースもある。
市下水道河川局によると、マンホールのふたは直径62cm。
鉄製のため、熱を伝えやすい。
風呂や食器洗いなどで使った生活排水は11~15℃で下水管を流れ、その暖気で、ふたの部分の雪が解ける。
市内のマンホール約21万カ所のうち、こうした状況にあるのは、現在、約9万5000カ所。
「段差は30~40cmになることもある」(管路保全課)という。
道路維持を担当する市内全10区の土木センターには、昨年12月以降、「ハンドルを取られて危ない」、「つまずきそうになった」といった苦情が寄せられている。
雪の積もった市道を運転していた市内の男性は、「マンホールのくぼみに前輪が落ちてバンパーが傷ついたが、(市に)補償はしないと言われた」という。
歩行者が転倒して、けがをするケースもあるという。
市建設局は、「管理する道路延長は約5500kmと長く、どこで段差ができるか予測できない」(道路管理課)と話し、修理費や治療費の補償に応じていない。
出典
『冬道に魔のマンホール 車破損や人けが 札幌市、断熱まだ半数』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/life-topic/life-topic/1-0374723.html
2017年2月27日15時26分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
温泉施設での硫化水素による事故を防ぐため、環境省の検討会は27日、施設の設備や構造などに関する基準の改正案をまとめた。
浴室内の換気を24時間行うなど、施設や自治体に対し、安全対策の強化を求める内容が盛り込まれている。
3年前、北海道足寄町の温泉施設で、入浴中の男性が倒れて意識不明の重体となる事故があり、その後、浴室から国の基準を大幅に上回る高い濃度の硫化水素が検出されたことを受けて、環境省の検討会は去年から、温泉施設の設備や構造など、安全対策に関する基準について議論し、27日、都内で開いた会合で基準の改正案をまとめた。
改正案には、硫化水素が発生する可能性がある「硫黄泉」を利用している施設に対し、浴室内に24時間連続で換気できる設備を設置することや、硫化水素の濃度を測定する際には、浴槽に温泉が注ぎ込み、特に濃度が高くなる「注入口」の付近で測ることなど、安全対策の強化を求める内容が盛り込まれている。
さらに、自治体に対し、施設側から測定結果について定期的に報告を受けたり、必要に応じて立ち入り調査を行ったりするなど、安全を確保するための措置を適切に取るよう、求めている。
環境省は、今後、改正案をホームページで公開するなどして広く意見を聞いたうえで、ことし7月をめどに基準を改正するとともに、施設や自治体向けのガイドラインも作成することにしている。
環境省の検討会の座長を務めた埼玉医科大学の倉林均教授は、「『硫黄泉』については、これまで効能ばかりが取り上げられてきたが、数は少ないが事故も起きているので、基準の改正案では、施設側にしっかりと安全対策をしてもらうとともに、行政も監視することがポイントとなっている」と述べた。
そのうえで、「温泉は日本のすばらしい文化の一つなので、注意しながらも安心して楽しめるよう、対策をしっかり行ってほしい」と話していた。
硫化水素が発生する可能性のある「硫黄泉」の源泉は全国に1204か所あり、このお湯を使っている温泉施設の浴槽は合わせて6434に上る。
このうち、環境省が去年10月、全国の自治体を通じて行った調査で、浴室内で硫化水素の濃度が国の基準を超えた温泉施設の浴槽は合わせて33あった。
具体的には、青森県が16と最も多く、次いで北海道が7、山形県が6、宮城県が4となっている。
また、浴室内の硫化水素の濃度を定期的に測定していなかった浴槽は5503と、全体の85%に上った。
このため、今回の基準の改正案には、自治体に対し、施設側から硫化水素の測定結果について定期的に報告を受けるなど、安全確保のための適切な措置を行うことを求める内容が盛り込まれた。
硫化水素の中毒に詳しい医師によると、硫化水素は、微量であれば人体に影響はないということだが、国の基準を超えるような高い濃度になると、意識を失うなどの事故につながる可能性があり、安全管理には濃度の定期的な測定が欠かせないという。
また、硫化水素は空気より重く、低いところにたまりやすい性質があるため、特に背の低い子どもなどは十分な注意が必要だとしている。
過去の事故を教訓に、独自に安全対策を進め、今回、環境省の検討会が基準の改正案をまとめるにあたって、取り組みが参考にされた施設がある。
それは、福島市にある高湯温泉。
白く濁ったお湯が関節の痛みなどに効くと評判で、年間およそ17万人が訪れる。
この温泉の源泉は、高い濃度の硫化水素を含んでいる。
過去には、硫化水素が原因と見られる事故も起きていて、41年前には、入浴中の男性客が死亡した。
これを教訓に、各温泉施設は独自に安全対策を進めてきた。
高湯温泉で温泉宿を経営する遠藤さん(男性、61歳)は、環境省の検討会の委員も務めていて、今回の基準の改正案をまとめるにあたって、これまでに行ってきた取り組みが参考にされた。
対策の一つ目が、源泉からお湯を施設の浴槽まで運ぶ水路の構造。
中に木の板を何枚も入れて階段状にしている。
お湯が板を乗り越えて落ちる際に空気に触れるため、硫化水素の濃度を下げることができるという。
入浴客が利用する浴室には、さらに多くの対策を施している。
源泉からのお湯が浴槽に注ぎ込む「注入口」は、浴室内でも最も硫化水素の濃度が高くなりやすいため、すぐそばの壁に換気孔を設けている。
さらに、その真上には24時間動く換気扇を設置。
万が一、故障して止まることがないよう、点検も欠かさない。
浴室内の硫化水素の濃度も、毎日2回以上、測定している。
この際もやはり、最も濃度が高くなりやすい「注入口」の付近を中心に測定する。
こうした取り組みは、入浴客の安全を守るうえで効果的だとして、基準の改正案に盛り込まれたほか、今後、基準に基づいて施設や自治体向けに作られるガイドラインにも掲載される見通しだ。
遠藤さんは、「昭和40年代に硫化水素が原因と見られる本当に残念な事故があったので、それをきっかけに、高湯温泉全体で取り組もうと始めた。安全対策を徹底し、お客さんに安心して入浴していただくことがいちばんのサービスだと考えています」と話していた。
出典
『温泉の硫化水素事故防止へ 基準の改正案まとまる』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170227/k10010891731000.html
2月27日16時59分に産経新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
環境省は、27日、温泉施設での硫化水素中毒事故を防ぐための設備構造基準について、常に換気することなどを明記した改正案をまとめた。
パブリックコメントを経て、7月をめどに自治体へ通知し、基準の内容をより具体的に示したガイドラインも作成する方針。
昭和50年に定めた基準では、硫化水素濃度は、浴槽の湯面から上方10cmで20ppm、浴室の床から上方70cmで10ppmを上限と規定。
改正案では、湯の注入口など濃度が浴室内で最も高くなる地点で測定するよう求めた。
また、基準が適切に運用されているか、施設から自治体に濃度測定の結果を報告させたり、立ち入り検査を実施したりし、必要に応じて行政指導や処分をすることが望ましいとした。
北海道足寄町の温泉施設(現在休業中)で平成26年10月に男性客が中毒とみられる症状で意識不明となった事故を受け、有識者による検討会を設置して議論していた。
出典
『基準に「常に換気」を明記 温泉事故防止で環境省』
http://www.sankei.com/affairs/news/170227/afr1702270025-n1.html
(ブログ者コメント)
足寄町の事例は下記記事参照。
2016年10月28日掲載
[昔の事例の顛末] 2014年10月 北海道足寄町の温泉施設で入浴中の客が硫化水素中毒で重体、濃度測定不実施、過去にも死亡事故あれど溺死等と診断、環境省は基準見直しへ
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6407/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6406/
2017年2月13日22時23分にNHK福井から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月10日、1日に降った雪としては観測史上最も多い81cmを記録した小浜市で、漁港などに係留されていた船20隻が、雪の重みで沈没したり浸水したりする被害が出ていることがわかり、県などが被害状況の確認を進めている。
県や小浜市漁協によると、降り積もった雪の重みで、小浜市内の複数の漁港に係留されている漁船やプレジャーボートなど合わせて20隻が、沈没したり浸水したりする被害が出ているという。
このうち小浜漁港では、岸壁でも80cmほどの雪が積もっていて、3隻のプレジャーボートが船体の一部が海面から出ている状態で海の中に沈んでいるのが確認できた。
また、海面には、船から出たものと見られる油が浮かんでいた。
漁港では、地元の漁師などが船や岸壁の雪かきにあたっていて、70代の漁師は「船は雪がたまりやすい形をしているので陸上の3割増しで1mは積もっていた。船の上に20、30cm積もれば何トンって重さになるので、沈んだら大変だ。これだけの被害は初めではないか」と話していた。
また、小浜市漁協の樽谷参事は、「組合入ってから30年以上になるが、こんな被害は初めてだ。雪が1時間に10cm積もると、雪かきが追いつかないし、50cm積もると、そもそも船までたどり着けない」と話していた。
福井地方気象台によると、小浜市では2月10日、1日に降った雪としては昭和55年に観測を始めてから最も多い81cmを記録し、13日は小康状態だったが、午後5時現在の積雪は65cmと、平年の6倍を超えている。
県は漁協とともに、被害の状況の確認を進めている。
また、大雪の影響で、県内では13日小浜市と若狭町であわせて9校の学校が休校になった。
出典
『雪の重みで船20隻 沈没浸水』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3053871751.html?t=1487019114765
2月13日18時34分に産経新聞westからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本を中心とする大雪の影響で、13日、福井県から鳥取県の日本海沿岸では、積雪の重みで係留中の漁船やプレジャーボートが沈没する被害が出た。
第8管区海上保安本部によると、同日午後4時半現在で、福井県で19隻、京都府で4隻、兵庫県で4隻、鳥取県で23隻の、計50隻の被害が確認された。
出典
『積雪の重みで漁船やプレジャーボート沈没 福井から鳥取の日本海沿岸』
http://www.sankei.com/west/news/170213/wst1702130056-n1.html
(ブログ者コメント)
当時、山陰地方では、過去にほとんど経験したことがないほどの大雪が降っていた。
雪で船が沈没するなど、雪とほとんど縁がない生活をしているブログ者は、考えたこともなかった。
2017年2月7日付の秋田魁新報紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
秋田県が管理する跨道橋(こどうきょう)や標識などに積もった雪の塊が道路に落下し、走行中の車を直撃して破損する事故が、この10年間で計60件発生していることが県のまとめで分かった。
雪が降り積もった後、気温が上昇した日に発生するケースが多く、県は「落雪がないよう取り除いているが、全てに対応することは難しい」と苦慮している。
「何が起きたのか全く分からなかった」。
秋田市の50代男性は、こう振り返る。
1月16日午前11時ごろ、秋田自動車道上り線を走行中に、突然、衝撃に襲われた。
大仙市南外の県が管理する跨道橋の下を通過しようとした時、雪塊が乗用車を直撃した。
「上空から雪の塊が落ちてくるとは、思いもしなかった。気を付けろと言われても、対策の取りようがない」と男性。
屋根がへこみ修理が必要となったほか、衝撃で首を痛め、医療機関を受診したという。
県道路課によると、跨道橋の脇にたまった雪が金網フェンスの隙間から外にせり出して固まり、寒さが緩んだことで、下の高速道に落ちたとみられる。
県が管理する跨道橋や道路案内標識などから落雪し、車を直撃する事故は、本年度、この事故を含め、2件発生。
過去9年間では、2010年度と14年度が11件で最も多く、次いで13年度の10件、12年度7件、11年度6件と続く。
被害は、その年の積雪量に左右されるといい、昨年度までの58件については、修理費などとして計900万円を被害者に支払っている。
こうした事故の多くは、跨道橋や道路案内標識のほか、街路樹の下などでも発生。
降り積もった雪の塊が、気温の上昇に伴い、落下する例が多い。
県は、積もった雪を高所作業車を使って取り除くようにしているが、一気に降り積もるなどした場合は、作業が追いつかないのが現状という。
県は、大仙市南外の跨道橋については、金網フェンスから外に雪がせり出さないよう、ビニールシートを取り付ける対策を講じた。
ただ、道路案内標識などには対策を施すのが難しく、こまめに雪を取り除くしかないという。
※以下は、一部だけネット配信された記事。
『落雪の車直撃事故、10年で60件 県は対応に苦慮』
http://www.sakigake.jp/news/article/20170207AK0009/
2017年2月4日23時27分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
避難勧告の判断に役立てるため、都道府県の職員が河川の氾濫の見通しを市町村長の携帯電話に直接伝える「ホットライン」の運用が、2008年の国の要請以降、11県にとどまっている。
21人の死者・行方不明者が出た昨年の岩手県岩泉町の水害では、町長に水位情報が伝わらず避難勧告が遅れたことから、国交省は新たに指針を作り、運用を促す構えだ。
ホットラインとは、川を管理する都道府県の幹部職員が河川データや過去の経験をもとに氾濫の可能性を判断し、流域の市町村長の携帯電話などに直接伝える仕組み。
事務レベルでは、日常的に川の水位データは伝えているが、避難勧告を出す権限を持つ自治体トップに氾濫の恐れを直接伝えることで、早期の判断を促す。
国交省によると、昨年10月時点で、山形、栃木、千葉、新潟、岐阜、福井、岡山、鳥取、島根、大分、長崎の11県が設置する。
国が管理する大きな河川では、05年に国交省の職員が市町村長に氾濫の見通しを伝える仕組みを整え、全流域で運用を開始。
だが、都道府県が管理する中小の河川については、国交省が08年にホットラインの設置を促す通達を都道府県に出したが、どの川を対象とするかなど統一的な運用指針が無く、浸透しなかった。
昨年8月の北海道の大雨で、国が管理する帯広市の札内川や北見市の常呂川が氾濫した際は、ホットラインも活用され、氾濫前に避難勧告や指示が発令できた。
一方、同じ時期の岩手県岩泉町の小本川の氾濫では、川を管理する岩手県の担当者は町役場に水位情報は伝えたが、町職員は住民からの電話対応に忙殺され、町長を含む町幹部には伝わらなかった。
今回、国交省は、氾濫すれば被害が大きい47都道府県の少なくとも1562河川にホットラインの設置を求め、電話するタイミングや伝える内容、事前の準備などをまとめた指針を作る。
国交省の担当者は、「避難勧告の出し遅れや出し忘れを防ぐため、ホットラインの意義は大きい」と話す。
出典
『「川氾濫の恐れ→首長に電話」 運用実施、わずか11県』
http://www.asahi.com/articles/ASK1R63H7K1RUTIL05H.html
2017年1月31日20時16分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
神奈川県平塚市が住宅密集地を対象に行っている感震ブレーカーの無償配布事業を巡り、耐震補強などを通じた安全なまちづくりに取り組むNPO法人「暮らしと耐震協議会」は、30日、「停電によって避難が困難になる」などとして配布を中断するよう、落合市長に申し入れた。
同市は、地震による延焼火災の危険性が高い市内12地区約1万2000世帯に対し、揺れを感知すると落ちる簡易型の感震ブレーカーを配布しており、既に半数を配り終えている。
予算は約1600万円。
これに対し、同協議会は、夜間の地震でブレーカーが落ちると照明も消えて暗闇となるため、被災者の安否確認や救出のほか、初期消火や避難なども困難になるとし、人的被害が増す恐れがあると主張している。
感震ブレーカーを設置する際には、非常用LED照明などとセットにしないと危険は減らないとしている。
これに対し、市災害対策課は、「消防車が入れないような場所での延焼阻止として感震ブレーカーは役立つ」と反論。
「配布の際は、枕元に懐中電灯を用意することや、保安灯の必要性などを説明している。今後は市のホームページやチラシなどで改めて注意を呼びかける」として、配布を中断しない考えを示した。
出典
『感震ブレーカー無償配布にNPOが中断訴え』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170131-OYT1T50023.html
(ブログ者コメント)
経済産業省HPには、以下のような感震ブレーカー設置時の留意点が掲載されている。
夜間等に大規模な地震が発生し、感震ブレーカー等が作動した場合、避難時の照明 が確保できない可能性がありますので、一般的な防災対策としても停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具を常備してください。
出典
『感震ブレーカーの普及啓発 感震ブレーカーを設置するにあたって
(留意点)』
http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2015/10/270105-1.html
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。