2020年4月27日16時33分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新型コロナウイルスに対応する全国の感染症指定医療機関のうち4分の1以上が、100年から200年に1回の頻度で発生する洪水で浸水するおそれがあることが分かりました。
調査を行った京都大学の研究グループは、「浸水リスクを把握したうえで、洪水時の初動対応に生かしてもらいたい」としています。
京都大学防災研究所の角哲也教授らのグループは、大雨が多くなる出水期を前に、国土地理院や自治体のハザードマップを使って、全国に372か所ある感染症指定医療機関の浸水想定状況を調べました。
その結果、100年から200年に1回の頻度で発生する洪水が起きた場合、少なくとも全体の26%、4分の1を超える95か所の医療機関で浸水するおそれがあり、このうち50か所は1階が水没するほどの高さまで浸水することが分かりました。
また、1000年に1回の頻度で起きると想定される最大規模の洪水では、全体の34%にあたる125の医療機関が浸水するおそれがあり、このうち36か所は2階が水没するほどの高さまで浸水するということです。
研究グループは、止水板の設置や非常用電源の確保、水害対応計画の確認などを早急に行うとともに、将来的には立地の見直しなども検討すべきだと指摘しています。
角教授は、「浸水リスクを関係者で共有するだけでも、初動対応を改善できる。医療機関の負担が増えないよう、行政が出水期に向けて治水対策や避難所の確保などを支援してほしい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200427/k10012407391000.html
2020年3月17日9時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
9年前の東日本大震災は津波の脅威を見せつけました。
ただ、大津波の前に必ず大地震が起きるとは限りません。
火山の噴火や崩落、海底の地滑りでも津波が起きます。
こうした津波は警報が出ない恐れもあり、独自に訓練を始めた地域もあります。
2018年12月22日、インドネシア・ジャワ島の人気バンドのライブ会場に突然、巨大な津波が押し寄せました。
火山噴火と山体崩壊に伴う津波で、前触れとなる大地震や津波警報はなく、演奏者や観客が次々にのみ込まれる映像に世界が衝撃を受けました。
鹿児島県姶良市に住む石堂さん(男性、68歳)もその一人。
「避難訓練をしておいてよかった。やっぱり他人事じゃない」
石堂さんの住む地区では、この2週間前、鹿児島湾を挟んだ対岸にそびえる桜島の噴火に伴う津波を想定して、避難訓練を初めて実施しました。
桜島の活動が激しかった江戸時代の「安永噴火」では、海底噴火で津波が繰り返し発生。
最大で高さ十数メートルに及び、約20人が犠牲になった歴史が残ります。
鹿児島県は、今後も同じような津波が起きうるとして、14年に津波想定を公表。
石堂さんの地区には7メートルの津波が海底噴火から最短4分で到達する想定です。
しかし、訓練参加者の半数近くが、小学校までの避難に5分以上かかりました。
「桜島の噴火に慣れきって、津波は十分に意識できていません。何度も訓練をしなければ」と不安を明かします。
火山津波に詳しい山梨県富士山科学研究所の石峯康浩・主任研究員によると、詳しい記録が残る16世紀以降の国内の火山災害の犠牲者2万3千人のうち、8割は津波が原因といいます。
最大は1792年の「島原大変肥後迷惑」と呼ばれる災害です。
長崎県の雲仙火山の一部が崩壊し、有明海に土砂が流れ込んで津波が発生。
対岸の熊本も合わせて、約1万5千人が亡くなりました。
1741年の北海道沖・渡島大島の山体崩壊でも、津波で約1500人が亡くなっています。
石峯さんは、「海に近い火山や海底火山の多い日本は火山津波のリスクが高く、陸上でも火口湖は津波の危険があります。噴火や山体崩壊は大きな地震を伴うとは限らず、火山で何か起きれば『津波が来るかも』と想定するしかありません。近くの火山で津波が起きた歴史がないか、調べておいたほうがよいでしょう」と話します。
海底の地滑りでも大きな津波が発生します。
沖縄県の石垣島などでは1771年、八重山津波(明和の大津波)によって、約1万2千人の犠牲者が出ました。
石垣島では住民の約半数が亡くなる惨事でした。
直前に起きたマグニチュード7級の地震は、直接の被害は出ない程度の揺れだったにもかかわらず、巨大な津波が起きたのはなぜか。
産業技術総合研究所などは2018年、太平洋の海底で東京都の面積に匹敵する巨大な地滑りが起きたと考えられると発表しました。
産総研の岡村行信・特命上席研究員によると、この海底には地滑りを起こす地形が今も残り、今後も同様の大津波が起きうるといいます。
「もし津波が来ればどう逃げるか、事前に考えておく必要がある」と話します。
こうした津波について、気象庁の津波警報は出るのでしょうか。
福岡管区気象台によると、現在の津波警報は、地震で海底の地盤が上下に動くことを想定し、事前に作成した津波予報データベースをもとに、実際に発生した地震と照合して、津波の高さや沿岸への到達時間を発表しています。
一方、海底噴火や山体崩壊、海底地滑りによる津波の予測は研究途上のため、事前の予測に基づいてすぐに警報を出すのは難しいと言います。
その代わり、火山の監視映像や、潮位の変動などで津波の発生を確認でき次第、警報を出すことを想定しているそうです。
担当者は、「沿岸部で揺れなど異常を感じたら津波を想定し、高い所に逃げてください」と話しています。
【これから】
山体崩壊や海底地滑りによる津波が起きる頻度は高くなく、事例も多くないため、予測は簡単でないようです。
とはいえ、いつ起きるかわかりません。
避難訓練を手がける石堂さんは、「夜間なら、誰も気づかないまま、大津波にのみ込まれるかもしれない。なんとか警報システムを作ってほしい」と訴えています。
https://digital.asahi.com/articles/ASN3C3VTSN2PTIPE014.html?pn=5
(ブログ者コメント)
インドネシアで起きた山体崩壊津波事例については、本ブログでも紹介スミ。
2020年2月14日7時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真と地図付きでネット配信されていた。
南海トラフの巨大地震が起きると、揺れだけでなく、津波によって東海地方の沿岸に大きな被害が出ると考えられている。
その津波の威力を抑える要は、「海」での対策だ。
2月初旬、愛知県弥富市の南端の海岸を訪れた。
コンテナ置き場などを通り過ぎ、伊勢湾に突き出す岸壁に着いた。
海の中には「高潮防波堤」が立ち、まっすぐ沖に続いている。
防波堤の上部は、かさ上げされた岸壁とほぼ同じ高さだ。
この防波堤は、1959(昭和34)年9月に名古屋港で3・89メートルの高潮を観測した伊勢湾台風を受け、その5年後につくられた。
全長約7・6キロメートル。
船の出入りのため2カ所で途切れているが、人工島を挟んで、弥富市と対岸の同県知多市を直線状に結ぶ。
完成当時、防波堤は最も高いところで海面から6・5メートル。
この壁で高潮によって押し寄せる波を弱め、港内の潮位を約3割低くできると期待された。
高潮だけでなく、津波にも対応できるというが、港の防災設備を管理する名古屋港管理組合の担当者は、「やっかいなのは地震の揺れ」と言う。
防波堤は海底の砂の上に立つ。
巨大地震の揺れで液状化が起これば海底に沈み込み、津波を阻むことができない恐れがある。
2009年からの国の調査では、最大で3・4メートル沈むことが判明。
劣化により、建設時よりも約1メートル沈んでいた部分もあったという。
13年から実施された補修工事では、液状化現象で高潮防波堤がある程度沈んでも津波を阻めるよう、かさ上げをした。
110億円の費用をかけ、海面からの高さを8メートルにした。
備えは湾内の設備だけではない。
陸との境界線には防潮壁がある。
防潮壁の高さは海面から6~6・5メートル。
伊勢湾台風の直後から工事が始まり、名古屋港を囲むように庄内川河口の東側から天白川河口の北側までと、湾内の人工島、ポートアイランドの周囲など、計26・4キロメートルにわたる。
こちらも弱点は同じだ。
防潮壁が立つ海沿いは埋め立て地が多く、液状化する危険性が高い。
海岸保全基本計画などでは、9・6キロメートル分の補修工事が必要とされている。
液状化が起きても役目を果たせるよう、壁のかさ上げをする方法や、地中に鉄鋼製の板を通して固定した壁を新設する方法などがある。
工事は19年3月末時点で1・1キロメートル分しか進んでいない。
「防潮壁のすぐ裏に建物などがある場合も多く、工事スペースの確保が難しい」(名古屋港管理組合)ためという。
ただ、「海抜ゼロメートル地帯」などでは、地盤沈下や堤防の損壊によって、津波が来る前に浸水が始まる恐れがある。
名古屋港管理組合は、「日ごろから避難場所を防災マップなどで確認し、命を守る行動をとってほしい」と話す。
【水族館で地震、どうすれば?】
名古屋港を守る防潮壁だが、その外にも工場や倉庫、レジャー施設がある。
名古屋市の想定では、地震発生から津波が港に到達するまで最短で96分。
防潮壁の外側にいる時、どう避難すればよいのだろうか。
ガーデンふ頭の一角にある名古屋港水族館(名古屋市港区)は、「まず屋上に避難を」としている。
北館と南館があり、北館3階は屋外だ。
イルカショーを見るための階段席があり、2500人が座れる広さがある。
同水族館では2009~15年、2千人の観客を招いて津波を想定した避難訓練を実施した。
館内にいる観客たちを20分以内で誘導したという。
土日などの休日は館内に2500~3千人がいるといい、同水族館は、「想定以上の津波が来る場合や、来場客の混乱が大きい場合も考えられる。何があっても避難場所に安全に誘導できるよう、誘導の質の維持に努めたい」としている。
https://digital.asahi.com/articles/ASN2D42WVN1YOIPE001.html?pn=5
(ブログ者コメント)
本件、名古屋港だけの話しではないと拝察する。
ネットで調べたところ、沿岸防波堤以外、河川の堤防でも液状化が問題になっている。
2020年2月5日19時57分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日午前8時ごろ、神奈川県逗子市池子で道路脇の斜面が崩れ、歩道を歩いていた市内に住む18歳の女子高校生が土砂に巻き込まれました。
警察によりますと、女子生徒は救助されて病院に運ばれましたが、死亡しました。
ほかに巻き込まれた人はいませんでした。
逗子市によりますと、この斜面では5メートルほどの高さまで補強がしてありましたが、その上の斜面が崩れ落ち、土砂が下を通る歩道を幅およそ10メートルにわたって覆ったということです。
これまでの調べで当時、現場を通りかかったバスのドライブレコーダーに、女子生徒が南から北に向かって1人で歩く姿が映っていたということです。
現場は、マンションの土台部分となっている急傾斜地で、「土砂災害警戒区域」に指定されていたということで、警察は関係者から話を聞くなどして、斜面が崩れた原因などを詳しく調べています。
神奈川県や逗子市によりますと、崩れた斜面は、斜面の上に建つマンションの管理組合が所有する土地とみられるということです。
神奈川県によりますと、県内では、去年の年末の時点で「土砂災害警戒区域」として1万0466カ所が指定されていて、現場は9年前の平成23年11月に県が「土砂災害警戒区域」に指定した地域ということです。
県によりますと、現場の斜面は高さが16メートルで、崩れた部分の傾斜は最大で60度あったということです。
また市によりますと、このうち、崩落した斜面は、長さ13メートル、幅2.5メートルにわたっていたということです。
土砂が崩れ落ちた場所は市が管理する市道にあたりますが、斜面の安全管理については所有者が行う場所だということで、これまでに斜面が崩れるなどの危険性についての情報は市では把握していませんでした。
市は安全の確認が出来ていないとして、市道を通行止めとし、斜面の所有者や事故の状況などの確認を進めています。
目の前で土砂崩れが起きた瞬間を目撃した53歳の男性は、当時の状況について、「後ろから女性が私を早足で追い抜いていき、その瞬間、頭に砂がぱらぱら落ちてきた。『おやっ』と思った瞬間、土砂崩れが起き、女性は巻き込まれていた。気が動転してしまって通報できなかったが、人が出てきたので通報を依頼した」と話しました。
男性によりますと、崩れた土砂は乾いた質感で、大きな石と砂粒が混じっていたように見えたということで、「土砂崩れが起きた場所はむき出しの斜面だったが、危険な場所だという認識はなかった」と話していました。
そのうえで、女性が亡くなったことについて、「痛恨の極みで、気の毒としか言いようがない。自分と女性の距離は1メートルほどしか離れておらず、生死の境目は紙一重なんだと改めて感じています」と、話していました。
神奈川県によりますと、崖などの近くに建物を建設する場合は、国の建築基準法に基づく県の建築基準条例で、斜面の防災対策をとるよう定めています。
神奈川県の建築基準条例では、近くに勾配が30度を超え、高さが3メートルを超える傾斜地があり、崖の端からの水平距離が崖の高さの2倍以内の場所に建物を建設する場合、斜面に擁壁を設けるなど、防災対策をとるよう定めているということです。
今回の逗子市のケースも、建物の場所を考えると、対策をとるべき対象になるということですが、基礎のくいの打ち方を工夫するなど、建物の重みががけに影響を及ぼさないような方法をとっている場合などは適用されないということです。
さらに、この条例のもとになっている建築基準法は、建物の安全性を守ることを目的としているため、建物に被害がない場合、今の段階では条例違反にはあたらないとしています。
逗子市によりますと、市が消防署に設置している雨量計では、先月28日に20ミリ、29日に10ミリの雨量が観測されましたが、先月30日以降、降水は観測されていません。
また横浜地方気象台によりますと、レーダーによる解析雨量でも、逗子市では今月1日以降、観測されていません。
斜面災害が専門の京都大学防災研究所の釜井俊孝教授は、NHKの取材に対し、「今回の土砂崩れは、過去の雨や地震などをきっかけにして斜面全体にひずみが徐々に蓄積され、それがきょう限界になったのではないかと見ている」と分析しています。
そのうえで釜井教授は、「こういった斜面で土砂が崩れるという現象自体は珍しいものではないが、大雨や地震などがないときに土砂崩れが起きるという例は、数が少ない」と指摘しました。
また、釜井教授は現場の状況について、「現場は下の部分に石積みの擁壁があり、上の部分はむきだしになっているようだが、この場合、上の部分が相対的に緩くなるのは確かで、同じような場所は多くある。頂上付近にひび割れが起こっていた可能性はあるが、緑に覆われていると気づくのは難しいと思う」と話していました。
そのうえで、「現場の斜面が民有地であれば、斜面が崩れる可能性や対策をとる必要性などに関するリスクを住民が把握していないことが多い。自分が住む土地の斜面のリスクを正確に把握し、行政と連携して対策を進めることが重要だ」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200205/1050008929.html
2月5日20時34分に朝日新聞からは、石積み上部の土ののり面が崩れたなど、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
逗子署などによると、現場はマンション下の市道に面した斜面。
市道から高さ約10メートルの石積みの部分があり、上部には鉄製フェンスを設けていたが、その上の土ののり面が高さ7~8メートルにわたって崩れた。
建物への被害はないという。
現場はJR逗子駅の北東約2キロの住宅街。
市によると、現場は民有地で土砂災害警戒区域に指定されていた。
近所に住む男性(76)の話では、市道は近くの中学、高校の通学路になっており、特に斜面側の歩道を歩いて通う中学生が多いという。
https://www.asahi.com/articles/ASN253GV2N25UTIL00G.html
2月6日16時26分にNHK神奈川からは、過去に崩れたことはなく崩落の前触れもなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
逗子市によりますと、補強のための石積みの上の斜面が崩れ、土砂が下を通る歩道を幅およそ10メートルにわたって覆い、土砂の総量はおよそ68トンと推定されるということです。
また、現場はマンションの土台部分となっている急傾斜地で、崖崩れなどによって災害が起きるおそれがあるとして「土砂災害警戒区域」に指定されていますが、これまでに大雨などで崩れた記録はなく、今回の崩落の前触れのような情報も寄せられていなかったことが、市への取材でわかりました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200206/1050008949.html
2月6日付けで毎日新聞からは、民有地のため市は地権者らに危険性を知らせるぐらいしか対応できなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
崩れた斜面の上部にはマンションが建ち、斜面の下の部分は土砂の流出を防ぐため補強されていた。
しかし、その上部の斜面が幅13メートル前後にわたって崩れ落ち、幅約8メートルの市道を土砂が覆った。
県は、この斜面を「急傾斜地の崩壊」の恐れがあるとして、2011年に土砂災害警戒区域(イエローゾーン)に指定している。
イエローゾーンとは「土砂災害が発生した場合、住民等の生命・身体に危害が生ずるおそれのあると認められた土地の区域」を指し、市町村は警戒避難体制の整備を義務付けられている。
逗子市都市整備課によると、地権者らに危険性を知らせるなどの対応を取ってきたが、民有地のため、斜面の管理に市が直接携わることはないという。
https://mainichi.jp/articles/20200206/ddm/041/040/065000c
2020年2月7日17時40分にNHK神奈川からは、数10㎝の深さにある岩の層が激しく風化していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故について神奈川県から依頼を受けた土砂災害を研究している専門家2人が7日現場を訪れ、崩れた原因などを調査しました。
その結果、崩れた斜面には水分がほとんど含まれていなかった一方で、数十センチの深さにある岩の層が激しく風化していたことがわかったということです。
調査を行った国土交通省国土技術政策総合研究所の中谷室長は、「現場の斜面は風の影響も受けやすいなど、岩の風化が進みやすい悪条件が重なって崩壊した可能性がある」と指摘していました。
また、専門家はこのあと逗子市役所を訪れ、市に調査結果を報告し、現場で2次災害を起こさないために、不安定な状態で残る土砂を撤去して、表面をコンクリートで覆うなどの対策をとるよう提案したということです。
事故を受けて逗子市は、市内の土砂災害警戒区域にある斜面のうち、人通りが多い市道に面した場所について、危険性がないか今月13日に目視による一斉点検を行うことを決めました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200207/1050008968.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
2020年2月8日12時53分に毎日新聞からは、風化したのは凝灰岩だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中谷氏は現場調査終了後、「斜面を覆う凝灰岩が強く風化していた。これにより崩落が起きたとみられる」と述べた。
風化現象は、気温の変動や強風にさらされることなどで進みやすい。
中谷氏は、「なぜここが、このタイミングで崩落したかは絞り込めていない」と話した。
中谷氏によると、現場は草が生え、その下は薄い土壌と凝灰岩で覆われていた。
凝灰岩は亀裂が入るなどして、もろくなっていたという。
風化が進んで不安定になる恐れがあり、中谷氏は県に対し、斜面の表面を覆うなど対策を講じるよう助言したと説明した。
https://mainichi.jp/articles/20200208/k00/00m/040/066000c
2月7日22時28分に産経新聞からは、露出した凝灰岩は手で崩せるほど風化していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中谷室長によると、現場は凝灰岩の上を厚さ30センチほどの土壌が覆い、植物が生えた斜面。
土砂が崩れて露出した凝灰岩を調べると、手で触ると崩せるほどの「強い風化」だったという。
調査には神奈川県や逗子市の職員計12人が参加。
メジャーで崩落幅を計測し、土砂の水分含有状況も調べた。
https://www.sankei.com/affairs/news/200207/afr2002070025-n1.html
(2020年2月14日 修正1 ;追記)
2月13日付で日経クロステックからは、擁壁の水抜きパイプは乾燥していた、マンション建設以前は企業の社員寮だったが造成記録は見当たらないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
現地を調査した国交省国土技術政策総合研究所の中谷洋明・土砂災害研究室長は、「擁壁に設置されていた水抜きパイプは乾燥していた。斜面崩壊の要因が水によるとは考えにくい」と説明する。
実際、現場から最も近い辻堂の観測所では、2月1日から0.5mm以上の降水は記録されていない。
京都大学防災研究所斜面災害研究センター長の釜井俊孝教授は、土砂崩落が発生したメカニズムについて、「この斜面は池子層(240万~400万年前)から成っており、比較的若い深海の堆積物が急速に隆起した丘陵だ。固結度が低いため、風化部分はもろくなり、崩れやすかったのではないか」と推測する。
土地造成の履歴について、神奈川県横須賀土木事務所まちづくり・建築指導課の佐藤氏は、「時期が古過ぎて記録が残っていない」と話す。
マンション完成は04年7月だが、それ以前は企業の社員寮が建っていた。
「社員寮の建築確認は1969年に下りているが、宅地造成の記録が見当たらない。切り土や盛り土については分からない」(佐藤氏)
・・・・・
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/00645/
2月13日22時0分に神奈川新聞からは、市は管理組合との合意を待たず応急工事に着手するという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同市の桐ケ谷覚市長は13日、市が事故現場斜面の応急工事に着手する方針を明らかにした。
事故発生以来、通行止めが続く市道を再開し、多くの市民が通勤・通学などで利用する生活道路の安全を確保するためで、費用負担などは今後、所有者のマンション管理組合と交渉する。
桐ケ谷市長は、「私有地の対策は所有者が行うべきだが、手をこまねいてはいられない。速やかに工事し、安全を図りたい」としている。
市は、管理組合が合意形成して工事に着手するには時間を要すると見込み、先行して応急工事を行うことを決めた。
工法は今後検討するが、7日に現地調査した国土交通省の専門家の助言を踏まえ、モルタルの吹き付けや防護柵設置などを検討している。
今月中にも設計に着手したい考え。
費用は数千万円を見込むという。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-270239.html
(2020年3月4日 修正2 ;追記)
2020年3月3日5時0分に神奈川新聞からは、最終報告が公表されたという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
現地調査を行った国土交通省国土技術政策総合研究所は2日、「崩落箇所は表土が両脇の斜面より薄く、風化防止の作用が不十分だった」などとする最終報告を公表した。
事故現場では同日、市の応急復旧工事が始まった。
同研究所によると、崩落斜面の表土厚は20~30センチほど。
70センチ以上あった周囲と比べて薄いため、地表付近が乾燥、風化しやすい状況だったとみられる。
2月5日の事故直前にまとまった雨はなく、「水による流動・崩壊ではない」と指摘。
「崩落の直接的な引き金は不明」としつつ、「地表面の低温、凍結、強風の複合的な作用で風化が促進された」などと結論付けた。
この日始まった市の応急工事では、崩落部分にモルタルを吹き付け、通行止めが続いている斜面下の市道の防護柵を設置する。
工期は4月10日までの予定で、市は完了後に市道の歩行者の通行を再開したい考えだ。
本格工事の着工時期などは未定という。
https://www.kanaloco.jp/article/entry-286905.html
(2020年5月7日 修正3 ;追記)
2020年5月6日17時13分にNHK神奈川から、逗子市が類似斜面を調査した結果、4割で崩落危険があった、県が調査した県道沿いは崩落の前兆はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
逗子市は、主要な市道が走っている41の土砂災害警戒区域を対象に、同じような斜面がないか調査しました。
その結果、およそ4割にあたる17の区域で斜面にひび割れや部分的に崩れたあとなどが確認され、風化が進めば将来的に崩落につながるおそれがあることがわかったということです。
逗子市は、現段階では差し迫った危険性はないとしていますが、市と国の所有地については来年4月以降にモルタルの吹きつけなどの対策工事を行い、私有地については所有者に対し対策などについて市に相談するよう求めるということです。
一方、神奈川県は事故後のことし3月、県道沿いの斜面820か所を緊急点検しましたが、甚大な被害が発生するような崩落の前兆はなかったということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20200506/1050010133.html
以下は、映像の2コマ。
2020年2月1日11時56分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
台風19号で堤防決壊が相次いだ那珂川(栃木、茨城)と久慈川(茨城)の洪水対策として、国土交通省関東地方整備局は1月31日、三つの柱からなる対策の組み合わせで、被害の最小化を目指すと発表した。
伝統的な治水方法「霞堤(かすみてい)」を活用するほか、増水時でも川が流れやすいように整備する。
2024年度末までに完了させる方針。
対策の一つ目は、堤防をあえて途切れさせることで川の水を逃がす「霞堤」を増やすことだ。
増水した川の水を近くの遊水池などへ逃がし、下流の流量を減らす。
霞堤の原型は、戦国時代に武田信玄が考案したとされる。
那珂川と久慈川には、この機能を有する堤防があるが、久慈川が流れる茨城県常陸大宮市で2カ所、那珂市で1カ所、那珂川が流れる栃木県那須烏山市で1カ所新設する。
常陸大宮市の那珂川沿岸には、約130ヘクタールの遊水池も整備する。
二つ目は、増水時の川の水を下流に流れやすくし、水位の上昇を遅らせる対策。
川の底にたまった土砂を掘削し、川岸の樹木を伐採することで流れやすくする。
あわせて堤防を補強する。
三つ目は、沿岸の住民への被害を減らすため、浸水が想定される地域の住宅のかさ上げや高台への移転を進める。
一部では居住の制限も検討する。
対象の地域や住宅数など、詳細は今後詰める。
この他に、越水や堤防の決壊を速やかに検知する機器の開発や整備、増水した川の水位や予測される水位を住民に分かりやすく伝える仕組みの導入も進める。
地方整備局はこれらの対策を「多重防御治水」として推進。
19年度補正予算で那珂川への対応に約521億円、久慈川に約334億円を計上した。
対策は、国交省と気象庁、両河川が流れる県や水戸、ひたちなかなど11市町村、栃木県と同県大田原、那須烏山など5市町の合同で実施する。
同整備局常陸河川国道事務所の担当者は、「台風19号では想定を超える雨が降った。流域で一体となった治水対策に取り組んでいきたい」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20200201/k00/00m/040/064000c アカスミ
2020年1月30日11時43分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県内に3つある1級河川の水系の31のダムで、大雨が降る前に事前に放流し、ダムに流れ込む水を受け止めて河川の氾濫を抑えようという検討が始まりました。
去年10月の台風19号で関東や東北などの多くの河川が氾濫したことを教訓に、国土交通省は、大雨が予想された場合に事前放流を行うダムを増やそうとしています。
具体的には、洪水調節の機能があるダムだけでなく、発電や農業に用いられ、本来はこうした機能を持たない「利水ダム」でも、事前放流を進めることにしています。
こうしたなか、29日大淀川、小丸川、五ヶ瀬川の3つの1級河川の水系にある、31のダムの管理者などが宮崎市に集まり、協議会が開かれました。
そして国土交通省の方針をもとに、「利水ダム」を含め事前放流を進めていくことが確認され、事前の放流で水量が少なくなり損害が出た場合、国が補償などを行うことが説明されたということです。
今後は、ダムを管理する県や九州電力、それに県内の自治体などが事前放流について、実施が物理的に可能か、どれくらいの水量が放流できるのかなどの調査を行います。
さらに、事前放流をしたあとに水量が戻らなかった場合などを想定して、流域の水の利用者とも調整するということです。
宮崎河川国道事務所は、「1つでも多くのダムについて、ことし3月までに管理者と関係者の間で、事前放流などについての協定が結ばれるよう理解を求め、出水期に備えたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20200130/5060005245.html
1月30日20時44分に同じNHK宮崎からは、下記趣旨の補足解説的記事がネット配信されていた。
「事前放流」は、大雨の前にあらかじめ水を放流してダムに流れ込む水を受け止め、河川の氾濫を抑えようというものです。
ただ、本来水道や発電、農業などに使う水で、もし大雨が降らず、放流分の水が戻らなければ、水の利用者に大きな影響が出てしまいます。
一方、緊急放流は大雨で流入量が多くなり、ダムの貯水量が限界に近づくと行われます。
流入してくる水と同じ程度の量を放流しますが、下流で氾濫が起きるおそれもあり、国は1つの回避策として事前放流が有効としています。
今回、どうしてふだんから洪水調節をする治水ダムではなく、利水ダムに「白羽の矢」がたったのか。
宮崎県内で、今回検討の対象となる31のダムのうち、治水ダムなど洪水調節機能を持つダムが11、残りの20が利水ダムです。
利水ダムのほうが倍近く多く、これらで事前放流などを行えば防災の効果が期待できるということです。
現在、日本にあるおよそ1460のダムは180億立方メートルほどの貯水が可能ですが、洪水調節に使えるのは、このうちのおよそ54億立方メートル、割合にして3分の1ほどしかないということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20200130/5060005253.html
(ブログ者コメント)
〇本件、佐賀県での同様な動きについて、下記趣旨の記事がネット
配信されていた。
の九州地方整備局が音頭をとっているのかもしれない。
(1月31日12時14分 NHK佐賀)
去年の台風19号を教訓に、ダムの水量を調節して川の氾濫や堤防の決壊を防ぐ新たな取り組みを進めようと、嘉瀬川や六角川などのダム管理者などが31日初会合を開きました。
去年10月の台風19号では全国各地で川の氾濫が相次いだことから、国土交通省は飲み水や農業用水など「利水」を目的にしたダムでも、大雨に備えて事前に水を放流しダムの水量を調節する新たな取り組みを行うことにしています。
31日は国土交通省武雄河川事務所で初会合が開かれ、嘉瀬川や六角川、それに松浦川にある15のダムの管理団体や利水者などが出席しました。
会合では、武雄河川事務所の担当者が「事前放流」を行ったあと雨が降らずに水が不足し、発電や農業用の水が確保出来ないなどの影響が出た場合、損失を穴埋めする制度を検討していることなどを説明しました。
国や県など河川管理者とダムの管理者などは、今後、「事前放流」を行うタイミングなどを具体的に協議し、ことし5月までに協定を結ぶことにしています。
武雄河川事務所の的場副所長は、「激甚な雨に対して河川の整備だけでは十分ではない。関係機関と協力しながら既存のダムを洪水の調節機能として活用していきたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20200131/5080004934.html
〇利水ダムからの事前放流については、昨年11月に本ブログで紹介
スミ。
当該記事中、事前放流のルールができているのは全国で1割だけとあったが、残りのダムでもルール作りが進められているようだ。
その一例として紹介する。
2020年1月30日6時46分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年10月の台風で多摩川沿いの浸水被害が相次いだ東京・世田谷区で、当時、川沿いの水門を閉める作業にあたっていた職員が、途中でぬれた服を着替えに事務所に戻り、作業を一時中断していたことがわかりました。
その後、1か所の水門を閉められず、水が住宅地側に流れ込んだということで、区では水門の開け閉めのタイミングが浸水被害にどう影響したか検証しています。
去年10月の台風19号で、世田谷区内では多摩川沿いを中心に住宅が相次いで水につかり、およそ580棟が全半壊や一部損壊する被害が出ました。
当時、区の職員が多摩川沿いの水門を一斉に閉める作業にあたっていましたが、このうち車で移動しながら作業にあたっていた職員が、浸水した場所に立ち入って服がずぶぬれになったとして、途中で事務所に着替えに戻り、作業を中断していたことがわかりました。
区によりますと、残った水門を閉めるため再び出発したものの、渋滞や道路の冠水などでたどりつけず、水門1つを閉めることができなかったということです。
この水門から多摩川の水が住宅地側に流れ、浸水被害の原因の1つになった可能性が指摘されていますが、区の担当者は「着替えに戻ったことでの時間のロスは15分程度で、水門を閉められなかったことに影響はなかったと思う」と話しています。
区では、水門の開け閉めのタイミングが浸水被害にどう影響したか、先月始まった委員会で検証を進めています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200130/1000043246.html
※昨年2019年12月22日17時30分に読売新聞からは、住民説明会では交通規制のため当該
水門に行けなかったと説明されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風19号で多摩川沿いの東京都世田谷区などの住宅が広範囲で浸水した問題を巡り、同区は21日、台風への対応に関する住民説明会を開き、約430人が出席した。
区が管理する水門「等々力排水樋門(ひもん)」(同区玉堤)が閉められなかったことについて、「交通規制で車両が通れず(職員の現場到着を)断念した」と説明し、理解を求めた。
この問題では、大田区は、同樋門が閉められなかった結果、多摩川の水が逆流し、土地の低い大田区側に流入したと説明している。
世田谷区や都は、内水氾濫など複合的な要因があるとの見方を示している。
世田谷区の説明によると、区管理の水門6か所のうち5か所は、10月12日午後8時頃までに閉めた。
等々力排水樋門にも区職員が向かったが、交通規制で車両が通れず、強風や道路の冠水もあり、現場にたどり着けなかったという。
対策として同区は、水門を所有する国や都に、より安全な場所で操作できるようにすることを求めている。
また水門閉鎖後も排水できるように、大型ポンプ車の購入を検討していることも明らかにした。
詳細な浸水原因は検証委員会で調べる。
同区内で床上・床下浸水などの被害を受けた住宅については再調査が進められ、これまでに全壊1件、半壊319件、一部損壊241件となった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20191222-OYT1T50092/
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
世田谷区が複合的な要因の一つとみている内水氾濫については、過去に本ブログで紹介スミ。
『2019年10月16日報道 東京都世田谷区で台風19号時、多摩川氾濫の6時間前に内水氾濫で野毛地区が浸水、都市部で内水氾濫は台風時に限らず起きる可能性がある』
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10108/
2020年1月25日9時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が地図や写真付きでネット配信されていた。
南海トラフ地震の津波が今後30年以内に沿岸を襲う確率が24日、発表された。
被害が想定される自治体では、津波リスクを踏まえたまちづくりが進む。
そんな中、新しい役場庁舎を中心部の津波浸水域に造る動きもある。
防災拠点の役割を意識しつつ、市街地の活性化を図る狙いだが、疑問視する声もある。
静岡市は2023年にも、老朽化した清水区の清水庁舎を、現在地の約1キロ北で海から約200メートルのJR清水駅東口に移す計画だ。
7~8階建てで、総事業費は約94億円を見込む。
市は選定理由として、人口流出や経済の低迷が続く地元の再活性化を挙げる。
当初は内陸への移転も検討したが、田辺信宏市長は「コンパクトでにぎわいのあるまちづくりなどをトータルに考えた」と話す。
国の発表では、清水区の一部は、3メートル以上の津波が「6~26%」の高い確率で来るとされた。
市は新庁舎の津波対策として、1階を柱だけのピロティ構造にして津波が通り抜けるようにする計画だ。
庁舎内や、庁舎2階と駅をつなぐ通路などには約1万2800人が避難可能で、市は「攻めの防災拠点をめざす」と理解を求める。
だが、計画の再考を求める住民団体もあり、移転の是非を問う住民投票の実施を求めて、23日から署名活動を始めた。
有権者の50分の1(約1万2千人)以上の署名を集めて直接請求をめざす。
神戸孝夫共同代表は、「新庁舎は津波が起きると孤立し、機能が果たせなくなる。にぎわいづくりに市役所が必要なのか」と指摘する。
同県焼津市では昨年7月、港から約400メートルにある築50年の現庁舎の隣で、8階建ての新庁舎建設を始めた。
焼津市の一部も、3メートル以上の津波が来る確率は「6~26%」とされた。
新庁舎の1階は会議室と市民スペースのみにして、津波が通り抜けるようにするという。
災害対策本部は内陸約2キロにある消防本部に置き、災害時は市庁舎と両輪で指揮にあたる。
パブリックコメントでは「日本一危険な市役所」との意見も寄せられたが、市は利便性や防災などの観点から「総合的に評価した」と説明する。
周辺商店街からも、にぎわいづくりを期待する声が多かったという。
だが、同市の男性(72)は「勤務時間外に地震があった時に、津波が来るとわかっていて沿岸部に参集する職員がいるだろうか」と疑問を呈する。
3メートル以上の津波が「26%以上」の非常に高い確率で来るとされた和歌山県御坊市は18年12月、現庁舎の駐車場に新庁舎を造る基本計画をまとめた。
内陸の市有地への移転も検討したが、造成が必要で、築約50年の現庁舎が地震被害に遭う前に現地建て替えを選んだ。
1階は会議室とホールのみにし、執務室は2階以上に置く。
県内は印南町、湯浅町など高台移転した自治体が多い。
市民アンケートでも利便性より高台移転の安心感を求める声が多かったが、市は「津波対策を詳しく説明し、理解を得たい」とする。
大分県津久見市は18年11月7日、市総合計画に新庁舎の基本構想を明記した。
移転先は、3・5メートルの津波が想定される港湾埋め立て地。
17年の台風18号被災などで人口減が進む中、市の中心地の活性化が欠かせないと選定した。
香川県土庄町は、21年完成予定の新庁舎の建設地を、河口に近い沿岸部の病院跡に決めた。
津波は3メートルを想定。
駐車場も含め敷地を3・1メートルかさ上げし、被害を回避する考えだ。
現庁舎に近く、住民の利便性を損なわない場所を選んだという。
【専門家の考えは】
国は東日本大震災後、庁舎建設費の7割を国が負担する緊急防災・減災事業債を設け、高台移転を推し進めてきた。
一方、津波浸水域に庁舎を建てる自治体は、2016年の熊本地震後に設けられた市町村役場機能緊急保全事業などの活用で事業費を捻出する。
静岡大の岩田孝仁(たかよし)教授(防災学)は、「庁舎の1階部分を津波が走り抜けるから大丈夫というのは米ハワイの砂浜での話。日本では船や自動車などが津波とともに押し寄せ、1階部分にたまるだけ」と指摘。
東日本大震災では重油の流出で沿岸部で火災が起きたことを挙げ、「同じようなことが起きうると考えて庁舎の立地を決めるべきだ」と話す。
京大防災研究所の牧紀男教授(防災学)は、東日本大震災時に1階が水没して水が引かず、職員と市民が15時間以上庁舎内に閉じ込められた岩手県宮古市を例に、「庁舎が無事でも、人が出入りできないのでは意味がない」とする。
一方、静岡市の新清水庁舎建設検討委員会委員を務めた東大生産技術研究所の加藤孝明教授(地域安全システム学)は、「災害リスクを完全にゼロにはできない」と話す。
「まちづくりを含む様々な要素を考え、一長一短の選択肢の中でどれを選び、どうリスクを軽減し、地域を持続させていくかが重要」と指摘する。
【「南海トラフ地震地震」とは】
静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く海底のくぼみ「南海トラフ」沿いで起きる。
岩板が海側から陸側へ沈み込むプレート境界にあたり、100~200年おきにマグニチュード(M)8級の地震を繰り返してきた。
30年以内にM8~9級が起きる確率は70~80%とされ、国は2012年に地震と津波で最大約32万人が死亡、建物約238万棟が全壊・焼失し、経済被害は約220兆円に達するとの被害想定をまとめた。
https://www.asahi.com/articles/ASN1S74K8N1SUTIL02K.html
2020年1月24日17時0分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
政府の地震調査委員会は24日、将来の発生が懸念される南海トラフ地震で西日本から東日本の各地を襲う津波の確率を公表した。
太平洋側や瀬戸内の352市区町村のそれぞれについて、3~10メートル以上の津波が押し寄せる確率を「30年以内に26%以上」などと計算した。
これまでは最も高い津波への警戒を呼びかけており、高さごとに地域別の確率を示すのは初めて。
行政や企業、個人の備えを強く促す狙いだ。
津波の高さを「3メートル以上」「5メートル以上」「10メートル以上」の3つに分け、30年以内に押し寄せる確率を求めた。
確率は「6%未満」「6%以上26%未満」「26%以上」の3段階で示した。
全体の2割にあたる約70の自治体で、3メートル以上の津波に見舞われる確率が26%以上だった。
静岡県御前崎市や愛知県豊橋市などが入る。
30年以内に交通事故でけがをする確率が15%とされ、それよりも高い確率だ。
このうち5メートル以上が26%以上の確率となった自治体は、高知市や三重県大紀町など約30。
10メートル以上でも、6%以上26%未満の確率が高知県黒潮町や静岡県沼津市など約20あった。
南海トラフ地震については、マグニチュード(M)9.1クラスの最大級の地震で最大約34メートルの津波がくると、内閣府が2012年に推計している。
今回は最大級の地震は除き、30年以内に70~80%の確率で起きるとされるM8~9クラスを想定した。
最大想定だけでなく、3メートル以上など高い確率で起こるリスクを明らかにした点で、これまでの津波評価とは異なる。
地震調査委の平田直委員長は、「最大想定への対処で自治体が苦慮するケースもみられる。できることから着実に備えをしてほしい」と話す。
津波の高さや確率といった「現実的な想定」を示し、最大想定の津波への備えが追いつかない自治体に、まずは最低限の対策から始めるよう促す狙いがあるとみられる。
対象となる津波は最大想定よりも低いが、発生すれば大きな被害をもたらす。
3メートル以上の津波では木造家屋の全壊や流出が相次ぎ、5~6メートルの高さを超えると被害が急増する。
防潮堤の整備や避難体制の構築などで、各自治体の迅速な対応を迫る。
最大想定を踏まえた防災対策に比べ、今回の評価は現実の危機を強調している。
実際に南海トラフの震源域で起きると推定されている全てのタイプの津波を考慮した。
検討した地震は79通り、津波は35万通りに上る。
50メートル間隔で全国の海岸線に到達する津波の高さを求め、各地に達する津波の高さと確率を一覧で示した。
従来の津波評価は、被害の大きい10通り程度の地震に絞って計算した。
津波の高さは高知県や三重県などを中心に最大で20~30メートルに達すると試算され、この想定に対処する対策が各自治体に求められてきた。
最大の被害を明らかにするのが目的で、確率は計算されていなかった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54789170U0A120C2I00000/?n_cid=NMAIL007_20200125_K
2020年1月24日19時12分に産経新聞からも、同趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
南海トラフ地震は、広大な震源域のうち東西の片方だけ断層が動くタイプや、両方が同時に動くケースなど、地震の場所や規模は多様だ。
津波の高さはそれぞれ異なり、次にどのような地震が起きるか分からないため、予測できない。
今回の発表は、津波の高さごとに確率を求めることで地域別のリスクを示したもので、防災対策の新たな指針として果たす役割は大きい。
平成24年に政府が公表した津波の想定は、歴史上は確認されていないが理論的には起きる可能性がある最大級の巨大地震を試算した。
これに対し今回は、実際に起きた過去の地震をもとに計算した点が特徴だ。
これから起きる可能性が高い典型的な津波が示され、より現実的な内容となった。
背景には、従来の想定が防災上の逆効果を招いた反省がある。
前年に起きた東日本大震災が「想定外」だった教訓から、震源域全体が一気に動く極端なケースを想定し、場所によっては最大で高さ30メートル以上の巨大津波が襲う形となった。
実際に起きる可能性は極めて低いにもかかわらず、名指しされた地域では、津波対策そのものを諦める声まで出てしまった。
限られた予算や時間の中で防潮堤などの対策を進める自治体にとって、今回の評価は、備えるべき津波の高さや地域などの優先順位付けに使えるだろう。
前回の想定づくりにも関わった東北大の今村文彦教授(津波工学)は、「当時は最大級が必ず起きるのではないかとの誤解が独り歩きして、思考停止につながることもあった。今回の評価を段階的な対策につなげてほしい」と話す。
https://www.sankei.com/affairs/news/200124/afr2001240036-n1.html
2020年1月20日18時31分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発達した雨雲が線状に連なって局地的な大雨をもたらす線状降水帯の発生を予測する実証実験が、ことし夏から九州で始まることになりました。
早期に避難や被害の軽減につながるか、注目されます。
線状降水帯は、水蒸気を含んだ空気が海から流れ込み、急速に発達した積乱雲が連なることで発生します。
3年前の九州北部豪雨や去年8月の佐賀県の豪雨で大きな被害をもたらしましたが、現在の技術では、いつ・どこで発生するのか、正確な予測は難しいとされています。
この線状降水帯について、茨城県つくば市の防災科学技術研究所や福岡大学などの研究チームは、大気中の水蒸気の量を計測して発生を予測する実証実験を、ことし夏から九州で始めることになりました。
実験には、高出力のレーザー光を空に照射し反射してきた光から水蒸気の量を観測する福岡大学が開発した特殊な機器を使って、線状降水帯が発生する可能性が高い地域を予測します。
発生の2時間前に1キロメートル四方で予測して関係する自治体に情報を配信する計画で、東シナ海から水蒸気が流れ込みやすい長崎県と鹿児島県に機器を設置する予定です。
実験には、北九州市や熊本市などの人口が多い都市部のほか、九州北部豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市など九州の9つの自治体が協力し、避難を呼びかる時に情報をどう生かすかなどを検討するということです。
防災科学技術研究所の清水慎吾研究統括は、「高精度の予測技術を開発して情報を提供していくことで、早期の避難活動を促し、被害の軽減につなげたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20200120/5080004851.html
(ブログ者コメント)
以下は、映像の3コマ。
2020年1月18日9時48分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県薬剤師会はこのほど、災害時に避難所で取り組む環境衛生対策をまとめた薬剤師向けマニュアルを作成した。
25年前の阪神・淡路大震災では本拠地が被災し、以降、全国で起きた災害の支援も続ける同会。
マニュアルは熊本地震などの被災地支援で得た経験を基にまとめており、避難所となる学校などに普段から配置されている「学校薬剤師」が、避難所で効率的に動くために活用していく。
マニュアルはA4判35ページ。
感染症予防や発生した場合の対応例に加え、
▽避難所で発生するダニなどの害虫対策
▽トイレの確保や衛生管理のチェックリスト
▽水害時の消毒方法の手引き
▽消毒液の作り方
などが掲載されている。
同会によると、こうしたマニュアルの策定は近畿で初といい、冊子は学校薬剤師に加え、教育委員会にも配布した。
作成のきっかけは、2016年に起きた熊本地震。
兵庫県医師会が派遣した災害医療チーム「JMAT兵庫」の一員として、熊本県益城町(ましきまち)に行った兵庫県薬剤師会災害公衆衛生部の田中千尋部長(44)は、「避難生活が長期化するほど、避難所の衛生環境は悪化していった」と振り返る。
仮設トイレは水の勢いが弱く、詰まりがち。
ごみも収集できないため、どこかに集めておかなければならない。
避難所では多くの人が過ごしており、衛生環境の悪化や感染症の流行を防ぐためには、空調や室温の管理など、避難所内の環境を保つことも重要となる。
しかし熊本の各避難所では、判断や問題対応の基準がバラバラだった。
田中部長から現地の様子を聞いた同会学校薬剤師部の福田忠浩部長(61)は、学校薬剤師がまとめ役を担うべきだと感じたという。
避難所となる学校には普段から学校薬剤師が置かれ、さまざまな検査を実施している。
福田部長は、「避難所の環境衛生を守ることは、薬剤師の役割。そのためにもマニュアルが必要だった」と話す。
実際に災害支援に赴いた田中部長らの意見を参考に、18年からマニュアル作りを進めてきた。
阪神・淡路では、県薬剤師会館(神戸市中央区)なども被災。
当時は個々の薬剤師が支援活動に取り組んだが、組織で動く必要性が浮き彫りになっていた。
マニュアルの完成を受け、同会では災害時の対応を学んでもらうため、冊子を使った研修を実施。
今後も、年数回のペースで研修を開く予定という。
福田部長は、「学校と各市町の薬剤師会が連携して災害に備え、いざというときにはマニュアルを活用していきたい」と力を込める。
【学校薬剤師】
学校保健安全法によって、大学を除くすべての学校に配置するよう義務付けられている。
薬品類の使用や保管の管理をするだけでなく、換気や保温、採光、騒音、飲料水やプールの水質、給食の細菌など、子どもたちが過ごす校内のさまざまな検査を担う。
ほかにも、健康相談や保健指導、薬物乱用防止教育にも携わる。
https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/202001/0013043563.shtml
(ブログ者コメント)
当該マニュアルがネットに掲載されていないか調べてみたが、見つからなかった。
その代わり、以下のマニュアルが見つかった。
薬局・薬剤師の災害対策マニュアル ─災害時の救援活動と平時の防災対策に関する指針─
(平成19年(2007年)1 月17日 日本薬剤師会)
http://www.isoki.net/k2hirosakiyaku/pdf_folder/saigai_manual_syusei.pdf
薬剤師のための災害対策マニュアル
(平成24年 3 月 平成23年度厚生労働科学研究「薬局及び薬剤師に関する 災害対策マニュアルの策定に関する研究」研究班 報告書)
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/activities/saigai_manual.pdf
災害時の薬剤師必携マニュアル
(大分県薬剤師会)
http://www.oitakenyaku.or.jp/files/activity/disaster/02manual.pdf
2020年1月16日4時0分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、観測カ所の日本地図付きでネット配信されていた。
近い将来に起きるとされている南海トラフ巨大地震を巡り、紀伊半島―九州の海岸から数十キロ沖合の海底下でプレート境界が強い揺れを出さずにずれ動く「ゆっくり滑り」が2008~18年に少なくとも4回発生したのを観測したと、東京大と海上保安庁のチームが15日までに発表した。
想定される震源域の南側、深さ20キロより浅い地下とみられるが、巨大地震との関係は分かっていない。
ゆっくり滑りは地震計では捉えられないが、地面の動き(地殻変動)に表れるため、陸上に置いた全地球測位システム(GPS)機器などで観測されている。
11年の東日本大震災の前にも震源近くで起きたと考えられているが、観測できるのは陸に近い海域に限られていた。
チームの横田裕輔・東京大講師(海底情報学)は、「巨大地震との関係を解明するため観測を続けたい」としている。
海保が南海トラフ沿いの海底に機器15台を設置。
年に数回、衛星と測量船でのデータを回収し、分析した。
その結果、紀伊半島や四国、九州に及ぶ海域の計7カ所で、5~8センチのゆっくり滑りとみられる地殻変動が起きていたと結論付けた。
周辺では海のプレートが陸の下に沈み込んでいるが、ゆっくり滑りはこれとは反対の方向だった。
7カ所は、昭和の東南海地震(1944年)や南海地震(46年)など地下のプレート同士が強くくっついていて、一気にはがれて強い地震が起きたと考えられている領域の周辺だった。
15日付の科学誌サイエンスアドバンシズ電子版で発表した。
【ゆっくり滑り】
プレート境界が数日~数年かけてゆっくりすべる現象。
別名スロースリップ。
ゆっくり滑りのほか、10~100秒程度で1往復する非常にゆったりした揺れを起こす超低周波地震なども含めて、人が感じる揺れを生じないでプレートがずれる現象を「スロー地震」といい、千葉県東方沖や四国沖、九州の日向灘などで観測されている。
2011年の東日本大震災などの研究から、スロー地震が巨大地震の引き金となる可能性が注目されている。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20200115/k00/00m/040/368000c
(ブログ者コメント)
関連記事は下記参照。
『海底「ゆっくりすべり」観測成功 南海トラフ解明に一助』
https://digital.asahi.com/articles/ASN1H6KCVN1GULBJ014.html?pn=4
『南海トラフでスロースリップ確認』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20200116/8010007208.html
2019年12月10日18時3分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
インドネシアの南スラウェシ州で10日、漁師が全長約3メートルの深海魚「リュウグウノツカイ」を捕獲したとインスタグラムに写真を投稿したところ、「日本で大地震・津波の前兆とされる」などと拡散、不安が広がった。
インドネシア気象庁は、「日本の伝承に明確な根拠はない」と火消しに走っている。
投稿されたのは、同州スラヤール島の海で漁師らが漁船にリュウグウノツカイを横たえ、笑顔を見せる写真や動画。
「この魚は大地震と津波が来るサインだ」などと記した。
11日までに8万件を超える「いいね!」がつく一方で、「注意しろ」、「神様にもっとお祈りしないと」などと怖がる声がSNS上では相次いだ。
中には、「海の乱れを感じて深海から姿を見せるので、日本人はよく『地震・津波の使者』と捉える」との投稿もあり、地元メディアが取り上げた。
気象庁には取材が殺到。
ダリヨノ地震・津波軽減課長は朝日新聞に、「日本の研究者による最新の科学調査で、明確な相関性は無いと示された。多くのインドネシア人が迷信を信じているのは驚きで、パニックになる必要はないと伝えなければならない」と答えた。
東海大の織原義明准教授(地震・火山予測)によると、1928年11月~2011年3月に、日本周辺ではリュウグウノツカイなど地震の前兆と言われる深海魚の出現が計336件、確認された。
出現から30日後までにマグニチュード(M)6以上の地震が、半径100キロメートル以内で発生したかを調べたところ、07年の新潟中越地震の1件しかなかった。
このため、「深海魚出現は防災情報として有用ではなく、伝承は迷信」と結論づけた。
https://digital.asahi.com/articles/ASMDB4WRJMDBUHBI01Y.html?pn=4
(ブログ者コメント)
〇関係なしという日本の研究結果は、本ブログでも紹介スミ。
2019年7月8日掲載
『2019年7月1日報道 東海大学などによれば、地震の前兆と言われる深海魚の出現は過去83年間に336回あったが、そのことと100km圏内で起きたM6以上の地震との間に関連はなかった』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9810/
〇その研究結果は今年6月26日に発表されたばかりだが、よくぞまあ、インドネシアの気象庁がそういった情報まで把握していたものだ。
〇掲載写真を見ると、魚体は実にカラフル。
さすが南国の魚だ。
日本での捕獲写真では、ヒレこそ赤いが魚体は太刀魚のような感じだったのに・・・。
2019年10月18日8時45分に高知新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
求む、避難棚―。
高知市桟橋通6丁目の市立動物園「わんぱーくこうちアニマルランド」の猛獣たちが、津波からの避難場所を求めている。
園は本年度、ライオンなど3カ所の展示スペースに予想される津波より30センチほど高い避難棚を設置する計画で、設置費に充てるための寄付を17日から募っている。
高知港に近い「わんぱーくこうちアニマルランド」は南海トラフ地震で最大約2・7メートルの津波や長期浸水が予想されている。
展示中に地震が発生した場合、職員が猛獣類を展示スペースから寝室に収容するか、収容できなければ施錠を確認して避難する決まりだが、いずれにせよ猛獣はおぼれ死んでしまう可能性が高い。
このため昨年度、スマトラトラのおりに約100万円で高さ3メートルの避難棚を設置。
「上って涼むなど生活環境向上にもなっている」(吉沢園長)としてライオン、ジャガー、ツキノワグマのおりにも設置することを決めた。
設置が完了すれば、地震時に猛獣を収容する職員の作業が省ける上、動物が生き延びる可能性も高くなる。
設置費用約400万円のうち100万円を寄付で賄う。
寄付者にはオリジナルポストカードを贈り、金額に応じて棚のお披露目会に招待する。
寄付者は税控除も受けられる。
吉沢園長は「最終目標は津波の来ない場所への園の移転だが、できることからやっていく。今は、ほとんどの動物を守る対策ができていないので、寄付を募ることで多くの人に現状を知ってもらいたい」と支援を呼び掛けている。
寄付は12月16日までふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」のクラウドファンディングのコーナーで受け付ける。
問い合わせは「わんぱーくこうちアニマルランド」(088・832・0189)へ。
https://www.kochinews.co.jp/article/317265/
10月20日17時42分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
「わんぱーくこうちアニマルランド」(高知市桟橋通6)で、動物を津波から守るため避難棚の設置が進んでいる。
展示スペース内の高さ3メートル以上の場所に設け、いざという時に猛獣に駆け上がってもらう。
市はふるさと納税制度を利用したクラウドファンディング(CF)を用いた資金調達を始めた。
わんぱーくこうちは高知港近くに位置し、3月末現在、約100種類600点の動物を飼育している。
市によると、南海トラフ巨大地震の発生時に最大約2・7メートルの津波浸水が予測されている。
そこで今年2月、動物の命を守るため、避難棚の設置を始めた。
スマトラトラの展示スペース内に設置すると、気に入った様子で避難棚の上にいる姿が見られるという。
今回設置するのはライオン、ジャガー、ツキノワグマの3カ所。
肉食や雑食の大型獣でエサがなくても比較的長期間耐えられることや、他の動物園から預かっている動物もいることから選ばれた。
設置には400万円が必要で、実情を広く知ってもらおうと、100万円をCFで調達。
残り300万円は市でまかなう予定という。
CFは12月16日まで受け付け、来年3月までに避難棚を完成させる。
寄付をした人には、わんぱーくこうちの動物の写真が入ったポストカードを贈る。
また、1万円以上を寄付した人は、完成した避難棚を間近で見られる完成お披露目会に参加できる(先着100組)。
吉澤園長は「動物たちを救うためにプロジェクトを成功させたい。ご協力をお願いします」と呼び掛けている。
問い合わせは、わんぱーくこうち(088・832・0189)。
https://mainichi.jp/articles/20191020/k00/00m/040/047000c
2019年7月1日18時0分にFNN PRIMEから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「深海魚が出現すると、地震が発生する」
こうした言い伝えは古くからよく知られていて、1743年に刊行された江戸時代の奇談集『諸国里人談』にも記録されている。
ただ、真偽は定かではなく、これまでに確かな調査結果は発表されていなかった。
こうした中、この言い伝えを「迷信」で根拠がないと断定する調査結果を、東海大学海洋研究所と静岡県立大学のグループが6月26日に発表し、話題になっている。
調査方法は、「リュウグウノツカイ」や「サケガシラ」など、地震の前兆とされる8種類の深海魚に絞って調査したところ、文献や地方紙の記事などで、1928年11月~2011年3月の間に336件の漂着や捕獲の事例を確認した。
それから30日後までに、発見場所から半径100km以内が震源となったマグニチュード6.0以上の地震を調べたところ、2007年7月16日の新潟県中越沖地震以外は起きていなかったことが判明した。
このため、深海魚の出現と地震の発生に統計的な関連はなく、言い伝えは「迷信」と結論づけている。
興味深い調査結果だが、そもそも、なぜこのような調査が行われたのか?
また、調査を行ううえで、どのような点に苦労したのか?
調査を行った、東海大学海洋研究所の特任准教授、織原義明さんに話を聞いた。
【深海魚の場合、“動物異常行動”の判断基準が比較的容易】
――なぜ、このような調査を行おうと思った?
地震の前に動物が騒ぐ、井戸水が濁るなどの言い伝えは昔からあります。
地震前の“動物の異常行動”や“井戸水の異常”など、人の感覚で認識できる地震前の異常のことを「宏観異常現象」といいます。
「こうした現象は本当に地震の前兆なのか?」、「仮に前兆現象であったなら、それを防災に役立てる情報として利用できないか?」といったモチベーションが根底にあります。
動物異常行動については、継続的な観測の難しさや、「何を異常行動とするのか?」の客観的判断基準を決める難しさもあります。
深海魚の出現は動物異常行動に分類されますが、通常、深海に生息して、お目にかかることがない深海魚が現れた・・・と、深海魚の場合、異常の判断基準が比較的、容易です。
そのようなこともあり、本研究では深海魚を対象としました。
この他にも、東日本大震災の前はどうだったのかを知りたかったのも理由のひとつです。
その場合、東日本大震災の前だけを調べればよいわけではありません。
東日本大震災の前が異常かどうかを判断するには、他の期間も知らなければなりません。
いずれにせよ、長期間のデータが必要でした。
【「ひと言で言うと、期待はずれでした」】
――調査で苦労した点は?
“深海魚の出現と地震との関係”を統計的に検証するためには、深海魚の出現に関するデータベースのようなものが必要になります。
地震は「気象庁一元化震源データ」がありますが、深海魚の出現に関するデータベースは存在しません。
過去の論文を調べたところ、深海魚の出現をまとめた論文がいくつか見つかりました。
しかし、いずれも期間やエリアが限定的で、長期間にわたって日本全域をカバーするまでではありませんでした。
一方、深海魚出現は珍しい出来事のため、特に、地方紙や全国紙の地方版で取り上げられていることから、ここからデータを集めることを思いつきました。
具体的には、国立国会図書館で記事検索を行いました。これはパソコンで。
今は全国紙しか検索できませんが、以前は、地方紙を無料で検索できました。
それ以外に、ネット上で深海魚の出現の話を拾い集め、その裏取りとして新聞記事を調べました。
この際、紙面だけでなく、マイクロフィルムでも調べました。
さらに、全国の水族館などがホームページ上で公開しているデータも調べました。
不確実な情報については、直接、水族館に問い合わせました。
このようにして集めたデータから、地震発生との関連を調べるために、深海魚の出現日と場所がわかるデータを選び出しました。
「気象庁一元化震源データ」は1923年からあるので、解析で用いる深海魚の出現データは、それ以降のものとしました。
その結果、1928年11月26日が最も古いデータとなり、そこから東日本大震災までの深海魚の出現の件数は392となりました。
今回の論文では、この中から、新聞記事に地震との関連を示すことが書かれていた8種に絞りました。
リュウグウノツカイ、サケガシラ、テンガイハタ、タナベシャチブリ、シャチブリ、アカマンボウ、ユキフリソデウオ、テングノタチで、その出現の回数は336です。
――この調査結果から感じたことは?
ひと言で言うと、期待はずれでした。
ある程度、関連づけられそうな事例があり、相関関係を議論できるかと思っていましたが、そこまで行きませんでした。
ただし、今回、用いた“深海魚出現カタログ”は月日と場所が分かっているものです。
今後、新たな資料が見つかれば、カタログは書き換えられます。
そうなれば、また結果は違ってきますが、大きく変わることはないと思います。
【「ナマズが騒ぐと地震が起きる」の結論は出ていない】
――「ナマズが騒ぐと地震が起きる」という言い伝えもある。これについてはどう思う?
現段階では結論めいたことは言えない、と考えます。
ただし、「ナマズが騒ぐと大地震がその近くで必ず起きる」わけではない、ということは言えるでしょう。
東京都水産試験場が1976年~1991年の16年間、ナマズを水槽で飼って、地震との関係を調べています。
ここでは、ナマズの行動の定量化をはかり、客観的に異常行動を判定しました。
その結果、1978年から1990年までの13年間に東京都で震度3以上を記録した地震について、10日前までに異常行動の見られた地震は3割1分であったと報告しています。
また、神奈川県淡水魚増殖試験場では1979年から1984年まで、ナマズと地震との関係について調査しています。
期間中に地震までの距離が100km未満で震度3以上の地震は24個あり、それらの地震に先行するナマズの異常行動は10回ありました。
これは、42%の地震の前にナマズが異常行動をとったことになります。
しかし、期間中、ナマズの異常行動は全部で150回あり、地震を伴った異常行動は6.7%でした。
神奈川県の結果をみると、「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」的に見えなくもないですが、これらの結果だけでは、まだ結論は出せないと思います。
例えば、ナマズの行動分析手法の改良により、地震を伴わなかった140の異常と、地震を伴った10の異常を分けることができるようになるかもしれません。
東海大学海洋研究所の織原義明特任准教授によると、「深海魚は地震の前兆」以外の言い伝えに関しては、真偽が分かっていないのだという。
そのうえで、織原准教授は、「何が迷信で何が真の前兆といえるのか、今後も科学的に検証していきたい」と話していた。
出典
『「深海魚の出現は地震の前兆」は“迷信”と断定…そのウラには地道な情報収集があった』
https://www.fnn.jp/posts/00047045HDK/201907011800_FNNjpeditorsroom_HDK
2019年6月21日16時28分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気仙沼市では、東日本大震災の津波で漁船用の燃料タンクが流されたことから、周辺をコンクリートで覆うなど、津波にも耐えられるよう設計したタンク5基が完成し、記念の式典が開かれた。
気仙沼港では、震災の津波で漁船の燃料を備蓄するタンクが海水に浮いたり、がれきが衝突したりして、23基のうち22基が流された。
これまで仮設のタンクで燃料を備蓄し、漁船に供給してきたが、タンクを管理していた会社や市などが津波に強いタンクの建設を進め、震災から8年あまりを経て、このほど完成した。
21日は気仙沼港で式典が開かれ、気仙沼市の菅原市長をはじめ、市や漁業関係者など、およそ100人が参加し、テープカットをして完成を祝った。
タンクは、高さ12m、直径11mのものが5基設置され、震災の教訓をいかし、400トンほどの船の衝突にも耐えられるよう、周囲は厚さ35cmの特殊なコンクリートで覆われている。
また、津波による浸水で海水に浮いたり、地震による液状化現象が起きにくいよう、タンクが建つ地盤も改良したという。
タンクを管理する気仙沼商会の高橋社長は、「震災から8年あまりで、ようやく漁船に供給する燃料を安定的に備蓄できる。引き続き、漁船のみなさんのバックアップをしていきたい」と話していた。
出典
『津波に強い燃料タンク完成』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190621/6000005952.html
(ブログ者コメント
以下は映像の1コマ。
説明はなかったが、正面に見えるコンクリート直方体は配管保護用かもしれない。
2019年6月21日7時9分に秋田魁新報から、下記趣旨の記事が雲の写真付きでネット配信されていた。
山形県沖を震源とし、秋田県由利本荘市で震度5弱を観測する地震が発生した18日、地震発生前の夕方に同市で不思議な形の雲が目撃された。
写真を撮った契約社員の女性(45)=同市水林=は20日、「地震雲かと思った」と話したが、秋田地方気象台は「地震と雲の関係は科学的に証明されていない」としている。
女性は車で退勤中の18日午後5時すぎ、上空に太い棒状の雲が何本もあるのを見つけ、同市給人町の本荘郵便局前で車を止め、携帯電話で撮影。
同日午後10時22分ごろ地震があり、「ああ、やっぱり」と感じたという。
ほかにツイッターには、同市で写したとみられる雲の写真や動画が「面白い雲」、「夕方の雲、地震雲だったのかな」などのコメントを添えて複数投稿されている。
一方、同気象台は、「大気現象の雲と大地の現象である地震は別の現象。関連性を証明する論文などもない」と説明した。
出典
『地震雲?18日夕方に目撃情報 太い棒状の雲、由利本荘市で』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190621AK0003/
(ブログ者コメント)
地震雲については、本ブログでも過去に何件か情報を紹介している。
2018年5月18日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8342/
(2019年5月31日 修正1 ;追記)
2019年5月24日3時1分に大分合同新聞から、粘土化していた火砕流台地に水が溜まったことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
【戦後8件、九州では大分と鹿児島に集中】
昨年4月に中津市耶馬渓町で起きた山崩れと同じケースの斜面崩壊が、九州で少なくとも戦後8件発生していたことが国交省の資料で分かった。
いずれの箇所も、火山の噴火による火砕流が堆積してできた地質で、発生時に雨は降っていないか、小雨だった。
大分、鹿児島両県に集中しており、県内では他に2件あった。
台地のへり部分が崩れるといった共通点も見られる。
崩壊箇所周辺の地質は、地質年代「第4紀」(約260万年前~現在)に火砕流の堆積物で形成された。
はっきりした台地の形をしているのが特徴で、九州では主に大分、熊本、鹿児島の3県に広がる。
発生したのは、いずれも台地周縁の崖や急斜面。
直近の雨のピークから4時間~7日以上経過した段階で崩れた。
大分県内では、住民6人が犠牲になった中津市以前にも、2003年7月に日田市三和で土砂崩れ(1人死亡)、05年11月に竹田市会々で崖崩れ(家屋1棟全壊)が起きていた。
中津市の山崩れを受け、国交省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所、大分県、学識経験者は、メカニズム解明などを目的とした研究会を設置。
崩落現場の調査で、崩れた斜面の内部に地下水が集まっていたことが確認された。
地質が複雑で、異なる地質の境界に地下水がたまりやすくなっているとみられるという。
このため、長い時間をかけて境界付近が粘土化するなどし、雨が降っていない状態でも崩壊した可能性があると推測されている。
研究会は、火砕流台地周縁の地形解析や地質調査などを進めている。
九州地方整備局は、「崩壊の発生メカニズム解明や、今後崩壊する危険性が高い斜面を探る手法の確立を目指す」と話している。
【耶馬渓の山崩れ現場上空で電磁探査】
国交省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所は21~23日、中津市耶馬渓町金吉の山崩れ現場上空で電磁探査調査をした。
一帯に広がる火砕流台地の地下水などの状況を把握し、雨が降っていない状態での崩壊メカニズム解明や調査手法の確立につなげるのが目的。
県などでつくる研究会の取り組み。
対象エリアは現場を含む約12km2。
ヘリコプターで地上30mの高さにつるした磁気センサーで磁場を発生させ、地下150mまでの範囲で地下水のある場所を調べた。
今後、湧き水の水量観測も始め、流れ出る地下水の特性や地形・地質との関連性の分析などに役立てる。
調査は、同様の斜面崩壊が起きた九州8カ所の一つ、鹿児島県南大隅町の現場でも今月、実施している。
出典
『大雨ないのに斜面が崩壊、共通点は「火砕流台地」』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/05/24/JD0058103013
2021年4月11日11時43分にNHK大分からは、出された報告書では詳しい原因は分からなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分県中津市耶馬溪町で6人が亡くなった大規模な土砂崩れから、きょう・11日で3年となり、地元で慰霊式が行われました。
・・・
この土砂崩れは山の斜面が突然、大規模に崩れたもので、地下水が何らかの形で関係しているのではないかという調査報告が出ていますが、詳しい原因はわかっていません。
現場は高さ100メートル、幅200メートルにわたって崩落防止の対策工事が行われ、これまでに完了しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20210411/5070009470.html
※以下は2018年7月付の報告書中、原因に言及したと思われる部分の抜粋。
『平成 30 年 4 月 中津市耶馬渓町金吉梶ケ原地区における斜面
崩壊と今後の問題点』
P51)
7.まとめと今後にむけた提言
今回の崩壊は,降雨や地震との直接的な関係がなく発生した。
・・・・・
今回の場合は下位の耶馬渓層と呼ばれる堆積岩類が何らかの条件で脆弱化して深いすべりを発生させ,斜面に堆積していた溶結凝灰岩の岩塊を主体とする落石堆を崩落させたものである。
その何らかの条件の中に,溶結凝灰岩のキャップロック構造とその雨水の貯留が関係しているものと考えられる。
また,火砕流台地縁辺部が抱える問題として,溶結凝灰岩の侵食によって下位層が除荷作用によって風化変質が助長されるということが挙げられる。
今回の崩壊でも斜面表面に近い耶馬渓層全体が脆弱化していた可能性も考えられる。
・・・・・
https://www.jiban.or.jp/wp-content/uploads/2018/07/yabakei201807.pdf
2019年4月27日20時19分にNHK岐阜から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前9時半すぎ、岐阜市山県の「岐阜ファミリーパーク」のテニス競技場で、設置してあったテントが風で飛ばされ、テントの支柱が近くにいた74歳の男性の頭に当たった。
この事故で、男性は岐阜市内の病院に搬送され、首の骨を折る重傷を負った。
警察によると、当時、テニス競技場では、高校生の県総合体育大会の予選大会が行われていて、けがをした男性は孫が出場する試合を見に来ていたという。
大会の関係者によると、テントは大会に参加した高校が設置したものだということで、警察は関係者から話を聞くなどして詳しい状況を調べている。
岐阜地方気象台は、当時、岐阜市を含む美濃地方に強風注意報が出して注意を呼びかけていた。
(以下は音声情報)
テントがフェンスを越え、通路のようになっている場所でテニスを見ていた男性を直撃したという。
出典
『強風でテント飛ばされ男性重傷』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20190427/3080001589.html
4月27日19時5分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、発生当時、全国高校総体(インターハイ)岐阜県予選が開かれていた。
テントは幅と奥行き各約2.4m、高さ約2.3mで、ポールはアルミ製。
参加高校がコート外に設置していた。
強風で飛ばされ、高さ約1.4mのフェンスを越え、立って観戦していた男性に当たった。
男性は孫の女子生徒(17)の応援に来ていたという。
出典
https://www.sankei.com/west/news/190427/wst1904270023-n1.html
4月27日17時45分に中京テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
気象台によると、当時、岐阜市内では風速7~10mの風が吹いていたという。
出典
『強風でテント倒れ、男性が首の骨折る重傷 岐阜市』
https://www2.ctv.co.jp/news/2019/04/27/49153/
4月27日16時56分にNHK三重からは、岐阜市からは離れているが、伊勢湾ではフェリーが欠航になるほどの風だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県鳥羽市と愛知県田原市の伊良湖を結ぶ「伊勢湾フェリー」は、強風と高波の影響で午後1時の便から欠航していたが、強風や高波がおさまりそうにないことから、午後4時ごろ、終日の欠航を決めた。
出典
『伊勢湾フェリー 終日欠航に』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20190427/3070001412.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
説明によると、右側のフェンス内がテニスコートで、男性は通路のようになっている場所にいた。
そしてテントは、左側に写っている大きな木と通路左側のフェンスとの間のスペースに設置されていた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。