2021年7月19日23時30分に北日本新聞から下記趣旨の記事が、白煙が上がる遠景写真付きでネット配信されていた。
19日午前10時ごろ、上市町郷柿沢にある製薬会社「F化学工業」郷柿沢工場敷地内で、タンクローリーから液体の無水硫酸が漏れた。
空気中の水分と反応し、異臭のする霧となって周辺に拡散。
納入業者が漏れを止める作業を進めた。
現在のところ、健康被害を訴える人はおらず、近くの上市川への流出もない。
同社によると、無水硫酸は医薬品の原料で、納入業者のタンクローリーから工場のタンクに送り込む際、何らかの原因で漏れた。
霧状になった無水硫酸を大量に吸い込んだ場合、せき込む可能性があるが、現場から近くの住宅まで約400メートル離れており、住民が大量に吸い込む可能性は低いという。
工場は休みだった。
同社は「近隣住民や関係者には多大なご迷惑、ご心配をお掛けし、深くおわび申し上げます」とした。
町には午後1時半ごろ、白煙を目撃した住民から連絡が入り、周辺住民に対して窓を閉め、外出を控えるよう防災無線や広報車などで呼び掛けた。
上市署は周辺の車の通行を一時制限した。
町内の80代男性は「どんな物質が漏れたか分からず心配だった」と話した。
7月20日12時50分にNHK富山からは、漏れた無水硫酸がミスト化して白煙のようになった、ローリータンクの底に穴が開いた、通報まで4時間かかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
F化学工業によりますと、19日午前10時ごろ、原料の購入先のN金属化学が委託するタンクローリーから工場のタンクに薬品を移す作業をしていたところ、「無水硫酸」の一部が漏れ出してミスト化し、白煙のようになったということです。
何らかの原因でタンクローリーのタンクの底に穴が空き、「無水硫酸」が漏れ出した可能性が高いということです。
無水硫酸は三酸化硫黄とも呼ばれ、大気汚染防止法の特定物質に指定されていて、空気に触れると発煙する性質があります。
会社側は、何度も繰り返し吸い込むと粘膜を痛めるおそれがあるとして、近くに住む人は万が一に備えて、できる限り窓などを閉めるとともに、工場に近づかないよう呼びかけています。
一方、無水硫酸が漏れ出してから消防への通報に約4時間掛かったということで、会社では原因の調査とともに、初期対応についても検証を進めるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/20210720/3060007943.html
7月20日11時45分にYAHOOニュース(チューリップテレビ)からは、ローリーからタンクに受け入れている途中で漏れているのに気付いたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
F化学工業によりますと、19日は千葉県のN金属化学の工場から9.6トンの無水硫酸がタンクローリーで運ばれてきましたが、それを受け入れている途中で、タンクの底から無水硫酸が漏れ出ているのに気がついたということです。
何らかの原因でタンクの底に穴が開き、漏れ出したとみられます。
https://www.tulip-tv.co.jp/news/news_detail.html?nid=5391&dd=20210720
7月20日18時26分に毎日新聞からは、漏れた無水硫酸が水蒸気と化学反応して硫酸ミストになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
医薬品原料の三酸化硫黄(SO3、無水硫酸)が水蒸気と化学反応し、霧状になった硫酸を含む白煙が屋外に漏れたことが県への取材で判明した。
20日も周囲に刺激臭を伴う白煙が漂ったが、県警などによると健康被害は確認されていないという。
町などによると19日午後1時50分ごろ、工場周辺の住民から「異臭がする」「薬品が漏れている」と町を通じて消防に通報があった。
富士化学工業によると、白煙が発生したのは同日午前10時ごろ。
工場内にSO3を搬入したタンクローリーに穴が開いていたのが原因という。
漏れ出た量は不明。
回収や排煙が終わるのは21日になる見通し。
https://mainichi.jp/articles/20210720/k00/00m/040/246000c
7月20日19時43分にYAHOOニュース(北日本放送)からは、砂を撒くなどして対応した、休日だったことも通報遅れの一因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社は20日に会見を開き、無水硫酸の仕入れ先である東京都のN金属化学のタンクローリーのタンクに穴が開いていた可能性が高いとしました。
しかし、穴の特定には至っていません。
タンク内に残っている無水硫酸を移し替えたり、漏れたものを吸着させる砂を撒くなどの除去作業を進めた結果、漏れはほぼ収まったということです。
会社は初期対応について聞き取りを行っているとしつつも、不備を認め謝罪しました。
社長;「当日ですね、弊社製造現場は動いていたが、会社全体が休日で連絡の遅れは明らかにあったと思います」
会社側は
・無水硫酸の処理に追われたこと
・周囲への影響を甘く見積もっていたこと
・社内のコミュニケーションもうまく図れなかったこと
が対応が遅れた原因として考えられるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3beab8dbe6c508c8293e02109de444b991062f06
2021年6月21日17時54分にYAHOOニュース(テレビ新広島)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日、午後1時10分ごろ、福山市箕沖町にある化学薬品メーカー「M社」の福山工場で、「臭素が漏れ出した」と工場の関係者から通報がありました。
消防によりますと、猛毒の化学薬品である「臭素」が、トラックから工場内のタンクに移動させる際に漏れ、作業をしていた50代と40代の男性2人がのどの痛みなどを訴え、病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。
2人は、この工場にほぼ毎日、臭素を搬入していた外部業者の作業員で、当時「M社」の従業員1人を含め、3人で作業をしていました。
漏れ出した臭素の量は不明ですが、工場周辺などへの影響はないということです。
警察や消防は、作業中に何らかの原因で臭素が漏れ出したとみて、事故の原因を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2eeae1d1ec032f56da94744e90cf0b57439ed84
6月21日18時23分にHOME広島からは、配管をつなごうと部品を緩めた時に少量の臭素が漏れたという下記趣旨の記事が、工場全景の空撮写真付きでネット配信されていた。
福山市の工場で毒劇物の臭素が漏れ、吸い込んだ男性2人が病院に運ばれました。
午後1時すぎ、福山市箕沖町の工場で「毒劇物が漏れて気分不良者がいる」と、工場の関係者から通報がありました。
消防によりますと、漏れた毒劇物は「臭素」で、工場に出入りしていた40代と50代の男性2人が、のどの痛みなどを訴え病院に運ばれました。
命に別状はないということです。
2人は「臭素」を運んでいて、配管をつなごうと部品をゆるめたときに、少量の臭素が漏れたということです。
付近への影響はないということです。
https://news.livedoor.com/article/detail/20404296/
(ブログ者コメント)
毒性が非常に強い臭素ガス(許容濃度0.1ppm)。
それを取り扱うのに、空気呼吸器などを装着していなかったのだろうか?
2021年6月20日8時26分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長野県茅野市内の製造会社から銅を含む廃液約4千リットルが流出していたことが分かった。
市と県は流出を把握していたが、公表はしていなかった。
地元漁協が魚類への影響を指摘している。
流出が分かったのは7日朝。
同市米沢のプリント基板製造会社が廃水処理装置から処理途中の廃液が漏れ出ているのを見つけて回収し、約10時間後の同日夕に市に報告した。
同社によると漏出量は最大4千リットルで、一部が敷地外に流出したとみている。
市の報告で立ち入り検査をした県諏訪地域振興局によると、廃液は「銅を中心とした凝集剤」。
詳しい分析結果はまだ出ていない。
報告を受ける前の7日午前、同局に茅野市の上川でアマゴ10匹が死んでいるという連絡があり、県市の職員が現場で確認していた。
現場は流出現場の2キロ下流だが、因果関係は分かっていない。
同課は「アマゴは固まって死んでいた。病死ではなさそうだ」と話す。
諏訪東部漁協の矢島組合長によると、死んでいた魚はアマゴ、アユ、カジカ。
「7日から3日間、釣り人から『死んだ魚が流れてくる』という、かなりの問い合わせがあった。死んだ魚の量は見当がつかない」と明かす。
「ヒレや頭が溶けた魚もいた。酸の影響ではないか」と話した。
https://www.asahi.com/articles/ASP6N2QN1P6LUOOB00F.html
6月18日19時39分にYAHOOニュース(信越放送)からは、有害物質分離装置が故障していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茅野市の会社の工場で、処理途中の排水が用水路に流出していたことがわかりました。
近くの河川からは魚の死骸も見つかっていて、会社が工場排水との因果関係を調べています。
茅野市米沢のプリント基板メーカー「R社」によりますと、6日の午後から7日の朝にかけて工場排水が用水路に流出しました。
原因は、工場排水を水と有害物質に分離する装置の故障で、これまでに4トン程が流出したということです。
工場からの流出は8日には止まりましたが、付近の農業用水路にも流れたということです。
近くでは魚の死骸も見つかっていて、R社では流出した排水の成分を分析し、魚の死骸との因果関係を調べています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/14d065fd1189cc26088ad04414ff89604c886f84
2021年1月8日10時26分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日、医薬品製造会社「Sファーマ」の金ケ崎工場で、およそ10トンのジクロロメタンを貯蔵していたタンクのメモリがゼロになっているのを作業員が見つけました。
ジクロロメタンは工場では洗浄剤として使用されていて、雪の重みでタンクのバルブがゆるみ、敷地内に漏洩したとみられています。
ジクロロメタンは発がん性がある有害物質で、敷地外の河川などにも流出したおそれがあることから6日、工場から岩手県に通報があったということです。
工場のそばには北上川に合流する2つの河川があり、通報を受けた県が河川管理者の国などと水質調査を行いましたが、水質の汚濁はみられず、数値の異常もなかったということです。
また、これまでに、異臭や健康被害などの情報も寄せられていないということです。
県では、工場の敷地外に流出した可能性は低いとみていますが、念のため、水質や周囲の環境への影響について当面の間、調査を行うことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210108/6040009607.html
1月6日23時4分に産経新聞からは、タンク上部からの落雪が原因だったらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手県などは6日、医薬品製造「Sファーマ」の金ケ崎工場(金ケ崎町)のタンクから、有害物質のジクロロメタンが最大で約10トン漏れたと発表した。
けが人はいない。
同社は、工場敷地外への流出は確認されていないとしている。
同社によると、5日午後に従業員が発見。
タンク上部からの落雪で、バルブが緩んだのが原因の可能性があるという。
県は付近の川やため池の水質調査をしている。
https://www.sankei.com/affairs/news/210106/afr2101060015-n1.html
1月10日19時35分にNHK北海道からは、拡散防止対策を進めるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
Sファーマによりますと、今月5日、金ケ崎町の工場で、屋外にあるジクロロメタンを貯蔵していたタンクの排出弁が開き、およそ15キロリットル漏れ出したということです。
発見したときに、排出弁が半分ほど開き、タンクの上部に雪が積もっていたことから、会社では雪が落ちてバルブがゆるんだとみています。
ジクロロメタンは発がん性がある有害物質で、会社が漏れ出した現場付近の土壌水を調べたところ、8日になって、高濃度のジクロロメタンが検出されたということです。
工場周辺への影響については、県や国が7日に、周辺の河川7か所で水質調査を行ったところ、いずれも基準値を下回りました。
また、会社が周辺の井戸水を15か所を調べたところ、9日の時点では、ジクロロメタンは検出されていません。
ただ、会社では、工場から半径1.2キロの住民や企業に対して、念のため、地下水を飲料に使わないよう要請し、飲料水を提供したということです。
今後、県や国とともに水質や周囲の環境への影響について調査を続け、漏れ出したジクロロメタンが拡散しないよう対策を進めることにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210110/6040009633.html
(ブログ者コメント)
〇落雪で弁が半分ほど開いたという点から考えると、コックバルブが使われていて、レバーが真横になると閉、真下になると開、という状態だったのかもしれない。
水道蛇口のレバーであれば、下に押すと水が止まるので、上から物が落ちてきても出っ放しになることはないのだが・・・。
それにしても、万一の事態に備え、なぜキャップを取り付けていなかったのだろうか?
〇ジクロロメタンは地下浸透力が強い物質ゆえ、早期に土壌汚染拡散防止対策がとられるものと思われる。
2020年12月4日15時1分にYAHOOニュース(現代ビジネス)から下記趣旨の記事が、破裂したタンクの写真付きでネット配信されていた。
【さかんに作られていた糖蜜が…・】
ここ数日、日本列島では冬らしい冷え込みが続いているが、緯度の高い北米の冬の寒さは耐えがたいものがある。
今からおよそ100年前の1919年1月15日、アメリカマサチューセッツ州ボストンにて「世にも奇妙な」事件が突如として起こった。
それは決して笑い話ではない。
死者21名、負傷者150名以上を出した、後に「ボストン糖蜜災害」として語られる大惨事だ。
名門大学の学生街としても知られるマサチューセッツ州・ボストン。
コマーシャル・ストリート529番地には、高さ15メートル直径27メートルという巨大な鋳鉄製の糖蜜貯槽が配置されていた。
これは「ピュリティ・ディスティリング・カンパニー」という製造業者の管理する貯蔵槽だった。
ボストンでは当時、糖蜜の製造が盛んだった。
糖蜜とは、砂糖などを精製する際に副産物として発生し、発酵させエチルアルコールを回収しラム酒などの酒類の原料になったり、料理、お菓子作りに使われたりする、どろどろした液体である。
文字通り、それは甘いシロップそのものであり、凶暴なイメージはない。
しかし、水とは違う質量を持った糖蜜が約870万リットルも突如として流出すれば、付近にいる人間はもちろん、堅い建造物でさえひとたまりもない。
だが、1月15日の12時30分ごろ、その巨大貯槽は突然破裂した。
マシンガンのように鉄のボトルが次々と飛び散り、中に入っていた大量の糖蜜は時速約55キロメートルの速さで流れた。
最大高2.5メートルの巨大な波となり、瞬く間に町中を覆った。
ボストンの街を、シロップの津波が襲う。
街は腰の高さまで糖蜜に埋まり、次々に家屋、建築物などを破壊し、人々は溺れ、破壊された家屋の下敷きとなっていった。
当時の証言によると、まるで地鳴りがするかのような大きな音が鳴り、地面は揺れたという。
【寒さが粘度に影響した】
先述のとおり、糖蜜の流出は10歳の子供から70代の高齢者まで、21人の犠牲者を出した大惨事となった。
事故翌日からホースを用いて糖蜜を流す作業が始まったが、粘性の液体に浸された町全体の清掃はまったく進まない。
消防艇で汲み取った海水で押し流し、砂に吸着させるなどの手段で海へ移動させ、元どおりになるまではしばらくの時間を要したという。
なぜ糖蜜を入れていた貯蔵槽は爆発し、粘性のあるはずの糖蜜は自動車並みのスピードで人々を飲み込んでいったのか。
これに関してはさまざまな考察や研究がある。
順を追って見ていこう。
順番は逆転するが、まず、なぜこれほどの被害が生まれたかだ。
糖蜜の密度は1立方メートルあたり1.4トンと、水よりも約40%高い。
そのため、糖蜜は大きな運動エネルギーで建物をなぎ倒し人々を飲み込んだ。
そして、当時は1月、前日までマイナス10度台の非常に寒い日が続いていたこともある。
事件が起こった日は最高気温4度と急上昇したが、この低い気温が糖蜜の温度を下げて粘性を増し、液体の威力が強まってしまったとされる。
では、そもそもタンクはなぜ爆発したのか。
これには主に二つの理由が挙げられる。
ひとつ目は気候だ。
前日との寒暖差が20度近くにおよび、タンク内の糖蜜が発酵、二酸化炭素が発生して内圧が上昇したのでは、という理由が考えられている。
【設計上のミスがあった】
もうひとつは、この巨大タンクははじめから設計上のミスがあり、タンクが870万リットルもの容量を保持できる構造ではなかったという考察だ。
一説によると、貯槽に使われていた鋼鉄の厚さが本来決められた厚さにまったく満たしていなかったという。
加えて、管理していた企業のずさんな実態も明らかになっている。
また、事故当時のアメリカでは禁酒令が広がり始めていたこともあり、マサチューセッツ州でも禁酒令が敢行される前に、なるべく多くのラム酒を作ろうという動きがあった。
そのため、タンクには容量ギリギリの糖蜜が貯蔵されたことも因果なのではとされている。
いずれにしても、決定的な要因があったというよりかは、気温の変化や小さな亀裂、管理不足などさまざまな不運が重なり、大事故につながったとみられる、やりきれない災害だ。
実際のところ、糖蜜の貯蔵タンクによる事故が起こったのはボストンのケースだけではない。
糖蜜に飲み込まれるなど、一瞬、笑ってしまう話だが、建造物がなぎ倒され、人々がもがくようにして亡くなっていったことを考えても、きちんと教訓として受け止めなければならない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f575929c6bda24ad6f8d84a4e690fd1ed53b306
※関連情報調査結果、科学者と学生たちのチームが流体力学を用いて被害状況を解明
したという、4年前の報道が見つかった。
(2016年12月16日8時9分 GIZMODO)
甚大な被害をもたらす要因となったのは、温度。
1919年冬、230万米ガロン(約870万L)の糖蜜が詰まった貯槽タンクが破裂し、糖蜜の大波がボストンの街路に流れ出るという事件が起きました。
それは行く手にあったすべてのものを覆って破壊し、被害は死者21人と負傷者150人に及びました。
実は現在に至るまで、この被害がそこまで大きくなった理由はわからないままでした。
ところが、The New York Timesによると、科学者とハーバード大学の学生によるチームがその答えを見つけたようなのです。
以下は、その報道の一部です。
科学者と学生たちのチームは、アメリカ物理学会の11月の会合で、一世紀前のこの謎を解く重要なカギになりそうなことを発表しました。
カリブ海から新たに到着した糖蜜の積み荷が、冬のマサチューセッツの冷たい空気に触れたことで、街に大惨事をもたらすのに適した状態になったと結論づけたのです。
寒冷な気候による糖蜜への影響を研究することで、この災害は温暖な季節よりも、冬の間に起きた方がより壊滅的になると研究者たちは突き止めました。
糖蜜は数秒で数ブロックを覆うほどに素早く流れ出し、そして冬の空気で冷まされるにつれ、もっとドロドロとして粘性を増しましたのです。
そのドロドロになった糖蜜の波は、流れる速度が落ちるだけでなく、救助しようという試みを妨害するようになりました。
ハーバード大学の学生たちは、現代の知識である流体力学を用いて、この100年前の事件を研究しました。
彼らはまず、大型冷蔵庫の中でコーンシロップを使う実験を行なうことから始めたのです。
これにより、冬のボストンにおいて糖蜜がどう動いたかを、シミュレーションできました。
そして学生たちは、集めたデータをボストンのノースエンドを襲った糖蜜災害のモデルに適用しました。
その結果は、ボストン糖蜜災害の史実上の記録に合致したのです。
この実験で集めた科学的なデータで確認できたことの1つに、糖蜜が流れ出す速度があります。
第一波は時速35マイル(約56km/h)で押し寄せてきたと人々は語っていました。
これにより多くの人々が、タンクの破裂によって糖蜜がこのような速度で流れ出したと信じていました。
しかし、研究チームの計算は、糖蜜だけでもそれほどの速度になり得ると示したのです。
このプロジェクトに顧問として関わったNicole Sharpさんは航空宇宙学のエンジニアで、科学コミュニケーションの専門家です。
The New York Timesに「この結果は興味深く、当時は解明が不可能だったことです。事故から何十年と経つまで実際の要因を解明しようとする人は誰もいませんでした」と語っています。
破裂の2日前に配達された糖蜜は、運びやすくするために温められていました。
Sharpさんいわく、災害が起きた時の糖蜜の温度は、おそらく外気よりも4、5℃高いままだったのだろうとのこと。
被害者たちのまわりを流れた糖蜜は、冷たい空気にさらされることで粘性が増して、彼らをすぐさま捕らえたのだと学生たちは判断しました。
ところで、この研究は、同じくハーバード大学の教授であるShmuel M. Rubinsteinさんの、流体力学入門の授業から始まったものでした。
Rubinsteinさんは学生たちに「面白いプロジェクトを1つ選んで、興味深いビデオを作るように」と指導したのこと。
制作された動画はネタ元The New York Timesでチェックできるので、ぜひご覧ください。
糖蜜災害のシミュレーションを小さな模型で行なったスローモーションの動画で、昔ながらのサイエンスフェアみたいなクオリティですよ。
・・・・・
https://www.gizmodo.jp/2016/12/cause-of-boston-molasses-disaster.html
(ブログ者コメント)
ブログ者はこれまで、国内外の重大事故を文献メインで勉強してきたが、この事例は知らなかった。
思うに、ネット社会になった今、文献に記載されていなかった重大事故が目に触れるようになった、ということかもしれない。
2020年4月15日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
(2020年9月12日 修正1 ;追記)
2020年9月4日22時8分に朝日新聞からは、コロナ対策隔離中の米兵が士気高揚のため行ったバーベキューの火に消火装置が反応したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
流出の発端は、米兵らのバーベキューだったことがわかった。
器材に着火したことで、格納庫の消火装置が作動したという。
米軍の報告を受けた防衛省が4日、発表した。
防衛省によると、バーベキューが行われたのは、消火装置がある格納庫から約3~6メートルの場所。
器材に火を付けたところ、消火装置が熱に反応。
その場にいた米兵も、駆けつけた初動対応チームも、一時停止の方法がわからず、消火装置は30分近く作動し続けた。
さらに、泡消火剤が漏れ出ても地下タンクにたまる仕組みになっていたが、整備不良で外部に流出したという。
米兵らは3月末に国外展開から普天間飛行場に戻り、新型コロナウイルス対策の一環として隔離措置の対象となっていた。
バーベキューは士気高揚のためだったという。
泡消火剤に接触後、3人が一時、軽度の症状を示したという。
https://www.asahi.com/articles/ASN9475J5N94TIPE02L.html
9月5日5時51分にYAHOOニュース(沖縄タイムス)からは、格納庫の扉が壊れていて閉められず、雨水が地下タンクに流れ込んでいたため、流出した泡消火剤を溜められなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
普天間飛行場は当時、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、バーベキューに参加した隊員を含む47人をこの格納庫内で14日間、隔離している最中だった。
海兵隊は全隊員を対象に、消火装置の機能について教育などを実施。
政府は再発防止策の徹底を申し入れた。
防衛省によると、消火装置の一時停止ボタンの使用方法を誰も把握していなかった。
消火装置は約28分間作動し続け、希釈された泡消火剤など約22万7100リットルが漏出した。
また、本来閉まっているべき格納庫の扉が開いていたことから、外から流れ込んだ雨水が格納庫用の地下タンクに流入。
結果としてタンクの収容能力を超え、格納庫の外へ漏出した。
政府関係者によると、扉は壊れており、漏出中も閉められなかったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8553a9445a887b1971b93759aa04c64a44d9a22a
9月4日23時16分にYAHOOニュース(時事ドットコム)からは、飛行場内でのバーベキューは禁止されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
装置の作動から数分後に消火チームが駆け付けたものの、誰も停止方法を把握しておらず、基地外まで消火剤が流出した。
飛行場内でのバーベキューは禁止されていなかったという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc550935a4877c28272248850bfdfdd04f688daa
9月4日21時22分にNHK沖縄からは、消火装置はスイッチを長押しすれば止まったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故の原因について、アメリカ軍は、専門チームを設置して調査を進めてきました。
その結果、4日地元の宜野湾市などに対し、事故の原因について「航空機の格納庫でバーベキューをしたため、消火機器が作動したのが原因だった」と説明したことが関係者への取材でわかりました。
また、消火機器を止められずに大量の消火剤が流出したことについて、「スイッチを長押しすれば消火機器は止まるが、それを誰も把握していなかった」と説明したということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20200904/5090011575.html
9月10日6時16分にYAHOOニュース(沖縄タイムス)からは、6年前にも格納庫内でバーベキューしていて消火設備が作動したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米軍普天間飛行場で2014年夏にも、米兵が格納庫内でバーベキューをして消火装置が作動し、泡消火剤が漏出する事故が起きていたことが、関係者の証言で分かった。
今年4月の大規模事故もバーベキューが原因だったと判明したばかり。
再発を防止できず事故を繰り返す米軍に、批判が高まりそうだ。
かつて普天間に勤務していた関係者によると、14年の事故でも有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)を含んだ泡消火剤がスプリンクラーから漏れた。
ほぼ全量が地下の貯蔵タンクで回収されたという。
事故の原因をつくった海兵隊員らは当時、普天間に一時的に配属されていた。
このため、どの部隊が浄化の責任を負うかを巡って対立が起き、泡消火剤の廃棄は不十分な形に終わったという。
普天間では19年12月にも格納庫内の泡消火剤漏出事故があったが、通常屋外で使うポータブル発電機を格納庫内で使ったことが原因だったと、今回の本紙取材で判明した。
この時も、PFOSを含む約4万リットルの泡消火剤が漏れていた。
在沖海兵隊は今年4月の事故に関する4日の発表で「今後同様の事故が起きる可能性を減らす対策を実施した」と強調したが、これまではミスが繰り返されていたことになる。
消火装置が熱で起動することなど、取り扱いの基礎知識の周知を兵士に徹底できていなかったとみられる。
本紙は在沖海兵隊にこれまでの再発防止策が十分だったか、今後は徹底できるかなどを尋ねたが、回答はなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bbb7bc27d2365d0d24f9c8cc18200c441c97928
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
(2020年10月10日 修正2 ;追記)
2020年10月10日5時14分にYAHOOニュース(琉球新報)からは、現場で非常停止ボタンを長押ししたが止まらなかった、格納庫の扉が何年も故障したままで閉まらなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
琉球新報は9日までに、米軍が作成した事故報告書を米情報公開請求に基づき入手した。
それによると、放出を止めるために必要な非常停止ボタンの「長押し」を試みたが、放出は止まらず、ボタンが「作動していなかった」と、現場の米海兵隊員らが証言していたことが分かった。
装置に不具合があった可能性がある。
報告書は、現場の海兵隊員が泡消火剤の非常停止ボタンの正しい使い方が分からなかったため、25分間にわたり放出が続いたと結論付けた。
報告書は、非常停止ボタン付近の掲示内容がボタンの正しい操作法を説明するよう求めた米国防総省の「統一施設基準」に沿っていなかったとも指摘した。
報告書によると、事故の後に米軍が実施した現場検証では、事故が起きた「格納庫539」で泡消火剤の放出装置を起動した後、非常停止ボタンを20~30秒間押し続けると放出は止まったと説明している。
事故当日は、非常停止ボタンは少なくとも17回押された。
押し続けた時間の平均は44秒。
17回のうち9回は30秒以上だったが、放出は止まらなかったという。
報告書に記載されたパイロットへの聞き取り記録では、非常停止ボタンは長押しする必要があることを確認し、現場の海兵隊員が実際に長押ししたものの、放出は続いたとしている。
パイロットはボタンが「明らかに作動しなかった」としている。
琉球新報は、停止ボタンに不具合があったのか米海兵隊に質問したが、9日までに回答はない。
報告書によると、ボタンでは放出が停止できなかったため、消防隊員が泡消火剤の放出機器に水を供給する弁を閉じ、発生から25分すぎに放出が止まった。
また、米海兵隊は泡消火剤が格納庫の外に流出するのを防ぐために格納庫の扉を閉めようとしたが、扉が故障しており、外部に流出したことも記している。
扉は何年も故障したままだった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1a87f7cdcf19eb4d0a66370ef104554ddf54c0f
10月10日10時4分にYAHOOニュース(琉球新報)からは、消火剤に接触した米兵3人が吐き気などを訴えていた、火報の感度がよすぎたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米軍の事故調査報告書によると、米軍普天間飛行場で格納庫から泡消火剤があふれ出た4月10日、海兵隊員3人が消火剤に接触して皮膚炎や吐き気、呼吸困難を訴えた。
・・・・・
格納庫そばで着火するとすぐに消火装置が作動したという。
技術仕様書の記載よりも火災検知器のセンサー感度が高かった旨も記している。
消火剤に接触して症状を訴えた米兵3人について、防衛省は「軽度の症状」と説明していた。
報告書によると、すすいだ後、症状が緩和したため病院には行かなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c0ee6e123d3e6154b3987d21d1838dcacdd53f2d
2020年9月4日18時19分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後9時15分ごろ、姫路市飾磨区中島の関西電力姫路第一発電所で、「タンクから塩酸が漏れている」と市消防局に通報があった。
飾磨署などによると、けが人はなく、周囲への影響も確認されていないという。
同発電所などによると、塩酸は、処理水の水素イオン指数などを調整するためのもので、容量5立方メートルのタンクで保管されていた。
約4立方メートルが流出したが、タンクを囲う防液堤の内側で止まったという。
同発電所は、処置の方法を検討するとともに、漏れた原因を調べる。
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/202009/0013665021.shtml
2020年7月10日9時33分に西日本新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
大分県は9日、同県日田市天瀬町のJAおおいた天瀬支店の倉庫が7日午後に損壊し、保管していた農薬674キロが流出していたと発表した。
すぐ脇にある玖珠川などに流れた可能性があり、県は下流域の福岡、佐賀両県の関係漁協などに注意を呼び掛けた。
大分県によると、農薬は殺菌や消毒用。
うち、魚への毒性があるものは約415キロだが、県は雨で希釈されている可能性が高いとみている。
現在、被害の報告はないという。
同JAによると、玖珠川の対岸の崖から岩が川に落ち、その衝撃で川底にあった岩がはねて倉庫に突っ込んだとみている。
岩は大きいもので直径約1メートル。
倉庫の壁は大きく破損し、内部には数個散乱していた。
関係者は、「想像もしていなくて驚くしかない。真摯(しんし)に対応したい」と話した。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/624813/
2020年6月22日10時19分にYAHOOニュース(琉球新報電子版)から、下記趣旨の記事が写真5枚付きで「ネット配信されていた。
米軍嘉手納基地を管理する第18航空団は、22日午前8時50分ごろ、基地内南側の中央部にある危険物質を取り扱う建物で火災が発生したと発表した。
現在も米軍の消防が消火活動中だという。
「火は施設内に封じ込めている」と説明しているが、大きく煙が上がって基地外から目撃されている。
建物に規制線を張り、職員は避難しているという。
現時点で火災原因は不明で、負傷者は報告されていない。
同基地の外からは22日午前9時ごろ、米軍嘉手納基地の南側滑走路付近の建物から黒煙が上がっている様子が確認された。
午前10時現在も煙は収まっていない。
米軍は滑走路を閉鎖しておらず、午前11時すぎには嘉手納基地から離発着する航空機も確認された。
基地周辺に住む人の中には異臭を訴える人もいた。
日本側の警察や消防に連絡はない。
沖縄防衛局は事実確認中という。
沖縄署に110番通報は特になく、現在情報を収集しているという。
警察などによると、同基地内で行われている工事現場で出火したとの情報が入っているという。
基地外への被害はないもよう。
日本側からの消防の出動はなく、詳細は分かっていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/884e686ab329008f0d2b11a3938427d201b0833e
6月24日17時54分にNHK沖縄からは、保管されていた次亜塩素酸カルシウムが消火水と反応して塩素ガスが発生したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日、嘉手納基地内にある危険物を取り扱う施設で火事があり、アメリカ軍は有毒な塩素ガスが発生したとして、基地内向けに、異常を感じた場合は医療機関を受診するよう呼びかけていました。
これについてアメリカ軍は24日、現場付近にいたおよそ100人に目やのどの痛みなどの症状が見られたものの、大半が軽症で、医療機関で手当てを受けたと発表しました。
一方、ガスは基地の中央に位置する施設から300メートル以上には広がっておらず、基地の外には流出していないという認識を示しています。
また、塩素ガスが発生した原因については、施設内で保管していた次亜塩素酸カルシウムが消火活動による水と反応したためとしています。
嘉手納町や沖縄市には、これまでに住民から健康被害を訴える連絡はないということです。
一方、アメリカ軍は、火事の原因については現在も調査中としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20200624/5090010625.html
(2021年1月28日 修正1 ;追記)
2021年1月27日16時26分にNHK沖縄からは、次亜塩素酸カルシウムの保管状況が悪かったため、高温多湿な環境下で発熱し発火したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
アメリカ太平洋空軍は、この火災について報告書をまとめ、27日までに公表しました。
それによりますと、火災の当日、施設では次亜塩素酸カルシウムが保管されていましたが、包んでいた袋の劣化で漏れ出すなど、外の高温多湿な状況にさらされていたということです。
次亜塩素酸カルシウムは高温多湿な状況では発熱するため、温度や湿度の低い環境に保管する必要があるということですが、およそ20か月にわたって推奨された環境で保管されず、発熱して煙を出し火災が起きたということです。
また、アメリカ軍関係者115人と日本人の基地従業員5人が、目やのどの痛みを訴えたとしています。
この火災をめぐっては、アメリカ軍から有毒ガスの発生が伝えられたのが鎮火から4時間以上たったあとで、基地周辺の自治体が強く反発していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20210127/5090012994.html
1月28日13時2分に琉球新報からは、処理するための梱包作業中に発熱したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
施設には3万3859ポンドの次亜塩素酸カルシウムが保管されていたが、包んでいた袋が劣化して漏れ出すなど、数カ月にわたり推奨される保管基準を満たしておらず、管理もずさんだったことが判明した。
次亜塩素酸カルシウムは高温多湿の状況で発熱する。
報告書では、火災は次亜塩素酸カルシウムを有害廃棄物処理施設へ移送するため、梱包(こんぽう)作業を行っている最中に発熱して、煙を出したことに起因すると結論付けた。
第18航空団司令官のジョエル・キャリー准将は25日、周辺自治体の首長らを基地内に招き、調査結果を報告。
今後は有害物質の保管点検を強化することなどを説明したという。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1263382.html
2020年5月13日付で茨城新聞から下記趣旨の記事が、死んだ魚の写真付きでネット配信されていた。
水戸市の逆川や桜川で今月上旬、コイやウナギなどの魚が大量に死んでいたことが12日、市や茨城県などへの取材で分かった。
河川を管理する県は、数百匹、計約320キロ分の死骸を回収。
市は同日までに水質を調べ、除草剤や農薬に含まれる複数の物質が通常時より多く検出されたとしている。
1日は逆川の上流で火災が発生し、消火活動が行われており、市が関連を調べている。
市によると、2日午前、「逆川で魚が死んでいる」と市民から通報があり、環境保全課の職員が現地で死骸を確認。
水質を簡易検査したが、異常を示す数値は出なかった。
翌3日、水質を詳細に検査し、除草剤や農薬に含まれる物質が検出された。
4日の調査では検出量が減り、「異常は一過性と判断した」という。
茨城新聞の取材に対し、同課は、検出された具体的な物質名を明かさず、「近く示す」としている。
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15892925398223
5月14日付で茨城新聞からは、前日に上流で農薬などを保管していた倉庫が全焼していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同市が今月3日に行った水質検査の結果、農薬に含まれる5種類の物質が基準値を超えて検出されていたことが13日、市への情報公開請求で分かった。
このうち、農薬などに使用される化学物質「チウラム」が環境基準値の約140倍に達していた。
市によると、市は逆川の笠原橋(同市笠原町)付近から採水して検査し、農薬などに含まれる物質10種類が検出された。
このうちチウラムなど5種類が環境基準値を超え、除草剤に含まれる成分の「ピラクロニル」は基準の100倍だった。
農薬などが保管されていた農業用資材倉庫が全焼する火災が1日、逆川上流で発生したことから、市は現場に近い同橋で農薬の影響を調べた。
市によると、消防の消火活動は水を放水し、消火剤は使用していなかった。
桜川の柳堤橋(同市柳町)で4日、同様の検査をした結果、10種類全てが基準を下回った。
県は市の分析を基に、検出された物質と魚の大量死、火災の関係について原因究明を進める。
市や県によると、13日までに健康被害の報告はないという。
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15893676319111
(ブログ者コメント)
〇掲載された写真には死んだウナギが10匹ほど1か所に集まって写っている。
日本の川には、まだこんなにも生息しているのかと、そちらのほうが驚いた。
流されてきて1か所に集まったのかもしれないが・・・。
〇ちなみに、農薬保管倉庫の火災による河川汚染としては、1986年に起きたスイス・バーゼル市での事例が、あまりにも有名だ。
2020年4月17日21時40分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県三田市は17日、工業団地「第二テクノパーク」の工場から汚水が流出し、近くの調整池「王子池」に流れ込んだ可能性があると発表した。
汚水は火災の消火作業に使われる泡消火剤で、濃度は10分の1程度に薄められており、生態系への影響はないという。
流出があったのは、消防車の保守・点検を手掛けるMテクノス(三田市)の三田工場。
消火剤を噴射するテストの実施後、回収した消火剤約2千リットルが入ったタンクがフォークリフトから落下した。
敷地内の汚水はスポンジに吸わせて回収したが、一部が雨水管を通って敷地外に流出した可能性がある。
同社は池に土のうを積み、手前の沈砂池で水を吸い上げるなどして回収。
市が池の水を採取し、専門機関に水質検査を依頼している。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202004/0013278941.shtml
2020年4月11日8時15分に琉球新報から、下記趣旨の記事が地図と写真付きでネット配信されていた。
10日午後4時45分ごろ、米軍普天間飛行場の格納庫で消火システムが作動し、発がん性が指摘される有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤が放出された。
消火剤は雨水排水用の水路で水に混じり、基地外の南側に流出した。
風にあおられ、宜野湾市真栄原や大謝名周辺の住宅街に降った。
沖縄防衛局は米側の情報として「泡消火剤が使用された際に、かなりの量が市側に漏れ出した」と説明した。
宜野湾市上下水道局によると、消火剤が漏出した水路の水は下水処理されず、比屋良川に合流して牧港湾に流れ出る。
防衛局によると、周辺地域への被害は把握していないという。
琉球新報社の取材に対し、米海兵隊は一部の泡を封じ込めたことに触れて「事故の詳細は調査中」と答えた。
米海兵隊太平洋基地(MCIPAC)の環境担当者が日本政府や県、市などと連絡を取っているとして、「泡に遭遇する可能性のある人は、泡に近づかないようにしてほしい」と呼び掛けた。
宜野湾市の松川正則市長は、「度重なる事故で、非常に遺憾だ。PFOSは市民も心配しているので、しっかり管理してもらわないといけない」と指摘した。
現場対応に当たった普天間飛行場の基地司令官デイビッド・スティール大佐から、電話で事故の報告とおわびがあったという。
松川市長は、基地内に入って現場で説明するよう要求した。
玉城デニー知事は記者団に「調査中だ」と述べるにとどめた。
普天間飛行場では昨年12月にも泡消火剤が漏出する事故が発生した。
水に混じった消火剤は、水路から勢いよく基地外に流れ出ていた。
目撃者によると、数センチ~数十センチほどの泡が、近くの保育園で帰宅しようとしていた園児の頭や住宅街に降り注いだ。
保育園の関係者は、「米軍は安全に配慮した行動をしてほしい」と憤った。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1105506.html
4月10日23時28分に毎日新聞からは、格納庫内の消火システムが作動したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
泡消火剤が流れ出たのは宜野湾市真栄原(まえはら)3付近の普天間飛行場南側の側溝(幅約1・5メートル)。
側溝は比屋良川につながっている。
市消防本部によると、気分が悪くなった人などはいない。
米軍は10日夜、「格納庫内の消火システムが作動した」と明らかにした。
沖縄の米軍基地では過去にも、有害物質を含む泡消火剤が基地外に流れ出る事故が起きている。
https://mainichi.jp/articles/20200410/k00/00m/040/333000c
4月11日9時14分に琉球新報からも、同趣旨の記事が飛散する泡の写真付きでネット配信されていた。
11日午前8時ごろ、宜野湾市内の住宅街で大量の泡が確認された。
泡消火剤は前日夕方に放出されたが、周囲への回収ができておらず、風に吹かれて周囲に飛散している。
米軍は「泡に近づかないように」と呼びかけているが、外で避けるのが難しい状態だ。
地域住民は、「怖い。洗濯物が干せない」などと不安げに話した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1105524.html
4月14日20時30分に琉球新報からは、原液ではなく水で薄められた量として14万kℓが基地外に流出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
基地外に流れた量が約14万3830㍑(200リットル入りドラム缶719本分)に上ることが14日、分かった。
沖縄防衛局が県や宜野湾市に知らせた。
普天間飛行場内の消火設備から流出した全体量が約22万7100㍑、うち米軍が基地内で回収したのは約8万3270㍑だった。
6割以上が基地外の川などに流れ出たことになる。
防衛省は、いずれも消火剤原液ではなく、水で薄めた量と説明している。
PFOSを含む泡消火剤は10日、普天間飛行場内の格納庫から漏出した。
基地外の住宅街や河川にも流れている。
防衛局によると、米軍は13日まで具体的な流出量を明かさず、「かなりの量」と説明していた。
宜野湾市の宇地泊川(比屋良川)に流れた分は全て除去できず、下流に広がった。
浦添市の牧港漁港でも、消火剤とみられる泡が見つかった。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1107185.html
(2020年5月2日 修正1 ;追記)
2020年4月30日6時30分に琉球新報から、事故翌日に採取した海水から高濃度のPFOSが検出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米軍普天間飛行場から発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が10日に宜野湾市の宇地泊川などへ流出した事故を受け、日本環境化学会評議員の田代豊氏は流出事故翌日の11日、川の河口周辺で海水を採取し、専門家に分析を依頼した。
分析の結果、有機フッ素化合物PFOSとPFOAの合計値は1リットル当たり最大255.4ナノグラムで、地下水汚染を判断する米国の暫定指標値40ナノグラム(1リットル当たり)の6倍超だった。
河川だけではなく、沿岸海域にも汚染が広がった実態が浮き彫りになった。
田代氏は11日午後0時半から午後2時まで、宇地泊川河口周辺の3地点で海水を採水し、京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)に分析を依頼した。
今回の最大値は、環境省の諮問機関・中央環境審議会の専門委員会が河川などの暫定指針値として提案している1リットル当たり50ナノグラムの5倍に上る。
琉球新報が12日に宇地泊川で採取したPFOSとPFOAの値1リットル当たり247.2ナノグラムより、8.2ナノグラム高かった。
最も値が高かったのは、宇地泊川の河口西側の沿岸。
河口から約1.5キロ西の沿岸では36.1ナノグラムだった。
一方、河口東側の沿岸では、PFOAは検出されたがPFOSは検出されなかった。
いずれの地点もPFOAの値が高い。
同じく有害性などが指摘されているPFHxSやPFHxAも検出された。
気象庁によると、事故が発生した10日夕方から11日午後にかけて那覇では、主に東や東北東、東南東から平均3~8メートルの風が吹いた。
田代氏は、PFASが風などにより西側に流されたとみて、「一時的とはいえ、かなり広い範囲の海水に広がったと言える」と指摘した。
原田准教授は「海の生態系や河口周辺の環境を調査する必要がある」と強調した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1115206.html
2020年3月18日8時9分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
成田空港の検疫所で新型コロナウイルスの検査試薬が入った容器が破損して検査室が汚染されたため、検査ができない状態になっていることが分かりました。
厚生労働省によりますと、成田空港の検疫所で11日に新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査をしていたところ、職員が試薬の入った容器を誤って床に落として破損しました。
陽性の場合に反応する試薬が室内に漏れて正確な検査ができない状態になったため、成田空港の検疫所は、現在、検査を停止して消毒作業が行われています。
復旧のめどは立っておらず、国立感染症研究所や他の検疫所で検査をカバーしているということです。
また、当時、作業をしていた職員7人のうち2人に試薬が付着しましたが、感染はしませんでした。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000179330.html
3月17日23時3分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの検査を行っていた成田空港の検疫所で職員が試薬の入ったガラス管を割る事故があり、今月11日から検査を停止していることを明らかにしました。
厚労省によりますと、今月11日に成田空港の検疫所で、ウイルスの検査に使う試薬の入ったガラス管を職員が落として破損させる事故があったということです。
その場にいた職員2人が、一時、検査で陽性と判定されましたが、調査の結果、陽性の判定は試薬が鼻の中に付着していたことが原因で、ウイルスへの感染は確認されなかったということです。
試薬から人にウイルスが感染することは無いということですが、誤った検査結果が出るおそれがあるとして、厚労省は11日から検疫所での検査を停止しています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3932224.html
(ブログ者コメント)
以下は、テレビ朝日映像の1コマ。
2020年1月6日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米軍横田基地(東京都福生市など)周辺で有害物質の漏出の有無を調べるため、都が監視地点に定めている井戸で昨年1月、高濃度の有機フッ素化合物が検出されていたことがわかった。
うち1カ所の濃度は、米国での飲み水についての勧告値の19倍の値だった。
都によると、検出時、井戸の所有者は飲用に使っていなかったという。
都は、基地内の地下水の濃度などを明らかにするよう、防衛省を通じて米軍に照会したが、回答はないという。
朝日新聞が都に情報開示請求し、公開された文書と取材で判明した。
検出されたのは、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS(ピーフォス))とペルフルオロオクタン酸(PFOA(ピーフォア))。
米環境保護局は、飲み水の水質管理の目安となる勧告値を、両物質の合計で1リットルあたり70ナノグラム(ナノは10億分の1)と定めている。
1日2リットルを70年飲んでも健康に影響がない値とされる。
国内では厚生労働省が、米勧告値にあたる目標値を今年春をめどに設ける方向で検討している。
都福祉保健局は昨年1月、横田基地に近い4カ所の井戸で両物質の濃度を調査。
このうち、立川市にある井戸で両物質合わせて1340ナノグラム、武蔵村山市にある井戸で同143ナノグラムを検出した。
同基地では1993年、大規模なジェット燃料漏れが発覚。
直後から都は、基地近くで都や個人などが所有する井戸18カ所をモニタリング地点とし、水質を調べてきた。
PFOSとPFOAは対象ではないが、これらを含む大規模火災用の泡消火剤が過去に基地で漏出した、と英国人ジャーナリストが2018年12月に報道したことを受け、同局が調べた。
両物質が検出された二つの井戸は、国際的な規制を受けて国内でPFOS規制が始まった10年度に都が濃度を調べた際、それぞれ両物質の合計で1130ナノグラムと、同340ナノグラムだったことも明らかになった。
都によると、このとき飲まれていたかはわからないという。
都基地対策部の担当者は、「地下水脈は複雑なため、横田基地が発生源とは判断できない」と話す。
一方で同部は、基地内の地下水濃度や泡消火剤の使用状況などを明らかにするよう、防衛省北関東防衛局を通じて米軍に求めた。
都や同局によると、米軍からの回答は届いていないという。
防衛省施設管理課返還対策室は取材に、PFOSを含む泡消火剤の在日米軍基地での使用について、「16年以降は訓練で使用していないという情報を在日米軍から得ている」とした上で、「それ以前は使用していたと理解している」と答えた。
横田基地広報部は取材に、「都の調査は横田基地の担当者がいない状況で行われたため、結果を検証することはできない」と答えた。
横田基地には、在日米軍司令部や第5空軍司令部が置かれる。
福生市、羽村市、昭島市、武蔵村山市、立川市、瑞穂町の5市1町にまたがり、面積は東京ドーム約150個分。
【モニタリング地点以外でも検出】
今回、東京都が有害物質のモニタリング地点に定めている横田基地近くの井戸で高濃度の有機フッ素化合物が検出されていたことが判明したが、過去には、今回判明した基地近くの井戸以外でも両物質が検出されていたことも都への取材からわかった。
2010年度から4年間、都環境科学研究所が、23区を含む都内の地下水を研究目的で調査。
基地に近い立川市にある事業用の井戸で10年度、両物質の合計272ナノグラムを検出した。
継続調査では、569ナノグラム(15年度)~284ナノグラム(18年度)で推移していた。
米国防総省は18年、両物質の排出が疑われるなどする軍関係施設が401カ所あった、との報告書を公表した。
日本の基地は含まれていない。
ただ、沖縄県による13~18年度の調査では、米軍嘉手納基地(嘉手納町など)やその周辺で各年度に検出された濃度の最大値は、両物質の合計で498~1379ナノグラムだった。
同基地周辺の川などの水は飲用に使われている。
県は16年度、米国の飲み水の勧告値(PFOSとPFOAの合計で1リットルあたり70ナノグラム)を超えないようにするため、両物質を除去する浄水場の活性炭を緊急で取りかえた。
この対策に約1億7千万円を支出したという。
米軍はこれまで、沖縄県や沖縄防衛局による基地内での立ち入り調査を認めていない。
【英国人ジャーナリストの報道】
東京都が昨年、モニタリング井戸の調査をするきっかけになったのは、日本在住の英国人ジャーナリスト、ジョン・ミッチェル氏(45)の報道だった。
米情報自由法に基づいて開示請求し、米軍が公開した文書を根拠にしている。
ミッチェル氏が入手した「漏出報告書」によると、2012年、横田基地で推定800ガロン(約3千リットル)の泡消火剤が漏出した。
1年以上にわたって貯蔵タンクの床の隙間などから漏れていた可能性に言及。
有機フッ素化合物について「新たに出現した環境汚染物質」と記していた。
また、沖縄の嘉手納基地では、14年6月に基地内の池から約9万ナノグラムのPFOSが検出された記録などがある。
07年の「有害物質漏出事故報告書」には、普天間飛行場(宜野湾市)では約200ガロン(約750リットル)が漏出したと記されている。
沖縄以外では、12~15年に厚木基地(神奈川県綾瀬市など)や三沢基地(青森県三沢市)、岩国基地(山口県岩国市)でも、それぞれ漏出の記録がある。
ミッチェル氏は、「米軍は漏出事故だけでなく、消火訓練での使用履歴などの情報も開示すべきだ。横田を含め、沖縄以外の基地や周辺でも実態調査が必要だろう」と話す。
◇
〈PFOSとPFOA〉
両物質に代表される有機フッ素化合物は自然界でほぼ分解されず、人体や環境中に長く残るため、「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれる。
残留性のある有害物質を規制する国連のストックホルム条約会議で製造・使用が原則禁止されている。
日本でもPFOSは2010年に法律で製造・使用が原則禁止され、PFOAは今春規制される見通し。
1950年代ごろから使われ、自動車の部品や半導体などの製造過程で使われたほか、大規模火災用の泡消火剤などに含まれた。
経済産業省によると、規制前に作られた泡消火剤の使用は認められている。
健康影響では、血液中の総コレステロール値を増やすほか、PFOAでは米ウェストバージニア州などで1リットルあたり数千ナノグラムなど極めて高い濃度の水を飲んでいた住民について、一部のがんなどと関連する可能性が科学者グループから指摘された。
https://www.asahi.com/articles/ASMDS4Q03MDSUUPI001.html
(ブログ者コメント)
沖縄での検出事例は、過去に本ブログでも紹介スミ。
2019年12月10日8時0分に沖縄タイムスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沖縄県の米軍普天間飛行場内の格納庫で消火システムが誤作動を起こし、有害な有機フッ素化合物のPFOS(ピーホス)を含んだ泡消火剤が漏れていたことが9日、分かった。
米軍から情報を受けた沖縄防衛局が6日に、沖縄県と宜野湾市に連絡した。
防衛局によると米軍は、「漏出したほぼ全ての消火剤は除去され、基地外へ流れたことは確認されていない」と説明している。
普天間周辺の河川ではPFOSが高濃度で検出され、基地との関連が指摘されている。
河野太郎防衛相は外相時代の今年6月に玉城デニー知事と面談した際に、「米軍は普天間の消火剤をPFOSを含まないものに転換中」と説明していた。
防衛局は消火剤が漏れたのは5日午後で、格納庫内の消火システムに関連する装置の操作を誤ったことが原因としている。
米軍は、「現地の環境担当者の評価で環境への影響はほぼなく、公共への安全性への懸念もない」とし、再発防止のため、消火装置を扱う米兵と雇用者の再教育を徹底したとしている。
一方で、漏れ出た消火剤の量や誤作動の原因は明らかにしていない。
県と宜野湾市は、防衛局を通じて米軍に詳細を問い合わせている。
県は詳細を把握した上で、対応を検討する。
沖縄タイムスは米軍に、環境への影響はないとする基準などを問い合わせているが、9日夜時点で回答はない。
米側は5日の夜に、防衛局に漏出の情報を提供した。
防衛局はあらためて米側に情報を確認した上で、6日夜に県と宜野湾市に連絡。
県が9日に報道機関に情報を公開した。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/508473
(ブログ者コメント)
PFOS問題については、過去に本ブログでも紹介スミ。
2019年10月30日8時40分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
いわき市小名浜の製錬所で26日、タンクから製品の硫酸が工場敷地内に漏れ出た問題で、流出した硫酸は934トンだったことが29日、小名浜消防署などへの取材で分かった。
発見直後に把握していた流出量は約300トンだったが、消防などによる調査で流出量が判明した。
同消防署などによると、硫酸は敷地内のフェンスでとどまり、外部への流出は確認されていないという。
タンクの容量は3000トン。
26日に流出した際には硫酸が約1900トン入っていた。
県やいわき市の職員らが29日までに立ち入り調査した。
回収完了のめどは立っていないという。
https://this.kiji.is/562059946562847841?c=39546741839462401
2019年9月18日18時4分にNHK和歌山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山市にある日本製鉄和歌山製鉄所で、ことし6月に煙突から鉄粉が大量に飛んで、周辺の住宅地のベランダや車などに付着していたことがわかり製鉄所の所長らが18日、謝罪しました。
和歌山県庁で開かれた会見には、日本製鉄和歌山製鉄所の衣笠所長と和歌山共同火力の和南城社長が出席しました。
それによりますと、ことしの6月26日ごろに製鉄所内にある火力発電設備の試運転をしていた際に大量の鉄粉があやまって煙突から北西の方向、およそ2.5キロ先まで飛んで周辺のベランダや車などに付着したということです。
製鉄所には、17日までに「鉄粉が取れない」などといった苦情がおよそ2000件、寄せられていますが、健康被害を訴える人はいないということです。
日本製鉄によりますと、鉄粉をとるための費用は全額、負担するということで、被害にあった人は専用の相談窓口、電話番号073−407−5154まで連絡するよう呼びかけています。
日本製鉄和歌山製鉄所の衣笠所長は「周辺に住む皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。一刻も早く原因を究明して再発防止を徹底していきます」と謝罪しました。
(窓口は、平日午前9時から午後6時まで)。
【付着していたさびは】
和歌山市の日本製鉄和歌山製鉄所から1キロ以内の場所にある和歌山市古屋の駐車場には、直径1ミリにも満たない小さな茶色いさびが付着している車が多数、確認できます。
車の持ち主の男性によりますと、ことしの6月26日に茶色いさびがついているのを確認したということです。
さびは水をかけたりこすったりしても取れなかったということです。
【被害を受けた男性は】
車の被害を受けた70歳の男性は「小さな点々が車についていたのを見たときは驚きました。自分の車は白色なので茶色いさびは目立ち、とても困っています。早く塗装をしたいですが、順番待ちの状態です。日本製鉄は住民に被害について十分、周知しておらず、対応に問題があると思います」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190918/2040003745.html
9月18日18時0分にテレビ和歌山からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄和歌山製鉄所によりますと今年6月26日、定期点検を終えて試運転していた和歌山共同火力の3号発電設備から、錆びた鉄粉が北西2.5キロメートル四方に飛散しました。
飛散は住人からの問い合わせがあり分かったもので今日までにおよそ2000件の苦情があり、原因は現在も調査中です。
この飛散した錆びた鉄粉の成分は、おもに鉄、カーボン、シリコンで自動車のボンネットなど塗装に付着すると落ちず、日本製鉄和歌山製鉄所は自治会を通じて清掃費用などの対応しているとしています。
事故があった3号発電設備は昭和30年に製造されたもので2年に1回定期点検を行っているということです。
http://www.tv-wakayama.co.jp/news/detail.php?id=55242
(2019年10月4日 修正1 ;追記)
2019年9月30日18時16分にNHK和歌山から、鉄粉は漏れた蒸気によって鉄製の部品同士が接触し削られてできたものだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
和歌山市にある「和歌山共同火力」の発電施設の煙突から鉄粉が大量に飛んで、周辺の住宅地のベランダや車などに付着していた問題で、施設の配管から蒸気が漏れた影響で鉄製の部品が削れ鉄粉ができ、放出されていたことがわかりました。
この問題は、ことし6月、「和歌山共同火力」の発電施設で試運転をしていたところ、大量の鉄粉が煙突から飛び散り、北西の方向、およそ2.5キロの範囲にある車やベランダなどに付着したものです。
施設がある日本製鉄和歌山製鉄所には、先週金曜日までに「鉄粉が取れない」などといった苦情がおよそ2700件、寄せられていますが、健康被害を訴える人はいないということです。
これについて、「和歌山共同火力」が詳しい原因を調べたところ、配管が損傷して蒸気が漏れ出した影響で、近くにある鉄製の部品とほかの鉄製の部品が接触して削られ、これによってできた鉄粉が煙突を通して外部に放出されたことがわかったということです。
飛散した鉄粉はあわせて数十キログラムにのぼるとみられ、和歌山共同火力では、すでに配管の補強を行ったということで、配管が損傷した原因などをさらに詳しく調べています。
日本製鉄和歌山製鉄所は「今後、関連企業の指導監督を徹底し、再発防止に努めたい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190930/2040003810.html
9月30日付で該社HPには、下記趣旨の報告記事が掲載されていた。
(1)内部点検結果
ボイラー出口に設置している2台ある空気予熱器(燃焼用の空気をボイラーの排ガスと熱交換して予熱する装置。以下、AH)のうち1台で、燃焼用空気が漏れないようにするシール部の鋳物部品(シーリングシュ)が、偏摩耗しておりました。
また、当該空気予熱器内の蒸気配管6本のうち、2本が損傷しておりました。
なお、その他設備については、異常は認められていません。
(2)発生原因
6月の定期検査時にAHシール部の隙間調整を行う際、気密装置のスプリングが圧縮・固着された状態で調整していました。
6月26日のスートブロワ運転時に蒸気配管が損傷し、気密装置に向けて蒸気が噴出したことから、気密装置のスプリング固着が解放され、シール部で接触が発生し偏摩耗に至りました。
(3)今後の対策
1)設備対策
・気密装置を全数分解点検し、必要な補修を実施するとともに、低温側スートブロワ蒸気配管については、全数耐力強化したものに取り替えます。
・気密装置にシール部の接触を防止するストッパーを設置します。
2)定期検査時の対策
・気密装置を分解点検し、健全性を確認します。
・スートブロワ蒸気配管溶接部の非破壊検査を実施します。
・施工要領書に気密装置の点検項目を追記し、当社・施工者双方で確認することで、施工に万全を期します。
http://www.wakyoka.co.jp/info/info3.pdf
2019年9月17日19時1分にOBSから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午前大分市の石油化学コンビナート内のプラスチック製造工場で火災が発生しました。
けが人はありませんが、午後6時現在も消火活動が続けられています。
17日午前11時前大分市中ノ洲にある大分石油化学コンビナート内のプラスチック製造会社サンアロマー大分工場で危険物が発火し火災が発生しました。
大分石油化学コンビナートによりますと発火したのはトリエチルアルミニウムという液体の物質で、プラスチックの原料となるポリプロピレンの製造過程で使用されます。
この物質をコンテナから貯蔵庫へ送り込む準備をしていたところ配管から漏れ自然発火したということです。
火は午後6時現在も燃え続けていて専用の消火器などを使って消火活動が行われています。
この物質の流出による周囲への影響やけが人はないということです。
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=09170046508&day=20190917
9月17日15時30分に大分合同新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午前10時55分ごろ、大分市中ノ洲の大分石油化学コンビナート内の「サンアロマー大分工場」で、危険物のアルキルアルミニウムが漏れて火が出ていると、昭和電工防災センターの職員が119番通報した。
市東消防署の消防車が8台、救急車が1台出動。
午前11時半現在、消火活動が続いている。
けが人の情報はない。
コンビナートによると、工場はプラスチック原料を製造。
アルキルアルミニウムは液体で、屋外のタンクに送る準備中に配管から漏れ、空気に触れて自然発火したという。
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/09/17/124211248
9月18日3時1分に大分合同新聞からは、8時間後に鎮圧状態になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市中ノ洲の大分石油化学コンビナート内の「サンアロマー大分工場」で起きた火災は、出火から約7時間半後の17日午後6時20分ごろ、鎮圧状態となった。
コンビナートによると、延焼やけが人はなかった。
火災の原因となった液体の危険物がタンクに一部残っているため、18日に処理する。
燃えたのはプラスチック原料の製造に使う「アルキルアルミニウム」。
市消防局などによると、専用の容器からタンクへ移す際に配管から漏れ、空気に触れて自然発火した。配管の一部に破損があったとみられる。
水を掛けると爆発するため、消火活動が難航。
重機を使い、砂や粉末状の消火剤などを掛ける作業を続けた。
同工場は三つのプラントがあり、火災のあったラインは操業を停止。
再開のめどは立っていない。
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/09/18/JD0058492186
2019年9月12日付で中国新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前8時35分ごろ、福山市南手城町2丁目の化学薬品卸、T化学福山支店の従業員が、タンクから希硫酸が水路に流出していると福山地区消防組合に通報した。
市は、希硫酸約7500リットルが約1キロにわたり水路に流れ出たとみている。
人的被害は出ていないという。
希硫酸は産業廃棄物処理業者などに販売するため、最大8千リットル入るタンクに貯蔵していた。
同支店によると、11日夕に従業員がタンクにつながるパイプにある3カ所のバルブのうち二つを開けたままにしており、パイプにできた亀裂から漏れ出たとしている。
同支店は午前10時ごろから、バキュームカーで流れ出た希硫酸の回収作業を開始。
中和するためアルカリ性の薬剤を水路にまくなどした。
12日中におおむね中和が完了し、13日以降は中和作業で生じた汚泥の回収を続ける。
川久保支店長は「地域の人に大きな迷惑を掛けてしまい申し訳ない。再発防止の対策を講じる」と説明した。
市は、消防からの連絡で午前9時ごろには事態を把握した。
しかし、市民へのメールでの注意の呼び掛けは約5時間半後になった。
流出状況について現場での情報把握を優先したとする。
希硫酸は毒劇物取締法で劇物に指定されている。
硫酸製造業者でつくる硫酸協会(東京)によると、希硫酸は気化せず、臭いもない。
ただ、触れればやけどを負うなど、「(水路に落ちて)高濃度の硫酸に全身が触れれば命に危険が及ぶ可能性もある」とする。
現場はJR福山駅から南東に約3キロで、福山港内港に面した工場の立ち並ぶ地域。
水路は手城川排水機場から福山港につながるが、排水機場の樋門が閉まっており、海への流出はなかった。
9月12日18時59分にYAHOOニュース(中国放送)からは、ホースのつなぎ目が外れたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日、福山市にある化学薬品の卸会社で希硫酸が側溝に漏れ出る事故があり、市は住民に注意を呼び掛けています。
事故があったのは福山市南手城町にあるT化学福山支店です。
消防によりますと午前8時半ころ、「希硫酸が誤って河川に流れた」と、会社から通報がありました。
福山市によりますと、希硫酸を貯蔵しているタンクから、およそ7500リットルが側溝に流れ出たということです。
現在、希硫酸を中和する作業をしていて、けが人はなく、付近の住民にも健康被害を訴える人はいないということです。
福山市は、住民に側溝に近づかないよう注意を呼び掛けています。
会社によりますと、「タンクの外にあるホースのつなぎ目が何らかの理由で外れ、希硫酸が流出した」ということで、12日中に中和作業を終わらせるとしています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190912-00348900-rccv-l34
(ブログ者コメント)
以下は、中国新聞動画の2コマ。
青いガムテームらしきものでホースをつないでいたが、その部分が外れた・・・ようにも見える。
2019年9月6日23時47分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力は6日、舞鶴発電所(京都府舞鶴市千歳)で8月22日、石炭灰約970トンが流出したと発表した。
発電所敷地外や海への流出や飛散はなく、人体や周辺環境への影響はないという。
同社によると、石炭を燃焼させた後に発生する灰を、貯蔵するサイロから運搬車に積み込む際に灰詰まりが発生。
復旧作業をしていた協力会社の作業員が、2カ所の灰の排出弁を開いたため、運搬車の収納容量を超えて灰が敷地内に流れ出たという。
作業員にけがはなかった。
同社は、「多大な心配とご迷惑をおかけした。同様の事象を二度と起こさないよう運営したい」とし、予定外作業の手順書作成や危険予知教育などに取り組むとしている。
https://this.kiji.is/542702946524988513?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
関西電力HPに9月6日付で事故に関する記事が掲載されていた。
以下は要約。
記事中、操作状況の概要図も掲載されている。
・サイロから運搬車まで、3つの弁があった。
・灰詰まり確認のため、サイロに一番近い弁から順に閉止する作業を実施したが、当該弁は閉まらなかった。
・そこで、運搬車側の2つの弁を閉止。
・再度、サイロに一番近い弁を閉めようとしたところ、当該弁の下にある異物除去フィルターから微量の灰が流出。
・詰まり解消と考え、運搬車側の2つの弁を開けた。
・フィルターからの灰の流出が増えたため、弁を一つも閉めずに作業員が退避。
・サイロ内の灰が一気に流出した。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/0906_2j.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。