2024年12月13日20時8分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
セメント業界最大手、「太平洋セメント」の北斗市にある工場で、設備の破損によって粉じんが飛んで周辺の車などに付着する被害があり、道と北斗市が再発防止の徹底を求めて行政指導したことが分かりました。
会社などによりますと、「太平洋セメント上磯工場」の近隣住民から、ことし10月下旬以降、「車に粉じんのようなものが付着し、汚れている」などの苦情が相次ぎ、詳しく調べたところ、セメントの製造過程にある鉄管に複数の穴が開いて粉じんが漏れ、飛散していたことがわかったということです。
12日までに150件以上の苦情が寄せられているということです。
道と北斗市は工場への立ち入り検査を行うとともに、再発防止の徹底などを求めて行政指導しました。
一方、会社側は一部地域で確認された粉じんについては「成分が自社製のものではない」と関係性を否定していて、北斗市は採取した粉じんの分析を専門家に依頼し、今後の対応などを検討しています。
「太平洋セメント上磯工場」はNHKの取材に対し、「住民など多くの方に多大なご迷惑とご心配をおかけし、深くおわびします」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20241213/7000072033.html
2024年11月25日23時20分に北海道新聞からは、11月中旬に管を補修したが20日に再び複数の穴が開いたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
太平洋セメント(東京)の上磯工場(北斗市谷好1)で10月下旬から、工場設備の破損によりセメントの製造過程で生じる粉じんが飛散し、車や家の壁が汚れるなどの苦情が近隣住民などから70件以上寄せられていることが25日、分かった。
同社によると健康被害は確認されていないという。
太平洋セメントによると、10月28日に近隣住民から「車に粉じんが付着し取れない」と苦情が寄せられ、飛散が分かった。工場敷地内の設備を調べたところ、セメントの製造過程にある管に複数の穴を確認。
穴から粉じんが漏れていたという。
同工場は11月中旬に管を補修したが、20日に再び複数の穴があいていたため、生産ラインを停止した。
現在、穴のあいた原因などを調べている。
同工場は近隣町会に謝罪文を配布し、粉じんが付着した車の洗車対応を25日に始めた。
同社は「多くの方に多大な迷惑と心配をおかけし、深くおわび申し上げる」としている。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1092723/
2024年12月2日7時19分にYAHOOニュース(SlowNews)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
汚染源がないはずの場所が、PFOA(PFASの一種である有機フッ素化合物)に汚染されたのはなぜなのか。
【写真】岡山と200キロ離れた大阪で検出された「特殊な4種類のPFAS」とは
これまで汚染源は、PFOAを含む泡消火剤を使っていた基地やフッ素樹脂などを製造していた工場と考えられてきた。
それがいま、まったくの死角だった汚染の「拡散ルート」が浮かびつつある。
■死角だった「活性炭」という汚染拡散ルート
突然のメッセージが送られてきたのは、昨年10月31日朝のことだった。
<はじめまして。私は岡山県吉備中央町で牛を飼いチーズを作って暮らしている者です>
送り主は吉田さん(69)。
全国的なブランドとして知られる牧場の経営者だった。
牧場のある円城地区に送られる水道水から過去3年で800~1400ナノグラム(1リットルあたり)のPFOAが検出され、水源となる河平ダムの上流にある沢からも最大で3,700ナノグラムが検出されたという。
町から水道水の飲用禁止が知らされた夜、Googleマップの画像で地域一帯を調べていた息子が、吉田さんもとに近づいてきて、iPadの画面を見せた。
「河平ダムの上のほうに、変なものがたくさんある」
たしかに、積み上げられた黒っぽいものが見える。
二人はすぐに車を走らせた。
まもなく、林を切り拓いた一角にフレコンバックのようなものが大量に置かれているのを見つけた。
翌朝、再び足を運び、太陽の下でもあらためて確認した。
沢のすぐ上流の資材置き場に山積みになったフレコンバックには、活性炭が入っていた。
<土地所有者(注:のちに借用者と判明)は地元活性炭製造会社で、排水処理に使用した活性炭の再生業務もしています>
国内で例のない高濃度の飲み水汚染を引き起こしたのは、地元企業・M工業が引き受けた、使用済みの活性炭かもしれない、というのだ。
そうであれば、汚染を取り除くために使われたはずの活性炭がM工業に引き取られた後、なんらかの理由で放置され、新たに汚染を拡散していたことになる。
使用済み活性炭が汚染源になるというのは、まったくの死角だった。
PFASは、使用済み活性炭をはじめとした廃棄物処理の規制の網から漏れている。
このため、岡山に限らず、規制の空白をつく形で汚染がどこで広がっていても不思議ではない。
そもそも、M工業に運び込まれる前に使っていたのはだれなのか。
排出元は責任を問われないままなのか。
使用済み活性炭による汚染の拡散という構造的な問題が浮かび上がった。
ちなみに、吉田さんがつくっていたチーズや牛乳は、検査会社に出したところ、「検出下限値未満」とされた。
■追い詰められた地元企業と住民は
使用済み活性炭を野積みにしていた地元のM工業は今年6月、町から2億円超ともいわれる損害賠償を求められた。
今後、さらに土壌浄化費用など億単位の支払いを迫られれば潰れかねない。
そのことに危機感を抱いたのは、M工業だけではなかった。
住民の中からも、不安の声が上がった。
もしM工業が潰れてしまえば、汚染の原因となった使用済炭がどこからきたのか明らかにされず、だれも責任を取らない事態になりかねない。
活性炭の処理を引き受けた会社だけでなく、PFOA除去のために活性炭を使った排出元も責任を負うべきではないか。
「円城浄水場のPFAS問題有志の会」のメンバーでもある吉田さんは代表の小倉さんとともに、M工業の幹部と面談した。
じつは、M工業もまた、排出元企業を特定したいとの意向をもっていた。
ただ、野積みにしていた活性炭は大量にあり、どの企業から引き取ったものかを特定するのは容易ではない。
そこで、M業は、PFAS研究を続ける原田浩二・京大准教授に連絡を取った。
野積みにしていた使用済み活性炭のうち、手元に残していた一部を調べてもらうことにしたのだ。
■残していた活性炭を調べて浮かび上がった「希少な4種類のPFAS」
吉備中央町の円城浄水場の飲み水からは、記録の残る過去3年間、国の目標値である50ナノグラムの16~28倍にあたるPFOAが検出されていた。
ということは、活性炭にもきわめて高い濃度で吸着していたと考えられる。
原田准教授は、まずはM工業から提供を受けた活性炭を調べた。
すると、きわめて高い濃度のPFOAと希少な4種類のPFASが含まれていた。
検出された4種類は7H-PFHpA、8H-PFOA、9H-PFNA、10H-PFDAで、「ハイドロPFAS(H-PFAS)」と呼ばれる。
それぞれ一般的なPFASの一部がフッ素から水素に置き換わったものだという。
これらと一致するPFASが検出されれば、活性炭の出元が特定できるかもしれない。
活性炭が日常的に使われているのはどこなのか。
考えられるものの一つのは浄水場だろう。
だが、浄水場に流れ込む川の水にはさまざまな物質が含まれており、PFOAだけが突出して検出されるとは考えづらい。
PFOAが主に使われてきたのは工場だ。
なかでも、PFOAを使用するだけでなく製造もしていた工場が疑われる。
ある調査によれば、日本には43府県の200を超える自治体にPFASを製造または使用している企業がある。
その中でも代表的なのが、AGC(旧旭硝子)、ダイキン工業、三井・ケマーズフロロプロダックツ(旧三井・デュポンフロロケミカル)の3社だ。
「2015年までのPFOA全廃」という協定を結んだ世界の化学メーカー8社に含まれている。
このうち、ダイキン工業の淀川製作所(大阪府摂津市)と、旧三井・デュポンフロロケミカルの清水工場(静岡市)の近くから採取された地下水を、原田准教授は調べた。
旧三井・デュポンフロロケミカルの清水工場は、これまでもスローニュースで「デュポン・ファイル」として周辺の汚染実態を報道してきたところだ。
しかし工場近くで採取された地下水からは、M工業から提供を受けた活性炭から検出されたものと同じ組成(物質の構成)のPFASは検出されなかった。
一方、ダイキン工業の淀川製作所近くのサンプルからは、問題の使用済み活性炭に含まれていたのと同じ、PFOAと4種類の「H-PFAS」が検出された。
ほかに、PFOAの代替物質であるPFHpAやPFNA、PFDAも含まれていた。
活性炭と水(地下水)では吸着率が異なり単位も違うため単純に比べることはできないが、いずれも高濃度だった。
この「H-PFAS」は、経済産業省傘下の産業技術総合研究所が開発したPFAS一斉分析法の対象となる39物質に含まれておらず、米環境保護庁(EPA)が示す分析法でも対象になっていない。
これまで環境中でほとんど検出されたことのない「H-PFAS」が岡山・吉備中央町にあった使用済み活性炭と、200キロ離れた大阪・摂津ダイキン工場近くの地下水からそれぞれ検出され、その組成も一致したことになる。
ダイキン工業は取材に対し、汚染された地下水を汲み上げた後、活性炭を使って除去してきたことは認めているものの、M工業に活性炭の再生を委託した事実はないと、否定する回答を寄せている。
「弊社がPFOAの除去処理に使用した活性炭については、専門の処理業者を通じて焼却処理を依頼しており、弊社が確認する限り、使用済活性炭の再生を委託した事実はありません。吉備中央町での事案と弊社とを結びつけたり、関係性を匂わせたりするような取材・報道は、お控えください」
回答にある、「焼却処理を依頼した専門の処理業者」がどこなのか、ダイキン工業は明らかにしていない。
■検出された希少なPFASに関する特許も
さらに、原田准教授は今回検出された「H-PFAS」についての研究論文を検索したところ、ダイキン工業が過去にいくつもの特許を出願していたことがわかった。
たとえば、7H-PFHpAについては、1994年に半導体のエッチング剤の用途で特許を出願している。
2012年には、H-PFASを水から除去する方法についての特許を出願していた。
特許庁による「公開特許公報」によると、・・・
■専門家「稀な物質の組み合わせの検出、偶然とは考えづらい」
今回の活性炭と地下水の成分分析結果をどう見ればいいのか。
原田准教授はこう話す。
「PFASの中でもきわめて稀な物質の組み合わせが、大阪と岡山でともに検出されたのは偶然とは考えづらい。
ダイキンの工場で使われていたPFAS類が活性炭に吸着したまま岡山に運ばれた蓋然性は高いだろう」
M工業の町や住民に対しての説明では、こうした活性炭は野積みを始めた2008年ごろより前から引き受けていたが、PFOAなどが含まれているとは知らされておらず、有害物質を漏出させている認識はなかった、と釈明しているという。
本来、汚染を取り除くために使われた活性炭が逆に、2次汚染を引き起こした可能性があることに対し、業界としてどう取り組むのか。
M工業の主要取引先であるクラレと大阪ガスケミカルなど4社が加盟する「日本無機薬品協会」(東京都中央区)は、「M工業は加盟社ではなく、詳細を把握していない」としたうえで、こう答えた。
「協会としては法令順守の啓蒙等、会員企業に対し引き続き適宜適切な情報提供を行ってまいります」
協会で活性炭部会の部会長を務める大阪ガスケミカルは、M工業だけでなくダイキン工業とも取引があることを認めているが、その詳細については明らかにしていない。
岡山・吉備中央町での汚染を受けて、環境省は現在、PFASを含んだ活性炭の使用や廃棄の実態について調査している。
廃棄物対策課の担当者は、 「聞き取りやアンケートで活性炭の使用や廃棄の実態把握に務めている」 というものの、個別事案について排出元を調べる予定はないという。
筆者:諸永裕司(もろなが・ゆうじ) スローニュースで『諸永裕司のPFASウオッチ』を毎週連載中。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d0141f28c2ec921e533df994422ac070d2f19355
(ブログ者コメント)
PFOAとPFOS合計の水道水暫定管理目標値は50ng/ℓ以下。
(2024年12月16日 修正1 ;追記)
2024年12月13日16時21分にNHK岡山からは、この活性炭は産業廃棄物として処理され始めたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
吉備中央町のPFASの汚染源とみられる使用済み活性炭は、備前市の倉庫で保管されていますが、草木が混入してリサイクルは難しいなどと判断され、産業廃棄物としてことし7月から順次、処理施設に運び出されています。
これについて13日の県議会一般質問で、自民党の正木議員は、使用済み活性炭を廃棄物と断定したいきさつと、備前市の倉庫からの運び出しが完了する時期について質問しました。
これに対し、大熊環境文化部長は「使用済み活性炭は、再生利用を目的とした原料として流通している実態があり、所有者から再生処理を行う意向が示されていたことなどを踏まえ、総合的に検討して判断する必要があったことから、直ちに廃棄物だと判断することは困難だった」と述べました。
その上で「備前市内で保管している使用済み活性炭は、これまでにおよそ4割が搬出された。処理施設の受け入れ可能量が変動するため、現時点で搬出完了時期を明言できない」と述べた上で、早期に搬出が完了するように事業者を指導していく方針を示しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20241213/4020022155.html
(ブログ者コメント)
今回の「廃棄物」という情報を受け、詳しく調べたところ、以下の情報が見つかった。
2024年6月23日8時1分にYAHOOニュース(ジャーナリスト幸田氏の寄稿文)からは、フレコンは2008年から山中の資材置き場に野積みされており破れているものもあった、使用済活性炭の取り扱いはルールがないようなものなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づきタイトルも修正した)
昨年10月、この町の水道水に高濃度PFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)が混入しているのが明らかになった。
汚染源は山中に野積みされた「使用済み活性炭」。
汚染物質除去に使われた活性炭が、リサイクルのために場所を移動し、移動先で新たな水汚染を生み出した。
水道水では国内最悪レベルの濃度の高さで、住民の健康への影響が心配される。
・・・
岡山県が汚染源の調査に乗り出し、河平ダムから汚染状況を確認しながら川を遡っていくと、山中の資材置き場に野積みされているフレコンバックに行き着いた。
フレコンバックは約580袋あり、中身は使用済み活性炭。
これを調べたところ、最大で450万ng/LのPFASが検出された。
フレコンバックは破れるなど破損しており、活性炭に付着したPFASが流出し、河平ダムに続く沢の水を汚染していた。
フレコンバックが置かれていたのは円城財産区が所有する土地で、財産区議の小倉さん(男性、71歳)は「2007年9月に吉備中央町内の活性炭製造会社と土地の賃借契約を結び、月2万円で貸与していた。使用済み活性炭の入ったフレコンバッグは2008年から置かれていた」と言う。
つまり、円城浄水場の水は2008年からPFASが混入し続けていた可能性もある。
・・・
所有者の活性炭製造会社は水汚染が発覚した直後の昨年11月、使用済み活性炭の入ったフレコンバックを撤去し、岡山県備前市に移動させた。
岡山県は今年2月、「長期間、野ざらしにされており、業界団体のガイドラインに照らしても再生利用に適した品質管理ができていない」として、「有価物ではなく廃棄物」と判断。活性炭製造会社に対し汚染物質が飛散、流出しない保管をするよう行政指導した。
小泉・京都大学名誉教授は「吉備中央町は私が知る限り、水道水の汚染としては国内最高濃度。使用済み活性炭の取扱いは、ほとんどルールがないようなもの。これだけの汚染が明らかになったのだから、国は早急に規制に乗り出すべきだ」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/421de86f48d65ebdbd0b0f1344a678058ca673c5
2024年3月6日付で岡山放送からは、県は今年2月にこの活性炭を産業廃棄物と断定した、現在は倉庫で保管されているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・
県はこれまで、この活性炭について「再利用の目的があれば廃棄物にあたらない」としていましたが、活性炭は約15年間野ざらしで置かれ、再利用できない状態になっていたことから2月20日、産業廃棄物と断定しました。
そのうえで、活性炭を所有する業者に対して、法律に基づき適切に処理するよう行政指導を行ったということです。
活性炭は現在、備前市内の倉庫で保管されていて、県は法律で定められた保管基準を満たしているとしています。
https://www.ohk.co.jp/data/26-20240306-00000002/pages/
2024年12月2日7時1分に時事通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
インド中部ボパールで発生し、最大2万5000人超が死亡したとされる1984年12月の有毒ガス漏出事故から40年を迎える。
いまだ後遺症に苦しむ住民は多く、負の影響は次世代にも引き継がれている。
◇深刻な土壌汚染
事故は84年12月2~3日、米化学企業現地子会社の工場で起きた。
50万人以上が健康被害を受けたとされ、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)と並び「世界最悪の産業事故」と呼ばれる。
事故後、殺虫剤を作るための有害物質は放置され、土中に浸透。
土壌から高濃度の水銀も検出された。
周辺ではがんや腎不全の発症、子供の先天性疾患が相次いでいるとの指摘がある。
◇金銭支援わずか
2005年に設立された地元団体「チンガリ・トラスト」は事故の影響で心身に障害を持つ子供の支援に無償で取り組む。
運営する二つのリハビリ施設には計約300人の子供が通う。
そのうちの1人、サルマン・バヌ君は脳性まひを抱えている。
約800グラムの低体重で生まれ、現在12歳だが7歳前後にも見える。
母親のタスリムさん(47)は40年前に感じた焼けるような目の痛みを覚えている。
部屋にこもり、シーツで体を覆った。
多くの人が逃げる途中の路上で倒れていた。
後に夫となる男性もガスに巻かれ意識不明に陥ったところを救出され、一命を取り留めた。
タスリムさんは今も息切れなど後遺症とみられる症状に苦しむ。
サルマン君の障害は事故の影響だと確信している。
「私がいなくなったら誰がこの子の面倒を見るのか」と、不安を吐露した。
ウメール・アンサリ君(6)は歩いたり座ったりすることができない。
母親のサイマさん(30)は事故の被害者ではないが、夫が現場付近に住んでいたと結婚後に知った。
ウメール君に対する政府の金銭支援は月600ルピー(約1060円)のみで、「もっと手厚くしてほしい」と訴える。
◇企業は責任否定
チンガリ・トラストは、社会活動家のラシダ・ビーさん(68)が01年に熊本県で水俣病患者を受け入れる病院を視察したことがきっかけで設立したという。
「設備は整い、被害者への配慮を感じた」と話す。
ボパールの事故について「政府や企業は私たち市民を考慮せず、被害者は受けるべき支援を受けていない」と憤る。
「40年たっても正義のかけらもない」。
別の支援団体を率いるラチナ・ディングラさん(47)はそう憤る。
節目に合わせ、ビーさんらと被害者への追加補償を求める請願を最高裁に出した。
事故後、加害企業を買収した米化学大手ダウ・ケミカルは法的責任を否定。
汚染土壌の浄化を求める要請を拒んでいる。
同社は時事通信の取材に応じていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4a54502860940fa5b808811f8abd529e72d7b5c
(ブログ者コメント)
有毒ガス漏出事故としてあまりにも有名な、このボパール事例。
直接の引き金は作業ミスだったが、休止設備ゆえに安全装置も活かしていなかった・・・それが致命的な結果を引き起こすことになった。
その概要は今年3月に本ブログで紹介したとおりだ。
2023年10月27日21時45分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県明和町にある薬品メーカーの工場の排水から、基準値を超える水銀が検出された問題で、排水を止めた状況で県が26日に下流など、複数の地点で行った水質検査では、水銀をはじめとするすべての物質が基準値を下回りました。
県は今後、薬品メーカーに対し、原因究明と改善を指導することにしています。
群馬県明和町にある薬品メーカー「K化学」の群馬工場からの排水をめぐっては、利根川の支流の新堀川に流れ込む地点で、基準値を超える水銀が検出されていました。
県が、25日に行った定期的な検査で明らかになり、工場からの排水は直後から停止されています。
県は、この検査の詳しい結果を27日に明らかにし、
▽水銀が基準値の7倍を超えたほか、
▽カドミウムが基準値の18倍余りとなり、
▽ヒ素は基準値の15倍ありました。
そのうえで、26日の夕方、川の下流の3つの地点に、上流を加えた4地点で行った結果も明らかにし、水銀をはじめとする、すべての物質が基準値を下回りました。
薬品メーカーは取材に対して、工場の製造過程などで水銀は使用していないとしたうえで、9月に水銀を使った機器などを保管する倉庫が全焼する火事があったため、関連を調べていることを明らかにしました。
県は今後、薬品メーカーに立ち入り検査を行い、原因究明と改善を指導することにしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231027/k10014240271000.html
10月27日12時0分に上毛新聞からは、26日の随時立入検査で判明したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県は26日、明和町大輪地先付近の利根川支川新堀川導水路に流れ込む工場排水から基準値を超える水銀が検出されたと発表した。
県環境保全課によると、工場は研究用試薬や医薬品原料などを製造するK化学群馬工場。
県が随時行っている危険性のある物質を扱う工場への立ち入り検査で、同日に1リットル当たり0.005ミリグラム以下の基準を超えていることが判明した。
検出された水銀の量など、詳細は調査を進めている。
判明後、排水は停止させた。
同課は、今後下流での取水への影響や水質汚染の可能性があるとして、川に入らないよう呼びかけている。
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/365889
10月27日22時35分に毎日新聞からは、有害物質は火災が起きたプレハブ倉庫から1m離れた排水溝の水から検出された、火災直後の検査では土壌や水質に汚染は確認されなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
群馬県は27日、明和町大輪にある薬品製造会社「K化学」(東京都)群馬工場の排水から基準値を超えるヒ素や水銀、カドミウムが確認されたと発表した。
ヒ素は基準値の15倍で、水銀は7倍以上、カドミウムは2倍近かった。
利根川などにつながる導水路への排水は26日に停止した。
下流の4カ所の水は基準値以下だった。
同社によると、このうち水銀は工場で扱っていなかった。
9月17日にプレハブ倉庫が全焼する火災が発生しており、今回、倉庫から約1メートル離れた排水溝の水から確認された。
担当者は「火災後、倉庫内の古い検査機器や温度計から水銀が漏れ出た可能性も考えられる」と話している。
火災直後の検査では土壌や水質の汚染は確認されず、追跡調査をした25日に水銀が見つかり、その後、ヒ素なども検出された。
排水溝の水は通常、ろ過してから利根川と支流の新堀川を結ぶ導水路に流すという。
同社は「重く受け止めており、関係機関と対応を協議する」とコメントした。
https://mainichi.jp/articles/20231026/k00/00m/040/445000c
(ブログ者コメント)
基準値を超える有害物質が、導水路に流れ込む工場排水と火災が起きた倉庫近くの排水溝から検出されたということだが、それらは通常の立ち入り検査時に検出されたのだろうか?
それとも火災の追跡検査時?
そのあたりが、上記を含めた報道ではゴチャ混ぜになっている感がある。
(2023年12月8日 修正1 ;追記)
2023年12月7日18時42分にYAHOOニュース(群馬テレビ)からは、火災時に漏れた薬品が排水路を汚染していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
今年10月、群馬県明和町にある薬品メーカーの工場排水から基準値を超える水銀が検出された問題で、原因は9月に発生した倉庫の火災で薬品が漏れたためであったことが県の調査で分かりました。
今年10月、利根川の支流・新堀川導水路で明和町大輪にある薬品メーカー「K化学」の工場排水から国の基準値の7倍を超える水銀などが検出されました。
県では、排水が流れる工場への立ち入り調査などを行い原因を調べていましたが、原因は9月に発生した倉庫の火災で薬品が漏れたためであったことが分かりました。
県によりますと、この工場では水質事故のおよそ1カ月前に倉庫の火災が起きていて、消火活動で倉庫の薬品が流れ出たことで排水経路が汚染され、基準値内に処理された工場排水もこの経路を通ることで基準値を上回ったとみられます。
なお、その後の水質検査や川底の調査で異常は確認されておらず、周辺の河川への影響はないということです。
県では引き続き、工場に対し排水経路の洗浄などを求めていて、対応が完了するまで排水の停止を指示しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/608b0dabdc8495e25f195024102aa01cd98383c3
2023年9月29日15時41分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午前10時40分ごろ、名古屋市南区大同町の大同特殊鋼の星崎工場で「薬品が漏れたようだ」と消防に通報がありました。
警察によりますと、20代と40代の男性2人が屋外で作業をしていたところ、薬品が顔にかかり、やけどをして病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。
このほかに、けが人や体調不良を訴える人はいませんでした。
大同特殊鋼によりますと、現場の星崎工場は1937年に建設され、現在はステンレス鋼のほか、チタン合金などの高機能材料の生産を行う拠点だということです。
また、作業員にかかった薬品は、皮膚に接触すると有毒な「フッ化水素酸」だということです。
警察は2人から話を聞くなどして、当時の詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20230929/3000031984.html
9月29日18時28分にNHK東海からは、ポンプ取り換え後の試運転?時に水で薄められた薬品がかかったが防護服を着用していたので軽症で済んだなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察や会社によりますと、屋外で従業員3人が工場内に薬品を供給するポンプの取り替え工事を行い、正常に作動するかどうかを確認した際に、20代と40代の男性2人の顔に水で薄められた薬品がかかり、病院に搬送されたということです。
薬品は、皮膚に接触すると有毒な「フッ化水素酸」でしたが、従業員はいずれも防護服などを着用していて軽傷でした。
大同特殊鋼は「多大なご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げます。原因を究明し、適切な対策を講じてまいります」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20230929/3000031986.html
2023年9月21日18時46分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日11時半すぎ、市原市五井海岸にある化学製品を作る工場の『AGC千葉工場』から「硫酸の入った配管を洗浄していたところ、硫酸が漏れて作業員にかかった」と消防に通報がありました。
消防や会社によりますと、4人はこの工場や取引先の40代から50代の男性作業員で、背中や手のひらなどに硫酸がかかり軽いけがをしていて、病院で治療を受けているということです。
会社によりますと、4人が船で運ばれてきた硫酸を工場内のタンクに受け入れるための配管を洗浄作業をしていた際に硫酸が漏れたとみられ、敷地外への影響はないということです。
この工場では天然ガスなどを用いて化学製品を製造してるということで、警察と消防が詳しい状況を調べています。
AGCは、「多大なご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます。今後、速やかに本件の原因を究明し、再発防止に努める所存です」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20230921/1080021894.html
2023年9月1日14時58分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前11時ごろ、千葉市中央区のJFEスチール東日本製鉄所で「溶けた鉄を運ぶ車両から鉄が敷地内に流れ出ている」と会社から消防に通報がありました。
会社によりますと、午前10時半ごろに工場内で溶けた鉄を運ぶ特殊な車両で鉄を移し替えようとしたところ、容器が異なる方向に動き、鉄が流れ出たということです。
けが人はいないということです。
消防によりますと、流れ出た鉄は100トンほどとみられ、会社では流れ出た鉄が高温のため、冷えるのを待つとともに、対応を検討することにしています。
周りに被害が広がるおそれはないということで、JFEスチール東日本製鉄所は「地域のみなさまへの影響はありませんが、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20230901/1080021549.html
2023年7月9日10時29分にYAHOOニュース(あいテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日、愛媛県新居浜市にある住友化学愛媛工場菊本地区で塩素ガスの漏えい事故が発生しましたが、けが人や周辺環境への影響はありませんでした。
住友化学愛媛工場によりますと、午後11時過ぎ、同工場菊本地区で、塩素を使い「エポキシ樹脂」などの原料となる「エピクロルヒドリン」という物質を製造しているプラントの検知器が、塩素ガス漏れを知らせたということです。
当時、工場は稼働中で、関係会社の男性社員1人が様子を見に向かう途中、体調不良を訴え病院で診察を受けましたが、異常はなかったということです。
また、工場では、周辺住民に窓を閉め外出しないよう放送で呼びかけるとともに、設備の確認を進めた結果、9日午前5時40分までに塩素ガス漏れは止まったということです。
周辺環境やプラントへの影響もありませんでした。
住友化学愛媛工場では「原因を究明した上、再発防止の徹底を行う」とコメントしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3b5354fc0e164e4686d1933c0a0f2d5551c5ad6
7月9日12時22分にYAHOOニュース(愛媛朝日テレビ)からは、無人で化学製品を製造している建屋内でガス検知器が反応したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
住友化学によりますと、8日午後11時ごろ、塩素を扱っている建屋内でガス検知器が反応しました。
当時、周囲は無人でしたが、検知器の反応を受けて関係会社の社員1人が駆け付ける途中で体調不良を訴え、病院で診察を受けましたが、今のところ異常はないということです。
また、このトラブルによる地域への影響は、今のところ確認されていません。
建屋内では、無人で化学製品を製造していて、その過程で塩素ガスが発生するということですが、普段は建屋内に漏れ出ることはないということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a126988d0d0cb81d0c510ce3e9efbe706b0e31c8
2023年6月27日18時28分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、赤く染まった海の写真付きでネット配信されていた。
沖縄県名護市のオリオンビール名護工場から27日、食紅で染められた液体が近くの川に流れ出し、約700メートル下流の名護漁港近くの海が赤く染まった。
同社によると、人体や環境に影響はないという。
名護海上保安署や同社によると、液体はビールタンク冷却装置の冷却水で、タンク内に混入した際にすぐに確認できるよう、食紅で赤く染められている。
冷却装置の故障で27日未明に河川に流れ出たとみられ、午前9時半ごろに流出が止まったことを市職員とともに確認した。
原因を調べている。
冷却水には、食品添加物などにも使われる無味無臭のアルコールの一種「プロピレングリコール」が含まれている。
同社の村野社長は「多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、深くおわび申し上げます」とコメント。
再発防止策を講じる考えを示した。
https://mainichi.jp/articles/20230627/k00/00m/040/154000c
6月27日19時55分に朝日新聞からは、目撃者からの110番通報で海保が現場確認したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沖縄県名護市の「オリオンビール名護工場」から27日、赤色の液体が流出し、近くの川や漁港が赤く染まった。
液体はビールタンクなどを冷やす冷却水で、食紅で着色されていたという。
「人体や環境に影響はない」(担当者)としている。
同社は液体が流出した詳しい原因を調べている。
名護海上保安署や県警名護署によると、27日午前5時40分ごろ、目撃者から「赤い色の水が川から海に流れている」と110番通報があった。
海保が現場を確認したところ、名護漁港から約700メートル内陸にあるオリオンビールの工場から流出していることが判明した。
オリオンビールによると、流れ出た冷却水には凍結を防ぐために食品添加物が含まれており、誤って流出した際に気付くことができるよう、食紅で着色されているという。
同社は、冷却装置のパイプが何らかの理由で壊れ、冷却水が近くを流れる幸地(こうち)川に流入したとみている。
流出は午前9時半までに止まった。
https://www.asahi.com/articles/ASR6W67HFR6WTPOB001.html
6月27日付で該社HPには、今後は防液堤容量増設や漏れ感知センサー設置などの対策を行うなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
・・・
今回の流出は、設備の冷却に使用しております冷却水に含まれる「プロピレングリコール(食品衛生法施行規則にも記載されている食品添加物)」の漏れが原因と思われます。
プロピレングリコールは食紅で赤く着色しているため、漏れた冷却水が雨水溝を通じて河川に流出し、海が赤くなる現象が発生したものと考えております。
弊社において漏れが発生した際に、外部に漏れ出ないよう、防液堤を作成し対策を行って参りましたが、今回のような流出が発生したことを受け、今後は、二度とこのような事態が生じないよう、防液堤の容量増設や漏れを感知するセンサーの取付け、漏れを感知した際の冷却水の供給停止を迅速に行えるようにするなど、弊社工場設備の管理強化を進めて参る所存ですので、何卒、ご寛容賜りますようお願い申し上げます。
https://www.orionbeer.co.jp/utility/history/h2023/20230627.pdf
6月29日15時43分にNHK沖縄からは、従業員が河口が赤く染まっているのを見つけた、1年半ぶりに使い始めた配管に亀裂が入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
オリオンビールによりますと、今月27日午前7時に、名護市東江のビール工場の従業員が近くを流れる幸地川の河口が赤く染まっているのを見つけて会社に報告しました。
30分後、ビールタンクの設備に冷却水を送っている配管から漏れ出ていることを確認し、送水を停止させました。
会社が調べたところ、配管に亀裂が入り、そこから流れ出ているのが確認できたということです。
この配管は、およそ1年半使用されておらず、点検や整備を行ったうえで、ことし3月から再び使い始め、前日の定期点検では異常は見つからなかったとしています。
冷却水には、食紅で赤く着色された食品添加物が入っていましたが、市販の麺類やおにぎり、歯磨き粉などに使用されているもので、人体などに大きな影響を与えるものではないとしています。
これまでのところ、会社には被害の情報は入っていないということで、食紅で着色した理由について、台風などで配管が壊れ、流出した場合に備えての対応だったと説明しています。
オリオンビールは「皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを重ねて深くおわび申し上げます」としたうえで、再発防止に向けてセンサーを設置して監視を強化するとともに、緊急時に対応するための訓練を行っていくことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230629/5090023847.html
(2023年9月8日 修正1 ;追記)
2023年9月7日10時57分にNHK沖縄からは、冷却水のポンプをバルブ閉状態で稼働したため配管に亀裂が入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故の原因について、ビール会社は、冷却水を送るポンプ3台のうち1台のバルブが閉じられた状態でポンプを稼働させたため、配管に亀裂が生じたとする調査結果を発表しました。
会社が6日夜発表した報告によりますと、冷却水を送るポンプ3台のうち1台のバルブが閉じられた状態でポンプを稼働させたため配管に亀裂が生じ、およそ24.8立方メートルの冷却水が漏れ出したということです。
流出による影響については、名護海上保安署から法律で定める基準値以下だったという見解を得ているとしています。
また、再発防止に向けて、事故があったポンプの使用を停止し、冷却水が外に出るのを防ぐフェンスを増やしたり、新たに設けたりするなど対策を講じるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230907/5090024898.html
9月7日17時9分にYAHOOニュース(琉球朝日放送)からは、配管に冷却水が送られ続けたため亀裂が入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
オリオンビールは、通常開けておくべき配管のバルブが閉めたままになっていたことが原因だったと発表しました。
バルブが閉まって流れがせき止められている配管に冷却水が送られ続けたために亀裂が入って、そこから約24.8立方メートルの冷却水が漏れたということです。
環境への影響はないということです。
オリオンビールは再発防止策として、今後、冷却水が入ったタンクにセンサーを付けるほか、ハザードマップを書くなどして監視体制の強化をはかる予定で、「多大なご迷惑とご心配をおかけすることとなりましたことを深くおわび申し上げます」とコメントしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cbc9682eb24d2d74a6e49cbff23ebf18294c967
※以下は報告書抜粋。
亀裂が入ったのはフレキシブル配管とのこと。
(1)事故原因および現状について
弊社内で危機管理委員会を立ち上げて内部調査を進めたところ、6月26日(月)23時頃、冷却水送液 ポンプ3台のうち1台の出口配管手動バルブが閉じられた状態でポンプが稼働したことにより、接続し ているフレキシブル配管に亀裂が生じ、約24.8㎥の冷却水が漏洩したことが判明いたしました。
翌27日(火)9時半に流出が止まったことを行政担当者お立ち合いのもと確認し、以降、下記(2)に 示す通り、再発防止の取組に順次着手しております。
https://www.orionbeer.co.jp/utility/history/h2023/20230906.pdf
(ブログ者コメント)
どのようなタイプのポンプだったのか気になり、調べてみたが、記された情報は見つからなかった。
2023年2月22日15時40分にYAHOOニュース(アフロ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中国南部の広西チワン族自治区柳州市で、塩素ガスが漏れる事故が発生した。
2月17日の映像には、大量の薄黄色のガスが噴出して急速に広が様子がとらえられている。
村の職員によると、運転手が鉄製の容器を解体してスクラップとして売るために運び、そのうちの1つの容器から塩素ガスが漏れ、そばにいた男性が中毒症状を起こし、意識不明になったという。
男性は治療を受け、命に別条はないという。
このガス漏れにより5人が中毒症状を起こし、1人が病院で治療を受け、あとの4人は経過観察中だという。
柳江区の緊急事態管理局によると、運転手は無許可で容器を運びだしたという。
このガス漏れによる広範囲な環境汚染は発生していないという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/20b61d43612a336177a0390aca52ebecd64bea8b
(ブログ者コメント)
〇昨年、ヨルダンの港で積み込み中の塩素コンテナが落下し、塩素が大規模漏洩した事故を紹介したが、あの時の映像よりも塩素の拡散状況がよく分かる。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12573/
〇あれだけ濃い塩素が漏れたのに、そばにいた男性は一命をとりとめたという。
風上にいたからか?
〇映像の最後、塩素雲がまだ薄っすらと残留しているエリアに沿って歩いている人が映っていた。(赤丸印)。
何が漏れたのだろうと見にいった人か?
もしそうだとすれば、まこと、知らないということは恐ろしい。
2023年2月14日18時30分にテレビ愛媛から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工場でガス漏れ事故です。
14日、新居浜市の住友化学愛媛工場でアンモニアガスが漏れ出し、一時、付近の住民などに「屋内待機」が呼びかけられました。
ガス漏れはまもなく収まり、けが人などはなかったということです。
事故があったのは新居浜市惣開町の住友化学愛媛工場です。
工場などによりますと、14日午前9時20分ごろ、アンモニアの貯蔵タンクに繋がるポンプのメンテナンス作業をしていたところ、中に残っていたアンモニアが気化し周囲に漏れ出しました。
工場は付近の住民や学校などに電話や放送などを使い「屋内で待機」するよう要請。
その後、ガス漏れは30分ほどで止まり、住友化学は11時40分に「安全が確認された」と発表しました。
アンモニアガスは吸うと健康に被害が出る恐れがありますが、この事故によるけが人などはいませんでした。
アンモニアは肥料の原料などとして使われるということで、消防と警察は事故の原因を詳しく調べています。
https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2023021412013
2022年8月29日6時43分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後9時頃、茨城県神栖市東和田のガラス大手「AGC」鹿島工場で、「塩酸を貯蔵するタンクからガスが漏れた」と119番があった。
その後、塩酸を別のタンクに移していた27日午前6時56分頃に液体が漏れ始め、同社によると、最大1200トンに上った。
同社や鹿島地方事務組合消防本部によると、工場内で作業中だった40歳代男女3人が喉の痛みなどを訴えて病院に搬送されたが、いずれも軽症。
工場敷地外での被害は確認されていないという。
同社によると、漏出したのは、円柱形の鉄製タンク(直径約17.4メートル、高さ約10.6メートル)。
タンク内の塩酸は液状で密閉貯蔵され、化学品の原料として使用されている。
タンクの底には穴が開いていたといい、今後、詳しい原因を調査するとしている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220828-OYT1T50183/
8月28日15時8分にTBS NEWSからは、タンクの底が腐食して穴が開いた、一部は海に流れた、従業員2人が病院に搬送されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
きのう午前7時ごろ、ガラス会社大手、AGCの茨城県神栖市にある鹿島工場内で、塩酸およそ1200トンが貯蔵タンクから漏れ出しました。
AGCによりますと、貯蔵タンクは円柱形で、直径17.8メートル、高さ10.7メートルあり、タンクの底が腐食して穴があき、塩酸が漏れ出したということです。
漏れた塩酸の一部は、工場近くの海に流れたものもあったということで、事故を受け神栖市はきのう、一時、周辺の住民に外出などを控えるよう注意を呼びかけました。
消防などによりますと、工場で働いていた従業員2人がのどの痛みを訴えて病院に搬送されましたが、これまでに周辺住民に健康被害などは確認されていないということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae97cb9c9b72db1bb6eb786baa722266ea3f4c79
8月27日21時35分にYAHOOニュース(茨城新聞)からは、関連会社の従業員4人が病院に搬送されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前6時56分ごろ、茨城県神栖市東和田のガラス大手「AGC」の鹿島工場内で、塩酸が貯蔵タンクから漏れる事故があった。
同社によると、漏出量は最大1200トンという。
鹿島地方消防本部や同社によると、関連会社の従業員4人が喉の痛みを訴えて病院へ搬送された。
同社によると、漏出があったタンクには穴が開いていた。
同社は今後、原因を調査するとともに、他のタンクに不具合がないかを確認している。
事故を受け、同市は同8時半、近隣住民に対し、建物の窓を閉め、できるだけ外出を控えるよう注意を呼びかけた。
同消防によると、同日夕までに住民の健康被害は確認されていない。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3de8264cb9d5beb06e51252a574673ae046030c3
8月29日21時35分にYAHOOニュース(茨城新聞)からは、タンク全量1228トンが漏れた、作業員3人が搬送されたが軽症だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は29日、タンクに貯蔵されていた全量約1228トンが漏れ出ていたと公表した。
一部は海に流れていた。
同社ホームページによると、漏出は26日午後9時前から始まり、翌27日午前7時ごろ、一部が工場敷地外にも漏れ始めた。
消防に通報し、流出防止や中和作業に当たり、海への流出分を薄めるため放水。
同日午後2時13分ごろ、濃度が基準値を下回った。
この事故で作業員3人がのどの痛みを訴えて搬送され、いずれも軽症だった。
住民から被害の連絡は受けていないという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d7589c94fc771ba2cc5b6b715e27de46e8406d7
2022年8月16日21時8分にYAHOOニュース(静岡放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月16日、静岡県浜松市の工場から濃硫酸が最大およそ1900リットル流出したことがわかりました。
けがをした人や土壌への影響は報告されていません。
事故が起きたのは、浜松市北区細江町にある「日本K」の工場です。
16日、朝出社した職員が異臭を感じて確認したところ、希硫酸の入ったタンクが変形し、さらに濃硫酸が漏れ出しているのを見つけたということです。
漏れ出した濃硫酸は土に浸透し、一部が近くの水路に流れ出ました。
3000リットル入る濃硫酸のタンクには、およそ1100リットルが残っていたことから、最大で1900リットルが漏れ出たとみられます。
前日、15日は休業日で、夕方のパトロール時点では異常はありませんでした。
けが人や土壌への影響は報告されておらず、会社では撤去作業を進めていますが、人体への影響はないとのことです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0057d154a022013633106c3b7aad1f1d444ac3a
8月16日19時28分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、機械の誤作動で濃硫酸が薄まらず配管が発熱して破損したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日正午ごろ、浜松市北区細江町の保温材メーカー「日本K」の本社工場の従業員から、「濃硫酸が流出した」と市に通報がありました。
流出したのは最大で約1900リットルです。
浜松市によりますと、濃硫酸は、工場内の土壌に浸透し、一部が水路にも流出しているということです。
機械の誤作動で濃硫酸が薄まらなかったため配管が発熱し、破損したことが流出の原因と見られています。
濃硫酸は触れると重度のやけどを起こす他、目に入ると失明する危険性もあるため、浜松市は「流出現場付近の水路には絶対に近づかないでほしい」と呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9693bfb3b45cb2905414d91033f4c96cb4b92c7e
8月16日20時57分に毎日新聞からは、機械の誤作動で希釈するための水が注入されなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社によると、工場では産業用保温材を製造している。
16日午前8時ごろに点検した職員が、濃硫酸が入ったタンクにつながる配管に穴が開き、漏れているのを発見。
付近の水路への流出を確認した。
機械の誤作動で、希釈するための水が注入されず、配管が損傷したという。
現場は、工場と田畑が広がる地域。
(共同)
https://mainichi.jp/articles/20220816/k00/00m/040/285000c
8月17日6時0分に朝日新聞からは、周辺の水路から強い酸性が検出された、流出量は数100ℓの模様など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
浜松市は16日、同市北区細江町中川の保温材製造会社「日本K」の工場から濃硫酸が漏れ出したと発表した。
周辺の水路から強い酸性が検出されたことから、同市は水路に近づかないよう呼びかけている。
市によると、同日夕時点で被害は確認されていないという。
日本Kによると、16日午前7時40分ごろ、工場内のタンクから濃硫酸が漏れ出しているのを確認。
浜松市や警察に連絡し、排水溝を土囊(どのう)でせき止め、漏れ出た分をポンプで吸い上げて回収したという。
当初は最大で約1900リットル漏れたとみられていたが、その後、確認したところ、多くが工場内のタンクに残っており、同社は流出した濃硫酸は数百リットルとみている。
同社では、保温材を製造する過程で出るアルカリ性の水を濃硫酸で中和して排水しているという。
機器の故障で濃硫酸が発熱し、配管などが損傷して漏れ出した可能性があるという。
8月17日付で静岡新聞からは、水路のPHは一時1~4の強い酸性を示したなど、下記趣旨の記事が、水路の写真と工場の大まかな場所を示す地図付きでネット配信されていた。
工場北側水路の水素イオン指数(pH)は、一時、1~4前後の強い酸性を示した。
同社によると、15、16日は休業中だが、設備は稼働していた。
16日午前8時ごろに設備を点検した社員が漏えいに気付き、市職員も現地調査で土壌に染み込んだ濃硫酸が水路に流出しているのを確認した。
水路に土のうを設けて排水を止め、産廃処理を施したほか、水路に水を流して希釈している。
濃硫酸に触れると重度のやけどを起こすほか、発生したガスを吸うとせきや息切れなどの症状が現れる。
市は当該の水路に近づかないよう呼びかけている。
現場は天竜浜名湖鉄道金指駅から南に約500メートルの工場や水田が広がる地域。
同社は「同様の事態を起こさないように再発防止に努める」とコメントした。
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1109241.html
8月17日19時40分にYAHOOニュース(テレビ静岡)からは、流出量は事業所から1900kgと通報されていたが市の担当者の誤認識で1900ℓと発表されたなど、下記趣旨の記事が水路全域のPH測定結果図付きでネット配信されていた。
市は16日、流出した濃硫酸の量を1900リットルと発表しましたが、1900キログラム(約1000リットル)の誤りだったことが分かりました。
事業所は1900キログラムと通報したものの、市の担当者が1900キログラム=1900リットルと認識したということです。
17日、事業所のタンクに濃硫酸が残っていることを確認したため、最終的に流出したのは数百リットルだったと見られています。
濃硫酸は事業所の土壌に浸透し、その一部が事業所北側の水路に流れ出ましたが、市が調査した結果、周辺の都田川や三和川、祝田北川に異常はないということです。
濃硫酸は皮膚に接触すると重度のやけどを起こす恐れがあることから、事業所は水路にロープを張り、近づかないよう周辺住民に呼びかけています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0880caa9f822a52c6d80ac9c0107707ca3f192f5
(ブログ者コメント)
情報を総合して考えると、希硫酸タンクに希釈されないまま濃硫酸が入り、希硫酸タンク関連の配管が破損した、ということかもしれない。
2022年8月15日17時52分に東海テレビから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午後1時45分ごろ、久々野町久須母を流れる飛騨川でアユおよそ1000匹が死んでいるのが見つかり、さらに200匹ほどが死んでいるのが15日朝、確認されました。
高山市が800メートル上流にある市のし尿処理施設を調べたところ、次亜塩素酸ソーダの入ったタンクの底に1センチから2センチほどのヒビが確認されたということです。
次亜塩素酸ソーダは汚水処理や水道水の消毒などに使われるもので、およそ800リットルが飛騨川に流出したことが大量死の原因とみられています。
これまでに健康被害の報告はありませんが、高山市は、この施設でのし尿処理を停止しています。
https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20220815_21009
8月15日19時5分にテレビ朝日からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。(記事は転載省略)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000265104.html
8月16日10時1分に読売新聞からは、土日祝は職員が出勤していなかったため13日~14日に漏れたらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県高山市は14日、同市久々野町久須母のし尿処理施設「久々野衛生センター」から汚水処理水の消毒などに使われる薬品「次亜塩素酸ソーダ」が飛騨川に流出したと発表した。
15日午前9時までにアユなど約1200匹が死んでいるのが確認された。
同日に行った水路付近や飛騨川での水質検査では薬品は検出されず、下流域の下呂市からも被害の報告はないという。
高山市は同施設の排水を停止し、再発防止対策を行ったうえで再開する。
市によると、強化プラスチック製タンクの底部に1~2センチのひびが確認された。
タンクの経年劣化が原因で、流出量は最大800リットルとみられる。
土日・祝日は職員が出勤しておらず、13~14日の間に漏れ出したという。
釣り人から14日午後1時45分頃、益田川上流漁業協同組合(高山市)に「魚が浮いている」と連絡があった。同施設周辺で塩素臭が確認され、薬品の河川流出がわかった。
15日に記者会見した市の池之俣・水道部長は、「大変なご心配、ご迷惑をおかけしていることをおわび申し上げる」と陳謝した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220815-OYT1T50286/
2022年7月4日21時31分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月に日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)から「脱硫液」が流出後、工場周辺の水から毒性の強いシアンの検出が相次ぎ、関係者の間に戸惑いが広がっている。
コークス炉から出たガスの洗浄に用いる脱硫液には、本来、シアンは含まれていないはずだからだ。
県や日鉄は、流出源が複数あるとみて原因を調べているが、解明には至っていない。
シアンは人体に悪影響のある物質で、国の環境基準や県条例の排水基準では、検出されない状態が求められている。
ところが、県や日鉄が脱硫液の流出問題を受けて実施した水質調査では、これまでに工場周辺と排水口の4カ所の水から1リットルあたり0・2~0・6ミリグラムが検出された。
約1100万平方メートル(東京ドーム220個分)の広大な工場敷地を取り囲むように広範囲で検出が続いており、日鉄は原因の特定を進めている。
このうち、原因が推定できているのは、東京湾に面した敷地北側の排水口の1カ所だけだ。
高炉の排ガスからシアンなどの有害物質を除去する施設が近くにあり、処理過程でトラブルが起きているという。
日鉄は施設を停止する対応を取っている。
一方、他の3カ所については、理由が分からないままだ。
いずれも脱硫液の流出経路にあたる場所だが、脱硫液には本来、シアンは含まれていない。
このため日鉄は、脱硫液が流出する過程でシアンが混入した可能性もあるとみている。
https://mainichi.jp/articles/20220704/k00/00m/040/236000c
7月3日21時41分にNHK千葉からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県によりますと、先月30日と1日、君津市にある「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」の東京湾に面した排水口1か所から毒物のシアンが検出されたと、製鉄所から報告がありました。
水質汚濁防止法に基づくシアンの排水基準は、千葉県では検出されないことになっていますが、先月30日は0.2ミリグラム、おとといは0.5グラムが検出されたということです。
この製鉄所では、先月19日、タンクから化学物質を含む液体が漏れ出して周辺の水路に流出して魚が大量死したことが確認されていますが、今回のシアンの検出について、「別の排ガス処理施設の不具合が原因とみられる」と話しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220703/1080018358.html
7月6日21時13分にNHK千葉からは、処理水の上澄み部分を吸い取るため無届けで設置されていた排水ポンプが水槽の下のほうに落ちシアン濃度の高い水が排出されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県君津市にある日本製鉄の製鉄所の排水口から毒物のシアンが基準を超えて検出された問題で、千葉県は、シアンを含む処理水を排水するポンプに不具合があったことが原因とみられると発表しました。
君津市にある「日本製鉄東日本製鉄所君津地区」は、先月30日と今月1日に東京湾に面した排水口1か所から毒物のシアンが検出されたと千葉県に報告していました。
水質汚濁防止法に基づくシアンの排水基準は、千葉県では検出されないことになっていて、県が製鉄所に立ち入り検査を行いました。
その結果、製鉄所ではシアンを含む処理水について、本来はシアンの濃度の薄いとされる上ずみの部分をポンプで吸い取って排水していますが、このポンプが水槽の下のほうに落ちてしまう不具合があったため、シアンの濃度が濃い処理水が排水されたことが原因とみられるとしています。
千葉県によりますと、このポンプは水質汚濁防止法に定める届け出がなされていなかったということで、県はこの設備を使わないように指導したうえで、これまでの使用状況などを調査するよう製鉄所に指導しました。
一方、日本製鉄では、今後の対策としてシアンを取り除く設備の能力を増強し、余分な処理水を発生させないようにするとしています。
そのうえで、「住民の皆さまにご心配とご迷惑をおかけして誠に申し訳ありません。行政機関の指導のもと適切な対処を行ってまいります」とコメントしています
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220706/1080018390.html
2022年6月28日6時17分にYAHOOニュース(テレビ朝日)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中東ヨルダンの港で、落下したタンクから有毒ガスが周辺に噴出する事故が起きました。
これまでに少なくとも260人が死傷しています。
地元メディアによりますと、ヨルダン南部アカバの港で27日、船にタンクを積み込む作業をしていたところタンクが落下し、中から黄色の有毒ガスが一気に吹き出しました。
映像からもガスが広い範囲に拡散していることが確認できます。
ガスを吸い込むなどして、これまでに少なくとも10人が死亡し、250人以上が負傷しています。
港湾当局の話では、漏れ出したガスは「塩素」だということです。
塩素は常温では黄緑色の気体で、強い毒性を持ちます。
※以下はユーチューブ映像
https://www.youtube.com/watch?v=VZfVcY1mVx8
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d5d81aa65968da466b9ee080773844da9d6c715
6月28日6時12分にYAHOOニュース(時事ドットコム)からは、甲板に落下したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ヨルダン南部アカバの港で27日、タンクから大量の塩素ガスが漏れる事故があり、国営メディアなどによると12人が死亡、250人以上が負傷した。
報道によれば、アフリカのジブチに運ぶ予定だった塩素ガス入りのタンクをクレーンで搬送中、誤って船の甲板上に落下。
事故時の映像では、黄色いガスが周囲に充満し、人々が逃げ惑うなど一時騒然となった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/96dda15e3d45f4924af1b7d4995d226fe9acef2d
6月28日8時27分にNHK NEWS WEBからは、液化塩素が漏れた、近くで作業していた12人が死亡したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ヨルダンの国営通信によりますと、27日、南部にあるアカバ港で、停泊中の船に有毒ガスの入ったタンクを積み込もうとしていたところ、タンクが落下し、ガスが漏れ出しました。
地元当局によりますと、タンクには液化した塩素が入っていたということで、これまでに近くで作業していた12人が死亡したほか、120人余りが病院に運ばれて手当てを受けました。
ヨルダンの国営テレビが放送した現場の防犯カメラの映像には、クレーンでつりあげられたタンクが突然落下し、そのあと大量の黄色いガスが吹き出して、周囲の人たちが走って逃げる様子が映っています。
アカバ港は、貨物船のほか観光船なども利用するヨルダン唯一の港で、事故を受けて当局は、港の外へ避難するよう船舶に指示しました。
ヨルダンのハサウネ首相は、「関係当局と連携して、この痛ましい事故に対応する」と述べ、特別チームを設けて原因の究明を進めることを明らかにしました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220628/k10013691691000.html
(ブログ者コメント)
〇大量の液化塩素が一気に流出するなど、予想だにしなかった事故が現実に起きてしまった。
見た目、数トン入りのタンクだったか?
〇ブログ者は小配管から塩素が漏れたという災害想定で対応方法を考えたことがある。
その時は、黄緑色のガスが舞台で使われる白煙のように地表を這って拡がるだろうと考えていたが、映像を見ると、黄色い煙が薄っすらと上方にも拡散している。
気温、湿度、風速なども影響するだろうが、よくよく考えてみれば、上方にも拡散するのは当然のことだ。
2022年6月22日17時34分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)から有害な化学物質を含む液体が敷地外の河川などに流出したことが、県への取材で判明した。
製鉄所周辺の水路は、19日から約3日間にわたって水が赤く変色し、魚の死骸も多数確認された。
化学物質は小糸川を通じて東京湾に流れ込んだ可能性が高いという。
県は同社に対し、流出量や原因を調べるとともに再発防止策を報告するよう指導した。
県水質保全課によると、流出したのはコークス炉から出たガスの洗浄に用いる「脱硫液」と呼ばれる液体。
チオシアン酸アンモニウムという人体に有害な物質が含まれている。
同課などによると、19日に脱硫液を保管していたタンクが何らかの原因で壊れ、漏れ出た可能性が高い。
当時、タンクの中には約3000立方メートルの脱硫液が入っていたが、流出量は分かっていない。
水路から東京湾までの水は生活用水として利用されておらず、これまでに健康被害も確認されていないという。
日本製鉄の担当者は毎日新聞の取材に対し、「近隣住民にご迷惑をおかけしたことを重く受け止めている。海上保安庁など関係機関の指導を受け、因果関係を調査している」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20220622/k00/00m/040/222000c
6月22日21時16分にYAHOOニュース(日テレNEWS24)からは、18日にタンクに穴が開いたなど下記趣旨の記事が、君津市提供の赤く変色した水路の写真付きでネット配信されていた。
千葉県君津市の川で魚が相次いで死んでいたことがわかりました。
一時、川が広い範囲にわたり赤茶色に染まっていました。
近くには日本製鉄の製鉄所があり、化学物質を含む液体が漏れ出したといいます。
22日、「news every.」は千葉県君津市の現場へ向かいました。
記者:
「千葉県君津市を流れるこちらの水路、ある異変が起こりました」
その水路で確認されたのは、水面を漂う「魚の死骸」です。
さらに近くを流れる小糸川でも多数の魚が死んでいて、川岸にも打ち上げられていました。
近隣住民:
「(川が)真っ茶色、さびた色になっていて魚がいっぱい浮いてましたよ。数えるたってすごい数だよね」
最初に異変が確認されたのは6月19日正午すぎ。
近くの住民から「川が赤くて魚が死んでいる」と119番通報がありました。
地元住民らが撮影した動画や写真を見ると、水面が赤茶色に変色しているのが確認できます。
写真を撮影した人:
「魚が死んでいて水路が真っ赤になっていて、やばいと」
異変の原因は何だったのでしょうか。
実は、川や水路の近くには、日本製鉄の製鉄所がありました。
市が確認したところ、製鉄所の近くの水路およそ2.7キロが赤茶色に染まる事態になっていました。
さらに水路が合流する小糸川でも水の変色や魚の死骸が確認されたということです。
近隣住民:
「ちょっと異常な色ですよね。どれだけ人体とか生物とかに影響があるのか。住民を安心させてもらう対策が必要だと思いますよね」
日本製鉄によりますと、6月18日に製鉄所内のタンクに穴があき、敷地内に化学物質を含む液体が漏れ出したといいます。
翌日には、排水口から近くの水路や川に流れ出たということです。
千葉県や日本製鉄によりますと、流出した液体は水分の割合が高い上に川で薄まるため、人体に大きな影響はないとみられるということです。
県は日本製鉄に対して再発防止や原因の究明などを行うよう行政指導を行い、日本製鉄は「事態を重く受け止めており、関係当局の指導を受けながらしっかりと対処し、原因究明と再発防止に努める」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/09cae19eea1da7ae1b0b6e9ac8898b850c00a297
6月22日18時59分にNHK千葉からは、3000m3が漏れて一部が水路に流出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製鉄が調べたところ、敷地内にある化学物質を含む液体を入れたタンクに穴が空いておよそ3000立方メートルが漏れ出し、その一部が水路に流出していたことがわかりました。
流出したのは石炭を燃やす際に出るガスから硫黄の成分を取り除くのに使う液体で、主な成分は飲み込むと有害とされる「チオシアン酸アンモニウム」だということです。
製鉄所がこれまでに液体が漏れ出さないよう対策をとったということで、千葉県は、水路で濃度が薄まりただちに人体に影響がでる可能性は低いとしています。
県は周辺の水質の調査を続けるとともに、製鉄所への立ち入り検査を行い、詳しい原因を調べています。
一方、君津市は住民に対し、付近には近寄らず魚に触ったり食べたりしないよう呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20220622/1080018238.html
(2022年6月26日 修正1 ;追記)
2022年6月25日付で毎日新聞千葉版からは、排水口付近からシアンやアンモニアなどが検出された、漏れた後、最も近い排水口を遮断したが、別の排水口2ケ所からも漏れていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は24日、工場の排水口付近の水から県条例の基準を超えるシアンやアンモニアを検出したと発表した。
県水質保全課は「海に流れて希釈すれば、直ちに健康に影響はない」としている。
同社によると、基準値を超えたのは化学的酸素要求量(COD)、シアン、全窒素(T-N)、アンモニアの4項目。
このうち毒性の強いシアンは、基準値(不検出)を上回る1リットル当たり0・3~0・6ミリグラムを21日と22日に2カ所で検出した。
流出したのはコークス炉から出たガスの洗浄に用いる「脱硫液」。
同社はタンクからの漏れが分かった18日、最も近い排水口1カ所を遮断。
ところが19日以降、別の排水口2カ所からも漏れていることが分かったという。
23、24日以降はシアンを検出しておらず、同社は「敷地内からの流出を止めることができたと考えている。行政の指導に真摯(しんし)に対応する」としている。
https://mainichi.jp/articles/20220625/ddl/k12/040/132000c
6月25日12時39分にYAHOOニュース(千葉日報)からは、東京湾に続く排水口と水路に続く排水口からシアンが検出されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県水質保全課によると、脱硫液が流出した3カ所の排水口のうち2カ所は東京湾に、残り1カ所は同地区南側の水路に接していた。
同社は21~24日に各排水口付近から取水し水質分析をしたところ、21、22日の取水分からシアンを検出した。
検出したのは東京湾に続く1カ所と水路に続く1カ所。
23日分からは検出されず、24日分は一部がまだ分析中。
健康被害は確認されていないが、県も水質検査を実施。
念のため、同社南側の水路と水路とつながる小糸川の人見橋から君津大橋間に立ち入らないよう注意を促している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/323dcdb368eaa7cf4ed989d017f40cb92405c2e0
(2022年7月1日 修正2 ;追記)
2022年6月30日7時10分に読売新聞からは、魚が死んだのは一時的に水路などのアンモニア濃度が高まったことが原因の可能性ありなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県は29日、水質分析の結果、一時的に有害物質シアンが検出されたと発表した。
現在は確認されておらず、健康被害の報告もないとしている。
県による水質分析は、20、22、24日の3回に分けて実施された。
20日には小糸川管理橋付近で1リットルあたり0・2ミリ・グラムのシアンが確認されたが、それ以降は検出されなかったという。
リンや窒素の含有量についても、20日時点では基準より高い値が検出されていたが、県は人体に害はないとしている。
川と水路の水は、生活用水としては使われていない。
魚が死んだのは、処理水の流出で一時的に水路や川のアンモニア濃度が高まったことが原因になった可能性があるという。
同製鉄所も処理水の流出後、排水口付近の水質分析を行い、21日と22日に取水したサンプルでシアンが検出されたと公表している。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220629-OYT1T50343/
2022年4月9日17時28分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前、大分市の製鉄所で、高温の溶けた鉄が屋外の配管から漏れ出すトラブルがありました。
警察によりますと、消防が水をかけた際に赤茶色の蒸気が大量に発生したものの、有害なものではなく、けが人もいないということです。
9日午前9時半ごろ、大分市西ノ洲にある「日本製鉄九州製鉄所大分地区」で、高温の溶けた鉄が漏れ出しているという通報が消防に入りました。
警察や製鉄所によりますと、漏れ出た鉄の温度はおよそ1200度で、屋外の溶鉱炉から伸びる配管からおよそ4時間にわたって地面に漏れ続け、消防が火災になるのを防ぐため水をかけて冷やしました。
この際、赤茶色の蒸気が大量に発生し、上空に広がりましたが、製鉄所が調べた結果、有毒なガスは含まれず、今回のトラブルによるけが人はいないということです。
製鉄所では現在、2つある溶鉱炉のうち1つの操業を停止し、現場の状況や設備への影響などを調べていますが、復旧のめどは立っていないということです。
警察は、鉄が漏れ出た際の詳しい状況や原因を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/20220409/5070012369.html
4月10日16時3分に読売新聞からは、溶けた鉄を貨車まで運ぶ樋から漏れたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前9時20分頃、大分市西ノ洲の日本製鉄九州製鉄所大分地区の第一高炉で、高温の溶けた鉄が樋部分から漏れ出た。
従業員らが水をかけて対応したため、現場付近に大量の水蒸気が発生。
通報を受けて市消防局の消防車や救急車も出動した。
けが人はいなかった。
日本製鉄によると、溶けた鉄を貨車まで運ぶための樋から漏れ出たという。
同社などが原因を調べている。
現場では、赤茶色っぽく見える水蒸気が、発生直後からしばらくの間、立ち上り続けた。
県警などによると、周辺で有害物質などに関する被害は確認されていないという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220410-OYT1T50019/
2022年1月12日21時35分にYAHOOニュース(TBS NEWS)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月8日、綾瀬市で複数の住民から「蓼川の水が濁って、死んだ魚が流れている」と警察などに通報がありました。
消防が駆けつけたところ、魚が大量に死んでいて、綾瀬市は12日までに鯉やどじょうなどおよそ500匹の川魚の死がいを回収したということです。
消防が調べたところ、蓼川の近くにある金属加工会社「I社」の工場から塩酸が流れ出たことがわかりました。
この金属加工会社によりますと、塩酸は容量2万リットルの容器に保管されていましたが、容器の底に縦35センチ・横70センチ程度の穴があき、塩酸がすべて流出したということです。
この容器は30年以上使用されていて、老朽化により穴があいたとみられています。
綾瀬市の指導に従い、会社は塩酸を中和するため消石灰などをまいており、市が翌日に川の水質を調べたところ、異常はなかったということです。
また、この川の水は飲み水としては使用されておらず、いまのところ健康被害などは報告されていないということです。
市は県と合同で会社に指導するとしています。
会社は魚の死がいの回収にかかった費用などはすべて負担するとしていて、「再発防止に万全を尽くす」とコメントしています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4446413.html
1月10日付で該社のHPには、経年劣化以外に積雪の影響による異物落下の可能性もある、今年5月に設備を入れ替える予定だった、など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月8日14時頃、当社工場1階のめっきライン設備の塩酸槽の底が破損して塩酸が漏洩し、河川(蓼川)及び道路に一部流出いたしました。
原因は、設備及び建屋の経年劣化と一部積雪の影響による異物落下による破損と考えられますが、詳細は調査中です。
当該ライン設備は、本年5月に経年劣化のため設備及び建屋の入替計画が進行していました。
その最中、このような事態を起こし、近隣および河川流域にお住いの方々、関係各所の方々には、大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
現在、当該ライン設備は稼働を停止、漏洩は止まっております。
流出させてしまった液については、行政等の協力を得ながら適切な処理を行っております。
また、被害への対応については行政等と連携し、全力で取り組ませていただきます。
https://www.iwase-plating.co.jp/news/351/
(ブログ者コメント)
塩酸タンクなら防液堤はなかったのだろうか?などと思い、他の報道も調べてみたが、「容器」とか「槽」という表現はあったものの、タンクという表現は見当たらなかった。
他のメッキ工場の記事などから類推すると、作業場に置かれていた直方体状のメッキ用塩酸槽の底に穴が開いた・・・ということかもしれないと思い、タイトルにはそのように記した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。