2019年3月8日5時0分に下野新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
交通事故死の約2倍ともいわれる転倒死。
大半は65歳以上だが、厚労省の統計によると、30~64歳でも年間約800人が転倒などで命を失っている。
身体機能の低下は20歳ごろから始まるため、「まだ若いから大丈夫」といった油断や過信は禁物だ。
国際医療福祉大理学療法学科講師で転倒予防指導士の小林薰さん(理学療法士)は、「食事や運動で、早いうちから筋肉や骨などの機能を維持することが大切」と話す。
ガクッ。
隣を歩く同僚の顔が、突然、視界から消えた。
崩れ落ちる記者。
道路の小さな段差を踏ん張れなかったのだ。
40代の若さで、こんなに派手に転ぶなんて・・・。
膝を打ち、できた痣は、しばらく消えなかった。
「20歳をピークに、筋力やバランス機能は、ゆっくりと確実に落ちていく。自覚するのは50代以降だが、30、40代でも十分に転倒のリスクはある」と小林さん。
記者の転倒は、偶然ではなく、必然だったようだ。
【命に関わる】
転倒は、「高齢者の4大骨折」といわれる手首、肩、太ももの付け根、背骨の骨折のほか、頭部外傷など重大な障害を招き、命に関わることもある。
同省が公表した2017年の人口動態統計。
不慮の事故による死亡者数のうち、「転倒や転落」は9673人で、交通事故5004人の約2倍に上った。
年齢別に見ると、65歳以上が9割を占めるが、30~44歳が158人、45~64歳になると629人と4倍に増え、中年期からリスクが高まっていることが分かる。
体の衰えを確認する方法の一つに「片足立ちテスト」がある。
目を開いたまま腰に手を当て、片足を前に軽く上げる。
サンダルやヒールが高い靴は避け、ふらつきに備えて、壁やテーブルに手がつける環境で行う。
「15秒以上維持できなければ転倒の危険がある」という。
立ったままズボンなどの着脱が難しい、靴下を座って履く機会が増えた人は黄色信号。
つまずきが頻回な人、つまずいた後、とっさの一歩が出にくい人も要注意という。
【毎日筋トレ】
「少しずつで良いので、毎日、筋力トレーニングを続けましょう」と小林さん。
転倒予防に役立つというスクワット、かかと上げを、記者も実践してみた(イラスト参照)。
地味に見えるが、ふくらはぎや太ももに、じわじわとくる。
日々の運動に加え、大切なのは食事。
「お薦めは、カルシウムと、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富なサンマ、イワシ、シャケなどの魚類やキクラゲ、シイタケなどのキノコ類」(小林さん)。
ビタミンDは油との相性も良いという。
今日のおかずはシャケとキノコのバター包み焼きにしようか。
出典
『交通事故死の2倍 「転倒死」に注意 高齢者に限らず、リスク知り早期対策を
食事や運動で機能維持』
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/142388
※ちょっと前、2018年10月17日付でNHK解説アーカイブスからも、転倒死は交通事故の2倍という記事がネット配信されていた。
転倒などが主な原因で亡くなった人は、平成17年はおよそ1万人。
交通事故で亡くなった人の、実に2倍近くに上っています。
どうすれば転倒死を防げるのでしょうか。
・・・・・
出典
『「交通事故の2倍!知ってますか?『転倒死』」(くらし☆解説)』
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/307537.html
(ブログ者コメント)
上記の情報は、家庭内や職場、外出先などで起きる転倒・転落死にスポットを当てたものだが、本ブログでは過去に、家庭内での事故死にスポットを当てた情報も紹介している。
当該情報によれば、家庭内での転倒死は、溺死、窒息に次いで3番目に多いとのことだった。
2019年3月6日11時46分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長時間テレビを見る年配の人は、言葉を記憶する力が低下する・・・。
そんな研究結果を、英国の研究チームが英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
詳しい理由はわかっていないが、認知機能の維持に役立つ読書などの時間が奪われる影響などが考えられるという。
チームは、英国の50歳以上の男女計約3600人(平均67.1歳)を対象に、1日あたりのテレビ視聴時間と認知機能との関係を調べるために,単語記憶テストを受けてもらった。
テストは6年間の間隔をあけて2回実施した。
覚えた単語を思い出すテストの成績は、6年間でいずれの男女とも低下したが、テレビを1日平均3.5時間以上見ていた場合は、視聴時間が3.5時間より短かった場合と比べて、有意に下がっていた。
性別や年齢、喫煙などの習慣の違いを考慮しても、この傾向は変わらなかった。
テレビを長く見ると、座ったままの姿勢が記憶力を衰えさせるとする説もある。
ただ、今回の分析では、座った姿勢の長さは成績低下に直接影響していなかった。
研究チームは、テレビを長時間見ることで、読書など認知機能によい影響を与える頭を使う時間が減ることや、暴力や災害など刺激の強い番組がストレスになる可能性を指摘している。
テレビゲームやインターネットなど、より「双方向の活動」は、認知機能によい面もあるとされる。
論文はサイト(https://doi.org/10.1038/s41598-019-39354-4)で読める。
出典
『テレビ見過ぎの年配者、記憶力低下 刺激がストレスに?』
https://www.asahi.com/articles/ASM2V3T4CM2VULBJ003.html
KW;ヒューマンエラー 人的エラー
2019年2月28日14時11分にNHK埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スマートフォンの充電ケーブルのコネクターが異常に発熱してやけどをするなどの事故は、この5年間で80件を超えている。
「化学やけど」と呼ばれるけがをしたケースもあり、NITE=製品評価技術基盤機構が注意を呼びかけている。
NITEによると、スマートフォンなどの充電ケーブルが異常に発熱したり発火したりした事故は、昨年度までの5年間に86件報告され、20人あまりがやけどなどのけがをしている。
この中では、コネクターの中にほこりや水分などが入り込んだまま使ったためショートしたり異常に発熱したりした事故が28件と最も多く、変形したコネクターを使ったためにショートしたケースも22件にのぼっている。
さらに、電源に接続されたコネクターが肌に長時間触れたために汗などが電気分解され、発生した物質で皮膚が傷つく「化学やけど」をした人も2人いて、このうち1人は重傷だという。
このためNITEは、ケーブルに無理な力をかけないこと、変形したコネクターは使わないこと、コネクターにゴミなどが入り込んでいないか確認すること、それに、電源に接続したコネクターを長時間体に触れさせないことといった注意点を公表し、事故を防ぐよう呼びかけている。
出典
『スマホ充電ケーブルの事故に注意』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20190228/1100004826.html
(ブログ者コメント)
上記報道の元になったと思われるNITEの記事は下記。
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2018fy/prs190228.html
うち、化学やけど事例は下記参照。
https://www.nite.go.jp/data/000087868.pdf
事例についての記述は下記など。
洗った髪を拭き取ったタオルを枕に敷いて就寝したところ、電源に接続されたUSB変換ケーブルのコネクターがタオルの下にあり、顔に化学やけどを負った。
当該事例以外に、NITEが行った追加試験などについても記されている。
2019年2月25日19時21分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
各地ではしかの感染拡大が懸念されるなか、千葉県茂原市の消防本部に所属し、今月10日、はしかのような症状が出た患者を救急車で搬送した隊員がはしかに感染していたことが新たに確認された。
千葉県によると、感染が確認されたのは、長生郡市広域市町村圏組合消防本部に所属する30代の男性隊員。
今月10日、はしかのような症状が出て、その後、感染が確認された女性の患者を救急車で搬送したということで、23日、自分に発熱の症状が出たため鴨川市の医療機関を受診し、24日になって、はしかへの感染が確認された。
隊員は過去に1回、ワクチン接種をしたということで、症状は軽く、快方に向かっているという。
また、少なくとも22日以降は救急車には乗車せず、公共の交通機関も利用していないが、千葉県は、受診先の医療機関で隊員に接触した可能性のある人などに症状がないか、経過を観察しているという。
ことしの千葉県内のはしかの患者は6人となり、県は、はしかのワクチンを過去に2回接種していない人は接種を検討するよう、呼びかけている。
出典
『救急車で搬送した隊員がはしかに』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190225/1080005082.html
(ブログ者コメント)
数か月ほど前から、はしかの感染者が急増しているという報道が目立つようになった。
今回紹介したのは救急車での感染事例だが、病院で感染したという事例もある。
(2月26日18時7分 NHK首都圏)
埼玉県西部に住む男女3人が相次いではしかに感染していたことが分かり、埼玉県は最初の患者が受診した医療機関で感染が広がったおそれがあるとして、はしかの疑いがある症状が出た場合は保健所に連絡してから医療機関を受診するよう呼びかけている。
埼玉県によると、はしかに感染したのは、埼玉県西部の狭山保健所管内に住む10代から40代までの男女3人。
このうち30代の男性は、ことし1月フィリピンに10日間ほど滞在し、帰国したあとに発熱や発疹の症状が出て、先月9日、はしかと診断された。
その後、男性が最初に受診した医療機関で働く40代の女性スタッフと、同じ医療機関を受診した10代の男性が、いずれも発熱の症状が出て、先週、はしかと診断された。
3人とも症状は回復しているという。
埼玉県は、最初の患者が受診した医療機関で感染が広がったおそれがあるとして、高熱や発疹など、はしかの疑いがある症状が出た場合は、最寄りの保健所に連絡してから医療機関を受診するよう呼びかけている。
出典
『はしか3人感染医療機関で拡大か』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190226/0026138.html
また、海外渡航者がはしかウイルスを持ち帰っているという情報もあった。
(2019年2月27日 毎日新聞東京版夕刊)
高熱や発疹などが出る麻疹(ましん)(はしか)の患者報告数が今年200人を超え、この10年で最多のペースで増えている。
日本は4年前、世界保健機関(WHO)から「麻疹が撲滅された国」とのお墨付きを得ている。
にもかかわらず、毎年のように局地的に感染が広がるのは、免疫のない渡航者が海外で感染してウイルスを持ち帰ってしまうためだ。
麻疹は、同じ部屋や電車内にいただけでもうつり、感染力はインフルエンザの数倍とも言われる。
2007~08年の大流行では、高校や大学の休校が相次ぎ、患者報告は08年だけで1万人を超えた。
06年から、国は麻疹ワクチンの定期接種を1回から2回(1歳児と小学校入学前)に増やすなどして対策を強化してきた。
そのかいあって、現在は乳幼児を除く全年代の95%以上の人が免疫を持ち、「大規模な感染は起きにくい状態」(厚労省担当者)だ。
WHOは15年、同じウイルスで1年以上感染が続いていないことを意味する麻疹の「排除国」と認定した。
だが実際には、局地的な集団感染がたびたび起き、毎年、数100人の患者が報告されている。
国立感染症研究所によると、今年に入ってから今月17日までの1カ月半の患者は222人に上り、直近の1週間で48人が新たに感染した。
22都道府県で確認され、大阪府(77人)と三重県(49人)で半数以上を占める。
三重では宗教団体の研修会、大阪では商業ビル「あべのハルカス」の催事場という、人が密集した場所に感染者がいたため、一気に患者が増えた。
土着のウイルスが国内にない状況でも現れる感染者は、国境を越えた「輸入症例」だとみられる。
アジアやアフリカでは今も麻疹が流行している国が多く、フィリピンでは今年130人が死亡したと報道されている。
感染研によると、18年までの5年間で国内患者が感染したと推定される国は、フィリピン(79人)、インドネシア(45人)、タイ(24人)と続く。
厚労省は、改正する麻疹対策の指針に、海外渡航者へのワクチン接種呼びかけを追記する方針。
アニメ「マジンガーZ」と「麻疹がゼロ」の語呂合わせで目を引く啓発ポスターも作製した。
免疫を持たない乳児がいる保育所や、抵抗力の弱い患者のいる医療機関にウイルスを持ち込まない注意も必要だ。
感染研の多屋馨子室長は、「海外旅行を計画している人や保育所や医療機関に勤める人は、特に、母子手帳などで予防接種歴を確認してほしい」と訴える。
出典
『はしか、渡航者が「輸入」 排除国認定の日本、今年200人超 政府「旅行前のワクチン接種を」』
https://mainichi.jp/articles/20190227/dde/001/040/040000c
(2019年3月17日 修正1 ;追記)
2019年3月15日11時4分にNHK千葉から、千葉県の対策などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の事案を受けて千葉県は、はしかと風疹の感染が広がる中、救急活動などに支障が出ないよう、県内の消防に対して予防対策を徹底するよう呼びかけている。
具体的には、隊員一人一人に、はしかと風疹にかかったことがあるかや、予防接種を受けたかなどを確認したうえで、抗体が十分にない場合はワクチンの接種を勧めるよう求めている。
はしかに感染した救急隊員が所属している茂原市の長生郡市広域市町村圏組合消防本部では、3週間にわたって、感染の拡大を防ぐ対策に追われた。
まず、およそ230人の職員全員に対して、はしかや風しんにかかったことがあるかを確認し、かかったことがなく、これまでにワクチンを2回接種していない職員には、速やかな接種を呼びかけたという。
また、感染した隊員と発症の前日から一緒に勤務した隊員については、救急車の利用者への2次感染を防ぐため救急活動を控えさせ、3週間にわたって残りの隊員で勤務シフトを組んだという。
救急隊員の感染症対策をめぐっては、これまで確立されたものがなく、現在、総務省消防庁がマニュアルの整備を進めていて、今月中に完成する見込み。
出典
『救急隊員のはしか風疹対策徹底』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190315/1080005248.html
2019年2月15日22時19分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が玩具の写真付きでネット配信されていた。
飲み薬ほどの大きさのカプセルに入ったスポンジ玩具について、消費者庁は15日、子供が遊んでいるときに誤って体内に入ると気づきにくく、炎症を起こしたり窒息したりする恐れがあるとして、注意喚起した。
玩具は、「水でふくらむスポンジ」などとうたって販売されている縦約2cmのゼラチン製カプセル。
お湯に入れるとカプセルが溶け、長辺4~5cm程度の動物などの形をしたスポンジが膨らむ。
栃木県に住む4歳の女児は原因不明の不正出血が続き、磁気共鳴画像化装置(MRIM)で検査したところ、膣内に異物があることが分かり、手術で摘出。
異物の正体は、この玩具の中身である恐竜のスポンジ(約4cm)だった。
風呂で遊んでいるときに体内に入ったものとみられる。
昨年9月、担当した医師から消費生活センターに情報が寄せられ、消費者庁と国民生活センターが重大事故として調べた。
市販品を調査したところ、カプセルは体温程度(37℃)の湯で6~15分、風呂の湯温(約42℃)では6~10分で溶けた。
スポンジはレントゲンに写りにくく、幼児の場合は聞き取り調査で原因を特定するのも難しい。
また、カプセルのまま気道の奥に入ると、気管支炎や肺炎になることも考えられるという。
100円ショップやインターネットで販売されており、1パック12個入り。
2008年8月以降、累計約500万パックが出荷されている。
出典
『「炎症や窒息の恐れ」スポンジ玩具に要注意 消費者庁』
https://mainichi.jp/articles/20190215/k00/00m/040/252000c
2019年2月13日9時19分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
世界保健機関(WHO)は12日、スマートフォンなどの携帯音楽機器で長時間、大音量の音楽を聴き続けると聴覚障害になる恐れがあるとして、音量制限機能などの搭載を求める国際基準を発表した。
現状では、世界の若者(12~35歳)の半数近くに当たる11億人が難聴になる危険性が高いと警告した。
WHOは「一度失った聴力は戻らないと理解すべきだ」と強調.
各国政府やメーカーに、国際基準に沿った規制や機器の製造を要請している。
国際基準は国際電気通信連合(ITU)と共同で策定。
安全利用の目安を大人で音量80デシベル、子供で75デシベルを1週間に40時間までとし、機器にどの音量をどのくらい聴いたかを明示する機能を付けるべきだとしている。
大音量で聴き続けた場合、自動的に音量を下げる機能も必要だとした。
さらに、ナイトクラブやディスコ、競技場などでも大音量にさらされるリスクが高まっているとして、規制を求めている。
WHOによると、世界で聴覚障害に苦しむ人は約4億6600万人で、うち3400万人が子供。
50年には9億人に達するとの試算もある。
出典
『携帯音楽、若者11億人に難聴の危険 WHOが音量基準』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4119766013022019CR0000/
2月13日13時9分にAFPからは、下記趣旨のやや詳しい記事がネット配信されていた。
国連(UN)は12日、10億人以上の若者がスマートフォンやその他オーディオ機器の大音量での使用による聴覚障害のリスクにさらされていると警鐘を鳴らした。
国連は、安全な音量レベルに関する新たな安全基準を提案している。
国連専門機関の世界保健機関(WHO)と国際電気通信連合(ITU)は聴覚を守ることを目指し、オーディオ機器の製造と使用に関する拘束力のない国際基準を発表した。
音楽鑑賞においては、特に若者がリスクを伴う習慣に陥りやすい。
WHOによると、12~35歳の約半数に当たる11億人に「大きな音に長時間にわたって過剰にさらされる」恐れがあり、個人用オーディオ機器もこうしたリスク要因の一つと指摘された。
しかし、WHOのテドロス・アドハノン事務局長は、世界にはすでに「難聴を防ぐための技術的なノウハウ」があると話す。
同事務局長は声明を発表し、「これほど多くの若者が、音楽を聴く間に自身の聴覚に損傷を与え続けるようなことがあってはならない」と述べ、若者は「ひとたび聴力を失えば回復は困難であることを理解しなければならない」と続けている。
現在、世界人口の約5%に当たる約4億6600万人が、日常生活に支障をきたすほどの難聴に悩まされている。
この中には3400万人の子どもが含まれるが、WHOによると、そのうちどれだけの人がオーディオ機器の危険な使用によって聴力を損傷したのかは分からないという。
しかし、ITUと共同で策定した今回の新基準によって、「日々、音楽を楽しむ若年消費者層を守ることができるだろう」と期待を寄せる。
WHOは、85デシベル(dB)超で8時間、100dB超で15分の音量にさらされるのは安全でないとみなしている。
【速度計のない車で高速道路を走行するようなもの】
今回発表した安全基準「Safe listening devices and systems(安全なリスニング機器とシステム)」では、全てのオーディオ機器に「許容音量」を制御するソフトウエアの組み込みを求めている。
その目的は、ユーザーがさらされている音量と継続時間を追跡し、ユーザーの聴力に与えるリスクを評価することだ。
このシステムを活用することで、危険な音楽鑑賞習慣に陥っているユーザーに注意を促すことも可能になると考えられる。
WHOはまた、危険な使用を防ぐために、オーディオ機器に対する音量のペアレンタルコントロール(親による制限)機能と自動音量制限機能も導入するよう提言している。
一部のスマートフォンや他のオーディオ機器では、すでにこうした機能が提供されているが、深刻な聴力低下を防ぐためには、統一された基準を採用することが望ましいと国連は指摘する。
WHOのシェリー・チャーダ氏は、スイス・ジュネーブでの記者会見で、「この状況は、速度計や速度制限機能のない車で高速道路を走っているようなものだ」と話した。
「WHOが提案しているのは、どれだけの音量が出ているか、制限を超えていないかをユーザーに知らせる速度計…すなわち測定システムをスマートフォンに取り付けた状態で販売することだ」
出典
『スマホで聴く音楽に難聴リスク 「音量下げて」WHOが警告』
http://www.afpbb.com/articles/-/3210941
(ブログ者コメント)
3年前、同じWHOから、難聴防止のため、スマホなどでの音楽鑑賞は1日1時間以内にすべきとの指針が発表された旨、報道されていた。
今回報道されたスマホなどへの音量制限機能付与基準は、その延長線上のことかもしれない。
(2015年3月10日9時45分 産経新聞)
世界保健機関(WHO)は2月下旬、聴力を守るために、スマートフォン(スマホ)などで音楽を鑑賞する場合は「1日1時間以内」に控えるべきだとする指針を発表した。
難聴となる恐れが指摘されるためだ。
難聴は、初期には自覚症状がない上、失った聴力を回復するのは難しい。
大音量の音楽が流れる場所に行く機会が多い人も注意が必要だ。
大きな音に長時間さらされることで聞こえにくくなるのは、聴覚器官の内耳にある蝸牛(かぎゅう)の音を感じる細胞が障害を受け、死んでしまうためだ。
死んだ細胞を再生させる治療法はなく、正常な聴力を維持するには予防するしかない。
WHOが指針を出した背景には、スマホの普及により、米国で、大音量の音楽を聴く若者の難聴が増えているというデータがあり、問題となっていることがある。
・・・・・
出典
『若者の「スマホ難聴」注意 大音量の音楽鑑賞が原因』
https://www.sankei.com/life/news/150310/lif1503100019-n1.html
2019年2月8日20時4分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都内で昨年12月と今年2月、ロボット掃除機が電気ストーブを動かし、家具などに接触して燃える火災が2件相次いで発生していたことが8日、東京消防庁のまとめで分かった。
同庁は、「ロボット掃除機から目を離す場合は、電気ストーブの電源コードを抜くように」と注意を呼びかけている。
同庁によると、昨年12月にメゾネットタイプのマンションで、下階にいた住人が火災報知機の音に気付いて上階へ行くと、電気ストーブが50cmほど移動し、ソファに接触して火が出ていた。
室内では当時、ロボット掃除機が稼働していた。
今年2月には、別のマンションで住人が外出中、タイマーを設定してロボット掃除機を自動運転していたところ、同様の火災が発生。
幸いに、いずれの案件もすぐに消し止められ、大きな被害は出なかった。
同庁の再現実験では、ロボット掃除機が押したり、電源コードを巻き込んだりすることで電気ストーブが移動することが判明。
ロボット掃除機にはセンサーが搭載されているが、床の状態やストーブの重さなどによっては作動し続け、火災が発生する危険性があるという。
出典
『ロボット掃除機がストーブ動かし火災に 東京消防庁「ストーブの電源コード抜いて」』
https://www.sankei.com/affairs/news/190208/afr1902080040-n1.html
2月8日15時18分にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京消防庁によると、火事が起きたのは都内のマンションの一室。
帰宅した女性がソファーから50cmほど離れた場所に置かれたカーボンヒーターの電源を入れ、リビングを離れた。
およそ20分後、火災報知器が鳴ったためリビングに戻ったところ、いつの間にかヒーターがソファーと接触していて、火が出ていたという。
「(今回の特異性は)通常動かない電気ストーブがロボット掃除機に押されて火災になったことが予期できなかったこと。滑りやすいフローリングと電気ストーブが軽い場合、動いたりする」
(東京消防庁 予防部調査課 原因調査係 西村主任)
東京消防庁は、取扱説明書の使用条件や注意点を読み、危険な状態にならないよう注意を呼びかけている。
出典
『ロボット掃除機で思わぬ火災、ヒーター動かしソファーに・・・』
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3593811.html
2019年2月4日14時59分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午前9時すぎ、江別市朝日町の住宅で、市内の74歳の男性が、この家の住民からの依頼を受けて屋根の雪下ろしをするため、はしごを登っていたところ、屋根から落ちてきた雪とともに、およそ3mの高さから地面に転落した。
男性は救急車で病院に搬送され、肩の骨を折る大けがをした。
警察によると、男性は屋根に対して斜めにはしごをかけて登っていたところ、突然、雪が落ちてきたということで、ヘルメットや命綱はつけてなかったという。
午前9時の江別市の気温は2.1℃で、気象台によると3月中旬並みだったという。
警察は、雪の量が増えたり気温の上昇に伴ったりして、今後、屋根からの落雪事故が増えるおそれもあることから、注意を呼びかけている。
出典
『落ちてきた雪ではしごから転落』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190204/0007598.html
※以下は近所の人の目撃談。(音声とテロップ情報のみ)
屋根の半分ぐらいの雪が、いきなりドーッと落ちてきた。
ハシゴに上った状態で雪が落ちてくるからハシゴが傾き、男性が手前側に落ちてきた。
(ブログ者コメント)
今年は、雪かき中に屋根から転落したり、屋根から落ちてきた雪に埋まったり、あるいは除雪機に巻き込まれる事故が、例年以上に多発している感がある。
そういった事故は全て紹介を割愛しているが、今回の事故は珍しいパターンだと思ったので紹介する。
2019年2月3日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前7時半ごろ、秋田県由利本荘市新上条の男性(84)方から出火。
木造一部2階建ての1階廊下や脱衣所の壁など、計約0.2m2を焼いた。
男性の妻(79)が全身にやけどを負って秋田市の病院に搬送され、意識不明の重体となっている。
警察によると、男性は4人暮らし。
1階居間にいた男性が足音に気付き、廊下を見たところ、着衣に火の付いた状態で倒れている妻を発見。
男性が毛布でくるむなどして消火に当たり、同居する息子が119番した。
当時、妻は何も持っていなかったが、男性に「仏間にいた」などと話したことから、警察は、妻がろうそくに点火した際、火が衣服に燃え移った可能性があるとみて原因を調べている。
妻は、かっぽう着やフリース素材の服などを着ていたという。
出典
『衣服燃えやけど、79歳女性が重体 ろうそくから引火か』
https://www.sakigake.jp/news/article/20190203AK0002/
2月5日12時41分にNHK秋田からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、今月2日午前7時半ごろ、由利本荘市新上条の鈴木さん(男性、84歳)の住宅で、妻(79)が衣服に火がついた状態で倒れているのを鈴木さんが見つけ、消防に通報した。
妻は全身にやけどをして、病院へ搬送され手当てを受けていたが、4日夜、死亡した。
また、鈴木さんの木造一部2階建ての住宅の一部が焼けたが、当時、家のなかにいた鈴木さんや息子や孫にけがはなかった。
妻は、倒れているのを発見される前、仏壇に供え物をしていたということで、警察は、家族の話や現場の状況から、仏壇のろうそくの火が衣服に燃え移った可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
出典
『衣服燃えやけどの79歳女性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/20190205/6010003009.html
2019年1月4日11時36分に山形新聞から下記趣旨の記事が、ホームタンクの下部からポリタンクに給油している写真付きでネット配信されていた。
県内で先月、灯油の流出事故が相次いだ。
いずれも原因は、ホームタンクの栓の閉め忘れの「うっかりミス」。
河川に流出した場合、自然環境や住民生活への影響も懸念される。
本県の最上川は東北地方の国管理の1級河川で、2017年まで4年連続で流出事故最多の“不名誉な状況”が続いており、国交省山形河川国道事務所は、「給油中は絶対に目を離さないでほしい」と呼び掛けている。
「ホームタンクから給油している途中、その場を離れた」。
先月中旬、山形市の住宅で490ℓ入りのタンクから約半分の灯油が流出する事故が発生した。
住人は給油していることを忘れ、戻ってみると灯油があふれていたという。
同事務所によると、県内では1~2月に流出事故が集中するという。
寒さが厳しく灯油の利用が増え、落雪で配管が破損することなども多い。
この中で懸念されるのが河川への流出。
最上川流域の事故は14年が89件、15年84件、16年75件、17年は105件で、いずれも東北地方の1級河川で最多となっている。
河川への油流出の影響は、水道水や農業用水に直結する。
流出が少量だったり、発見や通報が早い場合は、吸着マットで油膜を回収して影響の拡大を食い止め、流れ出ても大量の水で分解されるという。
しかし、規模が大きければ取水を制限することもあり、河川環境や住民生活に及ぼす影響は計り知れない。
県内での流出事故の約4割は、家庭用のホームタンクの栓を閉め忘れたことによるもの。
ヒーターやストーブ用のタンクへの給油中に、家事や除雪作業などでその場を離れたり、栓をしっかり閉めなかったりする「うっかりミス」が目立っている。
同事務所では、「事故防止は一にも二にも、給油中は絶対に離れない、目を離さないこと」と強調する。
一方、もしも漏れてしまった場合、すぐに最寄りの消防に通報することが必要だ。
事故の約半数は、早めの通報で影響が拡大する前に食い止められているという。
同事務所の担当者は、「ホームタンクなどの定期点検も重要。流出させてしまったり、河川などで油膜を見つけたりした場合は、ためらわず通報してほしい」としている。
出典
『灯油の給油中は離れないで! 県内で相次ぐ流出事故』
http://yamagata-np.jp/news/201901/04/kj_2019010400055.php
(ブログ者コメント)
〇ホームタンク使用経験のないブログ者は、掲載写真を見て
初めて、ホームタンクの使い方を知った。
これなら簡単にポリタンクに給油できそうだ。
ただ、裏を返せば、盗まれやすいということ。
実際、しばしば、盗まれたという報道に接することがある。
それゆえであろうか、ネット上には盗難防止グッズが多数売られていた。
思い返せば数10年前、ブログ者が住む市原市の有名餃子チェーン店でホームタンクから灯油が無くなったことがある。
その時は給油ミスということに落ち着いたようだが、今思うと盗難か?
北国でない市原市ゆえ、盗難ということには思い至らなかったのかもしれない。
〇ネットで調べたところ、ホームタンクからの灯油流出事故は北国を中心に多発しており、各地の消防や国交省河川国道事務所などから、流出注意の情報が数多く発信されている。
以下は一例。
(上越地域消防事務組合)
(国土交通省能代河川国道事務所 鷹巣出張所)
https://www.city.kitaakita.akita.jp/chiiki_wadai/2007/01/0123/touyu/tyui.htm
2018年12月28日21時55分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市保健所は28日、民間病院のデイケア施設(同市左京区)であった利用者向けの料理教室で、ネギと間違えてスイセンを炒めて食べた利用者11人、職員2人の男女計13人(33~83歳)が嘔吐など食中毒を起こしたと発表した。
いずれも軽症で回復に向かっている。
施設敷地で栽培していたネギを採った際、誤って有毒なスイセンが交じったとみられる。
市保健所によると、料理教室は26日昼に開かれ、豚肉と大根、ネギのみそ炒めを調理。
女性職員はネギを3本収穫したつもりだったが、うち2本は近くに生えていたスイセンだった可能性が高いという。
食べ始めて約10分後から発症した。
市保健所は、「スイセンを畑で一緒に栽培しないでほしい」と注意を呼びかけている。
スイセンはヒガンバナ科で、葉や球根など全ての部位に「ヒガンバナアルカロイド」という有毒成分を含む。
葉をニラ、球根をタマネギと間違える例が多く、2016年5月には、ニラと間違えて食べた北海道の男性が死亡している。
出典
『栽培のスイセンをネギと誤食 13人が食中毒 京都市のデイケア施設』
https://mainichi.jp/articles/20181228/k00/00m/040/350000c
12月28日19時34分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
スイセンにはヒガンバナアルカロイドという有毒成分が含まれ、食べると吐き気などの消化器症状を引き起こす。
市によると26日に、市内の民間病院に併設されたデイケア施設の利用者を対象にした料理教室が開かれ、施設内で栽培したネギを使って豚肉や大根とみそ炒めを調理。
女性職員2人を含む計14人で食べたところ、13人が嘔吐や下痢などを訴えた。
市は調査した結果、料理にスイセンが混入していたことによる集団食中毒と断定した。
施設では、スイセンとネギが混在した状態で栽培されていた。
ネギには球根がないが、職員は「採取した3本のうち2本には球根が付いていた」と話しており、2本はスイセンだったとみられる。
厚生労働省によると、スイセンの誤食による食中毒は、平成29年までの10年間に全国で167人の患者(1人死亡)が報告されている。
出典
『ネギと思ったらスイセン…京都のデイケアで食中毒』
https://www.sankei.com/west/news/181228/wst1812280036-n1.html
12月28日19時39分にNHK京都からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
料理教室では、利用者と職員が施設内の花壇で栽培しているネギを収穫したが、同じ花壇の近い場所でスイセンも栽培されていた。
出典
『スイセン食中毒ネギと間違えたか』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20181228/2010002630.html
(ブログ者コメント)
スイセンによる食中毒事例は、過去に本ブログでも何件か紹介スミ。
ただ、北海道の死亡事例は漏れていた。
2018年12月19日7時0分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
忘年会や新年会などでお酒を飲む機会が多い時期。
お酒を飲んだら、どのくらい運転を控えなければならないのか、久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の医師・瀧村剛さんに聞いた。
昨年、全国で朝の時間帯(午前5~10時)に摘発された飲酒運転は4157件あり、多くが前夜の酒が体内に残ったままだったと考えられている。
飲酒運転の摘発(879件)の約14%を占めている。
摘発された人の多くが、酒を飲んだ後、「少し寝たので大丈夫だと思った」と話しているという。
健康総合企業のタニタ(東京都)が11月に行った調査でも、社用車を運転することがある人の約37%が、「お酒を飲みすぎても一晩寝れば、運転しても大丈夫だと思う」と答えている。
「睡眠をとればアルコールの分解が促進されるということはありま
せん。
逆に、肝臓への血流が低下し、分解は遅くなります。
体内に入ったアルコールは主に小腸で吸収され、血液中に入り、全身を巡ります。
肝臓に運ばれると、酵素の力で『アセトアルデヒド』に変換されます。
さらに、別の酵素で酢酸に変換され、その後、体内で水と炭酸ガスになり、体外に排出されます。
寝ている間は全身の血流が緩やかになるために、肝臓へ入る血液量も低下し、アルコールの分解が遅くなると考えられています」
【「汗をかけば抜ける」もウソ…ほとんどが水分】
飲酒運転で摘発された人の中には、「風呂やサウナで汗をかいてアルコールを抜いたから大丈夫だと思った」と話す人もいるようだ。
「アルコールは約90%が肝臓で分解されます。
残りの約10%は分解されず、汗や尿などとして体外に排出されます。
だから、頑張って汗を出しても、あまり効果はありません。
お風呂やサウナで大量に汗をかいても、そのほとんどはお酒に含まれていた水分か、元々体内にあった水分です。
そもそも、飲酒後はアルコールの利尿作用により脱水傾向になるため、その状態でさらに汗をだそうと長風呂やサウナに入るのは大変危険です。
実際、飲酒後のサウナでの死亡事例もありますので、やめてください」
【飲んだら何時間運転できないのか?】
アルコールの分解は、どのくらいの速さで進むのでしょうか。
具体的にお酒を飲んだら何時間、車の運転ができないのでしょう。
その目安は?
「アルコールの分解には一定の時間が必要で、その長さはアルコールの摂取量によって変わります。
大事なのは、水分を含んだお酒の量ではなく、その中に含まれている純アルコールの量です。
つまり、同じ量であれば、度数が高いお酒ほど分解に時間がかかります。
分解のスピードは、個人差が大きいです。
久里浜医療センターで大学生を対象に1時間あたりの分解のスピードを調べたところ、1時間で分解できるアルコールの量は、遅い人と速い人で約3倍の違いがありました。
こうした調査も踏まえ、安全に運転できる一つの目安とされている数字があります。
警察や自動車学校で行われている、飲酒運転で免許取り消し処分を受けたドライバーを対象とする講習では、安全面を考慮して、アルコール4gを分解するのに1時間かかるとして、度数5%のビールを500mℓ飲んだ場合、アルコールは約20gなので、5時間は運転できないと教えています」
※アルコール量の計算式 お酒の量×アルコール度数×0.8
・・・・・
出典
『「寝たから大丈夫」のはず…翌朝に飲酒運転のワケ』
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20181217-OYT8T50045.html?from=y10
(ブログ者コメント)
本ブログでは、過去に以下などの類似情報も紹介している。
2017年10月10日掲載
『2017年10月3日報道 アルコールの摂取量と消失までの時間はほぼ比例、体重60㎏の成人男性だと日本酒1合で3~4時間が目安、警察庁は深酒翌日の運転は控えるよう注意喚起 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7656/
2018年11月5日5時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
入浴中に体調を崩し、急死する人が後を絶たない。
学会の報告によると、年間の推計死者数は約1万9000人。
交通事故による年間の死者数の約5倍。
意識を失い、助けを呼ぶ間もなく溺死してしまうケースもある。
冬に向けて気温が下がっていく今月は、入浴時の事故が増える時期だけに、注意が必要だ。
【血流の維持、高齢者衰え】
愛媛県西条市にある市運営の福祉施設の入浴場。
市内の最高気温が22℃を超える陽気だった4月30日の昼過ぎのことだ。
80代の男性2人が湯船に浮かんでいるのを、浴室に入ってきた利用者が発見した。
その後、病院で死亡が確認された。
市などによると、浴室は20m2ほど。
湯船は床面積約5m2で、深さは約60cm。
意識を失った理由などの詳細はわかっていない。
捜査関係者によると、心臓に持病がある男性が先に体調を崩し、もう1人も何らかの理由で失神した可能性が高い。
「一般的に、意識障害が起きると、声を上げることもできなくなる」。
入浴中の死に詳しい堀進悟・元慶応大教授(救急医学)は指摘する。
以前、堀さんの病院に搬送され蘇生した男性は、「意識がもうろうとして、いい気持ちのまま沈んでいた」と語ったという。
亡くなる理由は多岐にわたる。
複数の学会は、風呂場と脱衣所の温度差が引き起こすヒートショック(急な温度変化による血圧や脈拍の変動)のほかにも、熱中症や心筋梗塞、脳梗塞、アルコールによる影響などの要因を挙げる。
多くの場合、これらの結果、意識を失って湯船に沈んでしまうことが死につながる。
危険なのは冬場だけでない。
東京都監察医務院によると、2017年の東京23区の入浴関連死者数では、1、2月と12月の計3カ月で637人と43%を占めたが、3月(152人)や4月(147人)、11月(同)も相当の数があった。
亡くなるのは高齢者が多い。
高橋龍太郎・元東京都健康長寿医療センター研究所副所長によると、湯船に入ると血圧はいったん上昇した後、急に下がる。
この時、体は、心拍数を上げて脳への血流を保とうとする。
この機能が高齢者は衰えており、意識喪失につながることがある。
温度を感じる「センサー」も鈍っており、血圧が上がりやすい高温の湯に入りがちだという。
思いもしない場所で大切な人を失うショックは大きい。
82歳の母と2人暮らしだった鹿児島県姶良(あいら)市の男性(50)は、昨年の大みそかから元日にかけての夜、自宅の浴槽で母を亡くした。
警察から溺死と聞いたが、溺れた原因ははっきりしていない。
口べたで、優しかった母。
春まで家の風呂に入れなかった。
「身近な場所で失うのはつらい。だからといって、風呂に入らなければいいというものでもないし」
【外気温の寒暖差にも注意】
事故は、浴室内外の温度差だけでなく、外気温の変化も影響する、との指摘もある。
鹿児島大大学院の林敬人准教授(法医学)らは、2010年に鹿児島県で入浴中に死亡した人について調査(死亡日が明らかな181人対象)。
1日の寒暖差が15℃以上の日には、15℃未満の日と比べて、入浴死の発生率が1.5~2.2倍高かった。
また、平均気温が前日より3℃以上低かった日の発生割合も高かった。
これらの傾向は冬だけでなく、3~5月にも顕著だったという。
林准教授は、「春先など、寒暖差が広がりそうな日の前に、『入浴注意報』のような形で周知することも有効では」と提案する。
安全な入浴を啓発する取り組みもある。
大手製薬会社に勤めていた鈴木さん(男性、57歳)=埼玉県深谷市=は、趣味の温泉巡りから、入浴について研究するようになり、早期退社。
学者の監修を受けつつ、「高齢者入浴アドバイザー」の民間資格を創設した。
講演では、温泉の効能などを説明しつつ、入浴前の水分補給やかけ湯のポイントを伝える。
「高齢の方は、リスクを理解していても、『自分だけは大丈夫だ』という『楽観バイアス』が強い。
温泉の入り方を学びながら、家での入浴方法も変えてもらえれば」と期待する。
アドバイザーは現在、約550人。
昨年、資格を取った宮城県の元保育士の女性(68)は、湯船で5~10分ほど寝ることがあったが、血圧低下による意識障害の可能性があると知り、驚いた。
「『ウトウト』はいい状態だと思っていた。まさか死と隣り合わせだったなんて」と話す。
出典
『(日常の先に 潜む死のリスク:2)湯船の中、意識失って急死 入浴時死亡、年に1.9万人』
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13755257.html?rm=150
(ブログ者コメント
〇西条市の事例を含め、入浴時の死亡リスク情報については、本ブログでも過去に何件か紹介スミ。
ただ、今回の情報には、過去に紹介した情報以外の情報も含まれているため、改めて紹介する。
〇記事中の「高齢者入浴アドバイザー」がいかなるものかは、(一般社団法人)高齢者入浴アドバイザー協会のHP参照。
確かに、代表理事は鈴木さんとなっている。
2018年10月26日11時45分にNHK佐賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし3月、みやき町の中学校で当時1年生だった元女子生徒が、部活動の準備中に体育館のドアに左手の人差し指をはさまれて切断する事故があった。
この事故について、元女子生徒側は、ドアが急激に閉まるのを防ぐ「ドアクローザー」という部品が老朽化し機能していなかったのが原因で、学校側の安全管理に問題があったとして、町に対し550万円余りの損害賠償を求めている。
26日、佐賀地裁で行われた第1回の裁判で、みやき町側は「ドアクローザーは機能を完全には失っておらず、町側に落ち度はない」と主張し、全面的に争う姿勢を示した。
出典
『元生徒の指切断で町側が争う姿勢』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20181026/5080001822.html
(2019年6月6日 修正1 ;追記)
2019年6月5日6時30分に佐賀新聞から、和解が成立したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
町は開会中の定例議会に、損害賠償190万円を支払って和解する内容の議案を提出した。
町教委によると、4月に佐賀地裁から和解案の提示があった。
議案によると、女子生徒は16年3月、体育館に部活動の道具を運び入れていた際、入り口のドアに左手の人差し指が挟まり、指先を切断するけがをした。
女子生徒側は、ドアが閉じる速度を調節するドアクローザーが機能しなかったことが事故の原因とし、施設管理に瑕か疵しがあったとして町に損害賠償を求めていた。
町教委は、生徒が実際にけがをした点を踏まえ、「裁判より和解を選択した」としている。
出典
『指切断元生徒とみやき町和解へ 損害賠償議案を提出』
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/383203
2018年9月28日付で東京新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
飲食店で、いわゆる飲み放題を利用すると、普段の飲酒に比べて飲む量が男子学生で1.8倍、女子学生で1.7倍に増えることが、筑波大の吉本尚准教授(総合診療)、大学院生の川井田さん(女性、精神看護)らの調査で分かった。
関東の31大学に通う20歳以上の大学生と大学院生に調査票を送り、533人から有効回答を得た。
その結果、回答者の96%に当たる511人が、飲み放題の利用経験があった。
経験者に酒量を尋ねると、男子学生の40%、女子学生の30%は、飲み放題のときにだけ、純アルコール換算で60g以上を摂取していることが分かった。
60gは、世界保健機関(WHO)が定義する「一時的多量飲酒」に当たるアルコール量。
度数5%のビールなら1.5ℓ、15%の日本酒なら3合、43%のウイスキーならダブルで3杯に相当する。
川井田さんによると、こうした飲酒では、急性アルコール中毒のほか、記憶を失う、外傷といった短期的影響とともに、脳の障害やがん、アルコール依存症、肝硬変、心疾患などで長期的な影響があることが、過去の研究で報告されている。
WHOの「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」(2010年)は、酒の安売りなどと並んで、飲み放題サービスを禁止するか制限するよう、各国に要請している。
吉本さんは、「大学生や大学院生の年齢では、アルコールに対する自分の体質も分かっていない。学生には、飲み放題が自分の飲み方に与える影響を知ってもらい、同時に酒を提供する側も、サービスの在り方について議論してほしい」と話した。
出典
『飲み放題で酒量2倍近くに 筑波大が関東の学生ら調査』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201809/CK2018092802000163.html
2018年8月22日16時20分にNHK北九州から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午前3時半ごろ、北九州市小倉北区中井の市道で、風で飛ばされて道路に広がっていたネットの上で、ミニバイクが滑って転倒した。
この事故で、ミニバイクに乗っていた50代の男性が肩に軽いけがをして、市内の病院で手当を受けた。
北九州市によると、このネットは、ごみ集積所に出されたごみ袋の上にかぶせて使うもので、近所の人の話では、ごみ袋が出されていない時には歩道上にある電柱に巻きつけているという。
気象台によると、この時間、北九州市では台風の接近に伴い強い風が吹いていて、現場からおよそ20km離れた北九州空港の観測地点では、午前3時半前に20.1メートルの最大瞬間風速を観測していた。
出典
『風で飛来のネットの上で滑りけが』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20180822/5020001316.html
2018年8月5日19時50分にNHK山梨から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5日正午すぎ、山梨県富士吉田市竜ヶ丘の住宅の庭で、この家に住む会社員の30代の男性がバーベキューの準備のため、ライターの火をガスバーナーに近づけたところ、大きな音と共に、一時、炎が広がり、この男性が顔などにやけどを負った。
警察によると、男性は病院に搬送されたが症状は軽いという。
また、庭に集まっていた男性の家族や親族にケガはなかった。
警察が現場の状況を調べたところ、プロパンガスのボンベとガスバーナーをつなぐホースに劣化による複数の穴が見つかり、この穴からガスが漏れて引火したとみられるという。
警察が、当時の状況をさらに詳しく調べている。
出典
『バーベキュー準備で引火し負傷』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20180805/1040003585.html
2018年1月10日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7931/
(2018年6月30日 修正1 ;追記)
2018年6月24日6時0分に読売新聞からは、WHOはゲーム依存症を精神疾患に位置付けたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
オンラインゲームなどのやり過ぎで生活や健康に深刻な影響が生じる「ゲーム障害」(ゲーム依存症)が、精神疾患に位置付けられた。
実態の把握と治療法の開発が進むことを期待したい。
世界保健機関(WHO)が、病気の名称と症状、分類を示す国際疾病分類を28年ぶりに改訂し、依存的行動による障害の一つとして、ゲーム障害を盛り込んだ。
2022年1月に発効する見通しだ。
▽ゲームに興じる時間や頻度を制御できない。
▽日常の活動よりもゲームを優先してしまう。
▽ゲーム中心の生活が1年以上にわたる。
これらに当てはまると、ゲーム依存症の可能性があるという。
ゲームで遊ぶ時間が長くても、やめるべき時に打ち切れるなど、行動を制御できていれば、必ずしも依存症とは限らない。
依存症の割合について、WHOはゲームをする人の2~3%程度と推定しているが、楽観はできまい。
厚労省の研究班は、SNSなどを過度に使っているネット依存者のうち、一定の割合がゲーム依存症だとみている。
特に中高生では、52万人と推計されるネット依存者の大半がゲーム依存症にもなっていると分析する。
競馬などのギャンブルや酒とは異なり、未成年に依存症の割合が高いのは、憂慮すべき状況だ。
ゲームに熱中し過ぎて、不登校になることがある。
引きこもりになった後、ネットゲーム漬けになり、食事さえ取らなくなるケースも少なくない。
依存症に至る経過や、表れる悪影響は様々だ。
正視に耐えない過激な描写に走った戦闘ゲームなどが人気を集めている。
そこでは、殺伐とした言葉が交わされている。
勉強に励み、健全な対人関係を築くなど、人生の基礎作りをする大切な時期に、ゲーム依存症になってしまう。
青少年にとって大きな損失である。
うつ病などのリスクも高まるとされる。
依存症の治療はカウンセリングが中心だが、国内で相談に対応できる医療機関は25か所程度だ。
専門医も不足している。
治療体制の整備は、大きな課題である。
依存症に関連する脳内の物質の作用を詳しく調べ、より効果的な治療法を開発することも必要だ。
ギャンブル依存症の治療と共通する部分もあるだろう。
パソコンやスマートフォンなど、ゲームに触れるきっかけは至る所にある。
子供たちが依存症に陥らないよう、周りの大人が目配りして、予兆を捉えたい。
出典
『ゲーム依存症 精神疾患として治療の充実を』
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180623-OYT1T50180.html
6月19日11時0分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が、「ゲーム障害」として国際的に疾患として認められた。
世界保健機関(WHO)が18日、公表した、
改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記された。
来年5月のWHO総会で正式決定される。
ICDは、日本をはじめ多くの国が、死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う、病気やけがの分類。
厚労省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されているが、政府は、依存を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていない。
ゲーム障害が国際的に疾患として認められたことで、予防対策や適切な治療を求める声が強まるとみられる。
ゲーム障害は、依存性のある行動で日常生活に障害をきたす精神疾患の一種とされた。
日常生活に支障が出ても、ゲームを優先する状態が12カ月以上みられる場合で症状が重い場合は、より短期で診断できるとした。
ただし、飲酒同様、ゲームをする行為自体が問題とされたわけではない。
国内で初めて専門外来を開いた、国立病院機構久里浜医療センターの樋口院長は、「公式な疾患になることで、ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気だと理解してもらえるようになって欲しい」と話す。
日本企業も加盟する、米国のゲーム業界団体など20カ国以上のゲーム業界団体が、ゲームに依存性はないと反対している。
WHO担当者は、「科学的な根拠に基づき、疾患に加えた。各国は予防や治療態勢の計画を立てるべきだ」と反論する。
さらに改訂版には、漢方医学など、古代中国に起源をもつ日本、中国、韓国独自の医学が、初めて「伝統医学」として加わった。
「気虚」といった患者の状態を表す用語が、漢方の診断「証」として列挙された。
慶応大の渡辺賢治教授(漢方医学)は、「東洋医学が民間療法ではなく、医療の一つとして国際的に認知された意味は大きい。診断や鍼灸(しんきゅう)や漢方薬などの効果の科学的な研究が進むだろう」と話す。
また、性同一性障害(GID)は「性別不合」という名称になり、精神疾患から外れた。
ジェンダーの多様性は病気ではなく、個人の状態だという考え方を反映した。
「国内でも、今後、学会の名称も含めて、呼称について議論したい」と、GID学会理事長の中塚幹也・岡山大教授は言う。
出典
『ゲーム依存症は精神疾患、WHOが認定』
https://digital.asahi.com/articles/ASL6M232BL6MUBQU001.html?rm=676
2018年6月22日18時14分にNHK奈良から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
天理市で、雨で増水した水路のすぐ脇の通学路を小学生たちが歩く様子がツイッターに投稿され、「危なすぎる」などと話題になり、市は急きょ、フェンスを設置する対策を取ることになった。
今月19日、雨で増水した水路のすぐ脇を複数の小学生が歩いている様子が、ツイッターに投稿された。
投稿された動画によると、通路は泥水につかってよく見えなくなっているうえ、水路と通路を区切る石の上を傘をさしながらバランスを取るようにして歩く子どもの様子も映っていた。
この動画が撮影されたのは、天理市の二階堂小学校の通学路に指定されている場所で、幅1m余りの通路の横に、最大で深さ65cm、幅1mの水路が通っている。
この学校に通う小学1年生の母親が今月19日の朝、子どもを送っていたときに撮影し、投稿した。
この母親は、先月、滋賀県甲賀市で小学1年生の女の子が側溝で流されて亡くなったことなどから、学校や市に対策を要望していたが、具体的な回答は得られていなかった。
今回、女性が投稿した動画は、22日までに再生回数が1万回を超えたほか、「危なすぎる」などと返信も寄せられるなど話題となり、動画を確認した天理市は、来月中にも水路と通路の間にフェンスを設置し、通路を舗装することを決めた。
天理市の並河市長は、「地域から寄せられた要望に、もっと早く対応できればよかった。水路やブロック塀など通学路を点検し、安全を確保していきたい」と話している。
一方、動画を投稿した母親は、「現場を見て、子どもが流されたら助からないと思った。反響に驚いたが、工事が決まってうれしい」と話している。
出典
『危険な水路沿い通学路対策へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20180622/2050000273.html
(ブログ者コメント)
危険個所は多数あるが予算は限られているため、先月、情報提供を受けても、そう簡単には動けなかったのかもしれない。
しかし、今回は迅速に対応した。
これは、ツイッターの反響が大きかったこともあるだろうが、今月、大阪北部地震が起きたことが、タイミング的に大きく影響しているような気がする。
というのは、今は、全国的に地震時に起きた高槻市の女児ブロック塀死亡事故の横展開点検中であり、しかも当該事故では、3年前の第三者指摘への対応が不十分だったと批判されているからだ。
2018年6月7日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
心理的ショックや過度の緊張状態が引き金となって、一時的に息苦しい状態を引き起こす「過呼吸」。
中には、胸の痛みやしびれ、けいれんなどの症状を伴うケースもあるという。
発症したときには、どう対処すればいいのか。
注意すべき点や素人が陥りがちな落とし穴について、専門家に聞いた。
【5秒で吐いて1秒吸う/紙袋使用は危険も/長期にわたれば診察を】
先月11日午後4時過ぎ、東京都港区のJR新橋駅前で、高校生7人が過呼吸の症状を訴えて病院に運ばれた。
いずれも遠足に来ていた女子生徒で、集合時間に遅れた一部の生徒が教員にしかられていたところ、連鎖的に具合が悪くなったという。
東京消防庁によると、生徒たちは手足のしびれや頭痛などを訴えていたが、7人とも意識はしっかりしており、症状は軽かった。
「速くて深い呼吸を繰り返すことで、血液中の二酸化炭素濃度が低下して起きる症状です。正式には『過換気』と呼ばれています」。
こう説明するのは、都立広尾病院・呼吸器科部長の山本和男医師。
「過換気」には、内臓疾患などが原因となる場合も含まれるが、特に、心理的な原因によるものは「過換気症候群」と呼ばれる。
「極度の興奮や緊張、恐怖によって引き起こされる症状です。男女比は約1対2といわれ、強い不安を抱えている人や神経質な人、きちょうめんな性格の人がなりやすいとされています」。
新橋のケースでは、しかられたショックがきっかけになったとみられている。
若い世代に多いのも特徴で、東京消防庁管内では、一昨年、過換気で約6400人が搬送されたが、3分の1以上が20代だ。
過換気の症状は、どんなメカニズムで起こるのか。
体内から二酸化炭素が大量に排出されると、血液はアルカリ性に傾く。
「これによって、手足にしびれや筋肉のけいれんが起きたり、動悸(どうき)や血管の収縮で胸などに痛みを感じたりする。また、二酸化炭素濃度が下がると、延髄から『呼吸をするな』という信号が出されるので、ますます呼吸が苦しくなる。吸っても吸っても空気が足りないように感じる『空気飢餓感』も、特徴的な症状です」
身近な人が過換気の症状を示した場合、まず落ち着かせること。
「過換気症候群は重い病気ではなく、命に関わることもありません。原因となっている不安を取り除き、会話に持ち込むことで、呼吸も整ってきます」。
発症してしまった人は腹式呼吸を意識するとよい、と山本さん。
「呼吸の割合を5対1にするつもりで、5秒ぐらいかけてゆっくり息を吐き、1秒かけて吸う。この時、深呼吸してしまうとまた二酸化炭素をたくさん吐き出してしまいます。『浅くゆっくり』を心がけてください」
かつては、紙袋を口にあてていったん吐いた息を再び吸わせる方法(ペーパーバッグ法)が取られたこともあるが、体内の酸素濃度が急激に下がって窒息状態になるケースもあり、安易な使用は危険だとされている。
また、鎮静剤や抗不安薬が投与されることもあるが、これにも問題がある。
「治療効果は高いのですが、たびたび発症する患者さんの場合、体が薬に慣れて、自分自身で治せなくなってしまいます。薬に頼るのではなく、発症のきっかけを自分自身でつかむことが大事です」
過換気症候群はあまり深刻に考える必要はないが、山本さんは「注意すべき点が二つある」と言う。
「過換気だと思っていたら実はぜんそくの発作だった、というケースがしばしばあります。高校生や20代になってぜんそくを発症した人の中には、息苦しい症状が共通しているため、過換気と思い込んでしまう場合があります」。
ぜんそくなら、呼吸器科医の治療が必要なことは言うまでもない。
ぜんそくには、発作が夜間から明け方に多いこと、気管支からヒューヒューといった音がすることなど、過換気と異なる特徴がある。
症状が続くようなら、専門医の診察を受けよう。
もう一つ、山本さんが注意しているのが、「パニック障害」が原因となっている場合だ。
「過換気症候群の約4分の1はパニック障害によるものといわれています。頻繁に発症するようなら、心療内科などの診察を受けた方がいいでしょう」
強い恐怖や不快感によって、窒息感、動悸、胸の痛みなど過換気と共通した症状があらわれるパニック発作。
こうした状態が繰り返し起こるのが「パニック障害」と呼ばれる病気だ。
「激しい運動時や危険を感じたときに働いて、体を活発化させるのが交感神経。その必要がないときに交感神経が興奮してしまうのが『パニック障害』です。なぜそうしたことが起きるのかは、まだわかっていません」。
こう話すのは、神経科・心療内科の「いそべクリニック」(愛知県)院長の磯部潮医師。
「パニック障害と過呼吸」(幻冬舎新書)の著者でもある。
「パニック障害」に多くみられるのが、「空間恐怖」と呼ばれる状態だ。
「特に多いのが、長いトンネルの中や高速道路、電車の中など、『逃げようとしても逃げ出せない場所』が怖くなってしまう場合です」。
こうした場所でパニック発作を経験し、「また発作が起きるかも」という不安から、その場所を避けるようになっていく。
「この不安は、拡大する傾向があります。電車が怖くなり、人混み自体が怖くなりと、苦手な場所が増えて、次第に行動範囲が狭まっていってしまうのです」
仕事にも影響が出たり、ついには外出できなくなったりすることも珍しくないという。
磯部さんは、「若い女性に多いのは確かですが、私も含めて誰でもかかる可能性がある病気でもあります」と言う。
過換気の症状が頻繁に起きて、日常生活に支障をきたすようなら、専門医の診察を受ける必要がある。
芸能界でも、自分がパニック障害だったと公表する人もあり、世間の認知も高まってきた。
磯部さんは、「社会の変化によって強いストレスを感じる人が増え、以前なら一時的な症状で済んだパニック発作が長期化し、パニック障害と診断される人が増えているのかもしれません」と指摘している。
出典
『どうすれば安全安心 過呼吸を発症したら 命に関わらない、落ち着いて』
https://mainichi.jp/articles/20180607/dde/012/040/008000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。