







2019年8月16日付で埼玉新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
人口減少が進む中、災害時に素早く、手厚い体制で対応するため、埼玉県や国が推進している複数の消防本部を統合する広域化の取り組みが遅れている。
埼玉県は現在27ある消防本部を統合し、7ブロックへ広域化する計画を立てている。
5選不出馬の上田清司知事は、定例会見などで、「(将来的に)市町村消防は一元化し、埼玉消防庁にしたらいい」と、全県1消防を提唱。
5人の新人が出馬している知事選(25日投開票)では、治水対策やテロ対策に言及する候補者はいるが、消防本部の広域化までは踏み込んでおらず、論戦は深まっていない。(知事選取材班)
【実現は1ブロックだけ】
県消防防災課は、広域化のメリットとして、消防力の強化による住民サービスの向上や消防体制の基盤強化を挙げる。
具体的には、消防車や救急車の出動態勢の充実、現場への到着時間の短縮、通信指令や事務部門を含む効率的な人員配置、財政の効率化などが期待できるという。
2006年の消防組織法の改正により、都道府県に広域化計画の策定が義務付けられた。
県は08年度、県内36カ所(当時)の消防本部を、12年度を期限に、7ブロックに広域化する計画を策定したが、本部の設置場所や財政負担を巡る調整が難航。
予定通りに広域化が実現したのは、第4ブロックの埼玉西部(所沢市、飯能市、狭山市、入間市、日高市)だけ。
第7ブロックも、当初の枠組みから羽生市と蓮田市が抜け、埼玉東部(加須市、久喜市、幸手市、白岡市、宮代町、杉戸町)にとどまっている。
【策定期限は再延長】
全国的に広域化が進まないことから、計画の策定期限は13年度から5年間延長され、さらに24年4月1日まで延長されている。
同課は、「県内でも、地域によって人口規模にばらつきがあり、小規模自治体の消防本部は、現状のままでは維持が難しくなる。広域化のメリットは市町村側にも理解されているはず」と話す。
広域化を促すため、国は優先的に財政支援を行う重点地域指定を導入。
広域化の機運が高い管轄人口10万人未満の消防本部の自治体を知事が指定する。
県内では14年に草加市と八潮市、上尾市と伊奈町をそれぞれ指定。
草加市と八潮市では16年に広域化したが、上尾市、伊奈町はまだ実現していない。
同課は、地元から危機管理の中枢機能がなくなることへの不安や財政、業務負担増への懸念、大規模災害発生時の消防団との連携を不安視する声などがあることから、広域化が進まないとみている。
上尾市消防本部は、「(上尾市と伊奈町の)両首長、職員を含めて協議を進めている。
両消防本部の業務範囲などの相違や課題など細かい部分を詰めて、なるべく早く実現したい」としている。
【広域化対象市町村の組み合わせ】
第1ブロック=さいたま、上尾、伊奈、県央広域(鴻巣・桶川・北本)
第2ブロック=川口、蕨、戸田
第3ブロック=川越地区(川越・川島)、比企広域(東松山・滑川・嵐山・小川・吉見・ときがわ・東秩父)、県南西部(朝霞・志木・和光・新座)、入間東部地区(富士見・ふじみ野・三芳)、坂戸・鶴ケ島(坂戸・鶴ケ島)、西入間広域(毛呂山・越生・鳩山)
第4ブロック=埼玉西部(所沢・飯能・狭山・入間・日高)
第5ブロック=熊谷、深谷、行田、秩父(秩父・横瀬・皆野・長瀞・小鹿野)、児玉郡市広域(本庄・美里・神川・上里)
第6ブロック=春日部、越谷、三郷、草加八潮(草加・八潮)、吉川松伏(吉川・松伏)
第7ブロック=羽生、蓮田、埼玉東部(加須・久喜・幸手・白岡・宮代・杉戸)
http://www.saitama-np.co.jp/news/2019/08/16/09_.html
※以下は、全国的に広域化が難航しているという昨年の日経記事。
(2018年2月13日 日本経済新聞夕刊)
総務省消防庁は、複数の消防本部を統合して広域化する取り組みの期限を4月1日から6年延長し、2024年4月1日までにする。
再編が十分に進んでいないためだ。
今後、10年後の消防体制や広域化の進め方を再検討するよう、都道府県に要請。
統合に伴う費用の財政支援は継続する。
消防庁は当初、12年度末を期限に、本部ごとの管轄人口を30万人以上とする目標を掲げていたが、本部の設置場所や財政負担を巡る調整が難航。
期限を今年4月まで延ばし、管轄人口に関係なく広域化を進めたものの、今でも約730ある本部のうち、管轄人口10万人未満は全体の約6割を占める。
広域化は、災害時の大量動員、機材の効率的な更新がしやすくなるメリットがある。
人口減少が進む中、消防庁は「将来も持続できる体制の確立には、広域化が最も有効」としている。
各消防本部は今夏までに、人員や施設の現状を分析。
都道府県単位で消防本部のあり方を議論し、19年度中に広域化推進計画を改定する。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26826580T10C18A2CR0000/
2019年8月2日18時4分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年2月、「県下一周駅伝」の開催中、霧島市国分野口北の交差点で軽乗用車と乗用車が衝突し、乗用車の助手席でチャイルドシートに座っていた生後6か月の女の子が車の外に放り出されて死亡したほか、1人が重傷、2人が軽いけがをした。
現場は信号機のある交差点だったが、駅伝のため警察官が1人で交通整理を行っていて、手信号で軽乗用車に向かって発信を許可したという。
このため交差点に進入したところ、左から乳児が乗っていた車が直進し、衝突した。
調べを進めてきた警察は、当時、交通整理をしていた巡査部長(37)が、安全確認を十分にしないまま発進の指示を出したのが事故の原因だと判断し、2日、業務上過失致死傷の疑いで書類送検した。
また、軽自動車を運転していた霧島市に住む88才の男性についても、注意義務を怠ったとして、過失運転致死傷の疑いで書類送検した。
鹿児島県警察本部の吉國交通部長は、「交通整理中の警察官の過失により交通事故を発生させたことは、ご遺族をはじめ、けがをされた方や県民のみなさまに改めておわび申し上げます。再発防止のため、より一層職員の指導を徹底して参りたい」とコメントしている。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20190802/5050007514.html
8月2日20時4分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県警交通指導課によると、巡査部長は同年2月21日午後0時45分ごろ、県内を1周する駅伝のため交通規制していた市道交差点へ乗用車が近づいているのに、交差する道路で停止していた軽乗用車に発進するよう指示。
現場は片側1車線で、事故は駅伝走者が通過する10分ほど前だった。
https://www.asahi.com/articles/ASM8255PGM82TLTB00B.html
※事故発生当時の報道は下記参照。
(2018年2月21日20時19分 朝日新聞)
21日午後0時45分ごろ、鹿児島県霧島市国分野口北の市道交差点で、無職・池田さん(男性、87歳)の軽乗用車と、会社役員・篠原さん(37)=いずれも市内=の乗用車が出合い頭に衝突。
篠原さんの車の助手席にいた長女(6カ月)が車外に放り出され、死亡した。
チャイルドシートは使用していたという。
県警交通規制課によると、現場は県下一周市郡対抗駅伝競走大会のために交通規制中。
霧島署の30代の男性巡査部長が交差点の角に立ち、池田さんの前にいた車2台を左折させた。
その直後に池田さんの車が直進して、事故が起きた。
巡査部長は、「直進車を止めるつもりだった」という趣旨の話をしているといい、県警が詳しい状況を調べている。
現場は片側1車線。
先頭走者が近付いていて規制しており、篠原さん側の車線は常に青信号、池田さんの車線は赤信号だった。
池田さんと妻(84)、篠原さんの3人も軽いけがをした。
https://www.asahi.com/articles/ASL2P5VV9L2PTIPE021.html
(2020年1月20日 修正1 ;追記)
2020年1月14日19時31分にNHK鹿児島から、交通整理していた警察官に罰金100万円という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし2月、「県下一周駅伝」の際に起きた乳児が死亡する事故で、当時、手信号で交通整理をしていた巡査部長が業務上過失致死などの罪で略式起訴され、裁判所から罰金100万円の略式命令を受けました。
略式命令を受けたのは、鹿児島中央警察署に所属する30代の巡査部長です。
おととし2月の県下一周駅伝の際、霧島市国分野口北の交差点で車同士が衝突する事故が起き、生後6か月の女の子が車の外に放り出されて死亡しました。
その後、警察は、事故当時、手信号で交通整理をしていた巡査部長が安全確認を怠り、車に発進の指示を出したのが事故の原因だとして、業務上過失致死などの疑いで書類送検していました。
この巡査部長について、鹿児島区検察庁は、先月27日付けで業務上過失致死などの罪で略式起訴し、鹿児島簡易裁判所は、今月9日付けで、罰金100万円の略式命令を出しました。
県警察本部は今後、巡査部長の処分について検討するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20200114/5050009033.html
※キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2019年7月30日5時22分にNHK長崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
28日、佐世保市消防局が119番通報を受けた際、救急車のカギが所定の置き場所になかったため、最寄りの救急隊が出かけられず、出動に遅れが出ていたことがわかった。
同局によると、28日午後5時24分、佐世保市内にある老人福祉施設の職員から、「80代の入所者の女性の意識と呼吸がない」と119番通報があった。
これを受けて、中央消防署の最寄りの出張所に救急車と消防車の出動指令が出された。
しかし、救急車のカギが所定の場所になかったため出動できず、改めて本署の救急車を出動させたため、先に現場に到着していた消防車に比べて7分遅れて到着したという。
消防車が現場に駆けつけた時には、女性は心肺停止の状態で、消防隊が救命措置を行ったが、病院に搬送後に死亡が確認されたという。
同局によると、救急車のカギは置き場所が決まっているが、この日は、隊員が前の出動で使った道具を消毒する際に、消毒室にカギを置いたことを忘れていたという。
また、通常は3人の救急隊員それぞれに1本のカギを渡しているが、この日は代用車を使っていたため、カギが1本しかなかったという。
同局は、女性が死亡したことと救急車が遅れたこととの関連について、今後、調査するとともに、代用車を使う場合でも3人の救急隊員全員にカギを渡すことにしている。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190730/5030004693.htmlhttps://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190730/5030004693.html https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20190730/5030004693.html
2019年7月17日11時43分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県警察学校(岡山市北区)で昨年12月、訓練中に教官の男性警部補がサバイバルナイフで新人巡査だった男性を誤って刺したとして、業務上過失傷害罪で今年3月に略式起訴され、罰金50万円の略式命令を受けていたことが判明した。
刺された巡査は今年1月に依願退職した。
県警は翌2月、男性警部補を所属長訓戒処分にしたが、「発表する対象の事案ではない」として明らかにしていなかった。
県警などによると、昨年12月10日に凶器を持った犯人を1対1で取り押さえる訓練を実施した際、警部補が模造刀を持って犯人役を担当。
説得を受けて模造刀を手放した後にもみ合いになり、隠し持っていた本物のサバイバルナイフを出して元巡査の胸を2回刺し、うち1回は肺の一部に達した。
元巡査は数日間入院した。
サバイバルナイフは別の授業で使ったもので、訓練に使う予定はなかったが、男性警部補は県警の調べに対し、「緊張感を出すために本物のナイフを出した。刺すつもりはなく、寸前で止める予定だった」と説明しているという。
元巡査は6月に県を相手取って、慰謝料など550万円を求めて岡山地裁に提訴した。
県警監察課は、「県として誠実に対応していく」とコメントした。
出典
『岡山の警察学校教官、訓練中にナイフで巡査刺す 「緊張感出すために本物を」』
https://mainichi.jp/articles/20190717/k00/00m/040/059000c
7月17日10時54分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
訓練では本来、模造刀を使う運用だが、警部補は銃刀法違反を説明する別の授業で使った本物のナイフを持ち込んでいた。
元巡査側の主張では、模造刀をいったん置き、ナイフを持ち出したという。
県警は、警部補が「けがをさせるつもりはなかった」との趣旨の説明をしたとしているが、なぜ持ち込んだのかは明らかにしていない。
元巡査は1月、依願退職。
警部補は現在も県警に在籍している。
出典
『警察学校の教官、巡査刺す 訓練なのに本物のナイフ使う』
https://digital.asahi.com/articles/ASM7K32FGM7KPPZB00C.html?rm=342
7月17日10時24分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ナイフの刃の部分には、カバーのようなものが付けられていた。
出典
『警察学校教官が誤ってナイフで巡査刺す 訓練中』
https://www.sankei.com/affairs/news/190717/afr1907170005-n1.html
(2019年7月26日 修正1;追記)
2019年7月25日13時40分に毎日新聞から、元巡査は刺した警部補が逮捕されないことに怒っており、県に損害賠償を求め提訴したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
元巡査の男性(19)が毎日新聞の取材に応じ、「何も知らないまま刺された。一般人なら逮捕されるのに、(警部補は)なぜ逮捕されないのか」と、県警の対応の甘さに怒りをあらわにした。
元巡査は県(県警)を相手取り、慰謝料など550万円の損害賠償を求めて岡山地裁に提訴しており、26日に初弁論が開かれる。
元巡査は、高校卒業後の昨年4月、警察学校に入り、警察官の道へ。
昨年7月の西日本豪雨で大きな被害を受けた同県倉敷市真備町地区で人々を助ける機動隊員を見て、「柔道で鍛えた体力を生かして機動隊員になり、人を助けたい」と夢を描いていた。
訴えなどによると、訓練は昨年12月10日に実施。
模造刀を持って暴れる犯人を説得し、捨てさせる想定だった。
元巡査が、犯人役の警部補に刃物を捨てるよう呼びかけると、一旦応じたが、直後に警部補は腰に隠し持っていた本物のサバイバルナイフを取り出して元巡査に突進し、胸を2回刺したという。
元巡査は、何が起こったか分からないまま、病院に運ばれた。
刺し傷は肺に達し、入院したが、3日後に退院。
翌日に警察学校に復帰すると、警部補はいつも通り学校にいたという。
元巡査は不信感が募り、精神的にも落ち込んだ。
今年1月に退職、県警に被害届を提出した。
県警によると、警部補は「緊張感を出すためだった」と理由を語ったというが、元巡査が県警から理由を聞かされたのは退職後だった。
男性は、その後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、「嫌がらせされるかも」との不安から、県外に引っ越すつもりだという。
警部補は業務上過失傷害罪で4月に罰金50万円の略式命令を受けた。
また、県警は2月、警部補を所属長訓戒としたが、7月に報道陣の取材を受けるまで公表していなかった。
【ジャーナリストの大谷昭宏氏の話】
「これは本物だぞ」といって緊張感を出すのはまだ分かるが、いきなり刺しておいて、それが本物だったというのでは、「緊張感を出すため」という理由は通らない。
極めて悪質な事案である可能性があり、県警が公表しなかったのは隠蔽と言われても仕方がない。
警部補は50万円の罰金が確定したのに、懲戒免職にならないのもおかしい。
出典
『なぜ逮捕されないのか」訓練中、警部補に刺された元巡査が怒り 賠償提訴、岡山地裁で第1回弁論へ』
https://mainichi.jp/articles/20190725/k00/00m/040/091000c
(2010年2月6日 修正2 ;追記)
2020年2月5日11時8分に読売新聞から、和解が成立したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県に慰謝料など550万円を求めた訴訟が岡山地裁であり、県が解決金200万円を支払うことで和解した。
1月21日付。
解決金はすでに支払われた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200205-OYT1T50120/
2019年7月3日7時2分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
上越地域消防事務組合が火災の原因調査について学べるアプリを開発し、火災の予防に積極的に取り組んだことが評価され、最優秀賞にあたる消防庁長官賞を受賞した。
受賞したのは、上越市と妙高市を管轄する上越地域消防事務組合。
同組合は、去年夏、職員の提案で、火災の出火原因などを調べる「火災調査」を学べるアプリを開発した。
このアプリには、1000枚以上の火災現場のCG映像が使われ、さまざまな現場を見ながら、どんな調査が必要か、何が原因と考えられるかなどを選択肢から正解を選ぶ形式で学ぶ仕組みになっている。
このアプリは、判断が的確かどうかも採点される仕組みで、消防学校や県内の消防署の研修などで教材として活用されているという。
総務省消防庁によると、こうした研修はこれまでにほかに例がないということで、同組合は、このほど消防庁の表彰の最優秀賞にあたる消防庁長官賞を受賞した。
同組合の伊藤消防長は、「最高位の表彰をいただき、感極まっている。火災や被害者を出さないことが最重要な課題なので、全国の消防職員にアプリを利用していただいて、1件の火災、1人の被害者を減らすように役立ててほしい」と話している。
出典
『火災原因学べるアプリで最優秀賞』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190703/1030008465.html
6月3日17時59分に上越タウンジャーナルからは、より詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
上越地域消防事務組合は、火災の原因などを様々な角度から調べる「火災調査」業務をゲーム感覚で学べる「火災調査シミュレーションアプリ」を開発した。
担当した同組合消防本部予防課火災調査係長の入村さん(男性、39歳)は、「消防本部の垣根を越えて、全国の消防職員に教材として活用してほしい」と話している。
※アプリ説明動画(7分弱)
入村係長は2014年4月、同課に配属され、消防大学校火災調査課で学んだ。
「全国水準の火災調査を叩き込まれた。火災調査について『みんなに伝えなければいけない』という義務があった」と当時を振り返る。
伊藤消防長の「人の胸に届く新しい仕事をやろう」という言葉を胸に、周囲の助けを得ながらアプリ制作に没頭した。
これまで学んだ火災調査の知識や書類作成に必要なもの全てを盛り込み、1000枚以上の火災のCGを作成。
ストーリーは原稿用紙400枚以上にものぼった。
火災調査で長い経験を持つ先輩にも監修を依頼した。
入村係長は、「みんなが調査の目を持ち、みんなの知恵を結集して判定者にパス(渡す)することができればと思い、続けてきた」。
アプリ「火災調査 もう一つの火災現場へ」は、架空のアパートにおける火災調査を通して、実際の調査手順を踏みながら、必要な情報を学び、原因判定までを行う内容。
数多くの選択肢や見分箇所を自ら選んで物語を進める仕組みだ。
「火災調査の知識がないと、ゲームオーバーになる。無事に物語の結末にたどり着いたプレーヤーは教本の基礎知識が身に付くよう設計した」と入村係長。
アプリ制作を手伝った同じ予防課の清水さん(男性、31歳)は、「笑いもあるし、涙がでるほどに感動する話になっているんです」と話す。
現在は、同組合の職員全員がこのアプリで学んでおり、特に経験の少ない若い職員の知識向上などに役立っているという。
アプリは現在、全国の消防職員に“無期限貸与”も行っており、入村係長は、「同じ悩みを抱える人たちの役に立つ。日本の消防のためになるアプリだと思っている。消防に携わる多くの人たちに利用してもらいたい」と話している。
▼アプリの貸出規定はこちら(上越地域消防事務組合)
【消防庁長官賞を受賞】
同アプリが消防本部の予防業務における優れた取り組みになったとし、全国で最高賞「消防庁長官賞」を受賞した。
選考会議では、56団体の応募の中から選考委員が審査。
同組合が長官賞4団体の一つに選ばれた。
選考委員は、「消防庁でも大都市消防本部でも手をつけてこなかったシミュレーション訓練に、中規模本部が『アプリ開発』という形で挑戦し、結果に結びついたところが素晴らしい」と評価された。
出典
『上越消防が火災調査アプリ開発 消防庁長官賞を受賞』
https://www.joetsutj.com/articles/83865926
(ブログ者コメント)
〇アプリ説明動画は、ちと展開が早く、文字など読み取りにくいが、このアプリがどういうものかは理解できる。
〇貸出規程には、一般公開用ではなく、消防職員専用と書かれて
いる。
2019年6月23日19時33分にNHK東海から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
名古屋市千種区の住宅街で不発弾が見つかったことを受け、23日、周辺に住む住民3300人余りが避難する中、不発弾を処理する作業が行われた。
6月6日、名古屋市千種区の住宅街で重さおよそ250キロの不発弾が見つかったことを受け、23日午前10時すぎから、陸上自衛隊が不発弾を処理する作業を行った。
作業に先立って、不発弾が見つかった場所から半径およそ300mの範囲の住民3300人余りが避難し、消防隊員などが住宅を回って、残っている人がいないかを確認していた。
また、作業にあわせて、一時、名古屋市営地下鉄や名古屋高速道路の一部の区間が運休や通行止めとなり、地下鉄桜通線の吹上駅では、人が立ち入らないよう出入り口のシャッターがおろされた。
そして、不発弾の処理作業は午前11時半すぎに終了し、住民の避難や交通機関の規制が解除された。
不発弾処理隊の西山・3等陸佐は、「爆弾自体はさびているが、へこみやゆがみがなく非常に状態がよかったので処理が順調に進んだ」と話していた。
撤去された不発弾は自衛隊の施設に運ばれ、後日、爆破して処分されることになっている。
出典
『千種区の住宅街で不発弾処理』
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20190623/3000005329.html
(ブログ者コメント)
○以下は映像の一部。
周辺道路は通行止めとなり、近くの小学校には自衛隊や消防などの合同対策本部が設立されていた。
不発弾の処理がこれだけ詳細に映像として報じられるのは珍しいかと思い、紹介する。
○不発弾が見つかった経緯などについては下記記事参照。
2019年6月14日掲載
[昔] 2019年5月31日 沖縄県宜野湾市の畑周辺で子供たちが石ころのようなものを見つけ投げて遊んだりしていたが、実は手投げ弾だった、愛知や鹿児島でも不発弾発見の報道
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9736/
2019年6月14日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午前9時45分ごろ、栃木県壬生町の北関東自動車道壬生パーキングエリア(PA)に停車中の航空自衛隊の車両から「積んでいた弾薬が荷ずれしたようだ」と、東日本高速道路に連絡があった。
警察や空自によると、荷台に積んでいた短距離地対空誘導弾の実弾8発(1発約190kg)の一部が動いていた。
誘導弾は信管が外され、爆発の恐れはなかったという。
警察などによると、誘導弾は点検のため、茨城県小美玉市の百里基地から石川県小松市の小松基地に輸送中だった。
ベルトで固定していたが、運搬中に誘導弾が動いた気配がしたため、車両は同日午前8時過ぎに同PAに入った。
別の車に移して百里基地に戻したという。
警察は、同PAへの車両の進入を約1時間40分にわたり規制した。
出典
『空自 車両積載、誘導弾荷ずれ 北関東自動車道』
https://mainichi.jp/articles/20190614/ddm/041/040/079000c
6月13日12時0分にFNN PRIMEからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
栃木県の北関東自動車道で、自衛隊の車両が荷崩れを起こしたという。
車に積まれていたのが、弾薬だとみられている。
13日午前11時50分現在、パーキングエリアの中で積み直し作業が行われているもよう。
出典
『【速報】弾薬か? 自衛隊車両荷崩れ 北関東自動車道』
https://www.fnn.jp/posts/00419187CX/201906131200_CX_CX
6月13日15時56分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北関東自動車道を走行中、荷崩れを起こした航空自衛隊車両の弾薬積み直し作業は13日午後、終了した。
作業による栃木県壬生町の壬生パーキングエリア(PA)の車両進入規制は、1時間40分で解除された。
空自や警察によると、積んでいたのは短距離地対空誘導弾の実弾8発で、弾薬は1発当たり190kg。
壬生PAで確認したところ、3段にして積んでいた実弾の一部が動いていた。
茨城県の百里基地に配備されており、定期整備のため整備機材がある石川県の小松基地に向けて運搬中だった。
弾薬には起爆しない処理がされており、路上に落下しても暴発の恐れはなかったとしている。
出典
『地対空誘導弾の積み直し終了 北関東道の規制解除』
https://www.sankei.com/affairs/news/190613/afr1906130036-n1.html
(ブログ者コメント)
FNN PRIMEの掲載写真には、荷崩れを起こした車両からケースを積み替え、赤いベルト状のもので荷台に固定しているらしき様子が写っている。
2019年6月7日6月7日18時3分にNHK香川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後6時40分すぎ、高松市丸亀町にある焼き肉店の従業員から「換気扇から火が出ている」と、消防に通報があった。
消防車両13台が駆けつけて放水を行い、消防は現場の温度などを計測したうえで、およそ1時間半後の午後8時すぎに鎮火を宣言した。
警察によると、この火事で1階の厨房にある換気扇のダクトやコンロが焼けたものの、当時、店内にいた客と店員、合わせて11人は全員、店の外に避難したため、けが人はいなかったという。
その後、焼き肉店は営業を取りやめ、入り口を閉鎖していたが、7日午前0時すぎ、近くを通りかかった人が、同じ店から煙が出ているのを見つけて消防に通報した。
駆けつけた消防が、店内の一部から火が出ているのを確認して再び放水し、7日午前9時すぎになって店のオーナーなどの立ち会いのもと、再び鎮火を宣言した。
警察と消防は、同じ店で立て続けに火事が起きた原因について、詳しく調べている
出典
『同じ焼き肉店で2度火事』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20190607/8030003838.htmlhttps://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20190607/8030003838.html
(ブログ者コメント)
鎮火宣言後、しばらくして再度火が出た事例は、今年5月に小浜市であったばかりだ。(本ブログ掲載スミ)
2019年6月7日19時37分にNHK島根から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今月5日、救急出動の要請を受けた大田市の大田市消防本部で119番通報を知らせる受信機の音が鳴らず、4分にわたって見逃していたことがわかった。
大田市消防本部によると、今月5日の午前4時ごろ、市内の住宅から「家族の男性の意識がない」と救急車の出動を要請する119番通報があった。
消防本部の通信指令室にある119番の受信機は、通常、電子音と緑色のランプの点滅で通報が入ったことを知らせるが、この時は機器の音が鳴らず、当直の職員は見逃したという。
男性の家族は119番に電話をかけ続け、通信指令室の職員は最初の通報から4分後の5回目の通報でようやくランプの点滅に気づき、救急車に現場へ向かうよう指示したが、男性は心肺停止の状態で病院に搬送され、搬送先の病院で死亡が確認された。
医師の診断の結果、男性は最初の通報よりも前に死亡していたことが確認されたということで、大田市消防本部では「死亡との因果関係はない」としているが、遅れについて遺族に謝罪したという。
受信機が鳴らなかった原因については調査中ということだが、大田市消防本部では、受信機を点検に出すとともに予備のものに交換し、現在は正常に作動しているという。
大田市消防本部の幸村消防長は、「市民の皆様に多大なご迷惑をお掛けし申し訳ございません。こうしたことを二度と起こさないよう、再発防止と原因究明を徹底して参ります」と話している。
出典
『救急要請4分にわたって見逃し』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20190607/4030002897.html
(ブログ者コメント)
当直の職員は1人だけだったのだろうか?
また4分の間、どこで何をしていたのだろうか?
もし、通報に備えて所定の席で待機していたが、そこからはランプの点滅が見えなかった・・・ということであれば問題だ。
2019年5月31日7時20分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月30日午後6時10分ごろ、同28日に全焼した福井県小浜市塩竃の鉄筋4階建て店舗兼住宅ビルから出火、3、4階の一部を焼き、約20分後に消し止めた。
けが人はなかった。
警察は、放火の可能性は低いとみて調べている。
現場は市中心部の「まちの駅」から約200m北側の住宅密集地。
28日は、このビルと倉庫の計2棟が全焼し、空き家1棟が半焼した。
28日は午後7時半ごろ出火、約2時間半に鎮火した。
約44時間を経て同じビルから火が出たことに対し、規制線外から現場を見つめた住民たちは、「何度もかなわん」、「消えたんじゃなかったのか」などと困惑していた。
若狭消防署は30日、午前8時半と午後2時ごろに署員を現場に派遣、安全を確認していたという。
同消防は火事を受け、ビル付近に署員を配置し夜通しで警戒に当たらせることにした。
出典
『2日前に全焼のビルからまた出火 小浜、住民困惑「何度もかなわん」』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/864784
※28日の火事は下記参照。
(2019年5月29日17時10分 福井新聞)
5月28日午後7時半ごろ、福井県小浜市塩竃の鉄筋4階建てビルから出火、南隣の鉄骨2階建て倉庫と合わせて2棟を全焼、さらに倉庫の南隣の木造2階建て住宅を半焼し、約2時間半後に消えた。
出火当時、ビルにいた人は全員逃げ出して無事だった。
警察などが原因を調べている。
現場は、市中心部の「まちの駅」から約200m北側の住宅密集地。
警察と近くの住民らによると、ビルの1階が喫茶店で、2階以上に人が住んでいた。
倉庫は出火当時無人だった。
住宅は空き家という。
現場は消火作業を見守る住民で騒然となった。
消火作業中、ビルの一部がガラガラと音を立てて崩れ火の粉が舞い上がった。
現場一帯が白い煙に包まれ、住民から大きなどよめきが上がった。
近くに住む女性(75)は、「ドンという爆発したような音が聞こえた。外に出ると、ものすごい勢いで燃え上がる炎が見えてとても怖かった」とおびえた様子で語った。
出典
『住宅密集地のビル出火、3棟全半焼 小浜市、全員逃げ出しけが人なし』
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/863837
2019年5月26日23時45分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山県警は26日、同県かつらぎ町新城の山林火災で消火活動をしていた伊都消防組合の消防司令補、道浦さん(男性、48歳)が山中の斜面を約70m滑落して死亡したと発表した。
道浦さんは同日午後2時45分ごろに滑落し、ヘリコプターで病院に運ばれたが、死亡が確認された。
火災は25日午後2時半ごろに発生。
別荘地で草刈りをしていた男性のたき火が燃え移り、木造の別荘2棟を全焼、1棟の外壁などを焼損し、山林にも広がった。
道浦さんは急斜面を下りながら消火していたが、命綱が外れていたといい、県警などが原因を調べている。
出典
『火災現場で消火活動中の消防隊員が滑落死 和歌山』
https://mainichi.jp/articles/20190526/k00/00m/040/195000c
5月27日9時21分にNHK和歌山からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午後2時40分ごろ、かつらぎ町新城で山林火災の消火活動にあたっていた伊都消防組合消防本部の道浦消防司令補(48)が、およそ70m下のがけに転落した。
道浦司令補は病院に運ばれたが、体を強く打っていて死亡した。
現場周辺では、25日の午後に山林火災が発生し、消火活動の結果、26日の正午すぎにほぼ消し止められたことから、道浦司令補は、残り火がないかなどを確認していたということで、警察は当時の状況を詳しく調べることにしている。
伊都消防組合消防本部は、「原因を調査中で、まだコメントができない」としている。
現場は、和歌山市から東に30kmほど離れた、山あいに別荘が点在する地域
出典
『消防隊員 がけ下に転落し死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20190527/2040002799.html
2019年5月24日18時24分にNHK千葉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大規模な火災が発生した石油コンビナートなど、人が近づけない危険な現場で複数のロボットが連携して消火に当たるシステムが、全国で初めて千葉県市原市の消防局に配備された。
8年前の東日本大震災では市原市の製油所で火災が発生し、消防隊員が近づいて消火できなかったため、10日間にわたって燃え続けた。
消防ロボットシステムは、こうした事態を教訓に総務省消防庁などが開発したもので、全国で初めて市原市消防局に配備されて24日、部隊の発足式が行われた。
このシステムは、役割の異なる複数のロボットで構成されている。
大規模な火災が発生すると、まず「ドローン型ロボット」と「偵察ロボット」が上空と地上から状況を確認して消火の必要な場所を判断し、障害物を避けて現場に近づけるルートを探る。
その情報を基に「放水ロボット」が現場に向かい、風向きなどを考慮したうえで、最大で1分間に4トンの放水を行って延焼を防ぐという。
放水ロボットは500℃の熱にも耐えられるため、火元に接近して効果的に活動することが期待されている。
消防ロボットシステムが配備された市原市消防局特殊装備小隊「スクラムフォース」の佐藤隊長は、「隊員の安全を確保しながら迅速に対応し、被害の軽減に取り組みたい」と話していた。
出典
『ロボットが連携して消火 初配備』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190524/1080005876.html
※ちょっと前、2019年3月22日17時58分に日本経済新聞からは、都内で公開された放水ロボの写真付きで、機能などに関するやや詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防庁は22日、工場の石油タンクなどの大規模火災向けロボット消防システムを都内で公開した。
偵察用のドローンや放水するロボットなど4台が連携し、人の代わりに、危険を伴う現場の消火活動にあたる。
2019年度から千葉県市原市の消防局に配備し、有効性を確かめながら活用を進める。
現場には、指令機能も備えた10トン車両に載せて運ぶ。
4台のうち2台は偵察用。
ドローンが上空から、車輪などがついた走行ロボットが地上から、周辺状況をそれぞれ偵察して火元などを確かめる。
残りの2台が放水する。
火元に向けて放水したり、放水ホースを人が安全に作業できるところまで延長したりする役割をそれぞれ担う。
射程距離は70mで、1分間に4000ℓの水を出す。
放水ロボットは耐火性にも優れる。
直径約100mの国内最大級の石油タンクが燃え上がった時の熱にも耐えられるよう設計した。
ドローンやロボットの指示は、指令機能を備える車両から行う。
ロボットから伝送される画像や測定データを指令システムが解析し、適した移動ルートや放水位置を自動で導き出して提案する。
消防隊員の最終的な判断に基づき、各ロボットに指令を伝送して消火活動をする。
出典
『消防庁、大規模火災向け消火ロボ 19年度から配備』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42785060S9A320C1000000/
3月22日20時37分に毎日新聞からは、ドローンロボットの写真付きで、同趣旨の記事がネット配信されていた。
人工知能(AI)を搭載し、大規模な石油コンビナート火災などに対応する消防ロボットシステムが今春、千葉県市原市に導入される。
総務省消防庁が5年がかりで民間企業や大学と開発した。
導入は全国初となる。
コンビナート火災では、現場に消防隊員が近づけない可能性があるため、地上と上空から状況を確認する地上走行タイプとドローンタイプの「偵察・監視ロボ」2機の情報を基に、放水場所へのルートを指令システムが自動で提案。
ホース先端を装着した「放水砲ロボ」と「ホース延長ロボ」が地上から現場に向かう。
放水の角度は、風向きなどからAIが判断する。
消防庁によると、遠隔操作できる放水ロボは既にあるが、複数のロボが協力して活動したり、行動経路や放水先を自ら判断したりするタイプは初めて。
指令システムがある搬送車両から最大で約300m離れた現場でも放水でき、消防隊員の被災リスクを軽減できる。
研究・開発費は総額約13億8000万円。
市原市によると、同市の東京湾岸にある石油コンビナートでは、2011年3月の東日本大震災で大規模な爆発火災が発生。
鎮火したのは10日後だった。
このため、首都直下型地震が起きた場合の被害対策として、いち早く同市への導入が決まった。
市消防局は、「人の目が届かない現場でも活動でき、被害が拡大する前に対応できる」と期待する。
消防庁消防研究センターの天野特別上席研究官は、「5つの企業・大学と協働し、日本の技術の粋を集めた。殉職者を出さず災害を最小限に抑えたい」と話している。
4月中に同市八幡消防署に配備され、運用開始は6月を予定している。
出典
『AI活用の消防ロボ、千葉・市原に全国初配備 コンビナート火災に対応』
https://mainichi.jp/articles/20190322/k00/00m/040/217000c
2019年5月6日7時20分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
学校で心停止になった子どもにAEDが使われたかどうかを調べたところ、小学生と中学生では男女差がなかったのに対して、高校生では女子生徒に使われる割合が3割ほど低くなることが、京都大学などの研究グループの調査でわかった。
京都大学などの研究グループは、平成20年から27年にかけて全国の学校の構内で心停止になった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べた。
その結果、小学生と中学生では、男女の間で有意な差はなかったが、高校生では、男子生徒の83.2%にパッドが装着されたのに対して女子生徒は55.6%と、30ポイント近く低くなっていた。
AEDは心臓の動きを正常に戻す医療機器で、鎖骨の下などの素肌に直接パッドを貼る必要があり、研究チームでは、女子高校生の場合、近くにいた人たちが素肌を出すことに一定の抵抗があったのではないかと分析している。
心停止の状態で何もしないと救命率は1分たつごとにおよそ10%ずつ下がるため、救急隊の到着する前にできるだけ早く胸骨圧迫=心臓マッサージをしてAEDを使うことが大切だ。
研究グループのメンバーで京都大学健康科学センターの石見拓教授は、「パッドは服を完全に脱がせなくても貼ることができ、貼ったあとに服などをかぶせてもよい。命を救うため、女性にもAEDを迷わず使ってほしい」と話している。
倒れて意識がない女性に救命処置を行う場合、どんな配慮や工夫ができるのか。
京都大学健康科学センターの石見拓教授によると、
①声をかけ、意識がなければ119番に通報して、近くの人にAEDを持ってきてもらうように頼む。
②呼吸をしていない、またはよくわからなければ、胸骨圧迫=心臓マッサージを始める。
③AEDが届いたら電源を入れ、2枚のパッドを素肌に貼るが、服をすべて脱がす必要はなく、下着をずらして、右の鎖骨の下と左の脇腹の辺りに貼ることで対応できる。
④貼ったあとは、上から服などをかけても大丈夫。
石見教授は、「AEDのパッドは貼るべき位置に貼れば、服をすべて脱がさなくても問題はない。女性であっても男性と同じだけの救命のチャンスが与えられるべきで、訓練の場などで女性への対応の仕方を広く伝えていきたい」と話している。
出典
『AED 女子生徒に使われない!』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190506/0029328.html
2019年5月1日付で愛媛新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
松山市東消防署(道後湯之町)の渡辺亮平消防士長(37)が、多様な機能を備えたホースバッグを開発した。
ホース運搬に加え、負傷者の搬送や水損防止など、使い方はさまざま。
このほど、各職域の技術向上に貢献した個人を文部科学相が表彰する創意工夫功労者賞を受賞した。
従来のバッグは、ホースを出した後は用途がなく、消火活動終了まで放置されていた。
多機能バッグは縦90cm、横60cmで、最大縦2.7m、横3.6mに広げられる。
肩に掛けたり、背負ったりしてホースを運搬するほか、
▽負傷者を運ぶ布担架
▽プライバシー保護シート
▽高層建築物などの火災時に放水で下の階の電気設備などが損傷するのを防ぐ水損防止シート
▽負傷者の治療の優先度を判定するトリアージの際のシート
としても活用できる。
出典
『ホースバッグが担架に変身 松山の消防署員が開発』
(ブログ者コメント)
実際の使い方は、下記記事内の添付PDF参照。
(2019年4月9日 松山市HP)
『松山市消防局職員が科学技術分野の文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞を受賞しました』
https://www.city.matsuyama.ehime.jp/hodo/201904/hyousyou.html
2019年4月29日19時0分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海の事件事故を通報する「118番」。
2018年に寄せられた約43万件の通報のうち、約99%が間違いやいたずらなどだった。
118番は、海上保安庁が00年に導入以来、無効通報の多さに悩まされ続けてきた。
連休中や夏場は海の事故も増える。
海保は適切な利用を呼びかけている。
「無言や間違い電話の対応で仕事にならない。何とかならない
か」。
東京・霞が関の海保本庁の担当者の元には、118番の窓口となっている全国11の管区から、こんな要望が毎年寄せられている。
18年に118番通報は43万4799件あったが、海難、人身事故や情報提供は1.2%の5028件だけ。
無言、すぐに電話が切れる即断、間違い、いたずらの各無効電話が98.8%を占め、42万9771件にのぼった。
通報件数が約901万件(17年)の110番や約844万件(同)の119番では、無効電話はいずれも2割程度。
118番の異様さが際立つ。
海保の場合、118番通報は各管区の運用司令センターの職員が数人で受けるが、無効電話は1日平均100件以上。
事件や救助で巡視船艇とやりとりしている時にも対応しなければならず、業務に支障を来すこともあるという。
00年5月の118番の導入当初は、もっとひどかった。
年約5000件の有効電話に対し、無効電話は170倍にあたる約85万件(01年)。
そのころ多かったのは、大手宅配会社との間違いだ。
不在票に書いてある受け取り番号が「118」で始まるものがあり、電話番号と間違えてかけてしまうケースが多かったという。
海保は宅配各社に、受け取り番号の先頭に「118」を使わないよう要請した。
11年ごろには携帯電話からの無言電話が急増し、無効も増加に転じた。
画面ロックを解除しなくてもワンタッチで118番などがかけられる仕組みのスマートフォンが普及し、誤発信するケースが多いことがわかった。
海保はここでも、携帯電話各社に頼んで仕組みを変更してもらった。
こうした対策により、17年は無効が37万件まで減っていた。
だが18年、5年ぶりに無効が約5万6000件の増加に転じた。
海保は当初、9月にあった北海道地震の安否確認などの影響を疑った。
札幌市やその周辺の市外局番が「011」のため、外線で「0」を押し忘れて「118」にかけてしまうことがあるからだが、実際は増加分のごく一部。
原因は不明だ。
連休もあり暖かくなる5月は、例年、水上バイクやミニボート、遊漁船などでの海難が増え、1年でもっとも通報件数が多い月の一つ。
海保の担当者は、「認知度の低さが影響しているかもしれない」とし、連休中もイベントなどを通じて118番を周知する方針だ。
出典
『海の緊急通報118番、99%無効 宅配会社と間違いも』
https://www.asahi.com/articles/ASM4T00VPM4SUTIL081.html
(ブログ者コメント)
118番への間違い通報については、過去にも本ブログで紹介スミ。
件数といい間違い率といい、3年間でさほど改善は見られないようだ。
『2016年7月31日報道 海上保安庁にかかってくる「118番」の99%は間違い電話や無言電話、しかし無言であっても海近辺からかかってきた電話には万一を考え対応している』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6154/
2019年4月29日8時8分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消防・救急車両を過積載の状態で出動させていた道内の消防機関は、全58消防本部・組合のうち、少なくとも19本部・組合、計385台に上ることが28日、北海道新聞のまとめで分かった。
ほとんどがホースなどの資機材を増やす際、実際の車両総重量を計るなどの確認をしておらず、安全性に対する認識の甘さが露呈した形となった。
「当初、車両の総重量に制限があることを全く知らな
かった」。
恵庭市消防本部の担当者はそう語った。
同本部は、京都府内での消防車の過積載問題発覚を受け、昨年11月末~12月中旬に緊急車両の重量を計測。
計12台が車検証に定められた車両総重量や最大積載量を超えていたことが分かった。
にもかかわらず、安全性を確認しないまま約4カ月間にわたり、その状態を放置していた。
北海道新聞の指摘を受け、資機材を下ろすなどの対応を取り、過積載を解消させた同本部は、「安全のため、早急に対応するという意識が欠けていた」と後手の対応を認めた。
過積載状態が見つかった消防の多くが、納車以降、ホースなどの資機材を入れ替える際、車両総重量を計測していなかった。
オホーツク管内の斜里地区消防組合は、「新しい機能を備えた資機材に更新するたびに重くなった」と説明する。
車両総重量に制限があるとの認識を持たなかったことが問題につながったとみられる。
ただ、車両総重量に気を付けて運用している消防もある。
札幌市消防局と函館市消防本部は、納車前の車検時、実際の資機材を全て積載した状態で車両総重量を計測。
その後、新たに資機材を積む際には同重量の資機材を下ろすなど、車検証に定められた車両総重量を超えないように注意している。
札幌市消防局の担当者は「積載物の重量は常に意識している」と強調する。
過積載状態が発覚した19消防本部・組合は、いずれも資機材を下ろすなどして、過積載状態を既に解消させたという。
過積載状態の車両の中には、車検証に定められた車両総重量(19トン)を約8%、1.6トン上回った車もあった。
北海道科学大短期大学部の岩間大舗助教(自動車工学)によると、理論上は実際の車両総重量が10%増えれば、ブレーキをかけてから止まるまでの距離も10%伸びるという。
岩間助教は、「道内は冬が長く、緊急車両も凍結路面を走ることが多い。定期的に車両重量を計測することは安全性を確保する上で不可欠」と訴える。
出典
『道内19消防で過積載 計385台、総重量確認せず 安全性への認識に甘さ』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/301036/
(ブログ者コメント)
〇恵庭消防など4消防の個別事例は過去に本ブログで紹介スミ。
〇今回報じられた「新しい機能を備えた資機材に更新するたびに
重くなった」という件だが、それは変更管理の重要性を示唆
するものだ。
2019年4月26日12時33分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京消防庁は26日、心肺停止状態のため救急車で搬送される90代女性に、視覚障害のある家族が付き添おうとした際、「盲導犬は同乗できない」と誤った説明をし、医療機関への搬送が約5分遅れたと発表した。
現場の救急隊員に指示した総合指令室員の認識不足が原因。
搬送先の医師は、遅れによる容体への影響はないとみているという。
救急隊長や指令室幹部が家族に謝罪した。
身体障害者補助犬法は、公共施設や公共交通機関が盲導犬の同伴を拒んではならないと定めている。
東京消防庁によると、17日午後10時ごろ、東京都練馬区内で、搬送時に家族が付き添おうとした際、総合指令室が救急隊に「盲導犬は同乗できない」と指示した。
家族が「過去に同乗したことがある」と指摘し、誤りが判明した。
同庁は、総合指令室員の手引に盲導犬や介助犬は同乗できると記載するなどして、再発防止を図るとしている。
〔共同〕
出典
『救急車の盲導犬同乗を拒否 搬送5分遅れ、東京消防庁』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44237130W9A420C1000000/
4月26日12時26分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都練馬区で17日、東京消防庁の救急隊員が90代の女性を救急搬送する際、女性の家族に対し、「盲導犬は同乗できない」と誤った内容を伝えていたことがわかった。
同庁が26日、発表した。
直後に訂正し、影響はなかったという。
同庁は家族に謝罪した。
東京消防庁によると17日午後10時ごろの119番通報で救急隊が出動。
心肺停止状態の90代の女性を搬送する際、付き添いの家族には視覚障害があり、盲導犬の同乗を希望した。
現場の救急隊員は「搬送先の病院に盲導犬を入れられるか」と本部総合指令室の30代救急管制員に確認を依頼。
管制員は「救急車に盲導犬は同乗できない」と誤って回答した。
女性の家族が「過去には同乗させたことがある」と指摘し、誤りが発覚した。
この間の搬送の遅れは約5分で、病院からは「容体に影響する遅れではなかった」と説明されたという。
同庁は今後、担当者らの処分を検討する。
指令管制の手引には盲導犬の同乗についての記載がなかったといい、今後、記す方針だ。
出典
『「盲導犬は救急車に同乗できない」 東京消防庁が誤伝達』
https://www.asahi.com/articles/ASM4V36PCM4VUTIL012.html
2019年4月20日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
仙台市消防局は19日、1998年度以降に購入した消防車54台が、車検証の最大積載量を超える過積載で出動していたと発表した。
はしごやホースは消防隊員の手荷物と同様で、積載量に含まれないと解釈していたことが原因。
1台平均570kgオーバーし、道交法違反の状態が長年続いてきた。
市消防局によると、過積載があったのは水槽付きポンプ車43台、化学消防車8台、泡原液搬送車2台、高発泡照明車1台。
最大積載量を106~827kg上回り、15台はメーカーが定める許容積載量も超えていた。
過積載による交通事故やトラブルはなかったという。
今年3月、千葉市で消防車の過積載が発覚したため、県警に消防車両の総重量に関する解釈を照会。
市消防局は「はしごやホースは簡単に積み降ろしが可能で、積載量には影響しない」と認識していたが、「固定的な資機材は車両総重量に含まれる」と指摘された。
市消防局は県警、東北運輸局と協議し、今後は、はしごやホースを乗員や積載物を除いた「車両重量」に含めることを確認。
車検証の車両重量を実態に合わせて変更する手続きを始める。
通常の消防業務に支障が生じないよう、順次進めるため、全54台の変更が完了するのは7月末ごろになる見通し。
当面は、ポンプ車に積載する水の量を減らしたり、資機材を必要性の高い物品に絞り込むなどして、早期に違法状態を解消する。
市消防局の結城次長は記者会見で「安全安心を守る消防が信頼を損ねて申し訳ない」と陳謝した。
出典
『<仙台市消防局>消防車54台が過積載出動 はしごなど手荷物扱い』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201904/20190420_13014.html
(ブログ者コメント)
京都市の事例を受けての対応かと思いきや、千葉市の事例を受けての対応とのこと。
しかし、その千葉市は、京都市の事例を受けての対応だった。
仙台消防には京都市の事例情報が届いていなかったということだろうか?
関連報道を時系列に整理すると、以下のようになる。
10月18日報道 京都市で過積載が発覚、資機材や水を減らした
12月 7日報道 京都府 京都市の事例を受け、過積載状態にある車は資機材や水を減らした
3月 5日報道 千葉市 京都市の事例を受け、過積載状態にある車は資機材や水を減らした
4月13日報道 恵庭市 京都市の事例を受け、過積載を把握したが、緊急時対応が後手に回る不安から、そのまま運用した
4月17日報道 千歳市 京都市の事例を受け、一旦は資機材を降ろしたが、その後、手荷物だからと誤解釈して積み直した
4月20日報道 仙台市 千葉市の事例を受け、過積載状態にある車は資機材や水を減らした
2019年4月19日12時37分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南海トラフ巨大地震などの大規模な災害が起きると、自治体の職員や消防の人手が足りなくなることが予想される。
これに備え、宮崎市は、大災害の時だけ出動して住民の避難誘導や避難所の運営などにあたる消防団員、「大規模災害団員」の制度を県内で初めて設けた。
この制度は、宮崎市が消防団員に関する条例を改正し、今月1日から、消防署の職員や消防団員を経験した80人余りの態勢でスタートさせた。
「大規模災害団員」は、南海トラフ巨大地震や集中豪雨などの大規模な災害で、多くの避難所が開設されるケースにだけ出動する。
そして、自分が住む地域の住民の避難誘導や安否確認を行うほか、避難所で市の職員と協力し、スペースのレイアウトを考えたり食料を配ったりするなどの運営にあたる。
大規模災害団員に対しては、ふだん年2回程度の訓練や研修が行われる予定で、年間5000円の報酬と出動1回につき3700円の手当が支払われる。
この制度の導入は、県内では宮崎市が初めてだという。
宮崎市では最終的には100人余りの態勢になる見通しだとしていて、「大規模な災害の際の市や消防の態勢が強化されることになる」と話している。
出典
『宮崎市に大災害時限定の消防団員』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20190419/5060003067.html
2019年4月19日9時38分にNHK東北から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮城県は、救急搬送の時間を短縮するため、スマートフォンやタブレット端末で受け入れ可能な病院が一目でわかるシステムを、仙台市周辺の自治体で導入することになった。
宮城県内でおととし、119番通報を受けてから医療機関に搬送するまでの平均時間は40.7分と、全国平均を1分以上上回っている。
県によると、救急隊員が搬送中に、医療機関に対して患者の受け入れを4回以上照会した割合が全国平均を上回っていて、搬送する病院をいかに早く見つけるかが課題となっている。
このため県は、救急隊員が救急搬送を行う際に、スマートフォンやタブレット端末で受け入れ可能な病院が一目でわかるシステムを今月23日から導入することになった。
このシステムでは、救急隊員は病院に照会した結果も入力することにしていて、次に救急搬送にあたる救急隊員は、病院側と消防側双方の情報を照らし合わせることで、病院の選択をより効率的に行うことができるという。
こうしたシステムは仙台市がすでに導入しているが、今回は、仙台市周辺の名取市や岩沼市、塩釜市など、5つの市と7つの町、1つの村で運用を始めるという。
出典
『救急搬送時間短縮へ新システム』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190419/0005279.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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