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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2021827日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11874/

 

(2021年8月19日 修正3 ;追記)

202191180分に産経新聞からは、けがや体の痛みを申告した人は130人を超えた、加速には安全基準なしなど、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。

「富士急ハイランド」が、安全問題で大きく揺れている。

ジェットコースター「ド・ドドンパ」で、昨年12月から頸椎(けいつい)圧迫骨折などの人身事故が相次いでいたことが分かったからだ。

事故公表後には、けがを申告する人が100人を超えた。

公表が最初の事故から約8カ月経過していたことで、安全に対する姿勢も問われている。

【相談130件超】

8月20日、県と同社がド・ドドンパで合計4件の人身事故が発生していたことを発表した。

その後、同社と県がそれぞれ相談窓口を開設すると、新たに骨折や体の痛みを訴える申し出が相次いだ。

同社は31日に記者会見を開き、30日時点で相談件数が132件に上っていることを明らかにした。

治療期間30日以上が見込まれる重傷が10代から50代の男女で計16件あり、そのうち2件で頸椎や胸椎の骨折を確認。

比較的軽微な症状の3件も確認しており、重傷を含めた残る100件超の調査を続けている。

相談が今後増える可能性も高く、事故状況の確認完了時期の見通しは不明だ。

 

【加速の安全基準なし】

事態を重くみて、県と国の事故調査部会は21日から調査を開始。
安全対策が十分だったかが焦点だ。

ド・ドドンパは発車から2秒足らずで時速180キロに達する急加速が売り。

このため、身長や年齢に加え、脊髄、首などに障害がある人は利用できないという制限を設けている。

乗車前のアナウンスや係員チェックなどでは、安全ベルト、ハーネスの着用と同時に、頭をしっかりとヘッドレストにつけ、乗車中は下を向かないように注意喚起していたことを、同社は強調する。

こういった遊戯施設の安全については、コースターから落下しないなどの対策は基準があるが、加速そのものに基準や規制はない。

同社は外部有識者に同施設を確認してもらい、「G負荷は日常に経験する負荷を超えるが、ヘッドレスト、ハーネスが効果的に作用することで、人体の安全範囲を超えることなく、G負荷を受け入れることができる」との結論を得て、安全の根拠としている。

このため同社としては、「事故とド・ドドンパとの因果関係は不明」との姿勢だ。

 

【報告基準誤認】

しかし今回、最初の事故から公表まで8カ月も経過したことは同社の失態。

31日の記者会見で岩田社長は、「県へは、機器の故障などによる事故を報告すればいいと誤認していた。点検で機器の故障はなかったため、報告していなかった」と説明した。

報告基準についての県からの通達は、安全担当責任者1人に「電子メールで指示され、そこでとどまっていた」とし、安全情報の社内共有という観点でも問題を残した。

同社は9月3日に大学教授らによる第三者委員会を設置した。

遊園地の利用者すべてに対し、安心・安全を提供できているかを総点検し、同社全体の管理体制の大幅刷新につなげる狙いだ。

来年には第5のコースターを登場させる計画の中で生じた人身事故と報告遅れ。

それぞれの調査の行方が注目される。

 

【ド・ドドンパ事故をめぐる経緯】

令和2年12月 最初の事故発生、頸椎などの圧迫骨折

令和3年5~8月 2~4件目の事故発生

8月12日 富士急ハイランドがド・ドドンパを運休し、安全総点検を開始

17日 同社が山梨県に事故を報告

20日 県と同社が4件の事故発生を発表

21日 国の事故調査部会と県が立ち入り調査を開始

21日 同社がお客様相談窓口を開設

31日 同社の岩田大昌社長らが初めて記者会見

9月3日 外部の有識者による第三者委員会が発足

 

【ド・ドドンパ】

平成13年開業のコースター「ドドンパ」の加速性能を向上させてリニューアルし、29年に誕生。

機械的に加速させ、スタートから1・56秒後には時速180キロに達する。

この時の加速度は3・75Gで、空母から発艦する戦闘機と同等とされる。

「FUJIYAMA」「ええじゃないか」「高飛車」とともに、富士急ハイランドの4大コースターに位置付けられる。

 

【記者の独り言】

個人的には、こういったコースターの類に乗車することがないので、ド・ドドンパの加速や安全性は実感できない。

だが、事故からの公表遅れは非常に気になった。

現時点では報告基準の誤認という説明だが、安全を前提に来場者に恐怖とスリルを楽しませる会社である以上、対応遅れは致命的だ。

企業不祥事からの信頼回復のためには真摯(しんし)に対応し続けるしかなく、動向を注視したい。

https://www.sankei.com/article/20210911-IPNHC7CE7VI2BCAM3HB72LJTOA/ 

 

(2021年11月23日 修正4 ;追記)

202111222242分に毎日新聞からは、今年10月と11月に別のアトラクションで骨折したという申し出でが各1名づつあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の人気ジェットコースター「ド・ドドンパ」の利用客に骨折などが相次いだ問題に関連し、同社は22日、新たに園内の別のアトラクションの利用客2人から、骨折の申し出があったと発表した。

同社によると、10月上旬に複数のアトラクションに乗った20代女性から、肋骨(ろっこつ)骨折が判明したと連絡があった。

11月中旬に複数のアトラクションを利用した40代女性からは、腰椎(ようつい)を圧迫骨折したと申し出があった。

いずれも、来園当日は負傷の連絡などはなかったが、後日、医師の診断を受けて骨折が判明したという。

同社が、アトラクション利用と骨折との因果関係などを調べる。

これまで、ド・ドドンパの乗客で6人が骨折などの重傷、6人が軽傷を負い、他のアトラクションでも計2人の軽傷が確認されている。

https://mainichi.jp/articles/20211122/k00/00m/040/304000c

 

(2021年12月6日 修正5 ;追記)

2021121216分に毎日新聞からは、別アトラクションで骨折したという2人に因果関係はなかったと富士急は表明したが、県への来庁説明を拒否したとして知事は憤慨しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)で1011月に人気ジェットコースター「FUJIYAMA」や「高飛車」など複数のアトラクションを利用した女性客2人が骨折を申し出た問題で、県は同社に対し、徹底した原因調査と併せて、利用者の安全が確認できるまでは負傷疑いのあるアトラクションの運行を中止するよう求めた。

長崎幸太郎知事が121日の記者会見で明らかにした。
要請は1129日付で、建築基準法を所管する立場からの行政指導の一環。

会見で長崎知事は、同社の対応について「遊戯施設で負傷した事案と特定できないことを理由に、事故と断定せず運行を続けてきた。安全意識に疑問を持たざるを得ない」と指摘。

負傷事故や具体的な相談内容に関して、任意で来庁し説明するよう求めたが拒否されたと主張し、「不誠実な対応と言わざるを得ない」と憤慨した。

その上で「事故を繰り返さないためにも利用者の安全に対し真摯(しんし)な対応を強く求める」と述べた。

一方、富士急ハイランドは1日、申告のあった女性客2人の骨折は、アトラクション利用との因果関係は認められなかったとし、運行を継続する考えを表明。

県に対しても「電話で連絡し、口頭で説明している」として、長崎知事の主張に反論した。

https://mainichi.jp/articles/20211201/k00/00m/040/365000c

 

1212037分にNHK山梨からは、富士急が因果関係なしと判断した理由や県への面会説明を拒否した理由などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

富士急ハイランドの岩田社長が1日夜、会見を開き、ジェットコースターを利用して骨折したと申し出た2人から当時の状況を聞き取ったうえで、乗り場などに設置されているカメラの映像や遊園地内の救護室の利用記録を確認するなど、施設の利用とけがの関係について調査を行ったことを明らかにしました。

その結果、映像からはけがをした様子は確認できず、来園当日にけがの申し出がなかったこと、それに2人のけがの状態などについて医師からも意見を聞き、施設を利用したことによるけがだとは認められないと判断したということです。

このため、県が運行の中止を求めている施設について、今後も運行を続けていくと述べました。

また、県が面会による説明を拒否したと指摘していることについては、文書やメールで可能な説明は行ったと述べ、30日、会社のホームページに調査の結果を公表したということです。

岩田社長は、「今後、引き続き安全な運営に向けて検証などを行っていく」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20211201/1040015167.html

 

1232025分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

ジェットコースター「ド・ドドンパ」で利用客が首の骨折などを訴えたことから始まった富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の「安全問題」が混迷を深めている。

先月22日、複数のコースター利用で、2人の女性から負傷したと申し出があったことを重く見た山梨県は、コースターの運行停止の要請に踏み切った。

ハイランド側は「負傷は園内で生じたものではない」として要請には応ぜず、両者の言い分は平行線をたどっている。

 

「来園者の負傷の原因などが特定できていないまま運行を続けている。来庁しての説明を求めたが、応じず、不誠実な対応だ」

1日に臨時会見を開いた山梨県の長崎幸太郎知事は、厳しい口調で運行停止要請の理由を説明した。

さらに、今回の要請では法的な拘束力はないものの、状況が改善しない場合は「法的な処置もあり得る」と強調した。

県では先月22日に公表した負傷事案の説明のため、ハイランド側に29日の来庁を求めていた。

ところが、ハイランドの総務部長が「説明することは何もない」として拒否。

そのため、県は同日付で運行停止要請を出した。

・・・

https://www.sankei.com/article/20211203-MGD4JVIE2RLINI7OBW76PJRATQ/

 

(2022年1月7日 修正6 ;追記)

2022161932分にNHK山梨からは、園内の施設でけがした可能性があるのは合計15人になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

運営する会社は去年8月に臨時の相談窓口を設けて、ほかに遊園地でけがをした人がいないか確認を進めてきました。

そして、寄せられたすべての相談について来園の状況やけがなどの確認、それに医師の見解も踏まえた調査結果がまとまったとして6日、公表しました。

それによりますと、窓口に寄せられた相談は合わせて176人からで、このうち165人については、事実が確認できなかったか施設が原因のけがとは認められなかったとしています。

一方、骨折した2人と捻挫などの軽いけがをした9人の合わせて11人については、園内の施設を利用したことでけがをした可能性があると判断しました。

このため、園内の施設が原因でけがをした可能性があると判断されたのは、今回公表された11人を含めて、これまでに15人となりました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20220106/1040015486.html 

 

(2022年2月26日 修正7 ;追記)

2022226622分にNHK首都圏からは、遊園地が設けた第三者委員会が調査結果を公表した、けがの申し出でがあった後も機器の異常がないことを理由に運行を続けたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

遊園地が設けた第三者委員会が25日、調査結果を公表しました。

調査結果では、利用客からのけがの申し出があったあとも機器の異常がないことを理由に運行を続けたことで安全対策などの本格的な検討が遅れたほか、行政への報告も遅かったなどと結論づけています。

遊園地は、さまざまな情報の十分な共有が必要だとして、アトラクションごとに安全対策を進める責任者を設置するなどし、対策に取り組んでいくことにしています。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220226/1000077132.html

 

225211分に毎日新聞からは、委員長は機械信仰が災いしたと述べたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

第三者委員会は、問題の背景に設備や機材整備ばかり重視する傾向があったなどと指摘する調査結果を公表した。

会見に同席した岩田社長は、「予兆情報がありながら組織的に探求できなかった。最低でも3例目で運行停止すべきだった」と釈明した。

調査結果によると、ド・ドドンパが運行を停止した20218月までに4件で4人が重傷を負った事例について、その都度、設備の点検をしたが、機器の異常がなかったため運行を継続したと認定。

最も症状が重かった3人目の乗客から「姿勢を崩した」との発言があったにもかかわらず、要因を検証しなかったとし、「オペレーターや接客係、メーカーを含めた探求プロジェクトを発足させるべきだった」と指摘した。

上山委員長は、「機械信仰が災いし4件目の事例につながった」と述べた。

https://mainichi.jp/articles/20220225/k00/00m/040/324000c

 

22610分に朝日新聞からは、委員長は原因究明を行う基準の明確化などが必要と述べたなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。

委員会は、「突発事案に対する方針が関係職員間で十分に共有されていたとは言い難い」とした。

委員会は、原因究明のため「ド・ドドンパ」の運行を中止しなかったことについて、「機械の異常がないことを根拠に運行を続けた『機械信仰』の風土があった」と判断。

「原因究明を行う基準の明確化や運行判断にかかる権限と責任の明確化が必要」と指摘した。

https://www.asahi.com/articles/ASQ2T7GVFQ2TUZOB00V.html

 

(2024年3月16日 修正8 ;追記)

20243131812分にNHK山梨からは、原因不明ゆえ再発防止策の立案は困難だとして「ド・ドンパ」は営業を終えることになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

富士急ハイランドのジェットコースター「ド・ドドンパ」をめぐっては、2017年以降、走行中に逆走するトラブルが3回発生したほか、2020年から2021年にかけて利用客12人が首を骨折するなどの事故が発生し、国の事故調査部会による調査が行われています。

この調査の一環で、遊園地はジェットコースターの製造メーカーと、事故の原因究明や再発防止策の検討を進めていましたが、逆走や事故について原因が分からず、再発防止策を立てることが難しいとして、13日、「ド・ドドンパ」の営業を終了することを明らかにしました。

「ド・ドドンパ」は事故を受け、3年前の8月12日から営業を中止していました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20240313/1040022763.html

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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