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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(2010年12月2日 旧ブログ掲載記事)
 
2010年9月から11月までの間、自然発火が原因とみられる火災事例が3件、報道された。
 
自然発火は、産業現場でもしばしば発生する現象で、以下の2つの条件が揃った後、数時間あるいは数日経ってから発火するという特徴がある。
特に外気温の高い夏場に多い現象であるが、冬場に起きても不思議ではない。
 
[条件1] 油など、酸素と結合する可能性のある二重結合を有する物質が、布や紙、保温材などの多孔質物体に浸み込んで、空気と大きな表面積で接している。
[条件2] そういった多孔質物体が積み重なった状態になっていて、内部で発生した熱が逃げ難くなっている。
 
11月27日の事例など、「アロマオイルが化学反応で発火した可能性が高い」と報道されているが、おそらくはアロマオイルが浸み込んだタオルなどをドサッと容器などに入れっ放しにしておいたため、内部で蓄熱し、発火に至ったものだろう。
思い込みはよくないとは知りつつも、以下に、11月27日の事例が自然発火に至ったであろうシナリオを考えてみた。大体の自然発火は、このようなプロセスを辿るものである。
①アロマオイルが浸み込んだタオルを何枚も積み重ねた状態で保管箱に放り込んだまま、帰宅した。
②タオルが積み重なった奥の方で、アロマオイルが酸化し始める。
③酸化の進行に伴い熱が発生するが、奥の方ゆえ熱は外に逃げていかず、その場所に蓄積され、当該部分の温度がゆるやかに上昇していった。
  ※店の人としては、いつも通りの行動だったかもしれないが、この日たまたま、オイルの付き具合やタオルの積み重なり具合などが、蓄熱に適した状態になっていたのだろう。いつもにもまして二重結合の多いオイルを使っていたかもしれないし・・・。
④温度の上昇とともに酸化反応は促進され、それまでは緩やかな温度上昇カーブを描いていたものが、ある時点を境に急上昇し始め、ついには発火に至った。
(一般に、多孔質物質に浸み込んだ油などは、通常の発火温度よりも、かなり低い温度で発火する)

こういった事例から得られる教訓として、油が浸み込んだ多孔質物体を保管する場合は、まずは水で濡らしておくこと。そして乾燥を防ぐため、蓋の付いた金属製バケツ等の中に入れておくといった対策が必要だ。
 
以下は、2010年9月~11月にネット配信された記事3件。
事例2は、揚げカスの酸化熱が原因だろう。ゴミ箱の中で揚げカスが積み重なっていたため、酸化熱が蓄積されたものと考えられる。
事例3は、フード内にビッシリこびりついていたスス状の物質が、内部で発生した食用油の酸化熱を閉じ込めてしまったものと思われる。
 
事例1)
アロマオイルが化学反応、発火?セラピー店ぼや
 (2010年11月28日12時18分 読売新聞)
27日午前2時半頃、富山市婦中町田島の木造2階アパートに入居しているアロマセラピー店「ドージング・アロマ」(山口智子さん経営)から出火し、火災警報器に気付いた男性住民が110番した。
店内にあったタオルなどを焼いたが、けが人はなかった。
 富山西署の発表によると、アパートは1、2階を合わせて1室となるメゾネットタイプ。店内は無人で、施錠されていた。タオルはアロマ成分が含まれており、同署は、アロマオイルが化学反応して発火した可能性が高いとみて調べている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101128-OYT1T00308.htm

(2011年1月5日 修正1; 追記)
2011年1月5日付の毎日新聞東京版朝刊に、下記趣旨の記事が掲載されていた。またネットでも配信されていた。
美容オイルのしみこんだタオルが自然発火する事故が相次いでいる。オイルが酸化することで発生した熱が逃げ場をなくすと高温になるためで、経済産業省などが注意を呼び掛けている。
 富山のアロマセラピー店では、床に重ねて置かれたタオルから出火したとみられる。従業員によると、タオルは美容オイルでマッサージする際に使い、26日午後5時半ごろ洗濯・乾燥を済ませた。警察は、タオルを乾燥機にかけた際、しみついたオイルが酸化反応によって発熱し、取り出し後に重ねて置いたため熱がこもり発火した可能性が高いと結論づけた。
独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)などによると、美容オイルなどの植物性油は酸化しやすい「不飽和脂肪酸」を多く含むという。機構の実験では、美容オイルが付いた衣類を洗濯・乾燥機にかけ、かごに重ねて置いたところ、かご内は最高427℃に達し、約2時間15分後に発火した。植物性の食用油や機械油でも同じことが起こるという。
 機構のまとめでは、油のついたタオルが自然発火したとみられる火災は05年4月以降39件あり、うち21件は美容オイルが原因。大半がエステティックサロンやアロマセラピー店で、住宅やホテルでも発生。08年12月には、福島県いわき市の老人介護施設で2人が死亡、3人が重軽傷を負う火事があり、マッサージ用の美容オイルを拭き取ったタオルが原因とされた。機構の担当者は「ぼや程度なら報告されないこともある」とし、実際の件数はさらに多いとみている。
 油分は洗濯しても完全には除去できないため、機構や経産省は美容オイル類が付いた衣類は自然乾燥させるよう呼び掛けている。
 
事例2)民家火災:揚げかすで発火、ごみ箱内で高温に 
 (毎日新聞 2010年9月21日 香川版)
 20日午前4時10分ごろ、三豊市の男性(57)方から出火。木造平屋の住宅約100平方メートルのうち、約40平方メートルを半焼した。天ぷらの揚げかすが原因で発火したと見られ、三観広域消防本部は「揚げかすの温度を下げてから適切に処理してほしい」としている。
 三豊署によると、午前0時半ごろ、男性の妻(56)が天ぷらを揚げ終え、台所のごみ箱に揚げかすを捨てたといい、揚げかすの熱で、ごみ箱内の紙くずなどが燃え上がったとみている。同消防本部によると、揚げた直後の揚げかすは100~200度。油には熱をためる性質があり、ごみ箱内でさらに高温になる場合がある。このため紙など燃えやすいものがあれば発火するおそれがあり、同様の原因の火事は同本部管内でも年に数件あるという。
 同本部は「トレイなどで揚げかすを一度広く伸ばせば、温度はすぐ下がる」と話している。


事例3) 酸化発熱:台所の換気扇、付着の油が自然発火
 (毎日新聞 2010年9月14日 愛知版)
 豊田市内で今年になって、食用油が付着した台所の換気扇のフード部から自然発火し、大きな火災になる寸前に住民が消し止めていたことが分かった。市南消防署によると、付着していた食用油が空気中の酸素と結合して発熱する「酸化発熱」が原因とみられるという。同署は、使用開始から時間がたった換気扇は「こまめに掃除を」と呼び掛けている。
 同署によると、出火騒動があったのは市南部の集合住宅。1階の部屋から煙が出ているのを2階の住民が気付いた。1階の部屋は留守で、2階の住民がたまたま開いていた窓から消火器で消し止めた。けが人はなかった。
 同署が調べたところ、換気扇のフィルターなどフード部に付着した食用油の酸化が進んでおり、自然発火したらしい。
 付着した食用油は、周辺にほこりがたまっていたり、密閉状態だと熱が蓄積されやすいとされる。過去には、換気扇近くのガスコンロを使用後、30分~2時間後に自然発火した例が報告されているが、「同市内では珍しいケースではないか」(署員)という。
 同署は「予想もしなかった原因で発生した火事を紹介して、市民に注意を呼び掛けたい」と今月から市のホームページで事例の紹介を始めた。同署は、他地域で発生した同種の酸化発熱の例として、油をふき取り、ゴミ箱に入れていたペーパータオルから出火したり、機械油が付着した作業着を洗濯、乾燥後、たたんでおいたところ自然発火した例を挙げている。
 
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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