







2020年2月11日5時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県宗像市のホテルが自動火災報知設備や防火戸の故障といった消防法令などの違反を消防から再三指摘されながら、改善せずに営業を続けていることが関係者への取材で判明した。
消防には違反建物を公表する制度があるが、公表対象となるのは主要な3設備の「未設置」の違反に限られるため公表されておらず、専門家は制度の不備を訴える。
問題のホテルが入る建物は1990年に完成した鉄筋コンクリート造り11階建てで、一部は分譲マンションとなっている。
宿泊客の安全を確保するため、ホテルなどの宿泊施設は「防火対象物」と指定され、消防法令で消防用設備の設置や防火管理の実施などが義務づけられる。
しかし地元の宗像地区消防本部の内部資料などによると、2019年12月の消防法に基づく査察の際、このホテルは一部階で自動火災報知設備が故障していたほか、宿泊客らに火災を知らせる館内放送など非常警報設備が故障、各階の防火戸も腐食により閉じなくなるなど数多くの法令違反が見つかり、改善を指示されていた。
複数の関係者によると、ホテルは遅くとも17年以降、消防設備の不備を指摘され続けているが、一部しか改修されていないという。
設備の改修はホテルとマンション所有者が加入する管理組合が実施することになっているが、管理組合関係者は、「火災訓練の時は従業員が客室を回って『火事です』と伝えるしかなく、非常に危険な状態。ホテルが経営難で管理組合に管理費を払えず、改修資金を捻出できていない」と証言した。
【「故障」は公表対象外 経営者「危険とは思わない」 】
一方、宗像地区消防本部は18年4月に違反建物の公表制度を導入している。
ただ、対象は屋内消火栓設備と自動火災報知設備、スプリンクラー設備が「未設置」の場合に限られている。
その他の設備は、そもそも対象外で、この3設備についても「故障」は公表対象とならない。
同消防は今回のケースを公表していない。
取材に対し、ホテルへの警告や改善命令を出していないことは明かしたが、詳しい実態は「個別事例」を理由に開示していない。
ホテルを経営する男性は毎日新聞の取材に、「消防設備の技術的な問題は分からないが、危険な状況とは思っていない」としている。
https://mainichi.jp/articles/20200210/k00/00m/040/273000c
2月11日5時1分に毎日新聞からは、消防法の違反対象物公表制度に関する下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
全国の消防は、宿泊施設や飲食店、診療所など不特定多数が利用する建物について、消防法令で義務づけられた設備が未設置の建物名をホームページで公表する「違反対象物公表制度」の導入を進めている。
公表制度は、東京消防庁が全国に先駆け、2011年に導入した。
他の消防本部は、施設側の損害賠償請求を恐れ消極的だったが、12年5月に7人が死亡した広島県福山市のホテル火災を受け、導入が増えた。
総務省消防庁によると、19年4月時点で全国728消防本部のうち、約6割の417消防本部が導入し、20年度中にほぼすべての消防本部が導入する見通しだ。
ただ、公表対象となるのは宗像地区消防本部と同様に、屋内消火栓など3設備の「未設置」に限られる場合が多く、「故障」も対象とするのは一部のみだ。
重大な故障で機能が完全に喪失し未設置と変わらぬ場合や、故障が長期間放置されたままの場合でも公表から漏れ、利用者に危険性が伝わらない状況となっている。
関西大の永田尚三教授(消防行政)は、「『故障』が公表制度の抜け穴になっているのは問題で、国が主導して公表対象にするよう働きかけるべきだ。小規模の消防本部は政治力が弱く、地元事業者に不利益な処分を出すことに及び腰になって、違反が放置されるケースも多くある」と指摘する。
https://mainichi.jp/articles/20200210/k00/00m/040/277000c
ホテルニュージャパンが「火災当時、
主として客室、貸事務所として利用されていた四階から一〇階までの部分について
は、スプリンクラー設備は設置されておらず、四階及び七階に代替防火区画が設け
られていただけで、右各階を除き、客室及び廊下の壁面及び天井にはベニヤ板や可
燃性のクロスが使用され、大半の客室出入口扉は木製であったほか、隣室との境が
一部木製板等で仕切られ、客室、廊下、パイプシャフトスペース等の区画及び既設の防火区画には、ブロック積み不完全、配管部分の埋め戻し不完全等による大小多
数の貫通孔があ」り(平成5年11月25日 最高裁判所第二小法廷 刑集 第47巻9号242頁)しかも「、防火戸及び非常放送設備については、被告人が少額
の支出に至るまで社長決裁を要求し、極端な支出削減方針を採っていたことなどか
ら、専門業者による定期点検、整備、不良箇所の改修がされなかったため、防火戸
は火災時に自動的に閉鎖しないものが多く、非常放送設備も故障等により一部使用
不能の状態にあり、また、従業員の大幅な削減や配置転換を行ったにもかかわらず、
これに即応した消防計画の変更、自衛消防隊の編成替えが行われず、被告人の社長
就任後は、消防当局の再三の指摘により昭和五六年一〇月に形式的な訓練を行った
以外は、消火、通報及び避難の訓練(以下「消防訓練」という。)も全く行われて
いなかった」(同判決)上に消防当局が会社に対し「そ及工事未了、防火戸機能不良、パイプシャフトスペースや防火区画の配
管貫通部周囲の埋め戻し不完全、感知器の感知障害、消防計画未修正、自衛消防隊
編成の現状不適合、消防訓練の不十分ないし不実施、従業員への教育訓練不適等を
指摘して、それらの改修、改善を求めていたほか、昭和五四年七月以降は、毎月の
ようにそ及工事の促進を指導していたが、被告人は、社長就任当時から本件建物に
ついてそ及工事が完了していないことを認識していたほか、立入検査結果通知書の
交付を含む消防当局の指導や」(同判決)部下の「報告等によって、右のように本件建物に防火用・
消防用設備の不備その他の防火管理上の問題点が数多く存在することを十分に認識
していたにもかかわらず、営利の追求を重視するあまり、防火管理には消極的な姿
勢に終始し、資金的にもその実施が十分可能であったそ及工事を行わなかった上、
前記のような防火管理体制の不備を放置して」(同判決)「昭和五七年二月八日午前三時一六、七分ころ、九
階九三八号室の宿泊客のたばこの不始末により同室べッドから出火」(同判決)した如きで火災が「同室及びその前面の廊下でフラッシュオーバー現象が
起こり、以後、フラッシュオーバー現象を繰り返しながら、九、一〇階の大部分の
範囲にわたり、廊下、天井裏、客室壁面及びパイプシャフトスペースのすき間等を
通じて、火煙が急速に伝走して延焼が拡大し」(同判決)しかも「右出火は当直従業員らによって早期に発見された」(出典同じ)にもかかわらず「当直従業員らは、自衛消防組織として編成されておらず、加え
て、消防訓練等が不十分で、責任者も含めて火災発生時の心構えや対応措置をほと
んど身につけていなかったため、組織的な対応ができなかった上、各個人の対応と
しても、初期消火活動や出火階、直上階での火事触れ、避難誘導等をほとんど行う
ことができず、非常ベルの鳴動操作、防火戸の閉鎖に思いつく者もなく、一一九番
通報も大幅に遅れるなど、本件火災の拡大防止、被災者の救出のための効果的な行
動を取ることができなかった」(同判決)ため「就寝中などの理由で逃げ遅れた九、一〇
階を中心とする宿泊客らは、激しい火炎や多量の煙を浴び若しくは吸引し、又は窓
等から階下へ転落し若しくは飛び降りるなどのやむなきに至り、その結果、うち三
二名が火傷、一酸化炭素中毒、頭蓋骨骨折等により死亡し、二四名が全治約三日間
ないし全治不明の火傷、気道熱傷、骨折等の傷害を負った」(同判決)あの大惨事を件の福岡県宗像市のホテルの経営者等は忘れているのでありましょうか。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。