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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2011年12月2日付で朝日新聞関西から、また2日12時10分にNHK大阪から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

大阪市東成区の駐車場で2009年に消火器が破裂して男児が大けがをした事故で業務上過失傷害罪に問われた元駐車場管理人(58)の判決が2日、大阪地裁であった。 裁判官は求刑通り罰金50万円を言い渡した。

判決によると、元管理人は消火器4本が老朽化していることを知りながら撤去せず、近くに住む当時10歳の男児が09年9月15日夕、4本のうち1本の消火器を作動させた際に破裂する事故を引き起こした。破裂した消火器は1989年製だった。

判決は、「消火器には5年を目安に点検することや老朽化したものは使用しないこと、また腐食した際の危険性を示す注意書きがあった」、「被告は駐車場の利用者から古い消火器の処分を求められていた」と指摘。
破裂が予見できたのに撤去しなかった過失があると判断し、被告側の「予見できなかった」とする主張を退けた。
そのうえで「駐車場の管理人として消火器を撤去したり、子どもが立ち入らないよう柵を設けるべきだった」と指摘した。


出典URL■■■



(ブログ者コメント)

消火器の破裂事故は、しばしば起きている。
この事故にからんで、東大阪市消防局から、破裂する理由や管理上の注意点などがネット配信されていた。

■■■



(2012年9月12日 修正1 ;追記)

2012年9月4日付で読売新聞から、被害を受けた少年側が国などを提訴した、耐用年数を超えた消火器は全国に1000万本以上ある、といった記事がネット配信されていた。


一時重体となった少年(13)(当時は小学4年)が、老朽化した消火器の危険性についての注意喚起が不十分だったとして、国やメーカー、メーカー団体の日本消火器工業会などを相手取り、計約9200万円の損害賠償を求める訴訟を5日にも大阪地裁に起こすことがわかった。
消火器の破裂事故は各地で起きているが、代理人の弁護士によると、国の過失責任を問う裁判は初めて。

訴状によると、破裂したのは1989年製の「加圧式消火器」。
メーカー側は耐用年数をおおむね8年としていたが、屋外駐車場に置かれた90年5月以降、20年近く点検されず、野ざらしの状態だった。
現場で遊んでいて消火器に触れ、事故に遭った少年は、頭を骨折し、高次脳機能障害で集中力が続かないなどの後遺症があるという。

加圧式消火器は、レバーを握ると容器内にガスが一気に充満し、圧力で消火薬剤が噴出する仕組み。
容器内のガスの圧力が一定に保たれる「蓄圧式」に比べ、容器底部などに腐食や劣化があると急激な圧力上昇で破裂する危険性が高い。
総務省消防庁のまとめでは、88年末までに起きた57件の死傷事故の大半は加圧式だったという。

このため少年側は、国などは破裂の危険性を89年の製造時点で認識しており、事故を防止する義務があったのに、消火器本体に
(1)破裂についての警告
(2)点検・廃棄を促す具体的な注意書き
を表示させ、危険性を周知するなどの対策を怠った、と主張する方針だ。

国は、この事故を受け、11年1月に使用上の注意、廃棄時の連絡先などを具体的に表示するよう省令を改正。腐食がある場合は、点検業者らを通じて耐圧性能を確かめることも義務付けた。
破裂の危険性については、メーカーの判断で明記している製品もあるが、表示は義務付けられていない。

事故の起きた消火器には「さび、腐食があるものは危険」とする注意書きはあったが、破裂についての記載はなかった。
弁護士は「『破裂の危険がある』と大きく表示していれば事故を防げたのでは」と指摘する。

訴訟では、駐車場管理者だった男性についても「消火器を撤去させるなどの防止措置を取らなかった」として被告に含める方針。

消火器はオフィスや家庭などで広く使われているが、老朽化した製品がどれだけ放置されたままになっているか、実態把握は困難なのが現状だ。
日本消火器工業会によると、消火器の年間生産数は約400万~500万本。このうち、安全性が高いとされる蓄圧式の割合は、大阪の事故当時(2009年度)は17%だったが、その後急増し、今年度は60%を超える見込みという。

また、老朽化した消火器の回収法は10年1月、各メーカーが自社製品を回収する方式から、自社製品に限らず一括回収できるよう改められ、回収窓口が販売店にも広げられた。
昨年度は事故前年度の1・5倍となる303万本が回収された。

現在、普及している消火器は約5000万本あるとみられ、このうち耐用年数を過ぎた製品は「1000万本を超えるのでは」と、ある消防機関の担当者は指摘する。

消防庁によると、大阪での事故以降も、死傷者の出る破裂事故が全国で8件発生。
10年2月、滋賀県の運送会社で、レバーを操作した男性所長が軽傷を負ったほか、昨年9月には、大分県で消火器を解体しようとした男性が死亡した。
8件とも加圧式で、製造年不明の1件を除いて20年以上経過していた。


出典URL
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120904-OYO1T00950.htm?from=main3



(ブログ者コメント)

事例対応について考える場合、管理していたのに起きた事故と、管理していなかったために起きた事故とは、分けて考えるべきだ。
両者、おのずから、対策は違ってくる。

今回のケースは、明らかに後者。

屋外に設置する消火器ならば、雨に濡れないよう箱に入れ、かつ下に受け皿を敷いておき、また半年に1度は錆がないかなど外観チェックする・・・そういった管理をしておけば、問題はなかったはずだ。


・・・とまあ、訴訟とは別に、そのように感じた。
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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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