







2018年11月23日12時29分にNHK北海道から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後6時半ごろ、道央の下川町緑町の「W集成材工場」で、木材加工用の機械の側で職員の木村さん(男性、44歳)が左腕が切断された状態で倒れているのを同僚がみつけた。
木村さんは病院に運ばれ、手当てを受けたが、間もなく死亡した。
警察によると、木村さんは事故当時、木材の加工用の機械の清掃作業をしていたという。
この機械は、鉄製の刃がドリルのように回転して木材に切り込みを入れるもので、同僚が木村さんを見つけた時には、機械は緊急停止していたという。
警察は、木村さんが誤って左腕が機械に巻き込まれたとみて、事故の詳しい状況を調べている。
出典
『木材加工機械巻き込まれ男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181123/0005887.html
2018年11月23日1時38分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後3時半すぎ、沖縄県の久米島の北西およそ130kmの海上で、護衛艦「ちくま」が海上警備を終えて、実弾を甲板に並べて数を確認していたところ、甲板に押し寄せた波で、誤って実弾21発を海中に落とした。
落とした実弾は護衛艦20ミリ機関砲に使用されるもので、当時は、作業を監督する幹部自衛官を含め、6人が実弾を取り外す作業などにあたっていた。
作業をしていた自衛官にけがはなかった。
実弾は直径およそ3cm、長さは17cmほどで、強い衝撃を与えても直ちに爆発するおそれはないということだが、海上自衛隊は、実弾を見つけてもむやみに触れないよう注意を呼びかけるとともに、回収について、今後、検討していくとしている。
護衛艦「ちくま」の艦長、久保二等海佐は、「武器、弾薬を海中に落下させたことはまことに遺憾です。管理に関する指導、教育を徹底して、再発防止に万全を期してまいります」とコメントしている。
出典
『護衛艦から実弾が海に落下 海自が注意呼びかけ』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181123/k10011720921000.html
11月23日1時8分に沖縄タイムスからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日午後3時40分ごろ、沖縄県久米島(久米島町)の約130km沖で、海上自衛隊の護衛艦「ちくま」の甲板上で高性能20ミリ機関砲の弾数を確認していたところ、流入した波の影響で実弾21発が海中に落下した。
海自佐世保地方総監部(長崎県佐世保市)は、強い衝撃で破裂する可能性もあるとして、漁船に注意を促し、網に掛かった場合には、むやみに触れずに連絡するよう呼び掛けている。
同総監部によると、実弾は直径約30mm、長さ約168mm、重さ約250g。
有害物質などは含まれていない。
現場は水深約140mで、既に海底まで沈んだとみられるという。
(共同通信)
出典
『海自艦から実弾海中落下 沖縄沖、破裂の危険性も』
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/348972
2018年11月23日9時39分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日正午ごろ、京都市左京区の宝が池公園内で、上水道の配水管が破裂した。
市の復旧作業に伴い、23日午前0時から同4時にかけ、同区岩倉地域や北区上賀茂地域の約5000戸が断水した。
現場では、北陸新幹線敦賀~新大阪の具体的なルート選定に向け、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)が地質調査のために掘削工事中だったといい、市は、機構の委託業者が誤って配水管を破損させたとみている。
市などによると、地質調査は今秋、南丹市と京都市で始まった。
同公園では、今月初旬からボーリング工法で実施していたという。
市によると、業者が掘削用ドリルの操作を誤り、口径600mmの配水管を破損させ、一時は水が噴き上がったという。
23日午前4時10分に断水は解消したが、一部地域では水道水の濁りが続いているという。
市上下水道局管理課は、「(機構側から)事前連絡がなく、配水管の位置を把握していなかった可能性がある」として、経緯を調べる方針。
北陸新幹線敦賀以西ルートは、丹波地域を縦断し、JR京都駅やJR松井山手駅付近を経て、大阪までを結ぶことが決定している。
京都市中心部の地下を通る可能性が高く、地質調査による市民生活への影響を懸念する声が出ていた。
出典
『陸新幹線の地質調査中に大規模断水 配水管破損か、京都』
https://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20181123000020
11月23日18時0分にKBS京都からは、業者が図面を確認していなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
作業中、硬いものにぶつかり、異変に気付いたものの、そのまま掘削作業を行い、直径60cmの配水管を破損させたという。
支援機構は、「上下水道局から配水管の位置を示した資料をもらってはいたが、確認をせず、そのまま作業を行った。地域の方に多大なる迷惑をかけて申し訳ない」とコメントした。
出典
『約5,000戸断水 北陸新幹線ルート選定 水道管を誤って破損』
http://www.kbs-kyoto.co.jp/contents/news/2018/11/news_181123180000_085621.htm
11月24日13時3分に京都新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市左京区の宝が池公園内で22日、北陸新幹線のルート選定に伴う掘削工事中に鉄道建設・運輸施設整備支援機構の下請け業者が配水管を破損させ大規模断水が発生した問題で、業者が配水管の位置を事前に確認していなかったことが23日、分かった。
同機構が配水管を管理する市上下水道局への事前連絡を怠っていたことも判明。
同日、京都新聞の取材に、「認識が甘かった。再発防止を徹底したい」(大阪支社総務課)と謝罪した。
出典
『配水管の位置確認せずドリルで大規模断水 北陸新幹線地質調査中』
https://this.kiji.is/438909142168175713?c=39546741839462401
11月27日12時48分に京都新聞からは、機構は2種類入手した埋設物記載図面のうち、配水管が記載されていないほうの図面だけを業者に渡していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
北陸新幹線の敦賀~新大阪ルートは、JR京都駅(下京区)や松井山手駅(京田辺市)を経由することが決まっている。
詳細なルートを選定するため、同機構は今月から、宝が池公園をはじめ、京都市右京区と北区、南丹市美山町の計4カ所で、地盤や地質を調べるボーリング工事を始めた。
同公園では22日正午ごろ、下請け業者が重機を使って掘削していたが、地下1.3m地点にある配水管に気付かず、破損させた。
この影響で、左京区と北区の約5000戸が一時断水した。
同機構は、事前に配水管を管理する市上下水道局と公園を所管する市建設局から、それぞれ同公園内の地下埋設物の位置図を入手していたが、市建設局の図面にすべて記載されていると思い込み、配水管の位置を示した市上下水道局の図面を下請け業者に渡していなかった。
また、市上下水道局には工事について事前に連絡していなかった。
初歩的なミスに市幹部は、「図面を入手したら終わりというのは、ずさんの一言に尽きる」とあきれ顔。
府幹部も、「文化財や地下水脈に気を付けてほしいという意味で慎重な調査を求めてきたが、まさか水道管という基本的なレベルの話とは…」と眉をひそめた。
北陸新幹線の敦賀以西ルートは、府内の大部分で地下を通る見込みで、広大な原生林が残る「芦生の森」(南丹市美山町)や、酒どころ・伏見に欠かせない豊かな地下水への影響が懸念されている。
同機構は事故を受け、同公園を含むボーリング調査を中断しているが、本年度中に詳細なルートを確定するため、調査を急ぐとみられる。
事故原因を軽微なミスとして片付けず、組織体制の再点検や府民への丁寧な説明に努める必要がある。
出典
『北陸新幹線工事で配水管破損「ずさんの一言」京都府市が不信感』
https://this.kiji.is/439977474076902497?c=39546741839462401
2018年11月22日10時35分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日夜の羽田発福岡行きの日本航空(JAL)最終便が、定員より多く予約を受けつける「オーバーブッキング」のため欠航した。
約400人に影響がでた。
JALによると、欠航したのは21日午後7時45分出発予定の便。
375席に対して401席の予約を受け付けた。
その場で22日の便への変更に応じてくれる人もいたが、最終的に4席が不足したまま乗客を機内に案内したうえで、スタッフが調整を図った。
午後8時10分ごろにめどがついたが、福岡空港の滑走路を利用できる午後10時までに着陸できないと判断し、急遽、欠航することにしたという。
多くの乗客は、各自で手配したホテルに泊まったり、臨時開放されたターミナルビル内で過ごしたりし、22日早朝の臨時便で福岡へ移動した。
同社によると、キャンセルなどを見込んで定員以上の予約を受け付けることは通常の手続きという。
混雑具合など、さまざまなデータから上積みできる人数を予測しているといい、同社の担当者は「今回は予測を誤った」と説明した。
出典
『JAL福岡便、予約超過で欠航 羽田で一晩明かす人も』
https://www.asahi.com/articles/ASLCQ34RXLCQTGPB008.html
11月22日18時0分にJ-CASTニュースからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JⅬl335便は19時45分に羽田を出発し、21時45分に福岡に到着するスケジュール。
福岡空港の運用時間は24時間だが、騒音問題が原因で、定期便が利用できるのは7~22時の15時間に限られている。
22時までに到着できないとなれば、原則として欠航を余儀なくされるため、他の便に比べて出発を大きく遅らせることが難しい。
JAL広報部によると、この日のJL335便は、定員375席に対して401人の予約が入った。
そのうち実際にチェックインしたのが395人で、20人が乗れない状態になった。
航空各社では、オーバーブッキングが起こった際に、後続便や他の交通機関に振り替えてもらう人を募集する「フレックストラベラー」制度を運用している。
JALや全日空(ANA)の場合は、同日便に振り替えた人は1万円か7500マイル、翌日以降だと宿泊費に加えて2万円か1万5000マイルをもらえる。
【実は、人数は帳尻合わせられた】
JALでは、19時頃にフレックストラベラーの募集を開始。
最終的には20人から申し出があったため、人数面ではクリアできたが、振替の対応に時間がかかるとして、20時30分に欠航を決めた。
JALは翌22日6時羽田発の臨時便(JL4641便)を飛ばしたが、JALで手配できたホテルは30室程度。
30人程度が空港ターミナルに残って一夜を過ごすことになった。
それ以外の乗客は、自分でホテルを手配したり、一度帰宅したりしたとみられる。
国交省のまとめによると、18年4~6月に国内線10社で起きたオーバーブッキング(不足座席数)は2674席。
そのうち1709人がフレックスストラベラーの募集に応じたが、それでも乗れなかった人が965人いた。
全輸送人員に対する不足座席数の割合は1万人あたり1.26で、乗れなかった人の割合は0.45だった。
出典
『タイムリミット迫ってたのに... JAL痛恨「オーバーブッキング欠航」なぜ起きたか』
https://www.j-cast.com/2018/11/22344391.html?p=all
11月22日19時50分にFNN PRIMEからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
一般的に、「オーバーブッキング」とは定員以上の予約を受け付けるという意味で、「過剰予約」や「オーバーセール」という言い方も使われる。
今回は、どうしてこういう事態になったのだろうか?
そして、予約数はどうやって決めているのだろうか?
日本航空の担当者に聞いてみた。
Q.オーバーブッキングの調整に時間がかかったため飛行機が「欠航」したケースは、過去にもあるのか?
A.オーバーセールにより一部のお客さまにご迷惑をおかけした事例はありますが、オーバーセール処理による欠航はございません。
Q.定員を上回る予約数は、どうやって決めているのか?
A.過去の実績、当時の路線全体の予約状況、便の出発時間などから判断しています。
Q.今回は調整にどのぐらい時間がかかり、いつ欠航を決めたのか?
A.定刻19時45分出発に対し、19時より「フレックストラベラー」の募集を開始いたしました。
並行して、19時30分ごろからお客さまの機内へのご搭乗を開始し、福岡空港の運用時間に間に合うよう、お手続きを進めておりましたが、運用時間に間に合う運航の見通しが立たなくなったことから、20時31分に欠航を決定いたしました。
Q.フレックストラベラー制度はどう適用したのか? 欠航によってどんな対応がとられたのか?
A.当初、フレックストラベラーを募集した際には、お一人様20,000円、もしくは15,000マイルを提供することといたしました。
結果的に当該便は欠航となったことから、すべてのお客さまにお詫び金20,000円をお渡しいたしました。
また、ホテル代・交通費など実費での事後清算を行っておりますとともに、さらなるお詫びとして、お客さまの個別の事情に応じた額をお支払いすることにしております。
Q.普通なら、オーバーブッキングの調節は、どのぐらい時間がかかるのか?
A.目安として、お客さまが空港にお集まりになる時刻(おおよそ定刻の30~40分程度前)から開始する感じですが、調整が必要な場合には、調整が開始できるタイミングから対応を開始しております。
Q.今後、どのような再発防止策を考えているのか?
A.今回の事例を大いに反省し、原因究明を行い、再発防止に努めて参ります。
出典
『なぜ“オーバーブッキング”で欠航…どんな対応をとったのか? JALに聞いた』
https://www.fnn.jp/posts/00391590HDK
11月22日6時46分にNHK首都圏からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
航空関係者によると、オーバーブッキングの調整に時間がかかり、その便が欠航となるのは極めて珍しいという。
出典
『JAL福岡便 定員超えで欠航』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181122/0021645.html
(ブログ者コメント)
産業安全とは直接関係ない事例だが、
①過去に起きなかったことが初めて起きた
②後がない最終便のオーバーブッキング数は、朝や昼の便に比べ、少なくしていたのだろうか?
という点が気になったので紹介する。
2018年11月21日21時0分にNHK徳島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後3時前、小松島市横須町にある建具などの製造会社「N」の工場で、従業員の白川さん(男性、19歳)が木製の合板数10枚の下敷きになった。
白川さんはすぐに病院に搬送されたが、頭などを強く打っていて、およそ1時間半後に死亡が確認された。
警察が調べたところ、白川さんは当時、木製の合板30枚程度を載せた、総重量がおよそ600kgに上る台車を動かしていたが、何らかの原因で台車が倒れて、合板の下敷きになったという。
警察は、業務上過失致死の疑いもあるとみて、当時の状況や台車を使う際の固定の方法など、会社の安全管理について詳しく調べることにしている。
出典
『工場で合板運搬中に従業員死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20181121/8020003535.html
(2022年4月14日 修正1 ;追記)
2022年4月11日20時21分にNHK徳島からは、安定性が高い台車を使うべきだったなどとして会社に7700万円の賠償命令がでたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
4年前、小松島市の工場で従業員が大量の木の板の下敷きになって死亡した事故をめぐり遺族が賠償を求めた裁判で、徳島地方裁判所は会社が安全に配慮する義務を怠ったとして、およそ7700万円を賠償するよう命じました。
平成30年、小松島市にある建具などの製造会社「N」の工場で、当時19歳だった従業員が、木の合板およそ50枚を積んだ総重量およそ650キロの台車を移動していた際、台車が倒れて下敷きになり死亡しました。
事故をめぐり、遺族は「台車は重心が偏って転倒の危険があり、安定性が高い台車を使用すべきだった」などとして、会社に9000万円あまりの賠償を求め、訴えを起こしました。
会社側は、「重心が偏っていたことが事故の原因であると断言できない」などと主張していました。
徳島地方裁判所の島戸真裁判長は、「台車がバランスを崩した原因は、台車自体と積んだ合板の不安定さによるところが大きく、会社は事故を防ぐため訓練や安全教育を行ったり、安定性が高い台車を使用するなどの対策を講じる義務を負っていた」として、会社の責任を認め、およそ7700万円を賠償するよう命じました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20220411/8020014133.html
4月12日15時25分にYAHOOニュース(四国放送)からは、少なくとも20年以上にわたり同種事故はなかったため事故の予見は不可能だったなどと会社側は主張していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2018年に徳島県小松島市の工場で従業員の男性が、合板を積んだ台車の下敷きになって死亡した事故を巡り、遺族が損害賠償を求めていた裁判で、徳島地裁は11日、会社に約7700万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
この裁判は2018年11月、徳島県小松島市に本社を置く、住宅関連部品の製造会社、「N」の工場で当時19歳だった従業員の男性が合板を積んだ約650キロの台車の下敷きになり亡くなったのは会社の注意義務違反であるなどとして、遺族が9000万円あまりの損害賠償を求めていたものです。
会社側は、少なくとも20年以上にわたって同種の事例は無く、事故の予見は不可能であったなどと主張していました。
裁判で徳島地裁の島戸真裁判長は、「台車の転倒事故を防ぐため、作業標準を作成したり危険予知訓練や安全教育を行うなど対策を講じる義務を負っていた」などとして会社側の注意義務違反を認め、約7700万円の損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡しました。
「N」は、「まだ判決文が確認できていないのでコメントできない」としています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c9e74b18e6d9bbdcdfb413a13d777f8990ec876
2018年11月21日18時9分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後3時前、常総市の「T製紙株式会社」から、「男性が倒れている」という通報が消防にあった。
消防と警察が駆けつけたところ、敷地内にあるバイオマスを使った発電設備の近くで60代の男性作業員が意識を失って倒れていて、別の2人の作業員が気分が悪いと訴えたという。
消防によると、意識を失った男性もすぐに回復し、3人は病院に搬送されたが、いずれも命に別状はないという。
警察によると、当時、3人は発電設備の点検を行っていて、意識を失って倒れた男性はダクトの中で作業をしていたという。
また、消防の調査では、周辺で有毒なガスなどは検出されなかったということで、警察が事故の詳しい状況を調べている。
現場は、関東鉄道常総線の北水海道駅から北西におよそ2km離れた、工場や住宅などが建ち並ぶ地域。
出典
『製紙工場で作業員倒れ3人搬送』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20181121/1070004750.html
2017年12月9日に掲載した元記事が、修正2として記事を追記中、プロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2(続)として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7833/
(2018年11月27日 修正2の続き ;追記)
2018年11月20日付で荒川化学のHPに事故報告書が掲載されていた。
以下はポイント部の抜粋だが、着火源はフレコン内部のコーン放電と推測されている。
(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
【要旨】
今回の爆発・火災事故は,印刷インキ用樹脂製造棟1階のロジン変性フェノール樹脂の製品包装作業中,FIBC(=フレキシブルコンテナ)内でコーン放電が起こり,ロジン変性フェノール樹脂の粉じんに着火したことから始まったと推測される。
そして粉じん爆発が起こり,発生した火炎が製造棟内の危険物,可燃物に引火,類焼し,製造棟全体の火災に至る重大事故に発展したものと考えられる。
【2.2.3プロセス概要 (18/101p)
⑥粗砕・解砕工程(作業:協力会社社員)】
2階固化室でスコップを使用してロジン変性フェノール樹脂をスクリューコンベアに入れる。
ロジン変性フェノール樹脂はスクリューコンベア内で解砕されながら,1 階のホッパーへ移送さ れる。
⑦包装工程(作業:協力会社社員)
1階にて包装に必要な洗浄済みのFIBCを準備する。
・・・・・
【3.3.1 発災前の状況(当日)】 (36/101P)
発災時 社員 b,c は FIBC への包装作業 全 20 個中,13 個目が終了,14 個目の包装を開始
・・・・・
【ロジン変性フェノール樹脂の包装作業】 (44/101P)
包装作業は FIBC を台秤に載せ,FIBC の充填口をホッパー排出口の直近まで伸ばし,回転型スライド弁を全開にして一気に約 400kg まで充填する。
この際,FIBC の充填口の端を回転型スライ ド弁とホッパー排出口の間に挟みこんで固定する。
さらに FIBC の充填口の反対側の端を集じんダクトに近づける。
回転型スライド弁を全開にした状態で約 400kg まで一気に充填した後(所要時間約 30 秒),回転型スライド弁の開閉操作にて調整し,所定量の 470kg まで充填する。
約 400kg から 470kg まで の充填操作中は,正確に計量するために FIBC はホッパー排出口から離し,自立させている。
充填開始から完了までの所要時間は約 1 分である。
充填後は FIBC の充填口を閉じ,フォークリフ トにて屋外へ搬出する。
【5.1粉じん爆発およびそれに伴う火災に至った経緯】 (94/101p)
(1)FIBC内に粉じん爆発下限濃度以上となる粉じんがあった。
(2)FIBC内で静電気のコーン放電により,粉じんに着火した。
(3)FIBC内で着火した粉じんが,ダクトを経由して集じん機まで伝播した。
(4)伝播した火炎により集じん機内で粉じん爆発(一次爆発)が発生した。
(5)集じん機内の一次爆発により,爆発放散口から集じん機内の未燃の粉じんを伴って火炎・爆風が噴出し,製造棟1階周辺の堆積粉じんを巻き上げ二次爆発が発生した。
(6)当該製造棟内にあった消防法危険物,可燃物のほか,爆風の影響により破断した配管から漏えいしたキシレン溶液や熱媒油に引火・類焼し,火災が当該製造棟全体に拡大した。
【5.2事故原因の整理】 (94/101p)
5.2.2人
荒川化学は長年にわたり粉じんにかかる大きな事故もなく操業し,ロジン変性フェノール樹脂が粉じんになることにより,粉じん爆発をもたらす危険性があることを認識できていなかった。
このことから,粉じんに対する安全意識が低下し,静電気や粉じん爆発に関する理解が不足していたため,危険性評価が充分できていなかった。
【6.再発防止策】 (97/101p)
6.1.2人(荒川化学および協力会社従業員)に対する対策
① 荒川化学は従業員に対し,専門家による静電気および粉じん爆発防止に関するセミナーを定期的に行い,理解させる。
②静電気および粉じん爆発防止に関するセミナーを受講して,常に新しい情報,知識を習得する。
③ 保安に関する荒川化学の社内会議にて,静電気および粉じん爆発防止の討論の場を設け,静電気および粉じん爆発防止の理解を深める。
http://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/document/news/20181120fuji7.pdf
(ブログ者コメント)
〇コーン放電が原因と推測された爆発事例は、過去にはサイロであったものの、フレコン事例はブログ者にとって初耳だ。
今回、着火源がコーン放電だと推察した大きな理由は、ブラシ放電での着火可能性を排除したことだが、その論拠は、報告書56/101pの
『事故発生時に充填していたロジン変性フェノール樹脂の体積抵抗率は 1014Ω・m であった。
体積抵抗率が高い樹脂からの放電はブラシ放電であり,粉じんへの着火性はない。(IEC 60079-32-1, p.126 参照)』
ということらしい。
ここで、表9(55/101p)では、今回事例の粉じんの最小着火エネルギーは、最も高い測定値でも『1mjを超え3mj未満』と記されている。
一方、静電気安全指針(2007)では、ブラシ放電の着火エネルギーは『3mj程度まで』と記されている。
そういった点から考えると、今回事例の粉じんにはブラシ放電でも着火し得たのではないだろうか?
報告書の結論の根拠となったIEC 60079-32-1, p.126の記述を確認しようとしたが、ネットでは検索の壁が厚く、確認できなかった。
〇一方、ブログ者にも経験があることだが、これまでは何ら不安も抱かず取り扱ってきた物質が、爆発が起きて初めて、非常に粉じん爆発しやすい物質だったことを知る・・・そういったことも、今回事例の教訓の一つだ。
〇ちなみに、産経新聞からは「同社は粉塵爆発の危険性を認識しておらず、帯電や粉塵の発生を抑えるなどの対策を取っていなかった。」と報じられているが、報告書を読むと、静電靴や静電服着用といった静電気対策(p43)や集塵機設置(p36)といった粉じん抑制対策がとられていた。
ただ、機器の上に堆積していた粉を、当分の間、清掃していなかったなど、管理面で不十分な点はあった。
2018年11月20日13時17分に関西テレビから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
兵庫県姫路市の病院で、内視鏡検査の際に誤って有害なホルマリン液を注入し患者を傷つけたとして、警察が医師などを書類送検する方針を固めたことが分かった。
3年前、姫路市の「SH病院」で、当時70代の男性患者が内視鏡検査の際に、濃度10%のホルマリン液を十二指腸に注入され後遺症があったとして、医師を告訴していた。
捜査関係者によると、その後の捜査で、病院の臨床工学技士が、体内に注入する水と間違えてホルマリンを用意し、男性医師がそのまま使っていたことが分かったという。
警察は、臨床工学技士と医師が中身を十分に確認せずに誤ってホルマリンを注入し、患者の十二指腸を傷つけたなどとして、業務上過失傷害の疑いで近く書類送検する方針だ。
出典
『「水」と間違えて、患者に『有害なホルマリン液』注入 医師らを書類送検へ』
https://www.fnn.jp/posts/2018112012163402KTV
11月20日8時44分にNHK兵庫からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
姫路市の「SH病院」では、3年前の平成27年7月、56人の患者の体内に誤ってホルマリンを入れる医療事故があった。
このうち80代の男性患者は、内視鏡検査の際、10%の濃度のホルマリン120mℓを十二指腸に注入され後遺症が残ったとして、弁護士が業務上過失傷害の疑いで担当医師を告訴していた。
ほかの55人の患者は、内視鏡の洗浄にだけホルマリンが使われていたということで、健康被害は確認できなかったという。
出典
『姫路ホルマリン誤注入書類送検へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20181120/2020002382.html
※事故の翌年、2016年10月13日21時52分に日テレNEWS24からは、男性の息子が告訴状を警察に提出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
本来は精製水を使用すべきところを、劇物のホルマリンを十二指腸に注入された。
この後、男性は腸がただれるなどして入院し、今も全身の神経痛などの後遺症があるという。
男性の息子
「(父親は)お腹にものすごい激痛があり、涙を流すほど、本当に死にそうなくらいの痛みがあった。
とにかく止めてくれと何度も検査の中止を訴えて必死に抵抗しましたが、看護師に押さえつけられ、麻酔も増量され強行されてしまいました。
同じような医療過誤が二度と起こらないようにするためにも、告訴を決心いたしました。」
病院によると、精製水と書かれた容器を使いまわして、ホルマリンを入れていたことが原因だということで、男性と同じ時期に検査を受けた別の患者55人にも誤って注入し、男性を含む全員に謝罪したということだが、この男性だけがホルマリンの量が多く、健康被害が確認されたという。
出典
『ホルマリン注入され後遺症 病院を告訴』
http://www.news24.jp/articles/2016/10/13/07343593.html
11月21日14時25分にNHK兵庫からは、他の55人にはホルマリン注入でなくホルマリンで洗浄した内視鏡を使っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
姫路市の病院の臨床工学技士と医師が、3年前、内視鏡検査をした患者に水と間違えて有害なホルマリンを注入して体を傷つけたとして、警察は21日、業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
水と間違えて用意されたホルマリンは内視鏡の洗浄にも使われ、ほかにも55人の患者にホルマリンで洗浄された内視鏡が使用されたが、健康被害は確認できなかったため、事件としては立件されなかった。
出典
『ホルマリン誤注入疑い書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20181121/2020002397.html
(ブログ者コメント)
〇以下は関西テレビ映像の1コマ。
精製水のポリ袋が入ったダンボール箱の「精製水」という表示に×印がつけられているものの、「ホルマリン」が入っているなどの表示はないように見える。
〇同じような事例は、2015年に松本市の病院でも起きている。
当該病院では、胃の内視鏡検査に使う薬剤の入ったボトルと同じような色、形状のボトルにホルマリンを入れていたため、間違った。
(本ブログでも紹介スミ)
(2019年4月17日 修正1 ;追記)
2019年4月17日0時53分にABCテレビから、技師が略式起訴されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、医師と臨床工学技士が、誤注入によって男性患者(当時77)の十二指腸を傷つけたなどとして、業務上過失傷害の疑いで書類送検。
検察は今月、臨床工学技士を略式起訴し、簡易裁判所が罰金30万円の略式命令を出した。
一方、医師は嫌疑不十分で不起訴処分になった。
男性患者の家族は、「いまも後遺症に苦しんで家族共々つらい思いをしているのに、このような結果になり、激しい憤りと悔しさがこみ上げています」とコメントしている。
出典
『兵庫県姫路市の病院でホルマリン誤注入 技士を略式起訴』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190416-00021486-asahibc-l28
2018年11月20日12時30分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鹿児島県伊佐市で先月23日、民家が全焼した火災で、消防車が水を積まずに出動し、消火開始が遅れたことが分かった。
伊佐湧水消防組合は、消防長ら5人を処分した。
組合によると、消防車が火災に出動し、隊員2人がホースを伸ばしてノズルを民家に向け、別の隊員が消防車の弁を開けたが、水が出なかった。
約300m離れた川の水をくみ上げて放水を開始したのは、約5分後だった。
すでに民家の約3分の2が焼けていたが、約1時間20分で鎮火。
木造平屋建て住宅と倉庫計約270m2が全焼したが、一人暮らしの女性(79)にけがはなかったという。
組合の説明では、先月17日、消防車の走行中にエンジンが故障し、レッカー移動するため、約2トン入っていた水を抜いた。
19日に修理が終わったが、水を入れ忘れたという。
修理後の毎日の点検でも、水の有無の確認を怠っていた。
放水の遅れが被害程度に与えた影響については、「分からない」としている。
組合は監督不行き届きだったとして、今月12~14日付で組合の消防長、同分遣所長ら5人を口頭や文書による訓告処分にした。
組合の赤池次長は、「プロとしてあってはならないミス。点検を徹底し、再発防止に努めたい」と話している。
出典
『消防車出動、ホース伸ばしたら…水積み忘れ、消火に遅れ』
https://www.asahi.com/articles/ASLCN3D9NLCNTLTB001.html
11月19日18時26分にNHK鹿児島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
タンク車は「水槽付消防ポンプ自動車」と呼ばれるもので、車体に大量の水をためることができる。
消防車と同様に放水も可能で、初期消火に対応するために導入されている。
伊佐湧水消防組合によると、このタンク車は伊佐市菱刈南浦で先月23日の夜に発生した住宅火災で出動したが、現場に到着し、消防士が消火活動を行おうとしたところ、水がないことに気づいた。
ポンプ車には最大2トンの水を積むことが可能で、およそ3分間、放水を続けることができる。
今回の火事では近くの消火栓から水を取り、ほかの7台の消防車両とともに放水作業を行ったという。
伊佐湧水消防組合は、「消火活動の遅れなど影響はなかった」としているが、注意義務を怠ったとして、組合のトップの消防長や大口消防署菱刈分遣所の副所長など、4人を訓告の処分とした。
ポンプ車は修理に出され、火事の数日前に菱刈分遣所に戻されたが、この際、職員が水を積むのを忘れていたという。
伊佐湧水消防組合は、「日ごろの点検を徹底して、再発防止に努めたい」としている。
出典
『消火に入るもタンク車に水なし』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181119/5050004921.html
2018年11月21日1時36分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
20日午後1時50分ごろ、恵庭市盤尻(ばんじり)の国有林で、北海道森林管理局恵庭森林事務所の森林官・菅田(すがた)さん(男性、38歳)が、シカ猟をしていたハンターに猟銃で腹部を撃たれた。
菅田さんは、搬送先の病院で約1時間半後に死亡が確認された。
警察によると、ハンターは札幌市の40代男性で、「動物と間違えて撃った」と説明。
菅田さんとハンターの男性は約130m離れていた。
警察は男性が誤射したとみて、業務上過失致傷の疑いで事情を聴いており、容疑が固まり次第、逮捕する方針。
警察などによると、菅田さんは同僚の50代男性と、倒木処理のために恵庭市のラルマナイの滝周辺の国有林に入って、林道近くで作業していた。
安全確保のため、オレンジ色のヘルメットを頭にかぶっていたという。
ハンターの男性は道の狩猟免許があり、散弾銃を持って山林で1人で猟をしていたという。
菅田さんと男性は面識がなかった。
捜査関係者によると、男性は発砲後に菅田さんに散弾が当たったことに気づいた。
現場は携帯電話の通信圏外だったため、近くの駐車場に止めた自身の車で、同僚職員とともに約2km離れた通話可能な道道まで菅田さんを搬送。
同僚職員が110番した。
菅田さんはドクターヘリで札幌市内の病院に運ばれた。
現場は恵庭市役所から西に約14kmで、道道恵庭岳公園線沿いの山林。
免許所持者によるシカ猟が可能な区域と禁止区域が混在しており、今季の可猟期間は10月1日~来年3月末となっている。
道のまとめでは、過去10年間に道内で発生した猟銃の発砲による事故は14件。
このうち誤射が原因とみられる死亡事例は、2011年2月に胆振管内厚真町と、13年11月に空知管内新十津川町で計2件起きている。
出典
『「動物と間違え」ハンター誤射、男性死亡 恵庭の山林』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250155/
11月21日付で毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察の調べでは、菅田さんは50代の同僚と国有林内の林道を巡回中で、オレンジ色のヘルメットに赤いジャンパー姿だった。
当時、佐孝容疑者と菅田さんは100~200m離れていたとみられる。
出典
『銃誤射・鹿猟中に 男性森林官死亡 容疑の男逮捕』
https://mainichi.jp/articles/20181121/dde/007/040/046000c
11月21日9時13分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、菅田さんは同僚の50代男性と倒木を片付けていた。
出典
『「シカと間違えた」誤射で死亡させた疑い 自営業の男逮』
https://www.sankei.com/affairs/news/181121/afr1811210006-n1.html
11月21日18時46分にNHK北海道からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐孝容疑者(49)は調べに対し容疑を認め、「菅田さんが身につけていた白いタオルが鹿のお尻に見えた」という趣旨の供述をしているという。
警察によると、猟銃は散弾銃で、「スラッグ弾」と呼ばれる比較的威力の強い弾が使われていたという。
また、佐孝容疑者は4年前の平成26年に猟銃所持の許可を取り、去年とおととしも現場周辺で鹿狩りをしていたとみられることが、警察などへの取材でわかった。
一方、菅田さんとの距離は当時100m以上あったが、猟銃を撃ったのは1発だけだったという。
【猟友会の対応は】
北海道猟友会によると、道内では、記録が残っている昭和59年度から昨年度までの33年間で、鹿と人を間違えて撃った事故は10件発生し、このうち6件が死亡事故だという。
北海道猟友会には、現在、5300人あまりの会員がいて、高齢化などで猟をやめる人がいる一方で、毎年250人ほどが新しいメンバーとして入会しているという。
猟友会は、新しい会員に銃の取り扱いなどを教えているほか、毎年、エゾシカ猟が解禁されるのを前に、会員を対象に、誤って撃たないようにするための研修などを開いて、安全対策を進めているという。
北海道猟友会の齊藤専務理事は、「狩猟には、時間や場所を制限する法律はあるが、猟場での最終的な安全管理は、個々の責任で判断することになる。狩猟をする際には、まずはその場所が本当に安全かどうか確認するようにしている。また、動くものを見つけたときは、獲物だと思い込まず、頭や胸などの部位だけでなく、オスか雌の判断までしっかりと確認してから引き金に指をかけるよう、呼びかけている」と話している。
猟友会は、今回の事故を受けて、会員に対して注意喚起を徹底し、同じような事故が起きないよう呼びかけている。
【環境省はDVD作成】
環境省はDVDを制作し、銃を使った狩猟の注意点を紹介している。
この中では、事故が起きやすい状況について、茂みなど視界が悪い場所や目標が遠くにあるときなどをあげ、危険を意識して特に確認を徹底する必要があるとしている。
また、実際に起きた事故の例として、白い手袋が鹿の尻に見えたというケースや、長靴がイノシシの胴体に見えたというケースなどが紹介されている。
事故の原因としては、銃口の先への安全確認が不十分なことをあげ、その背景には、猟で成果を上げたいという欲や、人がいるはずはないといった思い込みがあるとしている。
環境省は、この映像をホームページで公開し、事故の防止を呼びかけている。
出典
『過去にも現場周辺で鹿狩り経験か』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20181121/0005838.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
11月22日3時33分に北海道新聞からは、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
恵庭市の国有林で20日、北海道森林管理局の森林官・菅田さんがシカ猟の猟銃の誤射で死亡した事故は、ハンターによる安全確保の重要性を改めて浮き彫りにした。
エゾシカの増加を受けて、道はハンター育成に力を入れ、新たに狩猟免許を取る人は増えているが、安全への意識や技術も同時に強く求められている。
「130mの距離なら、肉眼で人かシカか確認できないはずがない」。
北海道猟友会札幌支部副支部長で、同支部恵庭部会長を務める岩崎さん(男性、72歳)は、なぜ誤って撃ったのか―と、いぶかしむ。
誤射をしたとして業務上過失致死容疑で逮捕された札幌市の自営業佐孝容疑者の狩猟歴は4年で、「まだ初心者の部類」(地元ハンター)。
恵庭部会では、初心者にベテランを含め複数で動くよう指導しているが、佐孝容疑者は1人で入林した。
「シカが増え、1人で捕れる確率が上がったからでは」と岩崎さんはみる。
恵庭部会では、誤射防止へ、スコープではなく肉眼で確認できなければ撃たないよう会員に指導しており、狩猟歴40年の岩崎さんは、「(自分なら)300mの距離でも、肉眼でシカか人かは分かる」。
地元ハンターの1人は、「普通は、標的を間違わないため、ヤブから出るのを待つ。今回は、なかなか捕れず、焦っていたのでは」と推測する。
道猟友会によると、佐孝容疑者は2014年に同会札幌支部に入り、几帳面な性格だったという。
警察によれば、今回使ったのは「サボットスラグ弾」。
弾頭に回転がかかり、小さい弾丸が散開する「散弾」より、殺傷力が高いタイプが一般的という。
北海道森林管理局石狩森林管理署(札幌)によれば、シカの猟期、林内で作業する職員は安全対策でヘルメットを白からオレンジ色に変え、オレンジ色のベストを着ける。
菅田さんも着用していた。
岩崎さんは20日午前、打ち合わせで菅田さんに会ったといい、「現場の好きなフットワークの軽い人だった」という。
道によると、散弾銃やライフルを狩猟で使える第1種銃猟免許の新規取得者は、2002年度の158人から、16年度は438人に増えている。
道がシカの個体数抑制へ、狩猟免許の取得試験を年4回に倍増させるなどハンター確保策を講じたことも一因とみられ、若い世代も増えている。
事故を受けて道猟友会札幌支部は21日、札幌市内で緊急役員会を開き、会員対象の安全指導会を年内にも開くと決めた。
札幌支部の斎藤支部長(男性、71歳)は取材に、「今までの研修に加え、何かしないといけない」と危機感をにじませた。
出典
『増える初心者ハンター、安全意識浸透は急務 誤射事故「肉眼で確認できたはず」』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/250594/
(2018年12月13日 修正1 ;追記)
2018年12月12日10時39分に毎日新聞から、来年3月まで道内国有林で狩猟禁止という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事件を受け、北海道森林管理局は11日、道内の全ての国有林で来年1月15日~3月末、猟銃を使用した狩猟を禁止すると発表した。
都道府県全域の国有林での禁止は道内では初で、全国でも極めて異例。
シカ、クマ、ウサギ、カモなど全ての野生鳥獣への狩猟が対象で、わななどによる捕獲は可能。
ただ、シカは深刻な食害被害対策として市町村が実施した場合に限り、一般人の入林禁止などの安全措置を実施すれば認める。
道内の猟期は10月からで、シカ以外は1月末まで。
シカの猟期は地域によって異なり、南西部の多くは3月末、十勝やオホーツクでは2月末などという。
今回の禁止は、狩猟者に法令やルールの順守徹底を促し、再発防止を図る狙いがある。
11月の死亡事件では、ハンターが巡回中の森林官(当時38歳)を誤射。
同局によると、森林官はオレンジ色のヘルメットに赤いジャンパーの目立つ姿で林道上を歩行しており、同局は「確認をせずに法令で禁止されている林道に向け発砲したことは明らか」と指摘した。
出典
『恵庭・ハンター誤射 道内全国有林で猟銃使用の狩猟を禁止』
https://mainichi.jp/articles/20181212/k00/00m/040/031000c
(2019年1月10日 修正2 ;追記)
2019年1月9日8時8分にNHK北海道から、道有林でも今年3月末まで平日は狩猟禁止になるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道は、およそ60万haの道有林でも、銃による狩猟を目的とした立ち入りを禁止することを決めた。
立ち入りが禁止されるのは国有林と同じ、今月15日から3月末までで、エゾシカによる農作物などへの被害が拡大するのを防ぐため、道有林内で道職員による森林や林道の調査などが行われる平日に限るという。
道の道有林課は、「今後、事故の原因が究明され、再発防止策が講じられるまで、安全確保を最優先とする必要がある」としている。
出典
『誤射事故受け道有林も入山制限』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20190109/0006895.html
(2019年3月11日 修正3 ;追記)
2019年3月10日17時32分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受け、道内のハンターたちが10日、事故防止を考える集会を札幌市内で開いた。
札幌市や後志管内余市町在住の狩猟者でつくる「安全銃猟と山林活動を考える有志の会」が主催した。
同会は、ハンターによる誤射事故を繰り返さないための態勢づくりを目指し、今年1月に発足した。
集会には、ハンター約30人が参加。
有志の会の安藤さんと、森林管理局の藤本・生態系管理指導官が対談し、事故防止をテーマに意見交換した。
藤本さんは、森林管理局職員が山で作業する際は、狩猟者がいることが分かれば近づかないようにしていることを説明し、「互いに同じ区域に入らないような配慮が必要だ」と強調した。
安藤さんは、山に入るバックカントリースキーヤーが増えていることを指摘し、「レジャー客の事故が起きないようにする対策も考えたい」と話した。
出典
『猟銃誤射防止考える 道内ハンターが集会 札幌』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/284831/
2018年11月20日18時15分にNHK徳島から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
相次ぐ豪雨災害に備えて、徳島県は大規模水害に特化した消防部隊を全国で初めて創設する準備を進めているが、20日、この部隊の中心となる水陸両用車が徳島県北島町で公開された。
公開されたのは、全長4.8m、総重量3.3トンの大型車両で、車両後部の2基のスクリューで船のように移動できる一方、キャタピラー走行もできるという、水陸両用の性能を備えている。
豪雨で浸水したり土砂が流れ込んだりしたアクセスの困難な場所でも、孤立した被災者の救助や物資の輸送などにあたることができる。
20日、徳島県北島町の河原でこの車両が初めて公開され、消防隊員などおよそ80人が集まった。
はじめに、メーカーの担当者が、陸上走行モードと水上走行モードをスイッチで切り替えられることなど、車両の性能を説明した。
続いて、消防隊員が車両に乗り込み、河原の砂利道を走行したうえで、そのまま川の中に入り、陸上でも水上でも走行できることを実際に確かめていた。
徳島県は、西日本で唯一、配備される予定のこの車両を中心に、全国で初めての大規模水害に特化した消防部隊を創設することにしていて、車両は今後、回転灯の設置など改良が加えられ、来年3月に正式に配備される予定だ。
試験走行を行った隊員の1人は、「船や車だけでは到達できない被災者のもとにたどりつくことができる。訓練を重ねて、少しでも多くの人を助けられるようにしたい」と話していた。
出典
『豪雨災害に備える水陸両用車公開』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20181120/8020003522.html
11月20日23時55分に朝日新聞からも、写真と動画付きで、同趣旨の記事がネット配信されていた。
津波や大規模水害時に人命救助などにあたる水陸両用の全地形形対応車が、今年度中に千葉県と徳島県に配備される。
愛知県岡崎市に配備されている従来型にはない、スクリューを備えた新型で、水上での安定航行ができるという。
徳島県で20日に試験走行があった。
全地形対応車は、総務省消防庁が導入した。
悪路走行用のベルト状のゴムの駆動装置と水上航行用のスクリューを、運転席のスイッチで切り替えられる。
現場まで車両を運ぶ搬送車や、救助用機材を含む費用は、一式約6500万円になる。
各地で相次ぐ豪雨災害に対応するため、広域での運用を想定して、両県内の消防に無償貸与する。
徳島県は今年度中にも、車両が配備される板野東部消防組合を中心とした風水害対応の部隊をつくる方針だ。
徳島県消防保安課の佐藤課長は、「南海トラフ巨大地震による津波被害も予想される。すぐに出動できる態勢を整えたい」と述べた。
出典
『走って泳げるすごいやつ 津波や水害に備え新型車配備へ』
https://www.asahi.com/articles/ASLCN3W30LCNPUTB005.html
(ブログ者コメント)
岡崎市に配備されている全地形対応の消防車両(レッドサラマンダー)については、昨年、本ブログでも紹介スミ。
2018年11月23日5時0分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
車対歩行者の死亡事故のうち、7割は歩行者が道路横断中に発生していることから、警察庁は22日から、信号機のない横断歩道での歩行者優先を徹底させるため、初の全国一斉の広報・指導強化期間を設けた。
各都道府県警が、28日までキャンペーンを展開する。
警察庁によると、昨年までの5年間に全国で起きた車対歩行者の死亡事故は計6576件で、うち4811件(73%)は歩行者が道路を横断中だった。
472件は信号機のない横断歩道で発生し、ドライバーの減速が不十分なことによる事故が多発している。
また、横断歩道以外は3304件で、うち2528件は歩行者側に「走行車両の直前直後横断」などの法令違反があった。
山本・国家公安委員長は22日の会見で、「運転するときは、横断歩道の手前では減速すること、横断歩行者がいるときは止まること、歩くときには横断歩道を渡ることを心がけてほしい」と話した。
期間中、警視庁と千葉、埼玉、神奈川各県警は、2020年東京五輪・パラリンピックの各競技場に通じる一般道で、街頭キャンペーンでドライバーにチラシを配布し、歩行者優先を働き掛ける。
他の県警でも、交通量が多い横断歩道で、歩行者に反射材を配ったりドライバーを指導したりして、道路横断に関する交通ルールの順守を図る。
千葉県警は、ドライバーに歩行者保護と横断歩道での一時停止の徹底を呼び掛け、取り締まりを強化する「ゼブラ・ストップ作戦」を展開している。
横断歩道を意味するゼブラゾーンにかけ、ゼ=前方の安全確認、ブ=ブレーキ、ラ=ライトの点灯を意識させ、交通事故ストップを訴える。
出典
『「横断歩道は歩行者優先」 初の全国一斉強化 五輪会場周辺で啓発』
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/549964
(ブログ者コメント)
〇千葉県以外、群馬県や兵庫県などでも、同様の運動が展開されているという報道があった。(紹介は割愛)
〇本ブログでは1週間前、横断歩道を渡ろうとしている人がいるのに停まらない車が多数あり、という情報も紹介している。
2018年11月19日19時41分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県立鹿児島水産高校の漁業実習船の機関長ら3人が、船の運航に必要な「海技免状」の有効期限が切れた状態で運航していたことがわかり、19日、横須賀海上保安部に検挙された。
検挙されたのは、枕崎市にある県立鹿児島水産高校の漁業実習船「薩摩青雲丸」の56歳の機関長と46歳の一等機関士、それに25歳の通信長の3人。
「薩摩青雲丸」は、遠洋漁業の実習に参加している生徒たちを乗せて、ことし9月に枕崎港を出港し、ハワイ沖でマグロなどを捕獲していた。
19日午前、水揚げのために立ち寄っていた神奈川県三浦市の三崎港で横須賀海保の立ち入り検査を受け、3人の「海技免状」が失効していることがわかったという。
「海技免状」は5年ごとに更新が必要な国家資格で、種類によって運航できる船や職務が決まる。
鹿児島水産高校は、3人を採用した際に、それぞれ「海技免状」を確認していたが、更新の有無は確認していなかったという。
船には生徒22人を含む44人が乗っていて、今月23日に山川港に入港する予定だったが、船が運航できる見通しが立っていないため、鹿児島水産高校は、生徒らを別の方法で帰らせることができないか、検討している。
鹿児島水産高校の立石教頭は、「生徒や関係者の皆さんにご迷惑をおかけして、たいへん申し訳ない。教育実習船としてあってはならないことで、2度と起きないよう改善したい」と話している。
横須賀海保は、「船舶職員及び小型船舶操縦者法」違反の疑いで任意で捜査を続けることにしている。
出典
『“免許切れ”実習船機関長ら検挙』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181119/5050004925.html
11月20日19時32分に南日本放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横須賀海保によると、ハワイ沖での実習を終えて神奈川県の港に入った薩摩青雲丸を19日に立ち入り検査したところ、3人の海技免状の有効期限が2か月半から4か月近く前に切れていたことが分かったという。
ほかの乗組員を確保できず、船を動かせないため、生徒の帰宅方法などを検討しているという。
出典
『鹿児島水産高の実習船 機関長ら免状失効で摘発』
https://www.mbc.co.jp/news/mbc_news.php?ibocd=2018112000033196&ap=
11月19日付で鹿児島テレビからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「薩摩青雲丸」は実習生などが乗船し、9月14日に枕崎港を出港。
実習を終え、18日、神奈川県三浦市の三崎港に入港した。
入港後、横須賀海保が立ち入り検査を行ったところ、機関長と1等機関士など合わせて3人の海技免状の有効期限が出航前に切れていたことが分かった。
出典
『機関長ら 免状失効のまま漁業実習船に乗船 鹿児島水産高校』
http://news.ktstv.net/e78483.html
(ブログ者コメント)
上記情報を総合して考えると、3人の免状は枕崎を出航する半月~2ケ月前に失効していた模様。
うっかり失効はタマにあることだろうが、3人同時にというのは珍しいかもしれない。
2018年11月19日19時24分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高齢化などを背景に、中山間地のガソリンスタンドの廃業が相次ぐなか、地域にタンクローリーを派遣してガソリンを供給する全国で初めての社会実験が、19日から静岡県浜松市で始まった。
この社会実験は、浜松市が経産省の支援のもと、天竜区の山あいの地域で始め、19日は天竜区龍山町のガソリンスタンドの跡地に約2kℓのガソリンを積んだ車両が派遣された。
販売されるのはレギュラーガソリンのみで、価格は、1ℓ当たり160円と高目だったが、実験が始まる午前10時になると、地域の住民たちが車で列を作り、給油をしたり、農業用の機械などに使うガソリンを携行缶で買い求めたりしていた。
給油に訪れた地域の85歳の男性は、「ふだんは往復一時間あまりかけて給油しています。月に3日でもいいので、こうして回ってくれるとうれしいです」と話していた。
浜松市市民協働・地域政策課の山本・中山間地域グループ長は、「順調なスタートとなりました。安全面やコストなどを検証し、次につなげたいです」と話していた。
この社会実験は、今年度中に天竜区の4か所で行う計画で、浜松市はコストや安全性などを検証するとともに、利用者に使い勝手などについてアンケートを行うなどして、中山間地の新たな燃料供給モデルの構築を目指していくことにしている。
出典
『中山間地でガソリン供給の実験』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20181119/3030001194.html
(ブログ者コメント
以下は、映像の1コマ。
画面では隠れているが、右のほうにいるローリー車から給油機の下側にホースをつなぎ、あとは普段どおりに店の人が給油していた。
2018年11月19日20時28分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本県立熊本西高校(熊本市西区)で、同校2年の男子野球部員(16)が、練習試合中に打席で投手が投げた硬球を頭部付近に受け、搬送先の病院で亡くなる事故があった。
同校は19日の全校集会で事故について説明。生徒らが黙禱した。
日本高校野球連盟によると、統計が残る1974年以降、公式戦や練習試合の死球で亡くなったケースは、今回が3件目。
熊本県警によると、部員は18日午後1時40分ごろ、同校グラウンドで県内の高校と練習試合中に打者として打席に入り、相手投手が投げた球が左側頭部付近に当たった。
倒れてから間もなく意識を失って病院に運ばれたが、19日午前9時35分ごろに亡くなった。
CT検査などの結果、死因は外傷性くも膜下出血。
明らかな外傷はなく、球が当たった詳しい場所や、直撃したかヘルメット上から当たったかは不明という。
同校によると、練習試合には野球部の部長や監督が立ち会っていた。
部員は、日本高野連が定めた規格を満たした両耳を覆うヘルメットをかぶり、右打席に立っていた。
高めに来た球をよけようとした際に当たったとみられるという。
松野教頭は、「安全上の問題はなかったと認識している」と述べた。
同校野球部は、秋の熊本県大会で準優勝。
初出場の九州大会で8強入りした。
この部員もベンチ入りしており、県高野連は同校を来春の選抜高校野球大会の「21世紀枠」に推薦していた。
試合中に頭部付近に死球を受けて死亡した事例は、極めてまれだ。
日本高野連によると、1974年以降で死球で亡くなった事例は今回が3件目だが、他の2件は胸と背中に当たったもので、頭部付近への死球では初めてという。
担当者は、「正式な報告を待って具体的な対応策を考えたい」としている。
日本野球機構の説明では、プロ野球でも頭部死球による死亡事例はない。
米メジャーリーグでは、米スポーツ専門局ESPNのサイトによると、1920年に頭部に死球を受けた打者が死亡したケースがある。
安全性を保証する「SGマーク」を手がける一般財団法人「製品安全協会」は、野球用ヘルメットでは時速108kmの硬球を使って衝撃の吸収度をテストし、高野連の規格を満たす条件の一つになっている。
40年以上前に定めた基準で、担当者は、「ヘルメットをかぶった死球で今回のような事故に発展したことはない」という。
出典
『頭に投球が直撃、死亡事故は異例 ヘルメットは着用』
https://www.asahi.com/articles/ASLCM5CHPLCMTLVB017.html
11月19日19時26分に熊本放送からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本西高校で野球の試合中に、デッドボールを受けた選手が死亡した。
耳の後ろにボールが当たったという。
死亡したのは、熊本西高校硬式野球部の2年生篠田さん(16)。
篠田さんは18日の練習試合で打席に立ち、デッドボールを受けた。
「篠田さんは、ピッチャーが投げたボールが頭に当たったあと、痛いと言葉を発し、その場に倒れたということです」(記者)
そのまま意識を無くした篠田さんは、外傷性くも膜下出血のため、運ばれた病院で19日朝になって死亡した。
ボールが当たったのは、ヘルメットで守られていない「耳の後ろ」だった。
「後頭部には大脳、その下に小脳、さらにその下に延髄がある。
延髄には呼吸中枢があるため、人間の生命維持にはとても重要な器官がある。
硬式ボールはとても硬く、エネルギーも何トンという力が頭にかかるのは間違いないが、当たり場所や当たった角度によっても、死に影響することは十分にあります」
(熊本回生会病院・鬼木泰成スポーツドクター)
・・・・・
出典
『デッドボールで野球部員が死亡』
http://rkk.jp/news/index.php?id=NS003201811191926370111
11月19日12時59分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
篠田さんはヘルメットをかぶっていた。
ボールをよけようとしたが、ヘルメットをかすめて左側頭部付近に当たったという。
出典
『頭部付近に死球、高2死亡…21世紀枠の推薦校』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181119-OYT1T50057.html
11月20日11時37分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察の発表などによると、18日午後1時40分頃、篠田さんは県内の他校との試合で代打で右打席に入り、左側頭部付近に相手投手が投げた硬球が当たった。
篠田さんは「痛い」と叫んで倒れ、そのまま意識を失った。
顧問や保護者らが心臓マッサージを行った後、病院に搬送したが、19日午前9時半頃に死亡した。
同高によると、篠田さんがかぶっていたヘルメットの左側の耳当ての端にボールが当たったような痕が線状(約1cm)で残っていた。
ヘルメットと頭部の境目付近にボールが当たったとみられるという。
出典
『ヘルメットと頭部の境目に死球か…野球部員死亡』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181119-OYT1T50104.html
2018年11月18日10時0分に伊勢新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
17日午後1時10分ごろ、桑名市和泉の員弁川左岸の護岸工事現場で、作業をしていた岐阜県海津市の会社員男性(38)の頭上に長さ約10m、直径10cmの鉄パイプが落下した。
男性は桑名市内の病院に搬送されたが、約1時間10分後に死亡が確認された。
警察によると、現場では護岸工事に向けて川の水をせき止めるため、鉄板など工事用資材をクレーンで運んでいたという。
クレーンのワイヤが何らかの原因で外れて、鉄パイプが倒れたとみられる。
当時、数人が作業中だったといい、警察で詳しい原因を調べるとともに、安全管理が十分だったかどうかを調べる。
出典
『鉄パイプ落下、男性作業員に当たり死亡 桑名、員弁川の護岸工事現場』
https://this.kiji.is/436692967308690529?c=39546741839462401
2018年9月20日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報として掲載します。
第1報は下記参照。
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8822/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8824/
(2018年11月24日 修正3 ;追記)
産経新聞連載企画「太陽光発電は人を幸せにするか」の続編、№17~20を引き続き紹介します。
(17) 「条例」は無力? ハンファのメガソーラー建設が続く伊東市 続々とほかの業者も
申請
(2018年11月10日8時0分)
「荒々しく工事が進んでいるという印象。残念です」
7日、静岡県伊東市八幡野で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設計画が進む伊豆高原メガソーラーパーク発電所の現場を視察し、報道陣に囲まれた小野達也・伊東市長(55)の顔は、いくぶんこわばっているように見えた。
・・・・・
視察後、小野市長は「県議時代は太陽光発電は一般の方の生活経費を抑制し、良いと理解していたが、ここまで(建設が増える)とは思わなかった」と述べた。
視察に同行した静岡県経済産業部の西島理事は「土砂の流出、伐採木や風で倒れた木の処置を適切にすべき」と述べ、問題点を指摘。
「工事に伴い発生する土砂、伐採木などが、下流域への災害の発生源とならないように適切な処理を行うこと」などとする、静岡県がハンファ側の林地開発許可を認めた際につけた10条件に違反する恐れがあると認めた。
その上で「許可の取り消しもあり得る」と述べたが、一方で「行政指導をするところから始めたい」とも話し、実際に許可取り消しに至るかどうかは不透明だ。
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https://www.sankei.com/affairs/news/181110/afr1811100001-n1.html
(18) 事態を動かした知事の一声 つくば市民が筑波山の太陽光発電計画を止めたが…
(2018年11月11日8時0分)
太陽光発電所の建設を規制する条例がないのに、建設計画を断念させたまちがある。
茨城県つくば市沼田。
約23万6千人の人口を擁する茨城県南部の学園都市・つくば市にあって、同市中心部から北部に約20キロ離れた、筑波山のふもとに位置する静かな町だ。
平成27年10月、約280世帯の沼田区長の渡辺さん(69)は市の職員の言葉に耳を疑った。
「沼田の傾斜地に太陽光発電所ができるとは。しかも、もう伐採したって…。業者が伐採届けを市に出した段階で、何で知らせてくれなかったんだ」
・・・・・
こうした動きを受け、2月2日、国定公園内に建設を予定していた業者が計画を取り下げた。
そして、2月25日、茨城県は国定公園内に建設を予定していた残り2事業者の太陽光発電所建設計画をいずれも不許可とした。
住民運動が実った瞬間だった。
だが、渡辺さんは「国定公園外の1件は止めることができなかった。現行法令はあまりに業者に対して甘すぎる」と憤る。
・・・・・
https://www.sankei.com/premium/news/181111/prm1811110015-n1.html
(19)「行政だって訴訟が怖いんです」
(2018年11月17日8時0分)
・・・・・
静岡県伊東市八幡野で計画されている韓国財閥系企業「ハンファエナジージャパン」の大規模太陽光発電施設「伊豆高原メガソーラーパーク発電所」についても今年7月、静岡県の川勝知事(70)は、条件をつけた上でハンファ側の林地開発申請を許可した。
市内に太陽光発電施設がある関東地方の市担当者が話す。
「静岡県の『条件つき許可』は正直、すごいなと思いました。
林発(林地開発許可)や宅造(宅地造成許可)の申請は、書類が整っていたら断れません。
なぜなら行政だって、業者から訴訟を起こされることが怖いからです。
林発も宅造も行政側が住民の反対を理由に不許可とすることは想定されていないのです」
・・・・
茨城県は平成28年7月、筑波山などでの太陽光発電と風力発電を禁止する条例を施行した。
だが、条例が伝家の宝刀となり得ないのは、以前に紹介した山形県飯豊町のケースでも分かる通りだ。
北海道庁の職員時代、産業廃棄物最終処分場の建設に関し、北海道知事の不許可処分を不服とした業者が提訴した裁判に関わった経験がある東海大学の内藤悟准教授(環境法)は「最近の条例は国の再エネ推進と地域の環境保全の間にあって規制としては限界があり、また計画に対する後出しや、自治体が民事裁判の手続により規制することは認められず、業者側が有利」と前置きした上で「自治体が太陽光発電を機に、規制が緩いまま見過ごされていた里山地域の重要性を住民と協議し、早いうちに目的を明確にして土地の管理や規制の準備をしておくことは大切なこと」と指摘する。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181117/afr1811170001-n1.html
(20) 高値で取引される売電権に経産省が切り札 「倒産する」と業者の悲鳴
(2018年11月18日8時0分)
「来年には上場を予定していたのに。これではすべてが台無しです。どうしたら…」
東京都内のビル。
女性は自ら作ったという紙を差し出して、大きく息を吐いた。
女性が怒り心頭に発しているのは、資源エネルギー庁が10月15日に公表した国民負担の抑制案だ。
・・・・・
女性の言い分はこうだ。
経営する会社が西日本に太陽光発電所を計画している。
大きな反対はなかったものの、農家などを中心にインフラ整備などを求める声が上がり、それに対応していたため、着工が遅れた。
「土地購入、連係費用、開発、増設費用を考えただけでも18円では採算が合わない。国は政策をコロコロと変えすぎです。これでは倒産するしかなくなる」と訴える。
平成23年3月の東日本大震災が後押しし、当時の民主党の菅直人政権下で進められたFIT法は同24年の施行時は産業用で1キロワット40円もの売電価格を20年間、保証していた。
そのため中国、韓国、スペインなどをはじめとする外国資本が日本に殺到。
資金が潤沢な会社が関与した特定目的会社(SPC)が数多く作られ、大規模太陽光発電所(メガソーラー)が乱立した。
・・・・・
https://www.sankei.com/affairs/news/181118/afr1811180003-n1.html
2018年11月16日19時35分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月、大島大橋に貨物船が衝突した事故で、航海士は大型船が安全に航行するために設定されているルートを事前に把握しながら、距離が短い橋を通過する航路を選んでいたことが、海保への取材で分かった。
専門家は、「船の航行に危険がある海域を洗い出し、あらかじめ周知することが必要だ」と指摘している。
10月22日に周防大島町と柳井市を結ぶ大島大橋に外国船籍の貨物船が衝突し送水管などが破断した事故で、インドネシア人の船長は、業務上過失往来危険の罪で罰金の略式命令を受けた。
貨物船の2等航海士は、海保が設定している、大型船でも安全に航行出来る「推薦航路」を事前に把握していながら、目的地までの距離が短い大島大橋がある海域をルートに設定していたことが、海保への取材でわかった。
調べに対し2等航海士は、「大畠瀬戸を通るルートの方が短くいけると思った。深く考えずルートを設定した」と話していたという。
海難事故に詳しい東京海洋大学の竹本孝弘教授によると、瀬戸内海では港の整備が進み、船がこれまで通らなかった海域を航行するケースが見られるようになったという。
竹本教授は、「海域の特性を十分把握しないまま、不慣れな船が航行する可能性があり、危険性のある海域を洗い出したうえで、行政機関が周知するなど、対策が必要だ」と話している。
出典
『推薦航路把握も最短ルートで事故』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20181116/4060001532.html
※以下は、NHK映像の1コマ。本来のルートと近道ルートが併記されている。
一方、事故発生の2日後、2018年10月24日付で長周新聞からは、かなり詳しい下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
山口県周防大島町と大畠町とを結ぶ大島大橋がかかる大畠瀬戸で、22日午前0時30分ごろ、ドイツの海運会社が所有する貨物船「エルナ・オルデンドルフ」(総重量2万5431トン)が大島大橋の橋梁に衝突し、水道管と光ファイバーケーブルなどを切断する事故が発生した。
切断された水道管は周防大島町への唯一の送水ルートであり、同町では同日午前8時ごろから、ほぼ全域の約9050世帯で断水し、約1万4600人の生活が麻痺している。
海運関係者の間では前代未聞の事故であり、なぜこのような事故が起きたのか?と唖然とした表情で語られている。
【 内航船も通らぬ大畠瀬戸を航行】
事故を起こした貨物船「エルナ・オルデンドルフ」(マルタ船籍)を所有・運航するオルデンドルフ・キャリアーズは、ドイツ最大のバルク(バラ積み貨物)運搬会社で、約4000万トンの運搬能力を持つ約500もの船舶を運航しており、特に鉄鋼貨物では世界最大規模の運搬量を誇っている。
船には、船長(インドネシア国籍)を含む船員21人が乗船し、6300トンのアルミナ(酸化アルミニウム)を積み、韓国オンサン港から広島県呉港沖を経由(検疫)し、江田島港を目指す予定だった。
高さ約40mのレーダーマスト、さらに35~36mのクレーン4基を搭載した船体で、大島大橋(海面からの高さ31.9m)の下を通過しようとして衝突。
その後も、船を止めることも通報もすることなく、クレーンが破損し、マストが折れた状態で呉港沖まで向かっていた。
事故時は船長が操船指揮していた。
瀬戸内海は潮汐の干満差が大きく、水道も狭く地形が複雑なため、全国で最も潮流が速い海域として知られている。
とくに事故現場となった大畠瀬戸は、大島大橋の下を通過しなければならないうえに、海峡の幅も狭く、漁船も含め1日あたり124隻が行きかうが、最大でも4000トンクラス(平成26年度)。
3000トンクラスの内航船タンカーでも、自主規制を敷いて「航行不可」とし、周防大島の東側にある諸島水道(情島と津和地島の間)のルートを使うといわれる。
2万トンをこえる大型船の場合は、さらに東側のクダコ水道(愛媛県の中島と怒和島の間)を主要な航路としている。
2万5000トンをこえる大型貨物船が通れる海域ではないことは、海運業に携わる人々の間では常識であり、「ありえない」、「前代未聞の事故」と、驚きをもって語られている。
外国船籍が瀬戸内海に入るときは、入域する24時間前までに管轄する海上保安署に船舶保安情報を通報しなければならず、通航する海域によっては、経験豊富なパイロット(水先人)を乗船させることが強制・任意のいずれかで求められている。
大畠瀬戸は任意の海域であり、パイロットは乗船していなかったとみられている。
また、入港する港には積み荷の受け入れ先となる代理店が存在し、この代理店が船側と連絡を取り合って、航路などの情報を共有するのが常識とされている。
橋や岩礁などの障害物の情報はすべて海図(最近は船に電子海図を搭載)に書き込まれており、航海ルートはその海図をもとに決めるため、パイロットがいなくても、必要な情報をもとに計画が立てられていれば、起こりようのない事故だった。
代理店について、事故を調査する第六管区海上保安本部は、「本人の同意が得られないため」として公表していない。
【「常識では考えられぬ事故」船舶関係者らは唖然】
長年、外国航路の機関長をしていた下関市在住の男性は、
「大畠瀬戸を通過するのは、小さい船でなければ無理だ。
海峡の幅も狭いし、潮流も複雑。
たまに船を見るような外海とは違って、船の量も多い。
関門海峡ならば5万トンの船でも橋の高さを気にせずに通過できるが、低い橋の下を通るときは、満潮時に海面からマストまでの高さがどれくらいあるかを知っていれば、通らないはずだ。
もしパイロットが乗っていたら、“この船では通過不可能”と指示するから、こんな事故は起きない。
きちんと海図を確認し、代理店からも情報の提供があったのなら、この船長は、自分が乗っている船の高さを認識していなかったことになる。
当たり前の手順を踏んでいれば起きない事故であり、偶然のものではなく、人為的なミスによる必然的な事故だ。
船長と海運会社は責任を免れないだろう」
と指摘した。
さらに、
「大型船の場合は、むしろ船底のことが心配されるので、瀬戸内海を通るときはパイロットを乗せるのが適切だ。
海面からは見えない海底に砂が堆積した場所に行けば、座礁する危険性がある。
だから、砂の溜まりやすい関門海峡では、定期的に海底の砂を浚渫する。
目に見える頭上の橋にぶつかるというのは、通常では考えられない」
「外国船籍で、船長も機関長も乗組員も全員外国人であったなら、瀬戸内海の状況について、認識はほとんどないだろう。
日本人パイロットを乗せていなければいけないはずだったが、コスト削減などの理由で、それをやっていなかったことが考えられる。
パイロットは、外国航路で10年以上船長をやって無事故だった人にしか資格が与えられない。
外国で日本船が事故をすれば、ものすごい賠償金が課されるので慎重にやるが、日本の場合は規制が甘い。
事故をしても、航行禁止などにはならない。
そのためコスト優先で、安全は二の次がはびこり、事故が増えているのではないか」
と語った。
同じく大手商船会社で長年船長を務めた男性は、
「映像を見る限り、事故を起こした貨物船は、荷をほとんど積んでおらず、バラスト(空船)に近い状態だったのではないか。
水面から出る船の高さが、満載時に比べると高くなっていたと思われる。
それにしても、マストがぶつかるというのはありえない。
基本情報となる海図には、水深は最低潮時、橋は最高潮時の高さが書かれており、それを見れば自船が航行可能かどうかは一目瞭然だ。
とくに、橋の下を通るときは緊張するもので、大畠瀬戸は狭く、時速10ノット(約19km)もの潮流があるため、航行が非常に難しい。
相当に急がなければいけない理由があったか、情報も確認せず近道をしようとしていたのではないか」
と指摘した。
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
また、
「日本船籍の場合は、船長や航海士は、基本的に常雇いだ。
四等~一等航海士を経て船長(1~3級)の免状までとってから、いろんな船の船長を任せられる。
だが、フィリピンやインドネシアなど外国船籍の場合は、マンニング(船員配乗)業者が船員を手配することがよくある。
日本でも20年前から船員の担い手が不足し、船長・機関長以外の船員を確保するために、外国人を多く雇い入れている。
人件費を抑える目的もあり、日本の海運会社が東南アジアに船員養成学校をつくって優秀な外国人船員を主力として雇用する大手もある」
と指摘した。
マンニング業者とは、船舶所有者のために船員を確保する人材派遣業者で、船舶所有者からのマンニング料と派遣した船員の人件費の差額を儲けとしているのが通例だ。
船員の需給バランスを見ながら船員コストを恣意的に上下させて、用船料価格を崩してきたことが指摘されてきた。
また、コストのかかる常勤船員を減らし、マンニング業者に船員配乗を任せている船舶所有者が増えることで、安全運航にとって必要な適正価格が崩れていることが問題視されてきた。
わざわざ、パナマやマルタなど法規制の緩い国に船籍を置く大手海運会社ほど、その傾向が顕著で、近年、大型船の事故が多発していることも無関係ではないといわれる。
元大型タンカー機関長の男性は、
「折れているのはレーダーマストで、大きい船ほど(雑音が入りにくい)高いレーダーマストを搭載する。
海図を見て、橋とマストの高さを認識していれば、起こりようがない事故だ」
と述べ、
「日本の船舶免状はかなり厳正だが、途上国はその規制が緩い。
船舶エンジニアをやっていたころ、自分以外全員外国人ということもあったが、分数の足し算や小数の計算もできない人もいて、仕事合間に算数を教えたりもした。
一部では、エンジニアの免状の売買すらあり、そのようにして人件費を削って、安全が二の次になっていることが問題だ」と指摘した。
元一等航海士の男性は、
「海上交通安全法の規定を逸脱した、言語道断の事故。
海図さえ見ればわかるのに、船長が自分の船の高さを理解していないということだ。
船長の責任は重たいが、まったく通ったことがない外国人に船長をやらせる海運会社、そのような会社に何100億円もの荷物を任せる荷主も考えなければいけない」
と語った。
出典
『大島大橋に巨大貨物船が衝突 船舶関係者らを唖然とさせた前代未聞の事故』
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/9687
11月14日付で中国新聞からは、損害の全額賠償は困難かもという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を巡り、船長や船員が外国船免許保持者のため、行政処分を決める海難審判は開かれない。
一方、県などは、船会社へ巨額の損害賠償を請求する方針だが、海難事故では船主の賠償責任に上限を定めた法律があり、どこまで補償されるのかは不透明だ。
インドネシア国籍のヨハニス・ベンジャミン船長(44)は、業務上過失往来危険罪で罰金50万円の略式命令が確定。
海難審判所によると、2008年の法改正で、海難事故の原因究明は運輸安全委員会に引き継がれた。
外国船免許は取り消しや業務停止の処分対象外のため、今回の事故で海難審判は開かれないという。
また、島全域に甚大な被害を及ぼした事故を受け、県などは、貨物船所有のドイツの船会社側に賠償請求する構え。
現時点で、橋や水道管の復旧費は、概算でも総額28億円。
町も、断水と橋の通行規制による給水活動や代替輸送の費用を想定し、いずれも全額を請求する予定だ。
民間企業や島民からも、損失補填を求める声が相次ぐ。
ホテルは宿泊キャンセルや休業が相次ぎ、断水で農畜産業も打撃を受ける。
日々の暮らしでも、本来なら不要な出費がかさむ。
こうした経済損失も含めると、被害総額は巨額となる見込みだ。
ただ、船舶事故では損害額が甚大な事例が多いため、国際条約には、船主が支払う賠償額を制限する規定が存在する。
国内法も、これに基づき、上限が抑えられる。
県などは2日、国に対し、外国船籍の事故での賠償請求手続きの支援を求める要望書を提出。
今後の対応について村岡知事は、記者会見で「庁内に対策チームを設け、弁護士と相談しながら進める」としている。
出典
『【大島大橋衝突】巨額の損害賠償支払われるか? 船主の責任に上限』
https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=480942&comment_sub_id=0&category_id=256
11月16日12時19分に朝日新聞からは、橋が元通りになるのは来春の予定という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
損傷した橋桁の応急復旧工事が、16日未明、本格的に始まった。
12月上旬には完了する予定。
この日は午前0時過ぎから、海上に係留したクレーン船で長さ27m、重さ21トンの鋼材をつり上げ、約3時間かけて橋桁に取り付けた。
事故の影響で、橋は片側交互通行となっているほか、風速が平均5m超となった場合は全面通行止めの措置が取られている。
県によると、15日現在、通行止めは計14回に及び、最長で18時間半継続したこともあった。
島のほぼ全域約9000世帯で断水が続く町民にとって、本土への唯一の陸路となる橋の通行止めは大きな負担となっている。
工事が完了すれば、通行規制は緩和される。
元通りの橋になる本復旧の工事が終わるのは来春の予定だ。
出典
『貨物船衝突の橋、応急復旧工事始まる 山口・周防大島』
https://www.asahi.com/articles/ASLCJ30XBLCJTZNB002.html
(ブログ者コメント)
事故発生当初、トラックの積み荷が制限高さを超えていたため歩道橋などに衝突した・・・そういった事故と同じだろうと思い、本ブログへの掲載を割愛した。
しかし今回、様々な管理上の問題や人的エラーもあったらしいという情報を入手したので、タイミング的には遅くなったが掲載することにした。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。