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事故が起きる原因や防止策などについて、最新の事故事例などを題材として考えています。
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(2010年9月27日 旧ブログ掲載記事)

2010年9月23日午後6時ごろ、千葉県いすみ市大原で、伝統あるはだか祭りのみこしに落雷があり、2名が重傷、32名が軽傷を負った。
 
たまたまブログ者は、その祭りに行ってみようかと思い、朝から天気予報をチェックしていたが、一日中雨、かつ夕方5時くらいには房総半島の中心付近に雷雲が生じるだろうという予想図も見たので、悪天候の中、わざわざ出向くこともないかと考え、行くのは中止した。
 
その際、日々、安全について考えている身としては、「雷雲が通り過ぎる間、祭りは中断されるのだろうか?」といったことに思いを馳せるべきだったのかもしれないが、残念ながら、そういった考えは全く頭に浮かばなかった。
 
まあ、私の場合は第三者であるので、そこまで気が回らなくても仕方がないという言い訳はできるが、祭りの実行責任者の人たちは、一体どうだったのだろうか?
 
25日付の毎日新聞千葉版には、市長の「9月に落雷があるとは思わなかった」とか「朝から雷注意報が出ているとしても、雷が落ちるとは思わなかった」といったコメントが載っている。まあ、実際、そんな感じだったのだろう。
 
雷が落ちてケガをした、火災になったという報道はタマにあるが、実際にそういった経験をした人は、ほとんどいないだろう。過去に一度も経験したことがないのでは、雷鳴が轟いても、それは他人事。まさか自分が直撃を受けるとは思ってもみないのが人の常だ。しかし、事故とは、その「まさか」が現実となって自分の身にふりかかることなのだ。
 
「まさか」の段階で対策を言いだすと、やれ、スケジュールが狂うだの、周りに迷惑がかかる、あるいは余計なカネが必要になるなどと、多くの抵抗が出ることだろう。今回の事例でも、そういった思いが責任者の心の中に生じたであろうことは、想像に難くない。
 
事故が起きた後では何とでも言えるが、滅多に起きることのない事故に備え、どこまで事前に対策をとっておくべきかということは、本当に難しい問題だ。
 
産業安全の世界では、一度ケガした人は二度と同じケガはしない、と言われている。それは、ケガした人は、以後、他人事ではなく自分のこととして真剣に注意するようになるからだ。はだか祭りも、来年からは天気予報に敏感に反応するようになるだろう。
 
しかし、一度ケガすれば、その後、ケガしようにも、作業自体ができない身体になってしまう恐れがある。ケガした後に注意するというのでは、もう遅いのだ。
ここに、事例活用の一つの意義が見出せる。
 
過去に誰かが実際に起した事故の原因を知り、わがことのように捉えることで、自分の脳の中に、疑似体験としてインプットしておく。そうすれば、同じような場面に遭遇した場合、自分のこととして真剣に注意するようになることが期待されるのだ。
 
このブログに最近の事故事例を掲載しているのも、そこにこそ目的がある。
事例を過去のものとして遠ざけたままにしておいては、宝の持ち腐れになってしまうだけだ。
ケガをした人は、後日、同じような作業をする人のために、自分が痛い思いをしてまで貴重な教訓を残してくれたのだと考え、感謝の念を持ち、わがことと捉えて事例を勉強すること。その姿勢が、今後、自分の身を守ることになるのだと、ブログ者は考えている。
 
(関連情報)
 
2010年10月4日8時15分からのNHK「あさいち」で、雷が落ちた場所付近で高く提灯を掲げていて雷撃を受けた人の証言が放映されていた(その提灯に雷が落ちたかも、という別報道もある)。
ちなみに、その人の右足のスネ部分は全面やけど状態で、新品の地下足袋(ゴム底)はズタズタに裂けていた。右足以外はなんともなかった模様。よくぞ頭に落ちなかったものだ。
 
証言内容;それまでは全く光っておらず、いきなり落雷した。
 
いくら雷注意報が出ていたとしても、それまで全く光っていなかったのでは、対応の取りようがなかっただろう。
先に、今後、まつり実行委員会は天気予報に敏感に反応するようになるだろうと書いたが、そのような状態であったのでは、なかなかに今後の対応は難しいかもしれない。
 
ただ、同番組に出演していた専門家は、雷雲が数kmといった大きさの場合には、端っこで落雷しても反対側の端っこでは光が見えない可能性もあり、かといって雷が落ちる危険性は、雷雲の下、全体にある、と説明していたので、やはり、雷注意報には敏感に反応すべきなのだろう。
 
そういえば、ブログ者が見た当日夕方5時くらいの天気予報図では、縦長の雷雲の下の端っこが大原付近にあったような気もする。


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 プロフィール 
HN:
魚田慎二
性別:
男性
職業:
労働安全コンサルタント
自己紹介:
千葉県市原市在住

石油化学系の会社に勤務し、製造現場で安全に関する実務に従事すること、約20年。
その間、安全活動の推進、安全基準の制定、事故原因究明と再発防止策の立案などを担当しました。
また、それらの業務を通じ、火災爆発防止、静電気、粉じん爆発、ヒューマンエラー防止などに関する様々な知識を得ました。

現在は退職後、労働安全コンサルタントとして、各種相談に応じるとともに、事故を減らすための教育啓蒙活動に取り組んでいます。



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