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※2010年7月16日 旧ブログ掲載記事
→2021年3月3日 タイトルともども全面修正
粉じん爆発の原理から考え、従来は、活性炭のように可燃性の揮発分を含んでおらず、ガス化もしない粉は粉じん爆発しない、と言われていました。
しかし今では、莫大なエネルギーが付与された場合には粉じん爆発することが知られています。
(2021年3月3日 修正1 ;全面修正)
読者の方からコメントを頂戴したことを機に、記事の内容を再吟味した結果、全面修正することにいたしました。
再吟味状況は下記を参照ください。
*******
2021年3月2日、元記事に関し、読者の方から、活性炭の最小着火エネルギーについて教えてほしいというコメントが書き込まれました。
コメント欄で返信するには長すぎるので、本文に追記する形で回答します。
(返信)
静電気安全指針2007で活性炭の粉じん爆発データを確認しましたが、最小着火エネルギー(MIE)のデータ(右から2列目)はありませんでした。
褐炭だと、平均41μmでMIE160mjといったデータはあるのですが・・・。
その他にデータがないか調べたところ、以下の報文の末尾に「1m3試験装置において約1.8KJ以下の着火エネルギーでは活性炭を爆発させることはできなかったが・・・」という記述がありました。
ただ、平均粒径は数10μmと、元記事に記したような超微粒子ではありませんでした。
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/rr/RR-94-8.pdf
当該記述、また数10年前までは粉じん爆発は起きないと言われていた点から考えると、私見ではありますが、活性炭のMIEは、一般の粉じんの数10~数100mjといったオーダーではなく、その千倍万倍あるいはそれ以上といった、かなり大きな値ではないかと思います。
(反省)
2010年に書いた元記事は、上記報文の著者である松田氏から、おそらくは1990年~2000年ごろに教えていただいたことを、その後の研究の進展を確認しないまま、書いてしまったものです。
考えてみれば、静電気安全指針2007版を見た時点で、考えを新たにしておくべきでした。
よって、本文ならびにタイトルを、この機をとらえ、全面変更いたしました。
(参考;元記事は下記)
『活性炭は超微粒子のみ粉じん爆発危険あり』
粉じん爆発の原理から考え、従来は、活性炭のように可燃性の揮発分を含んでおらず、ガス化もしない粉は粉じん爆発しない、と言われていました。
しかし、最近の研究によれば、超微粒子状態の活性炭は粉じん爆発を起こす恐れがある、ということです。
超微粒子状態になれば、粉であってもガスの分子と同じ挙動を示すということかもわかりません。
(2010年7月12日 旧ブログ掲載記事)
違う物質であれば、粉じん爆発のしやすさ、激しさといった特性が異なるのは当然ですが、同じ物質であっても、さまざまな因子により、爆発特性は違ってきます。
以下、代表的な因子について説明します。
1.粒径
粒径は、小さければ小さいほど爆発しやすく、大きければ大きいほど爆発しにくくなります。
どのくらい以下になれば爆発するようになるのか、その境界を明確に区切ることはできませんが、一般的には、平均粒径が400~500ミクロン以下になれば、爆発する可能性が出てくると言われています。
また、同じ平均粒径であっても、微粉の割合が多い粉ほど爆発しやすく、逆に大きな粒子の割合が多い粉は爆発しにくくなります。
2.粒子の形状
同じ物質が球状になっている場合と金平糖状になっている場合とを考えると、後者のほうが空気と接触する面積が大きいため、爆発しやすくなります。
したがって、たとえば、粉の製造方法を変えたことで粒子の形状が極端に変化した・・・といった場合には、変化後の粉の粉じん爆発特性を評価し直しておいたほうがいいかもわかりません。
3.成分
粉じん爆発の原理上、可燃性揮発分が多く含まれている粉ほど、爆発しやすくなります。その割合は、粉の種類や揮発分の種類によって大きく違ってきますが、文献に数点掲載されているデータから推察すると、1~10%以上といったところではないでしょうか。
一方、不活性物質や水分は燃焼を抑制する効果がありますので、多く含まれているほど爆発しにくくなります。これも、粉などの種類などによって、爆発しにくくなる割合は大きく違ってきますが、数点のデータから推察するに、超概略の目安としては、不活性物質で30~60%以上、水分で10~40%以上といったところではないでしょうか。
(2010年7月22日 旧ブログ掲載記事)
ベビコンを含めた空気圧縮機には、給油式タイプと無給油式タイプの2種類あります。
そのうち、給油式タイプのものを使用している場合には、おそらくは取扱説明書に記載されていると思いますが、定期的な清掃、点検が必要です。
なぜなら、長時間使用しているうちに潤滑油の劣化物が配管の内側に膜状にこびりつき、そこに静電気とか断熱圧縮あるいは自然発火など何らかの着火源が発生した時に、爆発する恐れがあるからです。
これはフィルムデトネーションと呼ばれる現象であり、機械の損傷はもちろんのこと、配管が噴破するなどして人身事故につながることもあります。
一方、爆発はしなくても、圧縮時に温度が上がるなどして潤滑油が一部不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生する可能性もあります。
それゆえ、空気呼吸器用の空気供給源として給油式圧縮機を使用することは避けたほうがよいでしょう。
もし避けられないなら、一酸化炭素濃度警報などの対策をとっておいたほうがよいでしょう。
特に外気温の高い夏場に多い現象であるが、冬場に起きても不思議ではない。
[条件2] そういった多孔質物体が積み重なった状態になっていて、内部で発生した熱が逃げ難くなっている。
②タオルが積み重なった奥の方で、アロマオイルが酸化し始める。
③酸化の進行に伴い熱が発生するが、奥の方ゆえ熱は外に逃げていかず、その場所に蓄積され、当該部分の温度がゆるやかに上昇していった。
※店の人としては、いつも通りの行動だったかもしれないが、この日たまたま、オイルの付き具合やタオルの積み重なり具合などが、蓄熱に適した状態になっていたのだろう。いつもにもまして二重結合の多いオイルを使っていたかもしれないし・・・。
④温度の上昇とともに酸化反応は促進され、それまでは緩やかな温度上昇カーブを描いていたものが、ある時点を境に急上昇し始め、ついには発火に至った。
(一般に、多孔質物質に浸み込んだ油などは、通常の発火温度よりも、かなり低い温度で発火する)
事例3は、フード内にビッシリこびりついていたスス状の物質が、内部で発生した食用油の酸化熱を閉じ込めてしまったものと思われる。
店内にあったタオルなどを焼いたが、けが人はなかった。
富山西署の発表によると、アパートは1、2階を合わせて1室となるメゾネットタイプ。店内は無人で、施錠されていた。タオルはアロマ成分が含まれており、同署は、アロマオイルが化学反応して発火した可能性が高いとみて調べている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101128-OYT1T00308.htm
(2011年1月5日 修正1; 追記)
三豊署によると、午前0時半ごろ、男性の妻(56)が天ぷらを揚げ終え、台所のごみ箱に揚げかすを捨てたといい、揚げかすの熱で、ごみ箱内の紙くずなどが燃え上がったとみている。同消防本部によると、揚げた直後の揚げかすは100~200度。油には熱をためる性質があり、ごみ箱内でさらに高温になる場合がある。このため紙など燃えやすいものがあれば発火するおそれがあり、同様の原因の火事は同本部管内でも年に数件あるという。
同本部は「トレイなどで揚げかすを一度広く伸ばせば、温度はすぐ下がる」と話している。
同署によると、出火騒動があったのは市南部の集合住宅。1階の部屋から煙が出ているのを2階の住民が気付いた。1階の部屋は留守で、2階の住民がたまたま開いていた窓から消火器で消し止めた。けが人はなかった。
同署が調べたところ、換気扇のフィルターなどフード部に付着した食用油の酸化が進んでおり、自然発火したらしい。
付着した食用油は、周辺にほこりがたまっていたり、密閉状態だと熱が蓄積されやすいとされる。過去には、換気扇近くのガスコンロを使用後、30分~2時間後に自然発火した例が報告されているが、「同市内では珍しいケースではないか」(署員)という。
同署は「予想もしなかった原因で発生した火事を紹介して、市民に注意を呼び掛けたい」と今月から市のホームページで事例の紹介を始めた。同署は、他地域で発生した同種の酸化発熱の例として、油をふき取り、ゴミ箱に入れていたペーパータオルから出火したり、機械油が付着した作業着を洗濯、乾燥後、たたんでおいたところ自然発火した例を挙げている。
現場で取扱っている可燃性ガスや粉じんが、どの程度爆発しやすいものであるかを知っておくことは、安全対策上、非常に大切なことです。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110312/dst11031206120078-n1.htm
病院によると、患者は、慢性硬膜下血腫のため、他の病院から入院。
側頭部の左右両側に血腫があり、脳神経外科の主治医が緊急で手術が必要と判断した。
翌日に手術をした際、前の病院で撮影したCT写真の表裏を見誤り、右側頭部の血腫を取り除くはずが、左側頭部の骨に直径1センチの穴を開けた。
左側の血腫が小さかったために誤りに気付き、すぐに穴を閉じ、右側を手術した。
患者に手術による後遺症はないといい、すでに退院した。
同病院は「あってはならないミスで大変申し訳ない。緊急の場合でも、院内の電子カルテに写真を取り込んだ上で、手術室の全員で確認するなどの再発防止策を徹底した」と話している。
□レントゲン写真の表裏見間違いといった事例・ヒヤリは、過去に結構ある筈で、当然、見間違い防止対策をとっていた筈だが、今回、なぜ、その対策をすり抜けたのだろう?そこが一番の問題だ。ひょっとして無対策?
□なぜ見間違えたのか?その原因を掘り下げて分析してこそ、真の対策につながる。記事に書かれている内容で再発防止できるのなら、それでもよいが、カルテに写真を取り込む際にも見間違いは起こり得る。
□たとえば、写真の右上に目印を付けるといったシステムにすれば、根本対策になると思うのだが・・・。
2010年9月23日午後6時ごろ、千葉県いすみ市大原で、伝統あるはだか祭りのみこしに落雷があり、2名が重傷、32名が軽傷を負った。
事故防止について考える場合、どんな事故を防ぎたいのか、ターゲットを絞っておく必要があります。
①安全に関する文献、雑誌に目を通す
②安全講習会に参加する
③同業他社と情報を交換する
などが考えられます。
事故は、何故、起きるのか?
その理由、原因については、古今東西、斯界の有識者などによって多種多様な観点から論じられてきましたが、私としては、畢竟、「知識がないこと」ならびに「ヒューマンエラー」の、いずれかに集約できるだろうと思っています。
「知識がないために起きる事故」を未然に防止するには、事故防止に関するさまざまな知識を習得しておくことが大切です。
具体的には、安全工学的なこと、安全管理に関すること、過去の事故事例から学びとるべき教訓などです。
一方、「ヒューマンエラーによる事故」を防ぐためには、ヒューマンエラーに関する理解を深めるとともに、エラーを起こさせないような環境、管理体制を整えておくことが大切です。
本ブログでは、それら2つの視点に立ち、産業現場における事故の撲滅を目指して、以下のような知識、情報を提供することにしました。
□安全工学に関する知識、情報
※火災爆発防止に関する知識、情報など
□ヒューマンエラーに関する知識、情報
※心理学的知識、情報など
□事故情報、ヒヤリ事例情報
※新情報を入手した時は、最初の記事に追記するスタイルにしています。
※事例によっては、コメントを付記するようにしています。
中でも、事故原因については可能な範囲で推定し、コメントするように試みています。
なぜなら、事故原因がほとんど世に出てこない現状、現時点で得られる情報から何らかの教訓、知見などを読み取り、それをコメントとして書くことで、読者の方々に自職場の安全を考える材料を提供したいと思っているからです。
それが仮に、当該事例の真の原因から外れたコメントだったとしても、コメントとして焦点を当てた部分に事故防止のヒントになることがあるかもしれない・・・そのように思っています。
ただし、以下に示す情報は、原則、掲載対象外としました
『ブログ開設当初から』
・原子力、交通、医療、農水などの事故
『ブログ開設後 ;都度、連絡済』
(2012年以降)
・労災統計、災害防止動向
・学校や遊園地、街中のビルなど産業現場以外の場所での事故、トラブル(特に物品落下)
・当初から掲載対象外としていた交通関係の事故、トラブル(特に物品落下)
・一般住宅建設現場での墜落など同種事例が頻繁に起きている事故
・家内工業的産業現場での事故
・設備の破損、腐食、経年劣化などに起因する小トラブル
*ボイラーチューブ開孔、老朽埋設管の腐食による漏洩
・単純な転落、挟まれなどの事故
・産業現場における交通事故的な事故
・一般家庭の日常生活でも起きるような事故
・産業廃棄物の収集処理やリサイクルに関する事故
(2013年以降)
・給食に異物混入
・給食を食べてアレルギー
・竜巻
・ヒラメに寄生するクドアで中毒
・鉄道における枕木発火
(2014年以降)
・風車の破損
・樹木倒壊など
・鉄道や橋からのコンクリート落下
・飛行機への落雷
(2015年以降)
・確認不足などによる救急車出動場所間違い
・体育館などで滑り込んだ際に床材が刺さる
・カラスやヘビによる停電
・下水道管の老朽化等による水流出で道路陥没
・学校などでプールの給水弁を閉め忘れ
本ブログに掲載した知識、情報がヒントとなり、一件でも、産業現場における事故が減ることを願っています。
労働安全コンサルタント 魚田慎二
通信欄
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プロフィール Profile
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

