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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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1.総括
 
□2012年、本ブログでは、過去記事修正連絡を除き、1217件の情報を掲載した。
□2012年に起きた事故のポイントは下記。
  ・大きな事故として、暴走反応による爆発事故が2件、土木関係の事故が3件発生した。
  ・ブログ者が感じた事故の傾向は下記。
    *件数的には、事故統計どおりに墜落転落、挟まれ巻き込まれ事故の情報が多かった。
    *エレベーター事故、衣類などが巻き込まれた事故、電気火災も目についた。
□トピックス的情報としては、地震予知に関する電気通信大学の研究が印象に残った。
□読者から下記などのコメントを頂戴し、是々非々で対応した。
  ・浮き屋根タンク沈没に関する専門的コメント
  ・事故原因推定に関する批判的コメント(2件)
□ブログ作成面では、掲載記事をかなり絞り込んだ。2013年ももう少し絞り込む予定。

 
 
2.ブログ者が選んだ2012年の10大産業事故
 
本ブログに掲載した記事の中から、「ブログ者の印象に残った事故」、「後年、たしかこんな事故があった筈・・・などと思い起こすことがあるかもしれない事故」をキーワードに、以下の10大事故を選んだ。

 
①4月22日 三井化学岩国大竹工場でレゾルシン装置酸化反応塔が爆発、1人死亡、2人重傷、住民ら20人以上が軽傷、工場外にも物的被害
②9月29日 姫路市の日本触媒でアクリル酸中間タンクが爆発、消防士1人死亡、従業員ら36人が重軽傷
③5月24日 南魚沼市の八箇峠トンネル内で冬季休業後の工事再開準備中に爆轟発生、4人死亡、3人重軽傷
④2月7日 JⅩ水島製油所で海底トンネル掘削中に天井部が崩れて海水が流入、2人死亡、3人行方不明
⑤12月2日 中央自動車道の笹子トンネルで天井板が約130mにわたり崩落、3台の車が下敷きになり9人死亡
⑥5月19日報道 西日本のオフセット校正印刷会社の工場などで胆管がん患者が多発、洗浄剤に疑惑の目
⑦6月28日 市原市のコスモ石油でアスファルトタンクを加熱中、屋根と側板のつなぎ目が損傷してアスファルト437kℓが流出、オイルフェンスも越える
⑧5月18日 本庄市のDOWAハイテックが工場廃液の特性を十分に伝えず処理業者に処理委託したため、利根川水系で基準値以上のホルムアルデヒドを検出
⑨7月~8月 北海道で白菜浅漬けが原因でO157集団感染、過去の細菌数基準オーバー事例に対する改善策が継続実施されず
⑩7月10日 秋田市のごみ処理施設で溶解炉乾燥焚き中、排気口を閉めたため隣接ボイラー清掃中の9人がCO中毒 
 
 
3.ブログ者が感じた2012年の産業事故の傾向
 
○墜落転落や挟まれ巻き込まれ事故の報道が多かったが、両者、事故統計上も毎年、上位を占めている。
 
○業務用エレベーター関連の事故が多かった。

 
1月9日 昭島市で下降ボタンを押したところ逆に上昇し、天井との間に挟まれて死亡
2月3日掲載 2010年4月 徳島市で食材運搬用リフトに転落死した事故で賠償命令
2月6日 大森で業務用エレベーターに乗ろうとして、かごが来ていなかったために転落死
2月6日報道 国は相次ぐ業務用エレベーター転落事故に対し、対策指導を強化
2月25日 船橋市でワイヤー取替工事中に5階からかごが落下、1階にいた作業員が死亡
3月10日掲載  2010年7月 江戸川区のビルで修理中に感電死した事故で書類送検
3月14日 大阪市でエレベーターが落下し点検中の従業員が死亡
3月20日 越谷市で改修工事中、現場責任者が2階乗降口から転落して重体 
3月30日 堺市でワイヤー長さ調整中、重りとガイドレールの間に挟まれて死亡
4月27日 埼玉県でテーブルリフトの乗降口から転落死、国交省は緊急点検を指示
5月9日 松戸市で修理中にリフトが落下し、修理していたパート女性2人が重軽傷
6月15日 杉並区で定期点検中の作業員が落下してきた重りの下敷きになって死亡
8月9日 目黒区の建設現場でエレベーターが動き、さび取り中の作業員が死亡
8月28日 横浜市で上をのぞきこんでいた時に昇降機に首を挟まれて死亡
10月31日 金沢市で女性清掃員が乗ろうとしてつまずき、挟まれて死亡
11月20日掲載 メーカー大手5社の閉じ込め事故発生率は1.8%
11月27日 国見町で台車を入れようとして、かごがきていなかったため7m下に転落
12月3日 姫路市で挟まった角材の除去作業を見ていた人が挟まれて死亡
12月3日 名古屋市でかごの内部を清掃中、かごが急上昇したため挟まれて死亡
12月10日 瀬戸市でエレベーターに乗ろうとして、かごが来ていなかったため転落
12月19日 宮津市で扉が開いたエレベーターに荷物を運び入れようとして転落死
12月21日 国交省は2009年の青森市事例を受け、当該メーカー機の緊急点検を通知
 
○衣類などが巻き込まれた事故も多かった。
他の巻き込まれ事故でも、細かい点が報道されなかっただけで、実際は衣類などが巻き込まれていた事故があったかもしれない。

 
1月30日 北九州市で金属加工機械を操作中に回転部に衣服を巻き込まれ、死亡
2月1日 久慈市でトラック整備中に上着の袖がシャフトに巻き込まれて死亡
2月20日 珠洲市で旋盤に作業服を巻き込まれて死亡
3月5日掲載 2011年12月 長浜市で回転軸に女性が頭髪を巻きこまれ死亡
4月24日掲載 2011年11月 愛知県で手袋をして作業中に右腕を巻き込まれ
5月30日 燕市で作業着を機械にひっかけて窒息死
6月29日 和歌山市で革手袋がボール盤ドリルに巻き込まれて大けが
8月30日 浜松市で作業服が引っかかり収集車内部に引きずり込まれて死亡
 
○電気火災に関する報道も多かった。
 
1月31日 丸ビル14階で改装工事中に電気ケーブル切断、作業員が軽いやけど
2月1日 花王和歌山工場で送風機の分電盤から出火
3月14日 大崎市役所でぼや、パソコン分配器かコンセントからの出火か?
4月14日 東芝浮島分工場の事務所で机の下のコンセント近くから出火
4月16日 小倉井筒屋で電気設備交換工事中、ショートさせて分電盤付近を焼く
5月21日 富山県南砺市の水力発電所で変圧器の導線が一部溶け、煙発生
6月4日 福島第一原発4号機で冷却水空冷用モーター端子ボックスが焼ける
6月15日 玄海原発で照明用電源ケーブルの一部が焦げる 
7月31日 忍野村の発電所で爆発音がして発煙、変圧器関連設備でトラブルか?
8月3日 新信濃変電所でコンデンサーから出火
8月21日 和歌山県の小学校職員室でボヤ、電気コードの劣化が原因か
8月14日報道 姫路市内で古いコンデンサーからの出火が頻発
8月29日掲載 2010年1月 川内原発で電源設備点検時に高温ガスで7人死傷 
9月14日 北九州市の日本コークスで電気設備点検中に爆発、4人重軽傷
9月21日 高崎市で冷凍庫内のモーターから出火、冷凍庫1棟全焼
10月3日報道 東京都の火災原因の1割が電気配線関係
12月12日 上田市の高校でプラグ差し込み口から出火?
12月19日 広島市の変電所で爆発音がして火災、変圧器の一部がショートか?
 
○ガソリンスタンドに関する事故・トラブルも多かった。

1月12日 羽咋市のGSでガソリンが混入した灯油を販売
2月24日発表 一宮市のGSで地下タンクから灯油が流出
4月10日 札幌市のGSの倉庫で爆発
4月11日 東根市のGSで解体中のタンクが爆発
5月13日 糸島市のGSでガソリンが混入した灯油を販売
6月19日公表 広島市のGSで水が混入した軽油を販売
8月9日  吉野川市のGSでガソリンを容器に移し替え中に出火
9月21日 米沢市のGSでタンク清掃作業中に爆発
10月3日   甲賀市のGSで掘削工事中に爆発
11月15日 川崎市のGSでガソリン補給中のタンクローリーが炎上
11月18日 御殿場市のGSで水が混入したガソリンを販売
11月28日 豊橋市のGSでガソリン混じりの灯油を販売
 
○年初、大寒波が影響していたかもしれない事故の報道が目立った。
 
1月13日 東海原発で冷却水凍結防止用ヒーター上のシートなどが燃える
1月15日 米沢市で商店街歩道の屋根が雪の重みで崩落
1月17日 長野県の民家で屋根の雪下ろし中、命綱が首に絡まって窒息死
1月26日 長岡市の建設現場で屋根の雪かき中に屋根が陥没し6人が重軽傷
1月28日 鯖江市で除雪中のフォークリフトが転倒し運転手が死亡
1月31日 石巻市のアパートで凍結水道管を電気で加熱中に出火
2月2日 上越市で樹脂配管つなぎ手が落雪で壊れ、塩素を吸い込んで軽傷
2月2日  周南市でボイラー調節弁が凍って動かなくなり工程停止
2月3日 新大分発電所で空気配管立ち下がり部の水が凍結、運転停止
2月3日 岡崎市で樹脂製バルブが凍結破損し、硫酸アルミが川に流出
2月6日 小樽市の埠頭で水質調査中の作業員が水死、雪で足を滑らせた?
2月7日 南アルプス市で凍結水道管に投光器を当てていて毛布から出火
2月8日 長岡市で灯油配管が折れ800ℓ漏れる、落雪が原因か?
2月11日 大槌町の仮設住宅で水道管に巻きつけていたヒーターが焼ける 
2月11日 糸魚川市で除雪車のロータリー点検中に巻き込まれて死亡
2月13日 新潟県で住宅の雪下ろし作業中に転落死
2月22日 新庄市で灯油配管が雪の重みでたわみ亀裂が入って1300ℓ漏洩
2月 十日町市で除雪車点検中にロータリー部分に巻き込まれ死亡
 
○落雷関係の報道も、4月5月を中心に多かった。
 
2011年12月25日 鳥取県で風車の羽根が落雷で折れ、野菜が痛むなどの被害
4月6日 三重県の送電線に落雷し瞬間停電、一部の工場で装置一時停止
4月17日 福島県の民家で落雷音とともに天井から発煙、住宅など全焼
4月17日 相模原市の民家のテレビアンテナに落雷、テレビ台などが焼ける
4月17日 栃木市で雷が屋根に落ちて約1m2を焼く
5月6日 魚津市の田んぼで農作業中に落雷に遭い、死亡
5月6日  桶川市で親子らが木の下で雨宿り中、落雷で3人が死傷
5月6日 高萩市の住宅に落雷、モルタルの壁が裂けてテレビの上に倒れる
5月10日 小美玉市でアパートのテレビアンテナに落雷、2部屋半焼
5月18日 神栖市の下水道排水ポンプ自動運転装置が故障、雷の影響か?
5月18日 日高市で家具会社などが入った工場が落雷で全焼
5月29日 神戸市のアウトレットの工事現場で作業員が雷に撃たれ意識不明 
5月29日 高槻市で走行中の阪急電車に落雷があり緊急停止
5月29日 藤枝市の林道工事現場で雷に撃たれて作業員がけが
5月29日 島田市で近くに落ちた雷の影響で駅舎の配電盤から出火
6月1日報道 5月の落雷は昨年の7倍で過去最多
7月13日 大分市で30m離れたフェンスに落雷し、数人が手足のしびれ
8月6日 市原市で広場に雷が落ち、草刈り中の4人が重軽傷
8月18日 大阪市の長居公園で木の下で雨宿り中に落雷、2人死亡8人軽傷
8月18日 大津市でジョギング中の男子中学生が落雷に遭って重体
8月12日 大分市の新日鉄製鉄所で落雷により電気室の高圧電源盤が焼ける
9月8日 阿蘇の草千里で雷雨を避けていたツアー客が落雷に遭って死亡
9月18日 中部電力の高圧送電線に落雷し瞬間的な電圧低下が2度発生、30事業所に影響
11月7日 富山空港で着陸寸前の全日空機機首に落雷、先端へこむ
11月13日 北九州市で飛行中旅客機に落雷、塗料剥げ落ちなど
12月20日報道 近畿地区の雷観測日数は平年の2倍で過去最多
 
○個別企業では、JFEでの事故トラブル報道が多いと感じた。
一つ一つの事例をみる限り、共通の問題点があるとは考え難いのだが・・・。

 
1月6日 千葉市のJFEで停電時にコークス炉排ガスを緊急放出し爆発音など 
1月21日 千葉市のJFEで配管工事中にアンモニア水がかかり2人が中毒症状など
4月10日 倉敷市のJFEの変電室で変圧器補修工事中に作業員が死亡、感電か?
5月24日 福山市のJFEで装置の修理中にコンベアーとカバーの間に挟まれて死亡
6月3日 倉敷市のJFEで車両と石炭を車両に落とす設備との間に挟まれて死亡
6月23日 千葉市のJFEで設備の補修中、立てかけていた機械が倒れて2人死傷
12月11日 福山市のJFEで溝にたまった銑鉄を取り除く作業中に転落して焼死
12月13日 千葉市のJFEで溶解炉に鉄鉱石を注入する装置を点検中に死亡
 
 
4.ブログ者が選んだ2012年の産業安全に関する5大トピックス的情報
 
①8月17日掲載 ここまで進んでいた地震予知システムの紹介
②6月10日掲載 土岐市危安協が災害発生に備えバルーン型投光機を購入
③2月13日掲載 災害時に泥水から飲料水を作る移動式浄水装置を開発
④11月28日掲載 大震災による火災時にコンクリートミキサー車で消火用水を調達
⑤10日30日掲載 09年4月のイタリア大地震で安全宣言を出した学者らに有罪判決
 
 
5.読者から頂戴したご意見、コメント
 
○うるま市の原油タンク浮き屋根沈没事故に関し、専門的コメントを頂戴した。(当該コメントは記事本文に追記済)
このようなコメントは初。感謝すると同時に身が引き締まる思いがした。
 
○事故原因の推定に関する批判的なコメントを、苫小牧の感電死事例と大垣の爆発事例についてそれぞれ頂戴。是々非々で対応した。
ただ、「部外者が不正確な情報をもとに原因をあれこれ推測するな」という趣旨のご意見だったとすれば、これは受けかねる。
なぜなら、事故原因がほとんど世に出てこない現状、現時点で得られる情報から何らかの教訓、知見などを読み取り、それをコメントとして世に出すことは、自職場の安全性向上を考えている人たちに考えるべき新しいネタを提供することであり、それが当該事例の真の原因から外れたコメントだったとしても、コメントとして焦点を当てた部分で事故防止のヒントになることがあるかもしれない・・・そう思っているからだ。
 
○事故関係者の方からのコメントが多かった。
事故当時の状況など、報道されていない内容を書きこんでいただいたものもあったが、そういったコメントは大歓迎だ。
一方、会社の内情暴露的コメントも少なからずあったが、それらは本ブログの趣旨に反するので非公開とした。
 
○ツイッターボタン設置提案をいただき、すぐに対応した。
 
○無記名コメントが多かったのは残念。
記名お願いの旨、お知らせ記事を書いたが、無記名コメントはピンポイント読者が多いようなので、効果のほどは不明。

 
 
6.ブログ作成上の特記事項(変化点、工夫点、配慮点など)
 
以下のような事例は、特段の理由がない限り、掲載は省略することにした。


(5月以降)
・労災統計、災害防止動向。
・学校や遊園地、街中のビルなど産業現場以外の場所での事故、トラブル(特に物品落下)。
・当初から掲載対象外としていた交通関係の事故、トラブル(特に物品落下)。
・一般住宅建設現場での墜落など同種事例が頻繁に起きている事故
・家内工業的産業現場での事故
・設備の破損、腐食、経年劣化などに起因する小トラブル
   *ボイラーチューブ開孔、老朽埋設管の腐食による漏洩 
(7月以降)
・単純な転落、挟まれなどの事故。
・産業現場における交通事故的な事故
・一般家庭の日常生活でも起きるような事故
・産業廃棄物の収集処理やリサイクルに関する事故。
 
 
7.2013年のブログ作成方針
 
記事数が多くなり過ぎている感あり。
もう一段、情報を絞り込んで掲載しようかと思案中。
 
  
                                   以 上

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1.全般

□2010年6月からスタートした本ブログだが、はや1年半が経過した。
来し方を振り返れば、2010年は試行錯誤に終始し、2011年前半に枠組ができあがり、後半になって、ようやく軌道に乗った感がある。

□この1年、特に後半は、狭義の産業安全の枠を超え、産業安全を考える上で参考になりそうな情報を、入手可能な範囲で全て掲載するように努めた。
それは、読者のニーズがどこにあるか不明だからであり、情報の取捨選択は読者に任せブログ者はそのためのデータベースともいうべき情報提供に徹するという意図があったからであり、はたまた、ブログ者のA型的性格がなせるわざでもあった。

□結果、過去記事修正連絡などを除き、この1年でおよそ920件の情報を掲載した。

□ただ、範囲を拡げ過ぎた挙句、この情報は読者の役には立たないのではないか?などと迷いながら掲載したものも多々あった。

□2012年も、当面の間は、入手可能な範囲の全情報を掲載していくが、今後どうするかは、読者の反応も参考にしつつ考えていきたい。



2.ブログ者が選んだ2011年の10大産業事故

本ブログに掲載した狭義の産業事故の中から、「ブログ者の印象に残っている事故」、「後年、たしかこんな事故があった筈・・・などと思い起こすことがあるかもしれない事故」をキーワードに、以下の10大事故を選んだ。

①3月11日 大震災時のコスモ石油千葉製油所LPGタンクの倒壊は、スロッシングや液状化が原因ではないとの中間報告
②11月13日 周南市の東ソー第2塩ビモノマープラントが爆発炎上
③12月2日 千葉市のJFEケミカルで内容物のある硫酸タンクを外部からグラインダで補修中、タンクが爆発して4人が重軽傷
④11月24日 横浜市のJパワー磯子火力発電所で石炭粉砕工程付近で出火、約2時間後に貯炭サイロが爆発
⑤9月22日 千葉市のJFE製鉄所で5人乗りゴンドラのワイヤーが切れ、1人死亡、4人重軽傷
⑥9月27日 川崎市の物流倉庫の2階から出火、61時間後に鎮火
⑦9月 宮城県で震災がれきの自然発火が相次ぐ
⑧12月9日 米子市の王子製紙で1~2%濃度の苛性ソーダが高さ10mからミスト状になって降り出勤途中の38人が病院へ
⑨1月10日 長岡市のアルミ合金鋳物工場で、溶解炉の不完全燃焼?で10人がCO中毒
⑩8月24日 船橋市の工場でFRP製の塩酸タンクの上部を踏抜き内部に転落して2人死亡


ちなみに、広義の産業事故では、以下の5大事故を選んだ。

①8月17日 天竜下りの遊覧船が転覆し船頭含めた5人が死亡
②5月27日 JR石勝線で特急が脱輪しトンネル内で停車、火災発生、避難誘導の不手際もあって数10人が軽傷
③1月30日 後楽園の遊園地でコースターから落下し死亡
④7月22日 山口市の防火管理者講習会で煙疑似体験中、煙を吸った66人が体調不良
⑤12月21日 JR南武線武蔵溝ノ口駅でエスカレーターのベルトに革手袋が巻き込まれ中指先端切断などの重傷



3.ブログ者が感じた2011年の産業事故の傾向

□現象的には、墜落転落が最も多かった。
ただ、これは、それだけ危険ポテンシャルが高い作業、かつ母数が多いためであり、何も2011年に限った話ではなく、毎年、件数的にはトップだと思われる。
間接原因としては、開口部の養生不足など、管理していれば防げた事故が多かった。

□その他、件数的に目立った事故は下記。しかし、これらも毎年、同程度の件数の事故が起きているのだろう。
・サイロなどの中で清掃等作業中、上から落ちてきたものに生埋め
・エレベータの使用、点検中に挟まれ、転落
・廃棄物処理設備や収集車内でのスプレー缶などの爆発
・案内板や看板などの落下

□一方、他所の事故と同じような事故を、日を経ずして、また起こしているケースが数件あった。
他所の事故から教訓を学び取ろうとする姿勢は、まだまだのようだ。

□労災隠しで書類送検されたという報道も目立った。
理由は、労災が発覚すると仕事を回してもらえない、というものが多かった。 確かに、発注者側からすれば、同じ程度の技術を持った業者に同じ金額を払うのなら、工事中断のリスクの少ない、無事故無違反の業者を選ぶのが当然だ。
ただ、管理不十分で起きた事故と、管理の隙間を突いて起きた事故とは、分けて考えるくらいの度量が、発注者側にあってもよいのかもしれない。
でないと、ささいなウソがウソを呼び、最後に大きな事故が起きる危険性も懸念される。



4.ブログ者が選んだ産業安全に関する2011年の5大トピックス的情報

①5月31日 福島原発に関する東電社員子息(小6)の投書の反響
②12月19日 代替品が完成したため石綿の使用や製造が来年3月に完全禁止
③12月7日 中部電力が故障発生時の異常音を特定できる装置を開発
④11月4日 滋賀県で交通渋滞緩和目的で新システムの信号機を設置したところ、逆に渋滞が伸びたという事例 (修正1)
⑤4月17日 福島のクリーニング業者が防火衣の洗浄方法を開発



5.ブログ作成上の特記事項(変化点、工夫点、配慮点など)

5-1 ブログ引っ越し


□本ブログ、最初はココログに居を構えていたが、ある日突然、何の前触れもなくいきなり閉鎖された。
理由を数回にわたり問い合わせたが、答えられないの一点張り。
原因不明状態を放置して、再度、いきなり閉鎖されると、事故の再発防止を訴える本ブログにとってシャレにならないので、2011年4月、忍者ブログに引っ越した。


5-2 記事表現上の配慮点

□読者層として安全実務者の方を想定し、記事を書いた。
そのため、専門用語など解説なしで使うことも多かったが、ご容赦いただきたい。

□メディアから配信された異なる表現の複数の記事をそのまま羅列したのでは読者が読み難いだろうと思い、骨子が同じ記事は、できるだけ一つにまとめた。
その場合、状況や原因が詳細に記述された記事を軸にして、不足分を他の記事で肉付けするようにした。

□また、メディアからの配信記事に関し、よほど読みにくい表現は、テニヲハのレベルで加筆修正したが、その他は原則、原文のまま掲載した。
それは、できるだけ、提供する情報の客観性を保つためだ。
そのため、一部の記事については表現が判り難いままになっているが、御了解いただきたい。

□ブログ者の主観が入る内容は、ブログ者コメントとして記載した。


5-3 ブログ者コメントの記載状況

□そのコメントであるが、ブログ者の持っている知見や事故についての感想以外、事故原因の推定なども記載した。

□また、内容的には、安全実務者の方にとって初歩的な事項であっても、安全の基本に関することはコメントするように心掛けた。
それは、安全初学者への啓蒙を意図してのことである。

□さらに、コメントの中には、前に書いたことと同じことを繰り返し書いているものがある。
それは、その記事だけしか目にしない読者のために配慮したことだ。
前の記事を全て読んでいただいている方には、くどくなって申し訳ないが、ご容赦を。

□なお、コメントの中には、勢い余って筆が滑ったもの、門外漢ゆえにピントがずれたものなど、読者諸氏のご不興を買ったものがあるかもしれないが、その点についても御容赦いただきたい。


5-4 情報源の多様化と元記事参照可能期間

□1社2社だけの情報では状況や原因の記述に偏りがあることが多いので、情報源としては、できるだけ広く網をかけるように心がけた。
その情報源は、ほとんどがネット。あとは千葉県で閲覧できる新聞。そして、たまにではあるが、佃島の共同通信閲覧室で各地方紙の紙面を閲覧した。

□報道される記事の数は、紙面よりもネットのほうが格段に多い。ネット情報を紙面で確認しようと思ってもベタ記事一つ掲載されていない、そんなことが数多くあった。
ただ、質的には、紙面のほうが勝っている場合が多い。ネット情報と同等な内容しか掲載されていないこともあったが、ネットでは配信されていなかった詳細な情報が掲載されていたことも、あまたあった。

□ネット情報源としては、メジャー新聞や主要地方紙以外、2011年から、テレビ局ニュースサイトも閲覧し始めた。
中でも各県NHKニュースには、過去の事故で書類送検された、などの記事が結構あり、その中に事故原因が記されていることも多いので、有用な情報源の一つになった。

□ただ、テレビ関係の記事は1日程度で、新聞社の記事でも1~2ケ月程度でアクセスできなくなるものがほとんどであり、その点、出典を確認しようとする読者には不便をおかけする。
そのような状況につき、記事掲載時点でネタ元記事にアクセスできなくなっているものについては、出典URLの記載を割愛した。
また、NHKは1日程度でアクセスできなくなるし、朝日新聞(聞蔵)は有料検索であるので、両者のURLは、全て記載を割愛した。


5-5 カテゴリーの細分化

□この1年で、「設備故障」など、多くのカテゴリーを新設した。
それに伴い、「その他」事例のほとんどを、新設カテゴリーに編入した。

□一方、「転落」など、カテゴリー自体を更に細分化したものもある。


5-6 ブログ記事掲載タイミングの変更

ブログ作成当初は、速報性を重んじて、メディアで報じられた翌日には記事を掲載するようにしていた。
しかし、掲載後、数日内に新情報が報道されることが多々あり、その都度、「過去記事修正連絡」を掲載していたが、それでは面倒。
最初の記事にできるだけ多くの情報を記載しておいたほうが読者も読みやすいだろうと思い、10月ごろから、最初の報道より3~4日ほど遅れて掲載するようにした。


5-7 過去記事修正連絡のシンプル化

事故の詳細な状況や原因などが後日判明すれば、当該情報を元記事に追記し、その旨、連絡記事として掲載してきた。その場合、読者が元記事を検索する手間を省くため、連絡記事に新情報を全て記載した。

しかし、記事の量が増えるにつれ、その弊害が目立つようになった。
それは、修正連絡が長いと、何かの事例を検索した場合、検索結果がダラダラと出てしまい、閲覧が煩雑になることだ。
現状でこれでは、数年後はもっと読み難くなるだろう。
そこで、12月からは、下記のように方針変更した。
 ・過去記事の内容が大きく変わったものだけ、追加内容を付記する。
 ・さほど内容が変わらないものは、追加情報の概要のみ付記する。
 ・ほとんど内容が変わらないものは、連絡しない。


5-8 原因不明の工場火災は掲載せず

工場の火災については、従業員が帰宅した後の出火がほとんどだ。
しかも、報道された時点では原因不明なものばかり。
原因は漏電など一般家庭の火災と同じかもしれず、よって原因記載なき火災事例は掲載を省略した。
ただ、操業中の火災や大規模な火災など特記的なものについては、掲載した。


5-9 迷いつつ掲載した情報

以下のように迷いつつも、掲載してきた情報が多々あった。

□事故の発生だけを伝えるベタ記事的な情報や、同じような事故が今度は違う場所で起きた、などといった情報を掲載して、果たして読者のお役に立つのだろうか?

□本ブログでは、原子力、交通、医療、農林水産関係の事故を対象外としているが、対象外の事故であっても、産業安全を考える上で示唆に富むものは掲載してきた。
しかし、そういった情報を必要とする読者がどれだけいるのだろうか?


以下、迷い度の高かった順に記す。

①労基署などが発表する労災動向
②産廃処理施設や収集車でのスプレー缶などの爆発事故
③遊園地や公園など、産業安全の範疇に入らない場所での事故
④駅舎や街中のビルなどからの物品落下事故
⑤設備故障や環境異常
⑥建設中の住宅の屋根からの転落など原因が単純な事故
⑦原発やPCB処理施設などで起きた、一般の工場だと報道されない程度の小トラブル
⑧不注意で作業車などに轢かれた事故(交通事故と同等なもの)
⑨事故があったという報道だけで、詳しい状況や原因の記述がないもの
⑩原則対象外としている原子力、交通、医療、農林水産、関係の教訓的事故


そういった迷いはあったものの、2011年は、以下の理由により、このような事例も掲載してきた。
・どんな情報からも何らかの教訓が得られる筈
・世の中、事故がこんなにも多いということを記憶の片隅に留めておくことで、何かの機会にそれが潜在意識から呼び起こされ、同じような事故の防止に注意が向くかもしれない

しかし、そのようなところまで、いわば暴走的に手を拡げ過ぎた結果、記事の作成やメンテナンスに結構、手間がかかるようになった。
一方、読者諸氏にとっては、情報量が多過ぎて、却って読み難くなったのではないだろうか?
そこで、読者諸氏のニーズを知るため、2011年8月から拍手ボタンを設置したが、やはり労災動向やビルなどからの物品落下事故、環境異常や住宅屋根からの転落といった情報への拍手はゼロだった。
ただ、公園での事故や設備故障(ボイラー蒸気漏れ)などの情報については、拍手いただいたものがあった。
ブログ者が想定していないところにも、ニーズはあるのかもしれない。

よって2012年も、当面は、そういった情報も掲載し続けることにするが、今後のことはブログを書き進めながら、読者の反応も見つつ考えていきたい。



6.読者から頂戴したご意見、コメント

□ココログに開いていたブログがいきなり閉鎖され、今後どうしようか考えていた時、継続希望というメッセージを数名の方から頂戴した。有難いことである。
そういった方々からの声に後押しされる形で、場を忍者ブログに移して再開した。

□事故に関する、より詳しい情報や後日談などをコメントとして投稿いただいたものが数件あり、それらは全て公開した。

□ブログ者への相談や問い合わせも数件頂戴し、それらについては、全て、回答できる範囲でお答えした。
ブログ者の持てる知見が少しはお役に立ったとすれば、それはブログ者の喜びとするところである。

□また、ご意見やご要望も数件頂戴し、それらについても、ほぼ、ご趣旨に沿って対応した。
ただ、「こういう事例があれば教えてほしい」といった要望については、資料があっても「帯に短しタスキに長し」的なものばかりだったので、ネットで検索した、ある程度まとまっている情報を提供した。
それで満足いただけたかどうかは不明である。
その経験を踏まえ、読者が自分で事例を検索できるよう、事例データベースの紹介記事を掲載した。

□一方、事故を起こした企業を中傷するようなコメントも何件か書き込まれたが、それはブログ者の意図するところではないので、公開しなかった。



7.2012年のブログ作成方針

□原則、2011年後半と同じスタイルで作成する。

□掲載要否を迷った情報についても、当面は2011年と同じスタイルで掲載する。
しかし、記事の量も質も充実させたいという欲張った方針は、いずれ行き詰まり、見直す必要が出てくるだろう。
そういったことも視野に入れ、2012年は、ブログを書き進めながら、軌道修正の方向性を考えていきたい。



                                    以上



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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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