2022年2月19日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12301/
(2022年3月18日 修正1 ;追記)
2022年3月11日19時20分にNHK首都圏からは、年2回の避難訓練ではシャッターが下りることなどを周知していなかった、5年前に埼玉県で起きた倉庫火災では作業リーダーがメンバーを集め避難口まで誘導していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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会社によりますと、防火シャッターは煙を感知すると自動で下りて、従業員はシャッターの脇にある非常用の扉を通って屋外に出る構造になっていました。
しかし、毎年2回程度行われる避難訓練では、防火シャッターが下りることや非常用の扉があることは周知されていなかったということです。
火災のメカニズムに詳しい東京理科大学の関澤愛教授は、工場で火災が起きた際の避難について「工場は窓が少なく、電気がついているときは見通しがきくが、停電で真っ暗になると、煙が濃くなくても、どちらに逃げていいのか方向が分からなくなる。ベルトコンベアなど製造機械が避難の妨げになる場合もある」と指摘しました。
その上で、工場に誘導灯の設置義務がなくても、火災報知機と連動してストロボライトが点滅し音声で出口を知らせる機能がついた誘導灯の設置を検討してほしいと話しました。
また今回、4人の女性従業員が防火シャッターの前で倒れていたことについては、「シャッターを迂回して避難する非常口は必ず付いているが、多くの人はふだんから意識はしないので、シャッターを実際に閉めたうえで非常口から出る訓練を行ってほしい」と述べました。
そして参考となる避難の例として、5年前(2017年)に埼玉県で起きた物流倉庫での火災をあげ、「集団で作業をしていたグループのリーダーがメンバーを1か所に集め、まとまって安全な避難出口まで避難した。集合地点を作っておいて、そこにみんなで集まって全員を確認してから逃げるという手順を習慣化しておくことが望ましい」と話しました。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220311/1000077742.html
(ブログ者コメント)
2017年に埼玉県で起きた物流倉庫火災といえば、本ブログでも紹介したアスクルの倉庫火災だと思われるが、当時、上記のような情報は、調べた範囲では見つかっていなかった。
(2022年4月23日 修正2 ;追記)
2022年4月21日22時20分に産経新聞からは、会社は改善策を発表し、1ケ月後ぐらいから生産を再開するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「三幸製菓」は21日、2月に6人が死亡した同県村上市での工場火災を受け、夜間勤務を含む全従業員の避難訓練実施などの改善策を発表した。
5月中旬以降に順次工場の生産を再開し、6月ごろから出荷と販売を行う予定だとした。
三幸製菓によると、他の改善策として
①乾燥機の位置変更など工場レイアウトの変更
②電気配線とガス配管の点検と是正工事
③避難口誘導灯や非常灯など設備増強
などに取り組むとした。
火災を風化させないため、全焼した建物の跡地には慰霊碑を建立するという。
https://www.sankei.com/article/20220421-HLXOWCN3YNLDPIM5LYYHZJROWE/
4月22日8時36分にYAHOOニュース(新潟放送)からは、該社は火災について記者会見を開いていないなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三幸製菓は、生産を停止している各工場を5月中旬以降、順次再開させると21日にホームページ上で発表しました。
火災の後、三幸製菓は外部の専門家を交えた調査委員会を設置し、事故原因の究明と安全対策の検討を行っていました。
現在、全ての従業員への避難訓練の実施や、避難経路の見直しなど改善策を推し進めているということです。
三幸製菓は、こうした改善状況を工場ごとに評価して生産の再開を判断し、6月頃からの出荷・販売再開を予定しているとしています。
三幸製菓は火災について、記者会見は開いていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/17d3398b7b47fe3a3cec727845582f9b285a5638
(ブログ者コメント)
これだけの災害なのに記者会見を開いていないということに驚いた。
売上高500~600億円、従業員数1000人程度の、結構大きい会社なのに・・・。
(2022年5月12日 修正3;追記)
2022年5月11日13時38分にNHK新潟からは、今月中旬から工場ごとに生産を再開する方針だったが、消防からの指導?により、その方針を撤回したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災のあと、会社は生産を停止していますが、今月中旬以降、工場ごとに順次、再開する方針を示し、遺族からは疑問の声も上がっています。
こうしたなか三幸製菓は、荒川工場の一部の建物について安全確認が取れたとして今月中旬に再開する方針でしたが、地元の村上市消防本部からの助言を受け見送ったことが分かりました。
会社によりますと、村上市消防本部との話し合いのなかで「火災が起きた工場であり、安全を確認した建物から順次再開するのではなく、工場全体の対策が完了してから再開すべきではないか」という助言を受け、受け入れたということです。
取材に対し三幸製菓は、荒川工場だけでなく、ほかの工場についてもすべての建物の安全確認がとれるまで再開を見合わせると明らかにしたうえで、「安全安心を最優先に考えた」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20220511/1030021044.html
5月11日18時48分にYAHOOニュース(テレビ新潟)からは、工場再開の話しは遺族に伝えられないままホームページで発表されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「うちの家族もそうですけど、他の家族も思っているんですけど、世間に対しての謝罪と説明責任が足りていないような気がします。ずるいというか悔しいですよね」
こう話すのは火災で亡くなった従業員の遺族の男性です。
三幸製菓は謝罪や当時の状況説明などに、これまで5回ほど訪れたということです。
しかし4月21日、会社側から知らされていないことが突然ホームページで発表されました。
<三幸製菓のホームページより>
“5月中旬以降、順次工場毎に生産を再開し、6月頃より出荷・販売再開を予定しております”
<遺族の男性>
「私もそれをニュースで知った。工場再開するには遺族に伝えてからという話だったので」
工場の再開について、事前に遺族への説明はなかったということです。
その後、三幸製菓は遺族向けの合同説明会を初めて実施しました。
・・・
<遺族>:
「再開について、遺族は誰一人いいですよと言っていない」
遺族側が再開に納得がいかないのは、対策がまだ終わっていないこと。
そして過去のボヤへの対応があります。
消防によりますと、荒川工場では2019年までに部分焼や、ぼやが8件発生しています。
こうした火災がありながら、消防訓練の徹底や誘導灯の改善などがおろそかになり、今回、大規模な工場火災が起きてしまいました。
<遺族の男性>
「何回も小さな火災とか起こしているのに、なぜ今そういう対策をとっているのか。この時代に“犠牲を払って進んでいく会社”なんてありえないと思います」
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https://news.yahoo.co.jp/articles/dd42c5404fae9fd57e2fa96537e76c11663de6f1
(2022年6月4日 修正4 ;追記)
2022年5月31日18時48分にYAHOOニュース(新潟総合テレビ)からは、初めて記者会見が開かれた、対策として避難経路に蛍光テープを貼ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6人が死亡した火災から約3か月半。
ようやく会社側が記者会見を開き、遺族に謝罪するとともに、火災の原因・再発防止策などについて説明しました。
遺族などは、これまで記者会見の要望をしてきましたが、三幸製菓は火災後、この日に至るまで公の場で説明責任を果たしてきませんでした。
・・・
三幸製菓は再発防止策として、停電時にも避難ができるよう、経路を分かりやすくするための蛍光テープを工場内に張ったほか、実際に停電時を想定した訓練を行ったということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8c9f1458a20f4f182d81ad6f9666afded525dea8
6月2日22時17分に毎日新聞からは、事故時の詳細な状況説明や、組織風土など極めて重要な経営課題が浮かび上がっているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社の佐藤代表取締役最高経営責任者(CEO)が5月31日、新潟市内の本社で記者会見した。
同社が設置した「火災事故調査委員会」の1次報告書に基づく説明と、会見での主なやりとりは次の通り。
【照明消失や消火用水の不足で救助遅れか】
<火災の状況>
荒川工場F棟内には火災発生当時計26人がおり、目撃者の証言では2月11日午後11時40分前、3号焼き窯の上部に設置された仕上げ乾燥機の上方に炎が広がっていた。
初期消火は間に合わず、火災報知機が作動。
同41分ごろ、「焼・味付室」と「包装室」の開口部から黒煙と火を包装工程管理者が確認。
火災の報告を受け、同工程にいた16人が避難を開始した。
断熱のために天井に使われていた難燃性の発泡ウレタンに着火し、天井に沿って水平方向へ延焼。
同43分ごろには急速に黒煙が充満し、視界を失う中、製餅、切断、乾燥の各工程で勤務していた6人も避難を開始。
同45分ごろ、高圧ケーブルが断線され、工場全域に停電が発生した。
通報を受けた消防が12日午前0時ごろ現場に到着、同0時4分ごろには消火活動が開始され、同11時10分に鎮火した。
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<社内対応>
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<労務管理など>
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<安全管理、コンプライアンス>
労務管理面を含め、コンプライアンス上の問題が確認され、極めて重要な経営課題とする。
課題を洗い出すため従業員へのヒアリングを実施。
「組織風土の問題」「体制の不備」「人材育成の不足」を認識し、抜本的な改革が必要となった。
組織風土は、「上司に相談しにくい環境」「自分で考えて解決せよという風土」があり、従業員から上司に相談できる環境が構築できておらず、問題を発見しても相談や報告をせず、問題を抱え続けてしまう状況があった。
体制については、コンプライアンスを所管する専門部署が存在せず機能が欠如していた。
人材育成は、消防関連法規の知識や経験に対する適性自体が不足していた。
<経営責任>
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<工場の再稼働>
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「遺族への直接謝罪と説明を優先」
Q.火災から3カ月以上たったが、これまで記者会見を一切開かなかった理由は。
A.何よりも、ご迷惑をお掛けしたご遺族に直接対面しての謝罪と説明を優先してきた。
また、メディアなど関係者については、正確な情報を説明すべきだと考えていた。
当社独自で調査してきた結果、今回、調査委員会から1次報告を受領し、一定の説明ができる段階と判断したので会見を開いた。
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(以降、1問1答形式の記事が続いている)
https://mainichi.jp/articles/20220602/k00/00m/040/329000c
(2022年8月7日 修正5 ;追記)
2022年8月6日17時23分に産経新聞からは、誘導灯の数を1.6倍に増やしたり焼き釜の上にあった乾燥機を床に移して釜の熱が伝わらないようにするなどの対策を実施したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「三幸製菓」は6日までに、6人が死亡した2月の荒川工場(新潟県村上市)の火災から半年を迎えるのを前に、再発防止策の進捗状況を報道各社に明らかにした。
暗い中でも避難できるよう経路を色分けし、焼き窯と乾燥機の配置を見直したとしている。
同社によると、県内3カ所の工場で対策を実施。
荒川工場の火災では停電が発生し、視界が悪い中で非常口を見つけられなかった可能性があるとして、誘導灯の数を1・6倍に増やした。
従業員に手持ちライトを配布し、夜間を想定した避難訓練を実施した。
火元とみられる焼き窯付近もレイアウトを変更。
これまで焼き窯上部に設置していた乾燥機を床に移し、焼き窯の熱が伝わらない配置とした。
https://www.sankei.com/article/20220806-Q3BSOCJVUZPTNLCKBGLAFXHHT4/
8月6日22時27分に毎日新聞からは、色分けした避難通路の写真がネット配信されていた。(文章は転載省略)
https://mainichi.jp/articles/20220806/k00/00m/040/284000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。