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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201426198分にNHK広島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

4262052分に毎日新聞から、426186分に中国放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

26日午前10時半ごろ、尾道市瀬戸田町の造船会社「K工業」の工場で「作業員の男性2人が酸欠になっている」と消防に通報があった。


消防や警察によると、2人は病院に運ばれたが、このうち33歳のタイ国籍の男性が意識不明の重体となっている。
また、25歳のフィリピン国籍の男性が一時意識もうろうとなったが、命に別条はない模様。


現場の工場は瀬戸内海にある生口島の北部の海沿いにあり、この会社では船の建造や修理のほか、船のリースを手がけているという。


消防や警察によると、当時、岸壁にとめた長さ45m、幅15mの台船のタンク(深さ2~3m)内で、浸水していないかなどを確認する作業が行われていて、タイ国籍の男性が意識を失って倒れているのが見つかり、発見したフィリピン国籍の男性作業員と現場監督が救出にあたったが、フィリピン人作業員も、一時、意識不明となった。
その後、意識は回復したという。

事故を受けて、K工業の出口社長と岡田専務が取材に応じ、現場の状況などを説明した。

それによると、台船は荷積みや運搬に使用するもので、26日は、台船を大型連休明けに別の会社に貸し出すために点検作業を行っていたという。


浮力を維持するための空気のタンクに漏水や腐食がないかを点検するため、タンクに通じるフタを開けて直径約50cmの縦穴から内部に入ったところ、1人が倒れ、救助に向かった別の1人も体調不良を訴えたという。


通常は、送風をして換気をすることになっているということだが、「今回、換気が行われていたかどうかは、現時点ではわからない」としている。

台船内部の空間は、幅7.5m、長さ10mの広さだという


病院に搬送された2人は、尾道市にある協力会社の技能実習生だという。
K工業の出口社長は、「事故によって2人や多くの関係者のみなさまにご迷惑をおかけし、申し訳ございません」と謝罪した。


消防が現場に到着した直後にタンク内の酸素濃度を調べたところ、安全な濃度を大幅に下回る6%と、呼吸停止や死亡に至るおそれのある非常に危険な状態だったという。

 

警察は、作業の安全管理に問題がなかったか、調べている。

 

出典

造船会社で酸欠か 1人意識不明

http://www.nhk.or.jp/hiroshima-news/20170426/5928133.html 

尾道の造船所 作業中の男性2人倒れ1人重体、酸欠か

http://mainichi.jp/articles/20170427/k00/00m/040/075000c 

造船所 台船内で作業員意識不明

http://news.rcc.jp/?i=27715 

 

 

428日付で朝日新聞備後版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

因島署は27日、重体となっていた実習生が同日、死亡したと発表した。死因は低酸素脳症だったという。

一時、意識不明となっていたフィリピン人の実習生は、同日、退院したという。

 

 

 

(2017年5月23日 修正1 ;追記)

 

2017427日付の中国新聞紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。

 

先に倒れたタイ人の男性は昨年12月から、助けに入ったフィリピン人の男性は昨年9月から、K工業で作業していた。

 

 

 

(2017年9月2日 修正2 ;追記)

 

201791日付で毎日新聞広島版から、台船のタンクは7年以上も密閉状態だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

尾道労基署は8月31日、同社と同社工務部長(56)を労安法違反の疑いで書類送検した。

容疑を認めているという。

 

送検容疑は、同社と同社工務部長が、法令で義務づけられた酸欠主任者を選任せず、酸素濃度測定器を備えなかったため、男性を死亡させたとしている。

 

同署によると、台船のタンクは7年以上密閉されており、同社の測定器は工場内にあったがバッテリー切れで使えない状態で、代替機の確保もしていなかったという。

 

出典

酸欠死亡事故で労基署 造船所役員ら書類送検

 http://news.rcc.jp/?i=28330#a 

 

 

8311156分にRCC中国放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

書類送検されたのは、K工業と、現場監督者を務めていた常務取締役の男性

 

尾道労基署によると、会社と常務取締役は、タンクは長期間密閉され酸欠の危険があったにもかかわらず、法令で義務付けられた作業主任者を置かず、酸素濃度の測定器具を備えるなどしていなかった疑いがもたれている。

 

この事故では、警察も業務上過失致死傷の疑いで捜査を続けている。

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

報道された内容から推察すると、7年以上も密閉状態だったタンクの中に、酸素濃度を測定せず、また換気もせずに協力会社の海外実習生を入らせていた可能性がある。

造船所で働く人たちに酸欠の知識がなかったとは思えないのだが・・・・・。

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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