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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20174261017分に千葉日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

426日付で毎日新聞千葉版から、426日付で朝日新聞ちば首都圏版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

君津市消防本部は、25日、同市坂田で6日に発生した民家火災で、消防署本署第1救助隊の戸田消防士長(29)が全身にやけどを負い、23日に死亡したと発表した。

同市消防本部の消防職員が殉職したのは、初めてという。

 

消防本部によると、6日午前6時5分ごろに民家火災の119番通報があり、救助隊は同6時15分ごろ現場に到着。

 

要救助者がいるとの情報を受け、戸田消防士長を含む救助隊員2人が屋内を捜索していて急激な黒煙にまかれ、戸田消防士長の所在が不明になった。

 

戸田消防士長は台所付近で倒れている状態で見つかり、病院に搬送されたが、23日午後に死亡した。

 

戸田消防士長らが現場に入った際は火炎はなく、白煙がうっすらと漂っている状態だった。

戸田消防士長らは防火衣と空気呼吸器を付けていたが、外部と結ぶ確保ロープと援護注水はなかったという。

 

消防本部は、事故原因や上司の指示などについて、内部調査に加え外部有識者を招いて検証するといい、「再発防止策を検討し、安全管理の徹底に取り組む」としている。

 

火災は消防車など7台で消火にあたり、約1時間後に鎮火したが、木造平屋建て約56m2が全焼し、焼け跡から家主の男性=当時(78)=の遺体が見つかった。

 

出典

『君津の消防職員が殉職 民家火災で全身やけど』

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/403856 

『君津市消防 29歳士長、救出活動で殉職 原因内部検証へ』

https://mainichi.jp/articles/20170426/ddl/k12/040/064000c 

 

 

 

(2018年1月14日 修正1 ;追記)

 

20181101924分にNHK千葉から、調査報告書がまとまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)

 

君津市消防本部は、去年5月末に外部の有識者などによる調査委員会を設置して当時の消防の対応に問題がなかったか検証を行い、このほど結果がまとまった。


それによると事故の原因は、煙を排出するために窓や玄関が開け放たれたことにより、天井などにたまっていた可燃性のガスが爆発的に燃焼する「バックドラフト現象」が発生したためだとしている。


そのうえで、死亡した職員など2人が屋内に入る際に命綱を着けず、支援のための注水も行われていなかったことについては、「当時は煙がうっすら漂う程度で、現象が起きることを瞬時に判断するのは極めて難しく、対応に瑕疵があったとは言えない」などとしたうえで、火災の現場では、あらゆる情報を共有し安全管理の徹底に努める必要があるなどとした。


出典

君津消防署員死亡事故で調査結果

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180110/1080001237.html 

 

 

111日付で朝日新聞ちば首都圏版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

報告書は、「安全確保の留意事項を順守したとは言えない」としたものの、予測が極めて難しい急激な燃焼(バックドラフト)に加え、「確保ロープをしていたら2人とも犠牲になった可能性がある」、「援護注水がバックドラフト現象を必ずしも防げたかどうか不明」とした。

 

これに対し父親は、「納得できない。マニュアルに従っていれば防げた事故。消防本部に瑕疵がなかったとは思っていない」と話した。

 

 

 

一方、20171229128分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

消防隊の一連の消防活動につき、君津市消防本部が遺族に「過失は無かった」と伝えていたことが28日、分かった。

 

救助活動では、住人を助けに住宅内に入った際、救急隊長と戸田さんが命綱を身体に結んでおらず、救助活動をサポートする援護注水がなかった-といった行為が総務省消防庁の作る安全管理マニュアルに反する活動ではないか、また、消火・救助活動の指揮と消防隊員の安全管理の両立のための状況判断が的確だったかが問題視された。

 

・・・・・

 

消防本部は今月25日、戸田さんの遺族を本部に呼んで同報告書の内容を説明。

ただ、殉職は消防活動の過失が原因だったかについては、消防本部が27日に改めて遺族を訪ね、口頭と文書で「(事故調査委の)調査結果に鑑み、現時点においては、過失は無かったものと判断する」と伝えた。

 

また、現場の消防職員の判断に委ねた結果の殉職という見解か、などの産経新聞の質問に対し、消防本部は回答を拒否した。

 

・・・・・

 

報告書では、

(1)市消防本部では、現場での消防活動で、安全管理マニュアルよりも現場隊員の状況判断を優先して安全を確保することが常態化しているのでは?

(2)指揮者による、バックドラフト現象にも注意した状況把握と隊員への指揮命令が適切だったか

(3)救助隊長はバックドラフト現象直前に戸田消防士長に退避を命じたとされるが、命綱がない中で命令が届いていたのか

といった点の明確な言及はされなかった。

 

事故調査委の委員の1人は、「マニュアルは安全規範だが、その場その場で対応が変わってくるものであり、現場の消防隊員の判断に委ねる部分も大きい」と話す。

 

そうした面は否定できないが、チームで物事を行う場合、リーダーが業務の進捗とリスクを勘案しながら進めるのもまた当然。

自らを危険に曝して救助に赴く消防隊員や警察官らの命が左右されるゆえに、公務における、上からの指揮命令や普段からの訓練が持つ意味は一段と重い。

 

消防本部が27日に遺族に渡したのは一片のペーパー。

「調査結果に鑑み」と言うにとどめず、消防のプロとして殉職事故をどう受け止めるか、言葉を尽くして遺族に伝える義務がある。

報告書受領後も、その結果や消防本部としての見解を公表しないのは、説明責任回避と受け取られても仕方ない。

失われた命の重みに鑑み、反省の言葉と共に犠牲を次につなげる姿勢を示すべきだ。

 

出典

『千葉・君津の消防士殉職 「過失無かった」と遺族に通知 消防本部、説明責任果たさず』

http://www.sankei.com/affairs/news/171229/afr1712290013-n1.html 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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