







(ブログ者コメント)
作業前に30ppm、事故後に150ppm以上と測定した位置は、マンホールの上部だったのか中部だったのか、それとも底部だったのか?
探した範囲では情報は見つからなかった。
2025年8月2日17時37分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前9時25分ごろ、埼玉県行田市長野で、下水道管を点検していた作業員から「同僚がマンホールに落ち、助けに行った3人も戻らない」と119番があった。
県警行田署と地元消防によると、50代の男性作業員4人が地中の下水道管に落下した。
午後4時ごろまでに全員が救助されたが、いずれも心肺停止の状態で病院に搬送された。
下水道管は地上から約10メートルの深さにあり、直径2・6メートル。
汚泥や汚水の深さが1・8メートルほどとみられる。
この日は、午前9時から土木工事会社の作業員7人が老朽化の点検作業をしていた。
マンホール内のはしごを伝って下りた1人が下水道管に落ち、助けようとした3人も相次いで落下したとみられる。
堆積(たいせき)物や硫化水素ガスの発生により、救助作業は一時難航した。
下水道管の中は、低酸素状態も想定されるといい、県警は作業員らの装備や事前の検知作業が十分だったかなど、落下の経緯を調べる。
市下水道課によると、この日の作業は、同県八潮市で1月に起きた県道の陥没事故を受けて国が要請した緊急点検の一環だった。
現場は、秩父鉄道行田市駅から南東1・7キロにある県立行田特別支援学校の南西側で、新忍川沿いの一角。
https://mainichi.jp/articles/20250802/k00/00m/040/159000c
8月2日23時37分に毎日新聞からは、4人全員が死亡した、1981年に設置された下水管だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
午後4時ごろまでに全員が救助されたが、いずれも心肺停止の状態で搬送され、病院で死亡が確認された。
市下水道課によると、今回の作業は、1月に同県八潮市で起きた大規模な道路陥没事故を受けて国が全国の自治体に要請した調査の一環で、老朽化を点検するためだった。
転落現場付近の下水道管は1981年に設置されたという。
https://mainichi.jp/articles/20250802/k00/00m/040/234000c
8月3日7時46分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、近くの住民も硫黄臭を感じていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
行田市から点検作業を委託された土木会社の作業員から119番があったのは同日午前9時25分頃。
市消防本部によると、隊員が下水道管内に到達したのは午前9時52分だった。
下水の流れはゆるやかだったが、水深が約1・8メートルあったという。
捜索と二次被害防止のため、業者に排水を依頼した。
排水が終わり、命綱をつけた隊員が管内に到達したのは午後1時23分だった。
転落した4人のうち1人はマンホールの真下あたりに倒れていた。
別の1人は汚泥に埋まっていた。
残りの2人も近くで見つかったという。
同市消防本部消防総務課は「下水道管の中はせまく、硫化水素と、たまっていた水が救出作業を難しくした」としている。
現場近くに住む無職の男性(61)は「普段にはない硫黄のような臭いを感じた。インフラに関連する事故が近くで起きたと思うと怖い」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f719502e88ff38ea7c48d082c22d281a4eab36ed
8月2日17時38分に朝日新聞からは、事故現場は八潮市の陥没事例を受け国交省が進めている特別重点調査の対象だったなど、下記趣旨の記事が現場写真4枚付きでネット配信されていた。
八潮市で1月に起きた道路陥没事故を受け、国土交通省は3月から、直径2メートル以上で設置から30年以上経った全国約5千キロの下水道管について特別重点調査を進めている。
管理している約500の自治体や団体が内部を目視やテレビカメラで調べ、不具合がないかを1年以内に報告することになっている。
このうち、八潮市の道路陥没現場と類似した構造・地盤条件の箇所や、管路の腐食しやすい箇所、陥没履歴があり交通への影響が大きい箇所、ポンプ場につながる管路など約1千キロは優先的に調査し、夏ごろまでの報告を求めている。
今回の事故現場となった埼玉県行田市のマンホールも、特別重点調査の対象だった。
https://www.asahi.com/articles/AST822S63T82UTNB00FM.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
8月3日23時7分に読売新聞からは、マンホール内の硫化水素濃度は作業前30ppmだったが警報が鳴らなかったため作業を続けた、転落後は150ppmだった、4人は安全帯やマスクをしていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
マンホール内部から検出された有毒な硫化水素の濃度が作業を許容される国の基準値の15倍超に上っていたことが、点検を受注した土木会社への取材でわかった。
県警行田署は、4人が硫化水素を吸い込んだ可能性があるとみて死因の特定を進め、業務上過失致死の疑いでも調べる。
行田署は3日、死亡した4人は市から点検を受注した「S興業」(さいたま市)の社員で、県内に住む行田市谷郷、本間さん(53)、上尾市平塚、樋口さん(56)、鴻巣市上谷、松村さん(54)、北本市の男性(54)と発表した。
本間さんが2日午前、二つあるマンホールのうち一方からはしごで、水流を止めた下水管の底に下りようとした際、意識を失い落下し、助けようとした3人も転落したとみられる。
4人は水深約1・8メートルの下水管から救出されたが、病院で死亡が確認された。
それぞれ目立った外傷はなかった。
労働安全衛生法は、硫化水素が発生するおそれのある場所では、濃度が「10ppm以下」になるよう換気するなどの対策を定めている。
三栄管理興業によると、作業開始時に30ppmが計測されたものの、検知器の警報が鳴らなかったとして作業を続けたが、4人の転落後に「150ppm以上」を計測した。
4人は転落を防止する安全帯、酸欠を防ぐマスクを装備していなかった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250803-OYT1T50139/
8月5日3時31分にYAHOOニュース(テレビ朝日)からは、下水管チェックのための水抜き作業中だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
が所属する会社は行田市から委託され、下水管チェックのために水を抜く作業を行っていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/35984300409ad080d53193c3da919bfaaed6106f
8月4日22時39分に読売新聞からは、9時からポンプで排水を始めたところ硫化水素濃度が急激に上がったため地上に避難、アラームが止まったので排水状況を確認しようと下りて行ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
会社よると、2日午前9時からポンプで排水を始めたところ、硫化水素の濃度が急激に上がり、ガス検知器が鳴ったため、作業員を地上に避難させたという。
その後、検知器のアラームが止まり、排水状況を確認するため、はしごを伝ってマンホール内に入った作業員が転落。
助けようとした3人も相次ぎ転落したとみられる。
4人とも転落防止のための安全帯や酸欠を防ぐマスクを着用していなかった。
東京大学の加藤裕之特任准教授(下水道政策)は「現場の下水道管の構造上、汚れがたまりやすく、硫化水素が発生しやすい。排水作業で水がかくはんされ、濃度が急激に上昇したことは十分考えられる」と分析。
県警によると、司法解剖の結果、2人は硫化水素による中毒死で、残る2人は中毒が原因で 嘔吐物を吸い込んだことによる窒息死とみられるという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250804-OYT1T50169/
8月4日18時28分にYAHOOニュース(共同通信)からは、、最初の1人は西側マンホールから、救助に向かった3人は東側マンホールから下りていったなど、下記趣旨の記事が2本あるマンホールの模式図付きでネット配信されていた。
4人の勤務先の報告書によると、2日午前9時、責任者2人は携帯電話で連絡を取り、下水管の水抜きを始めた。
下水管の下流側では、硫化水素濃度の上昇を知らせる検知器が鳴り、作業員は地上に退避。
10~20分後、1人目の男性が状況確認のため東西にあるマンホールのうち、西側の穴へ進入。
警報は鳴っていなかった。
すると大きな声と、男性が落ちたと思われる水音が聞こえた。
報告を受けた現場責任者は、東側のマンホール内へ。
このとき警報が鳴っていた。
同僚らが地上からロープを垂らし「つかまれ」と叫んだが、応答はない。
3、4人目も東側のマンホールに入った。
3人目の転落後、地上に残った同僚が午前9時25分ごろ119番した。
検知器の表示は基準値の15倍以上を示す「OVER」だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c7d31c96a475ba7994b0de220e04973001afad48
8月4日21時5分にYAHOOニュース(TBS NEWS )からは、雨が降らなかったため水の流れは遅く、水温も上昇したため硫化水素が発生しやすい環境になっていた可能性があるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故現場の近くには、忍川が流れています。
そのためマンホールは12.6mと、通常よりも深くなっています。
直径2.6mの下水道管に繋がる構造で、下水道管の中には、水やヘドロが溜まっていたということです。
下水道管の仕組みには、▼雨水と汚水を一つの下水道管に流す「合流式」、▼雨水と汚水を別々に流す「分流式」の2つのタイプがあります。
今回事故が起きた下水道は「合流式」ですが、事故が起きた要因に“天気”も関係しているようです。
「合流式」「分流式」どちらの場合でも、下水道管の中に溜まっているヘドロなどの有機物を、バクテリアが食べることで硫化水素が発生しやすい状況だということです。
「分流式」はそれぞれの管が細く、基本的に人は入らず、カメラなどで点検を行うといいます。
一方、「合流式」の場合、通常、硫化水素が発生しても雨水で流されてとどまりにくいということです。
しかし、このところ晴れていて、ほとんど雨が降っていませんでした。
雨が降らないと、下水道管の中は、▼水の流れは遅く、▼滞留時間は長く、▼水温も上昇するため、“硫化水素が発生しやすい環境”になっていたとみられます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e06b89e97604ff11102c3dd6e47e8ad4b60a2d3b
8月5日12時56分に朝日新聞)からは、会社側の文書回答によれば安全帯は防護カッパの上から装着することになっていた、7月の作業時に問題なかったので今回エアラインマスクは持って行かなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
作業を受注したS興行が5日、当時の状況について、報道各社の質問に文書で回答した。
S興業の説明では、安全帯はビニール製の「防護服カッパ」の上に装着することになっていた。
現場の判断で、熱中症を防ぐため、作業開始の直前まで防護服を着ないようにしていたという。
最初に転落した作業員がなぜ安全帯をつけていなかったのかについて、会社側は説明していない。
次々に助けに向かったとみられる3人については、作業直前ではなかったり、地上作業の担当だったりして、そもそも防護服を着ていなかった。
「三名は緊急性を感じ、すぐにマンホール内に入ったと思います」とした。
また、硫化水素などを吸い込むことを防ぐためのマスクについて、会社側は、「このような作業の場合、エアラインマスクを用意することはルールとなっています」と説明。
しかし前回(7月)に同じ場所で作業した際に硫化水素濃度に問題がなく、マスクを使用しなかったため、今回は現場の判断でマスクを持っていかなかったという。
硫化水素を検知する検知器については、国の基準に基づき、硫化水素の濃度が10ppm以上で警報が鳴る設定だったという。
https://www.asahi.com/articles/AST8513SHT85UTNB004M.html?iref=pc_national_$PAGE_TYPE_EN_list_n
8月4日18時23分にYAHOOニュース(TBS NEWS )からは、前回の作業は7月16、17日だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
緊急時には欠かせないマスク。
S興業は用意しなかった理由について、こう説明しています。
「7月16、17日の作業時には硫化水素の濃度に問題はなく、マスクを使用しなかったため、今回は現場にエアラインマスクを用意していなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f61b050cb51f8a8ff74c3cae01a209f242d3739f
8月5日19時20分に毎日新聞からは、防護カッパは熱中症予防のため作業開始直前まで着用していなかった、今回の作業は7月28日に追加が決まった行程だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社は取材に対し、4人が安全帯を着用していなかった理由について「防護服を着た上に着用するため、熱中症予防のために作業開始直前まで着用していなかった」と説明した。
行田市は5日、同社が市に提出した「業務計画書」を報道各社に公表。
事故が起きた作業は7月28日に追加が決まった工程だったと明らかにした。
市の担当者は「工期が過密になっていたなどの状況は無かった。安全帯やマスクは法令で運用が定められており、これらが守られていると思っていた」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20250805/k00/00m/040/270000c
8月8日11時31分にYAHOOニュースからは、ジャーナリストが考察した事故の背景についての寄稿文が下記趣旨でネット配信されていた。
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発注者である行田市が公表した業務計画書には有害ガスや墜落リスクの予測と対策、保護具に関する安全教育が明記されていたが、現場で遵守されなかった。
「倒れた作業員を助けに入ってはいけない」という下水道作業の安全上の基本ルールが守られなかった可能性があることも、複数死に至った要因と考えられる。
■「現場判断の誤り」だけなのか
こうした説明は、直接原因を「現場判断の誤り」として位置づける一方で、なぜ現場が誤った判断を下す環境に置かれたのかという構造的背景を見落とす危険がないだろうか。
たとえば、以下のような構造的背景にある4つの要因は考えられないだろうか。
①教育・訓練の実効性不足
安全教育が書面説明にとどまり、危機感や行動規範として現場に定着していなかった可能性。
②経験不足の人員配置
人材不足により、リスク評価や対応に熟練した作業員が現場に配置されない構造。
③情報共有の欠如
前回の安全状況に依存し、当日の環境変化(排水作業によるガス攪拌)を予測できなかった。
④発注者・受注者間の監督責任の分断
計画書に記載された安全管理方針の実行状況を現場で確認する監督体制が不十分。
実際、一部の現場関係者からは、「リスクの高い現場にスキルや経験が十分でない作業員を送るのは危険」との指摘もある。
■再発防止のための指針──秋田県の提言に学ぶ
今年3月7日、秋田県が発注した下水道管渠補修工事(秋田県男鹿市脇本樽沢地内の圧送管路)において、排泥ピットに接続する制水弁室(1号マンホール、直径90cm・深さ約3.5m)内にいた作業員3名が意識を失って倒れているところを発見され、同日中に3名全員の死亡が確認されるという重大事故が発生した。
それを受け、秋田県は「安全な下水道管路作業のために ~酸素欠乏・硫化水素中毒事故を二度と繰り返さない~」をまとめている。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/54bee023e1696d48f2db4c91bdaebd28e9fd1eb6
キーワード;変更管理?


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。