2016年12月10日付で毎日新聞島根版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12月10日付で日本海新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
中国電力は、8日、島根原発2号機(松江市)で、発電所の状況を監視する中央制御室に外気を取り入れる送風管(ダクト)に腐食穴(縦約30cm、横約100cm)が見つかったと発表した。
運転開始(1989年)時から、一度も直接点検した記録が残っていないという。
原発が運転中でも、施設外への影響はないが、事故発生時に放射性物質が制御室に流入し、作業員が被ばくする可能性がある。
中国電によると、ダクトは亜鉛メッキ鋼板製の1m四方で、厚さは0.8mm。
8日午後2時50分ごろ、新規制基準に基づく準備で、ダクトの寸法や材料を確認しようと、協力会社の職員が、結露を防ぐための保温材を外したところ、腐食穴を発見。
鋼板が垂れ下がり、周辺がさびていた。
穴があいたダクトは保温材で包まれ、18年前の定期点検で周辺を確認した記録があるが、保温材をはがして直接点検したかは不明で、腐食した時期や原因は特定できていない。
建設時から、正常に機能しているか空気量を計る流量計に異常がなかったため、これまでの点検でも気付かなかったという。
中国電は、同日、ダクト系統は国が定める安全上重要な設備に該当するため、原子力規制庁や鳥取、島根両県と原発から30km圏の6市に報告などに事案を報告した。
中国電の島根原子力本部は、「心配を掛けて申し訳ない。周辺環境への異常はないが、原因究明と補修を進めていく」としている。
溝口知事は、9日、定例記者会見で「中国電は原因の分析に全力を挙げるべき。県としても、結果(報告)を求めていく」と述べた。また国にも原因を究明するよう求めた。
県は、8日夜、中国電から報告を受け、職員を島根原発に派遣。県と松江市の職員計4人で、腐食穴の状況などを確認した。
溝口知事は中国電の点検態勢について、「首脳部の判断か、技術的なレベルなのか、ルールがあっても作業員が守っていないのか。どこに問題があったかで注意(指導)の仕方が変わる」と述べた。
出典
『島根原発 2号機、送風ダクトに腐食穴 点検記録なし』
http://mainichi.jp/articles/20161210/ddl/k32/040/457000c
『島根原発2号機ダクトに穴 中電「環境への影響なし」』
https://www.nnn.co.jp/news/161210/20161210003.html
12月14日18時8分にNHK松江からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力規制委員会の更田豊志委員は、14日の会合でこの問題に触れ、「設計を変えて多重化させるか、点検のレベルを上げるかなど議論したい」と述べた。
その上で、中国電力がまとめる今回の問題の原因や再発防止策などを踏まえながら、多重化されていない設備の安全性の確認をどのように行うべきか、検討を進めることを決めた。
出典
『ダクトに穴 安全確認検討へ』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4035229311.html?t=1481833969919
(2016年12月18日 修正1 ;追記)
2016年12月16日21時22分にNHK松江から、12月16日21時54分にNHK鳥取から、結露が原因だった可能性など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
中国電力は、16日、ダクトの腐食は結露が原因となった可能性があることや、換気装置のダクトを穴が見つかった箇所からさらに40mにわたって点検した結果、新たに9カ所で13個の穴が見つかったことを明らかにした。
穴は、最も大きいもので長さ15cm、幅1cmの亀裂状のもので、それ以外は直径1cm程度で、中国電力は「安全上、問題ない」としている。
年内をメドに、保温用のカバーで覆われた部分をすべて点検する。
出典
『島根原発 新たに13個の穴』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4035328051.html?t=1481920621453
『原発のダクト腐食で県に報告』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/4045329751.html?t=1481920518506
(ブログ者コメント)
中国電力HPにダクト配置のイメージ図が掲載されているが、それによると、開口したのはダクトが立ち下がった部分。
そのことが、結露原因説の根拠の一つになっているのだろうか?
http://www.energia.co.jp/atom/press16/__icsFiles/afieldfile/2016/12/16/p161216-1b.pdf
(2017年1月12日 修正2 ;追記)
2017年1月11日18時39分にNHK松江から、他の原発にも横展開対応するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日開かれた原子力規制委員会の会合で、規制庁の担当者から、同じダクトで最大で長さ15cmを含む18個の穴が見つかったと報告があった。
これを受けて規制庁は、国内のほかの原発でも同じような問題が起きていないか確認する必要があるとして、全国の事業者にダクトの状態や点検方法などの調査を求める方針を明らかにした。
調査は今月中に開始する見通しで、このうち、運転中の鹿児島県の川内原発と、愛媛県の伊方原発については、再稼働する前に中央制御室の気密性を検査し、いずれも問題がないことを確認しているということだが、調査で穴が見つかった場合、運転に影響する可能性もあるとしている。
出典
『ダクト腐食問題で他原発も調査』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4035928921.html?t=1484167983649
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。