







ちょっと前、2018年9月26日20時30分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
中日本高速道路会社は26日、車が接触したときなどに高速作業員の後頭部などを守るエアバッグ付きチョッキを開発したと発表した。
高速道路の規制線内に車が進入し、作業員が巻き込まれる事故が発生し、死傷者が出ていることから、身を守る手段として製作した。
道路の点検作業に順次、導入する予定。
今後、他社への販売も検討している。
道路点検の中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(東京・新宿)や、バイクのエアバッグ付きチョッキなどを手掛ける無限電光(名古屋市)と共同開発した。
腹付近に衝撃を検知する「加速度センサー」とエアバッグを膨らませる炭酸ガスの小型ボンベを装着している。
車の衝撃を再現した性能試験では、骨折などの重傷を負う確率が、チョッキを着用した場合に35%低減されたという。
高速作業員向けのエアバッグ付きチョッキは全国初としている。
中日本高速は2018年中にも道路点検で活用し、外販体制を整えるという。
出典
『中日本高速、エアバッグ付きチョッキ 作業員向け』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35782880W8A920C1L91000/
(ブログ者コメント)
〇本件、9月26日付で中日本高速からニュースリリースされていた。
以下は、抜粋。
【本製品の概要】
交通事故により受ける身体の損傷の形態は、車両との衝突により生じる衝突損傷(一次損傷)、衝突により跳ね上げられボンネットやフロントガラスへ衝突することで生じる跳ね上げ損傷(二次損傷)、その後路面などに投げ出されることによる転倒損傷(三次損傷)があります(図-1)。
本製品は、安全チョッキに取り付けたセンサが一定の閾値以上の衝撃を検知すると、回路を経由し、装備されたエアー起動装置によりエアバッグを膨張させるものです(写真-2)。
現在市販されているエアバッグ付き製品は、バイクと身体をつないでいるワイヤが事故や転倒で身体を投げ出された場合にワイヤが切れたことを検知してエアバッグが膨張するバイク用の製品や、高所作業時に誤って転落した場合に転落を検知してエアバッグが膨張する落下対策用の製品があります。
本製品では、規制区域内での作業に活用できるよう、通常作業の動作ではエアバッグは起動せず、車両と衝突した時など大きな衝撃を受けた場合に初めてエアバッグが起動するように工夫しました。
ただし、本製品は衝撃を受けなければエアバッグが膨張しないため、車両衝突による一次損傷を軽減する対策として、エアバッグが膨張しない状態でも衝撃を軽減する緩衝材(写真-3)を装備するとともに、手動操作でもエアバッグが膨張する手動起動スイッチ(写真-4)を付加しています。
【本製品の効果】
本製品により、身体に与える衝撃をどのくらい軽減できるかを評価するため、公的機関である一般財団法人日本自動車研究所(JARI)で性能評価試験を実施しました。
検証方法は、人体模型に本製品を着用させて胸部に衝撃を与えた場合と着用させなかった場合とで、身体に与える影響を比較しました(図-2)。
その結果、約23㎏の衝撃子を衝突速度約24㎞/hで衝突させた場合では、エアバッグ起動時は未装着時に比べて重傷以上(AIS3+※)となる可能性が大幅に軽減されました(写真-5)。
https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/4395.html
〇道路上で作業中の作業員が車にはねられる事故は、本ブログでも
過去に何件か掲載している。
それら以外、以下は直近の事例。
(2018年10月6日12時9分 神戸新聞)
6日午前3時ごろ、兵庫県赤穂市東有年の国道2号で、標識を掲示して作業していた工事車両に大型トラックが追突し、運転席にいた警備員の男性(64)が死亡、助手席の警備員の男性(28)も顔などに軽傷を負った。
警察は、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、トラックの運送業の男性(43)を現行犯逮捕した。
容疑を過失致死に切り替えて調べている。
警察によると、警備員の男性らは道路の補修工事の事前調査を終え、資材の回収作業をしていたという。
出典
『工事車両に大型トラック衝突 警備員の男性死亡』
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201810/0011707391.shtml
2018年10月5日12時50分にYAHOOニュース(さくらんぼテレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
山形県鶴岡市で、道路にいた女性が、荷物を運んでいたフォークリフトにはねられ死亡した。
警察は、過失運転致死の疑いでフォークリフトの運転手を逮捕した。
4日午後7時すぎ、鶴岡市ほなみ町の市道で、荷物を積んだフォークリフトが、道路にいた女性をはねた。
女性は鶴岡市の齋藤さん(61)で、全身を強く打ち、病院に運ばれたが、約1時間後に死亡した。
警察は、フォークリフトを運転していた秋田市の会社員・今野容疑者(男性、41歳)を、過失運転致死の疑いで逮捕した。
警察によると、今野容疑者は、道路脇のホームセンターに商品を運んできた運送業者の社員で、トラックから降ろした商品をホームセンターのフォークリフトで店内に運ぶ途中に齋藤さんをはねた。
調べに対し今野容疑者は、「積み上げた荷物で、前にいた齋藤さんに気付かなかった」と話しているという。
出典
『フォークリフトにはねられ女性死亡・過失運転致死の疑いで運転手逮捕 山形・鶴岡市』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00010001-sakuranbo-l06
10月5日12時35分にNHK山形からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
走ってきたフォークリフトに、ひかれた。
今野容疑者は、道路に隣接するホームセンターに商品を届けるため訪れていたもので、トラックから降ろした除雪用具をホームセンターのフォークリフトを使って店内に移動する途中だったという。
調べに対し、「積み重なった荷物で前が見えにくいまま走っていて、人がいることに気がつかなかった」と、容疑を認めているという。
現場の市道は幅8mで歩道はなかったということで、警察が事故の詳しい状況を調べている。
出典
『フォークリフトにひかれ女性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20181005/6020002035.html
(ブログ者コメント)
以下は、さくらんぼテレビの1コマ。
事故時の状況を再現しているのだろうか、荷物満載で前が見えないフォークリフトを、左側から身を乗り出すようにして前方を確認しつつ運転していた。
2018年10月6日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後3時20分ごろ、秋田県由利本荘市西梵天のJR羽後本荘駅の駅舎屋上で、雨量計の点検をしていたJR東日本社員の池田さん(男性、55歳)が頭から血を流して倒れているのを、同僚が発見、通報した。
池田さんは頭を強く打ち、搬送先の病院で死亡した。
雨量計は屋上からさらに2.6mの高さにあり、池田さんははしごを使って作業するところだったという。
同僚がはしごが倒れる音を聞いており、警察で原因を調べている。
出典
『雨量計点検作業中の男性死亡』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201810/20181006_43048.html
2018年10月4日19時1分にNHK鹿児島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午後1時半すぎ、「工事現場で土砂崩れが起きて1人が巻き込まれた」という通報が薩摩川内市の消防にあった。
現場は薩摩川内市冷水町の国道3号線沿いにある住宅裏の斜面で、警察や消防が到着したところ、土砂が崩れて大量に流れ出していた。
崩れた土砂の中から釘崎さんが救助されたが、すでに亡くなっていた。
警察によると、斜面は高さが40m、幅が14mにわたって崩れていた。
また、斜面にあった木は先の台風24号の影響で倒れていたが、撤去作業はこの木をクレーンでつり上げて固定した状態で行われ、釘崎さんは木の根元をチェーンソーで切る作業を担当していたという。
作業はほかに4人が従事していたが、4人にけがはなかった。
警察は、現場の状況や斜面が崩れた原因などについて詳しく調べている。
出典
『倒木撤去中の土砂崩れで死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181004/5050004567.html
2018年10月5日付で茨城新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県内5市町の小中学校約30校の児童生徒らが4日に学校給食で出た牛乳について、味やにおいの違和感を訴えたことが同日、県教委などへの取材で分かった。
健康被害は確認されていないが、牛乳を提供したのは昨年6月にも同様の問題が発生したメーカー。
各市町教委は5日以降の提供を中止した。
保健所などが同日以降、原因を調べる方針。
県教委などによると、牛乳は紙パック200mℓ入りで、水戸市内の乳業メーカーが製造。
問題を受け、同社が牛乳を出荷している県内16市町村全ての公立小中学校や県立学校で、5日以降の牛乳提供を中止することを決めた。
違和感を訴えたのは、水戸、那珂、ひたちなか、常陸大宮、城里の5市町の小中学校。
4日の学校給食で出た牛乳を飲んだ児童生徒らから、「味が薄い」、「いつもとにおいや味が違う」などといった訴えが相次いだ。
同日午後、一部の市教委から県教委に報告があった。
県の食の安全対策室などによると、水戸保健所が5日にも同社を立ち入り調査し、製造過程に問題がなかったかなどを調べるほか、違和感を訴えた学校から回収した未開封の牛乳を検査するなどして、原因究明を進める方針。
学校給食の牛乳を巡っては、昨年6月にも同社が製造した牛乳を飲んだ県内8市町の児童生徒約3800人から同じような訴えが相次ぎ、うち約640人が体調不良を訴えた。
調査の結果、県は当時、「衛生的な問題ではなく、通常と原料が異なったことによる風味の違いが原因だった」などと結論付けた。
出典
『茨城県内5市町 給食牛乳、また異臭騒ぎ 昨年と同じメーカー』
https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15386616249556
10月6日5時14分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
水戸保健所は5日、同社工場に立ち入り調査したが、異常は見つからなかったという。
出典
『茨城 給食牛乳で児童ら1014人から異臭訴え』
https://mainichi.jp/articles/20181006/k00/00m/040/113000c
※この問題について再確認したところ、ちょっと前、2018年4月26日付で毎日新聞東京版から、牛乳の異臭に関し、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
なるほドリ ; 学校給食の牛乳で異臭問題があるようだね。
記 者 ; 牛乳を飲んだ子どもたちが「いつもと味が違う」「変な臭いがする」などと訴えた問題ですね。
昨年、東京都新宿区のほか、茨城や福岡でも同様の訴えがありました。
実は、たびたび全国的に起こっています。
Q ; 異臭の原因は分かったの?
A ; 東京都のケースでは、事業者が異物の混入や有害な微生物の有無などを調べましたが、異常は見つけられませんでした。
Q ; 不思議だね。
A ; 知っておきたいのは、牛乳は、生きている牛から搾った生の乳を殺菌したもので、工業製品とは違い、味の変動は常にある、ということです。
乳を出すのは、出産を終えた雌の乳牛です。
同じ牛でも、出産直後と日数がたった時期では乳の量が違うし、夏と冬では乳の脂肪分も異なります。
味が微妙に変わるのだそうです。
Q ; 搾られた乳は、どうやって学校まで届くの。
A ; 事業者が各酪農家から集めた乳は、いったん大きなタンクのあるクーラーステーションに集められ、そのあと、乳業メーカーの工場に送られます。
風味や有害物質の検査は、このステーションでも工場でも行われます。
生乳は地域ごとにあるステーションで混ぜられるため、味は個々の酪農家の段階よりも均一になりますが、それでも一年を通じてみれば、常に一定というわけではなさそうです。
Q ; 味が違うのは仕方がないってこと?
A ; そうはいっても、子どもたちの味覚や気持ちを軽視することは許されません。
工場の衛生管理に問題が生じていることもあり得るからです。
日ごろから酪農家と乳業メーカーと学校の3者が牛乳についてよく学び、酪農業の理解につながるといいですね。
出典
『質問なるほドリ 牛乳の異臭、なぜ起こる? 生乳は常に味変動 季節で脂肪分変化=回答・小島正美』
https://mainichi.jp/articles/20180426/ddm/003/070/109000c
(ブログ者コメント
昨年6月の異臭問題は、本ブログにも掲載している。
(2018年10月13日 修正1 ;追記)
2018年10月12日付で茨城新聞から、検査結果、異常はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
県などは11日、調査の結果、製造工程や牛乳の成分など衛生管理に問題はなかったと発表した。
5日から学校給食への提供を中止していた製造メーカー「I乳業」(水戸市)は、11日から提供を再開した。
県・食の安全対策室などによると、学校や同社から回収した牛乳について成分を詳しく検査したところ、異常は確認されなかった。
水戸保健所の立ち入り調査や牛乳の検査結果を踏まえ、県は「食品衛生上の問題はない」とした。
同室は、原因について衛生的な問題ではないとの見解を示し、「牛乳の風味は季節や飼料の種類などによって変わることもあり、一部の児童生徒が、いつもと違う風味として感じた可能性がある」と説明した。
同社が学校給食に提供しているのは、県内16市町村。
県教委などによると、県や同社が10日、16市町村の各教委などに説明会を開き、再開の了承を得た。
11日は11市町村と県立学校16校で提供を再開。
残りの自治体などへは12日以降、順次再開する。
出典
『「衛生上問題なし」 給食牛乳提供再開 県が調査』
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15392601212968
2018年10月4日付で秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4日午前4時半ごろ、美郷町中野字川原の非鉄金属製造業「Yダイカスト」(本社:横浜市)秋田工場で、マグネシウム鋳造工場内の廃棄マグネシウムを入れたドラム缶から出火、ドラム缶3個と工場の壁約18m2を焼いた。
けが人はいなかった。
警察によると、近隣住民が爆発音を聞き、工場内から火が見えたため、119番した。
秋田工場によると、鋳造工場は24時間稼働で、当時、従業員10人ほどがマグネシウムを金型に流し込む作業を行っていた。
マグネシウムは、水と化学反応を起こすと火の勢いが強くなる恐れがあるため、出動した消防隊は放水せず、燃え尽きるまで見守り、約2時間後に鎮火した。
警察が出火原因を調べている。
出典
『山﨑ダイカスト秋田工場から出火 けが人なし』
https://www.sakigake.jp/news/article/20181004AK0029/
2018年10月5日0時24分に日本経済新聞電子版から下記趣旨の記事が、塩分が付着した状況の写真や塩害が起きる仕組みの図解付きでネット配信されていた。
日本列島を縦断した台風24号は、暴風と大雨だけでなく、巻き上げた海水による「塩害」を各地にもたらした。
海から離れた畑でも、野菜の葉が枯れるなどの被害が発生。
付着した塩を洗い流そうと、ガソリンスタンドには長い車の列ができた。
塩害が原因とみられる停電も広範囲で起き、専門家は「内陸部でも対策を進める必要がある」と指摘している。
「塩がかかって葉が枯れた」、「苗を抜いて植え替えないといけない」。
台風24号の北上に伴い、9月30日夜から1日朝にかけて関東地方に強風が吹いた後、JA千葉中央会(千葉市)には、千葉県内各地のJAから次々と塩害の報告が入ってきた。
「コメの収穫が終わっていたのは不幸中の幸いだが、ハクサイなど、収穫間近の葉物の被害が大きそう」と、同会の広報担当者はため息をつく。
同県の内陸部にある富里市でも、収穫期のダイコンや順調に育っていたニンジンの葉が茶色く枯れてしまい、JA富里市の広報担当者は、「自然を相手にする難しさを痛感した」と声を落とした。
千葉市美浜区のガソリンスタンドでは、1日以降、2台ある洗車機がフル稼働。
付着した塩を落とそうと、順番待ちの車が列を作った。
スタッフの女性は、「こびりついた塩がなかなか落ちないので、高圧噴射や手洗いを希望するお客さんが多い。こんなに忙しいのは初めて」と話していた。
千葉県御宿町では2日午後11時ごろ、JR外房線沿線に住む住民が線路脇の送電設備から火花が出ているのを発見、通報。
JR東日本は、現場一帯への送電をいったん停止した。
火花が出た部分の付着物をふき取ったところ、問題なく復旧できたが、この影響で外房線は約1時間50分間にわたって運休した。
京成線船橋競馬場駅(同県船橋市)では3日夜、構内の送電線から出火し、停電が発生。
4日朝には復旧したが、一部区間が運休して通勤客らに影響が出た。
京成電鉄は、塩害が原因の可能性があるとみている。
塩害が原因とみられる停電は、千葉、茨城、東京、神奈川、静岡などの沿岸部を中心に、広い範囲で発生。
電線や電柱で火花を目撃した例も相次いだ。
塩害に詳しい電力中央研究所(東京)の本間宏也・上席研究員は、「塩害は広範囲に及びやすく、復旧にも手間がかかる。停電だけでなく、電線が燃え上がる恐れもある」と説明。
「沿岸部に限らず、電柱・電線の絶縁強化などの対策を進めていくべきだ」としている。
【「風台風」で起きやすく】
台風による塩害は、強い風に巻き上げられた海水が陸上に吹き付けられ、含まれる塩分が構造物や植物などに付着することで起こる。
通常は台風の雨で洗い流されるが、暴風を伴う「風台風」で雨が降りやんだ後も強風が続いたり、台風の通過後に晴天が続いたりすると、塩分が乾いて残り、被害が生じる。
水を含んだ塩は電気を通しやすいため、電線と電柱をつなぐ絶縁部分などに付着すると、通常と異なる電気の流れが生じて停電の原因になる。
エアコンの室外機や車などに塩が付くと、サビが生じやすくなる。
過去にも、収穫前の野菜や果実に被害が出たり、畑の土壌が悪化して影響が長期に及んだりしたケースがあった。
出典
『台風去って「塩害」残す 野菜枯れ、電線で火花』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36156850V01C18A0CC1000/?n_cid=NMAIL007
10月5日14時0分に産経新聞からは、塩害で停電にまで至るケースは珍しいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京成電鉄は5日、複数の送電線から出火して停電が発生し、午前9時半ごろから全線で運転を見合わせたと発表した。
台風24号の影響で送電線に吹き付けられた海水が乾燥し、電線がショートする塩害が起きたとみて調べている。
電線から火花や異常音が出る現象は、千葉のほか、茨城や東京、神奈川、静岡の各都県でも確認されたが、停電にまで至るのは珍しいという。
出典
『京成線、全線運転見合わせ 塩害か、複数の電線出火』
http://www.sankei.com/affairs/news/181005/afr1810050011-n1.html
10月6日0時33分に毎日新聞からは、塩害で電線がショートする理由について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力によると、塩害は塩水が電気を通しやすいために起こる現象。
横浜国立大の西村誠介名誉教授(電子工学)は、台風の強風により海水の塩分が空気中に飛ばされ、電線を電柱に固定して支えるための絶縁体「碍子」に付着したことが原因となった可能性を指摘する。
付着後、雨や湿気で碍子がぬれて塩水となり、通電してショートしやすくなるという。
出典
『台風塩害 JRなども 海水で電線絶縁体ショート』
https://mainichi.jp/articles/20181006/k00/00m/040/130000c
10月3日18時40分にNHK千葉からは、関東地方の沿岸部では塩分が付着しにくい碍子を設置しているのだが・・・など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関東地方の沿岸部では、2日夜から3日未明にかけて、電柱などから火花のようなものが出ているという通報が消防や警察に相次ぎ、鉄道が一時、運転を見合わせた。
台風24号のあと、電気設備に塩分が付着して起きる「塩害」によるものとみられ、千葉県御宿町では「塩害」が原因とみられる停電が発生した。
東京電力によると、強い風で巻き上げられた海水の塩分が電柱に取り付けてある変圧器や「がいし」と呼ばれる絶縁用の部品に付着し、塩分は電気を流れやすくするため、通常は起きない複数の電気の流れが発生してショートし、停電につながったとみられるという。
東京電力は、関東地方の沿岸部では、塩分などが付着しにくい複雑な形状にした「がいし」を設置しているが、今回の台風24号による強風で大量の塩分が付着した可能性もあるとして、原因を詳しく調べることにしている。
東京電力では、電柱の変圧器や「がいし」の周辺で、火花のようなものを見たり、ジリジリという音を聞いたりして不安を感じたら、相談窓口に連絡してほしいとしている。
出典
『「塩害」停電 大量塩分が付着か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181003/1080003976.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
2018年10月4日17時3分に静岡新聞からは、静岡県内でも塩害で農作物の被害が出ているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風24号の影響で、静岡県内沿岸部の畑や市民農園で農作物の塩害が確認されている。
停電の影響で水をまいて塩分を洗い流せないケースもあり、今後、さらに被害が拡大する恐れがある。
出荷量の減少も懸念され、県が被害状況を調べている。
県によると、広範囲で強い潮風が吹き、塩分が農作物に降り注いだ。
塩分が付着すると葉がしおれ、黒く変色する。
洗い流せば被害は抑えられるが、停電で散水設備が使えない農家もあるという。
出典
『<台風24号>塩害、静岡県内農作物に打撃 停電で洗い流せず』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/549283.html
10月4日22時0分に南日本新聞からは、鹿児島県でも塩害で茶畑に被害が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
南薩沿岸部では、台風24号通過後、北西部からの吹き返しの暴風で潮風害が発生。
南九州市茶業課によると、市南部と中部を中心に葉が茶色になるなど被害が出た。
茶畑全体の約2割に当たるという。
3日、同市知覧町塩屋であった講習会には、関係者約100人が参加。
台風通過後にスプリンクラーで散水した茶畑は塩分濃度が低く、葉の変色を回避できたことから、散水の重要性も再確認した。
出典
『茶畑の葉ずれ、塩害防げ 講習会で注意喚起 南九州市』
https://373news.com/_news/?storyid=96822
10月6日19時41分にNHK広島からは、塩害を受けた車は早めに洗車したほうがよいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風の風に海水が巻き上げられて、含まれた塩分が農作物や車などに付着して被害をもたらす「塩害」が起きるおそれがあり、台風が去った後、早めの対策をとることが必要だ。
このうち自動車では、塩分がついたままにしておくと、ボディーの塗装が剥がれたり、ブレーキのディスクなどが錆びて効きが悪くなったりするほか、電気の配線がショートしてしまう恐れがある。
山口市にある自動車整備工場の整備士、長富さんによると、こうしたトラブルを防ぐためには、台風が去ったあと、なるべく早く車を水で洗い流すことが大切だという。
具体的には、ホースの先を細めるなどして水の勢いを強め、ドアやボディの隙間までしっかりと洗い流したうえ、タイヤのホイールの隙間にホースを差し込んで、ブレーキなどの部品に付着した塩分を丁寧に取り除く必要がある。
さらに、電気系統の部品や燃料タンクなどが集まっている車体の下の部分にも水をかけるほか、洗い終わった後は丁寧に拭き取ることが大切だ。
整備士の長富さんは、「ブレーキの部品が錆びると、事故につながるリスクがある。水とホースがあれば簡単に防ぐことができるので、台風が去った後には、出来るだけ早く対策してほしい」と話している。
出典
『台風去っても「塩害」対策を』
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20181006/0002553.html
(ブログ者コメント)
台風24号通過後、市原市にあるブログ者の住まいでは、ベランダや車がベトベトになっていた。
急ぎ、ベランダは拭き掃除。
車は、普段は自分で洗っているが、今回ばかりは洗車機にかけた。
過去の台風時、ベトベトになった記憶はない。
複数の鉄道路線が塩害で運休になった点などから考えると、今回の台風は特別だったようだ。
とはいえ、我が家は、東京湾から直線距離で4~5km離れている。
それなのに海水が飛んできた。
一体、どの程度まで飛ぶのだろうか?
気になって調べたところ、三菱電機が旧建設省の資料を参考にして作成した塩害地域の目安図が見つかった。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/oshirase/2018/nwcamera/pdf/nwcamera_01.pdf
それによると、関東は2kmが目安。ただ、前提は不明だ。
我が家のベトベト事例などから推察すると、上記は台風以外の一般的な気象条件での目安ということなのかもしれない。
(2018年10月13日 修正1 ;追記)
塩害被害については、その後も被害の範囲や規模などについての報道が続いているが、そのうち、かなり内陸部にも被害が及んでいたという情報があったので紹介する。
記事中の上総大久保駅は太平洋から、上総久保駅は東京湾から、それぞれ直線距離で15kmほど離れている場所だ。
(10月10日21時29分 毎日新聞)
小湊鉄道の上総大久保駅や上総久保駅の周辺にあるイチョウは写真撮影のスポットとして人気だが、台風の通過後は、海側の葉が散ったり、枯れたように変色したりしているという。
渓谷沿いのモミジも、例年なら緑色の葉を付けるころだが、一部は木に付いたまま茶色に変わった。
出典
『台風被害 落葉、変色、枯死… 塩害で秋の行楽に暗雲』
https://mainichi.jp/articles/20181011/k00/00m/040/124000c
2018年10月4日4時41分に北海道新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
胆振東部地震による大規模停電(ブラックアウト)で、自動火災報知設備の予備バッテリーの電圧低下などを知らせる警報音が鳴り、火災発生と誤認した119番などの緊急通報が、札幌市で1000件近くに上るなど、各地で多発していたことが分かった。
台風21号の影響で停電した関西圏でも同様の通報が相次いだといい、総務省消防庁は、注意喚起を徹底するよう求める初の通知を、全都道府県と政令市に2日付で出した。
札幌市消防局によると、地震発生の9月6日から、市内の停電が解消した8日までの3日間、警報音を火災発生と誤認した通報が約970件あった。
すべてが、自動火災報知設備の設置が義務付けられているマンションなどの集合住宅からだった。
消防は、すべてで警戒出動し、うち770件が報知設備の予備バッテリーの電圧低下や電源切れなど、バッテリーに起因したものだと確認された。
停電復旧後に警報音が鳴ったケースもあった。
残る約200件の警報音の原因は特定できなかった。
札幌市内では、地震発生の6日には火災出動が6件、救急出動が597件あり、消防の業務量が急増していた。
各地の消防本部によると、同じ期間に同様の通報や出動が、旭川市内では共同住宅やグループホームなどから10件、函館市では18件、釧路市では6件、帯広市では22件あった。
出典
『地震停電で報知機発報、火災誤認の通報970件 札幌』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/234574/
(ブログ者コメント)
台風20号時に兵庫県で誤発報が相次いだ事例は、本ブログでも紹介スミ。
2018年8月29日掲載
『2018年8月24日 兵庫県の神戸市など5市で台風20号襲来時、火災報知器誤作動が206件、消防は災害対応への影響を危惧、屋外に設置する場合は防水機能ある機種が望ましい』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8734/
その時の誤発報は、装置内部に水が入ったことが原因だったということで、その点、今回とは異なる。
ちなみに台風21号時に関西で誤発報が相次いだという事例は、ブログ者は知らない。
ひょっとすると、台風20号の誤植かも。
2018年10月3日14時25分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
強風で錨が海底から外れて船が流される「走錨」について、海上保安庁が人工知能(AI)を使って迅速に把握するシステムの開発を進めていることがわかった。
9月の台風21号でも、走錨したタンカーが関西空港の連絡橋に衝突する事故が起きており、同庁はAIの活用で事故の未然防止を図る。
台風などの際、船舶は流されないよう錨を下ろして停泊(錨泊)するが、錨が海底から離れると走錨が起きる。
船自体がすぐに気づかないこともある。
同庁によると、走錨に伴う500トン以上の船舶の事故は、昨年までの10年間で計66件発生。
今月1日にも、台風24号の影響で走錨した貨物船が川崎市内で護岸に衝突している。
同庁は現在、全国7か所にある「海上交通センター」から、東京湾や大阪湾などで錨泊する船舶を、全地球測位システム(GPS)を用いた装置で監視。
あらかじめ設定した範囲から船が出ると警報が鳴る仕組みだが、範囲内で走錨した場合は把握できないなどの課題があった。
(ここまで424文字 / 残り131文字)
出典
『錨外れ船舶漂流、AIで察知…衝突防止へ海保』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181003-OYT1T50035.html
(ブログ者コメント)
関西空港と川崎市の走錨事例は、ともに本ブログに掲載している。
2018年10月5日0時43分に埼玉新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3日午後10時半ごろ、埼玉県深谷市上野台、アルミニウム製造会社「U製造所」工場内で、清掃作業をしていた同市の会社員・菅野さん(男性、42歳)が転落、病院に搬送されたが、4日、死亡が確認された。
警察によると、菅野さんは縦6.4m、横9.7m、深さ2.47mの圧延機の清掃を一人でしており、何らかの原因で転落した。
周辺には、製造業務と清掃をしていた従業員約30人がいた。
菅野さんが見えなくなり、探したところ、圧延機の底にうつぶせで倒れているのが見つかった。
昨年8月から稼働を停止していた圧延機を動かすことになり、菅野さんはアルミのくずを取り除いていたという。
警察で詳しい事故原因を調べている。
出典
『男性死亡…工場で清掃中に転落 近くで30人が清掃、男性いなくなり探すと倒れた姿で発見/深谷』
https://this.kiji.is/420607516751070305?c=39546741839462401
(2020年8月12日 修正1 ;追記)
2020年8月12日付で労働新聞から、内部に残っていたガスによる中毒死だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
埼玉・熊谷労働基準監督署は、酸素濃度の測定を行わなかったうえ、換気を怠ったとして、非鉄金属圧延業の㈱UACJ(東京都千代田区)と同社統括主任を、労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき装置等)違反などの疑いでさいたま地検に書類送検した。
労働者1人が焼鈍炉内部に入れられていたガスにより、中毒死している。
労働災害は平成30年10月3日、埼玉県深谷市にある同社の深谷製造所で発生した。
(以下は有料)
https://www.rodo.co.jp/column/93309/
2018年10月3日1時17分に北海道新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午後3時45分ごろ、函館市港町の津軽海峡フェリーターミナルに停泊している高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」の船底清掃作業をしていた小樽市の潜水士・薬師さん(男性、38歳)が作業終了時刻が過ぎたのに海中から浮上してこないと、作業の関係者が119番した。
薬師さんは間もなく、船尾付近の海中から意識不明の重体で救助されたが、死亡が確認された。
函館海保によると、薬師さんは2日朝からボンベを装着して、同僚の潜水士と船底の貝殻などの除去作業を行っていた。
作業が終了しても薬師さんが戻ってこないため、同僚らが捜索していた。
同船は2016年に防衛省が船を所有する会社から借り上げて、自衛隊の訓練の輸送などに使っている。
出典
『作業中に潜水士死亡 函館』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/234237/
10月6日1時0分に北海道新聞電子版からは、船体の一部に体が挟まれていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死因について函館海保は、5日までに司法解剖の結果、外傷性ショック死と特定した。
同海保は、薬師さんが潜水中に何らかの原因で外傷を負ったとみて、業務上過失致死の疑いで捜査を始めた。
同海保によると、薬師さんは船底の清掃をしていた高速船「ナッチャンWorld(ワールド)」の船体の一部に体が挟まった状態で見つかった、という同僚潜水士の証言があり、関連を調べている。
出典
『船底清掃中の潜水士 外傷性ショック死因』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/235477/
10月5日19時20分にUHBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
函館海保では、当初、水死の可能性などで薬師さんの死因を調べていたが、司法解剖の結果、体に複数の傷があり、外傷性ショックだったことがわかった。
出典
『函館港でフェリー船底清掃中 潜水士の男性 外傷性ショックで死亡 業務上過失致死で捜査 北海道』
https://www.youtube.com/watch?v=6hPkZie-GZs
(2019年11月12日 修正1 ;追記)
2019年11月11日17時5分にNHK北海道からは、係留ロープ巻き取り機を作動させたところ連動して船の揺れを抑える板が動き挟まれたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
去年10月、函館港のフェリーターミナルに停泊していた高速船で船底の清掃をしていた潜水士の薬師さん(当時38)が、「トリムタブ」と呼ばれる走行中の船の揺れを抑える金属製の板に挟まれ死亡しました。
函館海上保安部が調べた結果、1等航海士が係留ロープが緩んでいたため、ロープを巻き取る装置を作動させたところ、船底の「トリムタブ」が連動して動き、体を挟まれたことがわかりました。
このため函館海上保安部は、関係する装置の電源を切るなど事故を防ぐ対策が不十分だったとして、▼田邉船長(男性、59歳)と▼永井1等航海士(男性、34歳)ら3人を、11日、業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
函館海上保安部は認否を明らかにしていませんが、3人のうち1等航海士は「係留ロープを巻き取る作業が船底の清掃に影響するとは思わなかった」と供述しているということです。
また、書類送検された船長らが所属する高速船の運航会社は、「今回の事故を真摯に受け止めて再発防止に取り組んでいきます」とコメントしています。
【専門家「船ごとに危険想定必要」】
事故があった船は、胴体が2つ並ぶ「双胴船」と呼ばれる構造が特徴で、オーストラリアの造船会社が建造しました。
スクリューの代わりに、吸い込んだ海水を噴き出す筒状のウォータージェットを搭載していて、付近で作業していた潜水士は、ウォータージェットのすぐ下に取り付けられた「トリムタブ」との間に体を挟まれました。
船の構造に詳しい長崎総合科学大学工学部の古野弘志准教授は、「最近は新しい技術が導入され、外国で建造された船も多く、仕様が多様化している。船それぞれに違った形の事故の危険が潜んでいる」と指摘しています。
その上で、「マニュアルなどを読み込み操縦や整備のしかたを熟知し、船ごとに事故の危険を想定して対策をとっていくことが求められる」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191111/7000015217.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の3コマ。
(2020年2月28日 修正2 ;追記)
2020年2月27日11時30分に北海道新聞から、船の揺れを抑える装置のスイッチを適切に切り替えなかったことが原因とする報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省運輸安全委員会函館事務所は27日、同船の乗組員が船の揺れを抑える装置を誤って作動させたことが事故原因とする調査報告書を公表した。
報告書によると、同船の1等航海士らが船を岸壁に係留するロープの緩みを直そうと油圧ポンプを動かした結果、船尾下にある同装置が上方向に作動。
潜水士は船の推進器と装置の間に挟まれ、外傷性ショックで死亡した。
装置のスイッチを適切に切り替えていれば作動しなかったが、乗組員はその認識がなく、切り替えをしなかった。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/397089/
(ブログ者コメント)
以下は、事故報告書主要部分の抜粋。
・・・・・
4.原因
本事故は、本船が、函館港第4区のB社専用桟橋に右舷着けで係留中、トリムタブ装置の翼が自重で下降した状態で、右舷船尾船底部で潜水士Aにより本件作業が行われていた状況下、航海士A及び甲板部の乗組員が、船尾部の係船索の緩みを取る作業を行うに当たり、本件制御装置のスナップスイッチがノーマルの位置でNo.2後部 電動油圧ポンプを始動すると、トリムタブ装置の翼が上昇することが周知されていなかったため、同装置の翼が上昇することを知らずに同電動油圧ポンプを始動し、潜水士Aが上昇した同装置の翼と右舷側のウォータージェット推進器との間に挟まれたことにより発生したものと考えられる。
・・・・・
5 再発防止策
・・・・・
係船索の緩みを取る作業は、本件作業を行っている潜水士を陸上に退避させた上で安全を確認して行うことにより、本事故の発生を防止できたものと推定される。
したがって、同種事故の再発防止を図るため、次の措置を講じる必要がある。
(1) 船長は、本件制御装置のスナップスイッチの取扱いについて、ノーマルの位置としたとき、トリムタブ装置の作動用油圧シリンダに油圧が働いた際に同装置の翼が上昇することを記載した手順書を作成すること。
(2) 船長は、本件制御装置のスナップスイッチが、ノーマル及びバックアップの位置にある時のそれぞれの位置でのトリムタブ装置の制御状態及び同装置の作動用油圧シリンダに油圧が働かないようにする手順について、取り扱う場所に掲示した上、航海士A及び甲板部の乗組員に周知徹底すること。
(3) 係船索の調整作業に当たる者は、事前に通信手段を確認した上で、潜水作業者に連絡するなどして船底等に潜水士がいないことを確認してから係船索の調整作業を行うこと。
5.1 A社によって講じられた措置
A社は、本事故後、事故防止委員会を立ち上げて検討し、再発防止として、次の措置を講じ、安全統括管理者等が訪船指導した。
(1) 潜水作業を行っている時は、油圧を使用する作業及び関連する作業を実施しない。
また、本船で関連する作業を実施する際には潜水作業に従事する作業者に連絡し、潜水士を陸上に退避させる。
(2) 係船状態に入る際は、本件制御装置のスナップスイッチをノーマルからバッ クアップの位置に切り替える。
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2020/MA2020-2-4_2018hd0057.pdf
2018年10月2日17時5分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前6時ごろ、神奈川県横須賀市森崎の会社の倉庫内で「人が荷物に挟まれて意識がない」とアルバイトの男性から119番通報があった。
駆けつけた救急隊員らが荷物の下敷きになっていた会社員、嶋倉さん(男性、49歳)を発見。
嶋倉さんは搬送先の病院で死亡が確認された。
警察によると、嶋倉さんは事故の約1時間前から、1人で洋服のカタログなどを積んだ4トントラックから、倉庫に荷物を下ろしていたという。
約500kg分のカタログの下敷きになっていたといい、事故当時、倉庫内にほかに人はいなかった。
警察は、作業中に荷崩れが起こったとみて、事故原因を調べている。
出典
『トラックの荷物が崩れて下敷きに 横浜の49歳男性が死亡』
http://www.sankei.com/affairs/news/181002/afr1810020015-n1.html
10月2日21時2分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2日午前5時55分ごろ、横須賀市森崎1丁目の宅配会社の集配センターで、横浜市戸塚区、運送会社社員の男性(49)が商品を乗せた台車の下敷きになっているのを、出勤した同センターのアルバイト従業員(24)が発見、119番通報した。
男性は全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。
警察によると、男性は発見される1時間ほど前から、1人で商品のファッションカタログを積み降ろししていた。
台車はカタログを含め、約600kgだった。
出典
『荷下ろし中に台車の下敷き 横須賀で作業事故、男性死亡』
http://www.kanaloco.jp/article/363603
2018年10月3日8時42分に沖縄タイムスから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後7時50分ごろ、うるま市石川のJAおきなわ石川支店の敷地内の電柱で、「男性が感電した」などと119番通報があった。
警察などによると、台風24号の影響による停電の復旧作業をしていた沖縄電力の男性職員(26)が感電し、心肺停止状態で本島中部の病院に搬送された。
2日午後4時現在、意識不明の重体となっている。
警察が事故原因を調べている。
沖縄電力によると、事故当時、男性は絶縁体として用いられる電磁器「碍子」と電線を固定するバインド線が外れていたため、交換作業をしていたところ、何らかの原因で感電した。
沖縄電力は、「被害に遭った社員の一刻も早い回復を願うとともに、このような事故が今後起こらないよう、あらためて安全管理を再徹底する」とコメントしている。
出典
『台風停電の復旧作業中に感電 沖電職員が重体』
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/324444
10月2日20時36分にNHK沖縄からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、男性社員は電線をつなぐ「がいし」と呼ばれる絶縁体がずれて、電線がたるんでいたため、元に戻す作業をしていたところ、何らかの理由で電線に接触して感電したと見られるという。
出典
『停電復旧作業中に感電で重体』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20181002/5090004524.html
2018年10月1日22時43分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後3時35分ごろ、横浜市中区尾上町の9階建てビルから「看板が男性の上に落ちた」と、通行人の女性から110番通報があった。
駆けつけた警察官が、頭から血を流して倒れている男性会社員(65)を発見。
男性は搬送先の病院で死亡が確認された。
警察によると、落ちたのはビルの装飾用のパネル4枚。
パネルは9階建てビルの屋上に取り付けられていたもので、何らかの原因でビルから外れ、4階のガラスに接触した後、下を歩いていた男性に直撃したという。
他にけが人は確認されていない。
目撃者によると、男性はスーツ姿だったといい、当時は比較的強い風が吹いていたという。
現場近くの薬局の女性従業員(39)は、「突然『ガッシャーン!』と、ものすごい音がしたので外に出ると、男性が倒れていた。頭付近に血だまりができていて、ただごとではないと思った」と声を震わせた。
出典
『強風でビル看板落下、直撃の男性死亡 横浜』
http://www.sankei.com/affairs/news/181001/afr1810010044-n1.html
10月2日2時0分に神奈川新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、落下したのは金属製で厚さ2mmほどのパネル3枚(縦約1~1.5m、横約1.5~3m)と、それを支えるフレーム。
パネルは4枚で半円形を形成していたが、うち3枚が落下した。
4階の窓ガラスも割れていたという。
出典
『ビル屋上からパネル落下、歩行者死亡 横浜』
https://www.kanaloco.jp/article/363439/
10月2日11時47分にNHK神奈川からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ビルを所有する会社の担当者によると、パネルはビルが建てられた30年前から取り付けられていたという。
警察は、パネルが老朽化していた可能性もあるとみて、固定の仕方や落下の原因を調べている。
警察によると、台風24号による強風の影響があったかどうかは、これまでのところ分からないという。
出典
『男性死亡 落下パネルにさび』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20181002/1050004160.html
10月3日9時0分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
パネルは取り付け具にネジやビスで留められ、この周辺など端の部分が錆びて腐食していた。
横浜地方気象台によると、横浜市では台風24号の影響で、1日午前0時31分には最大瞬間風速38.5mを記録し、午後3時30分~40分でも同15.6mだった。
出典
『ビル屋上からパネル落下、通行人死亡…さび原因』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181002-OYT1T50201.html
10月4日2時0分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、約32mの高さから落下したパネル(縦約1.5m、横約3m、重さ約80kg)が、男性の頭部に直撃したとみられる。
パネルには錆びがみられ、警察は業務上過失致死の疑いもあるとみて、ビルの管理会社などから事情を聴いている。
出典
『パネル落下、死因は出血性ショック 横浜・中区の歩行者死亡』
https://www.kanaloco.jp/article/363862/
2021年5月12日14時53分にNHK首都圏からは、ビル所有者は建築基準法で義務付けられている設備調査をしていなかったが、強風が落下原因だった可能性もあるため、刑事責任は問えなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3年前の10月、横浜市にある9階建てのビルの屋上から落下した金属製の装飾用パネルが、およそ30メートル下を歩いていた65歳の男性会社員を直撃し、男性は死亡しました。
捜査関係者によりますと、警察が業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査を進めた結果、パネルを鉄骨に固定する部材の腐食が原因となった疑いがあることがわかったということです。
一方、「直前に突風が吹いた」という証言もあるなど、台風の影響による強風で落下した可能性も否定できないということです。
このため警察は、ビルの所有者があらかじめ対策を取っておくことは困難だったとして刑事責任は問えないと判断したということで、12日、捜査結果をまとめた書類を検察庁に送りました。
横浜市によりますと、パネルが落下したビルは、事故の2年前の平成28年6月から年末の間に所有者が専門家に委託して建物や内部の設備、外装などに不備がないか調査し、結果を市に報告することが建築基準法で義務づけられていました。
しかし、所有者は調査も報告もしていなかったということです。
調査項目にはパネルの設置状況も含まれていましたが、横浜市も調査結果の報告がないことを事故が起きるまで把握しておらず、所有者への確認などはしていませんでした。
事故のあとになって調査が行われ、報告書が提出されたということです。
横浜市の担当者は、「亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りします。法律に基づく調査が適切に行われるよう所有者への周知を徹底し、こうした事故が2度と起きないように市としても取り組んでいきます」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210512/1000064263.html
5月13日13時33分にYAHOOニュース(テレビ神奈川)からは、死亡した男性側とビル所有者の間で和解が成立していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
死亡した男性側とビルの所有者の間では和解が成立していて、県警は検視調書など捜査を記録した書類を横浜地検に送ったということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1230ceaed0e32766a1d8669829e32f6d948b36c9
2018年10月1日19時19分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風24号の接近に伴い、JR東日本は30日夜、首都圏の在来線の全線と一部の新幹線、合わせて1200本余りの運転を計画的に取りやめた。
帰宅時間を早めるなどした46万人余りに影響が出たという。
JR東日本は30日午後8時から、首都圏の在来線の全線1218本と東北・山形・上越・北陸各新幹線の一部21本の、合わせて1239本の運転を計画的に取りやめた。
帰宅時間を早めるなどの影響が出たのは、在来線でおよそ45万4000人、新幹線でおよ8700人の、合わせておよそ46万2700人に上った。
さらに1日の始発の時間以降も、JR四ツ谷駅の線路内で木が倒れているのが見つかり、中央線の快速電車が運転できなくなったのをはじめ、線路の点検のため首都圏の在来線の全線で一時運転を見合わせて運転本数を減らすなどしたことから、朝の通勤や通学の乗客で駅や列車が大混雑した。
【計画運休 経緯と課題】
JR東日本が台風24号の接近に伴う「計画運休」を発表したのは、30日正午すぎだった。
山手線をはじめ中央線や東海道線など、首都圏の在来線のすべての路線について、午後8時以降の運転を順次取りやめるとして、早めの帰宅を呼びかけた。
台風の影響で首都圏のすべての在来線の運転を計画的に取りやめるのは、確認できるかぎりで今回が初めてだという。
JR東日本は、「台風の規模が大きいことや首都圏の全域に影響するおそれがあること、影響する時間帯が夜間になることから、乗客の安全を考えた」と話している。
一方で1日の運転については、30日夜の時点で「始発から通常どおり運転する予定」としていたが、午前4時になって首都圏のすべての在来線で始発から運転を見合わせると発表した。
JR東日本は、「台風が去ったあとの点検で被害が判明し、未明に運転を見合わせることを判断した。昨夜の段階での判断は難しかった」と話している。
【専門家 一定の評価 課題指摘も】
鉄道システムが専門で工学院大学の高木亮教授は、「今回、初めて首都圏で一斉に運転を取りやめた点について、安全面から評価できると考えているが、今回の『計画運休』の内容であれば、前日に公表するべきだった」と指摘している。
また、「大規模な計画運休をしていることや、台風の勢力などから線路などの設備の安全確認に時間がかかることは、事前にわかることなので、始発からの運転見合わせも予想できたことだ。情報を出すのが遅く、利用客などの混乱を大きくしたのではないか」としている。
鉄道の安全に詳しい関西大学の安部誠治教授は、「台風で突然電車が止まり社会的混乱を生んでしまうより、事前にあらかじめ運休を知らせることで多くの企業や利用者がその予定にあわせた対応をとることができるため、有効な方策だったと評価している。関東圏では今回が初めてだったため、多少の混乱はあったと思うが、利用者もスマートフォンなどで積極的に情報をとるようにしていけば、今後、不満や批判も解消して社会に定着していくと思う」と話している。
・・・・・
出典
『JR 初の「計画運休」始発から運転見合わせで混乱 課題も』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181001/k10011653621000.html
10月1日11時30分に毎日新聞からは、各駅の混雑状況に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風24号が通過した1日朝、首都圏の鉄道ダイヤは大きく混乱した。
ほぼ通常通りの運行を予定していたJR東日本は、設備点検などのため始発から運行することはできず、一部の駅で入場制限を掛けるなど、週明けの通勤客に大きな影響を与えた。
JR新宿駅は、構内が身動きが取れないほどごった返していた。
大混雑するホームは入場が規制され、押し出された女性客らの悲鳴が上がった。
川崎市の会社員男性(24)は、「構内や車内はかなり混み合っていて、押し合いになって目の前で乗客数10人がドミノ倒しのように倒れた」と話した。
「まさかこんな状況になるとは予想していなかった」。
出勤途中の東京都北区の会社員男性(28)は、駅前の路上に座り込んでいた。
「ラジオで山手線は動いていると聞いたけど、人が多すぎてホームまでたどり着けない」と途方に暮れた。
東京都三鷹市のJR三鷹駅は、午前7時半ごろから入場規制が始まった。
大学1年の女性(18)は、「三鷹駅なら電車に乗れるかと思って最寄り駅からバスに乗って来たが、ここまで混雑しているとは。もう1限目には間に合わないので、落ち着くまで待ちます」とあきらめた様子だった。
東海道新幹線も安全確認が長引き、東京駅午前6時発ののぞみの始発が約1時間遅れで出発した。
新幹線の乗り換え口は、時刻表を見上げ途方に暮れる人や、駅員に到着時間を尋ねる人でごった返した。
・・・・・
大宮駅では、さいたま市北区の会社員男性(35)が、「朝から通常通り運行すると思っていた。始発から動くのか、運休なのか、情報が錯綜して困った」と話していた。
出典
『台風24号 「遅刻に」「電車乗れない」週明け首都圏混乱』
https://mainichi.jp/articles/20181001/k00/00e/040/195000c
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
2018年10月2日付で東洋経済からは、他の鉄道会社でも計画運休したところがあったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・・・
計画運休は、ほかの鉄道会社も実施した。
15時30分の段階で21時以降の運休を発表したのは、東京メトロ東西線の東陽町~西船橋間。
同区間は、ほとんどが地上の高架線で長い鉄橋もあり、風の影響を受けやすい。
同社は、「風速25m/秒以上で運転を見合わせる基準になっているが、予報でこれに近い風速の予想が出ていたため、運休を決めた」(広報部)と説明。
事前に予告しての運休は、「少なくとも、ここ数年はなかった」という。
西武鉄道も比較的早く、16時の時点で20時以降の本数削減と22時以降の運転見合わせを発表した。
同社が計画運休を行ったのは、今回が初。
「災害を引き起こす可能性がある強い台風であることがわかっていたので、安全のためには早めに運休を決めて周知し、利用者には早い時間に帰宅してもらうほうがいい」(広報部)と判断したといい、決定の背景には、JR線の計画運休実施もあったという。
・・・・・
一方、運転を継続したのが東武鉄道、京急電鉄、京成電鉄だ。
特急など一部列車の運休はあったものの、この3社は、基本的に終電まで運行を継続した。
21時以降に運休の可能性があることを告知した上で運行を続けた京急は、「雨や風の数値を見て、規定に入っているかで運行の継続を判断している」といい、予測も含めて基準値には至らなかったため、運休しなかったという。
東武と京成は、安全上問題ない限りは運行を継続するという考えだ。
だが、運行を継続したある鉄道の関係者は、「各社の状況を見つつ、(計画運休の)検討する必要もあるかもしれないとは思う」と話す。
・・・・・
出典
『「計画運休」、鉄道各社の判断なぜ分かれた? 大きな混乱はなかったが…翌日の対応に
課題』
https://toyokeizai.net/articles/-/240583
9月30日22時49分に産経新聞からは、計画運休に対する解説的記事が下記趣旨でネット配信されていた。
非常に強い台風が再び列島に襲来し、首都圏のJR在来線や東海道新幹線は「計画運休」に踏み切った。
企業活動などに大きな影響を及ぼす一方で、運行途中の電車が駅間で止まるなどの混乱を防ぎ、乗客の安全を確保する意味合いがある。
異常災害が頻発する中、こうした事前の運休告知が定着しそうだ。
【臨機応変に】
計画運休は、自治体や企業があらかじめ防災対応を決めておく「タイムライン」(事前防災行動計画)の一環といえる。
平成26年8月の広島市の土砂災害で避難勧告の遅れが指摘されて以降、計画策定が各地で広がりつつある。
台風に備え、公共交通機関で初めて計画運休を本格導入したのは、JR西日本。
同年10月、台風19号の接近に備え、京阪神地区全24路線の運休に踏み切った。
今年に入りJR西は、7月の西日本豪雨や8月の台風20号、9月の台風21号でも、計画運休を実施した。
台風21号のケースでは、関西に拠点を置く主要企業が相次いで臨時休業を決定し、外食チェーンや百貨店でも多くが営業を見合わせた。
こうした企業活動への影響に対し、JR西の来島(きじま)社長は、「有事の際には広く社会の安全を守ることが大事だ。仕事を休みにするなど、臨機応変な対応が社会に定着することが望ましい」と訴える。
【再開スムーズ】
気象庁の梶原予報課長は、9月29日の臨時記者会見で、「24号は、今年、日本を襲ったどの台風よりも力が強く、大きな影響を与える可能性がある」と警告。
今回の対応も、安全に配慮した結果といえそうだ。
では計画運休を実施しない場合、どのような事態が想定されるのか。
首都圏のJR在来線の場合、複数の路線に乗り入れ、走行区間が長い列車も多い。
風雨が規制値を超えると駅間で列車が立ち往生し、乗客が長時間にわたって閉じ込められる可能性がある。
JR関係者は、「一部区間の運行が、逆に大混乱を招くという事態を考えなくてはならない」と強調。
計画運休では、乗務員や車両のやりくりの見通しが立ちやすく、運行再開もスムーズに行えるメリットもある。
【変わる常識】
ただ、鉄道事業者が難しい判断を迫られるケースも考えられる。
通勤・通学客の帰宅時間と重なる平日の夜に全面運休となれば、大勢の「帰宅困難者」が発生する恐れがある。
23年3月の東日本大震災では、JR東日本が「構内の安全が確認できない」として東京都内の主要駅のシャッターを閉じ、乗客は駅から追い出されて行き場を失った。
今回の計画運休は休日に当たったが、鉄道事業者側が運休を決断するタイミングや、利用者に対する情報周知の面でも課題が残りそうだ。
「空振り三振はよくても、見逃し三振はいけない」というのが、防災対策の鉄則とされる。
混乱のリスクと社会への影響がせめぎ合う中、「公共交通機関は全面運休しない」という常識は変わりつつある。
出典
『鉄道ストップ「計画運休」 空振り恐れず混乱回避』
https://www.sankei.com/affairs/news/180930/afr1809300015-n1.html
(ブログ者コメント)
某テレビ局の報道番組では、『30日夜の時点で「明朝は始発から通常どおり運転する予定」としていたため、普段通りに乗客が駅に出かけた』と解説?コメント?していた。
今回の反省から、今後の計画運休時は、「明朝は台風通過後の点検などで始発からダイヤが乱れる可能性があります」などと告知するようになるかもしれない。
2018年10月1日13時5分に産経新聞から、現場の写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風24号による強風の影響で、千葉県市原市国分寺台中央の同市役所では、第2庁舎の1階吹き抜け部分の窓ガラス12枚が割れた。
市シティプロモーション推進課によると、1日午前2時15分ごろ、台風への警戒のため宿直していた職員が被害に気づいたという。
第2庁舎1階は市民税課や納税課などの窓口があり、1日は午前8時半から、一部を立ち入り禁止にした上で窓口を開けているという。
出典
『千葉県市原市役所の1階吹き抜け部分の窓ガラス12枚割れる』
http://www.sankei.com/affairs/news/181001/afr1810010023-n1.html
10月1日10時56分にNHK首都圏からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1階部分に設置されているガラス、12枚が次々に割れた。
ガラスは1枚が縦およそ4.5m、幅およそ2mで、30日夜から風が強まったため、時折、市の職員が風で外れないように手で押さえたりしていたが、突風に耐えられなかったという。
職員は危険を感じてその場を離れ、けが人はいなかった。
市役所の第2庁舎は昭和47年に建てられ、これまでにガラスが1枚、割れたことはあったが、今回のような被害は初めてだという。
出典
『市原市庁舎のガラスが次々に損壊』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181001/0019319.html
※10月2日5時0分に千葉日報から、千葉県内の強風による被害状況が、市原市役所事例を含め、下記趣旨でネット配信されていた。
風雨を伴って日本列島を通過。
千葉県内では早朝から、JRを中心に鉄道ダイヤが乱れたほか、道路でも渋滞が発生し、通勤・通学客らを足止め。
交通網の混乱は、昼すぎまで続いた。
けが人や住宅の一部損壊も続出し、県内にも爪痕を残した。
房総半島で吹き荒れた強風は、トラックやバイクの運転手にも襲いかかり、転倒などで男女14人が負傷。
栄町では、国道356号を走行していたトラックが強風にあおられ横転し、運転手の男性(51)が全身を打って負傷。
山武市のJR成東駅付近では、新聞配達中のバイクの40代男性が折れた街灯に気付かず衝突して腰などを打撲した。
千葉市花見川区の老人ホームでは、入所女性(89)に割れた窓ガラスがあたり、左顔面を負傷した。
住宅被害も発生。
四街道市では、強風で飛ばされた屋根が隣家の窓ガラスを割った。
県内では計48軒が一部損壊し、袖ケ浦市など4棟で床下浸水。
八街市では3階建てビル屋上のハトの小屋が飛ばされ、空き家住宅の屋根を直撃した。
・・・・・
出典
『記録的暴風雨、千葉県内襲う 交通乱れ、通勤客ら足止め』
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/535848
(ブログ者コメント)
2014年に1枚割れた事例は、本ブログでも紹介スミ。
市役所1階は、周囲に風を遮る建物などほとんどない、少し高台になっている場所。
割れたのは、壁代わりに設置されている大きなガラスだ。
(下記写真では、割れた部分がベニヤ板で塞がれている)
2014年の事故当時、風はそう強くないように感じていたが、今回は半端ない強風。
夜中の1時ごろから特に強く吹き始め、2時から3時ごろにかけては、家が揺さぶられるほどの凄まじい風が吹いていた。
2018年10月1日10時42分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前1時45分ごろ、台風24号避難のため横浜市鶴見区の大黒ふ頭沖に停泊中のベリーズ船籍の貨物船(全長79.4m、1920トン)から「強風に流されて護岸に接触しそうだ」と、横浜海保に通報があった。
船は強風にあおられ、停泊場所から約4km離れた川崎市川崎区の扇島の護岸に衝突した。
乗員12人は避難し、無事だった。
事故当時、積み荷はなかった。
船の後部が接触した影響で、護岸が一部破損した。
出典
『台風24号 停泊の貨物船が4キロ離れた護岸に衝突 横浜』
https://mainichi.jp/articles/20181001/k00/00e/040/173000c
10月1日11時10分にNHK首都圏からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
およそ5km離れた川崎市扇島にある製鉄所の岸壁に衝突した。
貨物船は、横浜港に避難勧告が出されていたため沖に出て停泊していたということで、中国人などの乗組員12人は全員自力で脱出し、けが人はいなかった。
海保によると、当時、付近の海では風速およそ30mの南南西の風が吹き、波の高さはおよそ2mだったという。
出典
『貨物船が強風で流され岸壁に衝突』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181001/0019325.html
10月1日12時32分に神奈川新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
大黒ふ頭周辺でいかりを下ろし、停泊中だった。
現場海域には当時、いかりを下ろしたまま強風で流される「走錨(そうびょう)」の注意情報が発表されていた。
出典
『【台風24号】川崎・扇島の護岸、貨物船が衝突』
http://www.kanaloco.jp/article/363329
(ブログ者コメント)
台風21号時の関空事例と同じような走錨事故。
ただ、今回は衝突先が護岸だったことで、大きな被害にならずに済んだ。
しかし大黒埠頭のそばには、護岸に衝突された製鉄所以外、ベイブリッジや鶴見つばさ橋がある。
今回の船は1920トンと、関空時の船2591トンに比べ、多少小さかったが、それでも風向き次第では、そちらに衝突したかもしれず、その場合、首都高速湾岸線通行止めなど、大きな影響が出た可能性も考えられる。
2018年10月1日17時45分にNHK滋賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
30日夜、甲賀市で警備員の男性の行方が分からなくなり、台風で増水した川に落ちた可能性があるとみて警察や消防で捜索したところ、1日午後、川の下流で遺体が見つかった。
警察は、行方が分からなくなっていた警備員とみて、身元の確認を進めている。
警察によると、30日午後7時すぎ、甲賀市甲賀町神にある「O薬品工業」の工場で異常を知らせる警報が鳴り、契約している警備会社の警備員の上田さん(男性、46歳)が現場に向かったという。
その後、上田さんと連絡がつかなくなり、同僚から通報を受けた警察が消防など、およそ70人態勢で30日夜から捜索を続けていたが、1日午後2時ごろ、工場から12kmほど離れた川の下流で男性の遺体が見つかった。
警察は遺体は上田さんとみて、身元の確認を進めている。
上田さんが向かった建物のすぐ裏には川が流れていて、近くに乗ってきた会社の車が止まっていたことから、警察は、上田さんが建物の周りを確認している途中で台風で増水した川に流された可能性が高いとして調べている。
国交省琵琶湖河川事務所によると、30日午後7時の時点で、甲賀市甲賀町にある観測所で1時間17ミリの雨量を記録したという。
出典
『川で遺体発見 不明の警備員か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20181001/2060001243.html
10月1日10時45分にNHK滋賀からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警備員と連絡がつかないため、同僚2人が現場に駆けつけたが、警備員の行方はわからず、エンジンがかかったままの車が近くで見つかったため、110番通報したという。
「O薬品工業」によると、30日は休日のため工場は休業で、異常を知らせる警報がなった場合に、警備会社から警備員が派遣されることになっていたという。
出典
『台風増水の川転落か警備員不明』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20181001/2060001239.html
10月2日3時0分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午後、工場から約12km先の甲賀市水口町宇川の、野洲川と杣川の合流点付近で、上田さんの遺体が見つかった。
警察によると、30日夜に工場の防犯センサーが作動したため、上田さんが1人で確認に向かったという。
工場近くを流れる大原川に落ちた可能性もあるとみて、署員らが1日朝から周辺を捜索していた。
出典
『滋賀)台風24号 県内で1人死亡、道路陥没や国宝被害』
https://digital.asahi.com/articles/ASLB1452GLB1PTJB00H.html?rm=323
(ブログ者コメント)
〇この事故が起きた、ちょうどその頃、午後8時に台風24号が和歌山県に上陸している。
台風襲来時、通常の見回りなどは、風雨が収まってから行うという選択肢もあるが、この事例のように防犯センサーが作動したような場合は、雨風による誤作動だろうと思っても、契約上、確認に行く義務があるということかもしれない。
〇この事例では台風の最中、警察、消防の方は、二次災害を警戒しつつ、捜索に当たられたと推察する。
一方、テレビでは、台風で風雨激しい中、道路に倒れた樹木を撤去する方々や停電対応に当たられている方々などの映像も流れていた。
どうも御苦労さまでした。
今後とも、お気をつけて。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。