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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(1/3から続く)

 

1182123分に産経新聞westからは、ナトム工法を採用した理由に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

福岡市によると、掘削前に現場で実施したボーリング調査で、地下18m付近に硬い岩盤が見つかった。

 

掘削の方法には、円筒状のシールドマシンで一気に掘り進める工法もあるが、岩盤が硬い箇所でトンネルの断面を一定に保ちながら掘るのは難しい。

そこで市は、今回、ナトム工法を採用した。

 

この工法では、掘削したトンネルが崩れるのを防ぐため、約1m掘るごとにコンクリートで固める作業を繰り返す。

地層に応じて断面の形や大きさを変えることができ、シールド工法よりもコストが安いとされる。

 

出典

『地下18メートルに硬い岩盤、ナトム工法採用 1メートル掘るたびコンクリ吹き付け シールドマシンより低コスト』

http://www.sankei.com/west/news/161108/wst1611080087-n1.html

 

 

1192133分に産経新聞westからは、地質の特異性に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

福岡市が、事故原因となった市営地下鉄七隈線の延伸工事の入札前、地中の急激な地質変化に対する懸念を入札参加業者に伝えていたことが、9日、分かった。

 

市は、粘土状になった岩盤に何らかの原因で穴が開き、土砂がトンネル内に流れ込んだとみており、地質変化と事故との関連を調べ、施工状況の詳細を検証している。

 

市によると、陥没現場の工事区間は、ボーリング調査で確認した岩盤層を掘り進めながら内壁にコンクリートを吹き付ける「ナトム工法」を採用。

市は、平成25年12月に総合評価方式による入札を実施する前、入札参加業者に地中を掘削する際に急激な地質の変化への懸念を伝えた上で、技術提案を求めていた。

 

入札は、大成建設などの共同企業体(JV)が落札。

市の担当者は、JVから受けた技術提案の内容は明らかにできないとした上で、「高評価の内容だった。業者への聴き取りを進め、事故との関連を調べたい」と話している。

 

市は、9日、掘削していた岩盤層と砂などの層の間にあるとしていた「粘土層」を、「風化で粘土状になった岩盤」と説明を修正した。

粘土状でも水を遮るが、強度は弱まる。

強度を確認したり、補強したりしながら、掘り進めていたという。

 

総合評価方式による入札は、発注側が入札額を比較するだけでなく、技術力なども点数化して落札業者を決める。

 

出典

「地質変化の懸念」伝達 地下鉄工事入札前に福岡市

http://www.sankei.com/west/news/161109/wst1611090097-n1.html

 

 

1113日付で毎日新聞東京版からも、上記に関連する記事が、下記趣旨でネット配信されていた。

 

現場の地下鉄工事のトンネル天井部分が、他より約1m高く掘られていたことが、市への取材で分かった。

 

上下線のトンネルが合流する地点のため、広い空間を確保する必要から、設計段階では2m高く掘る予定だったが、掘削前に上部の岩盤が薄いことが判明した後も、1m低くする変更にとどめていた。

 

専門家は、「岩盤が薄い中で天井を高く掘ったことが陥没の一因ではないか」と指摘している。

 

市によると、事故現場は、市地下鉄七隈線を天神南駅から博多駅まで延伸する工事区間の中間駅(仮称)付近。

博多駅に向かって上下線のトンネルが合流する地点にあたり、それぞれのトンネルを円筒状の掘削機を使った「シールド工法」で掘り進んで、Uターンする折り返し点でもあった。

 

このため、広い空間が必要となり、空間を少しずつ掘り広げる「ナトム工法」を採用して、博多駅から中間駅に向かって掘削していた。

 

当初は、博多駅側のトンネルよりも天井部を約2m高く設計していたが、昨年10月に施工業者がボーリング調査をしたところ、トンネル上部の岩盤が掘削方向に向かって左側へ低くなるように傾斜していることが判明。

下降している部分の岩盤が当初の想定より最大約1m薄いため、専門家で作る委員会に諮った上で、今年8月に天井高を約1m低くする設計に変更していた。

 

事故は、天井を高くする場所を掘り始めて約5m進んだ場所で起きた。

市は、「事前に地質のデータなどを入念に確認しながら掘削したが、岩盤にもろいところがあったのかもしれない」としている。

 

谷本親伯(ちかおさ)・大阪大名誉教授(トンネル工学)は、「典型的なトンネル事故と言えるが、岩盤層が薄いのに天井を高く掘っており、設計や施工技術を過信していたのではないか」と話した。

 

出典

福岡・博多陥没 地下鉄天井、高く掘削 薄い岩盤、陥没一因か

http://mainichi.jp/articles/20161113/ddm/041/040/144000c

 

 

1181430分に西日本新聞からは、過去にも近くで陥没事故があったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

地下鉄建設工事現場の周辺道路では、過去にも陥没事故が頻発。

 

七隈線延伸工事を巡っては、2014年10月、今回の事故現場から約350m離れた博多区祇園町の市道で発生。

車道が長さ約5m、幅約4m、深さ約4mにわたって陥没した。

延伸工事に伴う雨水管の移設作業中、作業員が坑内に土砂が流入していることに気付いた。

道路地下に空洞が発生したことが原因で、けが人はなかった。

 

現在運行中の七隈線の建設工事でも、2000年6月、現場付近の中央区薬院3丁目の市道が、長さ約10m、幅約5m、深さ約8mにわたって陥没した。

土砂流入を防ぐ防壁に穴が開いたことが原因で、土砂が流入したとみられる。

市交通局は、防壁の鋼材が設計よりも傾斜して埋め込まれる施工不良などの影響で穴が開いたと結論づけた。

 

市は事故防止検討委員会をつくり、再発防止に努めてきたが、結果的に前回よりも大規模な事故が発生した。

 

出典

陥没現場、岩盤上に地下水多く 福岡市長「復旧に全力

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_toshiken/article/287653 

 

 

                   (3/3に続く)

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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