(2/3から続く)
11月11日5時30分に産経新聞からは、過去事例の原因を特定していなかったという情報が、下記趣旨でネット配信されていた。
2年前に同じ市営地下鉄七隈線の工事で起きた陥没事故で、市が事故原因を特定していなかったことが、10日、関係者への取材で分かった。
今回の事故と同じく、早期の復旧を優先した結果、詳細な調査ができなかったとしているが、きちんと原因を究明していれば、今回の陥没は起きなかった可能性もある。
市は、当時、陥没を埋め戻すなど道路の復旧を急いだが、後日、改めて現場を掘り返すなどしての原因調査はしなかった。
市は、原因について「地下に空洞ができており、緩い岩盤を固める作業が不十分だったとみられる」などと、国交省九州運輸局に報告していた。
市交通局は、「できる限りの調査はしたが、解明できない部分もあった。原因がはっきりと特定できたとは言えない」と釈明している。
出典
『2年前の地下鉄工事陥没事故の原因、特定せず…福岡市、調査甘く再発か 防げた可能性も』
http://www.sankei.com/west/news/161111/wst1611110015-n1.html
11月10日23時45分に産経新聞からは、早期復旧に向け目立たないところで奮闘している業者があるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR博多駅前で発生した大規模陥没事故は、地表近くまでの埋め戻し作業がほぼ終わったことで、10日朝から通信ケーブルやガス管などの復旧に向けた作業が始まった。
作業の裏では、資材を集め、搬送した業者の奮闘があった。
「道路が陥没し、大変なことになってしまった。流動化処理土での埋め戻しを検討している。いつまでに、どれぐらい用意できるか教えてほしい」
陥没発生から約4時間後の8日午前9時半ごろ、処理土の生産プラントを持つ建設業「環境施設」(福岡県筑紫野市)の営業課長に電話がかかってきた。
相手は、事故現場の地下鉄延伸工事を施工した工事共同企業体(JV)の担当者だった。
処理土はセメントや粘土を含んだ特殊な土で、ビル建設などで地質改良に使われる。
コンクリートのように固まりやすい性質を持ち、そのため、作り置きはできない。
必要に応じて生産するしかない。
穴すべてを埋めるには7000m3の、地表近くまで埋めるだけで4000m3の処理土が必要となる。
「緊急事態だ。新しい仕事は受けるな!」
社内に号令が飛んだ。
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実は、福岡に多い炭鉱跡地では、陥没事故が度々起きている。
同社などは、事故処理を通じ、緊急時のノウハウを蓄積した。
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出典
『「新たな仕事は受けるな!」穴埋め処理土 9時間後に用意 事故処理ノウハウ蓄積』
http://www.sankei.com/affairs/news/161110/afr1611100024-n1.html
(2016年11月17日 修正1 ;追記)
2016年11月14日22時40分に産経新聞westからも、予想を超える速さで復旧した裏話的な記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
九州の玄関口である福岡市のJR博多駅前で起きた道路陥没事故の復旧工事は、通常なら数カ月を要するところ、市はわずか1週間足らずで道路の通行再開のめどをつけた。
特殊な工法を用いて作業の効率化を図り、市内外のミキサー車や作業員を総動員。
異例の「スピード突貫工事」を実現させた。
その背景に何があったのか。
「1分1秒でも早く安全に復旧させたい」。
事故翌日の9日、報道陣の質問に市トップの高島市長は、早期復旧を強調した。
陥没事故は、8日早朝に発生した。
穴は、道路いっぱいにわたる30m四方で、深さは15m。
すぐ下を通る地下鉄工事のトンネル天井の一部に空いた穴から、砂時計の砂が落ちるように流出した土砂は、3000m3に及んだ。
強固に埋め戻すには、ミキサー車約1750台分の約7000m3の土砂が必要と試算された。
ただ、通常は数カ月の工期を要するといわれていたが、高島市長は強気の姿勢を崩さなかった。
「道路を一刻も早く通行可能にする。目指すは14日だ」。
9日朝に開かれた会議でそう明言。
集まった職員や工事関係者は息をのんだ。
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出典
『九州の玄関の誇り…強気1週間工事200人 大成建設も“汚名返上”フル稼働』
http://www.sankei.com/west/news/161114/wst1611140052-n1.html
11月16日10時57分に読売新聞からも、復旧の速さが海外で称賛されているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
英米のメディアでは、わずか1週間で通行が再開されたことに、驚嘆と称賛の反応が広がっている。
英BBC(電子版)は、陥没直後と通行再開後の写真を並べて、「日本は巨大な穴を1週間で修復した」と伝えた。
米CNN(同)は、「日本の技術力の高さが証明された」と指摘。
英紙テレグラフ(同)は、「オリンピックプールの半分ほどもある巨大な穴を徹夜作業で修復した」とたたえた。
英ニュースサイトのメール・オンラインは、英中部マンチェスターで昨年起きた道路陥没事故では修復に10か月かかったことを説明した上で、「日本に学ぶべきだ」と指摘した。
ツイッター上では、「感動した」、「道路工事は日本人にやってもらうべきだ」といった声があふれている。
出典
『「巨大な穴を1週間で修復」…英米メディア驚嘆』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161116-OYT1T50041.html?from=ysns_ycont
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。