2017年2月20日11時20分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
和歌山県の仁坂知事は、20日の記者会見で、同県御坊市で800人以上が被害を訴えた給食による集団食中毒について、感染経路の特定のため、調理従事者が給食を食べないようにするなどの対策を取る考えを明らかにした。
県食品・生活衛生課は、厚労省に対して管理マニュアルの変更も求めたいとしている。
県によると、集団食中毒を巡っては、給食センターで調理された「磯あえ」と、それを食べたセンターの調理従事者の両方からノロウイルスが検出されたため、感染経路が特定できなかった。
厚労省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、調理従事者が健康調査をしていれば給食を食べられるとしており、仁坂知事は「個人的には、追跡調査ができるよう、調理従事者は食べない方が良いと思う」とした。
東京都立川市でもセンターが調理した給食が原因とみられる集団食中毒が起きたことにも触れ、「集中管理をして安全に給食を作ろうという場でミスをすると、被害が大きくなる」と指摘した。
御坊市は17日、新たな二次感染者が出なくなったとして、終息を宣言。
集団食中毒後から中止している給食について、同市教育委員会は20日、来月1日に再開すると発表した。
出典
『「調理従事者の給食試食を禁止」管理マニュアル変更求める 集団食中毒で和歌山知事』
http://www.sankei.com/west/news/170220/wst1702200022-n1.html
食中毒事故の概要は、2017年1月28日付で日高新報から下記趣旨でネット配信されていた。
御坊市教育委員会は、27日朝、市内の公立4幼稚園、6小、5中学校(大成含む)の児童や教諭ら633人(午前9時現在)が下痢や嘔吐、発熱など食中毒とみられる症状を訴えたため、すべての幼稚園、小中学校を臨時休園・休校にした。
全施設の休園・休校措置は初めて。
市教委や御坊保健所では、感染拡大防止対策を講じるとともに、給食が原因の可能性があるとみて、調査に乗り出している。
市教委によると、26日夜から児童らが症状を訴え、27日朝に欠席が相次いだため臨時休校を決定し、登校していた児童らを帰宅させた。
9時現在、すべての児童、教諭ら2267人中、3分の1近くが症状を訴えている。
幼稚園、小学校、中学校別の内訳や、症状の重さ、ウイルス性かどうかなどは、現在調査している。
市内の日高病院では、26日夜に同様の症状を訴える子どもから大人まで数10人が殺到。近隣の病院にも連絡するなどして対応した。
27日朝時点では、これらの症状による入院患者はいないという。
原因については、すべての施設が市立給食センター(南塩屋)で調理している給食を食べているため、可能性が高いとされている。
26日の献立は「サバの味噌煮」「きんぴら大豆」「けんちん汁」など。
給食の配送先は市内の幼稚園、小中学校のみだが、センター内にも同じ給食を食べ、同様の症状を訴える従業員がいるという。
また、幼稚園については、26日は給食を食べていなかった。
市教委では、原因究明に乗り出すとともに、学校内を消毒するなど、感染拡大防止に取り組んでいる。
学校など、授業再開のめどは未定となっている。
奥教育長は、「皆さんに迷惑をかけて申し訳ありません。原因はわかっていませんが、いまは感染拡大防止へ全力で取り組んでいきたい」と話している。
出典
『給食原因か 御坊市の全幼小中学校が食中毒症状で休校に』
http://www.hidakashimpo.co.jp/news/2017/01/post-6550.html
(2017年3月3日 修正1 ;追記)
2017年3月1日21時7分にNHK関西NEWS WEBから、立川市で起きた給食による集団食中毒とノロウイルスの遺伝子が一致したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
患者の便から検出されたノロウイルスと、2月、東京・立川市で起きた給食が原因の集団食中毒で検出されたノロウイルスの遺伝子の型が一致したことが分かった。
御坊市のノロウイルスの集団食中毒では、給食として出された刻みのりを使った「磯あえ」というメニューが原因と特定されている。
一方、2月、東京・立川市で1000人以上が症状を訴えたノロウイルスの集団食中毒では、給食に使われた刻みのりが原因と特定され、この時使われた刻みのりは、御坊市で磯あえに使われたものと同じ大阪・都島区の「T社」が製造・販売したものだった。
東京都と和歌山県によると、詳しい遺伝子の分析から、御坊市の患者の便から検出されたウイルスと、立川市の未開封ののりから検出されたウイルスの遺伝子の型が一致し、同じ感染源から広がった可能性が高いことが分かったという。
和歌山県では、御坊市の給食センターがのりを使い切って、残っていないことなどから「詳細な感染源は特定できない」としているが、今回の結果を受けて、「磯あえの刻みのりが感染源である可能性が高いと推測できる」と話している
出典
『ノロウイルスの遺伝子型一致』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20170301/4369311.html
3月1日17時4分にNHK首都圏NEWS WEBからは、下請けの個人業者が取り決めに違反し長年海苔を素手で扱っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「T社」によると、この商品を製造する際、のりを刻む作業を大阪・北区の個人業者に委託しているが、この業者は、乾燥した状態の「のり」を1枚1枚機械に入れて刻む際、T社との取り決めに違反して、手袋をせずに素手で作業をしていたという。
この業者は、作業の効率が悪くなるとして、長年、手袋を使わずに作業をしていたということで、「T社」の田中社長は、「衛生管理の指導が十分できていませんでした。大勢の方を不安にさせ、大変申し訳なく思います。早急に回収をはかり、これ以上の被害の拡大を防ぎたいです」と話している。
ノロウイルスの問題に詳しい北里大学の片山和彦教授は、「食中毒というと生ものによく火を通さないで食べてなるというイメージがあるかも知れないが、必ずしもそうではない。ノロウイルスは、インフルエンザウイルスなどと比べても乾燥に強いウイルスだ。過去の調査では、最大で1か月半程度、乾燥した状況でも生き続けたことが確認されている。また熱に対しても、60℃程度の加熱では、死なない。今回のケースでは、刻みのりを大量に食べたわけではないのに、感染者が1000人以上出たことを考えると、のりに付着したウイルスの量が多く、しかも給食に出されるまでの間、乾燥にも耐えられたため感染性が維持され、集団食中毒につながったと考えられる」と話している。
出典
『食中毒刻みのり 素手で作業か』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170301/4351821.html
(ブログ者コメント)
〇80代と思しき個人業者の男性がインタビューに答えていた
が、店は昔から続いている感じの個人商店的たたずまい。
「海苔を裁断機に入れる際、手袋していると滑りが悪いの
で・・・。慙愧に堪えない」などと話していた。
〇小平市の小学校でも2月、同じ刻み海苔による集団食中毒が
起きている。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。