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4月29日14時7分に読売新聞からは、2班は引き返すことを決めて戻り始めた時に雪崩に遭ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ラッセル訓練中、県立真岡高校の生徒らの2班の引率教諭が、風の異変に気づき訓練を中止して戻る判断をしたと県教育委員会に話したことが、学校関係者への取材で分かった。
各班がどのコースを進むかは、それぞれの引率教諭が決めていた。
2班は、1年生5人、2年生3人、引率教諭1人の計9人。
県立大田原高校の1班より、やや北側の斜面で訓練を行っていた。
複数の関係者によると、2班を引率していた教諭は、県教委の聞き取り調査に対し、「風が嫌な感じになっているから訓練を打ち切り、引き返すことを決めた。戻り始めたとき、雪崩に巻き込まれた」と話したという。
もっとも、聞き取り調査に対し、「風はそれほど強くなかった」などと話す参加者もいるため、県教委は引き続き、当時の状況把握に努めている。
出典
『雪崩事故、2班は「嫌な風感じ」訓練中止の判断』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170428-OYT1T50054.html
4月27日10時45分に産経新聞からは、地元関係者は雪崩危険のある場所だと知っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
雪崩事故の現場について、地元関係者の間では、もともと雪崩が起きやすい場所と指摘する声が多い。
専門家が注目する当日の気象条件に加え、場所としても警戒区域と認識されていたことが分かった。
地元関係者は、「何であそこに行ったんだ」と口をそろえる。
那須温泉ファミリースキー場もよく利用していたというスキーヤーの男性は、「那須温泉ファミリースキー場付近で雪崩といったら、あの辺りしかない。場所はすぐ想像できた」。
地元猟友会に加盟している70代男性も、「あの場所は雪崩が発生するところで、みんな知っていた。今は鳥獣保護区だが、昔はウサギが多く、猟も行われていた。ただ、春先は雪崩が多く、誰も足を踏み入れなかったらしい」と話す。
那須山岳救助隊の大高隊長(88)は、事故防止策について「立ち入り禁止しかない」と苦渋の表情。
「春先には、毎年、大小は別にして表層雪崩が起きている。あんなところは入るルートじゃない」と語った。
出典
『地元関係者ら、口々に危険性指摘 「何であそこに行ったのか…」』
http://www.sankei.com/affairs/news/170427/afr1704270008-n1.html
(2017年5月31日 修正4 ;追記)
2017年5月27日付で下野新聞から、訓練実施の判断経緯について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
捜査関係者によると、3人は「ゲレンデの中で訓練を行おうと話し合った」などと供述しているという。
班を引率した副委員長、前委員長は「自分の判断で樹林帯を登り始めた。本部には連絡しなかった」などと説明。
現委員長は本部に残っていた。
樹林帯を抜けた斜面で副委員長は「危ないので戻ろうとした」とも説明しているというが、最終的にはさらに上部へ登り始め、雪崩が直撃したことを認めているという。
出典
『8人死亡那須雪崩事故 「現場判断で樹林帯へ」 栃木県警に責任者ら3人供述 発生から2カ月』
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20170527/2703499
2017年5月28日22時50分に産経新聞からは、地元の隊長に指示を仰がなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
犠牲者の出た班の引率教員が、危険を感じても地元の山岳救助隊長に助言を求めずに急斜面を登っていたことが28日、遺族への取材で分かった。
講習会では以前、天候が変化した際などは同隊長の指示を仰いでいたという。
遺族によると、県高等学校体育連盟登山専門部が同日、大田原高で開いた遺族や被害者への説明会で、引率教員が明らかにした。
理由について「隊長が高齢で現場に来るのが難しくなったため」などと話した。
この教員は登山歴が長いベテラン。
「(雪崩が起きた急斜面は)危ないと思ったが、生徒の意向も聞き、登ることを決めた。積雪は約15cmで、天候も晴れていたため大丈夫だと思った」と説明したという。
出典
『引率教員は危険感じても助言求めず 那須、雪崩起きた斜面で』
http://www.sankei.com/affairs/news/170528/afr1705280019-n1.html
(2017年6月2日 修正5 ;追記)
2017年6月1日付で毎日新聞東京版から、足元の雪面に亀裂が入って流されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大田原高関係者によると、1班の複数の生徒は「前に(雪面の)亀裂が見えて、そこから流された」「足元あたりから崩れた」などと証言しているという。
雪崩の専門家であるアルプス雪崩研究所の若林隆三所長は、「樹木の少ない急斜面で、たくさんの人が衝撃を与えれば雪崩が起きる可能性は十分にある。衝撃が伝わり、ガラスのひび割れのように雪面にひびが入ったのではないか」と説明している。
密集した状態でラッセル訓練を実施したことで、降り固まった古い雪の上の新雪が崩れる「表層雪崩」を誘発した可能性がある。
出典
『栃木・那須の雪崩 「足元の雪面に亀裂」 生徒証言 訓練強行で誘発か』
https://mainichi.jp/articles/20170601/ddm/041/040/122000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。