2017年4月13日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6991/
(2017年5月6日 修正3 ;追記)
2017年4月27日17時0分にNHK栃木から、7年前の崩落後も訓練内容が見直されることはなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7年前の登山訓練の講習会で生徒を引率していた教員が、当時の状況を初めて証言した。
その時の状況について、この教員は、「無線を通じて『雪崩があった』と連絡があり、緊迫した状況になった。けが人はいなかったが、10人ほどの生徒が巻き込まれ、顔まで雪に埋まった生徒がいたり、ピッケルなどの装備が流されたりした」と話した。
また、その後の対応について、「教員どうしで集まって、雪崩があったという報告と、注意喚起が行われた。参加した生徒たちにも、雪崩に気をつけようと改めて注意した」と話した。
しかし、事故の報告は県の教育委員会には行われず、翌年以降の講習会の内容や開催場所は、特に見直されなかった。
男性は、「県の教育委員会への報告は、責任者の教員が行ったと思っていた」と述べた。
県が設置した事故の検証委員会は、過去の事故の教訓が生かされていないとみて、報告や引き継ぎが十分だったのか調べることにしている。
出典
『登山講習7年前の雪崩後変更せず』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/1096070291.html
2017年4月27日17時0分にNHK栃木からは、事故時の詳細な経緯について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月27日付で毎日新聞東京版朝刊からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
雪崩事故が起きるまで、どのような経緯があったのか、県による教員への聞き取り調査や生徒などへの独自の取材で、詳細が明らかになった。
3月27日は、午前中に茶臼岳への登山を行う予定だった。
しかし、当日の朝5時ごろ教員らが起床した際、15cmほどの積雪を確認。
午前6時から6時半の間に、登山経験が豊富な3人の教員が話し合って登山を中止し、かわりに雪をかき分けて進むラッセル訓練を行うことを決めた。
教員の1人は、安全と判断した根拠として、「風が弱く、15cmほどの積雪で、樹林帯の尾根なら雪崩の危険はないと思った」と話している。
そして、午前7時半に集合し、訓練の実施を決めた教員3人が、ほかの教員に、ラッセル訓練への変更や雪崩の危険箇所などを説明した。
訓練を周知された時の状況について、複数の生徒や教員はNHKの取材に対し、「朝の段階で積雪もかなりあり、本当にやるのかという声もあがっていた」と証言している。
そして、午前8時前には、5つの班に分かれて訓練が始まった。
この際、教員は生徒たちに、雪崩の危険箇所には近づかないよう説明したという。
先頭の1班は、大田原高校の生徒12人と教員2人の、あわせて14人で、ゲレンデのふもとから尾根の方向に登り始めた。
2班以降も、続々と出発した。
1班は、後続の班と徐々に距離を離し、30分ほどで尾根に到達し、一度休憩をとった。
その際、引率教員の1人は、雪崩の危険性を調べるため、生徒らに雪を掘らせて、雪の層にゆるみがないか状態を確認させたと、県の調査に対して答えている。
その後、1班は樹林帯を抜け、樹木がまばらなところに到達する。
教員の1人は、「視界は、前方からふもとまでよく見えた。風もほとんどなかった」と証言している。
教員の1人は、県の調査に対し、斜面が急になることなどから、引き返すかどうか考えたタイミングが2回あったと答えている。
このとき生徒からは、「天狗の岩」と呼ばれる岩まで進みたいという声があがり、教員は、雪の状態や天候から大丈夫だろうと判断し、岩まで行って引き返すことにしたという。
その直後、午前8時半ごろに雪崩が発生。
1、2班に加え、1班から100mほど後方に、ほぼ一緒にいた3、4班も雪崩に巻き込まれた。
「7、8m流された」と証言している3、4班の教諭もおり、全員が互いに助け合うなどして脱出したという。
中には、2mほど雪に埋まった生徒もいた。
各班を引率していた教員は、本部となっているふもとの旅館に無線で何度も呼びかけたが、応答がなく、5班の教員が旅館までおりて、警察に通報した。
現場にいた教諭や高校生は、スマートフォンを持っていたものの、「寒さで作動しなかった」と話しているという。
今回の事故で、犠牲者が出た班を引率していた教員の1人が「途中で引き返そうと考えたが、天候の状況から進めると判断した」と話していることについて、自然体験での安全管理に詳しい静岡大学の村越真教授は、「部活動は正規の教育活動ではないが、引率する以上、教員には子どもの安全を守る義務があり、そこで止めるべきだった」と話している。
一方、現場で生徒から「上に見える岩まで進みたい」という声が出ていたことについては、「学校教育では、達成感や努力で得られる喜びを重視するため、生徒から『上に行きたい』という声が出たその時に、無理やり止めるのは難しい」と指摘したうえで、「雪崩の危険は、斜面の傾斜や雪の量からある程度判断できるので、あらかじめ『ここまでで帰る』というラインを設定しておく必要があったのではないか」としている。
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出典
『雪崩1か月 詳細な経緯明らかに』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/1096070301.html
『栃木・那須の雪崩 訓練目的地で発生 教諭ら「視界悪くなかった」』
http://mainichi.jp/articles/20170427/ddm/041/040/105000c
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。