







2018年7月11日21時11分にNHK福島から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福島第一原発の事故をめぐり、東電の旧経営陣3人が強制的に起訴された裁判で、東電の社内で巨大な津波を想定して沖合の防潮堤の建設を検討した社員が証人として呼ばれ、建設には数百億円かかると元副社長に報告していたと証言した。
東京地裁で開かれた11日の審理では、福島第一原発の沖合に防潮堤を建設することを検討した東電の社員が証人として呼ばれた。
この社員は、原発に巨大な津波が押し寄せる可能性があるとする社内の想定を受けて、事故の3年前に防潮堤のおおまかな工程や費用を検討した結果、完成までおよそ4年かかり、費用は数百億円にのぼると試算したと証言した。
社員は、この検討結果を武藤元副社長に報告したが、沖合に防潮堤を建設すると、遮られた津波が近隣の地域に影響することも懸念され、その後は、具体的な対策としては進まなかったという。
出典
『沖合の防潮堤検討した社員が証言』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20180711/6050001784.html
7月11日19時43分に毎日新聞からは、若干ニュアンスの異なる、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原発の土木設備を担当していた東電社員が出廷し、東日本大震災前に防潮堤の工程案を旧経営陣側に示したが、旧経営陣が対策を先送りしたと証言した。
証言によると、社員は2008年6月、社内の別グループが出した第1原発への想定津波の試算結果に基づき、元副社長の武藤栄被告(68)から、防潮堤の設置に必要な許認可などを調べるよう指示を受けた。
社員は、原発の東側沖合に高さ20m、長さ1.5~2kmの防潮堤を設置することを想定して資料を作成。
緊急発注すると、最短で16カ月後に着工でき、費用は数百億円になるとの概算を武藤元副社長に提出した。
だが、対策は取られなかったといい、社員は「沖合に防潮堤を作ると、防いだ波が(堤の両側に流れ)近隣地域に影響すると懸念したのではないか」と推測した。
出典
『東電公判 防潮堤工程案示すも、旧経営陣が対策先送り』
https://mainichi.jp/articles/20180712/k00/00m/040/062000c
2018年7月12日19時36分に日テレNEWS24(秋田放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北秋田市の小学校で行われた理科の実験で、学級担任が薬品を取り違え、児童8人が体調不良を訴えていたことがわかった。
薬品の取り違えがあったのは、北秋田市の鷹巣東小学校。
北秋田市教委によると、11日、6年生の理科の授業で光合成に関する実験を行う際、学級担任がエタノールとジエチルエーテルを取り違えて児童たちに配り、湯煎して発生した気体を吸い込んだ児童8人が、むかむかする、頭痛がするなどと体調不良を訴えた。
ジエチルエーテルは、麻酔効果のある薬品。
8人のうち3人は病院を受診したが、「心配された症状はなく、処方などの必要はない」と診断を受けたという。
12日は、6年生全員が平常通り登校している。
市教委では、学級担任が容器に書かれた液体名をよく確認しなかったことが原因とみて、市内の全ての小中学校に注意喚起の通知を出している。
出典
『実験で薬品取り違え 児童が体調不良 (秋田県)』
http://www.news24.jp/nnn/news86113845.html
7月12日付で秋田魁新報からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
湯煎によってジエチルエーテルが気化し、それを吸い込んだ児童が頭痛などを訴えたという。
学校が、児童を屋外に出したり保健室で休ませたりして対応。
8人のうち3人は市内の病院を受診したが、11日中に帰宅した。
2つの薬品は、よく似た容器に入っており、薬品庫内で隣り合った場所に保管されていたため、取り違えたという。
学校は11日、6年生の保護者にメールで概要を報告し、12日に全校児童の保護者に文書で謝罪した。
市教委は、「予備実験の徹底や容器を明確に区別するなどし、再発防止に努める」としている。
出典
『理科実験で体調不良、鷹巣東小6年 健康被害なし、薬品間違う』
https://www.sakigake.jp/news/article/20180712AK0029/
7月13日付で河北新報からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市教委によると、11日午前に、植物の葉に含まれる葉緑体を温めたエタノールで溶かし出す光合成の実験で、誤ってジエチルエーテルを使い、児童が気体を吸い込んだ。
8人のうち3人が、午後になっても体調不良を訴えたために、市内の病院で受診した。
特段の症状はなく、帰宅したという。
出典
『理科実験で担任が薬品取り違え 児童ら体調不良』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180713_43041.html
2018年7月11日18時42分に青森朝日放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日昼前、八戸市で83歳の女性が、工場から道路に出てきたフォークリフトにはねられ、亡くなった。
警察によると、女性は11日正午前、自宅近くの市道で、工場から出てきた八戸市白銀町の派遣社員、Mさん(男性、38歳)の運転するフォークリフトにはねられた。
女性は市内の病院に運ばれたが、腹を強く打って、およそ3時間半後に亡くなった。
フォークリフトは、工場から道路を挟んだ反対側にある駐車場に、荷物を載せるパレットを運ぶ作業をしていたという。
警察が事故の原因を詳しく調べている。
出典
『フォークリフトにはねられ83歳女性死亡 八戸市』
http://www.aba-net.com/news/news004.html
7月11日18時24分にNHK青森からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、フォークリフトは、現場近くの会社から道路を挟んで向かい側の駐車場に、荷物を入れるかごを載せてバックで移動する途中だったという。
運転していた38歳の男性は、「後方の安全を十分に確認できていなかった」と話しているという。
出典
『フォークリフトにはねられ死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20180711/6080001565.html
2018年7月12日4時36分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
渡島総合振興局は11日、函館建設管理部八雲出張所の主幹級の男性職員(58)が渡島管内八雲町内で同日、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で摘発されたと発表した。
職員は1998年、稚内土木現業所(現稚内建設管理部)歌登出張所勤務時にも、酒気帯び運転で摘発されていた。
振興局によると、男性職員は11日午前1時15分ごろ、同町内で車を運転していた際、八雲署のパトカーに停止を求められ、基準値の2倍を超えるアルコールが検出された。
職員は10日午後9時から、町内の自宅でジンの水割りを2合ほど飲み、当時は道路パトロール出動の連絡を受け、出張所に向かう途中だった。
記者会見した小田原・振興局長は、「今後、このようなことが二度と発生しないよう、指導を徹底したい」と陳謝。
道は、男性職員を処分する方針。
摘発を受け、道は幹部を招集した緊急テレビ会議で、窪田副知事が飲酒運転根絶の徹底を指示。
職員の交通安全意識向上のため、全庁で研修を行うことなどを確認した。
出典
『道職員が酒気帯び運転、摘発2度目 八雲で道路見回り出勤』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/207994
7月11日19時3分にNHK北海道からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性職員は八雲出張所で道路管理などを担当していて、11日は大雨による緊急の道路パトロールをするため、急きょ呼び出しを受けて、出張所に向かう途中だったという。
男性職員は、「昨夜、2合程度の酒を飲んだが、意識がはっきりしていたためハンドルを握った」と話しているという。
出典
『深夜呼び出しの道職員が酒気帯び』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180711/0001463.html
7月11日13時2分にFNN PRIME(北海道文化放送)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
パトロール中の警察官が不審な動きをしている男の車を見つけ、職務質問したところ、酒のにおいに気付いたという。
この職員は、悪天候による呼び出しで、自宅から職場に向かう途中だったという。
出典
『道の50代男性職員 飲酒運転で検挙 悪天候の呼び出しで職場に向かう途中 北海道八雲町』
https://www.fnn.jp/posts/2018071100000004UHB
(ブログ者コメント)
〇ブログ者も工場勤務時代、台風直撃間近になると深夜でも呼び出しがかかり、出勤することがあった。
その場合、台風はおおよその襲来時間が予測できるので、深夜に呼び出しがかかりそうな場合には、いつ呼び出しがあってもよいよう、飲酒は控えていた。
その点、今回事例の職員は、呼び出しがかかるほどの悪天候ではないと感じていたのだろうか?
飲酒後運転は別問題として・・・。
〇飲酒量とアルコール消失までの時間の目安は、下記記事参照。
『2017年10月3日報道 アルコールの摂取量と消失までの時間はほぼ比例、体重60㎏の成人男性だと日本酒1合で3~4時間が目安、警察庁は深酒翌日の運転は控えるよう注意喚起 (修正1)』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7656/
2018年7月10日3時0分に大分合同新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分市内の調剤薬局が、小児用の風邪薬を処方するはずの男児(8)に、誤って高血圧・狭心症の治療薬を出し、服用した男児が5日間入院する調剤事故を起こしていたことが9日、分かった。
薬局はミスを認めている。
両親は、薬局に医療費や慰謝料など133万円の損害賠償を求め、大分簡裁に提訴した。
両親や代理人弁護士によると、薬は昨年10月に処方された。
男児は血圧低下や頻脈、呼吸障害を起こし、大分こども病院(大分市)に入院した。
今のところ後遺症は出ていないが、医師の説明では、ぜんそくのような症状が現れる恐れがあるという。
今年5月に提訴した。
訴えられたのはK調剤薬局(同市三ケ田町)。
訴状などによると、せきが出るなどして医院を受診した男児に対し、医師が処方箋に記した抗生剤ではなく、血圧降下などの効果がある薬を手渡した。
薬は、ぜんそく様の症状などの副作用が起きることがあるという。
男児は帰宅後、翌朝までに2回服用。
様子がおかしかったため、母親が薬の説明書を確認し、別の薬だと気付いた。
両親は、「子どもにつらい思いをさせた。こんなことは二度と起きてほしくない。薬局の対応も許せない」と非難。
同薬局は取材に対し、「誤りがあったのは事実。大変申し訳なく思っている」と話している。
【薬剤取り違えなど 全国で5000件】
医療現場の事故事例を調べている日本医療機能評価機構(東京)のまとめでは、薬局で調剤事故などにつながりかねないミスは、2016年に、少なくとも全国で4939件あった。
調査は国内8873店(県内は70店)が協力。
「薬剤の取り違え」は740件だった。
日本薬剤師会などによると、薬局に報告義務はなく、全体の詳しい実態は分かっていない。
件数を把握している機関はないのが実情だ。
薬事法の改正を受けて、国は07年4月、各薬局に安全管理体制の整備を義務付けた。
個別に「業務手順書」を作成し、事故防止対策をするよう求めている。
ただ、県内のある薬剤師は、「どんなに気を付けていても、人為的なミスはゼロにならない。複数の薬剤師で点検する薬局も多いが、チェックの目をくぐり抜けることもある」と指摘。
患者に渡すところで気付くケースも、まれではないという。
出典
『風邪薬と間違え高血圧治療薬、8歳児入院 薬局が処方ミス』
https://oita-press.co.jp/1010000000/2018/07/10/JD0057089705
(ブログ者コメント)
名前が似ていたのか?
棚の横に並んでいたのか?
それとも・・・・。
間違った理由が報じられていないか探してみたが、見つからなかった。
2018年7月11日10時44分に秋田魁新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
毒ガスを持った不審者への対応訓練が10日、秋田県能代市の東北電力能代火力発電所で行われ、能代署員と能代山本広域消防本部の消防隊員計約20人が、制圧手順を確認した。
近年多発する国際テロ情勢を踏まえ、地域の重要なインフラ施設が標的になった場合に備えようと、同署と同本部が企画した。
訓練は、不審者が乗用車で発電所の正面ゲートを強行突破したとの想定で開始。
守衛の110番で4、5人の署員が駆け付け、事務所ビル付近にいた不審者役に職務質問した。
不審者役が短刀を手に、「ビルに毒ガスをまいた」などと叫んで暴れると、署員は刺股や警棒を使って取り押さえた。
ビル内で勤務する従業員約50人は、署員の誘導に従って建物外に避難し、毒ガスがまかれたと119番。
化学防護服を身に着けた消防隊員2人が、動けないままビル内に取り残された要救助者を運び出し、汚染された服を脱がせたり、体を洗い流したりする手順などを確認した。
同発電所の橋本所長は、「有事に備えたマニュアルはあるが、それだけに頼らず、臨機応変に対応するためには、実際に訓練することが必要だ。関係機関と連携して取り組めた意義は大きい」と話した。
出典
『毒ガステロの対応確認 能代火力、警察と消防が訓練』
https://www.sakigake.jp/news/article/20180711AK0013/
2018年7月10日10時53分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日曜日の昼下がり。
温泉に浸かり、のんびりと疲れを癒やす入浴客に予期せぬ災難が降りかかった。
奈良市のスーパー銭湯で露天風呂の屋根が落下し、男性3人が死傷した事故。
「まさかこんなことが起こるとは…」。
地域住民に愛される“憩いの場”で発生した不測の事態に、利用客の間に衝撃が走った。
8日午後2時40分ごろ、奈良市押熊町のスーパー銭湯「天然湧出温泉 Yの湯押熊店」の男湯で、痛ましい事故は起きた。
スレート製の瓦を敷き詰めた露天風呂の屋根(縦約8m、横約7m)が約2.5mの高さから真下に落下。
利用客3人が下敷きとなり、奈良市西大寺新町の無職、Oさん(68)が頭などを強く打って死亡したほか、京都府城陽市の男性会社員(53)と奈良県大和郡山市の無職男性(83)が、肩を打撲するなどの軽傷を負った。
警察は9日、現場を実況見分し、屋根の整備に問題がなかったかなど、崩れ落ちた状況を詳しく調べた。
施設の運営会社「S」(奈良市)の浜田社長は同日、報道陣の取材に応じ、「深くおわび申し上げます」と謝罪。
遺族らには「誠心誠意、対応していく」と、神妙な表情で頭を下げた。
当面の間、押熊店の営業は控えるという。
浜田社長によると、先月18日に大阪北部地震が発生した後、露天風呂の柱が2本傾いていることを社員が確認した。
県外の業者が同20日、目視による点検や打音検査を実施。
「崩落する恐れはない」との報告を受け、営業を続けたという。
だが一方で、「1年くらい前から露天風呂の屋根の柱が傾いており、気になっていた」(利用客の30代女性)との証言もある。
出典
『露天風呂屋根落下、3人死傷事故 「1年前から柱傾いていた」奈良の憩いの場、衝撃』
http://www.sankei.com/west/news/180710/wst1807100038-n1.html
7月9日23時5分に毎日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月8日19時16分に朝日新聞から、7月9日18時4分にNHK奈良からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、屋根は木製の柱6本で支え、セメント製の瓦をふいた構造。
事故で全ての柱が倒れた。一部は腐敗していたとみられるという。
警察は、湯気で柱が腐っていた可能性があるとみている。
運営会社によると、大阪北部地震の直後に、柱のうち2本が傾いていることが判明。
業者を呼んで点検したが、異常はないと言われ、そのまま営業を続けたという。
施設は2005年にオープンした。
また、奈良市建築指導課によると、施設がオープン前に提出した建築確認の申請書類には屋根の記載がなく、その後も届け出がなかった。
違法に増築された疑いがあるという。
奈良市によると、屋根と柱を備えた施設は建築基準法の「建築物」にあたり、本来、行政側に申請し確認を受ける必要があるが、その手続きが取られていなかったという。
現場は、近鉄京都線高の原駅から西に約2.5kmの、量販店などが並ぶ道路沿い。
出典
『奈良・スーパー銭湯 露天風呂屋根崩落 68歳男性が死亡』
https://mainichi.jp/articles/20180710/k00/00m/040/061000c
『スーパー銭湯の露天風呂で屋根落下、男性1人死亡 奈良』
https://www.asahi.com/articles/ASL785KC4L78POMB005.html
『スーパー銭湯崩落屋根は違法増築』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20180709/2050000445.html
7月9日14時56分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
銭湯運営会社の役員が9日、取材に応じ、崩落の原因について「地震の影響であったり、雨であったり、経年劣化もあるのかな、と(思う)」と説明。
「工務店に『倒れることもないし、崩壊しない』と言われたので、信じてしまった。認識が甘かった」と語り、「重大な事故を起こしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
出典
『屋根崩落のスーパー銭湯が謝罪 男性1人死亡の事故』
https://www.asahi.com/articles/ASL794H1VL79POMB00B.html
7月12日18時7分にNHK奈良からは、奈良県などでは横展開対応を図るという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この事故を受け、奈良県などは、県内のスーパー銭湯やホテル・旅館など270施設に対し、順次、緊急点検を指示している。
点検では、露天風呂に木造の屋根や柱などがあるか確認したうえで、もしあれば、亀裂がないかやぐらついていないかなどを確かめ、今月25日までに報告するよう求めている。
出典
『屋根崩落受け 緊急点検を指示』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nara/20180712/2050000478.html
(ブログ者コメント)
NHKの空撮映像によれは、東屋風に作られた四角い屋根が落ちた模様。
2018年7月7日9時14分に毎日新聞から、下記趣旨の記事が撤去状況の写真付きでネット配信されていた。
停電の原因となる、電柱上に作られたカラスの巣を撤去する作業が、茨城県内で進んでいる。
営巣に使われる金属製のハンガーなどの針金が電線に触れると、漏電を起こすのだという。
送配電事業を行う東京電力パワーグリッドは、例年、ヒナが巣立ちの季節を迎える6~7月に実施している。
撤去作業の現場を取材した。
先月28日、水戸市元吉田町の一本の電柱に、同社の高所作業車が横付けされた。
見上げると、電柱の地上約10mの場所に取り付けられた電気の開閉器上に、茶色い木の枝の塊が見えた。
男性作業員2人が高所作業車のかごに乗り、直径約30cmほどの巣に近づいた。
一人が柄の付いた網を巣の下に入れ、もう一人が長さ約1.4mの柄が付いた高枝バサミのような特殊な工具を使い、飛び出た木の枝や針金を切った後、巣を持ち上げて網の中に入れた。
撤去作業は5分ほどで終了。
地上に下ろされた巣を見ると、確かに何本もの針金が編み込まれていた。
この日の現場責任者で、同社水戸制御所の飯田班長(42)は、「電気を流したままでの作業なので、感電しないよう、細心の注意を払って作業します」などと説明した。
巣の撤去作業を格段に速くしたのが、電気を通さない絶縁が施された「間接活線工具」だ。
これが普及する10数年前までは、事前に周囲の電線などに絶縁カバーを巻き、専用の手袋や肩当てなどを装着して作業したため、数倍の時間を要したという。
ただ、高所作業車が入れない場所では、作業員が電柱を上って作業する必要があるため、今でも20~30分はかかるという。
同社によると、今年に入り、カラスの巣が原因と断定された停電事故は、県内で1件あった。
4月6日午前0時45分ごろ、水戸市大工町の電柱にあった巣が電線などに触れて異常な電流が流れ、電気が遮断された。
現場確認や巣の撤去のため、周辺の約1200軒が約80分間も停電した。
同社が取材時に把握していたカラスの巣は、県内だけで1874個。
うち送電鉄塔が1566個を占め、電柱は308個。
緊急性の高いものはすぐに撤去するが、それ以外は基本的には経過観察を続け、ヒナが巣立ってから、必要なものだけ撤去するという。
今年は、これまでに90個程度を撤去した。
県内も梅雨明けし、いよいよエアコンが欠かせなくなる。
飯田班長は、「風などで巣が崩れて電線に触れて停電にならないよう、取り除くべき巣はしっかりと取り除きたい」と話した。
出典
『ルポ 電柱上のカラスの巣撤去作業 漏電の原因』
https://mainichi.jp/articles/20180707/k00/00e/040/207000c
7月10日10時33分に朝日新聞からは、名古屋市での撤去状況ルポが下記趣旨でネット配信されていた。巣の写真付き。
電力会社にとって、今年も「やっかい」なシーズンを終えようとしている。
毎年2~7月は、電柱に作られたカラスの巣の撤去に追われるからだ。
停電を引き起こす恐れがあるため、中部電力は昨年、名古屋支店だけで年間6000個あまりの巣を取り除いた。
多い時には1日10回以上も「出動」する撤去現場に同行した。
6月上旬の名古屋市熱田区の住宅街。
高さ約13mの電柱を見上げると、先端には直径約50cmの巣があった。
枝や電線くず、ビニールひもを使い、工夫を凝らしたつくりになっていた。
作業員が高所作業車に乗り、巣にカラスがいないことを確認し、手袋をはめて巣を電柱からはがしとった。
この間、わずか1分ほど。
親ガラスに気づかれると、つつかれたり、追いかけられたりするため、作業は素早くするのが鉄則だ。
営巣シーズンである2~7月は、毎年、各地でカラスの巣による停電が相次ぐ。
名古屋市と近隣35市町村を管轄する中部電力名古屋支社によると、管内では、昨年2~6月にあった43件の停電のうち、3割弱の12件がカラスの巣が原因と判明。
同支社が、昨季、撤去した巣は6208個にのぼる。
中部電力によると、巣に使われた材料が電線に触れた状態で雨が降ると、漏電が起きて停電することがあるという。
4月19日には、カラスの巣が原因で、名古屋市東部を中心に約3万1000戸が停電した。
ただ、停電に直結しそうにない場所の巣は、すぐに取り除かない。
同社熱田営業所の山口・配電課司令長は、「すべて撤去して、停電しやすい場所につくられても困る」という。
あえて残した巣には注意を呼びかける看板をつけ、子ガラスが巣立つのを待ってから、取り除くことにしている。
カラスの生態に詳しい宇都宮大の杉田昭栄特命教授(動物形態学)によると、電力会社は電線に突起物を付けるなどの対策をしているが、「カラスは適応能力が高く、すぐに慣れてしまう。有効な対抗手段はなく、共存していくしかない」と話す。
出典
『停電原因のカラスの巣、撤去にも一工夫 中部電力』
https://www.asahi.com/articles/ASL753HMVL75OIPE009.html
2018年7月7日19時2分にNHK富山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故で大型トラックが横転したことを想定して、ロードサービスの会社の作業員が元の状態に戻すための手順を学ぶ研修会が、富山市で開かれた。
研修会は、車の事故が起きた場合に現場で安全に作業を進められるように富山市のロードサービスの会社が開いたもので、県内のほか、石川県や新潟県の同業の会社あわせて15社が参加した。
企画した会社の研修所には、実際に横転した状態の25トンのトラックが用意され、講師役の作業員はまず、元の状態に戻した時の車体への衝撃を和らげるため、タイヤが着地する位置に専用のエアバッグを設置するよう指導した。
また、横転しているトラックにブレーキがかかっていない場合も想定して、タイヤ止めを事前に置いた上で作業を始めるように指摘していた。
このあと、レッカー車でトラックを引いて元に戻す作業が進められ、参加者たちは動画を撮影するなどして、作業の手順を確認していた。
研修会を開いたロードサービスの会社の中林専務取締役は、「大型トラックの事故は多くはありませんが、事故が起きると道路がふさがり、大きな影響が出ます。効率よく対応できるように、継続して取り組んでいきたい」と話していた。
出典
『横転大型トラックを元に戻す研修』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/toyama/3063007421.html
(ブログ者コメント)
映像によれば、1トンフレコンほどあろうかという大きさの膨らんだエアバッグを、横転状態のトラックの前後のタイヤの下に1個ずつ置き、その後、レッカー車で復旧させていた。
復旧時、エアバッグは大きく凹んだものの、破裂するようなことはなかった。
2018年7月10日付で毎日新聞東京版から、写真や表付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
各地で記録的な降雨量となった西日本豪雨。
ほぼ同時に広範囲で土砂災害や浸水被害が発生し、自治体は被害把握や救助活動に追われ、混乱した。
気象庁も、大雨特別警報を異例の11府県について発表。
広域の住民に避難を促したが、逃げ遅れや避難中の被害が相次いだ。
「想定外」への備えが、改めて問われている。
「災害の範囲だけで言えば、2011年の東日本大震災級の規模だ」。
京都大防災研究所の松四雄騎准教授(山地災害環境学)は、今回の豪雨をこう評価した。
大雨による洪水や土砂崩れが重なった複合災害は、複数の府県で同時多発的に起こり、広域災害への対応の難しさを浮き彫りにした。
14年に土砂災害で死者77人が出た広島市の担当者は、「これほど広範囲で同時に多発する災害は経験がない」と、悲鳴を上げた。
4年前の被害は同市安佐南区、安佐北区に集中したが、今回は死者・安否不明者が全8区ある行政区のうち4区にまたがったため、けが人や被害の情報を把握するだけでも困難を極めたからだ。
広島県危機管理課の桑原参事は、「4年前の土砂災害は、主に広島市だけに応援職員を派遣すればよかったが、今回は違った。情報整理のあり方も含め、検証しなければならない」と話した。
一方、岡山県倉敷市真備町地区では小田川の堤防が決壊し、過去最大規模の浸水が生じたほか、同地区以外でも河川の氾濫や土砂崩れがあり、自衛隊の派遣要請が相次いだ。
愛媛県宇和島市では、吉田町を中心に無数の土砂崩れが発生。
山間部の道路が寸断され、土砂崩れに巻き込まれた被害者の救出も難航。
被害調査すら進まず、9日になっても全体像がつかめない状況は、岡山、愛媛両県で共通する。
松四准教授は、阪神大震災(1995年)や東日本大震災を機に、自然災害のうち地震対策に重点を置いてきたことを挙げ、「広域に降る豪雨対策への遅れがある」と分析。
「今回の豪雨を機に、住民に具体的にリスクを伝える仕組みを作るべきだ」と呼び掛けている。
静岡大の牛山素行教授(災害情報学)も、「今回のような前線による大雨は、危機感を持って構えにくいのが現実だ」と指摘。
「広域に被害を出す大雨があると、もっと認識すべきだ」と訴える。
【特別警報、異例の予告】
今回の豪雨では、気象庁の黒良・主任予報官が6日午前の記者会見で、事前に「大雨特別警報を発表する可能性」に言及した。
前日の5日にも会見で、記録的な大雨への注意を呼び掛けていた。
同庁が台風以外で事前に警戒を呼び掛けることはあまりなく、特別警報の発表の可能性に触れるのも異例だ。
しかし、結果的に、死者は100人を超えた。
特別警報は、数10年に1度レベルの大災害の恐れがある場合、最大限の警戒を呼び掛けるもの。
大雨では、一定の範囲で3時間あるいは48時間の雨量と、土壌にたまった雨量(土壌雨量指数)がいずれも50年に1度の値を超えて、今後も降雨が続くと判断した際に発表される。
今回は6日午後5時過ぎ、福岡など九州北部3県に出したのを皮切りに、8日朝までに中国、近畿、東海、四国の計11府県について発表した。
「前線が停滞し、記録的な大雨になることが分かっていたから」で、降雨量や土壌雨量指数が基準に達する前に発表した府県もある。
一方、人的被害が大きかった愛媛県は、7日午前7時半には、3時間雨量などが基準に達していた。
この時点で、特別警報の発表を検討したが、大雨をもたらした雨雲が東に抜ける見通しがあり、見送った。
その後、突発的に発生した積乱雲が短時間で大雨を降らせ、結局、特別警報を発表したのは8日午前5時50分。
同庁は、「特別警報の判断は妥当だった。突発的な積乱雲は予想できない」と説明する。
ただ、7日午前には県南部を流れる肱(ひじ)川は氾濫していた。
牛山教授は、「特別警報は、『どうにかして逃げて』と最後に背中を押す手段で、発表には慎重を期さなければならない。愛媛のケースも、特別警報が出る前に大雨警報や土砂災害警戒情報などがしっかりと出ていた」との見解を示す。
その上で、「特別警報を待って避難行動を取るのでは遅い」とも指摘した。
また、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨が降ったとみられる際に出される「記録的短時間大雨情報」は、被害の大きい広島、岡山両県には出ていなかった。
西日本から東日本の広い範囲で数日間にわたって降り続けたのが、今回の特徴だ。
雨が土壌に蓄積されたり河川に流れ込んだりして、各地で土砂災害や河川の増水・氾濫をもたらした。
出典
『西日本豪雨(その1) 「想定外」の被害拡大 同時多発で混乱』
https://mainichi.jp/articles/20180710/ddm/003/040/105000c
7月13日11時46分に朝日新聞からは、13日時点で死者は204人にのぼったという、下記趣旨でネット配信されていた。
西日本を中心とする豪雨災害は13日、大雨特別警報が最初に出た6日から、1週間を迎えた。
広島県と愛媛県では、なお2000人が孤立状態とみられている。
死者が200人を超える中、行方不明者の捜索が続く。
警察庁の13日午前4時45分時点のまとめでは、心肺停止で発見され、その後に死亡が確認された人を含めて、死者は204人。
朝日新聞がまとめた13日午後1時時点の行方不明や連絡を取れない人は、少なくとも62人にのぼる。
今回の災害では、土砂崩れが広域的に発生。
道路が寸断されて、孤立状態になる地域が相次いだ。
・・・・・
自治体の集計では、孤立状態が「解消」とされても、車が通行できずに不便な生活が続く集落もある。
・・・・・
2014年の内閣府の調査では、災害時に孤立状態になるおそれがあるとされた集落は、全国に約1万9000にのぼる。
出典
『204人死亡、2千人なお孤立状態 西日本豪雨1週間』
https://www.asahi.com/articles/ASL7F32RML7FPTIL006.html
2018年7月20日付で毎日新聞東京版(朝刊)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本を中心に甚大な被害が出ている豪雨で、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、6~7日にかけて中国・四国地方周辺に大雨をもたらした雨雲を解析した三次元動画を公表した。
積乱雲が数珠つなぎに次から次へと生じる「バックビルディング現象」が各地で多発し、同じ場所に長時間、激しい雨を降らせていたことが確認された。
気象庁や国交省の気象レーダーの記録から解析した。
南西から暖かく湿った空気が流れ込み、最大高度約7kmの積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が多発していた。
さらに、積乱雲の成り立ちを詳しく見ると、積乱雲の風上に次の積乱雲が連鎖的に発生するバックビルディング現象がみられた。
同研究所によると、積乱雲の寿命は30~60分程度だが、この現象が起きると、地上からは、あたかも一つの積乱雲が同じ場所に長くとどまり、激しい雨を降らし続けるように見えるという。
2014年8月の広島土砂災害や、昨年7月の九州北部豪雨でもみられた。
広島県では、6日午後6時以降、局地的に1時間に100ミリ超の猛烈な雨が降り続いた。
同研究所の清水慎吾・主任研究員は、「広島県の上空で南風と西風がぶつかり合って生まれた強い上昇気流が、線状降水帯を長時間維持させた可能性がある」と分析する。
出典
『西日本豪雨 「バックビルディング現象」積乱雲次々 同じ場所で長時間の雨
防災科研』
https://mainichi.jp/articles/20180710/ddm/001/040/163000c
2018年7月9日21時1分にNHK岡山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岡山県内では、LPガス事業者が保管していたガスボンベが、近くを流れる川からあふれた水で押し流される被害が相次いでいたことがわかった。
岡山県内のLPガス事業者でつくる岡山県LPガス協会などによると、高梁川や小田川の水があふれた影響で、7日から8日にかけて、矢掛町にある「備中ガス」や、いずれも高梁市の「全農岡山県本部LPガス貯蔵所」と「備北液化ガス販売」で、保管していたガスボンベ、合わせて1400本が押し流されたという。
協会によると、9日午後5時までに瀬戸内海などで、およそ240本を回収したということだが、一部の家庭に置かれたガスボンベも押し流された可能性があるということで、協会は、ガスボンベを見つけた場合は、すみやかに地元の消防に報告するとともに、触らないよう、呼びかけている。
出典
『大雨でガスボンベの流出相次ぐ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180709/4020000678.html
7月13日付で愛媛新聞からは、流出元は不明で一般家庭かもしれないが、愛媛県でもボンベが流されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛媛県LPガス協会は、豪雨で流出しているLPガスボンベを、むやみに触ったり移動させたり、周辺で火気を使用したりしないよう、注意を呼び掛けている。
県協会は、ガスボンベが河川や海岸などに漂着しており、現時点で二次被害リスクが残存している可能性は低いとしながら、発見したら県協会まで連絡するよう要請している。
また、浸水したガス施設は、配管や機器内に水や泥がたまっている可能性があり、使用再開前にLPガス販売店に連絡し点検を受けることや、ガス臭いと感じたときは直ちに使用を停止し販売店に連絡するよう、呼び掛けている。
出典
『愛媛豪雨災害 「ガスボンベ触らないで」 県協会が注意呼び掛け』
(ブログ者コメント)
報道がブログ者の目に留まらなかっただけで、岡山、愛媛以外の府県でも、ボンベが流出している可能性がある。
(2018年7月19日 修正1 ;追記)
2018年7月17日6時11分にYAHOOニュース(読売新聞)から、岡山と愛媛で流出したボンベの大半が回収されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。 (新情報に基づき、タイトルも修正した)
西日本豪雨では、岡山、愛媛両県の被災地で引火性のLPガスボンベ約2400本が川や海に流失し、業者や海上保安部が回収に追われている。
大半が回収され、引火や爆発の事故は起きていないが、土砂崩れの現場で埋まっている可能性もあり、経産省が注意を呼びかけている。
岡山、愛媛両県のLPガス協会によると、岡山県では高梁川とその支流が氾濫し、高梁市と矢掛町にあるガス事業者の敷地内から、計約1400本のボンベが押し流された。
約800本が流された事業所の従業員は、「これまで浸水したことはなかった」と語った。
愛媛県では、大洲市の肱川があふれ、約1000本が流失。
瀬戸内海を挟んで対岸の山口県の沖合で見つかったボンベもあり、第6管区海上保安本部(6管)が数10本を回収した。
河口や海上の捜索で、16日までに2200本以上を回収したが、海上のガスボンベが船にぶつかれば爆発したり船が破損したりする可能性があるため、6管が注意を呼びかけている。
岡山県LPガス協会の山田専務理事は、「ガスが漏れても屋外ではすぐに薄まるが、火の気は禁物。ボンベを見つけたら、協会や業者に伝えてほしい」と話す。
土砂崩れの現場では、重機で土砂を撤去する際、気付かずにボンベを破損させる恐れがある。
経産省によると、2府4県の計15戸でボンベの埋没が確認された。
広範囲で土砂災害が起きた広島県では、さらに多くのボンベが埋まっている可能性があり、県LPガス協会は、破損した場合はボンベから離れ、協会に知らせるよう求めている。
出典
『ガスボンベ海流出、200本が未回収…爆発注意』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180717-00050002-yom-soci
7月17日21時1分に山陽新聞からは、岡山県高梁川流域で流出したボンベはほぼ回収されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本豪雨により高梁川流域で流出したLPガスボンベが、17日までに1411本回収された。
高梁市などのガス事業所から流れたボンベはほぼ回収されたとみられるが、水没した民家からも流出した可能性があり、関連事業者がパトロールを続けている。
岡山県LPガス協会によると、6日以降、高梁市内2カ所と矢掛町内1カ所の充填・貯蔵設備が冠水し、空容器を含め計約1400本が流出した。
一部は笠岡市の北木島などに漂着していた。
民家のボンベは鎖で固定しているものの、2階まで水没した倉敷市真備町地区などでは外れて流された可能性もあり、今後も、会員が高梁川水系の中州などを見回る。
同協会によると、ボンベにはガス漏れを防ぐ安全バルブやバルブを保護する鉄製プロテクターが付いている。
ただ、復旧作業中の重機が接触した場合など、重大事故の恐れがあり、「容器を発見したらすぐ、協会や消防に連絡を」と呼び掛けている。
出典
『流出LPガスボンベほぼ回収 高梁川流域のパトロールは継続』
http://www.sanyonews.jp/article/752673
2018年7月9日20時44分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛媛県西予市野村町では、7日早朝に町内を流れる肱川が一気に増水。
中心部の広範囲が水につかり、逃げ遅れたとみられる5人が犠牲になった。
約2km上流にある野村ダムが豪雨で満杯となり、放水量が急激に増えたことが氾濫の原因の一つとみられるが、早朝の急な放水情報が十分に届かなかった住民もいた。
西予市野村町の女性(65)は、7日午前6時頃、消防団に避難を呼びかけられ、約30分後に両親と夫と車で避難しようとした。
しかし、すでに川は氾濫。
自宅に戻ったところ、すぐに2階まで水につかり、屋根に上って救助を待った。
数時間後に水が引いたため助かったが、女性は「ぎりぎりだった。命があって良かった」と声を震わせた。
西予市では、7日午前7時半までの24時間雨量が、観測史上最大の347ミリにのぼった。
雨水は野村ダムに流入し、満杯になるとダムから水があふれ出るため、四国地方整備局のダム管理所は午前6時20分、流入分とほぼ同量の水を放出する「異常洪水時防災操作」を開始。
放水量は操作前の2~4倍に急増し、午前7時50分には過去最多の毎秒1797m3に達した。
通常は、放水する場合、ダム管理所が事前に市にファクスで知らせるが、今回は「状況が厳しく、数時間後に放水量が増える」と、市に電話で連絡した。
また、午前5時15分からは川沿いのサイレンを鳴らして放水を知らせるなどし、同整備局の清水・河川保全専門官は、「ダムが満杯になれば、水をためることは不可能。定められた通りに対応するしかない」と語る。
一方、市は午前5時10分に、同町内の一部に避難指示を発令。
防災行政無線で「肱川が氾濫する危険性があるので、すぐに避難して」と呼びかけたが、「ダムの放水量が増える」という情報は発信していなかった。
これに対し、防災無線が聞こえなかったとの声も。
男性(42)は、妻の友人からのLINEで避難指示に気付いたという。
前夜、国交省の出先事務所に聞くと、「堤防を越えるようなことにはならない」と言われたといい、「ダムの決壊を防ぐためとはいえ、何とかならなかったのか」と憤る。
男性(85)は、「放水量が増えると知っていたら、もっと早く逃げたのに」と話した。
西予市の担当者は、「想定外の雨量で、当時としては最善の選択をしたつもりだ。今後、情報発信について検証したい」と語った。
出典
『ダムの放水量急増で川が氾濫、逃げ遅れ5人犠牲』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180709-OYT1T50054.html?from=ycont_top_txt
7月10日16時34分に産経新聞westからは、時系列的なダムからの放流量など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
西日本を中心にした記録的豪雨では、水位が上昇した各地のダムで水の放流が行われた。
愛媛県西予市から大洲市を経て、瀬戸内海へ流れる肱川のダムでも放流を実施したが、下流では川が氾濫。
広範囲が冠水し、複数の犠牲者がでた。
安全とされる基準量の約6倍に当たる水を放流したダムもある。
担当者は、「予想を超えた雨量だった」と話すが、住民からは「ダムの操作は適切だったのか」と疑問の声が上がっている。
肱川上流にある大洲市の鹿野川ダム。
安全とされる放流量の基準は毎秒約600トンで、超えると家屋への浸水の可能性があるとされている。
同市などによると、台風7号が九州に近づいた3日から、基準の約600トンを上限に、徐々に放流を開始。
7日午前5時半には雨量が増し、上限を毎秒約850トンに引き上げた。
午前7時すぎには、ゲートをほぼ開いたままにせざるを得ず、午前9時ごろ、川の水が堤防を越え始め、放流量は最大毎秒約3700トンに達した。
肱川中流に位置する市中心部などの約4600世帯に浸水。
車に乗ったまま流されたり、自宅に水が流れ込んできたりして、4人が死亡した。
同市菅田町菅田の農業、谷岡さん(67)は、「ダムの放流量が多過ぎたのではないか。事前にもう少し調整できたのでは」と、疑問を持つ。
一方、大洲市の担当者は、「雨量が多過ぎてダムの容量を超えた。やむを得なかった」。
管轄する国交省水管理・国土保全局の担当者も、「ダムの操作は工夫していたが、想像を超えた雨量だった」と話した。
鹿野川ダムの上流、愛媛県南部の西予市にある野村ダムでも、放流が行われた。
その後、同市内で肱川が氾濫、逃げ遅れた5人が遺体で見つかった。
被害が大きかった同市野村町野村では、床上浸水が約570戸、床下浸水が約80戸に及んだ。
「死ぬ一歩手前だった」。
自宅2階に逃げたが、首まで水が押し寄せ、2時間近く救助を待ち続けた同町野村の男性(73)は、そう振り返る。
国交省四国地方整備局野村ダム管理所によると、7日未明に貯水能力の8割以上に達したため、マニュアルに沿って午前6時20分、ダムに入る水量と同量の水を流す緊急放流を開始し、数10分後に肱川は氾濫した。
担当者は、「1時間前にはサイレンや市内アナウンスで、ダム放流による水位上昇を知らせ、住民に避難を呼びかけた」と説明。
「ダム自体があふれる恐れがあり、やむを得ない措置だった。住民への周知方法は今後検討していきたい」とした。
北海道大大学院の山田朋人准教授(河川工学)は、「ダムの容量を超えると予測される場合は、情報収集に努め、避難を早めに促すことが大切。自治体ごとに状況は違うので、河川の改修や堤防の整備など複合的な対策が必要だ」と話している。
出典
『各地のダムで放流、基準の6倍も…首まで水、男性「死ぬ一歩手前」恐怖語る 操作に疑問も』
http://www.sankei.com/west/news/180710/wst1807100074-n1.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
7月13日19時26分にNHK四国からは、安全基準の6倍という過去最大の放流が行われたが、住民には放流するとしか伝えられていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大洲市の鹿野川ダムでは、今月7日、過去最大量の放流が行われ、下流の肱川が氾濫して、車を運転していた女性が流されて死亡するなど4人が死亡し、4600棟の住宅に浸水などの被害が出た。
鹿野川ダムでは、放流に際して安全だとする基準は毎秒600トンだが、7日は、一時、その6倍以上にあたる毎秒3700トンが放流された。
この放流について、NHKなどが、住民にどのような周知を行ったか国交省四国地方整備局に確認したところ、文書で回答があり、「放流量を急激に増やすので、厳重に警戒してください」などと、車両や河川沿いのスピーカーで周知を行ったとしている。
大洲市は、肱川が氾濫するおそれがあるとして、ダムの放水量が最大になる1時間ほど前に避難指示を出していて、整備局は、基準を大幅に超える放流を行えば、下流域で大規模な浸水被害が起こる可能性を認識していたものの、安全とする基準の何倍を放流するかなどを住民に伝えていなかったことがわかった。
これについて整備局は、「大雨の程度によって、流れ込む水の量も変化し、放流量が流動的になるため、具体的な数値を事前に周知するのが難しい」として、放流の際の住民への周知は適切だったとする一方で、改善点があれば、検討していきたいとしている。
これに対し、ダムの放流によってもっとも早く浸水が起きると想定されていた菅田地区の自治会長・小川さん(男性)は、「基準の600トンの何倍にもなるのなら、数字で示してもらいたかった。周知を工夫してもらえれば、住民の危機意識も変わるのではないか」と話していた。
出典
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20180713/0001519.html
7月13日14時25分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
鹿野川ダムのある大洲市。
ダムから約1.5km下流で料理店を営む岩田さん(女性、59歳)は、7日午前7時ごろ、スピーカーから「放流します。川岸に近づかないで」と流れるのを聞いた。
放流はいつものことで、普段通り過ごしていたが、約1時間後に川からあふれた水が自宅に迫り、慌てて高台に逃げて助かった。
「一気に何千トンも流す時は、もっと分かるように言って」と憤る。
さらに上流の西予市野村町には、野村ダムがある。
7日被災した同地区の男性(77)は、「朝の時点では何も聞かなかった。いっぺんに放流するからこんな事態になる」
障害のあるおじが浸水した家に取り残されたという女性(53)は、「警報を鳴らしても分からない人や聞こえない人がいることも考えて」
と訴えた。
何が起きていたのか。
2つのダムを管理する国交省四国地方整備局によると、鹿野川ダムでは、この日、放置すれば決壊する恐れもあったことから、流入量とほぼ同じ量を下流に流す緊急操作を、午前7時35分に実施。
最大で、安全基準の6倍を超える1秒間に約3700トンの水を放流した。
野村ダムでも、午前6時20分から同様の操作を行った。
担当者は、「放流量を増やすことで川の氾濫は予測できたが、避難を促すのは市の役割。洪水被害の直接の原因は、想定外の豪雨だ」と話す。
野村ダムを抱える西予市は、午前5時すぎ、防災行政無線で住民に避難指示を発令。
その後も複数回行い、避難誘導もしたという。
担当者は、「最大限の対応はした」と強調する。
一方で、国交省が大洲市の住民向けに緊急速報メールで「河川氾濫の恐れ」と配信したのは、大量放流開始後の午前8時40分だった。
愛媛大防災情報研究センターの矢田部龍一教授は、「ダム放流による洪水災害は、住民が自分のことだと認識しているかが問題。流域の学校での防災教育など積極的な取り組みが必要だ。的確な情報発信や伝達に関し、いま一度検討する必要がある」と語った。
出典
『ダムから大量放流、被害拡大=大雨で増水、基準6倍超-住民「説明足りない」・愛媛』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071300734&g=oeq
ちなみに、7月12日7時8分に読売新聞からは、全国8つのダムで大量放流が行われていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今回の豪雨では、全国558の治水ダムのうち213ダムで、下流へ流れる水量を調整する「洪水調節」が行われた。
このうち野村、鹿野川(愛媛県)、野呂川(広島県)、日吉(京都府)など8ダムで、異常洪水時防災操作で大量の放流が実施された。
7日朝から昼過ぎまで異常洪水時防災操作が行われた野村ダムの下流域の愛媛県西予市では、氾濫による浸水被害で5人が死亡。
鹿野川ダムや、野呂川ダムの下流域でも、浸水被害が出た。
出典
『6府県の8ダム、満杯で緊急放流…西日本豪雨』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180712-OYT1T50006.html?from=ycont_top_txt
2018年7月7日22時43分に山陽新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午前4時半ごろ、笠岡市茂平、自動車部品メーカー「H工業」の本社工場に土砂が流入し、作業員6人が生き埋めになった。
消防などが救助に当たったが、57歳と43歳の男性従業員の死亡が確認された。
工場は24時間操業で、当時は夜勤の従業員60人が駆動系部品などを製造しており、6人は1グループで作業していた。
7日未明に土砂や倒木が流れ込み、機械設備が押し倒されて板金部品や備品が地面に散乱した。
Sさんは入社以来、本社工場一筋。
会長(66)は、「高卒で私が採用した人。早く見つかってほしい」と無事を信じて待ったものの、夕方に心肺停止の状態で見つかった。
命に別状がなかった4人とともに、Sさんに先駆けて見つかったYさんについては、「まじめで信頼できる人物だった」と、言葉を詰まらせた。
出典
『工場土砂崩れで生き埋め2人死亡 笠岡・ヒルタ工業で夜勤作業中』
http://www.sanyonews.jp/article/747240
(ブログ者コメント)
〇7月8日付の中国新聞ネット配信記事には、崩れた裏山の写真が掲載されていた。
それによると、こんもりした裏山の中腹付近が、えぐり取られたように崩れている。
『笠岡・井原で3人死亡 土砂流入』
〇7月10日付の毎日新聞によれば、岡山県には6日夕方から7日午後まで、大雨特別警報が発令されていた。
『西日本豪雨(その1) 「想定外」の被害拡大 同時多発で混乱』
https://mainichi.jp/articles/20180710/ddm/003/040/105000c
総社市のアルミ工場と同様、特別警報が出たからといって、すぐに工場の操業を止めるわけにはいかなかったのかもしれないが、関係者の方にとっては、悔やんでも悔やみきれない結果になってしまった。
〇常日頃、危険予知活動している事業所も多いと思うが、今回事例の横展開として、普段の作業以外、事業所が土砂崩れや浸水などの自然災害で被害を受ける可能性について危険予知するのも、有用ではないかと考える。
危険予知活動のマンネリ防止にもなることだし・・・。
2018年7月7日6時49分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日午後11時半ごろ、岡山県総社市下原にある「Aアルミ産業」のアルミ工場で爆発があった。
警察によると、周辺の住宅の窓ガラスが割れるなどして、住民10数人がけがをしたが、いずれも軽傷とみられるという。
また、爆発の影響で、工場の近くの住宅や車庫など3棟が全焼したという。
爆発が起きた時、工場は操業しておらず、敷地内に人はいなかったという。
岡山県には大雨の特別警報が出されていて、総社市の隣の倉敷市では、6日午後11時半までの1時間に17ミリの、やや強い雨が降っていた。
工場の近くを流れる高梁川の周辺は広い範囲で水につかり、警察や消防が現場に近づけないという。
警察は、アルミニウムを溶かす炉が何らかの原因で爆発した可能性が高いとみて、原因を調べることにしている。
出典
『岡山 総社 アルミ工場で爆発 10数人けが』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180707/k10011519171000.html
7月7日11時51分に朝日新聞からは、周辺民家の被害状況に関する下記趣旨の記事が、工場周辺の空撮写真とともにネット配信されていた。
工場の近くに住むAさん(男性、62歳)は6日夜、自宅で「ドーン」と下から突き上げるような激しい音を聞いた。
蛍光灯が消え、部屋の床一面に割れた窓ガラスが散乱したという。
隣室にいた妻は、飛んできたガラスで足を切って救急車で病院に運ばれたといい、「一体どうなっているのか。途方に暮れるしかない」と、茫然とした様子で語った。
近くに住む主婦(72)は、「家のガラス25枚くらいが全て割れた。蛍光灯も落ちて、家具もひっくり返った。けがはなかったけど、本当に恐ろしかった」と振り返った。
出典
『岡山・総社の工場が爆発 「二次爆発」の恐れで避難指示』
https://www.asahi.com/articles/ASL772VZXL77PPZB00J.html
7月8日18時57分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
近くに住む女性(63)は、自宅で「ドン」という爆発音を聞いた直後、燃えたアルミ片とみられる赤い物体が降ってきたため、思わずテーブルの下に身を隠したという。
屋根に穴が開いており、「何が起こったかもわからず、とにかく地獄のようだった。ここで死ぬのかと思った」と、声を震わせた。
工場から北約2kmの市立神在小学校では、入り口のドアの窓ガラス1枚にひびが入った。
当時、大雨で富原地区の約120人が避難しており、富原自治会長の下山さん(男性、71歳)は、「大雨と爆発という、これまでに経験のないことが起きた」と、不安そうに話していた。
出典
『大雨に加え爆風、赤い物体降る「死ぬと思った」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180708-OYT1T50023.html
7月7日21時42分に毎日新聞からは、川が増水したため炉を止め避難していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
工場は高梁川沿いにあり、増水したため同日午後10時ごろに炉の運転を停止し、従業員は退避していた。
浸水による漏電や落雷の可能性があるという。
再爆発の恐れがあり、住民は近くの施設に避難した。
出典
『工場 アルミ溶解炉が爆発 3棟全焼 十数人けが 岡山』
https://mainichi.jp/articles/20180707/k00/00e/040/225000c
7月8日0時28分に時事ドットコムからは、浸水で溶解炉が水蒸気爆発した可能性大という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は、近くを流れる川の氾濫で工場の溶解炉が浸水し、水蒸気爆発が起きた可能性が高いとみて調べている。
出典
『アルミ工場で爆発=浸水影響か、土砂崩れも-岡山』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018070700354&g=soc
(ブログ者コメント)
〇写真などによれば、工場周辺は川からあふれ出した茶色い水で、一面、水浸し状態だ。
〇仮に、洪水で侵入した水による水蒸気爆発だったとすれば、聞いたことがない事例だ。
〇結果論になるが、炉の運転を、もう少し早く停止していれば、爆発は免れた可能性があったような気がする。
ただ、いくら大雨が降り続いているからといって、川が溢れそうなどという切迫した情勢にならない限り、そう簡単には操業停止できなかったのかもしれない。
(2018年7月20日 修正1 ;追記)
2018年7月19日14時12分に産経新聞westから、浸水の恐れがあったので炉を停止していたが水が膝まできたので避難したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
県警は19日、業務上過失傷害の疑いで工場を現場検証した。
当時、県内に大雨特別警報が出ており、工場内に浸水していた。
県警は、水が高温のアルミニウムに触れて水蒸気爆発したとみて、安全管理に問題がなかったか調べる。
工場は通常24時間操業だが、大雨で近くの川が増水して浸水の恐れがあったため、事故前に炉の運転を中止。
6日午後10時ごろには従業員全員が退社し、爆発時は無人だった。
捜査関係者によると、最後まで工場に残っていた従業員は、「高温のアルミを炉から取り出す作業をしていたところ、膝のあたりまで浸水がきて、ひどくなってきたので避難した」という趣旨の話をしている。
出典
『岡山の工場爆発で現場検証、浸水で水蒸気爆発か』
http://www.sankei.com/west/news/180719/wst1807190050-n1.html
2018年7月12日に山陽新聞から、被災状況の概要が下記趣旨でネット配信されていた。
岡山県内で11日午後8時までに、新たに3人の遺体が見つかった。
県によると、いずれも浸水被害が大きかった倉敷市真備町地区で発見され、県内の死者は計57人、同地区では計49人となった。
確認できた年齢は60~92歳で、多くは高齢者とみられる。
行方不明者は計18人。
浸水被害は約4600棟。
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出典
『西日本豪雨で岡山県死者57人 倉敷・真備で4600棟浸水被害』
http://www.sanyonews.jp/article/749469
7月9日18時39分に読売新聞からは、川が溢れた原因はバックウオーター現象だったなど、下記趣旨の記事が写真と地図付きでネット配信されていた。
真備町で被害が拡大した背景について、専門家は、高梁川の増水で支流の水が流れにくくなる「バックウォーター現象」が堤防の決壊を誘発したと指摘する。
国交省によると、高梁川の支流・小田川などで、少なくとも計3か所の堤防決壊が発生し、広範囲にわたる浸水の原因となった。
現地調査した岡山大の前野詩朗教授(河川工学)によると、高梁川と小田川の合流点の下流は、川幅が狭く、湾曲し、水が流れにくい「ボトルネック」になっている。
今回の豪雨では、高梁川の水位が合流点付近で急激に上がり、傾斜が緩やかな小田川の水が流れにくくなって水位が上昇。
高馬川など小田川の支流の水位も上がり、堤防が次々に決壊した。
前野教授は、「高梁川の水位上昇の影響がドミノのように支流に広がり、水位が高い状態が長時間続いた」と推測する。
国交省によると、小田川では1970年以降、大規模な浸水被害が5回発生。
72年7月の大雨でも堤防が決壊し、2000戸以上が床上浸水する被害が出た。
国交省は、高梁川と小田川の合流点を、現在より4.6km下流に変更し、洪水時の小田川の水位を低下させる河川改修を計画。
今秋に着工し、2029年頃をめどに完成させる予定だった。
前野教授は、「今回の水害は、過去と比べても最大級」とした上で、「付け替え工事が完成していれば、被害を回避できた可能性は十分ある」と話す。
出典
『「バックウォーター現象」で支流の水位急上昇か』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20180709-OYT1T50022.html?from=ycont_top_txt
7月9日22時55分に毎日新聞からも、同趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
真備町地区で起きた浸水被害について、支流の小田川が本流の高梁川に合流する際に水がせき止められる形となる「バックウオーター現象」が起き、水位が上昇した小田川の堤防が決壊した可能性があることが国交省への取材で分かった。
小田川は以前から水が流れにくく、氾濫の危険性が高いことで知られ、国が来年度から10年かけ、合流地点を移して水位を下げる工事に着工する予定だった。
国交省によると、小田川は合流地点から上流に3.4kmで100m、同6.4kmで50mにわたって決壊した。
高梁川は合流直後に大きく湾曲し、川幅が狭い箇所もあって、水位が高い。
支流がせき止められる形となるうえ、小田川は勾配が緩いため流れが遅く、合流が阻害される「バックウオーター現象」が起きやすいという。
今回の豪雨で高梁川の水位が押し上げられ、小田川の水位も上がり、堤防の決壊につながった可能性がある。
出典
『豪雨 倉敷・真備の堤防決壊、「バックウオーター現象」か』
https://mainichi.jp/articles/20180710/k00/00m/040/105000c
7月11日付で毎日新聞東京版(夕刊)からは、対策工事は地元の意見をまとめきれなかったため遅れていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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1級河川・高梁川と支流の小田川に囲まれた真備町地区は、洪水に悩まされてきた。
1972年には、流域の住宅約7300戸に浸水。
227戸が全半壊し、死者・行方不明者は15人に上った。
住民は半世紀にわたり、高梁川と小田川の合流地点を下流部に付け替えるよう、改修工事を国に要望してきた。
ただ、県は長年、地元の意見をまとめられず、工事計画はこう着状態になった。
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出典
『西日本豪雨 「水害危険」訴え無念 真備、来年度に河川改良 岡山・倉敷』
https://mainichi.jp/articles/20180711/dde/041/040/036000c
7月11日7時47分に産経新聞westからは、町の中核病院では屋外の緊急用発電機が使い物にならなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
面積の約3割が浸水した真備町地区の「まび記念病院」(80床)は周囲から孤立し、機能不全に陥った。
水位が上昇する中、地域医療を担う存在として、看護師が夜通しで患者をケア。
医師が運び込まれてきた避難者を手当てした。
水は既に引いたが、再開の見通しは立たないままだ。
7日朝、病院の周囲に押し寄せていた濁流が玄関の自動ドアを吹き飛ばし、1階ロビーになだれ込んだ。
のみ込まれた待合所の椅子や机が壁にぶつかって異様な音を立て、渦巻き状に旋回した。
病院の入沢事務部長は、吹き抜けの2階からぼうぜんと眺めていた。
水は1時間ほどで2mの高さまで迫り、やがて完全に停電。
屋外に設置された緊急用の発電機も使い物にならなかった。
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出典
『濁流押し寄せ病院、機能不全に 発電機壊れ、廊下に患者…まるで野戦病院 倉敷市真備町』
http://www.sankei.com/west/news/180711/wst1807110011-n2.html
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
7月12日15時22分にNHK岡山からは、真備町での犠牲者の多くは垂直移動が困難な高齢者だったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
真備町では、小田川の堤防などが相次いで決壊して広い範囲が浸水し、12日の午前中までに50人の死亡が確認されている。
亡くなった人は、「水死」または「水死とみられ」ているが、県や警察が遺体が見つかった場所を調べたところ、少なくとも39人が自宅で見つかっていたことが、関係者への取材で新たにわかった。
当時の真備町では、最も深いところで4.8mほどまで水につかったと国土地理院は推計していて、1階部分が完全に水につかる住宅も多くあった。
県などによると、死亡した高齢者が「玄関」付近や「1階の居間」などで見つかるケースが相次いでいて、緊急時に建物の2階以上に避難する、いわゆる「垂直避難」さえも困難だった実態が明らかになった。
出典
『自宅で死亡8割 垂直避難困難か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okayama/20180712/4020000763.html
7月11日10時14分に山陽新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
真備町地区で見つかった遺体のうち、9割が65歳以上の高齢者だった。
関係者によると、その多くが自宅内で見つかった。
防災の専門家は、浸水被害が夜間に、かつ急速に拡大した点に着目し、「足腰が弱り、上層階などに避難する『垂直避難』が難しい高齢者の逃げ遅れにつながったのではないか」と分析している。
県が午後5時までに把握した真備町地区の犠牲者は46人。
この中で、年齢や性別が公表された男女34人のうち、30人が91~66歳で、関係者によると、多くが溺死だったという。
近隣住民の話では、歩くのに手押し車が必要だったり、脚が悪くてほとんど外出できなかったりする人もいた。
各行政機関によると、真備町地区には6日午前11時半に避難準備・高齢者等避難開始が出され、その後、7日午前1時半までに避難勧告、避難指示が、順次発令された。
地区内を流れる小田川の支川・高馬川の決壊が確認されたのは、最初の避難関連情報から14時間後の7日午前1時34分。
複数の住民は、7日未明には地区内の水位が急激に上昇してきたと証言する。
倉敷芸術科学大危機管理学部の坂本尚史教授(災害危機管理)は、「夜間に垂直避難を試みた高齢者もいたはずだが、足腰が弱く、2階に上がるのさえ時間を要するほか、屋上や屋根に上がることは極めて困難だっただろう」と指摘。
普段から近隣同士で、高齢者や体の不自由な人たちの情報共有が重要とした上で、行政には「平時から、災害時の避難について住民への意識付けを徹底するほか、避難情報の伝達方法を考える必要があるかもしれない」としている。
出典
『夜間の浸水で「垂直避難」困難 倉敷・真備の犠牲者9割が高齢者』
http://www.sanyonews.jp/article/749226
7月10日15時24分に毎日新聞からは、自前のボートで孤立者の救出にあたっていた民間人がいたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
堤防が決壊し、2400人以上が、一時、孤立した真備町地区では、複数のボートが住民を助けて回った。
「困った時はお互いさま」。
名乗ることもなく救助に奔走した無名の人々に、住民たちは「一言でもお礼が言いたい」と、感謝の思いを募らせている。
7日午後、同地区の親族宅に避難していたAさん(男性、78歳)は、2階で親族4人と肩を寄せ、救助を待っていた。
激しい雨の中、目に障害のある三女(44)と足の不自由なおい(54)を連れて避難することはできなかった。
そこに、水色のボートに乗った3人組の中年男性が現れた。
「助けてくださーい」。
Aさんが懸命に手を振ると、ボートが寄ってきた。
ただ、周囲には助けを待つ高齢者がたくさんいた。
「そちらを先に」と頼むと、日焼けした一番年長の男性は、「見捨てたりしないから心配せんでいいよ」と励ましてくれた。
再びボートが現れ、救出されたのは午後5時ごろ。
「あの人たちがいなければ、私たちはここにいない。感謝してもしきれない」と話す。
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出典
『西日本豪雨 「見捨てたりしない」命救う無名のボート』
https://mainichi.jp/articles/20180710/k00/00e/040/254000c
今回の豪雨では各地で様々な川が氾濫しており、その一因としてバックウオーターなる現象がクローズアップされているが、当該現象防止のための設備対応はしていたが、それでも降雨量のほうが多かったため支流があふれたという事例も散見された。
以下は、ブログ者の目に入った事例。
【福岡県 久留米市】
7月10日19時6分にNHK福岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。。
西日本を中心とした豪雨では、久留米市でも、今月5日からの2日間の雨量が380ミリに達し、平年の7月1か月に降る雨の量を超えた。
市内を流れる筑後川の支流の陣屋川や大刀洗川など、少なくとも5つの川で水があふれ、およそ1500棟の住宅で水につかる被害が出た。
これについて地元の住民などからは、筑後川とこれらの支流の川との合流地点にある水門が閉じられたため、水門より上流に位置する流域で水があふれ、広く浸水したのではないかとの指摘が出ている。
一方、筑後川や支流の川を管理している国や県によると、筑後川の水位が高くなったため、流域に複数ある水門を7月6日の午後3時から、順次、閉じたと説明している。
これは、支流の川に大量の筑後川の水が逆流するのを防ぐための措置で、水門を閉じた上で、支流の川の水をポンプで筑後川に排水する措置をとっていたという。
ところが、雨が降り続いたため、支流の川の水の量がポンプの排水能力を上回り、流域に流れ出したと見られるという。
出典
『久留米浸水水門閉じていたためか』
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20180710/0001576.html
7月11日6時0分に西日本新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
久留米市の浸水被害は、大雨で水位が上昇した筑後川からの逆流を防ぐため、支流の水門を閉じたことによって水があふれる「内水氾濫」が主な原因だった。
ある程度の氾濫は織り込み済みのはずだが、国、県、市ともに、水門閉鎖に伴う避難の呼び掛けをしておらず、中小河川については、正式なハザードマップも未整備だった。
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国交省筑後川河川事務所は「避難の呼び掛けは、河川管理者の県か、避難勧告などを出す市の役割ではないか」
県は「中小河川は水位が一気に上昇し、予測が難しい」
市は「避難指示や避難勧告の基準になっていない」
としている。
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出典
『水門閉鎖で支流から氾濫 筑後川、本流からの逆流防ぐ措置 西日本豪雨』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/431882/
【京都府 舞鶴市】
7月12日17時48分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2004年の台風23号で大きな被害が出た京都府北部の由良川流域は、今回の西日本豪雨でも、集落が冠水した。
由良川の氾濫を抑える堤防の整備は進んだが、集落に降り注いだ雨水などの内水を由良川へ流せず、堤防の内側に水がたまった。
14年前の台風23号の豪雨災害では、全国で死者・行方不明者が98人にのぼった。
うち京都府内では、15人が死亡、住宅の全半壊と一部破損、床上床下浸水で1万棟以上の被害が出た。
由良川下流部の舞鶴市志高地区では、多くの車が水没。
観光バスの屋根に取り残された乗客たちが、「上を向いて歩こう」などを歌いながら夜明けまで耐えたことでも知られる。
国交省は04~16年に、京都府福知山市と舞鶴市の9カ所で堤防を整備。
宅地もかさ上げし、総事業費は約500億円にのぼった。
ところが、今回の豪雨で再び、浸水被害が出た。
舞鶴市志高地区では、7日午前0時ごろから、国道175号が冠水を始めた。
午前5時すぎに由良川が増水したため、内水を由良川に流す門が閉じられた。
行き場を失った内水は水かさを増し、国道付近の水位は1m以上になった。
住宅への浸水も相次いだ。
給食調理員の増本さん(女性、40歳)は、家族5人で公民館へ避難した。
「堤防はできたが、今度は山からの水がじわじわとたまっていくようになった」と話す。
舞鶴市の担当者は、「外水(由良川の水)からは守られるようになったが、内水が新たな問題になった」と認める。
京都大学防災研究所の中川一所長(防災水工学)は、「内水をポンプで川に流しても、増水して堤防が決壊すれば、より甚大な被害につながる。ハード対策には限界がある」と指摘した。
出典
『500億円で堤防整備したが…冠水招いた「内水」とは』
https://www.asahi.com/articles/ASL7B7X2DL7BPLZB03L.html
(ブログ者コメント)
「ハード対策には限界がある」という言葉は、今回の豪雨災害でも、しばしば耳にするところだ。
舞鶴市などで500億円かける対策工事を計画した際、今回問題になった「内水」問題は、どのくらい検討されたのだろうか?
2017年8月3日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7420/
(2018年7月13日 修正2;追記)
2018年7月6日19時9分に時事ドットコムから、次長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
府警捜査1課は6日、適切な安全管理を怠ったとして、業務上過失致死容疑で、訓練の安全管理者だった特殊警備基地の次長(59)や隊長(40)ら上司3人を書類送検した。
隊員らは第5管区海上保安本部(神戸市)の所属。
遺族側と示談が成立する見通しといい、同課は厳しい処分は求めなかったとみられる。
送検容疑は昨年7月12日、化学兵器で攻撃を受けたという想定の負傷者搬送訓練で適切な対応を取らず、隊員を熱中症にさせ、後日、死亡させた疑い。
出典
『海保隊員死亡で上司書類送検=熱中症対策怠った疑い-大阪府警』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018070601188&g=soc
7月6日20時6分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
書類送検容疑は昨年7月12日午後、府内の特殊警備基地で、負傷者搬送の訓練に参加していた男性隊員が熱中症による意識障害になったのに、すぐに搬送するなど適切な対応を怠り、同26日に入院先で死亡させたとしている。
捜査1課によると、3人は熱中症への認識が乏しく、隊員が倒れてから搬送までに約1時間を要していた。
専門家らの意見では、ただちに搬送するなど適切な措置を取っていれば、一命を取り留めていた可能性が高い。
訓練当日の天候は曇りで、気温は29.1℃だった。
出典
『隊員「熱中症」死で海上保安官ら3人書類送検、安全管理怠る』
http://www.sankei.com/west/news/180706/wst1807060079-n1.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。