2018年9月12日20時50分に中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力は12日、定期検査中の高浜原発3号機(福井県高浜町)の原子炉格納容器内で、協力会社の50代の男性作業員が作業計画の設定限度線量を超える被ばくをしたと発表した。
健康への影響はないとしている。
関電によると、男性は10日午後2時45分から約3時間にわたり、一次冷却水が流れる管の弁の分解点検作業に当たっていた。
作業計画では、1日当たりの限度被ばく量を0.9ミリシーベルトと設定していたが、男性は、この作業などで1.81ミリシーベルトを被ばくした。
空気マスクを着けていたために、線量計の警報音を聞き漏らしていた。
出典
『作業員が設定限度線量超える被ばく 高浜原発3号機』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018091290190410.html
9月12日21時30分に毎日新聞からは、被ばく線量は高くならないと考えてイヤホンを使わなかったなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
線量が超過した場合に警告音を出す線量計のイヤホンを作業員が付けておらず、管理者も作業内容の確認が不十分だったという。
関電によると、作業員は放射線量が高い1次冷却水の大型弁の近くで点検に従事していたが、「被ばく線量は高くならない」と考えて、線量計のイヤホンを使わなかった。
下請け会社の管理者は、弁のそばで長く作業することを考慮せず作業時間を設定していた。
出典
『高浜原発 3号機、作業員が計画線量超す被ばく』
https://mainichi.jp/articles/20180913/k00/00m/040/117000c
9月13日11時30分に福井新聞からは、線源と作業員の距離を十分に考慮せず作業時間の計画を立てたなど、同趣旨の記事がネット配信されていた。
関電によると、作業員はTバルブエンジニアリング(兵庫県)の下請け会社の50代男性。
10日午後、1次系の弁の分解点検を、約3時間10分、行った。
管理区域から退出する際に線量計を確認したところ、計画値の0.9ミリシーベルトを大きく超える1.81ミリシーベルトの被ばくが分かった。
作業員の被ばく線量低減のため、一日1ミリシーベルトを超える作業に従事する際は、事前に労基署長への届け出が必要。
関電は、同日中に敦賀労基署へ線量超過を報告した。
今回の作業では、線量計の警報音が聞こえるよう、イヤホンを付ける必要があった。
しかし、作業員は装着しなかったため、警報音に気づかなかった。
また、作業時間は2日前に同じ場所で行った別の作業員の被ばく実績値を元に、Tバルブの放射線管理専任者が決めたが、線源と作業員の距離を十分考慮しなかったことが、計画外の被ばくを生んだとしている。
出典
『高浜3号で計画線量の2倍超被ばく 作業員、内部被ばくや皮膚汚染なし』
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/699128
9月12日付で関電HPに、下記趣旨のやや詳細な記事がネット配信されていた。
当日の作業状況を調査したところ、当該作業員は、作業場所が高汚染区域であることから、エアラインマスク等を着用して作業を行っていました。
同マスクの着用時には、ADD警報音が聞き取りづらくなるため、イヤホンを使用することになっていましたが、当該作業員は、ADDの警報線量に達するほどの作業ではないと考え、イヤホンを使用していませんでした。
また、協力会社の放射線管理専任者が、前々日までの作業内容や被ばくの実績値を基に、当日の作業時間を設定していましたが、当該作業員は、前々日に比べて弁の近くで長く作業をしていたことが分かりました。
原因は、当該作業員がイヤホンを使用しておらず、ADDの警報音を確認できなかったこと、また放射線管理専任者が、当該作業員の作業内容を十分考慮せずに作業時間を設定したためと推定しました。
対策として、エアラインマスク等の着用の際には、イヤホンを使用することを周知徹底するとともに、作業前に着用していることを放射線管理専任者が確認します。
また、放射線被ばくに関する時間管理を要する作業については、作業開始前までに作業時間の妥当性について放射線管理専任者が確認するとともに、その内容を当社社員が確認します。
本件について、各協力会社に周知徹底しました。
出典
『高浜発電所協力会社作業員の計画線量超過について』
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2018/0912_2j.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。