2013年1月18日20時47分にmsn産経ニュース埼玉から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
さいたま労基署は18日、労安法違反の疑いで、埼玉県上尾市平方、食料品製造「Y食品」と同社の男性代表取締役(53)を書類送検した。
同署によると、昨年4月27日、女性従業員(66)がドラム缶を2階から1階にテーブルリフターで下ろそうとしたところ、落差3.68mの2階から転落し、脳挫傷などで死亡。
労安則では、高さが2m以上の作業床の端などには囲いや手すりなどを設けなければならないと定めており、同社はこうした危険防止策を講じなかった疑いが持たれている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130118/stm13011820470004-n1.htm
(ブログ者コメント)
本記事は、下記記事の続報。
2012年6月26日
[昔の事例の顛末] 2012年4月27日 埼玉県の食品工場でテーブルリフトの乗降口から転落死、国交省は違法な使い方とみて緊急点検を指示
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1974/
(2013年2月6日 修正1 追記)
2013年1月30日付で読売新聞埼玉版から、埼玉県内ではほとんどのテーブルリフトが違法状態で使われているという下記趣旨の記事が、上尾市事例の図解付きでネット配信されていた。
上尾市の菜種油製造販売会社がテーブルリフトをエレベーター代わりに違法に使っていた問題で、県内では昨年11月末時点で同じ構造のリフトが57台あり、うち55台がエレベーター代わりに使うなど違法状態だったことが国交省の調査でわかった。
現在も工場などで十分な安全対策をとっていない可能性があり、県などが注意を呼びかけている。
◇建築確認申請せず
同省などによると、上尾市の同社工場で女性従業員(当時66歳)が転落死したのは昨年4月27日。
工場のテーブルリフトが1階にある状態で、2階の扉を開けて乗ろうとしたところ、約3.7m下に転落し、頭などを強打して間もなく死亡した。
市消防本部から「リフトから人が転落した」との連絡を受けた市は、同社に立ち入り検査を実施。その結果、同社が建設時に建築確認を申請せず、無断でリフトを設置していたことが判明した。
市は同社に改善を指示し、同社はボタン操作で自動的に荷物を運べて、人が乗れないような仕組みにリフトを改修。昨年12月から使用を再開したという。
同社は、「安全性に対する認識が不足していた。現在は人が乗り降りすることはない」としている。
◇全国の9割超違法
この事故を重くみた同省は、昨年6月以降、同社にリフトを納入した製造業者の資料を基に全国調査を実施。
その結果、県内では昨年11月末時点で同じ構造のリフトが57台あり、うち55台が違法状態だったことがわかった。
また、全国でも点検対象の9割以上にあたる437台が人が乗り降りしたり、手すりがないなど違法状態だった。
同省は昨年12月以降、上尾市のケースとは別の事故に関係した製造業者を新たに2社公表。2社の出荷先についても調査を実施する方針だ。
同省は、「違法エレベーターは全国にどれだけあるかわかっておらず、実態把握は急務」(建築指導課)と力を込める。
◇コスト意識影響か
日本エレベーター協会によると、全国に設置されているエレベーターは少なくとも約80万台。
対してテーブルリフトは大小様々な形があり、流通実態はわかっていない。
複数の製造業者は、「一般にエレベーターより安価に設置できる」としており、背景には企業のコスト削減意識があるとみられる。
県建築安全課は、「費用をかけてでも安全性を高める努力をしてほしい」とし、県内の工場などにきちんと建築確認を受けるよう呼びかけている。
上尾市は、リフト使用の可能性が高い市内の工場や事業所をリストアップし、必要に応じて立ち入り調査などを行う方針だ。
市建築指導課の担当者は、「上尾の会社がリフトを使っていた事実は、事故が起きて初めて確認した。市の対応が十分だったかどうか検討したい」と話す。
◇テーブルリフト
荷台に貨物を載せてパンタグラフ式に上下する装置。
本来は重い荷物の運搬に使われるものだが、人がエレベーター代わりに使用した結果、重大事故につながるケースが後を絶たない。
国交省は、テーブルリフトなどの「違法エレベーター」による死傷事故を2010年12月以降、兵庫、新潟、大阪など11都道府県で少なくとも12件確認している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20130129-OYT8T01442.htm
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。