2015年7月8日9時26分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月7日19時20分にNHK東海NEWS WEBから、7月7日付で朝日新聞名古屋版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
また、7月8日付の岐阜新聞紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
岐阜県岐南町の名古屋鉄道名古屋本線・岐南駅で、走行中の電車の電源が落ちてブレーキが効かなくなり、停止位置を大きく超えてオーバーランした問題で、名鉄は7日、問題の車両が別の車両を切り離した後、「電気連結器」と呼ばれる部品の鉄製カバーが閉じるまでの間に雨水が入り込み、ブレーキなどを制御する電気系統のショートを引き起こした可能性があると発表した。
名鉄によると、先頭車両にある電気連結器の内部に雨水が入りこんだためショートが起きた可能性が高いとみて、専門機関に電気連結器に残っていた物質の分析を依頼していた。
その結果、電気連結器の内部に雨水の痕跡が確認されたほか、ショートを起こした際に発生する銅の炭化物も見つかったという。
このことから、電気連結器内で「電源切」の信号をやりとりする端子付近に水分が入り、100ボルトの電流がショートし、電源が落ちたと結論づけた。
電気連結器にはカバーがついていて、切り離すと通常は自動的にカバーが閉まり、水分が入らない構造。
当日は雨が降っていたが、早朝に連結切り離し作業をした際には、カバーが閉じていることを確認したという。
名鉄は、水分が入った経緯を「切り離した際に何らかの原因で雨水が入ったとみられる。特定はできない」としている。
この電車は、オーバーランした当日の6月3日朝、茶所(ちゃじょ)駅(岐阜市)で連結していた車両を切り離し、4両編成から2両編成に変更。
名鉄はこの日、国交省中部運輸局に検査機関の調査結果を提出。
電源喪失に備え、空気圧を使った非常ブレーキのかけ方などのマニュアルを作成し、連結器カバーの動作確認徹底や、連結器内部の清掃の頻度を増やすといった対策を取ったことも報告した。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150708-OYT1T50075.html
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20150707/3144141.html
7月8日付で朝日新聞名古屋版(聞蔵)からは、オーバーランした時の状況が、詳しくネット配信されていた。
オーバーランし、分岐でポイントを壊して停止した。
約5分後に電源が戻ると、客を乗せたまま、終点の須ケ口まで運行した。
後続電車3本は、安全が確認されていないポイントを通常の速度で通過していた。
名鉄で走行中の車輌の電源が落ちたのは初めてで、対応が混乱。
運転士は、非常ブレーキの利きが悪いと感じて一旦緩め、電源が落ちて利かなくなった普通ブレーキをかけようとした。
本社の運転指令は、通常運行の再開を指示し、ポイント故障に気付いたのは、事故の20分後だった。
7月8日付で毎日新聞岐阜版からは、運行上の問題についての対策などが、下記趣旨でネット配信されていた。
岐南駅で電車の電源が落ちオーバーランした問題で、同社は7日、原因究明の外部調査結果を公表するとともに、運行に関するマニュアルに同様事例の対策を加えたことを明らかにした。
会見した井上運転保安部長は、発生直後に運転指令が状況を把握できなかったことや、この電車がトラブル後に通常の安全確認のみで運転を再開させたことは問題だったとした。
その上で、運転指令の教育徹底を図るとともに、運転士や車掌が持つ運行に関するマニュアルに非常ブレーキを入れることなど、電源喪失時の対応を加えたという。
一方、電源が落ちた原因について東海技術センターが調査し、連結器の内部に雨水などが入って短絡したと特定した。
名鉄は、3カ月ごとに実施していた連結器絶縁部分の清掃を1週間ごとへと短くしたという。
井上部長は、「電源喪失は想定外だった。同様のことが起きないよう、安全運行に努めたい」と話した。
出典URL
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20150708ddlk21040096000c.html
(2015年7月19日 修正1; 本文に修正追記)
岐阜新聞に掲載されていた、電気連結器に水が入ったことに関するやや詳しい記事を、本文に追記修正した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。