2013年7月26日19時7分にNHK富山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年7月、富山地方鉄道、上滝線の上堀駅で到着する直前の列車が脱線した事故は、レールを固定していたボルトを締め直さなかったため、ボルトがゆるんで軌道の幅が広がったことが原因とわかった。
去年7月、富山地方鉄道上滝線の上堀駅で、2両編成の上り列車がホームのすぐ手前で脱線した。乗客20人が乗っていたが、けがをした人はいなかった。
国の運輸安全委員会が調べた結果、現場では軌道の幅が最大で8cm余り広がっていて、車輪の幅を超えていたという。
レールは脱線の2か月前に交換されていたが、その後、固定しているボルトを、一度も締め直していなかったという。
運輸安全委員会は、繰り返し列車が通過するうちにボルトがゆるみ、軌道の幅が広がって脱線した可能性が高いとしている。
運輸安全委員会によると、レールを交換したあとはボルトがゆるむのを防ぐため定期的にボルトを締め直す管理が必要だが、富山地方鉄道はこうした管理が必要なことを知らなかったという。
このため、運輸安全委員会は、ほかに軌道の幅が広がっている箇所がないか測定し、あれば速やかに直すよう、富山地方鉄道に勧告した。
富山地方鉄道は、担当職員4人を処分したほか、社長と運輸事業本部長も減給処分にした。その上で「このようなことが二度とないよう施設の整備や点検をしっかりと行います」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/toyama/3063317911.html?t=1374870221699
7月26日16時44分にKNB NEWSからは、上記とは別の情報などが、下記趣旨でネット配信されていた。
上堀駅で起きた脱線事故の原因について、運輸安全委員会は26日、調査報告書を公表した。
レールのずれが事故の2か月前から基準値を超えたままだったなどと指摘している。
報告書によると、事故の2か月前に交換された現場のカーブ部分のレールが基準通りに整備されておらず、列車が通った時にレールとレールの幅が広がって、脱線した可能性が高いとしている。
富山地方鉄道はレール交換後の確認で支障がないと判断し、そのまま運行に入っていた。
運輸安全委員会は、これらを重く受け止め、富山地方鉄道に対しレールの整備や維持の管理態勢や再発防止対策への取り組み計画を作成して実施状況を適切に管理することを勧告した。
出典URL
http://www2.knb.ne.jp/news/20130726_37314.htm
(ブログ者コメント)
熱や振動で緩む可能性があるボルトについては、締めた後、しばらくしてから増締めが必要だ。
日常生活でも、車のタイヤ交換をした時には、数日後に増締めする。
この点、NHKの「知らなかった」という報道が疑問に思え、運輸委員会の報告書を確認したところ、18ページにNHK報道どおりの下記表現があった。
「事故現場でのレール支持力の低下は、同社がレール交換後における締結装置の締め直し管理のことを知らず、これまで実施していなかったことから生じたものと考えられる。」
http://www.mlit.go.jp/jtsb/railway/rep-acci/RA2013-6-3.pdf
知識がないために起きる事故を防ぐには知識を得ることが一番だが、問題は、知識がないことをいかにして知るか?ということだろう。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。