2013年9月24日23時19分に毎日新聞から、9月25日0時10分に北海道新聞から、9月25日18時33分にNHK北海道NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運行をめぐる問題が相次ぎ特別保安監査中のJR北海道で、24日も普通列車から煙が上がったりブレーキの不具合が見つかったりした。
24日午後2時15分ごろ、JR根室線白糠駅構内で停車中の釧路発帯広行き普通列車(1両編成)の床下から白煙が上がり、油が漏れているのを運転士が発見。エンジンを止めると煙は収まった。乗客乗員15人にけがはなかった。
同社によると、車両後方にあるディーゼルエンジンの燃料タンク付近から油が漏れていた。
漏れ出した油がエンジン内のシリンダー外部に付着し、熱で気化して煙が出た可能性があるという。
列車は20日に定期点検を行ったほか、運行前に運転士が目視点検した際も異常はなかったという。
25日に調査の結果、燃料をエンジンへ送り込む直径2cmほどの細い管とエンジンとの接続部分にわずかな隙間が生じていて、ここから燃料がしみ出していたことが確認された。
エンジンに比べて配管が古く、接続部分が十分にかみ合っていなかった可能性があるということで、接続部分を改めて整備した結果、燃料漏れは収まったという。
一方、24日午後4時20分ごろには、JR石北線網走駅で、札幌発網走行き特急オホーツク3号(5両編成)の運行後の点検で、ブレーキ部品の一部が無くなっているのを整備士が発見。
同社によると、ブレーキパッドを動かす部品で、走行中に落下した可能性があるという
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130925k0000m040078000c.html
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/493652.html
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20130925/4779131.html
(ブログ者コメント)
整備士がブレーキパッドを動かす部品の脱落を発見したという件、普通に整備していれば発見は容易な場所だったのだろうか?
それとも、なかなか発見は難しい場所だったのだろうか?
もし後者であれば、整備不良ばかりが大々的に報道されている昨今、しっかり整備している現場も多いというポジティブ報道もしてほしいものだ。
(2013年10月23日 修正1 ;追記)
発煙トラブルの原因に関し、以下の3つの記事がネット配信されていた。
一つの記事にまとめようとしたが元記事の微妙なニュアンスが損なわれるため、3記事を併記する。
(2013年10月18日21時38分 毎日新聞)
燃料をエンジンに送る管のつなぎ目に隙間が生じ、軽油が漏れたのが原因だったことが18日、JR北海道への取材で分かった。
JRによると、この車両は9月24日、釧路運輸車両所でエンジンに燃料を供給する管に差し込むノズルを新品に交換した。
管の先端は汚れや傷で凹凸ができているため紙やすりで削る作業が必要だが、作業員が怠ったため隙間ができたまま運行。
漏れた燃料が高温の排気管に触れて気化し、白煙が上がった。
JRは、ノズルを交換した場合は部品が密着しているか、確認するよう徹底する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20131019k0000m040075000c.html
(2013年10月19日 朝日新聞北海道総合版(聞蔵))
部品を接合する際の調整が不十分だったことが、JR北への取材でわかった。
同社は、燃料漏れにつながった可能性があるとみて調べるとともに、再発防止のための技術指導を実施した。
JR北によると、トラブル前日の23日、エンジンに燃料を送るパイプと噴射ノズルの接合部付近に燃料のにじみが見つかって、同社は24日に噴射ノズルを交換。
この際、噴射ノズルとパイプの接合面を紙ヤスリなどで滑らかにしなかったため、凹凸が残ってしまったという。
交換後はエンジン出力を上げ、燃料漏れが起きてないことを確認していた。
接合面のヤスリがけはマニュアルに記載されておらず、技術者の経験に左右される部分だという。
ただ同社は、「経験豊富な技術者であれば、問題は起きなかった可能性がある」として、部品を交換した釧路運輸車両所にベテラン技術者を派遣、技術指導を実施した。
(2013年10月19日12時12分 北海道新聞 ※図解付き)
この列車は、出発前に別の燃料漏れが見つかり点検を受けたにもかかわらず、部品の異常が見逃されていたことが18日、JR北海道への取材で分かった。
JRでは、車両の修理が適切に行われずに同じ問題が繰り返される例が目立ち、JRはエンジンなどの修理を苗穂工場に一元化するなどの検討を始めた。
この車両は、出発前に釧路運輸車両所で行われた日常点検で、ノズルの別の箇所でわずかな燃料漏れが見つかり、ノズルやゴムパッキンを交換した。
その際、燃料パイプも取り外して接着面を確認していたが、検査社員は変形に気付かなかった。
同社は「変形は1mm以下で目視での発見は難しかった」とする一方、「ノズル交換後に長い時間、エンジンをかけっぱなしにして点検すれば、新たな燃料漏れを発見できた可能性はある」と説明する。
釧路運輸車両所では通常、ノズルの交換は行わない作業という。
同車両所では、特急列車の車両が昨年末、走行中にドアが開くトラブルが起きた際にも適切な修理が行われず、同じ車両が同様のトラブルを計7件繰り返した。
特急車両のドアは構造が複雑で、苗穂工場に持ち込んだ点検により、ドアの関連部品が摩耗していたことが判明したが、根本的な修理が遅れた。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/498903.html
(ブログ者コメント)
北海道新聞に掲載されている図によれば、出発前点検で漏れが見つかったのは、噴射ノズルとエンジンの接合部。漏れて白煙が上がったのは、噴射ノズルと燃料パイプの接合部だった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。