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2025年11月27日5時20分にロイターから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
香港北部・新界地区の大埔(タイポ)の高層マンション群で26日、大規模な火災が発生し、当局によると少なくとも36人が死亡した。
行方不明者は279人に上り、死者が今後増加する恐れがある。
火災の原因は判明していないものの、同マンションでは1年ほど前から改修工事が行われており、建物を覆っていた建設用の緑色の網や竹の足場によって火が燃え広がったとみられている。
マンション群は8棟、およそ2000戸が入る32階建て。
消防当局によると、現地時間の午後2時51分(日本時間午後3時51分)に火災が発生したとの通報があった。
強風にあおられ8棟のうち7棟に火がまわった。
火災発生から10時間以上が経過しているものの、マンションはなお炎や煙に包まれている。
香港の李家超(ジョン・リー)行政長官は、死者には消防士が含まれるとしたほか、消防士1人を含む29人が病院に搬送されたと述べた。
また、約900人が8カ所の避難所に避難しているという。
今回の火災は、1996年11月に九龍中心部の商業ビルで発生した火災以来、香港で最悪の火災となる。
同火災では41人が死亡した。
香港は世界でも珍しく、建築・工事現場の足場に竹がまだ広く使われている。
安全性の問題から当局は3月、竹の足場利用を段階的に廃止する措置を打ち出し、公共工事の50%に金属製足場の使用を義務付けると発表した。
https://jp.reuters.com/world/china/H4PY4GWTQJJOXOFRZK6FSLQGPI-2025-11-26/
11月27日20時42分にYAHOOニュース(FNNプライムオンライン)からは、竹はいったん火が着くと消火が難しい、ビルを覆っていたネットは防火基準を満たしていなかった、エレベーターホールの窓の外側は発泡スチロールで覆われていた、煙突効果が発生した可能性もあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
・・・
すさまじい勢いで燃え広がった炎。
その現場では、建物の周囲に組まれた足場が激しく燃え、崩れ落ちる様子が確認できる。
出火当時、現場では外壁の修繕工事が行われていて、香港では「竹の足場」が使われることが多く、地元メディアは、この竹の足場から火の粉が風で燃え移ったとの見方を伝えている。
■足場の「竹」燃えやすく消火が難しい材質
炎を上げ激しく燃える竹。
これは竹炭を作るため、切った竹を燃やした際の映像。
竹は燃えやすく、火力が強いため一度火がつくと、消火が難しい材質だという。
竹虎 四代目 山岸義浩さん:
(Q.竹の特徴は?)
とてもあぶら分が多い植物で、一度火がついたらなかなか消せないくらい強い火力で燃え上がります。
香港中心部の繁華街では2年前にも工事中の高層ビルで火災が発生。
この時も組まれていた竹の足場が激しく燃え爆発音が鳴り響き、火災現場周辺の道路には、竹が散乱していた。
香港では2025年3月、足場の崩落事故防止などの安全性の問題から、竹の足場を規制する方針を打ち出した。
今回の火災は、政府が徐々に竹から金属製の足場を増やしていく移行期間中に起きた。
■さらに延焼拡大したワケ「煙突効果」が要因か
しかしなぜ今回、ここまで炎が急速に燃え広がり、香港で過去最悪の事態となるまで被害が拡大したのか。
現場の状況を見た元東京消防庁麻布署長の坂口さんは、こう指摘する。
市民防災研究所 坂口隆夫理事:
「一番大きな要因は、工事中の足場が金属ではなくて竹でできていたものを使用していたと、それから工事用のシートが、これも可燃性のものを使用していた、この2つが(火が)外壁に広がった大きな要因。」
この修繕工事では、竹の足場が組まれていたことに加え、外壁を覆っていたネットが防火基準を満たしていなかったことが判明した。
さらに、エレベーターホールの窓の外側が燃えやすい発泡スチロールで覆われていたことも分かっている。
香港当局は、修繕工事を担当していた業者の取締役ら3人を過失致死の疑いで逮捕したと発表。
会社を家宅捜索した。
専門家は、燃えやすい素材で建物が覆われていたことで、さらに「煙突効果」といった現象が発生し、火が瞬く間に燃え広がった可能性を指摘する。
坂口理事:
「煙突効果」というのは、要は、足場工事用のシートとマンションの外壁との空間、これが“空気の通り道”になっていき、速く延焼を拡大していった。 」
(「イット!」11月27日放送より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e701bf7bbc7fa2071553f8bc94048ff56fd5414
11月27日14時15分にYAHOOニュース(Forbes JAPAN)からは、火災前に香港在住のライターから寄稿された竹製足場の現状に関する記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
・・・
香港の街を歩くと、まず目に飛び込んでくるのが竹の足場だ。
工事現場や古い建物を包み込むように組まれたその姿は、ほかの都市にはない存在感を放つ。
しなやかで強い竹を、熟練の職人が巧みに組み上げる。
この景色こそ、香港を象徴するアイコンだ。
密度の高い香港の街づくりを支えてきた、誇るべき伝統技術でもある。
しかし、この風景が変わりつつある。
■竹の足場から金属足場へ
2025年3月、香港政府は「安全性の強化」を理由に、竹の足場から金属足場への移行を進める方針を打ち出した。
中国本土や台湾、東南アジアなどアジアの多くで金属足場が主流になるなか、ほぼ香港にのみ残る独特の建設技術がこの竹の足場だ。
そのため、伝統技術が消えれば文化そのものが失われる、と市民のあいだで危機感が高まっている。
政府は「即時禁止ではない」と説明するが、新たな政府プロジェクトの約半数には金属足場を使用する方針を決定している。
香港の象徴でもあった竹の足場が縮小していく可能性は高い。
■数千本の竹をロープで
高層ビルの壁つたう 香港で竹の足場をよく目にするのと同じように、街では竹職人の姿も日常的だ。
彼らの動きはまるでサーカス団のように軽やかで、香港では敬意を込めて「スパイダー」と呼ばれている。
数千本の竹をロープで縛り上げ、ビルの高層階まで軽々と組み上げていく。
香港で長い間竹が選ばれてきたのはなぜか。
成長が早く再生可能な竹は、環境面でも優れ、SDGsが重視される今の時代に合致する。
鉄筋よりはるかに軽く、柔軟で、狭い現場に合わせて自在に加工できる。
竹は密集した市街地が広がる香港には最適な素材だった。
コスト面でも圧倒的に優位だ。
竹1本が約15香港ドル(約300円)に対し、金属製は約280香港ドル(約5600円)と桁違い。
環境・効率・価格の三拍子がそろった竹が、香港の超高層ビル群を長年支えてきた。
一方で、課題もずっと指摘されてきた。
何より安全性だ。
強風が吹き荒れる香港では、台風による倒壊リスクが常につきまとう。
組み方の不備による事故も多く、2018年以降では竹足場による事故で死亡した作業員の数が23人に上る。
命綱一本での高所作業は、常に危険と隣り合わせだ。
さらに深刻なのが、担い手の減少。
香港では足場の約80%という高い確率で竹が使われているが、職人はわずか4000人ほど。
師弟制度で受け継がれてきた技術は、ライセンス取得に1年、独り立ちまでに4年近くかかることもある。
労働環境が厳しく、若い世代は敬遠しがちだ。
■肉体的にきつく、危険
14歳からこの道を歩むベテラン職人の男性は「肉体的にきつく、危険で、賃金も高くない。若者はやりたがらない」と語る。
・・・
■進化も━━バイオマテリアルとしての「竹」
こういった中、香港では、伝統を守るだけではなく、現代の課題に合わせて進化させる動きが進んでいる。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/articles/a784c8fc040840694473c845c1bc694bb278aa29
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その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

