2013年6月13日21時44分にNHK神戸から、同日23時37分にmsn産経ニュースwestから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
13日午後5時ごろ、尼崎市額田町で工事現場の警備にあたっていた60歳の警備員の男性が、休憩していた車の中でうつぶせになってぐったりしているのを同僚の男性が見つけ、消防に通報した。
すでに男性は意識がない状態で、消防は、熱中症の疑いで病院に搬送したが、男性はおよそ1時間後、死亡した。
警察によると、男性は午前9時ごろから同僚2人とガス管の工事現場で交通整理していた。
午後4時ごろに気分が悪いと言ってエアコンをつけた車の中で休んでいたという。
警察は、消防が病院に搬送する際の状況などから、熱中症の疑いがあるとみて調べている。
13日の兵庫県内は、神戸市で日中の最高気温が36.3℃の猛暑日となって、6月としては観測史上、最も高くなるなど、記録的な暑さとなっていた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/kobe/2025285491.html?t=1371155762531
(ブログ者コメント)
既報のとおり、この日は西日本を中心に記録的な暑さで、各地で熱中症で倒れた人が病院に搬送されていた。
熱中症の症状が出た場合、涼しい場所で休憩することが一つの大きなポイントだが、今回の事例では、結果論として、休憩ではなく病院に連れて行ったほうがよかった。
それでは、熱中症の症状がどの程度であれば、病院に連れていったほうがよいのか?
本件、環境省HPの「熱中症環境保健マニュアルⅡ.3」に、熱中症になった場合の対処方法がアローチャートで示されており、その中に「自力で水分を摂取できなければ医療機関に搬送」という一つの基準が提示されている。
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
また、消防庁作成のリーフレットにも、加えて「脱力感や倦怠感が強く動けない、意識がない、全身けいれんといった症状を発見した場合はためらわず救急車を呼んでください」と記載されている。
http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2306/pdf/230614-1.pdf
(2013年10月9日 修正1 :追記)
2013年10月1日20時22分にNHK神戸から、10月2日8時43分にmsn産経ニュースwestから、10月2日付で毎日新聞兵庫版から、会長などが対策を講じていなかった疑いで書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
尼崎労基署は、水を提供するなどの熱中症対策を怠ったとして、男性が勤務していた警備会社と会社の会長を労安法違反の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、西宮市の警備会社「L警備保障」と会社を実質的に経営している55歳の会長。
同署によると、熱中症による死亡で会社と経営者を書類送検するのは珍しいという。
尼崎市では当時の最高気温は34℃を超えていたということで、尼崎労基署は、会社の熱中症対策に問題がなかったか調べていた。
その結果、当日、多量の発汗を伴う暑さだったにも関わらず、死亡した男性を含む現場の3人の警備員に交通整理させるのに、水や塩分を提供するなどの熱中症対策を講じていなかった疑いが強まったという。
このため、監督署は1日、警備会社と会長を労安法違反の疑いで書類送検した。
同署によると、会長は容疑を認めていて、「対策は7月からやればいいと思っていた」と話しているという。
同署によると、県内では熱中症による労災請求が1〜8月に112件あった。死亡によって書類送検したのはこの件だけだという。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/kobe/2024951571.html?t=1380660619756
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131002/waf13100208450004-n1.htm
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20131002ddlk28040371000c.html
(ブログ者コメント)
この事例がそうだったかどうかは不明だが、「熱中症に気をつけろ」と口で注意するだけではダメ、ちゃんと具体的な対策をとる必要がある・・・といったことも、この事例から感じとった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。