2018年7月5日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正3として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8535/
(2018年11月7日 修正3 ;追記)
2018年10月29日20時41分に朝日新聞から、施工不良が原因だったなどとする最終報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市の調査委員会は29日、「設計・施工不良と腐食が倒壊の主因」とする最終報告書をまとめ、浜田市長に答申した。
委員会によると、ブロックと基礎を接合する鉄筋46本のうち33本の長さが足りずに抜け、13本も腐食して破断。
接合筋は、ブロック内を縦に通した鉄筋とも溶接されていなかった。
「設置当時から建築基準法に違反した構造で、耐力不足」と結論づけた。
施工業者は現存しないという。
法定点検の一部が実施されていなかった点については、委員会は、「適切に点検していても、塀の内部の不良箇所を見つけるのは困難」とし、倒壊との直接的な因果関係は認めなかった。
記者会見した委員長の奥村与志弘・関西大准教授は、「学校の安全を確保するには、ブロック塀をすべて撤去し、今後設置しないのが望ましい」と述べた。
市に対し、国に法定点検方法の改定を求めるよう促した。
市は、小中学校からブロックの構造物をすべて撤去する方針で、浜田市長は、「答申を受け止め、再発防止に取り組む」とコメントした。
警察は、業務上過失致死の疑いで捜査を続けている。
出典
『地震で倒壊ブロック塀「施工不良と腐食が原因」 市報告』
https://www.asahi.com/articles/ASLBY4692LBYPPTB001.html
10月29日17時33分にNHK関西からは、かなり詳しい解説記事が下記趣旨でネット配信されていた。
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【調査委の主な論点】
寿栄小学校のブロック塀を巡っては、設置されたいきさつやその後の点検などで不透明な点が多く、調査委員会では、主に3つの論点が示された。
▼1つ目は、ブロック塀が倒壊した原因だ。
寿栄小学校のブロック塀は、昭和49年に基礎部分が作られ、その後、その上に1.6mのブロック塀が積み上げられた。
委員会によると、このとき、基礎部分とブロック塀をつなぐ鉄筋は、法令では基礎部分に最低でも52cm刺さっている必要があるが、実際には平均で13.8cm、中には8cmほどしか刺さっていないところもあったという。
また、鉄筋の腐食も進んでいて、13mmの太さが5mmにまで細くなっている部分もあった。
ほかにも、ブロックを積み上げる際に、鉄筋がうまく入らないのをごまかすために鉄筋を曲げて使うなど、ずさんな施工が見つかったという。
委員会では、倒壊の原因には、こうしたずさんな施工があると結論づけた。
▼2つ目は、学校設備の点検で危険なブロック塀が見過ごされたという点だ。
委員会は、ブロック塀の点検は外見を確認するため、内部の施工不良や劣化を見つけることはできないと指摘した。
そのうえで、同様の事故を防ぐには、点検よりも、ブロック塀の速やかな撤去を優先するべきだとした。
▼そして3つ目は、高槻市教育委員会や学校関係者のブロック塀に対する意識だ。
地震の際にブロック塀が倒壊して被害をもたらすことは、専門家の間や過去に被害を受けた地域では、よく知られたことだった。
これについて答申では、高槻市教委をはじめとする市の姿勢について、「具体的に対策をとる必要性が高い危険なものとしてブロック塀を認識していなかったことは、高槻市全体の課題だ」と、厳しく指摘した。
今回の調査委員会では、十分に分からなかった点もあった。
そのひとつが、問題のあるブロック塀が作られた詳しい事情だ。
ブロック塀の工事を担当した業者はすでに解散していて、話を聞くことはできなかった。
当時の設計図も、見つからなかった。
また、責任の所在について調査委員会の奥村委員長は、「この委員会では法律の専門家はおらず、そこまで検討していない。この報告書を使って、専門の方々に考えてほしい」と述べた。
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【数々の問題点 倒壊の原因は】
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【学校のブロック塀撤去】
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【民間のブロック塀も】
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出典
『ブロック塀事故 原因は施工不良』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181029/0009176.html
10月29日22時58分に毎日新聞からは、報告書は踏み込み不足だという批判もあるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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一方、行政の具体的責任は特定せず、専門家からは「踏み込み不足だ」との批判も出ている。
答申は、点検の限界を強調したものの、地震直後から問題になっていたのは、点検の未実施や設計図の所在不明など、行政の対応の不備だった。
ただ、答申では、これらの点について、責任問題には具体的に触れなかった。
奥村委員長は、「調査委メンバーに法律の専門家もおらず、議論していない」と、言葉を濁した。
2015年には、防災アドバイザーとして吉田亮一氏(61)=仙台市=が、2度にわたり高槻市にブロック塀の危険性を伝えていた。
この指摘を生かせなかった点について奥村委員長は、「関係者に聞き取りをしたが、いろいろ指摘された中にブロック塀も含まれており、非常に記憶が曖昧なものだった」と釈明。
吉田氏は取材に対し、「学校側と市教委の意思疎通の問題点や、責任の所在について、答申はあまり踏み込んでいない」と批判した。
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出典
『大阪北部地震 ブロック塀倒壊答申「踏み込み不足」批判も』
https://mainichi.jp/articles/20181030/k00/00m/040/112000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。