2019年6月6日17時59分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6日朝、横浜市で、市営地下鉄ブルーラインの始発電車がレールに置かれたままになっていた装置に乗り上げ脱線した事故で、当時、現場では装置の置き忘れを防ぐための警告灯やブザーのスイッチが切られていたことがわかった。
市の交通局は、作業手順にミスがあったとして、詳しい状況を調べている。
ブルーラインは、今も一部の区間で運転できなくなっている。
6日午前5時20分ごろ、横浜市営地下鉄ブルーラインの始発電車が横浜市泉区の下飯田駅を出て、120mほどの場所で脱線した。
横浜市交通局によると、事故を起こしたのは湘南台発あざみ野行きの6両編成の上り電車で、前から5両が進行方向の左側に脱線して止まったという。
車内には乗客およそ120人から130人がいたが、6日夕方になって、肩を打撲したという女性から病院で診察を受けると連絡があったという。
事故の影響で、ブルーラインは今も湘南台駅と踊場駅の間で運転できない状態が続いていて、踊場駅とあざみ野駅の間で折り返し運転を行っている。
全線での運行再開は、早くても今月9日の始発からになる見込みだという。
横浜市交通局によると、営業運転が始まる前の6日未明から早朝にかけて、作業員が工事用車両を通すための「横取り装置」と呼ばれる補助レールを点検していたが、この装置をレールの上に置いたまま撤去し忘れ、そこに始発電車が乗り上げたという。
本来、装置を使った場合は、撤去するまで警告灯をつけてブザー音を鳴らす決まりになっているが、脱線が起きたとき、そのスイッチは切られた状態だったという。
横浜市交通局は、作業手順にミスがあったとして、当時の詳しい状況を調べている。
一方、国の運輸安全委員会も鉄道事故調査官3人を現地に派遣して、原因の調査を進めている。
装置は、保守点検のための車両が上りと下りの線路を自在に行き来できるようレールの上に置くもので、長さはおよそ3.5mある。
横浜市営地下鉄ブルーラインでは、全部で6か所のポイント付近にこの装置が設置されているという。
スイッチを入れれば警告灯がつきブザー音が鳴る仕組みで、交通局の指令室でも使用状況を把握できるようになっている。
一方で、スイッチを切ってしまうと、横取り装置がレールの上に置かれた状態でも警告灯やブザー音はやんでしまうということで、交通局が事故当時の状況を引き続き調べている。
出典
『横浜市営地下鉄が脱線 一部不通』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20190606/1050006443.html
6月6日22時8分に神奈川新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市によると、営業運転中の市営地下鉄が脱線事故を起こしたのは1972年の開業以来、初めて。
市によると、電車は同駅から約150m走行した地点で、先頭車両の6号車から5両目の2号車までが進行方向左側に脱線。
運転士がブレーキを掛け、電車は40m先で停車した。
時速35km程度出ていたとみられる。
乗客は最後尾の非常口から降車し、線路脇を歩いて同駅に避難した。
装置は「横取り装置」と呼ばれ、長さは約3.5m。
工事用車両を移動させるために、本線と保守用の側線との分岐部分にかぶせて使用する。
6日午前1時半から同3時45分ごろまで、作業員3人が線路上で装置を点検。
終了後に撤去したと思い込み、装置が線路上にあることを知らせる警告灯やブザーを止めた。
そのため、司令所も運転士も装置が置かれたままになっていることに気付かなかった。
出典
『撤去忘れ装置に電車乗り上げ 脱線は1972年の開業後初』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-172929.html
6月6日22時14分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は、作業員が装置を元の場所に戻すのを忘れたとみて調べている。
装置は、置き忘れを防ぐため、使用時にピンを抜くと警告が出て、作業後にピンを戻すと止まる仕組み。
しかし、今回の事故では、装置がレールに残ったままピンだけ戻され、警告が消えた状態だった。
出典
『脱線後の地下鉄車内「煙で白くなって異臭が…」』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190606-OYT1T50307/
6月8日13時56分に神奈川新聞からは、復旧作業が難航しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市は8日、復旧作業が難航し、全線運行再開の見通しが立っていない状況を明らかにした。
市交通局によると、脱線した車両5両のうち、3両はレール上に引き上げられたが、残り2両は、コンクリート製の枕木の損傷が激しく、車輪が枕木の下の砂利に沈み込んでいる。
このため、車体が傾いてトンネル側壁に接近し、作業スペースが確保できないことから、残り2両を引き上げるのが困難になっている。
また、レール上に引き上げた車両1両でも台車部分にひずみが見つかり、車両基地までの搬送に耐えられない可能性が出てきており、市交通局は撤去方法を再検討している。
市交通局はJR東日本、東急電鉄などにも協力を仰ぎ、ここまで延べ650人が復旧作業にあたっているという。
出典
『復旧作業難航 全線再開、見通し立たず』
https://www.kanaloco.jp/article/entry-173332.html
6月10日10時8分に朝日新聞からは、10日朝に運転を再開したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市交通局は10日午前10時、運行休止が続いていた湘南台~踊場(おどりば)間の運行を再開した。
当初は9日の始発からの再開をめざしていたが、脱線車両のレールへの引き上げなどに時間がかかったという。
破損した枕木などの復旧を10日未明に終え、試運転を行ったうえで運行を再開した。
事故車両は車両基地へ移動させる時間がなく、湘南台駅の2番線に暫定的に停車させている。
このため、運行本数の多い夕方ラッシュ時は、一部を踊場~あざみ野間での折り返し運転とした。
出典
『ブルーラインが運行再開 事故車両、駅に暫定停車のまま』
https://www.asahi.com/articles/ASM6B30P6M6BULOB002.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の1コマ。
白が装置の通常時の状態で、脱線時は黄色のようになっていたとのこと。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。