2018年11月4日19時5分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大型トラックやバスのタイヤが走行中に外れる事故が6年で6倍超に急増し、2017年度は67件に上った。
冬タイヤの交換作業ミスが目立つが、脱落する8割強が「左後輪」に偏っていることもわかった。
いったいなぜなのか。
左は歩道に近い側で、極めて危険。
国交省や業界は、注意喚起と原因究明を進めている。
8トン以上のトラック、定員30人以上のバスのタイヤ脱落事故を、国交省が集計した。
タイヤ脱落は、00年代前半に三菱自動車製の大型トラックの部品「ハブ」が相次いで壊れた問題などで啓発が進み、一時、減少傾向にあったが、11年度の11件を底に、増加傾向に転じた。
17年度の内訳を見ると、9割ほどが、冬用タイヤの交換など、着脱の3カ月以内に発生。
約9割が、ボルトを規定値まで締め付けていないなどの作業ミスと推定された。
ミスが増えている要因としては、近年の輸送業界の人手不足が指摘されている。
国交省の資料では、自動車整備要員の有効求人倍率(17年度)は3.73倍で、全職種(1.54倍)を大きく上回っている。
ドライバーも同じ傾向だ。
大型トラックのタイヤは、直径1m、重さ100kgにもなる。
02年に横浜市で三菱製トレーラーによる母子3人の死傷事故があったほか、08年4月には、静岡県の高速道路で大型トラックの左後輪が外れ、対向車線の大型観光バスに衝突。
バス運転手が死亡、乗客7人が負傷した。
今年6月にも愛知県で大型トラックのタイヤが外れ、負傷者が出ている。
冬タイヤへの交換が本格化するこの時期、日本自動車工業会は、ホイールに傷や亀裂がないか、ボルトやナットに緩みや損傷がないかなど、運転前に手で触って点検するよう、チラシを作って呼びかけている。
一方、不可解なのは、17年度の脱落事案の83%(56件)が左後輪に偏っている点だ。
16年度も、全56件のうち85%が左後輪だった。
偏りの原因は不明だが、国交省が自動車メーカーや専門家らの意見を聞き、検討を重ねたところ、いくつかの可能性が浮上した。
一つ目は、道路は一般的に中心部が高く、両端は低くなっている構造に起因する。
車は、対向車との接触防止などのため、なるべく道の左に寄って走る(キープレフト)よう求められていることから、左側のタイヤの負荷が大きくなっているという見立てだ。
二つ目は、「旋回半径が小さい左折時に、左後輪がコンパスの針の部分のようにほぼ回転しないまま、よじれてしまう」という推定。
三つ目は、「左折よりもスピードを出しがちな右折時の遠心力により、積み荷の荷重が左後輪に偏る」との説だ。
一方、前輪の脱落は、左右合わせて1件だけ。
前輪部の震動はハンドルを通じてドライバーに伝わりやすく、早期に対処できているためとみられている。
国交省の担当者は、「左後輪の謎は未解明だが、日々の点検や確認で脱落は防げる」としている。
【大型車のタイヤ脱落による人身事故の例】
<2002年 1月> 横浜市で、三菱自動車製のトレーラーから外れた車輪の直撃で母子3人が死傷
< 04年 2月> 北海道で、大型ダンプから車輪が脱落。
歩道を歩いていた幼児に直撃し、死亡
< 08年 4月> 静岡県の高速道路で、大型トラックの車輪が外れ、対向車線の大型観光バスに衝突。
バス運転手死亡、乗客7人負傷
< 16年11月> 札幌市で、走行中の大型ダンプの車輪が脱落。
走行中の軽乗用車に衝突し、運転者が負傷
< 17年 3月> 京都府で、大型トラックの左後輪が脱落。
約400m転がって信号待ちの軽乗用車に衝突し、運転者が負傷
< 18年 6月> 愛知県の国道バイパスで、大型トラックのタイヤが外れ、対向車線の乗用車に衝突し、運転者がけが
出典
『トラックのタイヤ脱落急増 歩道に近い左後輪が8割強』
https://www.asahi.com/articles/ASLBY55L7LBYUTIL02F.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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